JP4876167B2 - 反発型磁気回路及びスピーカー装置 - Google Patents

反発型磁気回路及びスピーカー装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4876167B2
JP4876167B2 JP2009512824A JP2009512824A JP4876167B2 JP 4876167 B2 JP4876167 B2 JP 4876167B2 JP 2009512824 A JP2009512824 A JP 2009512824A JP 2009512824 A JP2009512824 A JP 2009512824A JP 4876167 B2 JP4876167 B2 JP 4876167B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pole piece
yoke
magnetic circuit
magnet
magnets
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009512824A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2008136091A1 (ja
Inventor
隼美 近藤
行示 松本
義美 工藤
寛幸 土肥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Pioneer Corp
Pioneer Corp
Original Assignee
Tohoku Pioneer Corp
Pioneer Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku Pioneer Corp, Pioneer Corp filed Critical Tohoku Pioneer Corp
Publication of JPWO2008136091A1 publication Critical patent/JPWO2008136091A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4876167B2 publication Critical patent/JP4876167B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R9/00Transducers of moving-coil, moving-strip, or moving-wire type
    • H04R9/02Details
    • H04R9/022Cooling arrangements
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R9/00Transducers of moving-coil, moving-strip, or moving-wire type
    • H04R9/02Details
    • H04R9/025Magnetic circuit
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R9/00Transducers of moving-coil, moving-strip, or moving-wire type
    • H04R9/06Loudspeakers

Description

本発明は、スピーカー装置における、反発型磁気回路の構造に関する。
従来より、複数の磁石をポールピース(センタープレートとも呼称される)を挟んで同極同士が対向するように配置して、ポールピースの外周部とヨークの内周部との間の磁気ギャップに反発磁界を発生させる反発型磁気回路を備えるスピーカー装置が知られている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
特許文献1に記載のスピーカー用磁気回路は、ボトムプレートと、ボトムプレート上に配置された第1の希土類磁石と、第1の希土類磁石上に配置されたポールピースと、ポールピース上に配置された第2の希土類磁石と、第2の希土類磁石上に配置されたプレートと、第1の希土類磁石及びポールピースを取り囲むように設けられたヨークと、を備え、ポールピースの上下面に対して、保持力及びエネルギー積の大きな第1及び第2の希土類磁石を同極同士が対向するように配置して構成される。
また、特許文献2に記載のスピーカー装置では、2枚のマグネットの同極同士が対向配置され、その対向配置された2枚のマグネットの間に金属製のプレートが介在され、その金属製のプレート外周面と対向する位置に巻線部が位置するようにボイスコイルが配置され、さらに、ボイスコイルの外周側で、かつ、前記金属製のプレートに対向する位置にアウターリングが配置されて構成される反発型磁気回路を備え、アウターリングの外周面に反発型磁気回路に発生する渦電流をショートさせるためのショートリングが設けられている。
特許第3106338号公報 特開2003−163992号公報
上記の特許文献1に係るスピーカー用磁気回路を備えたスピーカー装置では、ボイスコイルに電流を印加することによって、ボイスコイルからジュール熱が生じ、そのジュール熱が輻射熱となってポールピースへ伝わり、さらに第1及び第2の希土類磁石へ伝わり、さらにボトムプレート及びプレートへと伝わる。これにより、第1及び第2の希土類磁石へ伝わった前記輻射熱は夫々ボトムプレート及びプレートにて放熱される。
しかしながら、かかるスピーカー装置において、長時間に亘ってボイスコイルが駆動されると、これによって前記輻射熱が第1及び第2の希土類磁石の各々に蓄熱され、その蓄熱(例えば、80℃以上)が要因となり、第1及び第2の希土類磁石の各々の減磁が引き起こされ、これによって、第1及び第2の希土類磁石の各々の磁気特性が低下してしまうといった課題がある。特に、このスピーカー用磁気回路では、磁石として希土類磁石を用いているので、このような不具合がより顕著となって現れる。
また、このようなスピーカー装置では、ボイスコイルに電流が印加されることで、前記の電流が要因となり、前記プレートからポールピースに向けて磁束(「第2の磁束」と呼称する)が発生する。このような第2の磁束が形成される領域では、電流歪が生じ易くなってしまうといった課題がある。
本発明が解決しようとする課題としては、上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、反発型磁気回路を備えるスピーカー装置において、主に、前記磁石の蓄熱に起因した磁石の磁気特性の低下を抑止すること、電流歪を抑止すること、等の課題が一例として挙げられる。
請求項1に記載の発明は、磁石と複数の磁石の各々とを同極同士が対向するように配置した反発型磁気回路であって、ヨークと、ポールピースと、トッププレートと、を備え、前記ヨークの上には、前記ポールピースが配置されており、前記ポールピースの上には、前記トッププレートが配置されており、前記ヨークと前記ポールピースとの間には、前記磁石が配置されており、前記ポールピースと前記トッププレートとの間には、前記複数の磁石が配置されており、前記複数の磁石の間には、金属層が配置されていることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、磁石と複数の磁石の各々とを同極同士が対向するように配置した反発型磁気回路であって、ヨークと、ポールピースと、トッププレートと、を備え、前記ヨークの上には、前記ポールピースが配置されており、前記ポールピースの上には、前記トッププレートが配置されており、前記ヨークと前記ポールピースとの間には、前記複数の磁石が配置されており、前記複数の磁石の間には、金属層が配置されており、前記ポールピースと前記トッププレートとの間には、前記磁石が配置されていることを特徴とする。
