JP4876212B2 - 気化器及び気化器を有するプラズマ処理装置 - Google Patents

気化器及び気化器を有するプラズマ処理装置 Download PDF

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本発明は、固体材料又は液体材料を気化してガスにし、そのガスを所定の方向に導出する気化器と、該気化器を有するプラズマ処理装置に関する。特に一旦気化したガスが、所定の方向に導出する導出口で凝固、液化することにより、該導出口が詰まったり、ガスが希望する方向に導出されなくなったりするのを防止しようとするものである。
アルカリ金属内包フラーレンは、例えばプラズマ法により製造する。ここでは内包対象物であるアルカリ金属をホットプレートに衝突させることにより、アルカリ金属のプラズマ流を発生させる。フラーレンは気化させて堆積基板に照射することにより、堆積させておく。そこに該プラズマ流を照射することにより、アルカリ金属内包フラーレンを生成する。
フラーレンを気化させる従来の気化器は、フラーレンの入った容器を加熱し、狭く形成されている導出口から堆積基板に向けて導出させることにより、フラーレンを基板に堆積させていた。この気化器では、主にフラーレンを気化させる目的で、フラーレンの入っている容器の外周にヒーターを配置して加熱していた。該容器で発生した熱が、変形されている導出口の壁まで伝わらないために、導出口近辺又はその内部でフラーレンガスが凝固、液化する。凝固、液化したものが拡大することにより、導出口を詰めたり、フラーレンガスが希望する方向に導出されなくなったりするという問題がおきていた。
気化中に固体材料又は液体材料が凝固、液化して詰まってしまう等の問題を起こすことなく、所定の方向にスムーズに導出できる気化器、及びそれを有するプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
本発明(1)は、固体材料又は液体材料を気化する気化部と、該気化部で気化されたガスを所定の方向に導出する導出部とを有する気化器において、前記導出部は高温保持室とガスを所定の方向に導出する導出口とから構成され、前記導出部の壁は気化部の壁よりも熱伝導度の高い材料で作られ、前記材料を気化させてガスを生成する前記気化部を加熱する第一ヒーターと、前記導出部の前記高温保持室と前記導出口とを加熱する第二ヒーターを有し、前記第二ヒーターにより前記導出口の壁が前記気化部の壁よりも高温に保持されていることを特徴とする気化器である。
本発明(2)は、前記気化部の壁はステンレスで、前記導出部の壁は銅で作られていることを特徴とする本発明(1)の気化器である。
本発明(3)は、前記気化部の壁はアルミナで、前記導出部の壁はボロンナイトライドで作られていることを特徴とする本発明(1)の気化器である。
本発明(4)は、前記気化部の外周及び前記導出部の外周は熱遮蔽板で包まれていることを特徴とする本発明(1)乃至(3)のいずれか1つの気化器である。
本発明()は、前記気化部の外周と前記導出部の高温保持室の外周は、同一の柱状形であることを特徴とする本発明(1)乃至(4)のいずれか1つの気化器である。
本発明()は、前記気化部の外周及び前記導出部の高温保持室の外周は、熱遮蔽板で包まれていることを特徴とする本発明(1)乃至(5)のいずれか1つの気化器である。
本発明()は、前記気化部と前記導出部との境界に熱絶縁板を介在していることを特徴とする本発明(1)乃至()のいずれか1つの気化器である。
本発明()は、前記気化部内部、或いは前記気化部と前記導出部との境界に流量抑制手段を有することを特徴とする本発明(1)乃至(7)のいずれか1つの気化器である。流量抑制手段として、例えばメッシュ、オリフィス等を用いることができる。
本発明()は、前記固体材料はフラーレンであることを特徴とする本発明(1)乃至()のいずれか1つの気化器である。
本発明(1)は、前記気化部内部の温度を400〜600℃に、前記導出部内部の温度を600〜800℃に加熱しフラーレンを気化、導出することを特徴とする本発明()の気化器である。
本発明(1)は、本発明(1)乃至(1)のいずれか1つの気化器を有することを特徴するプラズマ処理装置である。
本発明(1)によれば、導出部で発生した熱が気化部に伝導して逃げるのを抑えることができ、導出部の温度を気化部より高温に保持しておくことが容易になる。すなわち、気化部で気化したガスが導出部で凝固、液化することにより、導出部が詰まったり、ガスが希望する方向に導出されなくなったりするという問題を防止できる。
