JP4876243B2 - ペルフルオロアルキル基を有する芳香族化合物ゲル化剤 - Google Patents

ペルフルオロアルキル基を有する芳香族化合物ゲル化剤 Download PDF

Info

Publication number
JP4876243B2
JP4876243B2 JP2006013526A JP2006013526A JP4876243B2 JP 4876243 B2 JP4876243 B2 JP 4876243B2 JP 2006013526 A JP2006013526 A JP 2006013526A JP 2006013526 A JP2006013526 A JP 2006013526A JP 4876243 B2 JP4876243 B2 JP 4876243B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
chemical formula
gel
gelling agent
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006013526A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007191661A (ja
Inventor
浩明 岡本
由紀 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NATIONAL UNIVERSITY CORPORATION YAMAGUCHI UNIVERSITY
Original Assignee
NATIONAL UNIVERSITY CORPORATION YAMAGUCHI UNIVERSITY
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NATIONAL UNIVERSITY CORPORATION YAMAGUCHI UNIVERSITY filed Critical NATIONAL UNIVERSITY CORPORATION YAMAGUCHI UNIVERSITY
Priority to JP2006013526A priority Critical patent/JP4876243B2/ja
Priority to EP07707448.2A priority patent/EP1975148B1/en
Priority to US12/087,998 priority patent/US8980124B2/en
Priority to PCT/JP2007/051216 priority patent/WO2007083843A1/ja
Publication of JP2007191661A publication Critical patent/JP2007191661A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4876243B2 publication Critical patent/JP4876243B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、新規ペルフルオロアルキル誘導体を有効成分とする有機液体のゲル化剤、及び、このゲル化剤を使用してゲル化した有機液体ゲルに関する。本発明の有機液体ゲルは、ゲル電解質に利用できる。
リチウムイオン電池の電解質
リチウムイオン電池の電解質は一般には液体であるが、ポリマー電解質では、ゲル状あるいは固体も用いられる。いずれの電解質においても、次の特性が要求される。
1)高い伝導度(リチウムイオンの易動度が大きい)
2)電極材料に対して、大きな化学的および電気化学的安定性
3)使用可能な温度域が広い
4)高い安全性
5)低価格
電解質溶媒
高濃度のリチウム塩を含み、高い伝導度を得る溶媒には、比誘電率が大きく、粘度の小さい非プロトン性有機溶媒が適している。しかし、比誘電率が大きく、極性の強い溶媒の粘度は大きくなるので、実用の電解液では複数の溶媒の混合体となっている。例えば、誘電率64.4、粘度2.3cpのプロピレンカーボネート(PC)、あるいは誘電率95.3、粘度1.9cpのエチレンカーボネート(EC)と粘度0.59cpのヂメチルカーボネート(DMC)の混合溶媒が知られている。これらの混合溶媒では、極大伝導度を示す組成があり、加える電解質塩の種類とともに、組成が詳細に研究されている。
電解質塩
電解質塩としては、過塩素酸リチウム(LiClO)の他、フッ素を含むLiPF、LiAsF、Li(CFSON、LiBF、LiCFSOなどが用いられている。これらを溶解した有機溶媒電解液のイオン伝導度は約10−2 S/cmである。