本発明の実施例に係る反発型磁気回路を有するスピーカー装置の断面図。 本実施例及び比較例に係る各反発型磁気回路の要部断面図。 本発明の変形例1に係る反発型磁気回路を有するスピーカー装置の断面図。 変形例1に係る反発型磁気回路を有するスピーカー装置の音圧レベルと周波数の関係を示すグラフ。 比較例に係る反発型磁気回路を有するスピーカー装置の音圧レベルと周波数の関係を示すグラフ。 本発明の変形例2に係る反発型磁気回路を有するスピーカー装置等の断面図。 本発明のその他の変形例に係る反発磁気回路を有するスピーカー装置の断面図。
符号の説明
1、1z ヨーク
1a アンダープレート
1b 外周部
2、4、5 磁石
3 ポールピース
6 トッププレート
7 プレート
15 金属層
30、30x、30y 磁気回路
31 振動体
32 支持体
33 磁気ギャップ
100、100x、100y スピーカー装置
本発明の1つの実施形態では、磁石と複数の磁石の各々とを同極同士が対向するように配置した反発型磁気回路は、ヨークと、ポールピースと、トッププレートと、を備え、前記ヨークの上には、前記ポールピースが配置されており、前記ポールピースの上には、前記トッププレートが配置されており、前記ヨークと前記ポールピースとの間には、前記磁石が配置されており、前記ポールピースと前記トッププレートとの間には、前記複数の磁石が配置されている。好適な例では、上記の反発型磁気回路を備えることを特徴とするスピーカー装置を構成することができる。
ここで、この反発型磁気回路の構成において、前記ポールピースと前記トッププレートとの間に、複数の磁石ではなく、1つの磁石が配置されている反発型磁気回路を備える比較例に係るスピーカー装置を想定した場合、比較例では、ボイスコイルに電流を印加することによって、ボイスコイルからジュール熱が生じ、そのジュール熱が輻射熱となってポールピースへ伝わり、さらにポールピースの上側及び下側に各々配置された各磁石へ伝わり、さらにトッププレート等へと伝わる。これにより、各磁石へ伝わった前記輻射熱はトッププレートにて放熱される。また、ボイスコイルから生じたジュール熱が輻射熱となってポールピースへ伝わり、さらにポールピースの下側及び下側に各々配置された各磁石へ伝わり、さらにヨーク等へと伝わる。これにより、各磁石へ伝わった前記輻射熱はヨークにて放熱される。
しかしながら、比較例において、長時間に亘ってボイスコイルが駆動されると、これによって前記輻射熱が各磁石に蓄熱され、その蓄熱(例えば、80℃以上)が要因となり、各磁石の減磁が引き起こされ、これによって各磁石の磁気特性が低下してしまうといった課題がある。特に、比較例において、各磁石として希土類磁石を用いた場合には、このような不具合がより顕著となって現れる。
この点、上記の反発型磁気回路では、磁石と複数の磁石の各々とを同極(N極又はS極)同士が対向するように配置して構成される。そして、この反発型磁気回路は、ヨークと、ポールピースと、トッププレートと、を備える。ヨークの上には、ポールピースが配置されている。ポールピースの上には、トッププレートが配置されている。ヨークとポールピースとの間には、前記磁石が配置されており、ポールピースとトッププレートとの間には、前記複数の磁石が配置されている。
このように、ポールピースとトッププレートとの間に複数の磁石を分割して配置することにより、当該複数の磁石のうち、トッププレートに近い側に配置される磁石に対して前記輻射熱が伝わり難くなる。即ち、この反発型磁気回路では、ポールピースを介して伝わる前記輻射熱によって、トッププレートとポールピースとの間に配置された磁石の磁気特性が低下することを抑止するべく、ポールピースとトッププレートとの間に対して、複数の磁石を分割して配置するようにしている。
その結果、長時間に亘ってボイスコイルを駆動した際、前記輻射熱がポールピースに伝わり続けても、トッププレート側に配置される磁石の温度が上昇しにくくなり、その温度上昇を要因として前記複数の磁石の各々が減磁することを抑止でき、これに伴って前記複数の磁石の各々の磁気特性が低下することを抑止できる。また、仮にポールピース側に配置された磁石に対して、前記輻射熱による減磁などの磁気特性の低下が発生したとしても、ポールピースとトッププレートとの間に配置された磁石全体の磁気特性が大きく低下してしまうことを最小限に留めることができる。さらに、磁石の間に接着剤が介在した場合であっても、トッププレート側に配置される磁石へ前記輻射熱が伝わることを抑止できる。
同様に、ポールピースとヨークとの間に複数の磁石を分割して配置することで、上記のような、ヨーク側に配置される磁石へ前記輻射熱が伝わることを抑止できる。
上記の反発型磁気回路の一つの態様では、前記複数の磁石の間には、金属層が配置されている。
ここで、上記の比較例では、ボイスコイルに電流が印加されることで、前記電流が要因となり、トッププレートからポールピースに向けて磁束(「第2の磁束」と呼称する)が発生する。このような第2の磁束が形成される領域では、電流歪が生じ易くなってしまうといった課題がある。
この点、この態様では、前記複数の磁石の間に金属層が配置されている。これにより、金属層に誘導電流が発生し、電流を流されたボイスコイルによって反発型磁気回路に電流歪みが生じることを抑止することができる。
好適な例では、前記金属層を構成する材料の少なくとも1つは、前記磁石より熱伝導率が大きいことが好ましい。または、前記金属層を構成する材料の少なくとも1つは、前記磁石より電気伝導率が大きいことが好ましい。このように、前記複数の磁石の間に配置される前記金属層を構成する材料のうち少なくとも1つを、例えばアルミニウム、ニッケル等の熱伝導率又は電気伝導率が大きい金属材料(合金も含む)からなる層とすることで、誘導電流の発生がより促進される。前記の誘導電流の発生が要因となり、反発型磁気回路における電流歪みの発生を抑止することができる。但し、前記金属層は、複数の磁石間において磁束の通過を阻害しない程度に薄いことが求められる。そのため、前記金属層の厚さは、例えば15μmとすることが好ましい。
上記の反発型磁気回路の他の態様では、前記複数の磁石のうち、少なくとも1つの磁石の表面には金属層が形成されている。これにより、金属層に誘導電流が発生し、電流を流されたボイスコイルによって反発型磁気回路に電流歪みが生じることを抑止することができる。特に、前記複数の磁石のうち、少なくとも1つの磁石の外側側面に金属層を形成することで、前記少なくとも1つの磁石の表面で熱伝導が大きくなり、前記少なくとも1つの磁石が蓄熱することを抑止することができる。さらに、ポールピースからトッププレートへ熱が伝わる経路が多く形成されること、前記経路が長いこと、反発型磁気回路の外部と接触する表面積が大きくなることから、前記輻射熱として放出され易くなり、反発型磁気回路の温度が高くなりにくくなる。また、ポールピースとトッププレートとを金属層が熱的に接続しているので、ポールピースから前記磁石へ熱が伝わることを抑止し、トッププレートへ熱を伝わり易くでき、トッププレートから熱を輻射熱として放出しやすくなるという利点もある。
