JP4875669B2 - 長方形近似システム及び方法並びにプログラム - Google Patents
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Description
本発明は建物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを有する地図から該建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データのうち、直線で描かれた1つの輪郭線を基準輪郭線として設定する輪郭線設定手段と、前記地図上に基準となるXY直交座標系を設定する座標系設定手段と、該輪郭線設定手段により設定された1つの輪郭線が、該XY直交座標系のX軸またはY軸と平行になるまで、該基準輪郭線の一端を中心として該建物輪郭データを所定角度回転させる建物回転手段と、回転後における該建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が該建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ該X軸と平行な直線及び該Y軸と平行な直線とで構成される長方形を作成する長方形作成手段と、該長方形作成手段によって作成された該長方形を、該基準輪郭線の一端を中心として前記所定角度だけ逆方向に再回転させることにより、元の位置に戻す建物再回転手段とを具備することを特徴とする長方形近似システムを提供する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る長方形近似システムの概略構成を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る長方形近似システム10は、コンピュータシステム(計算機システム)であり、CPU(中央演算処理装置)1、RAM(Random Access
Memory)などの主記憶装置2、HDD(Hard Disk Drive)などの補助記憶装置3、キーボードやマウスなどの入力装置4、及びモニタやプリンタなどの出力装置5などを備えて構成されている。
補助記憶装置3には、各種プログラム(長方形近似プログラム)が格納されており、CPU1が補助記憶装置3からRAMなどの主記憶装置2にプログラムを読み出し、実行することにより種々の処理を実現させる。
また、長方形近似システム10は、建物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを有する地図が格納されているデータベース16と接続可能に構成されており、このデータベース16から所望のエリアにおける建物輪郭データを取得できるようになっている。
具体的には、データベース16には、所望のエリアにおける建物輪郭データが付加された地図情報が格納されており、長方形近似システム10は、上記データベース16から所望のエリアに対応する建物輪郭データ付き地図情報を取得できるような構成とされている。ここで、建物輪郭データとは、例えば、建物の水平断面形状データをいう。
各建物輪郭データに対応して個別のXY直交座標系を設定する場合、座標系設定部12は、図5に示すように、基準輪郭線の一端に接するようにX軸を設定することが好ましい。このようにXY直交座標系を設定することで、後段の回転処理、長方形作成処理を更に簡便に行うことが可能となる。
上記座標の回転については、例えば、回転行列を用いることが可能である。例えば、図3に示すように、点Pの座標(x,y)を角度θ回転させる場合、移動後の点Qの座標(X,Y)は、公知の数式である回転行列(1)式により得ることができる。
まず、輪郭設定部11により、データベース16から、所望のエリアにおける建物輪郭データ付きの地図情報が読み出され、読み出された建物輪郭データのうち、直線で描かれた1つの輪郭線が基準輪郭線として設定される(図4のステップSA1)。座標設定部12では、輪郭設定部11によって読み出された建物輪郭データに対し、XY直交座標系が設定され、建物輪郭データの全ての頂点にXY直交座標系の座標が与えられる(図4のステップSA2)。建物回転部13では、図5のように基準輪郭線とX軸とが成す角度θが求められ、建物輪郭データの各頂点座標が基準輪郭線の一端を中心としてθ度回転させられる。(図4のステップSA3)。これにより、図5に示した建物輪郭データは、図6に示すような状態となる。続いて、長方形作成部14において、回転後の建物輪郭データの各頂点の座標値の中から、X座標値の最大値及び最小値、並びにY座標値の最大値及び最小値が抽出され、抽出された4つのXY座標をX軸に平行な直線及びY軸に平行な直線で結ぶことにより長方形が作成される(図4のステップSA4)。これにより、図7に示すような、建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が該建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ該X軸と平行な直線及び該Y軸と平行な直線とで構成される長方形を作成される。そして、この長方形が建物再回転部15において再回転されてもとの状態にもとされる。(図4のステップSA5)。
このような長方形近似システムは、原子力事故時や化学工場事故等の不慮の事故により有害大気汚染物質の拡散予測やそれに伴う被害予測のシミュレーションシステムの建物の長方形近似に適用が可能であり、シミュレーションシステムのアルゴリズムを容易にすることが可能となる。
また、本実施形態では、特定の基準輪郭線を選択した時に作成される長方形が、他の基準輪郭線を選択した時の長方形よりも大きくなることがあるが、長方形が大きくなった場合には、有害大気汚染物質の拡散シミュレーション時に、より広い範囲において滞留現象を解析することとなる。これは環境影響評価法に基づく安全審査等において、より安全に考慮したシミュレーションを行うことに繋がるため、長方形が大きくなることはシミュレーションを行う上では有効なこととなる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る長方形近似システムについて説明する。
本実施形態においては、建物輪郭データの基準輪郭線に沿うようにX軸又はY軸を設定する点で上記第1の実施形態と異なる。
具体的には、本実施形態においては、XY直交座標系を地図上に設定する場合に、XY直交座標系の一方の座標軸が基準輪郭線と重なるよう、或いは、平行となるように、XY座標系を設定する。これにより、上述した第1の実施形態のように、建物輪郭データを回転、再回転させる処理を省略している。
このように、本実施形態に係る長方形近似システムによれば、XY直交座標系を設定する際に、基準輪郭線に重なるよう、または、平行となるようにX軸またはY軸を設定するので、XY直交座標系のX軸またはY軸を、建物輪郭データを近似する長方形の辺としてそのまま用いることができる。これにより、長方形を更に容易に作成することが可能となる。
2 主記憶装置
3 補助記憶装置
4 入力装置
5 出力装置
10 長方形近似システム
11 輪郭設定部
12 座標系設定部
13 建物回転部
14 長方形作成部
15 建物再回転部
16 データベース
Claims (12)
- 建物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを有する地図から該建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データのうち、直線で描かれた1つの輪郭線を基準輪郭線として設定する輪郭線設定手段と、
該地図上に基準となるXY直交座標系を設定する座標系設定手段と、
該輪郭線設定手段により設定された1つの輪郭線が、該XY直交座標系のX軸またはY軸と平行になるまで、該基準輪郭線の一端を中心として該建物輪郭データを所定角度回転させる建物回転手段と、