ゲル電解質
有機ポリマーと液体電解質の混合物であるゲル電解質は、イオン伝導度が高く、固体電解質よりも早期の商品化が図られた経緯がある。ゲル電解質では、炭素系負極材料が用いられ、リチウムイオン二次電池、特に薄膜電池として応用されている。
各種技術分野でのゲル化剤
従来塗料、インク、潤滑油、農業、水産、化粧品、医薬品、繊維、樹脂、高分子、ゴム、金属等の加工分野の各種産業分野において、有機液体類(動植物油脂、エステル、ポリオール、エーテル、アルコール、炭化水素等)を固化するのに、低分子ゲル化剤もしくは高分子ゲル化剤が用いられてきた。高分子ゲル化剤は、ゲル電解質のゲル化剤として電池の技術分野でよく用いられている。
低分子量の有機ゲル化剤
低分子量のゲル化剤はこれに比較して開発が遅いものの、12−ヒドロキシステアリン酸、ジアルキルウレア誘導体、ジベンジリデンソルビトール、等が知られている。
この中で、12−ヒドロキシステアリン酸は安価であるが、ゲル化できる有機液体の種類が少なく、また得られたゲルが軟化する温度も低い。ジアルキルウレア誘導体もゲル化できる有機液体の種類が少ない。一方、ジベンジリデンソルビトールは少量の添加で強いゲルを形成するものの、ベンズアルデヒドを遊離するという難点をもち、また、高融点であるため低沸点の短鎖アルコール類等を固形化するには不適当である。脂肪酸のアルカリ金属塩・アルカリ土類金属塩は、ゲル化または固化のための添加量を多く必要とし、使用可能な条件も限られる等の制約がある。
ペルフルオロアルキルアルカン
ペルフルオロアルキルアルカン:F(CF)n(CH)mHは、n=12、m=8〜20のものが、デカンをゲル化させること、n=10、m=12のものが、炭化水素溶媒をゲル化させること、が報告されている(非特許文献1)。
ペルフルオロアルキルアルカン:F(CF(CHHは、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールをゲル化させること、が報告されている(非特許文献2)。
従来技術の欠点
しかしながら、ゲル化できる有機液体の種類が多く、しかも、少量の添加でゲル化できる有機低分子ゲル化剤は、今まで知られていなかった。そして、有機電解液に適した高誘電率溶媒をゲル化する有機低分子ゲル化剤は知られていなかった。
Robert J.Twang,et al,"Observations of a"Gel"Phase in Binary Mixtures of Semifluorinated n−Alkanes with Hydrocarbon Liquids"Macromolecules 1985,18,1361−1362 Massimo Napoli,et al,"Synthesis of F(Ch2)8(Ch2)8H and gel phase formation from its solutions in homologous alcohols
本発明は、ゲル化できる有機液体の種類が多く、しかも、少量の添加でゲル化できる有機低分子ゲル化剤を提供することを目的とする。本発明は、有機電解液に適した高誘電率溶媒をゲル化できる有機低分子ゲル化剤を提供することを目的とする。本発明は、有機液体をこの有機低分子化合物でゲル化してなるゲルを提供することを目的とする。
本発明者らは、新たに、ペルフルオロアルキル基を有する芳香族化合物を合成し、意外にも、この化合物がほとんどの有機液体を少量の添加でゲル化できることを見いだした。この化合物からなるゲル化剤は、ほとんどの有機液体を少量の添加でもゲル化することができる。
本発明のゲル化剤
本発明のゲル化剤は、有機液体をゲル化させるものである。本発明のゲル化剤は、次の化学式(1)で示される、ペルフルオロアルキル−ヒドロキシエチレン(オリゴメチレン)オキシ基と炭化水素オキシ基とを有する芳香族化合物からなる。
Figure 0004876243
(式中、
基C2m+1は、ペルフルオロアルキル基、mは、6〜12の自然数;
基(CH)は、メチレン基、pはメチレン基の数で、1〜4の自然数;
基Arは、置換もしくは無置換の核原子数5〜30の2価の芳香族基;
基Oは、酸素原子;
OHは、水酸基
基Rは、飽和もしくは不飽和の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である)。
本発明のゲル化剤の製造方法
本発明のゲル化剤の製造方法は、下記化学式(2)の水酸基と炭化水素オキシ基を有する芳香族化合物を、下記化学式(3)のハロゲン化アルケンと、反応させ、その生成物に下記化学式(4)のヨウ素化ペルフルオロアルキルを反応させ、この生成物(化学式(5))のヨウ素を水酸基と置換させることからなる。