上記の反発型磁気回路の他の態様では、前記トッププレートの外径は、前記ポールピースの外径よりも小さい。
ここで、上記の比較例では、トッププレート近傍での磁束の向きが、ポールピース近傍での磁束と略逆向きとなる。そのため、磁気的な観点より、ボイスコイルの振動に対し、大きな制動力が作用し、十分な振幅を得ることができないといった課題がある。また、上記の比較例では、ボイスコイルで発生するジュール熱が輻射熱として、トッププレートへ伝わり、さらにトッププレートの下側に配置された磁石へ伝わり、当該磁石の温度が上昇して、当該磁石の減磁が引き起こされ、その磁気特性が低下してしまうといった課題がある。
この点、この態様では、トッププレートの外径がポールピースの外径よりも小さいので、トッププレートの近傍から発生する漏れ磁束(ポールピースの近傍に発生する磁束の方向に対して反対方向に生じる漏れ磁束)により、ボイスコイルに働く前記制動力を低減することができる。よって、印加する電流に応じた、振幅をボイスコイルに与えることができ、振動板を大きく振動させることが可能となる。
また、トッププレートの外径がポールピースの外径よりも小さいので、ボイスコイルとトッププレートとの距離を離すことができる。このように、ボイスコイルから、トッププレートを離すことで、前記輻射熱がトッププレートへ伝わることを抑止することができる。これにより、トッププレートの下側に配置された磁石の温度が上昇することを抑止することができ、当該磁石の温度上昇に要因として当該磁石が減磁することを抑止でき、これに伴って当該磁石の磁気特性が低下することを抑止できる。
上記の反発型磁気回路の他の態様では、前記ヨークは、アンダープレートと、当該アンダープレートを取り囲む外周部と、を備え、前記アンダープレートの上には、前記磁石、前記ポールピース、前記複数の磁石、前記トッププレートがこの順に配置されており、前記ヨークの前記外周部の上にはプレートが配置されている。
ここで、上記の比較例では、ポールピースからヨークに向けて磁束が生じている(磁束が閉じている)。この閉じた磁束がある領域では、電流歪みが生じやすいという課題がある。また、比較例では、ボイスコイルのジュール熱が輻射熱として、ヨークに伝わるため、そのヨークの上に配置された磁石の温度が上昇してしまい、これによって前記磁石の減磁が引き起こされ、その磁気特性が低下してしまうといった課題がある。ここで、前記磁石がポールピースの下側に存在すれば、さらにポールピースからの熱も前記磁石へ伝わるため前記磁石の温度がさらに上昇し、これによって前記磁石の減磁がより引き起こされ、その磁気特性がより低下してしまうといった課題がある。
また、上記の比較例の構成を前提として、ヨークの外周部が筒状の形状を有し、そのヨークの外周部の上面がポールピースの上面と略同一の高さにある反発型磁気回路を備える他の比較例に係るスピーカー装置を想定した場合、他の比較例では、磁気ギャップの上方(音響放射方向)と下方(音響放射方向に対し反対方向)にて、その磁束の向きが対称性を有しない構成となる。そのため、他の比較例では、ボイスコイルの振動方向が、磁気ギャップを介して異なり、異常振動が生じ易くなるといった課題がある。さらに、他の比較例では、ボイスコイルに作用する電磁気力(ローレンツ力)の大きさが、磁気ギャップを介して異なり、所望の振幅を得られないこと、良好な音響特性を得られないこと、等の課題がある。
この点、この態様では、ヨークはアンダープレートと、当該アンダープレートを取り囲む外周部とを備える。そして、アンダープレートの上には、前記磁石、ポールピース、前記複数の磁石、トッププレートがこの順に配置されている。また、ヨークの前記外周部の上には、前記ヨークと別体のプレートが配置されている。
このように、ヨークを複数の部材(プレートとヨーク自体)に分割して、磁気ギャップを形成するプレートと、プレートを支持するヨークとに分けることで、前記プレートに誘導電流を発生させることができるので前記の第2の磁束の発生を抑止でき、これにより反発型磁気回路を備えるスピーカー装置に対して電流歪みが発生することを抑止できる。
また、ヨークの上にプレートを配置することで、プレートからヨークへ前記輻射熱が伝わりにくくなる。これにより、ヨークとポールピースとの間に配置された前記磁石の温度が上昇することを抑止することができる。その結果、前記磁石の温度上昇を要因として前記磁石が減磁することを抑止でき、これに伴って前記磁石の磁気特性が低下することを抑止できる。
また、この態様では、プレートを、ヨークの内周部よりも、ポールピースに向かって突出させることによって、磁気ギャップの上方(音響放射方向)と下方(音響放射方向に対し反対方向)にて磁束の向きが略対称性を有することになる。そのため、ボイスコイルの振動方向や振幅、ボイスコイルに作用する駆動力も、磁気ギャップを介して略対称性を有し、異常振動、振幅や音響特性が低下することを抑止することができる。さらに、プレートの厚みを大きくする、又はプレートの内周部をヨークの下端部へ向かって突出させることで、ボイスコイルが大きく振動しても、ボイスコイルに磁束が作用する領域、すなわち磁気ギャップの幅(振動方向)が大きくなり、磁気回路の駆動力が振幅に依らず一定になり、再生音の歪みを低減することができる。
上記の反発型磁気回路の他の態様では、前記ヨークの下端部から前記プレートの上面までの高さは、前記ヨークの前記下端部から前記ポールピースの上面までの高さよりも高い。
この態様では、ヨークの下端部からプレートの上面までの高さを、ヨークの下端部からポールピースの上面までの高さよりも高くすることで、プレートとトッププレートの距離を近づけることができる。このように、プレートをトッププレートに近づけることで、パーミアンス係数(磁束密度を磁束で除算した値)を大きくできる。そのため、トッププレートとポールピースとの間に配置される前記複数の磁石の動作点を大きくできる。一方で、前記複数の磁石の動作点を大きくするために、前記複数の磁石の各々の厚さを大きくする手段もある。しかし、前記磁石の各々の厚さを大きくした割には、磁気ギャップ内の磁束密度はさほど大きくならないというデメリットがある。そのため、この態様のように、プレートをトッププレートに近づける手段が、前記磁石の各々の厚さを大きくするよりも、磁気ギャップの磁束密度をより大きくすることができる点で好ましい。
上記の反発型磁気回路の他の態様では、前記複数の磁石の各々は、少なくともフェライト系磁石と希土類系磁石とを有する。
この構成において、仮に、前記複数の磁石を構成する希土類系磁石が前記輻射熱の蓄熱によって、その磁気特性が低下したとしても、前記複数の磁石すべてが希土類系磁石である場合と比べ、複数の磁石全体としての磁気特性の低下が小さく、スピーカー装置の音響特性の低下を最小限に留めることができる。
上記の反発型磁気回路の他の態様では、前記ヨークと前記ポールピースとの間には、前記磁石が複数設けられている。
このように、ヨークとポールピースとの間に複数の磁石を分割して配置することにより、ポールピースを介して伝わる前記輻射熱によって、ヨークとポールピースとの間に配置された前記複数の磁石の各々の温度が上昇することを抑止することができる。その結果、その温度上昇を要因として前記複数の磁石の各々が減磁することを抑止でき、これに伴って前記複数の磁石の各々の磁気特性が低下することを抑止できる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[スピーカー装置の構成]
