JP4876566B2 - 微調整式切削工具 - Google Patents

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Description

この発明は、切刃の突出量の微調整が可能な微調整式切削工具に関するものである。
一般に、ボーリング加工においては、荒加工、中仕上及び精密仕上の工程が組まれることがあるが、特に精密ボーリング加工では、加工穴の寸法精度、加工面の面粗さなど、高精度が要求されるため、その都度、切削工具における切刃の突出量の微調整が必要となる。このような切刃の突出量の微調整に対応するための切削工具として、特許文献1に開示されている微調整式切削工具が提供されている。
図4に、従来の微調整式切削工具の一例を示す。微調整式切削工具は、その工具本体(図示なし)に着脱可能に装着される円筒状のブッシュ1を有している。このブッシュ1の先端側(図4において右側)には、径方向外側に突出した円環状の大径部2が形成されており、この大径部2には、基端側(図4において左側)に向けて凹んだ断面円形をなす凹部3が形成されている。このブッシュ1の内周部には、先端側に開口する挿入孔4と基端側に開口する収納孔5とが設けられており、これら挿入孔4と収納孔5との間には、ブッシュ1の内周側に向けて突出した環状の隔壁6が形成されている。また、ブッシュ1の基端側には、基端側に向けて突出した一対のガイド凸部7が180°対向する位置にそれぞれ形成されている。
この挿入孔4には、円筒状をなす調整ナット8が挿入されている。調整ナット8の先端側外周部には径方向外側に突出した鍔部9が形成され、調整ナット8の基端側内周部には雌ネジ部10が形成されている。この調整ナット8は、前記鍔部9をブッシュ1の凹部3内に収納させて鍔部9の基端側を向く面と凹部3の底面とが当接するようにして、前記挿入孔4内に嵌入されている。さらに、鍔部9より先端側部分には、調整ナット8を回転させる際にスパナ等の作業用工具を掛けるための掛止部11が形成されている。
図5に、ブッシュ1及び調整ナット8に挿入されるカートリッジ12を示す。カートリッジ12は、外形が軸線Lに沿って延びる概略円柱状をなしており、その先端側(図5において右側)に切刃部13が設けられている。この切刃部13にはインサート取付座14が形成され、超硬合金等の硬質材料からなり三角形平板状をなすインサート15が取付ネジ16によって着脱自在に取り付けられており、このカートリッジ12の先端に切刃17が配置されている。
この切刃部13の基端側には、一段小径とされた首部18を介して前記調整ナット8の内周面と嵌合される嵌合部19が設けられている。この嵌合部19の基端側部分に雄ネジ部20が形成され、これら雄ネジ部20と嵌合部19との間には、径方向内側に凹んだヌスミ部21が具備されている。
雄ネジ部20の基端側には、前記隔壁6を貫通してブッシュ1の収納孔5側へと挿通される軸部22が設けられており、この軸部22の基端面には、前記軸線Lに直交する方向に延びて断面が概略V字山形をなす突条部23が形成されている。また、軸部22には、基端面に開口して軸線Lに沿って延びるクランプネジ孔24が穿設されている。
そして、このカートリッジ12は、雄ネジ部20の先端側に形成された嵌合部19が調整ナット8の内周面に嵌合されており、ブッシュ1の隔壁6を貫通した軸部22の外周面は、前記隔壁6と強固に接触しない構成とされている。
また、図4に示すように、ブッシュ1の基端側には、前記収納孔5の開口部を閉塞するように、ワッシャ25が配置されている。ワッシャ25は、概略円板状をなすワッシャ本体26と、このワッシャ本体26の中心付近から先端側に向けて突出した挿入軸27とからなり、この挿入軸27の先端面には、前記カートリッジ12の軸部22の突条部23と係合可能な断面概略V字谷形をなす凹溝28が形成されている。さらに、ワッシャ本体26及び挿入軸27を貫通するようにクランプネジ挿通孔29が形成されている。また、ワッシャ本体26には、その外周面の一部を先端側に向けてコの字状に凹ませた一対のガイド溝30が180°対向する位置にそれぞれ形成されている。
このワッシャ25は、前記クランプネジ挿通孔29に挿通されたクランプネジ31をカートリッジ12の軸部22に穿設されたクランプネジ孔24に螺着することにより、ブッシュ1の収納孔5の開口部を閉塞するようにして固定される。この際、ブッシュ1のガイド凸部7がワッシャ25のガイド溝30と係合するように配置され、前記ワッシャ25がカートリッジ12とともに軸線Lに沿って移動可能とされている。
ワッシャ25によって閉塞された収納孔5部分には、付勢部材として複数の皿バネ32が挿入されており、これらの皿バネ32が伸長しようとする弾性力によってワッシャ25、カートリッジ12、及び調整ナット8が、常に基端側に向けて引き込まれる方向に付勢されている。ここで、図4に示す微調整式切削工具においては、積層された複数の皿バネ32が収納される収納孔5の軸線L方向長さSは、ブッシュ1の軸線L方向長さBに対してS=0.33×Bとなるように構成されている。
このように構成された微調整式切削工具においては、切刃17を有するカートリッジ12が工具本体(図示なし)に設けられた嵌入孔にブッシュ1ごと固定されて工具本体から切刃17が突出するように配置され、この工具本体を、被切削材に予め形成された下穴に挿入して前記切刃17によって切り込むことで、所定の内径の加工穴を形成するものである。
ここで、加工穴を寸法精度良く形成するためには、工具本体からの切刃17の突出量の微調整を行う必要がある。前述した従来の微調整式切削工具では、調整ナット8の掛止部11にスパナ等の作業用工具を掛合して調整ナット8を回転させることにより、雄ネジ部20及び雌ネジ部10のネジピッチに準じてカートリッジ12を軸線L方向に進退可能に移動して、切刃17の突出量を精度良く調整できるものである。
特許第2950074号公報
ところで、前述の微調整式切削工具においては、図4及び図5に示すように、インサート15が取り付けられた切刃部13と嵌合部19との間に一段小径とされた首部18が形成されている。この首部18は、嵌合部19の外周面と調整ナット8の内周面とを密着させるために嵌合部19外周面の研磨加工を行う際の逃げとして形成されるものである。よって、従来の微調整式切削工具では、図5に示すように、首部18の外径が軸部22の外径よりも一段小さくなるように構成されることになる。
このように首部18の径が細く剛性が不足しているために、切刃部13に作用する切削抵抗によって切刃17の振れが発生してしまい、せっかく切刃17の突出量を微調整したにもかかわらず、加工穴を寸法精度良く成形することができなくなるといった問題があった。
また、カートリッジ12が調整ナット8の内周面に嵌合され、この調整ナット8の外周面がブッシュ1の挿入孔4に固定される構成とされているので、切刃部13に作用する切削抵抗によって調整ナット8とブッシュ1との間でがたつきが生じ、やはり、加工穴を寸法精度良く成形することができなくなってしまうといった問題があった。
この発明は、このような事情を考慮してなされたものであって、切刃部を支持する首部の剛性を確保するとともに、カートリッジを強固に固定することにより、切削抵抗による切刃の振れを防止して加工穴を寸法精度良く形成することができる微調整式切削工具を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、この発明は、工具本体に着脱可能に装着された筒状のブッシュの内周孔に、軸線に沿って延びる柱状をなして先端に切刃を有するカートリッジが挿入され、前記カートリッジの基端側にワッシャが固定され、該ワッシャと前記ブッシュとの間には、前記ワッシャを介して前記カートリッジをその基端側へと付勢する付勢部材が介装され、前記カートリッジに螺着された調整ナットを回動することにより、前記カートリッジを前記軸線方向に出没させて前記切刃の前記ブッシュ先端からの突出量を微調整できる微調整式切削工具において、前記ブッシュには、その内周孔の径方向内側に延びて、前記カートリッジを支持する支持壁が形成されるとともに、前記付勢部材を収納する収納孔が形成され、前記カートリッジは、前記切刃が備えられた