Figure 0004876243
(式中の記号の意味は、化学式1の場合と同じ。基Xは水酸基に反応性のハロゲン原子;基Iはヨウ素原子)。
本発明のゲル
本発明のゲル化剤又はゲルは、電池用電解質、塗料、インク、潤滑油、農業、水産、化
Figure 0004876243
粧品、医薬品、繊維、樹脂、高分子、ゴム、金属等の加工分野を含む産業分野において利用される。なかでも、有機イオン性液よりなるゲル、有機溶媒に溶解するイオン性物質を含有するゲルはリチウムイオン電池や色素増感型太陽電池などの電池の電解質として好適に利用できる。
本発明のゲル化剤は、ゲル化できる有機液体の種類が多く、しかも、少量の添加で有機液体をゲル化することができる。本発明のゲル化剤は、有機電解液に適した高誘電率溶媒をゲル化できる。本発明のゲル化剤により高誘電率溶媒をゲル化して生成したゲルは、ゲル化剤の濃度が低いので、電解質ゲルとして使用したとき、有機電解液の含有量を高めることができ有利である。
本発明のゲル化剤として使用する化合物
本発明のゲル化剤として使用する化合物は、ペルフルオロアルキル−ヒドロキシエチレン(オリゴメチレン)オキシ基と炭化水素オキシ基とを有する、芳香族化合物である。本発明のゲル化剤として使用する化合物は、下記化学式1で示される。
(式中、
基C2m+1は、ペルフルオロアルキル基、mは、6〜12の自然数;
基(CH)は、メチレン基、pはメチレン基の数で、1〜4の自然数;
基Arは、置換もしくは無置換の核原子数5〜30の2価の芳香族基;
基Oは、酸素原子;
OHは、水酸基
基Rは、飽和もしくは不飽和の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である)。
本発明の芳香族化合物の製造方法
本発明の芳香族化合物の製造方法は、下記化学式2の水酸基と炭化水素オキシ基を有する芳香族化合物を、下記化学式3のハロゲン化アルケンと、反応させ、その生成物に下記化学式4のヨウ素化ペルフルオロアルキルを反応させ、反応式(5)の化合物を生成させる。
Figure 0004876243
(式中の記号の意味は、化学式1の場合と同じ。基Xは水酸基に反応性のハロゲン原子;基Iはヨウ素原子)。
記化学式(5)の生成物を極微量の水、好ましくは化学式(5)の化合物に対して等モル量乃至10倍モル量程度の水の存在下に塩基性試薬により処理することにより下記化学式(1)の化合物が得られる。
Figure 0004876243
(式中、
基C2m+1は、ペルフルオロアルキル基、mは6〜12の自然数;
基(CH)は、メチレン基、pは1〜4、好ましくは1〜2の自然数
基Arは、置換もしくは無置換の核原子数5〜30の2価の芳香族基;
基Oは、酸素原子;
基OHは、水酸基;
基Rは、飽和もしくは不飽和の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。)
である。)
学式(1)の化合物を目的とする場合、大量の水を存在させると加水分解を生じ、目的物が得られなくなる。また、水の量が少なすぎると、水酸基にかえて水素が置換した化学式(7)の化合物が副生する。
Figure 0004876243
通常、空気中の水分を自然に吸収している程度に水分を含有する溶媒を用いることにより、化学式(7)と化学式(8)の化合物が併産された混合物ゲル化剤とすることができる。
本発明の芳香族化合物の製造方法は、勿論上記方法に限定されるものではない。
芳香族基Ar
本明細書において、芳香族基Arとは、いわゆる「芳香族性」を示す環式化合物の2価の基である。この環式化合物としては、炭素環式化合物でも、複素環式化合物でも良い。これらの環式化合物は、置換基により置換されていてもよく、置換されていなくても良い。(1)ペルフルオロアルキル(オリゴメチレン)チオ基の導入、及び、(2)炭化水素オキシ基の導入、にとって好ましくない置換基は、水酸基とチオール基を有する芳香族化合物(化学式(2))の置換基として好ましくない。
芳香族炭素環式化合物基の場合、核原子数は6〜30であり、置換基により置換されていてもよく、置換されていなくても良い。例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、アントラニレン基、フェナンスリレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、及び、フルオランテニレン基、等の核を有する化合物が挙げられる。
芳香族複素環式化合物の場合、核原子数は5〜30であり、例えば、ピローレン基、フラニレン基、チオフェニレン基、トリアゾーレン基、オキサジアゾーレン基、ピリジレン基、及び、ピリミジレン基、等の核を有する化合物が挙げられる。