まず、図1を参照して、本発明の実施例に係る反発型磁気回路を備えるスピーカー装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施例に係る反発型磁気回路30を備えるスピーカー装置100を、その中心軸L1を通る位置で切断した断面図を示す。
スピーカー装置100は、反発型磁気回路30、振動体31及び支持体32を備える。 (反発型磁気回路の構成)
反発型磁気回路30は、ヨーク1、磁石2、ポールピース3、複数の磁石4及び5、トッププレート6、及びプレート7を構成部材として有し、磁石2と複数の磁石4及び5とを同極(N極又はS極)同士が対向するように配置した構成を有する。
ヨーク1は、円板状の形状を有するアンダープレート1aと、ほぼ筒状の形状を有する外周部1bと、を有する。外周部1bは、アンダープレート1aと一体的に形成され、アンダープレート1a、磁石2及びポールピース3の一部を夫々取り囲んでいる。磁石2は、円板状の形状を有し、ヨーク1のアンダープレート1a上に配置されている。ポールピース3は、円板状の形状を有し、磁石2上に配置されている。磁石4は、円板状の形状を有し、ポールピース3上に配置されている。磁石5は、円板状の形状を有し、磁石4上に配置されている。好適な例では、複数の磁石4及び5の各々は、少なくともフェライト系磁石と希土類系磁石とを有することが好ましい。トッププレート6は、円板状の形状を有し、磁石5上に配置されている。トッププレートの外径d1は、ポールピース3の外径d2よりも小さい。プレート7は、環状の形状及びヨーク1の外周部1bの内壁より内側(中心軸L1側)へ張り出す形状(又は突出する形状)を有し、ヨーク1の外周部1b上に配置されている。好適な例では、プレート7は、ヨーク1と同一の材料にて形成されていることが好ましい。ヨーク1の下端部からプレート7の上面までの高さd3は、ヨーク1の下端部からポールピース3の上面までの高さよりも高い。
以上の構成を有する反発型磁気回路30では、プレート7とポールピース3の間に磁気ギャップ33が形成されており、この磁気ギャップ33には、磁石2と複数の磁石4及び5とよって生成される反発磁界が形成されている。
(振動体の構成)
振動体31は、ボイスコイルボビン9、ボイスコイル10、ダンパー11、振動板12、及びエッジ13を構成部材として有し、その各構成部材の構成は次の通りである。
ボイスコイルボビン9は、筒状の形状を有し、ポールピース3、複数の磁石4及び5、トッププレート6の各々を取り囲むように配置されている。ボイスコイルボビン9には、反発型磁気回路30で発生する熱をスピーカー装置100の外部へ放熱するための開口9aが設けられている。
ボイスコイル10は、ボイスコイルボビン9の外周面の下端部に巻かれており、磁気ギャップ33内に位置している。ボイスコイル10は、一対のプラス/マイナスのリード線(図示略)を有する。プラスのリード線はL(又はR)チャンネル信号の入力配線であり、マイナスのリード線はグランド(GND:接地)信号の入力配線である。一対のプラス/マイナスのリード線の各々は、後述する支持体32の適当な位置に取り付けられたスピーカー端子(図示略)の各々に対し電気的に接続されている。なお、前記スピーカー端子の各々には、アンプ側から引き出された一対の出力配線の各々に電気的に接続される。
ダンパー11は、ボイスコイルボビン9を弾性的に支持する役割を有する。ダンパー11は、環状の形状を有し、同心円状の複数の波形形状(コルゲーション)を備えて構成される。ダンパー11の内周縁部は、ボイスコイルボビン9の外周面の中央部付近に取り付けられている一方、ダンパー11の外周縁部は、後述する支持体32の中央部付近に取り付けられている。
振動板12は、コーン状の形状を有し、ボイスコイル10へ入力される音声信号に応じた音波を放射する機能を有する。振動板12の内周縁部はボイスコイルボビン9の外周面の上端部に取り付けられている。
エッジ13は、環状の形状及びΩ状の断面形状を有し、振動板12を弾性的に支持する。エッジ13の内周縁部は、振動板12の外周部に取り付けられている一方、エッジ13の外周縁部は、支持体32の外周部上に取り付けられている。
(支持体の構成)
支持体32は、略椀状の形状を有し、振動体31及び反発型磁気回路30を支持する。支持体32は、反発型磁気回路30を収容している。ヨーク1のアンダープレート1aと対向する支持体32の部分には、反発型磁気回路30で発生する熱をスピーカー装置100の外部へ放熱するための開口32aが設けられている。
かかるスピーカー装置100では、アンプ側の一対の出力配線から出力された音声信号は、各スピーカー端子を経由し、さらにボイスコイル10の一対のプラス/マイナスのリード線を通じて、当該ボイスコイル10へ入力される。これにより、フレミングの左手の法則に基づき、磁気ギャップ33内でボイスコイル10に電磁気力(ローレンツ力)が作用し、ボイスコイル10と共に振動板12等が音響放射方向Y1及びその逆方向に動くことで、振動板12から音響放射方向Y1に向けて音波が放射される。
以上の構成を有するスピーカー装置100では、反発型磁気回路30は、ヨーク1と、ポールピース3と、トッププレート6と、を備え、ヨーク1の上には、ポールピース3が配置されており、ポールピース3の上には、トッププレート6が配置されており、ヨーク1とポールピース3との間には、磁石2が配置されており、ポールピース3とトッププレート6との間には、複数の磁石4及び5が配置されている点に特徴を有する。
ここで、この反発型磁気回路30において、ポールピース3とトッププレート6との間に、複数の磁石4及び5ではなく、1つの磁石が配置されている反発型磁気回路を備える比較例に係るスピーカー装置を想定した場合、比較例では、ボイスコイル10に電流を印加することによって、ボイスコイル10からジュール熱が生じ、そのジュール熱が輻射熱となってポールピース3へ伝わり、さらにポールピース3の上側及び下側に各々配置された複数の磁石4及び5並びに磁石2へ伝わり、さらにトッププレート6及びヨーク1へと伝わる。これにより、磁石2及び前記1つの磁石へ伝わった前記輻射熱は、トッププレート6及びヨーク1にて放熱される。
しかしながら、比較例において、長時間に亘ってボイスコイル10が駆動されると、これによって前記輻射熱が磁石2及び前記1つの磁石の各々に蓄熱され、その蓄熱(例えば、80℃以上)が要因となり、磁石2及び前記1つの磁石の各々の減磁が引き起こされ、それらの磁気特性が低下してしまうといった課題がある。特に、比較例において、磁石2及び前記1つの磁石として希土類磁石を用いた場合には、このような不具合がより顕著となって現れる。
この点、この反発型磁気回路30では、特に、ポールピース3とトッププレート6との間に複数の磁石4及び5が配置されている。
このように、ポールピース3とトッププレート6との間に複数の磁石4及び5を分割して配置することにより、当該複数の磁石4及び5のうち、トッププレート6に近い側に配置される磁石5に対して前記輻射熱が伝わり難くなる。即ち、この反発型磁気回路30では、ポールピース3を介して伝わる前記輻射熱によって、トッププレート6とポールピース3との間に配置された複数の磁石4及び5の各々の磁気特性が低下することを抑止するべく、ポールピース3とトッププレート6との間に対して、複数の磁石4及び5を分割して配置するようにしている。