本発明(2)のように、導出部の壁は熱伝導度が390W/mKの銅Cuで、気化部の壁は熱伝導度が16.3W/mKのSUS304、SUS316等のステンレスで作る。このとき、ヒーター等の発熱源から導出部内壁に供給される熱量が大きくなり、導出部の温度を気化部よりも高温に保持しておくことが容易になる。
本発明(3)のように、導出部の壁は熱伝導度が60W/mKのボロンナイトライドBNで、気化部の壁は熱伝導度が31W/mKのアルミナAl2O3で作る。このとき、ヒーター等の発熱源から導出部内壁に供給される熱量が大きくなり、導出部の温度を気化部よりも高温に保持しておくことが容易になる。
本発明(4)によれば、気化部及び導出部で発生した熱が外部に輻射して逃げるのを抑えることができるので、ガスの凝固、液化が起こらない温度分布を維持しやすくなる。
本発明()のように、本発明による気化器はその形状を限定するものではない。使用環境等に対応した様々な形状の気化器を包含する。
本発明()によれば、気化部の外周と、導出部の高温保持室の外周が同一の柱状形になっているので、ヒーターの巻き付け、熱遮蔽板の装着が容易になる。
本発明()によれば、気化部及び導出部で発生した熱が外部に輻射して逃げるのを抑えることができる。すなわち、ガスの凝固、液化が起こらない温度分布を維持しやすくなる。また本発明()のように気化部の壁と導出部の高温保持室の壁を同一形状にしておくことにより、1枚の熱遮蔽板で両方を包むことができ、その装着が容易になる。
本発明()によれば、気化部及び導出部の間での熱伝導が少なくなる。すなわち、それぞれの温度を独立に設定できるようになる。また本発明()又は()のように気化部の外周及び導出部の外周を熱遮蔽板で包むことにより、熱が外部に輻射して逃げるのも防止することができる。従って導出部でガスが凝固、液化しない温度に保持できる効果を増大させることができる。
本発明(8)によれば、固体材料又は液体材料が気化しないまま弾け飛んで、導出部の壁に付着するのを、防止することができる。導出部内部の圧力が高く飽和蒸気圧に達しているとき、その付着物を核としてガスが凝固、液化しながら、拡大していく。
そして導出部が詰まったり、ガスが希望する方向に導出されなくなったりする。本発明(8)のように、気化部内部、或いは気化部と導出部との境界に流量抑制手段を設置しておくことにより、それを防止することができる。また流量抑制手段によりガスの流量が制限されるので、導出部内部の圧力を低く抑えることができる。すなわち、気化しないまま流量抑制手段を通過した材料の粉末、液体等が導出部の壁に付着しても、気化しやすくなり、前記の問題は発生しなくなる。
本発明()、(1)によれば、本発明による気化器はフラーレン気化器として適用することができる。
本発明(1)によれば、本発明による気化器はプラズマ処理装置に利用することができる。
以下、本発明に係る各用語の意義について明らかにすると共に、本発明の最良の形態について説明する。
「固体材料又は液体材料」とは、ガス化するために用いる原料である。固体材料は、液体状態を介してガス化するものと、固体状態から直接昇華してガス化するものの両方を含む。
「フラーレン」とは、Cn(n=60、70、76、78、…)で示される中空の炭素クラスター物質である。
「熱絶縁板」とは、熱伝導度が低く、熱の流出入を防ぐために用いる板である。熱絶縁板で区切られている2つの空間での熱伝導は少なくなると共に、それぞれの空間の温度を独立に制御できる。
「熱遮蔽板」とは、発生した熱が外部に輻射するのを防ぐために用いる板である。
「流量抑制手段」とは、固体材料又は液体材料が気化しないでそのまま弾け飛ぶのを防いだり、気化したガスの流量を制限して導出部の圧力を抑えたりするのに用いる手段である。例えば、メッシュ、オリフィス等を用いることができる。
(気化器1)
図1に本発明の第一実施例である気化器の断面図を示す。固体材料としてのフラーレンを気化させる場合について説明する。
気化部107の壁102はステンレス、例えばSUS304又はSUS316等で作ると共に、その内部にはフラーレン101を収納する。また気化部107の外周には、第一ヒーター103を巻き付ける。気化部107には、気化部107で気化したガスを導出する導出部が連通している。導出部の中心に導出口106を有すると共に、導出部の壁104は、ステンレスSUS304、SUS316等よりも熱伝導度の高い材料、例えば銅で作る。また導出口106の外周には、第二ヒーター105を巻き付ける。
