JP2010032379A - 基準気流場データ作成装置、方法、プログラム、および物質拡散状況予測システム - Google Patents

基準気流場データ作成装置、方法、プログラム、および物質拡散状況予測システム Download PDF

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Abstract

【課題】気流データベースを作成する時間を短縮することを目的とする。
【解決手段】注目地点を含む注目領域における物質の拡散状況を予測する物質拡散状況予測装置20で用いられる基準気流場データを作成する基準気流場データ作成装置10であって、前記注目領域が入力されると、注目領域における地形データを抽出する地形データ抽出部11と、注目領域における建造物の情報を抽出し、建造物の輪郭である建物輪郭データを長方形に近似し、近似結果を建物データとして出力する建物長方形近似抽出部12と、地形データ抽出部11によって抽出された地形データと、建物長方形近似抽出部12によって出力された建物データとに基づいて所定の方位の風向における気流場を計算する気流計算部13とを備えることを特徴とする基準気流場データ作成装置10を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、気流データベースを作成する基準気流場データ作成装置、方法、プログラムおよび基準気流場データ作成装置により作成された気流場を用いた物質拡散状況予測システムに関するものである。
従来、原子力事故や化学工場の不慮の事故などにより大気汚染物質の拡散状況を把握する場合には、まず、気象GPV(Grid Point Value)データやAMEDAS等の気象観測データに基づいて、大気現象を解析する偏微分方程式を演算することにより、事故発生(例えば、放射性物質の外部放出)時点から所定時間先の時点までの演算期間に渡り、一定時間間隔で多数の評価地点の気流要素(風向等)を求め、この気流要素を用いて拡散計算を行うことにより、事故源から放出された物質の拡散状況を予測している。例えば、特開2007−304080号公報には、この拡散計算を行う場合に用いる気流要素を、予めデータベースに格納しておく技術が開示されている。
特開2007−304080号公報
しかしながら、上記特許文献1の発明では、気流要素を人間が計算し、その計算結果を手動で格納しておく必要があることから、気流要素を求める処理が煩雑で、算出された気流要素を格納する気流データベースを作成するのに時間がかかるという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、気流要素を求める処理を容易にし、気流データベースを作成する時間を短縮することのできる基準気流場データ作成装置、方法、プログラム、及び基準気流部データ作成装置により作成された気流場を用いて物質拡散状況の予測を行う物質拡散状況予測システムを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、注目地点を含む注目領域における物質の拡散状況を予測する物質拡散状況予測装置で用いられる基準気流場データを作成する基準気流場データ作成装置であって、前記注目領域が入力されると、該注目領域における地形データを抽出する地形データ抽出手段と、前記注目領域における建造物の情報を抽出し、該建造物の輪郭である建物輪郭データを長方形に近似し、該近似結果を建物データとして出力する建物長方形近似抽出手段と、前記地形データ抽出手段によって抽出された地形データと、前記建物長方形近似抽出手段によって出力された建物データとに基づいて所定の方位の風向における気流場を計算する気流計算手段とを備え、前記建物長方形近似抽出手段は、前記注目領域における建造物の情報から建造物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データの1つの輪郭線を基準輪郭線とする輪郭線設定手段と、該建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が該建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ該基準輪郭線に平行な直線と、該基準輪郭線に直角に交わる直線と平行な直線とで構成される長方形を作成する長方形作成手段とを備えることを特徴とする基準気流場データ作成装置を提供する。
このような構成によれば、注目領域を含む地図から注目領域の地形データを抽出するとともに、注目領域の建物を長方形近似し、これらの情報に基づいて気流の計算を行うので、注目領域における地形及び建造物の形状等を考慮した上で、気流を算出することが可能となる。これにより、物質の拡散状況を予測する物質拡散状況予測装置によって予測される結果は、建物を考慮せずに気流を算出した場合の物質の拡散状況の予測と比較すると、現実に近い予測が可能となる。