その結果、長時間に亘ってボイスコイル10を駆動した際、前記輻射熱がポールピース3に伝わり続けても、トッププレート6側に配置される磁石5の温度が上昇しにくくなり、その温度上昇を要因として複数の磁石4及び5の各々が減磁することを抑止でき、これに伴って複数の磁石4及び5の磁気特性が低下することを抑止できる。また、仮にポールピース3側に配置された磁石4に対して、前記輻射熱による減磁などの磁気特性の低下が発生したとしても、ポールピース3とトッププレート6との間に配置された複数の磁石4及び5全体の磁気特性が大きく低下してしまうことを最小限に留めることができる。さらに、複数の磁石4及び5の間に、それらを接合するための接着剤が介在していた場合であっても、トッププレート6側に配置される磁石5へ前記輻射熱が伝わることを抑止できる。
同様に、ポールピース3とヨーク1との間に磁石4及び5を分割して配置することで、上記のような、ヨーク1側に配置される磁石2へ前記輻射熱が伝わることを抑止できる。
また、本実施例に係る反発型磁気回路30では、トッププレート6の外径d1が、ポールピース3の外径d2よりも小さい点に特徴を有する。
ここで、上記の比較例では、トッププレート6近傍での磁束の向きが、ポールピース3近傍での磁束と略逆向きとなる。そのため、磁気的な観点より、ボイスコイル10の振動に対し、大きな制動力が作用し、十分な振幅を得ることができないといった課題がある。また、上記の比較例では、ボイスコイル10で発生するジュール熱が輻射熱として、トッププレート6へ伝わり、さらにトッププレート6の下側に配置された前記1つの磁石へ伝わり、当該1つの磁石の温度が上昇して、当該1つの磁石の減磁が引き起こされ、その磁気特性が低下してしまうといった課題がある。
この点、本実施例に係る反発型磁気回路30では、トッププレート6の外径d1がポールピース3の外径d2よりも小さいので、トッププレート6の近傍から発生する漏れ磁束(ポールピース3の近傍に発生する磁束の方向に対して反対方向に生じる漏れ磁束)により、ボイスコイル10に働く前記制動力を低減することができる。よって、印加する電流に応じた、振幅をボイスコイル10に与えることができ、振動板12を大きく振動させることが可能となる。
また、トッププレート6の外径d1がポールピース3の外径d2よりも小さいので、ボイスコイル10とトッププレート6との距離を離すことができる。このように、ボイスコイル10から、トッププレート6を離すことで、前記輻射熱がトッププレート6へ伝わることを抑止することができる。これにより、トッププレート6の下側に配置された複数の磁石4及び5の各々の温度が上昇することを抑止することができる。複数の磁石4及び5の各々の温度上昇を要因として複数の磁石4及び5の各々が減磁することを抑止でき、これに伴って複数の磁石4及び5の磁気特性が低下することを抑止できる。
また、本実施例に係る反発型磁気回路30では、ヨーク1は、アンダープレート1aと、当該アンダープレート1aを取り囲む外周部1bと、を備え、アンダープレート1aの上には、磁石2、ポールピース3、複数の磁石4及び5、トッププレート6がこの順に配置されており、ヨーク1の外周部1bの上面1baには、ヨーク1と別体のプレート7が配置されている点に特徴を有する。
ここで、上記の比較例では、ポールピース3からヨーク1に向けて磁束が生じている(磁束が閉じている)。この閉じた磁束がある領域では、電流歪みが生じやすいという課題がある。また、比較例では、ボイスコイル10のジュール熱が輻射熱として、ヨーク1に伝わるため、そのヨーク1の上に配置された前記磁石の温度が上昇してしまい、これによって前記磁石の減磁が引き起こされ、その磁気特性が低下してしまうといった課題がある。ここで、前記磁石がポールピース3の下側に存在すれば、さらにポールピース3からの熱も前記磁石へ伝わるため前記磁石の温度がさらに上昇し、これによって前記磁石の減磁がより引き起こされ、その磁気特性がより低下してしまうといった課題がある。
また、上記の比較例の構成を前提として、ヨーク1の外周部1bが筒状の形状を有し、そのヨーク1の外周部1bの上面1baがポールピース3の上面と略同一の高さにある反発型磁気回路30xを備える他の比較例では、図2(b)に示すように、磁気ギャップ33の上方(音響放射方向Y1)と下方(音響放射方向Y1に対し反対方向)にて、その磁束33wの向きが対称性を有しない構成となる。なお、図2(b)では、便宜上、ポールピース3上に配置される1つの磁石と、その1つの磁石上に配置されるトッププレートの図示を夫々省略している。そのため、他の比較例では、ボイスコイル10の振動方向が、磁気ギャップ33を介して異なり、異常振動が生じ易くなるといった課題がある。さらに、他の比較例では、ボイスコイル10に作用する電磁気力(ローレンツ力)の大きさが、磁気ギャップ33を介して異なり、所望の振幅を得られないこと、良好な音響特性を得られないこと、等の課題がある。
この点、本実施例に係る反発型磁気回路30では、ヨーク1は、アンダープレート1aと、当該アンダープレート1aを取り囲む外周部1bと、を備える。そして、アンダープレート1aの上には、磁石2、ポールピース3、複数の磁石4及び5、トッププレート6がこの順に配置されており、ヨーク1の外周部1bの上面1baには、ヨーク1と別体にて形成され、ヨーク1の外周部1bの内壁より内側(中心軸L1側)へ張り出す形状(又は突出する形状)を有するプレート7が配置されている点に特徴を有する。
このように、ヨーク1を複数の部材(プレート7とヨーク1自体)に分割して、磁気ギャップ33を形成するプレート7と、プレート7を支持するヨーク1とに分けることで、プレート7に誘導電流を発生させることができるので前記の第2の磁束の発生を抑止でき、これにより反発型磁気回路30を備えるスピーカー装置100に対して電流歪みが発生することを抑止できる。
また、ヨーク1の外周部1bの上面1baに、ヨーク1と別体のプレート7を配置することで、プレート7からヨーク1へ前記輻射熱が伝わりにくくなる。これにより、ヨーク1とポールピース3との間に配置された複数の磁石4及び5の各々の温度が上昇することを抑止することができる。その結果、複数の磁石4及び5の各々の温度上昇を要因として複数の磁石4及び5の各々が減磁することを抑止でき、これに伴って複数の磁石4及び5の磁気特性が低下することを抑止できる。
また、この構成によれば、図2(a)に示すように、プレート7を、ヨーク1の内周部よりも、ポールピース3に向かって突出させることによって、磁気ギャップ33の上方(音響放射方向Y1)と下方(音響放射方向Y1に対し反対方向)にて磁束33wの向きが略対称性を有することになる。そのため、ボイスコイル10の振動方向や振幅、ボイスコイル10に作用する駆動力も、磁気ギャップ33を介して略対称性を有し、異常振動、振幅や音響特性が低下することを抑止することができる。さらに、プレート7の厚みを大きくする、又はプレート7の内周部をヨーク1の下端部へ向かって突出させることで、ボイスコイル10が大きく振動しても、ボイスコイル10に磁束が作用する領域、すなわち磁気ギャップ33の幅(振動体31の振動方向側の幅)が大きくなり、反発型磁気回路30の駆動力が振幅に依らず一定になり、再生音の歪みを低減することができる。また、これにより、振動体31の構成要素と反発型磁気回路30との接触を防止することができる。なお、図2(a)は、本実施例に係る反発型磁気回路30の要部断面図であり、便宜上、ポールピース3上に配置される複数の磁石4及び5と、磁石5上に配置されるトッププレート6の図示を夫々省略している。