フラーレン101が収納された気化器は、図1に示した状態で、導出口106の先端がプラズマ処理装置に取り付けられて密閉される。そしてプラズマ処理装置内部を真空引きしてから加熱することにより、フラーレン101を気化して装置に導入する。
フラーレンC60の昇華温度は、約400℃である。そこで第一ヒーター103に通電して、気化部107の温度を400〜600℃に上げる。このとき、フラーレン101が固体状態から気化してガスになり、導出口106を通じてプラズマ装置に導入される。同時に第二ヒーター105にも通電して、導出口106近辺及びその内側の温度を600〜800℃に上げておく。このように導出口106を気化部107よりも高温にしておくことにより、気化したフラーレンが導出口106を通過してプラズマ処理装置に導入される際に、凝固、液化して導出口106の内側を塞ぐことなく、スムーズに通過していく。温度差を付けるために、例えば、第二ヒーター105を密に巻くか、或いは第二ヒーター105に流す電流を大きくすればよい。
ステンレスSUS304、SUS316の熱伝導度は16.3W/mK、銅Cuの熱伝導度は390W/mKである。気化部の壁102をSUS304 又はSUS316で、導出部の壁104を銅Cuで作っておくことにより、導出口106で発生した熱が気化部107に伝導して逃げるのを抑えることができる。加えて、導出部の壁104の熱抵抗が小さいので、第二ヒーター105から多量の熱を供給することができる。すなわち、導出口106の温度を気化部107よりも高温に保持することが容易になる。また壁104の温度を均一に保つことが可能となり、導出口106の壁面へのフラーレンガスの凝固、液化を効果的に防ぐことができる。
それぞれの壁を他の材料を用いて作ってもよい。例えば気化部の壁102を熱伝導度31W/mKのアルミナAl2O3で、導出部の壁104を熱伝導度60W/mKのボロンナイトライドBNで作る。このときも導出口106で発生した熱が気化部107に逃げるのを抑えると共に、第二ヒーター105から導出部の壁104に多量の熱を供給することができる。すなわち、導出口106の温度を気化部107よりも高温に保持することが容易になる。
第一ヒーター103、第二ヒーター105の外周を1枚以上の熱遮蔽板で包むようにしてもよい。熱遮蔽板は、熱伝導度の低い材料、例えばタンタルTa、セラミックス等から作る。このとき気化部107、導出口106で発生した熱が外部に輻射して逃げるのを抑えることができる。すなわち、導出口106の温度を高温に保って、フラーレンガスの凝固、液化を防ぐ効果を更に向上させることができる。
気化部107から導出口106に移る壁の内側は、角をなくして滑らかにしておいた方が好ましい。このとき、流れの急激な変化に起因して、局所的に圧力が大きくなったり、温度が低下したりする部分がなくなる。そのために、フラーレンガスが飽和蒸気圧に達することはなくなり、凝固、液化を防ぐことができる。
(気化器2)
図2に本発明の第二実施例である気化器の断面図を示す。図1と同じものは、同一符号で示す。
本実施例では、気化部107と導出部でヒーター103、105を巻き付ける部分が同じ形状になるように、導出部に、外周が気化部107と同一柱状形の高温保持室203を設けている。そして第一ヒーター103、第二ヒーター105の外周を熱遮蔽板202で包んでいる。また気化部107と高温保持室203との間には、熱絶縁板201を介在している。
図1と同様に、導出部の壁104は、気化部107の壁102よりも熱伝導度の高い材料で作る。そして気化部107の温度を400〜600℃に、高温保持室203の温度を600〜800℃に上げる。このとき、高温保持室203の温度は導出部の壁全体に均一に拡がり、フラーレンガスが導出口106で凝固、液化するのを防止することができる。すなわち、気化部107で気化したフラーレンガスは、高温保持室203を通過した後、導出口106で凝固、液化することなく導出される。
気化部107と高温保持室203との間には熱絶縁板201を介在しているので、2つの空間での熱伝導が少なくなる。例えば少ない消費電力でそれぞれの温度を独立に設定、保持することが可能になり、両者間の温度差を最適に維持することができる。この熱絶縁板201は、高温で化学的に安定な材料、例えばアルミナAl2O3、窒化ホウ素BN等から作ればよい。