これらの中でも、芳香族基Arとして、フェニレン基、ビフェニレン基又はナフチレン基が好ましい。
芳香族核の置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、ハロゲン原子などである。
ペルフルオロアルキル基CmF2m+1
本明細書において、ペルフルオロアルキル基CmF2m+1、とは、炭素数mが6〜12のペルフルオロアルキル基である。炭素数mが5以下では、化学式(1)の化合物はゲル化能が小さい。炭素数mが13以上では、化学式(1)の化合物は、有機溶媒の種類によっては、加熱しても溶解しなくなる。
オリゴメチレン基
本発明の化合物において、オリゴメチレン基(CHの炭素数は、1〜4である。オリゴメチレン基(CHの炭素数が5以上になると、化学式(1)の化合物は、ゲル化能が小さくなる。
炭化水素基R
本明細書において、炭化水素基Rは、飽和もしくは不飽和の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。炭化水素基Rは、脂肪族炭化水素の場合、分岐していてもよく、分岐していなくてもよい。また、芳香族炭化水素を含む場合、該芳香族核に置換基が存在していてもよい。勿論ベンジル基などのアリールアルキル基等であってもよい。
炭化水素基Rが無いと、化学式(1)の化合物は、有機液体に溶解せず、有機液体をゲル化することができない。炭素数21以上では、原料の入手が困難となる。
ハロゲン原子
本明細書において、ハロゲン化アルケンCH=CH−(CH−Xのハロゲン原子Xとしては、化学式(2)(HO−Ar−OR)の水酸基OHに反応性であればよく、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素が使用できる。
有機液体のゲル化
本発明のゲル化剤は、ほとんどすべての有機液体を、5%程度以下の少量の添加でゲル化する。本発明のゲル化剤を有機溶媒に添加し、昇温して溶解し、生成した溶液を常温に戻すことによりゲル化する。本発明のゲル化剤は、有機電解液に適した高誘電率溶媒、例えば、プロピレンカーボネート、をゲル化できる。本発明のゲル化剤により高誘電率溶媒をゲル化して生成したゲルは、電解質ゲルとして使用できる。この電解質ゲルは、リチウムイオン電池に利用できる。そして、色素増感型太陽電池などのゲル電解質にも利用できる。本発明のゲル化剤、又は、これにより生成したゲルは、塗料、インク、潤滑油、農業、水産、化粧品、医薬品、繊維、樹脂、高分子、ゴム、金属等の加工分野を含む産業分野においても利用できる。
電解質ゲルとする場合には、一般に有機液体に可溶なイオン性物質、例えばリチウムイオン電池の場合では、LiClO、LiPF、LiAsF、Li(CFSON、LiBF、LiCFSOなどのイオン性物質を有機溶媒に溶解させ、これに本発明のゲル化剤を加えてゲルとするのが好ましい。勿論、N,N,N−トリアルキル(アルコキシアルキル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなどの有機イオン性液体又はそれらを非イオン性有機溶媒に溶解した混合物も好適に使用できる。
化合物(C)の製造
次の化学反応式(6)に従って、まず、化合物(A)を製造し、次いで、化合物(B)を製造し、そして、副生物の化合物(C)及び目的の化合物(D)を製造する。
Figure 0004876243
化合物(A)の合成
4−ペンチルオキシフェノール3gの3‐ペンタノン溶液に1.0当量の4‐ブロモブテンと1.5当量の炭酸カリウムを加え、2日間環流した。反応溶液に析出する沈殿を濾別し、濾液の溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(A)を得た。(2g,40%)
油状物質
IR=823.5,1039.4,1230.4,1508.1,2931.3
HNMR(270MHz,CDCl)δ=0.92(3H,t,J=6.9Hz),1.33−1.46(4H,m),1.75(2H,quin,J=6.9Hz),2.51(2H,q,J=6.9Hz),3.89(2H,t,J=6.4Hz),3.96(2H,t,J=6.6Hz),5.07−5,19(2H,m),5.82−5.97(1H,m),6.82(4H,s)ppm.