また、本実施例に係る反発型磁気回路30では、ヨーク1の下端部からプレート7の上面までの高さd3は、ヨーク1の下端部からポールピース3の上面までの高さd4よりも高い点に特徴を有する。
このように、ヨーク1の下端部からプレート7の上面までの高さd3を、ヨーク1の下端部からポールピース3の上面までの高さd4よりも高くすることで、プレート7とトッププレート6の距離を近づけることができる。このように、プレート7をトッププレート6に近づけることで、パーミアンス係数(磁束密度を磁束で除算した値)を大きくできる。そのため、トッププレート6とポールピース3との間に配置される複数の磁石4及び5の動作点を大きくできる。一方で、複数の磁石4及び5の動作点を大きくするために、複数の磁石4及び5の各々の厚さを大きくする手段もある。しかし、複数の磁石4及び5の各々の厚さを大きくした割には、磁気ギャップ33内の磁束密度はさほど大きくならないというデメリットがある。そのため、この構成のように、プレート7をトッププレート6に近づける手段が、複数の磁石4及び5の各々の厚さを大きくするよりも、磁気ギャップ33の磁束密度をより大きくすることができる点で好ましい。
また、本実施例に係る反発型磁気回路30では、複数の磁石4及び5の各々は、少なくともフェライト系磁石と希土類系磁石とを有する点に特徴を有する。
この構成において、仮に、複数の磁石4及び5の各々を構成する希土類系磁石が前記輻射熱の蓄熱によって、その磁気特性が低下したとしても、複数の磁石4及び5の各々すべてが希土類系磁石である場合と比べ、複数の磁石4及び5全体としての磁気特性の低下が小さく、スピーカー装置100の音響特性の低下を最小限に留めることができる。
[変形例1]
上記した比較例では、ボイスコイル10に電流が印加されることで、前記電流が要因となり、トッププレート6からポールピース3に向けて磁束(「第2の磁束」と呼称する)が発生する。このような第2の磁束が形成される領域では、電流歪が生じ易くなってしまうといった課題がある。
そこで、本発明の変形例1では、図1の対応図である図3に示すように、反発型磁気回路30xにおいて、複数の磁石4及び5の間に金属層15を配置することで、かかる課題を解決する。
ここで、図4は、この反発型磁気回路30xを用いたスピーカー装置100xの音圧レベル[dB]と周波数特性[Hz]の関係を示すグラフである。図4において、実線で示すグラフg1はスピーカー装置100xの周波数特性を、また、破線で示すグラフg2はスピーカー装置100xの2次高調波歪を、また、一点鎖線で示すグラフg3はスピーカー装置100xの3次高調波歪を夫々示す。但し、前記2次高調波歪、前記3次高調波歪に関し、その音圧レベルを30[dB]加算して図示されている。また、図5は、反発型磁気回路30xにおいて、ポールピース3上に、複数の磁石4及び5を設けるのではなく、1つの磁石を設けた構成を有する比較例に係る反発型磁気回路を備えたスピーカー装置(図示略)の音圧レベル[dB]と周波数特性[Hz]の関係を示すグラフである。図5において、実線で示すグラフg11は当該比較例に係るスピーカー装置の周波数特性を、また、破線で示すグラフg12は当該比較例に係るスピーカー装置の2次高調波歪を、また、一点鎖線で示すグラフg13は当該比較例に係るスピーカー装置の3次高調波歪を夫々示す。
変形例1に係るスピーカー装置100xの2次高調波歪(特に、図4の領域A1の部分)、当該比較例に係るスピーカー装置の2次高調波歪(特に、図5の領域A2の部分)とを比較して分かるように、変形例1に係るスピーカー装置100xの2次高調波歪は、当該比較例に係るスピーカー装置の2次高調波歪と比べ小さくなっている。これにより、金属層15に誘導電流が発生し、電流を流されたボイスコイル10によって反発型磁気回路30xに電流歪みが生じることを抑止することができる。
好適な例では、金属層15を構成する材料の少なくとも1つは、磁石2(又は磁石4及び5)より熱伝導率が大きいことが好ましい。または、金属層15を構成する材料の少なくとも1つは、磁石2(又は磁石4及び5)より電気伝導率が大きいことが好ましい。このように、複数の磁石4及び5の間に配置される金属層15を構成する材料のうち少なくとも1つを、例えばアルミニウム、ニッケル等の熱伝導率又は電気伝導率が大きい金属材料(合金も含む)からなる層とすることで、誘導電流の発生がより促進される。前記の誘導電流の発生が要因となり、反発型磁気回路30xにおける電流歪みの発生を抑止することができる。但し、金属層15は、複数の磁石4及び5の間において磁束の通過を阻害しない程度に薄いことが求められる。そのため、金属層15の厚さは、例えば約15μmとすることが好ましい。
[変形例2]
また、本発明では、変形例1の構成に代えて、変形例2として、図6に示すように、反発型磁気回路30yにおいて、複数の4及び5の表面にそれぞれ金属層4x、5xを形成することで、変形例1にて示唆した課題等を解決するようにしても構わない。なお、図6(a)は、図1に対応する変形例2に係る反発型磁気回路30yを備えるスピーカー装置100yの断面図であり、図6(b)及び(c)は、反発型磁気回路30yの構成要素である磁石4、5の各断面図を示す。
好適な例では、金属層4x、5xは、それぞれ前記の金属層15と同様の構成材料にて形成されていることが好ましい。また、金属層4x、5xは、複数の磁石4及び5の間において磁束の通過を阻害しない程度に薄いことが求められる。そのため、金属層4x、5xの各厚さは、例えば約15μmとすることが好ましい。これにより、上記した変形例1と同様に、変形例2に係るスピーカー装置100yの2次高調波歪(図示略)は、変形例1における前記比較例に係るスピーカー装置の2次高調波歪に比べて小さくなる。これにより、金属層4x、5xに夫々誘導電流が発生し、電流を流されたボイスコイル10によって反発型磁気回路30yに電流歪みが生じることを抑止することができる。
特に、磁石4、5の外側側面に金属層4x、5xを形成することで、磁石4、5の表面で熱伝導が大きくなり、複数の磁石4及び5が蓄熱することを抑止することができる。さらに、ポールピース3からトッププレート6へ熱が伝わる経路が多く形成されること、前記経路が長いこと、反発型磁気回路30yの外部と接触する表面積が大きくなることから、前記の輻射熱として放出され易くなり、反発型磁気回路30yの温度が高くなりにくくなる。また、ポールピース3とトッププレート6とを金属層4x、5xが熱的に接続しているので、ポールピース3から複数の磁石4及び5へ熱が伝わることを抑止し、トッププレート6へ熱を伝わり易くでき、トッププレート6から熱を輻射熱として放出しやすくなるという利点もある。
なお、上記の変形例2では、複数の磁石4及び5の各表面に金属層4x、5xを形成するようにしたが、これに限らず、本発明では、上記した変形例2の有利な点を得る為、複数の磁石4及び5のうち、磁石4の表面、或いは、磁石5の表面に対して金属層を形成するようにしても構わない。
[その他の変形例]