第一ヒーター103、第二ヒーター105の外周を熱遮蔽板202で包んでおくことにより、気化部107、高温保持室203で発生した熱が外部に輻射して逃げるのを抑えることができる。すなわち、気化部107、高温保持室203を最適の温度に維持して、フラーレンガスの凝固、液化を防ぐ効果を更に向上させることができる。ここで気化部107と高温保持室203を同一の柱状形にしておくことにより、ヒーターと熱遮蔽板の装着が容易になる。すなわち、一種類のヒーターと熱遮蔽板を準備して、両方に装着すればよい。また第一ヒーター103と第二ヒーター105の外周を、複数枚の熱遮蔽板202で包むようにしてもよい。
気化器1と同様に、導出部の壁104は、角をなくして滑らかにしておいた方が好ましい。このとき、流れの急激な変化に起因して、局所的に圧力が大きくなったり、温度が低下したりする部分がなくなる。そのために、フラーレンガスが飽和蒸気圧に達することはなくなり、凝固、液化を防ぐことができる。
(気化器3)
図3に本発明の第三実施例である気化器の断面図を示す。図1、図2と同じものは、同一符号で示す。本実施例では、フラーレンガスの通路に、流量抑制手段としてのメッシュ301を設置している。
ヒーター103に通電して加熱したとき、フラーレン101の粉末が気化しないで弾け飛ぶことがある。このとき、その粉末は導出部の壁104に付着する。その付着物を核としてフラーレンガスが凝固しながら、拡大していく。そして導出部が詰まったり、フラーレンガスが希望する方向に導出されなくなったりする。本実施例のようにメッシュ301を設置しておくことにより、これを防止することができる。またメッシュ301によりフラーレンガスの流量を制限できるので、導出部104の内部の圧力を低く抑えることができる。圧力が低いとき、メッシュ301を通過した微小な粉末が導出部の壁に付着しても、気化して前記の問題は発生しなくなる。メッシュの孔径は、フラーレン101の平均粒径100μmよりも小さくすることが好ましい。またメッシュ301を複数枚設置することにより、導出部内部の圧力が更に低くなって、導出部の壁への粉末の付着、拡大を防止することができる。
メッシュ301は、熱伝導度の高い材料、例えば銅で作ればよい。
メッシュ301は、導出部の開口が狭くなっている部分から5mm以上離して設置することが好ましい。近接している場合、メッシュと導出部により形成された狭い空間に、フラーレンの粉末が目詰まりすることがある。
気化器1、2と同様に、導出部104の壁は、気化部の壁102よりも熱伝導度の高い材料で作ることが好ましい。但しメッシュ301等の流量抑制手段を用いて導出部104の内部の圧力を低く抑えておくことにより、その内部の温度を600〜800℃まで上げなくても、気化したガスが凝固、液化することなくスムーズに導出することができる。
導出部104の壁は、角をなくして滑らかにしておいた方が好ましい。
メッシュ301の代わりに他の流量抑制手段、例えばオリフィス等を用いてもよい。
(気化器の使用例)
図4に本発明による気化器を用いたプラズマ処理装置の断面図を示す。これは、リチウム原子をフラーレンに内包させるプラズマ処理装置である。
例えば図2に示した気化器401にメッシュを設置して、プラズマ処理装置の真空容器402に取り付ける。気化器401には空のフラーレンが収納されている。
この状態で真空容器402を真空引きした後、リチウム導入口403からリチウムを噴射する。噴射されたリチウムは、ホットプレート404に衝突すると、接触電離してリチウムイオンLi+と電子e-から成るプラズマを発生する。真空容器402の真空度は、10-4パスカル以上に高めておくことが好ましい。またホットプレート404は接地すると共に、2,700℃以上に加熱しておくことが好ましい。
真空容器402の外側に配置されている磁石405によって、均一磁場が形成される。発生したプラズマを、均一磁場に沿って真空容器402の長手方法に閉じ込めることにより、プラズマ流406を形成する。磁石405によって形成される均一磁場の強さは、1kG以上にしておくことが好ましい。
気化器401から気化したフラーレンガスが、堆積基板407に照射、堆積するように、気化器401の導出口が設計されている。気化器401から気化して堆積基板407に堆積しているフラーレンに、プラズマ流406を照射する。リチウムイオンをフラーレンに内包させるために、電圧源408から堆積基板407に-20〜-30Vのバイアス電圧を印加して、リチウムイオンを加速することが好ましい。このとき、高い収率で内包フラーレンが生成される。
従来の気化器は、壁全体を同質の材料、例えば熱伝導度の高い銅で作っていた。その中にフラーレンの粉末を収納してから、メッシュを装着しないでプラズマ装置に取り付けていた。そして気化部を加熱することにより、フラーレンガスを導出していた。このとき、導出部の、特に開口が狭くなっている部分にフラーレンガスが凝固し、詰まってしまうという問題があった。この問題は、580〜590℃に上げてフラーレンの気化量が増えた場合に顕著になる。そこで気化器をこのように構成している従来の装置では、気化部の温度を550〜575℃というように低い温度に設定しなければならず、フラーレンの気化量を増加させるのに限界があった。
改良した気化器は、図2に示したものにメッシュを取り付けて使用した。すなわち、気化部の壁102はステンレスで、導出部の壁104は銅で作った。また気化部と導出部との間にアルミナから作った熱絶縁板201を介在させる共に、熱絶縁板201の開口部に1枚のメッシュを取り付けた。メッシュは銅から作り、その孔径は70μmとした。更に気化器の外周を熱遮蔽板202で包んでいる。これをプラズマ装置に取り付けた。そして気化部内部の温度を550℃に、導出室内部の温度が600〜650℃の範囲になるように設定してフラーレンガスを導出させた。このとき気化したフラーレンが凝固して詰まることなく、スムーズに導出できるようになった。同時に、フラーレンの気化量を約10倍に増加させることができた。
また壁全体を銅で構成した従来の気化器では、気化部内部の温度を570℃に維持するのに240Wの電力が必要であった。改良された気化器では、気化部内部の温度を550℃に、導出室内部の温度を600〜650℃の範囲に維持するのに、140Wの電力で済むようになった。
本発明の第一実施例である気化器の断面図である。 本発明の第二実施例である気化器の断面図である。 本発明の第三実施例である気化器の断面図である。 本発明による気化器を用いたプラズマ処理装置の断面図である。
符号の説明
101:フラーレン
102:気化部の壁
103:第一ヒーター
104:導出部の壁
105:第二ヒーター
106:導出口
107:気化部
201:熱絶縁板
202:熱遮蔽板
203:高温保持室
301:メッシュ
401:気化器
402:真空容器
403:リチウム導入口
404:ホットプレート
405:磁石
406:プラズマ流
407:堆積基板
408:電圧源

Claims (11)

  1. 固体材料又は液体材料を気化する気化部と、
    該気化部で気化されたガスを所定の方向に導出する導出部とを有する気化器において、
    前記導出部は高温保持室とガスを所定の方向に導出する導出口とから構成され、前記導出部の壁は気化部の壁よりも熱伝導度の高い材料で作られ、
    前記材料を気化させてガスを生成する前記気化部を加熱する第一ヒーターと、
    前記導出部の前記高温保持室と前記導出口とを加熱する第二ヒーターを有し、
    前記第二ヒーターにより前記導出口の壁が前記気化部の壁よりも高温に保持されていることを特徴とする気化器。
  2. 前記気化部の壁はステンレスで、前記導出部の壁は銅で作られていることを特徴とする請求項1記載の気化器。
  3. 前記気化部の壁はアルミナで、前記導出部の壁はボロンナイトライドで作られていることを特徴とする請求項1記載の気化器。
  4. 前記気化部の外周及び前記導出部の外周は熱遮蔽板で包まれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の気化器。
  5. 前記気化部の外周と前記導出部の高温保持室の外周は、同一の柱状形であることを特徴とする請求項項1乃至4のいずれか1項記載の気化器。
  6. 前記気化部の外周及び前記導出部の高温保持室の外周は、熱遮蔽板で包まれていることを特徴とする請求項項1乃至5のいずれか1記載の気化器。
  7. 前記気化部と前記導出部との境界に熱絶縁板を介在していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の気化器。
  8. 前記気化部内部、或いは前記気化部と前記導出部との境界に流量抑制手段を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の気化器。
  9. 前記固体材料はフラーレンであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の気化器。
  10. 前記気化部内部の温度を400〜600℃に、前記導出部内部の温度を600〜800℃に加熱してフラーレンを気化、導出することを特徴とする請求項記載の気化器。
  11. 請求項1乃至1のいずれか1項記載の気化器を有することを特徴とするプラズマ処理装置。
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