また、本発明の建物長方形近似抽出手段では、建物輪郭データの1つの輪郭線又は輪郭線を延長した直線を長方形の1辺として長方形を作成するため、建物輪郭データを近似する長方形を容易に作成することができる。これにより、建物輪郭データを長方形に近似するための時間を短縮することが可能となり、気流場データ作成に要する時間を短縮することが可能となる。気流計算手段による領域大気モデルは、例えば、RAMS(Regional
Atmospheric Modeling System)である。
上記基準気流場データ作成装置において、前記輪郭線設定手段は、各前記輪郭線の中から、当該輪郭線を挟んで片側のみに他の輪郭線が存在する最も長い輪郭線を前記基準輪郭線として設定することとしてもよい。
このように基準輪郭線を設定することで、当該基準輪郭線またはこの基準輪郭線を延長させた直線を長方形の一辺として用いることが可能となる。これにより、他の頂点を包含する四角形を容易に作成することが可能となる。
上記基準気流場データ作成装置において、前記建物長方形近似抽出手段は、該地図上にXY直交座標系を設定する座標系設定手段を備え、該輪郭線設定手段により設定された1つの輪郭線が、該XY直交座標系のX軸またはY軸と平行になるまで、該基準輪郭線の一端を中心として該建物輪郭データを所定角度回転させる建物回転手段と、該長方形作成手段によって作成された該長方形を、該基準輪郭線の一端を中心として前記所定角度だけ逆方向に再回転させることにより、元の位置に戻す建物再回転手段と、前記建物回転手段及び前記建物再回転手段は、回転行列を用いて、前記建物輪郭データを回転させることとしてもよい。
建物輪郭データを構成する複数の輪郭線の一つを基準輪郭線とし、この基準輪郭線の一端を中心として建物輪郭データをXY直交座標系のX軸またはY軸と平行になる位置まで、回転行列を用いることにより回転させ、この状態で長方形近似を行うので、さまざまな形状の建物輪郭データを容易に回転させ、建物輪郭データの頂点を包含する長方形を容易に作成することが可能となる。
上記基準気流場データ作成装置において、前記長方形作成手段は、前記建物回転手段により回転させられた建物輪郭データの全ての頂点のXY座標を算出し、これらXY座標の中からX軸の最大値及び最小値並びにY軸の最大値及び最小値を有する4つのXY座標を抽出し、抽出した4つのXY座標をX軸に平行な直線及びY軸に平行な直線で結ぶことにより長方形を作成することとしてもよい。
このような構成によれば、回転後の建物輪郭データのうち、全ての頂点のXY座標を求め、このXY座標のうち、X座標の最小値、最大値及びY座標の最小値、最大値を含む4つの座標をそれぞれ特定し、この座標を結ぶことにより長方形を作成するので、複雑な輪郭を有する建物であっても、単純なアルゴリズムによって建物を長方形に近似することが可能となる。
上記基準気流場データ作成装置において、前記建物輪郭データが、該建物の高さデータを有することとしてもよい。
建物輪郭データが高さデータを有しているので、長方形作成手段によって作成された長方形を高さ方向にスイープさせることで、容易に3次元形状の単純化形状(直方体)を作成することが可能となる。これにより、建物の状況を更に詳細に再現することができる。
上記基準気流場データ作成装置において、該基準輪郭線とX軸またはY軸とが平行または重なるようにXY直交座標系を設定する座標系設定手段と該座標系設定手段は、前記XY直交座標のうち、X軸を該基準輪郭線に平行にまたは重ねて設定した場合には、該建物輪郭データの全ての頂点の中からX座標値が最小または最大の頂点を特定し、該特定した頂点を通るようにY軸を設定し、前記XY直交座標のうち、Y軸を該基準輪郭線に平行にまたは重ねて設定した場合には、該建物輪郭データの全ての頂点の中からY座標値が最小または最大の頂点を特定し、該特定した頂点を通るようにX軸を設定することとしてもよい。
このようにXY直交座標を設定することで、XY直交座標系のX軸およびY軸をそのまま建物輪郭データを近似する長方形の辺として用いることができる。これにより、長方形を更に容易に作成することが可能となる。
上記基準気流場データ作成装置において、前記輪郭線設定手段は、前記建物輪郭データの頂点間の距離が最も長い輪郭線を前記基準輪郭線として設定することとしてもよい。
このような構成によれば、前記建物輪郭データの他の頂点を包含する四角形を容易に作成することが可能となる。
上記基準気流場データ作成装置において、前記建物長方形近似抽出手段によって作成された建物データは、前記気流計算手段においてそのまま処理できるデータ形式で出力されることとしてもよい。
前記建物長方形近似抽出手段によって作成された建物データは、前記気流計算手段に入力され、そのまま処理できるデータ形式で出力されるので、建物データを用いて、速やかに気流計算を実行することが可能となる。