上記した実施例並びに変形例1及び2では、ヨーク1のアンダープレート1aとポールピース3の間に1つの磁石2を設けていたが、これに限らず、本発明では、ヨーク1のアンダープレート1aとポールピース3の間に複数の磁石を設けるようにしても構わない。
このように、ヨーク1のアンダープレート1aとポールピース3との間に前記複数の磁石を分割して配置することにより、ポールピース3を介して伝わる前記輻射熱によって、ヨーク1のアンダープレート1aとポールピース3との間に配置された前記複数の磁石の各々の温度が上昇することを抑止することができる。その結果、前記複数の磁石の各々の温度上昇を要因として前記複数の磁石の各々が減磁することを抑止でき、これに伴って前記複数の磁石の各々の磁気特性が低下することを抑止できる。
また、上記の実施例及び変形例1、2では、ヨーク1の外周部1bの上面1baにプレート7を設けているが、図1の対応図である図7(a)に示すように、ヨーク1とプレート7を一体に形成(ヨーク1zに相当)しても構わなく、ヨーク1の外周部1bがポールピース3に向かって突出した形状等であれば良い。
また、上記の実施例及び変形例1、2では、振動体31がボイスコイルボビン9、ボイスコイル10、ダンパー11、振動板12、及びエッジ13を構成部材として有しているが、この他に、必要に応じて、図1の対応図である図7(b)に示すように、振動体31はセンターキャップ14を有していても構わない。
その他、本発明では、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形をすることが可能である。
本発明は、家庭用、携帯機器用、車載用などの各種のスピーカー装置用の反発型磁気回路として利用することができる。

Claims (19)

  1. 磁石と複数の磁石の各々とを同極同士が対向するように配置した反発型磁気回路であって、
    ヨークと、ポールピースと、トッププレートと、を備え、
    前記ヨークの上には、前記ポールピースが配置されており、
    前記ポールピースの上には、前記トッププレートが配置されており、
    前記ヨークと前記ポールピースとの間には、前記磁石が配置されており、
    前記ポールピースと前記トッププレートとの間には、前記複数の磁石が配置されており、
    前記複数の磁石の間には、金属層が配置されていることを特徴とする反発型磁気回路。
  2. 前記金属層を構成する材料の少なくとも1つは、前記磁石より熱伝導率が大きいことを特徴とする請求項に記載の反発型磁気回路。
  3. 前記金属層を構成する材料の少なくとも1つは、前記磁石より電気伝導率が大きいことを特徴とする請求項に記載の反発型磁気回路。
  4. 前記複数の磁石のうち、少なくとも1つの磁石の表面には金属層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の反発型磁気回路。
  5. 前記トッププレートの外径は、前記ポールピースの外径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の反発型磁気回路。
  6. 前記ヨークは、アンダープレートと、当該アンダープレートを取り囲む外周部と、を備え、
    前記アンダープレートの上には、前記磁石、前記ポールピース、前記複数の磁石、前記トッププレートがこの順に配置されており、
    前記ヨークの前記外周部の上にはプレートが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の反発型磁気回路。
  7. 前記ヨークの下端部から前記プレートの上面までの高さは、前記ヨークの前記下端部から前記ポールピースの上面までの高さよりも高いことを特徴とする請求項に記載の反発型磁気回路。
  8. 前記プレートは、前記ヨークの内周部よりも、前記ポールピースに向かって突出していることを特徴とする請求項に記載の反発型磁気回路。
  9. 前記複数の磁石の各々は、少なくともフェライト系磁石と希土類系磁石とを有することを特徴とする請求項1に記載の反発型磁気回路。
  10. 前記ヨークと前記ポールピースとの間には、前記磁石が複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の反発型磁気回路。
  11. 請求項1に記載の反発型磁気回路と、前記反発型磁気回路を支持するフレームと、当該フレームに支持される振動体とを備え、
    前記振動体は、振動板と、当該振動板を前記フレームに支持するエッジと、当該振動板に支持されるボイスコイルが巻きまわされたボイスコイルボビンと、当該ボイスコイルを前記フレームに支持するダンパとを備えることを特徴とするスピーカー装置。
  12. 磁石と複数の磁石の各々とを同極同士が対向するように配置した反発型磁気回路であって、
    ヨークと、ポールピースと、トッププレートと、を備え、
    前記ヨークの上には、前記ポールピースが配置されており、
    前記ポールピースの上には、前記トッププレートが配置されており、
    前記ヨークと前記ポールピースとの間には、前記複数の磁石が配置されており、
    前記複数の磁石の間には、金属層が配置されており、
    前記ポールピースと前記トッププレートとの間には、前記磁石が配置されていることを特徴とする反発型磁気回路。
  13. 前記金属層を構成する材料の少なくとも1つは、前記磁石より熱伝導率が大きいことを特徴とする請求項12に記載の反発型磁気回路。
  14. 前記金属層を構成する材料の少なくとも1つは、前記磁石より電気伝導率が大きいことを特徴とする請求項12に記載の反発型磁気回路。
  15. 前記ヨークは、前記磁石を支持する板状のアンダープレートと、当該アンダープレートを囲む筒状の外周部と、前記アンダープレートと前記外周部との間に設けられ前記磁石から前記ヨークに向かう方向に突出して湾曲状の断面形状を有する湾曲部とを備え、
    前記ヨークの外周部の上に配置される共に、当該ヨークとは別部材で形成されるプレートの上面は、前記ポールピースの上面のより高いことを特徴とする請求項1に記載の反発型磁気回路。
  16. 前記プレートを支持する前記ヨークの外周部の上面は、前記ポールピースの下面及び上面の間における高さに位置しており、
    前記ヨークの外周部から前記ポールピースに向かって突出する前記プレートの一部分は、その下端部が前記ポールピースの下面と実質的に同じ高さにあり、前記ヨークの外周部の内側を覆っていることを特徴とする請求項15に記載の反発型磁気回路。
  17. 前記トッププレートの外径は、前記ポールピースの外径より小さいことを特徴とする請求項16に記載の反発型磁気回路。
  18. 請求項17に記載の反発型磁気回路と、前記反発型磁気回路を支持するフレームと、当該フレームに支持される振動体とを備え、
    前記振動体は、振動板と、当該振動板を前記フレームに支持するエッジと、当該振動板に支持されるボイスコイルが巻きまわされたボイスコイルボビンと、当該ボイスコイルを前記フレームに支持するダンパとを有し、
    前記ヨークの外周部から前記フレームに向かって突出する前記プレートの一部分の端部は、前記フレームの近傍に配置されていることを特徴とするスピーカー装置。
  19. 請求項11もしくは請求項18に記載のスピーカー装置を備えることを特徴とする自動車。