回転後における該建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が該建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ該X軸と平行な直線及び該Y軸と平行な直線とで構成される長方形を作成する長方形作成手段と、
該長方形作成手段によって作成された該長方形を、該基準輪郭線の一端を中心として前記所定角度だけ逆方向に再回転させることにより、元の位置に戻す建物再回転手段と
を具備することを特徴とする長方形近似システム。 - 前記輪郭線特定手段は、各前記輪郭線の中から、当該輪郭線を挟んで片側のみに他の輪郭線が存在する最も長い輪郭線を前記基準輪郭線として設定することを特徴とする請求項1に記載の長方形近似システム。
- 前記建物回転手段及び前記建物再回転手段は、回転行列を用いて、前記建物輪郭データを回転させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の長方形近似システム。
- 前記長方形作成手段は、前記建物回転手段により回転させられた建物輪郭データの全ての頂点のXY座標を算出し、これらXY座標の中からX軸の最大値及び最小値並びにY軸の最大値及び最小値を有する4つのXY座標を抽出し、抽出した4つのXY座標をX軸に平行な直線及びY軸に平行な直線で結ぶことにより長方形を作成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の長方形近似システム。
- 前記建物輪郭データが、該建物の高さデータを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の長方形近似システム。
- 建物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを有する地図から該建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データのうち、直線で描かれた1つの輪郭線を基準輪郭線として設定する輪郭線設定手段と、
前記地図上の前記建物輪郭データに対して、該基準輪郭線とX軸またはY軸とが平行または重なるようにXY直交座標系を設定する座標系設定手段と、
該建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が該建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ該X軸と平行な直線及び該Y軸と平行な直線とで構成される長方形を作成する長方形作成手段と
を具備することを特徴とする長方形近似システム。 - 座標系設定手段は、
前記XY直交座標のうち、X軸を該基準輪郭線に平行にまたは重ねて設定した場合には、該建物輪郭データの全ての頂点の中からX座標値が最小または最大の頂点を特定し、該特定した頂点を通るようにY軸を設定し、
前記XY直交座標のうち、Y軸を該基準輪郭線に平行にまたは重ねて設定した場合には、該建物輪郭データの全ての頂点の中からY座標値が最小または最大の頂点を特定し、該特定した頂点を通るようにX軸を設定することを特徴とする請求項6に記載の長方形近似システム。 - 前記輪郭線設定手段は、前記建物輪郭データの頂点間の距離が最も長い輪郭線を前記基準輪郭線として設定することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の長方形近似システム。
- 建物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを有する地図が格納されているデータベースから前記地図を読み出し、前記地図から該建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データのうち、直線で描かれた1つの輪郭線をCPUが基準輪郭線として設定する過程と、
前記地図上に基準となるXY直交座標系をCPUが設定する過程と、
該基準輪郭線を設定する過程により設定された1つの輪郭線が、該XY直交座標系のX軸またはY軸と平行になるまで、該基準輪郭線の一端を中心として該建物輪郭データをCPUによって所定角度回転させる過程と、
回転後における該建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が該建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ該X軸と平行な直線及び該Y軸と平行な直線とで構成される長方形をCPUが作成する過程と、
該長方形作成手段によって作成された該長方形を、該基準輪郭線の一端を中心として前記所定角度だけ逆方向にCPUによって再回転させることにより、元の位置に戻す過程と
を有することを特徴とする長方形近似方法。 - 建物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを有する地図から該建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データのうち、直線で描かれた1つの輪郭線を基準輪郭線として設定する処理と、
前記地図上に基準となるXY直交座標系を設定する処理と、
該基準輪郭線を設定する処理により設定された1つの輪郭線が、該XY直交座標系のX軸またはY軸と平行になるまで、該基準輪郭線の一端を中心として該建物輪郭データを所定角度回転させる処理と、
回転後における該建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が該建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ該X軸と平行な直線及び該Y軸と平行な直線とで構成される長方形を作成する処理と、
該長方形作成手段によって作成された該長方形を、該基準輪郭線の一端を中心として前記所定角度だけ再回転させることにより、元の位置に戻す処理と
をコンピュータに実行させる長方形近似プログラム。 - 建物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを有する地図が格納されているデータベースから前記地図を読み出し、前記地図から該建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データのうち、直線で描かれた1つの輪郭線をCPUが基準輪郭線として設定する過程と、
前記地図上の前記建物輪郭データに対して、該基準輪郭線とX軸またはY軸とが平行または重なるようにCPUがXY直交座標系を設定する過程と、
該建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が該建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ該X軸と平行な直線及び該Y軸と平行な直線とで構成される長方形をCPUが作成する過程と
を有することを特徴とする長方形近似方法。 - 建物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを有する地図から該建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データのうち、直線で描かれた1つの輪郭線を基準輪郭線として設定する処理と、
前記地図上の前記建物輪郭データに対して、該基準輪郭線とX軸またはY軸とが平行または重なるようにXY直交座標系を設定する処理と、
該建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が該建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ該X軸と平行な直線及び該Y軸と平行な直線とで構成される長方形を作成する処理と
をコンピュータに実行させる長方形近似プログラム。
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