JP4876852B2 - 過給機 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の給気圧力を高め該内燃機関の出力を増大する過給機付きエンジン、特に舶用のエンジンに用いられる過給機に関するものである。
内燃機関に用いられる過給機は、内燃機関の排気エネルギを利用してタービンを駆動し、該タービンにより圧縮機を駆動し、給気圧力を高めるものである。
図8に於いて、従来の過給機について説明する。
軸受ハウジング1を挾み両側にタービンハウジング2、コンプレッサハウジング3が同軸上に連設され、前記軸受ハウジング1にはタービン軸4が軸受5を介して回転自在に支持され、前記タービン軸4の一端部には前記タービンハウジング2に収納されるタービン翼車6が固着され、前記タービン軸4の他端部にはコンプレッサ翼車7が固着されている。
前記タービン翼車6は高温の排気ガス中で回転することから、耐熱合金、セラミック材等から構成され、前記タービン軸4は通常鋼製であり、該タービン軸4と前記タービン翼車6とは溶接等所要の手段で一体化されていた。
前記軸受ハウジング1内部には軸受支持部10が形成され、該軸受支持部10に前記軸受5が嵌設されている。前記軸受支持部10の周囲は空洞8となっており、前記軸受ハウジング1の下部には前記空洞8に連通する排油孔9が穿設されている。前記軸受ハウジング1の所要位置には潤滑油導入孔11が穿設され、前記軸受支持部10には油路12及び通孔13が穿設され、前記油路12は前記潤滑油導入孔11に連通し、前記軸受5に潤滑油を導き、前記通孔13は前記軸受5から流出される潤滑油を前記空洞8に排出する様になっている。
前記潤滑油導入孔11はエンジンの潤滑油循環回路(図示せず)に連通しており、前記排油孔9は前記潤滑油循環回路のオイルクーラ(図示せず)に接続されている。
前記軸受ハウジング1の前記タービンハウジング2との接合面に沿って冷却水流路14が形成され、該冷却水流路14はエンジンの冷却水循環回路(図示せず)に連通している。
前記タービンハウジング2は前記タービン翼車6の周囲に形成されたスクロール通路15を有し、該スクロール通路15は環状ガス流路16を介して前記タービン翼車6と連通している。又、前記タービンハウジング2は中央部に前記タービン翼車6と同心の排気口17が形成されている。
前記コンプレッサハウジング3は前記軸受ハウジング1に同心に固着されるシールプレート24と該シールプレート24に同心に固着されるハウジング本体25から構成され、前記コンプレッサ翼車7の周囲に環洞流路26が形成される構造となっている。該環洞流路26の所要位置には吐出孔(図示せず)が連通され、該吐出孔(図示せず)は図示しないエンジンの燃焼室側と連通している。又、前記ハウジング本体25の中央には前記コンプレッサ翼車7に臨み該コンプレッサ翼車7と同心の吸入孔23が形成されている。
前記コンプレッサ翼車7の周囲には前記環洞流路26に連通するディフューザ部28が形成されている。
エンジン(図示せず)からの排気ガスは、前記スクロール通路15、前記環状ガス流路16を通過し、前記タービン翼車6を通過して前記排気口17から排出され、排気ガスの通過排出過程で、前記タービン翼車6を回転させる。
該タービン翼車6の回転により、前記タービン軸4を介して前記コンプレッサ翼車7が回転され、前記吸入孔23より燃焼用空気が吸入され、吸入された燃焼用空気は前記コンプレッサ翼車7の回転及び前記ディフューザ部28を通過することで圧縮され、前記環洞流路26に流入する。圧縮された空気は該環洞流路26から前記吐出孔(図示せず)を経てエンジン(図示せず)に給気される。
前記軸受5には前記潤滑油導入孔11から潤滑油が供給され、前記タービン軸4の回転部分を潤滑し、前記通孔13、前記空洞8、前記排油孔9を経て排出される。前記潤滑油は軸の回転部分を潤滑すると共に前記タービン軸4、前記軸受5の冷却も行う。前記タービンハウジング2を流通する排気ガスは高温であり、該タービンハウジング2から伝達される熱で前記軸受ハウジング1の温度が高くなりすぎない様に、前記冷却水流路14を流通する冷却水で前記軸受ハウジング1の前記タービンハウジング2接合部分を冷却している。
又、高温の排気ガスが流通する前記タービンハウジング2内部と、前記潤滑油、前記冷却水によって冷却される前記空洞8とを遮断する為のシール部31が、前記軸受ハウジング1の前記タービンハウジング2との境界部に設けられる。
前記シール部31について説明する。
該シール部31は前記タービン軸4のネック部32と、該ネック部32が貫通する前記軸受ハウジング1の孔33とによって構成されている。
前記ネック部32には2つの溝34,35、及び該溝34,35に隣接する土手部36,37が形成され、前記タービン翼車6側の前記溝34にはC型のシールリング38が摺動自在に嵌合され、該シールリング38は弾性による拡大力によって前記軸受ハウジング1に固定されている。従って、前記タービンハウジング2の内部と前記軸受ハウジング1の内部とは前記シールリング38によって遮断されている。
又、もう1つの前記溝35は、前記軸受5に供給された潤滑油が前記タービンハウジング2側に浸入しない様に、前記土手部37との相互作用により、油切りを行う。
上記過給機が舶用内エンジンに用いられた場合、排気ガスが高温である為、その熱と潤滑油が反応し、非常に硬い物質が生成される。未燃物は、前記シール部31の隙間に浸入し、蓄積されるので、前記ネック部32の前記シールリング38、前記溝34、前記土手部36等を摩耗させる。
前記シールリング38、前記溝34、前記土手部36の摩耗により、隙間が増大し、高温の排気ガスが前記空洞8内に浸入することで、潤滑油が硬質の異物に変質する等する。この為、未燃物、異物により更に摩耗が進行して、前記シール部31の機能が失われる事態も考えられる。
この為、前記ネック部32を硬化処理する等して耐摩耗性の向上が望まれるが、前記タービン翼車6と前記タービン軸4が一体の状態で前記ネック部32を硬化処理することは難しく、限られた硬化処理しかできなかった。又、前記ネック部32に硬化処理、例えばクロムモリブデン鋼鋼材に高周波焼入、窒化処理を実施したとしても、高周波焼入、窒化処理等で得られる硬さは、ビッカース硬さHv500〜600程度である。
又、硬質な材料を溶射して硬化処理をする方法も考えられるが、前記タービン軸4と前記タービン翼車6とが一体である場合は、やはり施工が困難であるという問題があった。
又前記溝34部が部分的に摩耗した場合でも、前記タービン軸4と前記タービン翼車6とが一体構造の場合、前記タービン軸4と前記タービン翼車6を交換しなければならなかった。
特開2004−138007号公報
本発明は斯かる実情に鑑み、過給機のシール部が摩耗した場合に、摩耗部分のみを交換可能とし、更にシール部の耐摩耗性を向上させ、保守費用を低減させるものである。
本発明は、タービンを収納するタービンハウジングと、タービン軸を収納する軸受ハウジングとを具備し、前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングの境界部と、前記タービン軸との間にシール部が設けられ、該シール部は前記タービン軸に圧入又は焼嵌めされたシールブッシュと、該シールブッシュと前記境界部間に掛渡って設けられたシールリングを有する過給機に係るものである。
又本発明は、前記シールブッシュは前記シールリングが嵌入する溝を有し、該溝、前記シールリングの少なくとも一方に耐摩耗処理がなされた過給機に係るものである。
又本発明は、前記シールブッシュの外面、内面の両面に耐摩耗処理がなされた過給機に係るものである。
又本発明は、前記タービン軸に前記シールブッシュが嵌合するブッシュ嵌合部が形成され、該ブッシュ嵌合部に隣接する段差部が形成され、前記シールブッシュは前記段差部に当接する様に設けられ、該段差部と前記シールブッシュの先端内縁部との間に間隙が形成され、前記段差部と前記シールブッシュ間には前記間隙に連通する空気抜き溝が設けられた過給機に係るものである。
更に又本発明は、前記タービン軸に前記シールブッシュが嵌合するブッシュ嵌合部が形成され、該ブッシュ嵌合部は前記シールブッシュ内面の一部に当接し、前記ブッシュ嵌合部の境界は前記溝の溝底隅部に対し軸心方向位置がずれている過給機に係るものである。
本発明によれば、タービンを収納するタービンハウジングと、タービン軸を収納する軸受ハウジングとを具備し、前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングの境界部と、前記タービン軸との間にシール部が設けられ、該シール部は前記タービン軸に圧入又は焼嵌めされたシールブッシュと、該シールブッシュと前記境界部間に掛渡って設けられたシールリングを有するので、前記シールブッシュが摩耗した場合には、該シールブッシュを交換することができ、最小限のコストでシール性能を維持できる。
又本発明によれば、前記シールブッシュは前記シールリングが嵌入する溝を有し、該溝、前記シールリングの少なくとも一方に耐摩耗処理がなされたので、前記シールブッシュ、前記シールリングの交換間隔が長くなり、保守コストが低減する。又前記シールブッシュ、前記シールリングはタービン軸とは別部品であるので、単体で耐摩耗処理が行え、施工性、耐摩耗処理の品質が向上する。
又本発明によれば、前記シールブッシュの外面、内面の両面に耐摩耗処理がなされたので、耐摩耗性、疲労強度が増大する。
又本発明によれば、前記タービン軸に前記シールブッシュが嵌合するブッシュ嵌合部が形成され、該ブッシュ嵌合部に隣接する段差部が形成され、前記シールブッシュは前記段差部に当接する様に設けられ、該段差部と前記シールブッシュの先端内縁部との間に間隙が形成され、前記段差部と前記シールブッシュ間には前記間隙に連通する空気抜き溝が設けられたので、前記間隙に残置した、或は浸入した潤滑油等が前記空気抜き溝より、放出され、熱による劣化、変質による異物の析出が防止される。
更に又本発明によれば、前記タービン軸に前記シールブッシュが嵌合するブッシュ嵌合部が形成され、該ブッシュ嵌合部は前記シールブッシュ内面の一部に当接し、前記ブッシュ嵌合部の境界は前記溝の溝底隅部に対し軸心方向位置がずれているので、前記境界と前記溝の溝底隅部との相互作用による前記シールブッシュに発生する応力の増大を抑制できる等の優れた効果を発揮する。
以下、図面を参照しつつ本発明を実施する為の最良の形態を説明する。
図1は本発明に係る過給機のタービン軸41、タービン翼車42部分を示す部分図であり、図2はネック部32の部分拡大図である。
尚、本発明に係る過給機の構造は、図8で示したものと同等であり、以下は説明を省略する。又、本発明に係るタービン軸41、タービン翼車42は上記過給機のタービン軸4、タービン翼車6と同仕様であり、互換性を有する様に製作することも可能である。
前記タービン翼車42を耐熱合金、例えばニッケル耐熱合金であるインコネル(登録商標)で製作し、該タービン翼車42に鋼製の前記タービン軸41の一端(以下先端)を溶接付けする。
該タービン軸41は、軸本体43及び該軸本体43の先端部(ブッシュ嵌合部44)に圧入又は焼嵌めされたシールブッシュ45によって構成され、該シールブッシュ45を前記ブッシュ嵌合部44に圧入又は焼嵌めした状態では、前記タービン軸41は従来のタービン軸4と同仕様となっており、前記ブッシュ嵌合部44の先端が前記タービン翼車42に溶接される。
前記軸本体43は、前記ブッシュ嵌合部44に連続する軸受嵌合部46を有し、前記タービン翼車42に溶接される前記ブッシュ嵌合部44の先端と前記タービン翼車42の境界には段差が形成され、前記ブッシュ嵌合部44の先端部には応力緩和の為のR加工によるR溝47が形成されている。又、前記ブッシュ嵌合部44と前記軸受嵌合部46との境界部にもR溝48が形成され、該R溝48の先端側のR溝縁48aは前記ブッシュ嵌合部44の後端側境界となっている。
前記シールブッシュ45には土手部39と土手部36との間に溝34が形成され、前記土手部36と土手部37との間に溝35が形成されている。前記溝34にはシールリング38(図8参照)が嵌合され、前記溝35と前記土手部37によって油切りが構成される。
前記シールブッシュ45の先端側内縁部はR面取り49され、又前記シールブッシュ45の後端内縁はC面取り51されている。前記R面取り49は前記シールブッシュ45の圧入又は焼嵌め時に前記軸本体43とかじりのない様に、又前記C面取り51は前記シールブッシュ45の引抜き時に前記軸本体43とのかじりのない様に設けられている。又前記R面取り49は前記R溝47と干渉しない様になっている。
尚、前記C面取り51の内縁は前記R溝縁48aより先端側、即ち前記ブッシュ嵌合部44の周面上となっている。又、前記R面取り49はC面取りであってもよく、前記C面取り51はR面取りであってもよい。
前記シールブッシュ45の先端面には空気抜き溝52が刻設され、該空気抜き溝52は前記R溝47と前記R面取り49間に形成される間隙53と連通している。前記空気抜き溝52は少なくとも2本形成され、該空気抜き溝52は、前記シールブッシュ45の回転バランスが取れる様に設けられる。又、前記空気抜き溝52は前記タービン翼車42の前記シールブッシュ45が当接する前記段差の突当て面に形成されてもよい。
前記空気抜き溝52が設けられることで、前記間隙53に残置した、或は浸入した潤滑油、或は前記シールブッシュ45を圧入又は焼嵌めする場合に使用される潤滑剤等が前記空気抜き溝52から放出される。従って、前記間隙53に残置した、或は浸入した潤滑油等が、高温で劣化し、変質して、高硬度の異物が析出することが防止される。
又、前記R溝47と前記ブッシュ嵌合部44の境界、即ちR溝縁47aは前記溝34の溝縁34aに対して前記軸本体43の軸心方向にずれており、例えば図示の様に、前記溝縁34aが先端側にずれている。尚、該溝縁34aは後端側にずれていてもよい。
前記シールブッシュ45は前記ブッシュ嵌合部44に圧入又は焼嵌めされ、圧入又は焼嵌めによる締結力は前記軸本体43が最高回転し、前記シールブッシュ45に遠心力が作用した場合も、所要の締結力が残置する様に設定される。
前記シールブッシュ45は前記軸本体43に圧入又は焼嵌めにより嵌着され、圧入又は焼嵌めによる締結力以上の引抜き力を作用することで抜脱され、前記シールブッシュ45は前記軸本体43に対して交換可能となっている。
尚、前記シールブッシュ45の材質としては、例えばSACM、炭素鋼鋼材(S材)、マンガン鋼鋼材(SMn材)、マンガンクロム鋼鋼材(SMnC材)、クロム鋼鋼材(SCr材)、クロムモリブデン鋼鋼材(SCM材)、ニッケルクロム鋼鋼材(SN材)、ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材(SNCM材)、工具鋼鋼材(SKH材)、チタン合金(Ti−Al−V)等が選択され、又前記シールブッシュ45に対して耐摩耗処理がなされる。
耐摩耗処理は前記シールブッシュ45、シールリング38の少なくとも一方、好ましくは両方に実施され、前記シールブッシュ45については単体の状態で実施され、特に前記溝34に対して実施される。
耐摩耗処理としては、摩擦係数を低減する処理として、固体潤滑性を有する材質を前記溝34、前記シールリング38の表面にメッキ等の方法により、層形成する。固体潤滑性を有する材質としては、グラファイト、ニッケル、モリブデン等が挙げられ、層硬さがHv500以上となる様なものは硬化処理としても機能する。
固体潤滑性を有する材質により、前記シールリング38、前記シールブッシュ45を表面処理することで、前記シールリング38、前記溝34部分の寿命が延びる。例えば、固体潤滑性を有するグラファイトによる耐摩耗処理では約19倍、ニッケルやモリブデンを含有の耐摩耗処理では約4倍程度寿命を延ばすことが可能である。
耐摩耗処理として、表面の硬化処理がなされる。硬化処理としては、Al、Cr、Ti、W等の金属やその炭化物を素材表面から拡散浸透させる表面硬化、クロムカーバイト、タングステンカーバイトによる溶射、セラミックスを含んだ材料の物理蒸着又は化学蒸着、ニッケル、ボロン、リンを含んだメッキ等のいずれか1つ又は重合せで少なくともHv500以上の硬度が得られる様処理される。
次に、耐摩耗処理、硬化処理は、前記シールブッシュ45の内筒面、前記ブッシュ嵌合部44を含む前記軸本体43の先端部にも施工されてもよい。前記シールブッシュ45の内筒面、前記軸本体43の先端部に耐摩耗処理、硬化処理することで、前記軸本体43のネック部32の疲労強度が増大する。
尚、前記シールブッシュ45に対して表面処理を実施する場合、前記溝34の側面に効果的な表面処理がなされることが好ましい。従って、図4(A)(B)(C)(D)に示される様に前記シールブッシュ45を前記溝34位置で分割し、該溝34に対する表面処理の施工性を向上することが可能である。該溝34位置で分割することで、例えば溶射する場合、側面に対して垂直な方向から実施できるので、堅固な成膜が可能となる。
次に、前記シールブッシュ45を別体とし、前記軸本体43に圧入又は焼嵌めする構造としたことで、前記シールブッシュ45には圧入又は焼嵌めに対応する応力が発生し、又前記軸本体43回転時には遠心力による応力が作用する。
従って、前記シールブッシュ45には圧入又は焼嵌め時に発生する応力で破壊しない、又遠心力が作用しても弛みを生じない圧入又は焼嵌めによる締結力が要求される。更に、圧入又は焼嵌めによる締結力は、締め代(圧入代)と、前記ブッシュ嵌合部44と前記シールブッシュ45との接触面積によって決定されるので、応力破壊に達しない範囲で締め代と、接触面積が設定される。
次に、図5〜図7に於いて、前記ブッシュ嵌合部44と前記シールブッシュ45の嵌合状態に対応した該シールブッシュ45に発生する最大主応力について説明する。
本発明者による解析結果によると、前記シールブッシュ45に発生する最大主応力は、前記溝34の溝底の後端側の隅部、即ち前記溝縁34aであることが分っており、又、該溝縁34aと前記R溝縁47aとの位置関係で最大主応力の発生状態が異なることも把握している。
図5は前記R溝縁47aに対して前記溝縁34aが後端側に位置する場合を示し、図6は前記R溝縁47aと前記溝縁34aとが同位置にある場合を示し、図7は前記R溝縁47aに対して前記溝縁34aが先端側に位置する場合を示している。
又、図5(A)、図6(A)、図7(A)は前記シールブッシュ45が圧入又は焼嵌めされ、前記軸本体43が停止状態の応力発生状態、図5(B)、図6(B)、図7(B)は前記軸本体43が最大回転時の応力発生状態の、それぞれ一例を示している。尚、図5(A)(B)、図6(A)(B)、図7(A)(B)中下側の線図が、それぞれシールブッシュ45に発生する最大主応力の位置と大きさを示している。
図5によれば、前記R溝縁47aに対して前記溝縁34aが後端側に位置する場合、該溝縁34aに発生する最大主応力は停止時の最大主応力を1とした場合、最大回転時で0.97である。
又図6によれば、前記R溝縁47aと前記溝縁34aとが同位置にある場合は、該溝縁34aに発生する最大主応力は停止時で1.47、最大回転時で1.04である。
又図7によれば、前記R溝縁47aに対して前記溝縁34aが先端側に位置する場合、該溝縁34aに発生する最大主応力は停止時で0.95、最大回転時で0.85である。
又、前記R溝縁47aが接する前記シールブッシュ45の内面にも集中応力が発生することから、前記R溝縁47aと前記溝縁34aとが応力発生に相互作用していると考えられ、前記溝縁34aと前記R溝縁47aの位置関係を考慮することで、前記溝縁34aに発生する最大主応力を低減させることができる。即ち、少なくとも、前記R溝縁47aと前記溝縁34aとの軸心方向の位置をずらせることで前記溝縁34aに発生する最大主応力を低減させることができる。
尚、前記シールブッシュ45に対する表面硬化処理を該シールブッシュ45の外面、内面の両面に実施することで、発生する応力を更に低減でき、耐摩耗性が向上すると共に疲労強度が増大する。
如上の如く、前記シールブッシュ45を交換可能にしたので、該シールブッシュ45が摩耗した場合に前記軸本体43を変更することなく、前記シールブッシュ45の交換だけで対応でき、保守コストを大幅に低減できる。
又、前記シールブッシュ45を別体としたので、表面硬化処理の施工性が向上し、表面硬化処理の品質が向上し、耐摩耗性が向上し、前記シールブッシュ45の交換間隔が長くなり、保守コストが低減する。
本発明の実施の形態に係る過給機のタービン軸、タービン翼車を示す部分図である。 図1のA部拡大図である。 本発明の実施の形態に用いられるシールブッシュの右側面図である。 (A)(B)(C)(D)は、本発明の実施の形態に用いられるシールブッシュを分割する場合の分割例を示す図である。 本発明の実施の形態に於けるブッシュ嵌合部に圧入又は焼嵌めされたシールブッシュに発生する最大主応力を示す図であり、(A)はタービン軸の停止時、(B)はタービン軸の最大回転時を示している。 本発明の実施の形態に於けるブッシュ嵌合部に圧入又は焼嵌めされたシールブッシュに発生する最大主応力を示す図であり、(A)はタービン軸の停止時、(B)はタービン軸の最大回転時を示している。 本発明の実施の形態に於けるブッシュ嵌合部に圧入又は焼嵌めされたシールブッシュに発生する最大主応力を示す図であり、(A)はタービン軸の停止時、(B)はタービン軸の最大回転時を示している。 従来の過給機の断面図である。
符号の説明
1 軸受ハウジング
2 タービンハウジング
3 コンプレッサハウジング
4 タービン軸
5 軸受
6 タービン翼車
7 コンプレッサ翼車
31 シール部
32 ネック部
34 溝
34a 溝縁
35 溝
38 シールリング
43 軸本体
44 ブッシュ嵌合部
45 シールブッシュ
47 R溝
47a R溝縁
48 R溝
48a R溝縁
52 空気抜き溝
53 間隙

Claims (4)

  1. タービンを収納するタービンハウジングと、タービン軸を収納する軸受ハウジングとを具備し、前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングの境界部と、前記タービン軸との間にシール部が設けられ、該シール部は前記タービン軸に圧入又は焼嵌めされたシールブッシュと、該シールブッシュと前記境界部間に掛渡って設けられたシールリングとを有し、前記シールブッシュにはシール溝が形成され、前記シールリングは前記シール溝に嵌入し、該シール溝の摩耗時に前記シールブッシュを交換可能とし、
    前記タービン軸に前記シールブッシュが嵌合するブッシュ嵌合部が形成され、該ブッシュ嵌合部のタービン翼車側の端部に応力緩和用のR溝が形成され、前記ブッシュ嵌合部は前記シールブッシュ内面の一部に当接し、前記ブッシュ嵌合部と前記R溝との境界は前記シール溝の反タービン翼車側に位置する溝縁に対し軸心方向に位置がずれ、前記溝縁に発生する最大主応力を低減させたことを特徴とする過給機。
  2. 前記シール溝、前記シールリングの少なくとも一方に耐摩耗処理がなされた請求項1の過給機。
  3. 前記シールブッシュの外面、内面の両面に耐摩耗処理がなされた請求項1の過給機。
  4. 前記タービン軸に前記シールブッシュが嵌合するブッシュ嵌合部が形成され、該ブッシュ嵌合部に隣接する段差部が形成され、前記シールブッシュは前記段差部に当接する様に設けられ、該段差部と前記シールブッシュの先端内縁部との間に間隙が形成され、前記段差部と前記シールブッシュ間には前記間隙に連通する空気抜き溝が設けられた請求項1の過給機。
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