化合物(B)の合成
化合物A(2.0g,8.77mmol)のアセトニトリル(8.5ml)、水(5.5ml)溶液に,ペルフルオロオクチルアイオダイド(4.8g,8.79mmol),炭酸水素ナトリウム(0.7g,8.69mmol),ハイドロサルファイトナトリウム(1.5g,8.79mmol)を加え,遮光し一晩撹拌した。反応終了後,酢酸エチルで薄め,水で二回,食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後,溶媒を減圧除去した。残渣をクロロホルム溶媒によるカラムクロマトグラフィーにより精製した。2.8g(41%)
IR(KBr)1149.4, 1203.4, 1234.2cm−1(C−F), 1511.9cm−1, 2933.2, 2958.3cm−1(C−H)
HNMR(270MHz,CDCL)δ=0.93(3H,t,J=6.9Hz), 1.26−1.48(4H,m),1.76(2H,quin,J=6.9Hz), 2.14−2.36(2H,m),2.84−3.06(2H,m),3.91(2H,t,J=6.6Hz), 4.00−4.16(2H,m), 4.56−4.66(1H,m), 6.84(4H,s)ppm

合物(D)の合成)
化合物B(1.10g)を蒸留後数時間後のジエチルエーテル(20ml)溶液にLiAlH(0.1g)を加え、一晩撹拌した。反応終了後,1N HClを加え,抽出した後,水で二回,食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後,溶媒を減圧除去し,クロロホルム溶媒によるカラムクロマトグラフィーにより,無色の固体(D)を得た。0.32g,mp=92℃
IR(KBr) 1147.4, 1203.4, 1238.1, 1511.9, 2937.1, 3415.3, 3438.5, 3469.3, 3498.2 cm−1
HNMR (CDCL) δ=0.93(3H,t,J=7.1Hz), 1.34−1.46(4H, m), 1.76(2H,quin,J=6.9Hz), 2.02(2H,m), 2.20−2.46(2H,m), 2.70(1H,d, J=3.3Hz), 3.90(2H,t,J=6.6Hz), 4.07−4.20(2H,m), 4.46(1H,m), 6.83(4H,s)ppm
上記化合物(D)の最低ゲル化濃度
化合物(1)の室温における最低ゲル化濃度(wt%)は、以下のとおりである。
プロピレンカーボネート(2.3)、 メタノール(3.6)、DMF(4.6)、1−オクタノール(14.0)、アセトニトリル(20.1)
上記化合物(D)のゲル化能
上記化合物(D)を、有機溶媒に添加し、昇温して溶解し、生成した溶液を常温に戻すことによりゲル化するかどうか観察することにより、ゲル化能を測定した。本実施例で試みた有機溶媒は、プロピレンカーボネート、メタノール、DMF、1−オクタノール、アセトニトリル、シクロヘキサン、オクタン、である。上記化合物(D)は、これらの有機溶媒を、ゲル化することができた。
上記化合物(D)の最低ゲル化濃度
化合物(D)の室温における最低ゲル化濃度(wt%)は、以下のとおりである。
プロピレンカーボネート(1.1)、シクロヘキサン(2.1)、オクタン(2.5)、メタノール(5.2)、1−オクタノール(5.6)、アセトニトリル(5.9),N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(4.7)

Claims (6)

  1. 次の化学式(1)で示されるペルフルオロアルキル基を有する芳香族化合物からなる、有機液体のゲル化剤
    Figure 0004876243
    (式中、
    基C2m+1は、ペルフルオロアルキル基、mは、6〜12の自然数;
    基(CH)は、メチレン基、pはメチレン基の数で、1〜4の自然数;
    基Arは、置換もしくは無置換の核原子数5〜30の2価の芳香族基;
    基Oは、酸素原子;
    OHは、水酸基
    基Rは、飽和もしくは不飽和の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。)
  2. 芳香族基Arが、フェニレン基、ビフェニレン基又はナフチレン基である、請求項1に記載のゲル化剤
  3. 次の化学式(8)で示されるペルフルオロアルキル基を有する芳香族化合物よりなる有機液体のゲル化剤
    Figure 0004876243
    (式中、
    基C2m+1は、ペルフルオロアルキル基、mは6〜12の自然数;
    基(CH)は、メチレン基、pは1〜2の自然数
    基Arは、置換もしくは無置換の核原子数5〜30の2価の芳香族基;
    基Oは、酸素原子;
    基Rは、飽和もしくは不飽和の炭素数1〜20の1価の炭化水素基;
    基OHは、水酸基である。)
  4. 下記化学式(2)の水酸基と炭化水素オキシ基を有する芳香族化合物を、下記化学式(3)のハロゲン化アルケンと反応させ、その生成物に下記化学式(4)のヨウ素化ペルフルオロアルキルを反応させ、この生成物(化学式(5))のヨウ素を水酸基と置換させることからなる、請求項1〜請求項のいずれかの項に記載のゲル化剤の製造方法。
    Figure 0004876243
    (式中の記号の意味は、化学式(1)の場合と同じ。基Xは水酸基に反応性のハロゲン原子;基Iはヨウ素原子)
  5. 請求項1〜請求項のいずれかの項に記載のゲル化剤で有機液体をゲル化してなるゲル。
  6. ゲルが電解質ゲルである、請求項のゲル。
JP2006013526A 2006-01-20 2006-01-23 ペルフルオロアルキル基を有する芳香族化合物ゲル化剤 Active JP4876243B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006013526A JP4876243B2 (ja) 2006-01-23 2006-01-23 ペルフルオロアルキル基を有する芳香族化合物ゲル化剤
EP07707448.2A EP1975148B1 (en) 2006-01-20 2007-01-19 Aromatic compound gelatinizing agent having perfluoroalkyl group
US12/087,998 US8980124B2 (en) 2006-01-20 2007-01-19 Aromatic compound gelling agent having perfluoroalkyl group
PCT/JP2007/051216 WO2007083843A1 (ja) 2006-01-20 2007-01-19 パーフルオロアルキル基を有する芳香族化合物ゲル化剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006013526A JP4876243B2 (ja) 2006-01-23 2006-01-23 ペルフルオロアルキル基を有する芳香族化合物ゲル化剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007191661A JP2007191661A (ja) 2007-08-02
JP4876243B2 true JP4876243B2 (ja) 2012-02-15

Family

ID=38447612

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006013526A Active JP4876243B2 (ja) 2006-01-20 2006-01-23 ペルフルオロアルキル基を有する芳香族化合物ゲル化剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4876243B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5401644B2 (ja) * 2007-12-28 2014-01-29 新日本理化株式会社 新規な有機ゲル化剤
CN102326286B (zh) * 2009-02-18 2014-04-02 旭化成电子材料株式会社 锂离子二次电池用电解液和锂离子二次电池
JP5645154B2 (ja) * 2009-06-02 2014-12-24 旭化成イーマテリアルズ株式会社 リチウムイオン二次電池
JP5419210B2 (ja) 2009-06-04 2014-02-19 国立大学法人山口大学 ゲル化剤
WO2010143658A1 (ja) 2009-06-10 2010-12-16 旭化成イーマテリアルズ株式会社 電解液及びそれを用いたリチウムイオン二次電池
JP5582495B2 (ja) * 2010-02-12 2014-09-03 国立大学法人山口大学 ゲル化剤
JP5598850B2 (ja) * 2010-08-17 2014-10-01 旭化成イーマテリアルズ株式会社 電解液及びリチウムイオン二次電池

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3202667B2 (ja) * 1996-10-17 2001-08-27 花王株式会社 含フッ素エーテル化合物及びそれからなるゲル化剤
JP2005068198A (ja) * 2003-08-27 2005-03-17 Nippon Menaade Keshohin Kk ゲル化剤及びこれを含有する化粧料
JP4997765B2 (ja) * 2003-12-04 2012-08-08 旭硝子株式会社 含フッ素化合物、撥水性組成物および薄膜

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007191661A (ja) 2007-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4820994B2 (ja) ペルフルオロアルキル基誘導体ゲル化剤
JP4820993B2 (ja) ペルフルオロアルキル基を有する芳香族化合物からなる有機液体のゲル化剤
US8980124B2 (en) Aromatic compound gelling agent having perfluoroalkyl group
JP4876243B2 (ja) ペルフルオロアルキル基を有する芳香族化合物ゲル化剤
EP1626041B1 (fr) Nouveaux matériaux utiles en tant que solutés électrolytiques
US8329344B2 (en) Electrolytic solution
JP5827014B2 (ja) 電気化学デバイス用の電極、色素増感太陽電池用電解液及び二酸化炭素吸収性組成物
US8007679B2 (en) Electrolytic solution
US8247117B2 (en) Ionic liquid
EP2221295B1 (en) Gelling agent containing fluoroalkyl derivative
KR101880416B1 (ko) 디술포닐아미드염의 과립
EP3546443B1 (en) Method for producing fluorine-containing dialkyl carbonate compounds
US7482302B2 (en) Fluorosulfonic acid compound, process for producing the same, and use thereof
JPWO2005123656A1 (ja) 新規なメチルカーボネート類、およびその製造方法、非水系電解液
JP6051757B2 (ja) イオン液体
JP2007224001A (ja) イオン液体およびその製造方法、ならびに該イオン液体を含む電解コンデンサ
WO2016164505A1 (en) Fluorinated alkali ion electrolytes with cyclic carbonate groups
JP5875954B2 (ja) シアノボレート化合物、並びに、これを用いた電解質
JP5813472B2 (ja) テトラシアノボレート塩の製造方法
TW201533019A (zh) 具有3,3,3-三氟丙酸基之酯及其製造方法
JP2017511310A (ja) グリセリンアセタールポリエーテル及びリチウム電池におけるその使用
JP4784177B2 (ja) カーボネート化合物
JP2009084193A (ja) チアゾリウム塩
TWI438183B (zh) Compounds
JPH0952892A (ja) 新規な環状炭酸エステル化合物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110809

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111006

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111101

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150