切刃部と、該切刃部の基端側に首部を介して接続されて前記調整ナットと螺着される雄ネジ部と、該雄ネジ部の基端側から前記軸線に沿って延びて前記ワッシャと固定される軸部とを有し、前記首部の外径が前記軸部の外径よりも大きくされるとともに、前記軸部の外周面が前記ブッシュの前記支持壁に嵌合される嵌合面とされ、前記ブッシュに前記カートリッジが直接嵌合されており、前記調整ナットには、該調整ナットを回動するための回動手段が掛合される掛止部が設けられ、この掛止部は円形をなしているとともに、前記カートリッジを前記軸線方向から見て、前記切刃部が、前記掛止部の外周面の内側に配置されていることを特徴としている。
この構成の微調整式切削工具では、切刃部を支持する首部の外径が軸部の外径よりも大きく設定されているので、切刃部に作用する切削抵抗によって切刃に振れが生じることを防止でき、加工穴を寸法精度良く成形することができる。
また、切刃部を有するカートリッジがブッシュの支持壁に直接嵌合されているので、切刃部に作用する切削抵抗によるカートリッジのがたつきを抑制でき、切刃の振れを防止できる。
また、従来の微調整式切削工具のように、カートリッジの雄ネジ部の先端側に嵌合部を形成する必要がなく、調整ナットにも前記嵌合部と嵌合する部分を設ける必要がなく調整ナット全体の軸線方向長さを短くできる。よって、ブッシュの先端側に調整ナットを収容する部分の軸線方向長さを小さくして、ブッシュの基端側に開口する収納孔の軸線方向長さを長くすることができる。しかも、このように収納孔の軸線方向長さを大きくしても、カートリッジの雄ネジ部の長さを確保できるので、カートリッジの軸線方向の移動範囲が大きく切刃の突出量の調整を確実に行うことができる。
また、収納孔の軸線方向長さを長くすることにより、収納孔内に配置できる付勢部材の軸線方向長さを長くすることができる。よって、付勢部材によって調整ナット及びカートリッジを基端側に向けて強く付勢することができ、カートリッジと調整ナットとのがたつきが少なくなり、切刃の突出量の調整を精度良く行うことができるとともに、切刃部に作用する切削抵抗によって切刃に振れが生じることを確実に防止できる。
さらに、前記調整ナットに、該調整ナットを回動するための回動手段が掛合される掛止部を設け、この掛止部が円形をなすようにするとともに、前記カートリッジを前記軸線方向から見て、前記切刃部を前記掛止部の外周面の内側に配置することにより、例えば、前記調整ナットを先端側から把持するナット把持部を備えた自動調整機によって切刃の突出量を自動調整する場合でも、切刃部とナット把持部とが干渉することを防止できる。したがって、自動調整機のナット把持部によって調整ナットを確実に把持して、切刃の突出量調整を自動的に行うことができるので、切刃部の位置をより簡単にかつより精密に調整することができるとともに、このような微調整式切削工具によるボーリング加工の自動化を促進することができる。
また、前記収納孔の前記軸線方向長さSを前記ブッシュの前記軸線方向長さBに対して、S≧0.5×Bとすることにより、カートリッジの前記軸線方向の移動可能な範囲を確保することができ、切刃の突出量の調整をより確実に行うことができる。さらに、付勢部材によって調整ナット及びカートリッジを基端側に向けて強固に付勢することができる。
また、収納孔の前記軸線方向長さSを、前記ブッシュの前記軸線方向長さBに対して、S≦0.8×Bとすることにより、ブッシュの支持壁の肉厚を確保でき、ブッシュ自体の剛性低下を防止することができる。
以上のように本発明によれば、切刃部を支持する首部の剛性を確保するとともに、カートリッジを強固に固定することにより、切削抵抗による切刃の振れを防止して加工穴を寸法精度良く形成することができる微調整式切削工具を提供することができる。また、自動調整機のナット把持部によって切刃部と干渉することなく切刃の突出量調整を自動的に行うことができるので、切刃部の位置をより簡単にかつより精密に調整することができるとともに、このような微調整式切削工具によるボーリング加工の自動化を促進することができる。
以下に、本発明の実施形態である微調整式切削工具について、添付した図面を用いて説明する。図1から図3に本発明の実施形態である微調整式切削工具を示す。この微調整式切削工具は、切刃の突出量の調整を、ナット把持部を有する自動調整機によって行うものである。
この微調整式切削工具は、工具本体(図示なし)に穿設された嵌入孔に着脱可能に固定される概略円筒状をなすブッシュ41を備えている。
ブッシュ41の先端側(図1において右側)外周部には、径方向外側に向けて突出した円環状の大径部42が設けられており、この大径部42には、先端側に開口して基端側(図1において左側)に向けて凹んだ凹部43が形成されている。ブッシュ41の内周孔の先端側部分には、ブッシュ41の内周側に向けて突出した環状の支持壁44が形成されており、支持壁44の内周側に挿通孔45が形成され、この支持壁44の先端側を向く面が前記凹部43の底面とされている。また、ブッシュ41の内周部には、基端側に向けて開口する収納孔46が設けられており、前記支持壁44の基端側を向く面が収納孔46の底面とされている。また、ブッシュ41の基端側には、図3に示すように、基端側に向けて突出した一対のガイド凸部47が軸線Lを挟んで180°対向する位置にそれぞれ形成されている。
前記凹部43には、調整ナット48が挿入される。この調整ナット48は、多段円筒状をなしており、前記凹部43に嵌入される小径部49と、小径部49よりも一段大径とされたナット本体50とを有している。ナット本体50の基端側を向く面がブッシュ41の先端面に当接されており、このナット本体50の外周面は、図2に示すように円形をなしている。なお、本実施形態では、ナット本体50の外周面が、自動調整機のナット把持部によって把持される掛止部51とされている。
また、調整ナット48の内周孔の内径は、前記ブッシュ41の挿入孔の内径よりも大きくされ、その内周面に雌ネジ部52が形成されている。
この調整ナット48及びブッシュ41に挿入されるカートリッジ53は、図1及び図2に示すように、外形が軸線Lに沿って延びる多段円柱状をなしており、その先端側に切刃部54が形成されている。この切刃部54には、先端側に向けて開口するように配置された一対の壁面を有するインサート取付座55が設けられている。このインサート取付座55には、超硬合金等で構成されて概略正方形平板状をなすインサート56が取付ネジ57によって着脱可能に取り付けられており、カートリッジ53の先端に切刃58が配置されている。
ここで、本実施形態においては、図2に示すように、軸線L方向から見て、インサート56を含めた切刃部54は前記調整ナット48の掛止部51をなすナット本体50の外周面よりも内側に配置されている。
この切刃部54の基端側には、一段小径とされた首部59を介して雄ネジ部60が形成され、この雄ネジ部60のさらに基端側には、径方向内側に凹んだヌスミ部61を介して前記ブッシュ41の挿通孔45及び収納孔46に挿入される軸部62が設けられている。ここで、この切刃部54よりも基端側では、雄ネジ部60が最大外径となるように形成されていて、この雄ネジ部60と雌ネジ部52とが螺合することにより調整ナット48にカートリッジ53が取り付けられており、カートリッジ53と調整ナット48とは互いに嵌合していない。
そして、この軸部62の先端側部分の外周面は、前記ブッシュ41の支持壁44の内周側を向く面、つまり、挿通孔45の内周面と嵌合される嵌合面63とされている。すなわち、軸部62の外周面は軸線Lを中心とした一定外径の円筒面とされる一方、挿通孔45の内周面は、一定内径の円筒面とされ、これら内外径が互いに嵌合する大きさとされて軸部62外周の嵌合面63が全周にわたって挿通孔45の内周と摺接するように支持されているのである。
軸部62の基端面には、軸線Lに直交する方向に延びて断面が概略V字山形をなす突条部64が形成されている。さらに、カートリッジ53には、この基端面に開口して軸線Lに沿って先端側に向けて延びるクランプネジ孔65が形成されている。
そして、このカートリッジ53においては、前記首部59の外径が、軸部62の外径よりも大きくなるように構成されている。