上記基準気流場データ作成装置において、前記気流計算手段によって算出された所定の方位の風向における気流場が、指定された全ての方位に対して算出された場合には、物質の拡散状態を予測する有害物質拡散装置で使用されるデータベースに、前記気流データが出力されることとしてもよい。
このように、算出された気流データが自動的に外部の記憶装置に出力されるので、出力先の記憶装置からデータを読み出し、次の動作を開始する装置がある場合には、算出された気流データが出力された後、速やかに次の動作を実行させることが可能となる。
本発明は、注目地点を含む注目領域における物質の拡散状況を予測する物質拡散状況予測装置であって、気象データが入力された場合に、上記基準気流場データ作成装置において作成された基準気流場データの中から、入力された該気象条件に類似する基準気流場データを抽出し、該基準気流場データを用いて前記注目領域における物質の拡散状況を予測する物質拡散状況予測装置を提供する。
上記類似する基準気流場データとは、気象条件から求められた風向を挟む2つの方位に関する基準気流場データである。
本発明は、上記基準気流場データ作成装置によって作成された基準気流場データを格納するデータベースと、上記記載の物質拡散状況予測装置とを具備する物質拡散状況予測システムを提供する。
本発明は、注目地点を含む注目領域における物質の拡散状況を予測する物質拡散状況予測装置で用いられる基準気流場データを作成する基準気流場データ作成方法であって、前記注目領域が入力されると、該注目領域における地形データを抽出する過程と、前記注目領域における建造物の情報を抽出し、該建造物の輪郭である建物輪郭データを長方形に近似し、該近似結果を建物データとして出力する過程と、前記地形データを抽出する過程によって抽出された地形データと、前記建物輪郭データを長方形に近似する過程によって出力された建物データとに基づいて所定の方位の風向における気流場を計算する過程とを備え、前記建物輪郭データを長方形に近似する過程は、前記注目領域における建造物の情報から建造物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データの1つの輪郭線を基準輪郭線とする過程と、該建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が該建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ該基準輪郭線に平行な直線と、該基準輪郭線に直角に交わる直線と平行な直線とで構成される長方形を作成する過程とを有する基準気流場データ作成方法を提供する。
本発明は、注目地点を含む注目領域における物質の拡散状況を予測する物質拡散状況予測装置で用いられる基準気流場データを作成する基準気流場データ作成プログラムであって、前記注目領域が入力されると、該注目領域における地形データを抽出する処理と、前記注目領域における建造物の情報を抽出し、該建造物の輪郭である建物輪郭データを長方形に近似し、該近似結果を建物データとして出力する処理と、前記地形データを抽出する処理によって抽出された地形データと、前記建物データを長方形に近似する処理によって出力された建物データとに基づいて所定の方位の風向における気流場を計算する処理とを備え、前記建物データを長方形に近似する処理は、前記注目領域における建造物の情報から建造物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データの1つの輪郭線を基準輪郭線とする処理と、該建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が該建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ該基準輪郭線に平行な直線と、該基準輪郭線に直角に交わる直線と平行な直線とで構成される長方形を作成する処理と
をコンピュータに実行させる基準気流場データ作成プログラムを提供する。
本発明によれば、気流データベースの作成時間を短縮することができるという効果を奏する。
以下に、本発明に係る基準気流場データ作成装置の実施形態について、〔第1の実施形態〕、〔第2の実施形態〕の順に図面を参照して説明する。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係る物質拡散状況予測システム30は、基準気流場データ作成装置10と、物質拡散状況予測装置20とを備えている(例えば、図2参照)。
物質拡散状況予測装置20は、例えば、ユーザによって注目地点が入力された場合に、その注目地点における物質の拡散状況を予測する装置である。基準気流場データ作成装置10は、該物質拡散状況予測装置20において用いられる基準気流場データを作成する装置である。
この基準気流場データ作成装置10及び物質拡散状況予測装置20は、いわゆるコンピュータシステムであり、図1に示すように、CPU(中央演算処理装置)1、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置2、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの補助記憶装置(記憶手段)3、キーボードやマウスなどの入力装置4、及びディスプレイ、プリンタなどの出力装置5、外部の装置と通信を行う通信部6などを備えて構成されている。
図2は、本実施形態にかかる物質拡散状況予測システム30の機能ブロック図である。
基準気流場データ作成装置10は、注目領域を入力する入力部100と、地図データが格納されている地図データベース(図示略)から入力された注目領域の地形データを抽出する地形データ抽出部(地形データ抽出手段)11と、該地図データベースから注目領域における建物の輪郭データを抽出し、抽出した建物の輪郭データを長方形に近似し、気流計算に使用するデータを作成する建物長方形近似抽出部(建物長方形近似抽出手段)12と、地形データ抽出部11と建物長方形近似抽出部12とから算出された値を用いて、気流場を求める気流計算部(気流計算手段)13とを備えている。
物質拡散状況予測装置20は、気象条件、注目地点、及び該注目地点を含む注目領域等の拡散予測に必要となる入力情報を入力するための入力部200、16方位の気流場データを格納するデータベース201、気流場を推定する気流場推定部202、推定した気流場から拡散の計算を実行する拡散計算部203、濃度場を推定する濃度場推定部204、被害者数を推定する被害者推定部205、物質の漏洩量及び場所の情報を入力する情報入力部206を備えている。
上記注目領域とは、注目地点の周辺領域であり、注目地点から放射された物質の拡散状況を予測する範囲を定めるものである。
基準気流場データ作成装置10において、地形データ抽出部11は、入力部100から入力された注目領域に該当する地形データを、図示しない地図データベース(例えば、国土地理院の地形データベース)から抽出し、抽出した地形データから標高メッシュデータを作成し、これを気流計算部13(詳細は後述)に出力する。
建物長方形近似抽出部12は、建物長方形近似部121及びインプット用建物データ作成部122を備えている。建物長方形近似部121は、入力部100により入力された注目領域における建物の輪郭データを図示しない地図データベースから抽出し、この建物輪郭データを長方形に近似して、インプット用建物データ作成部122に出力する。以下に、より具体的に建物長方形近似部121について説明する。
図3は、建物長方形近似部121が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。図3に示されるように、建物長方形近似部121は、輪郭線設定部(輪郭線設定手段)123、座標系設定部(座標系設定手段)124、建物回転部(建物回転手段)125、長方形作成部(長方形作成手段)126、及び建物再回転部(建物再回転手段)127を備えている。
また、建物長方形近似部121は、建物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを有する地図が格納されている地図データベース(図示略)と接続可能に構成されており、この地図データベースから所望のエリアにおける建物輪郭データを取得できるようになっている。
具体的には、地図データベースには、所望のエリアにおける建物輪郭データが付加された地図情報が格納されており、建物長方形近似部121は、上記地図データベースから所望のエリアに対応する建物輪郭データ付き地図情報を取得できるような構成とされている。ここで、建物輪郭データとは、例えば、建物の水平断面形状データをいう。
建物長方形近似部121において、輪郭線設定部123は、上記地図データベースから所望のエリアに対応する建物輪郭データ付き地図情報を取得し、この地図内における各建物輪郭データにおいて、基準輪郭線をそれぞれ設定する。具体的には、各建物輪郭データにおいて、その建物輪郭データを構成する複数の輪郭線の中から直線で描かれた1つの輪郭線を基準輪郭線として設定する。より好ましくは、輪郭線設定部123は、建物輪郭データを構成する複数の輪郭線のうち、最も距離の長い輪郭線を基準輪郭線として設定する。
座標系設定部124は、輪郭線設定部123が取得した地図上に、XY直交座標系を設定する。例えば、東西南北のうちの一方角をX軸、それに直交する方角をY軸として設定する。このXY直交座標系は、各建物輪郭データに対してそれぞれ個別に設定されてもよいし、全ての建物輪郭データに対して共通のものとして設定されてもよい。
各建物輪郭データに対応して個別のXY直交座標系を設定する場合、座標系設定部124は、図5に示すように、基準輪郭線の一端に接するようにX軸を設定することが好ましい。このようにXY直交座標系を設定することで、後段の回転処理、長方形作成処理を更に簡便に行うことが可能となる。