JP2009512824A 2007-04-24 2007-04-24 反発型磁気回路及びスピーカー装置 Expired - Fee Related JP4876167B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2007/058822 WO2008136091A1 (ja) 2007-04-24 2007-04-24 反発型磁気回路及びスピーカー装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008136091A1 JPWO2008136091A1 (ja) 2010-07-29
JP4876167B2 true JP4876167B2 (ja) 2012-02-15

Family

ID=39943214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009512824A Expired - Fee Related JP4876167B2 (ja) 2007-04-24 2007-04-24 反発型磁気回路及びスピーカー装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20100128891A1 (ja)
JP (1) JP4876167B2 (ja)
WO (1) WO2008136091A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108600920A (zh) * 2018-01-08 2018-09-28 深圳市韶音科技有限公司 一种骨传导扬声器
KR102252018B1 (ko) 2020-03-18 2021-05-14 주식회사 이엠텍 투웨이 리시버용 요크 조립체 및 이를 구비하는 투웨이 리시버

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04123694U (ja) * 1991-04-25 1992-11-10 オンキヨー株式会社 スピーカ用磁気回路
JP3106338B2 (ja) * 1993-12-25 2000-11-06 ミネベア株式会社 スピーカ及びその磁気回路
US5687248A (en) * 1996-05-02 1997-11-11 Industrial Technology Research Institute Light weight and low magnetic leakage loudspeaker
US5901235A (en) * 1997-09-24 1999-05-04 Eminent Technology, Inc. Enhanced efficiency planar transducers
JP3614342B2 (ja) * 2000-02-23 2005-01-26 株式会社ケンウッド イルミネーション付きスピーカ
US6934402B2 (en) * 2001-01-26 2005-08-23 American Technology Corporation Planar-magnetic speakers with secondary magnetic structure
JP4187939B2 (ja) * 2001-03-06 2008-11-26 パイオニア株式会社 スピーカの磁気回路
JP2003174743A (ja) * 2001-12-05 2003-06-20 Toyota Motor Corp 回転電機
US20050041831A1 (en) * 2003-08-22 2005-02-24 Stiles Enrique M. Electromagnetic transducer motor structure with radial thermal extraction paths
JP2006060443A (ja) * 2004-08-19 2006-03-02 Pioneer Electronic Corp スピーカ装置及びスピーカ装置の放熱部材
JP2006340295A (ja) * 2005-06-06 2006-12-14 Pioneer Electronic Corp スピーカー装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20100128891A1 (en) 2010-05-27
JPWO2008136091A1 (ja) 2010-07-29
WO2008136091A1 (ja) 2008-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20200112781A1 (en) Speaker device
US7706563B2 (en) Concentric radial ring motor
US20130108099A1 (en) Loudspeaker having improved cooling system integrally formed on speaker frame
JP2001086589A (ja) スピーカ
US20070147652A1 (en) Speaker device
JPWO2007135745A1 (ja) スピーカ装置
JP4385981B2 (ja) 動電型スピーカー
US20100027833A1 (en) Speaker unit
US7272238B2 (en) Loudspeaker having cooling system
JP2001103598A (ja) スピーカ装置およびスピーカ装置用冷却装置
JP4876167B2 (ja) 反発型磁気回路及びスピーカー装置
US11553279B1 (en) Electromagnetic transducer and loudspeaker
JP2008034956A (ja) スピーカー装置用磁気回路及びスピーカー装置
JP2003199194A (ja) スピーカ装置
JP2008278235A (ja) スピーカ用磁気回路及びスピーカ
JP4962713B2 (ja) 磁気回路およびこれを用いた動電型スピーカー
JP2007300297A (ja) スピーカー装置用磁気回路及びスピーカー装置
JP2996842B2 (ja) スピーカ
JPS6019419Y2 (ja) 複合型スピ−カ
KR101997690B1 (ko) 스피커용 동판 댐퍼
JP3961960B2 (ja) スピーカ
JPH11168799A (ja) スピーカ装置
JP3991897B2 (ja) 電磁結合式動電型スピーカ
JP3894789B2 (ja) スピーカ装置
KR101495993B1 (ko) 진동판 조립체

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110809

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110922

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111108

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111128

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141202

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees