JP4876452B2 - 照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、固体発光素子を用いた照明装置に関するものである。
近年、照明装置において、キャリア注入型の固体発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子)を用いることが提案されている。
有機EL素子は、有機薄膜を電極で挟んだ構造をしており、電極から注入されたキャリアが有機薄膜内で再結合し、この再結合のエネルギーによって励起された有機分子が基底状態に戻るときに放出する光を利用するものである。有機薄膜を挟む電極の少なくとも一方には、光を取り出すために透明な材料が用いられる。有機EL素子の特徴としては、構造が簡単なため非常に軽く薄くすることができる点や、数V〜数十V程度の直流低電圧で駆動されるため駆動回路が簡単である点が挙げられる。
ここで、一般に有機物は絶縁体であるが、有機EL素子においては有機薄膜を非常に薄く(例えば、0.1μm〜0.2μm)することにより、電流の注入を可能としている。このように、有機薄膜が非常に薄いことから、電極に異物が付着したり、電極の表面に凹凸が生じたりすると、電極間で短絡が発生する可能性があった。特に、複数個の有機EL素子を電源に対して並列に接続して用いた場合、1個の有機EL素子で短絡が発生すると、電源電圧が低下することにより他の全ての有機EL素子までも消灯してしまう。
そこで、図16に示すように、基板2上に形成された陽極電極31との間に有機薄膜32を挟む陰極電極33と、複数個の陰極電極33を連結する帯状導体43とを、過電流で溶断する程度に細く形成された溶断部43aを介して接続することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この構成によれば、陽極電極31と陰極電極33とが短絡した場合には、短絡が発生した陰極電極33と帯状導体43との間の溶断部43aが過電流で溶断することにより、短絡が発生した陰極電極33のみが切り離されるから、全体が消灯することは避けられる。
特開2004−288632号公報
しかし、溶断部43aが溶断すると、短絡が発生した部位は消灯することになり、その後再び全体を発光させるように修理することが困難であったため、保守性が低かった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、保守性を向上した照明装置を提供することにある。
請求項1の発明は、少なくとも2個の電極を有し電極間に通電されることにより発光する固体発光素子と、それぞれ固体発光素子の電極に電気的に接続され直流電源に電気的に接続される少なくとも2個の端子と、固体発光素子並びに各端子を保持する基板と、を有する発光ユニットを複数個備え、これらの発光ユニットはそれぞれ交換可能に直流電源に対し互いに並列に接続されており、交換可能な発光ユニット毎に設けられて、固体発光素子への給電路に挿入され過電流により固体発光素子への給電を遮断する遮断手段を備え、遮断手段として、固体発光素子に直列に接続されたスイッチング素子を含み固体発光素子に短絡が発生して過電流が流れたときに該スイッチング素子がオフされるように構成された保護回路を備えることを特徴とする。
この発明によれば、電極間に短絡が発生した場合には、発光ユニットと遮断手段とを交換すれば、短絡が発生する前の状態を復元することができるから、1個の基板に全ての固体発光素子を設ける場合に比べて保守性が向上する。また、遮断手段としてヒューズを用いる場合と違い、短絡が発生した後でも遮断手段を再利用することができるから、維持コストの低減が可能となる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、遮断手段は、発光ユニットにおいて固体発光素子の少なくとも一方の電極と端子との間に挿入されていることを特徴とする。
この発明によれば、遮断手段を発光ユニットに設けたことにより、電極間に短絡が発生した場合には発光ユニットのみを交換すればよいから、遮断手段を発光ユニットとは別途に設ける場合に比べて更に保守性が向上する。
本発明は、少なくとも2個の電極を有し電極間に通電されることにより発光する固体発光素子と、それぞれ固体発光素子の電極に電気的に接続され直流電源に電気的に接続される少なくとも2個の端子と、固体発光素子並びに各端子を保持する基板とをそれぞれ有し直流電源に対し互いに並列に接続される複数個の発光ユニットと、発光ユニット毎に設けられてそれぞれ固体発光素子への給電路に挿入され過電流により固体発光素子への給電を遮断する複数個の遮断手段とを備えるので、電極間に短絡が発生した場合には、発光ユニットと遮断手段とを交換すれば、点灯する発光ユニットの総数を復元することができるから、1個の基板に全ての固体発光素子を設ける場合に比べて保守性が向上する。また、遮断手段としてヒューズを用いる場合と違い、短絡が発生した後でも遮断手段を再利用することができるから、維持コストの低減が可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
本実施形態は、図2に示すように、複数個の発光ユニット1を、直流電源Eに対して並列に接続したものである。
直流電源Eは、例えば図3に示すように、商用電源ACの交流出力を全波整流するダイオードブリッジDBと、ダイオードブリッジの出力端間に接続された例えばFETからなるスイッチング素子QとインダクタLとコンデンサCとの直列回路と、インダクタLとコンデンサCとの直列回路の両端間に接続されたダイオードDと、コンデンサCの両端電圧すなわち直流電源Eの出力電圧をスイッチング素子Qをオンオフ制御することにより制御する駆動/制御回路E1とを備えるいわゆるバック・コンバータからなる。
発光ユニット1は、図1に示すように、例えばガラスのような透光性を有する絶縁材料からなる基板2と、基板2上に設けられた有機EL素子3とを有する。有機EL素子3は、例えばインジウム・すず酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)のような透光性を有する導電材料からなり基板2上に設けられた陽極電極31と、陽極電極31上に設けられ厚さ方向に通電されることにより発光する有機薄膜32と、例えば金属製の導電パターンからなり有機薄膜4をその厚さ方向において陽極電極31との間に挟む陰極電極33とを有する。陽極電極31は、電線LEを介して直流電源Eに電気的に接続される端子でもある。また、基板2には、陰極電極33に連続した導電パターンとして形成され電線LEを介して直流電源Eに接続される端子43も設けられている。基板2と有機薄膜32とはそれぞれ例えば互いに辺を平行とする矩形状に形成されている。
さらに、端子43と陰極電極33との間には、電極31,33間が短絡したときに過電流により溶断する程度に細く形成された遮断手段としての溶断部43aを設けている。溶断部43aの溶断電流は、例えば定格電流の2倍〜3倍程度とすれば、短絡発生時に確実に溶断する。
上記構成によれば、短絡発生時には短絡が発生した発光ユニット1のみが消灯するから容易に故障箇所を発見することができる。また、短絡が発生した有機EL素子3への電源の供給が停止されるから、短絡発生時の直流電源Eや直流電源Eに接続された他の回路部品への電気的ストレスを低減することができる。さらに、短絡が発生した発光ユニット1を交換すれば、短絡発生前の状態に容易に復元することができるから、従来例のように全ての有機EL素子3を1個の基板2上に設ける場合に比べて保守性が向上する。また、従来例に比べ、1個の基板2に形成される導電パターンの形状が単純となることにより、抜き取り検査におけるサンプル1個当たりの製造コストが低減されるから、溶断部43aのテストに必要なコストが低減される。
(実施形態2)
本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるので、共通する部分については同じ符号を付して図示及び説明を省略する。
本実施形態では、図4及び図5に示すように、実施形態1の端子43や溶断部43aを設ける代わりに陰極電極33を電線LEを介して直流電源Eに接続し、陽極電極31を直流電源Eに直接接続する代わりに、例えば金属薄膜からなり電線LEを介して直流電源Eに電気的に接続される端子41を設け、過電流により溶断する金属製の細線からなる遮断手段としてのヒューズFを介して端子41と陽極電極31とを接続している。ヒューズFの溶断電流は、例えば定格電流の2倍〜3倍程度とすれば、短絡発生時に確実に溶断する。以下、上下方向は図4を基準として説明する。
なお、ヒューズFは、図4や図5に示すような露出型に限られず、図6(a)に示すようなピン挿入実装型のヒューズFや、図6(b)や図7に示すような表面実装型のヒューズFを用いてもよい。いずれの場合にも、光を遮らないように、端子41及びヒューズFを設ける位置は基板2の端部としている。ここで、図4や図6(a)(b)では、分かりやすくするために陽極電極31,有機薄膜32,陰極電極33及び端子41の厚さを実際よりも大きく描いているが、実際にはこれらは基板2に比して非常に薄い。
さらに、図8(a)(b)に示すように、基板2において発光する部位を露出させる貫通穴(図示せず)を有する枠形状のプリント配線板5を基板2の下側に取り付け、それぞれ電線CWを介して電極31、33に電気的に接続されるとともに電線LEを介して直流電源Eに電気的に接続される端子としての導電パターン51をプリント配線板5の上面に設け、過電流により溶断する溶断部51aを一方の導電パターン51に設け又は導電パターン51上にヒューズFを実装してもよい。基板2をプリント配線板5に結合させるには、例えば、プリント配線板5に結合し基板2の4隅付近をプリント配線板5との間に挟む4個の固定具(図示せず)を用いる。この構成を採用すれば、基板2の下側からヒューズFや電線CW,LEなどを見えなくして見栄えを向上することができる。また、プリント配線板5には透光性が不要であるために基板2よりも機械的強度を確保しやすいから、複数個の発光ユニット1を保持する装置本体(図示せず)に発光ユニット1を取り付ける際にはプリント配線板5を装置本体に結合させるようにすれば、基板2を装置本体に結合させる場合に比べて装置本体への発光ユニット1の取り付けが容易となる。
さらに、遮断手段として、図9に示すように、有機EL素子3への給電路に挿入されたスイッチング素子Q1を含み過電流によりスイッチング素子Q1がオフされるように構成された保護回路を設けてもよい。図9の回路について具体的に説明すると、有機EL素子3に直列に接続されたトランジスタからなる第1のスイッチング素子Q1と抵抗R5との直列回路と、有機EL素子3と第1のスイッチング素子Q1と抵抗R5との直列回路に並列に接続された抵抗R1,R2とトランジスタからなる第2のスイッチング素子Q2との直列回路と、抵抗R1,R2の接続点と第1のスイッチング素子Q1のベースとの間に接続された抵抗R4と、有機EL素子3と第1のスイッチング素子Q1との接続点と第2のスイッチング素子Q2のベースとの間に接続された抵抗R3とからなる。すなわち、通常は第2のスイッチング素子Q2がオフされて第1のスイッチング素子Q1がオンされることにより有機EL素子3への給電がなされるが、有機EL素子3に短絡が発生して過電流が流れたときには第2のスイッチング素子Q2がオンされて第1のスイッチング素子Q1がオフされることにより有機EL素子3への給電が停止されるものである。保護回路を構成する素子である抵抗R1〜R5とスイッチング素子Q1,Q2とは、基板2に実装してもよいし、それぞれ上述したプリント配線板5の上面に実装してもよい。上記構成によれば、保護回路はヒューズFと違って動作後も再利用可能であるから、遮断手段としてヒューズFを用いる場合に比べて維持コストが低減される。特に、保護回路をプリント配線板5に実装した場合、短絡発生時には基板2の部分のみを交換すればよく、プリント配線板5の部分はそのまま再利用することができる。
(実施形態3)
本実施形態の基本構成は実施形態2と共通であるので、共通する構成については同じ符号を付して図示及び説明を省略する。
本実施形態は、基板2を通して電線CWやヒューズFが見えないように覆う図10に示すような枠体6を基板2の下側に取りつけたものである。さらに、それぞれ電線CWを介して電極33又は端子41に電気的に接続された突出端子7を、枠体6の水平方向(図10における上下方向)の両側に突出させている。なお、端子41を設けて端子41と陽極電極31とを表面実装型のヒューズFを介して接続する代わりに、図11に示すようにヒューズFが一体化された電線CWを介して陽極電極31と突出端子7とを接続してもよいさらに、ヒューズFに代えて、実施形態1や実施形態2で示した他の各種の遮断手段を設けてもよい。
突出端子7は、例えば図12に示すように、絶縁被覆を有さず直流電源Eに接続された電線NLに接触導通することにより、電線NLを介して直流電源Eに電気的に接続される。
この構成を採用すれば、電線CWやヒューズFを隠して見栄えを向上することができる。
(実施形態4)
本実施形態の基本構成は実施形態3と共通であるので、共通する部分については同じ符号を付して図示及び説明を省略する。
本実施形態は、図13に示すように、ヒューズFを発光ユニット1とは別に設けている。
詳しく説明すると、図14及び図15に示すように、発光ユニット1の光を通過させる開口81aが下面に設けられ複数個の発光ユニット1を収納するダクト81と、それぞれダクト81内に保持され直流電源Eに電気的に接続される2個の導電バー82と、それぞれヒューズFを介して一方の導電バー82に電気的に接続された複数個(図では4個)の電極83とを有する装置本体8を備える。発光ユニット1は、一方の突出端子7が1個の電極83に接触導通してヒューズFを介して一方の導電バー82に電気的に接続され、他方の突出端子7が他方の導電バー82に接触導通することにより、直流電源Eに電気的に接続される。つまり、発光ユニット1は、図15に矢印で示すように電極83と導電バー82との間に配置される。導電バー82及び電極83は、それぞれ例えばダクト81内で水平方向に対向する内面に設けられた溝81b,81cに嵌合することによってダクト81に保持され、発光ユニット1は、例えば各突出端子7が溝81b,81cの下面に載置されることによってダクト81に支持される。
ところで、実施形態1〜4では固体発光素子として有機EL素子3を例に挙げて説明したが、固体発光素子は有機EL素子3に限られず、電極間に短絡が発生する可能性のある固体発光素子であれば有機EL素子3以外であっても本発明は有効である。
実施形態1における発光ユニット1を示す平面図である。 同上の構成を示す概略構成図である。 直流電源の一例を示す回路図である。 実施形態2を示す断面図である。 同上を示す斜視図である。 (a)(b)はそれぞれ同上の別の例の要部を示す断面図であり、(a)(b)は互いに異なる例を示す。 図6(b)に示した別の例を示す斜視図である。 同上の更に別の例を示す平面図であり、(a)は遮断手段としてヒューズを用いた例を示し、(b)は遮断手段として導電パターンの溶断部を用いた例を示す。 同上の別の例における遮断手段としての保護回路を示す回路図である。 実施形態3を示す下面図である。 同上の別の例を示す平面図である。 同上を示す斜視図である。 実施形態4を示す概略構成図である。 同上の装置本体を示す一部破断した斜視図である。 同上の装置本体の内部構造を示す説明図である。 従来例を示す平面図である。
符号の説明
1 発光ユニット
2 基板
3 有機EL素子
7 突出端子
31 陽極電極
32 有機薄膜
33 陰極電極
41,43 端子
43a,51a 溶断部
F ヒューズ

Claims (2)

  1. 少なくとも2個の電極を有し電極間に通電されることにより発光する固体発光素子と、それぞれ固体発光素子の電極に電気的に接続され直流電源に電気的に接続される少なくとも2個の端子と、固体発光素子並びに各端子を保持する基板と、を有する発光ユニットを複数個備え、これらの発光ユニットはそれぞれ交換可能に直流電源に対し互いに並列に接続されており、交換可能な発光ユニット毎に設けられて、固体発光素子への給電路に挿入され過電流により固体発光素子への給電を遮断する遮断手段を備え、遮断手段として、固体発光素子に直列に接続されたスイッチング素子を含み固体発光素子に短絡が発生して過電流が流れたときに該スイッチング素子がオフされるように構成された保護回路を備えることを特徴とする照明装置。
  2. 遮断手段は、発光ユニットにおいて固体発光素子の少なくとも一方の電極と端子との間に挿入されていることを特徴とする請求項1記載の照明装置
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