建物回転部125は、輪郭線設定部により設定された基準輪郭線がXY直交座標系のX軸と平行になるまで、基準輪郭線の一端を中心として所定角度だけ建物輪郭データを回転させる。例えば、建物輪郭データとXY直交座標とが図5に示すような関係にあった場合、基準輪郭線とX軸とが成す角度θを求め、XY直交座標系に設定された建物輪郭データの全ての頂点の座標を基準輪郭線の一端Aを中心として角度θ移動させる。これにより、建物輪郭データとXY直交座標との関係は、図6に示すようになる。
上記座標の回転については、例えば、回転行列を用いることが可能である。例えば、図4に示すように、点Pの座標(x,y)を角度θ回転させる場合、移動後の点Qの座標(X,Y)は、公知の数式である回転行列(1)式により得ることができる。
Figure 2010032379
長方形作成部126は、回転後における建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が該建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ該X軸と平行な直線及び該Y軸と平行な直線とで構成される長方形を作成する。具体的には、長方形作成部126は、上記(1)式により変換された全ての頂点の各座標から、X座標の最大値及び最小値、並びにY座標の最大値及び最小値を抽出し、抽出された最大値または最小値を持つ頂点の座標4点を抽出する。さらに、抽出した4点を頂点とし、かつ、X軸と平行な直線及びY軸と平行な直線とで構成される長方形を作成する。これにより、例えば、図7に示すような長方形が作成される。
建物再回転部127は、長方形作成部126によって作成された長方形を、基準輪郭線の一端を中心として所定角度だけ逆方向に再回転させる。具体的には、長方形作成部126が作成した長方形を、基準輪郭線の一端Aを中心として、建物回転部125において回転させた方向とは逆の方向に角度θ回転させる。これにより、図7に示した長方形は、図8に示すような元の位置まで回転させられる。
インプット用建物データ作成部122は、建物長方形近似部121により長方形に近似された建物データを、気流場の算出が行えるようなファイル形式にし、気流計算部13に出力する。気流場の算出が行えるようなファイル形式の建物データとは、例えばテキスト形式のファイルであり、RAMS用のデータファイルの場合には、1行目及び2行目にヘッダ情報が入り、3行目以降に明細情報が記録される。より具体的には、1行目のヘッダ情報には固定値として「999999(半角の空白5桁)1」が入力され、2行目のヘッダ情報には、建物の数(データ数)が入力され、3行目以降の明細情報には、各行に対する通し番号、建物データの中心点の緯度及び経度、建物の横幅(長方形に近似された図形の横幅)、建物の縦幅(長方形に近似された図形の縦幅)、建物の高さ(元の属性値より)、建物の傾き(東から北方向への角度)を最右端からの角度として算出した角度が入力される。
気流計算部13は、地形データ抽出部11及び建物長方形近似抽出部12により算出されたそれぞれの値に基づいて、所定の方位の風向における気流場を計算する。気流場を計算する風向を指定するための入力ファイルは、気流境界条件設定部15によって自動的に作成され、気流計算部13はこの入力ファイルに基づいて、指定された風向の気流場の算出を行う。
気流データ格納部14は、気流計算部13により算出された気流場データを一時的に格納する。気流境界条件設定部15は、指定された全ての風向に対して気流場の算出が完了した場合に、全ての気流場の情報を物質拡散状況予測装置の16方位気流データベースに自動的に格納する。一方、全ての風向に対する気流場の算出が完了していない場合には、気流境界条件設定部15によって新たな風向を指定する入力ファイルが自動的に作成され、その入力ファイルが気流計算部13に出力され、新たな気流場の算出がスタートする。
次に、物質拡散状況予測装置20について、図2を用いて説明する。
まず、16方位気流データベース201には、上述した基準気流場データ作成装置10により算出された気流場データが格納されている。
気流場推定部202は、気象条件、注目地点、注目領域等の情報が入力部200により入力されると、16方位気流データベース201に格納されている基準気流場データの中から、入力部200から入力された気象条件に近い基準気流場データを抽出し、この基準気流場データを用いて気流場を推定する。
具体的には、気流場推定部202は、入力された気象条件から平均風向を求め、16方位のうち、この平均風向を挟む2つの方位を選定する。例えば、図9に示すように、平均風向jが北北東と北東との間に位置していた場合には、平均風向jを挟む2つの風向として北北東と北東とを選定する。そして、選定した2つの風向(上記例では、北北東と北東)と上記平均安定度とで特定される2つの基準気流場データを16方位気流データベース201から抽出する。そして、気流場推定部202は、抽出した2つの基準気流場データを補間することにより、気流場を推定する。