また、前記ブッシュ41の基端側には、前記収納孔46の開口部を閉塞するようにワッシャ66が具備されている。このワッシャ66は、概略円板状をなすワッシャ本体67と、このワッシャ本体67の中心付近から先端側に向けて突出した挿入軸68とからなり、この挿入軸68の先端面には、前記カートリッジ53の軸部62の突条部64と係合可能な断面概略V字谷形をなす凹溝69が形成されている。また、ワッシャ本体67及び挿入軸68を貫通するようにクランプネジ挿通孔70が形成されている。さらに、ワッシャ本体67には、図3に示すように、その外周面の一部が先端側及び径方向内側に向けてコの字状に凹んだ一対のガイド溝71が軸線Lを挟んで180°対向する位置にそれぞれ形成されている。
このワッシャ66は、前記クランプネジ挿通孔70に挿通されたクランプネジ72を、前記カートリッジ53の軸部62に穿設されたクランプネジ孔65に螺着することにより、ブッシュ41の前記収納孔46の開口部を閉塞するようにして固定される。この際、ブッシュ41のガイド凸部47がワッシャ66のガイド溝71と係合するように配置され、前記ワッシャ66がカートリッジ53とともに軸線Lに沿って移動可能とされている。
ワッシャ66によって閉塞された収納孔46部分には、付勢部材として複数の皿バネ73が挿入されており、これらの皿バネ73が伸長しようとする弾性力によってワッシャ66、カートリッジ53、及び調整ナット48が、常に基端側に向けて引き込まれる方向に付勢されている。
なお、本実施形態では、複数の皿バネ73が収納されるブッシュ41の収納孔46の軸線L方向長さSは、ブッシュ41の軸線L方向長さBに対して、0.5×B≦S≦0.8×Bの範囲内となるように設定されており、具体的には、S=0.67×Bとされている。
このように構成された微調整式切削工具においては、切刃58を有するカートリッジ53が工具本体(図示なし)に設けられた嵌入孔にブッシュ41ごと固定されて、工具本体から切刃58が突出するように配置され、この工具本体を被切削材に予め形成された下穴に挿入して前記切刃58によって切り込むことで、所定の内径の加工穴を形成するものである。
加工穴の寸法精度を向上させるためには、工具本体からの切刃58の突出量を調整する必要がある。本実施形態である微調整式切削工具では、調整ナット48の掛止部51を自動調整機のナット把持部にて把持して調整ナット48を回転させることにより、雄ネジ部60及び雌ネジ部52のネジピッチに準じてカートリッジ53が軸線L方向に進退可能に移動して、切刃58の突出量を精度良く調整できる。
本実施形態である微調整式切削工具によれば、切刃部54を支持する首部59の外径が軸部62の外径よりも大きく設定されているので、首部59の剛性を確保して切刃部54に作用する切削抵抗によって切刃58に振れが生じることを防止でき、加工穴を寸法精度良く成形することができる。
また、切刃部54を有するカートリッジ53がブッシュ41の支持壁44に直接嵌合されているので、切刃部54に作用する切削抵抗によってカートリッジ53にがたつきが生じることがなく、切刃58の振れを確実に防止できる。
また、本実施形態では、従来の微調整式切削工具のようにカートリッジ53の雄ネジ部60の先端側に調整ナット48と嵌合する部分が形成されていないので、調整ナット48の雌ネジ部52の軸線L方向長さを確保しつつも調整ナット48全体の軸線L方向長さを短くでき、ブッシュ41の先端側に形成される凹部43を浅くすることができる。したがって、ブッシュ41の収納孔46の軸線L方向長さを長くしても、カートリッジ53の軸線L方向の移動範囲を確保することができ、切刃58の突出量の調整を確実に行うことができる。
また、収納孔46の軸線L方向長さを長くすることにより、収納孔46内に配置できる皿バネ73の数を増やすことができ、この皿バネ73によって調整ナット48及びカートリッジ53を基端側に向けて強く付勢することができる。したがって、雄ネジ部60と雌ネジ部52のがたつきが少なくなり、切刃58の突出量の調整を精度良く行うことができるとともに、切刃部54に作用する切削抵抗によって切刃58に振れが生じることを確実に防止できる。
具体的には、皿バネ73を収納する収納孔46の軸線L方向長さSが、ブッシュ41の軸線L方向長さBに対して、0.5×B≦S≦0.8×Bの範囲内に設定されているので、カートリッジ53の軸線L方向の移動可能範囲を大きくすることができ、切刃58の突出量の調整を確実に行うことができるとともに、ブッシュ41の支持壁44の肉厚やワッシャ66の肉厚を確保できる。
特に、本実施形態では、S=0.67×Bに設定され、図4に示す従来の微調整式切削工具に比べて、皿バネ73の軸線L方向長さSが2倍とされているので、調整可能範囲が大きくなるともに、調整ナット48及びカートリッジ53を基端側に向けて強く付勢することができる。
また、インサート56を含めた切刃部54が、軸線L方向から見て、調整ナット48の掛止部51の内側に配置されているので、調整ナット48を把持するナット把部を備えた自動調整機によって切刃58の突出量を自動調整する際に、切刃部54とナット把持部とが干渉することなく、ナット本体50の外周面を把持して回転させることができる。したがって、例えば、切削終了後の加工穴の寸法を測定し、この測定データを自動調整機にフィードバックさせて切刃58の突出量を調整することにより、加工によって切刃58が摩耗した場合でも加工穴を寸法精度良く形成することができる。
以上、本発明の実施形態である微調整式切削工具について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、付勢部材として複数の皿バネを積層したもので説明したが、これに限定されることはなく、例えばコイルスプリング等であってもよい。
本発明の実施形態である微調整式切削工具の一部破断側面図である。 図1におけるX方向矢視図である。 図1におけるY方向矢視図である。 従来の微調整式切削工具の一部破断側面図である。 図4に示す微調整式切削工具に備えられたカートリッジの側面図である。
符号の説明
41 ブッシュ
46 収納孔
48 調整ナット
51 掛止部
53 カートリッジ
54 切刃部
58 切刃
59 首部
60 雄ネジ部
62 軸部
63 嵌合面
66 ワッシャ
73 皿バネ(付勢部材)

Claims (2)

  1. 工具本体に着脱可能に装着された筒状のブッシュの内周孔に、軸線に沿って延びる柱状をなして先端に切刃を有するカートリッジが挿入され、前記カートリッジの基端側にワッシャが固定され、該ワッシャと前記ブッシュとの間には、前記ワッシャを介して前記カートリッジをその基端側へと付勢する付勢部材が介装され、前記カートリッジに螺着された調整ナットを回動することにより、前記カートリッジを前記軸線方向に出没させて前記切刃の前記ブッシュ先端からの突出量を微調整できる微調整式切削工具において、
    前記ブッシュには、その内周孔の径方向内側に延びて、前記カートリッジを支持する支持壁が形成されるとともに、前記付勢部材を収納する収納孔が形成され、
    前記カートリッジは、前記切刃が備えられた切刃部と、該切刃部の基端側に首部を介して接続されて前記調整ナットと螺着される雄ネジ部と、該雄ネジ部の基端側から前記軸線に沿って延びて前記ワッシャと固定される軸部とを有し、
    前記首部の外径が前記軸部の外径よりも大きくされるとともに、前記軸部の外周面が前記ブッシュの前記支持壁に嵌合される嵌合面とされ、前記ブッシュに前記カートリッジが直接嵌合されており、
    前記調整ナットには、該調整ナットを回動するための回動手段が掛合される掛止部が設けられ、この掛止部は円形をなしているとともに、
    前記カートリッジを前記軸線方向から見て、前記切刃部が、前記掛止部の外周面の内側に配置されていることを特徴とする微調整式切削工具。
  2. 前記収納孔の前記軸線方向長さSが、前記ブッシュの前記軸線方向長さBに対して、 0.5×B≦S≦0.8×Bの範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載の微調整式切削工具。
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