拡散計算部203は、気流場推定部202によって推定された気流場の情報と、漏洩量及び場所の入力情報206に基づいて拡散計算を実行する。さらに、濃度場推定部204において濃度場を推定し、被害者数推定部205において被害者の数を推定する。この処理については、特開2007−304080号公報(特許文献1)及び特開2008−89418号公報に開示されている公知の技術を用いることが可能であり、本実施形態では詳細な説明を省略する。
次に、本実施形態に係る物質拡散状況予測システムの作用について説明する。
例えば、物質拡散状況予測装置20において、注目地点Xにおいて拡散物質が放出し、オペレータにより注目地点Xや、注目する範囲等、拡散予測に必要となる初期条件が入力部200から入力されると、この入力情報は、気流場推定部202に入力されるとともに、基準気流場データ作成装置10の入力部100を介して地形データ抽出部11及び建物長方形近似抽出部12に入力される。
地形データ抽出部11では、注目領域に関する標高データ等の地形データが図示しない地形データベースから抽出され、この地形データに基づいて標高メッシュデータが作成され、この標高メッシュデータが気流計算部13に出力される。
一方、建物長方形近似抽出部12の建物長方形近似部121では、注目領域の建物データが図示しない地図データベースから抽出され、抽出された建物データからさらに建物の輪郭データが抽出される。
具体的には、輪郭線設定部123では、入力部100から注目領域の情報が入力されると、この注目領域に関する建物輪郭データが地図データベースから抽出され、この建物輪郭データから直線で描かれた1つの輪郭線が基準輪郭線として設定される。座標系設定部124では、輪郭線設定部123によって抽出された建物輪郭データに対し、XY直交座標系が設定され、建物輪郭データの全ての頂点にXY直交座標系の座標が与えられる。建物回転部125では、図5のように基準輪郭線とX軸とが成す角度θが求められ、建物輪郭データの各頂点座標が基準輪郭線の一端を中心としてθ度回転させられる。
これにより、図5に示した建物輪郭データは、図6に示すような状態となる。続いて、長方形作成部126において、回転後の建物輪郭データの各頂点の座標値の中から、X座標値の最大値及び最小値、並びにY座標値の最大値及び最小値が抽出され、抽出された4つのXY座標をX軸に平行な直線及びY軸に平行な直線で結ぶことにより長方形が作成される。これにより、図7に示すような、建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が該建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ該X軸と平行な直線及び該Y軸と平行な直線とで構成される長方形が作成される。そして、この長方形が建物再回転部127において再回転されて元の状態に戻される。このようにして長方形に近似された結果は、長方形近似抽出部12のインプット用建物データ作成部122に出力される。
インプット用建物データ作成部122では、気流場の計算を行えるような形式で建物データが出力される。気流計算部13では、地形データ抽出部11及び建物長方形近似抽出部12から取得した情報に基づいて、所定の方位の風向の気流場が算出され、気流場の算出結果が気流データ格納部14に出力される。気流データ格納部14では、一時的に気流場データが格納される。気流境界条件設定部15において、指定された全ての方位の風向における気流場の算出が完了している場合には、この気流場データが基準気流場データとして、物質拡散状況予測装置の16方位気流データベースに格納される。
続いて、16方位気流データベース201に格納されている上記基準気流場データの中から、気象条件から求められた平均風向を挟む2つの方位に関する基準気流場データが気流場推定部202によって抽出され、この基準気流場データに基づいて平均風向における気流場が推定される。推定された気流場が拡散計算部203に出力されると、拡散計算部203では、入力された気流場と漏洩量及び場所情報等を用いて拡散計算が行われ、濃度場推定部204では濃度場の推定、被害者数推定205では被害者数の推定が行われる。
以上説明してきたように、本実施形態に係る基準気流場データ作成装置によれば、地図上の注目領域から地形データを抽出するとともに、この注目領域の建造物の情報から、建物を長方形に近似する。これらの抽出された地形データと建物長方形近似データとを用いて気流場の計算を行うことで、注目領域における地形及び建造物の形状等を考慮した上で、気流を算出することが可能となる。これにより、基準気流場データ作成装置によって算出された気流場データを用いて物質拡散状況予測装置によって予測される拡散状況の結果は、建物を考慮せずに気流を算出した場合の物質の拡散状況の予測と比較すると、現実に近い予測が可能となる。
また、気流場の算出に関して専門的な知識を持っていない場合であっても、注目領域の情報を入力することにより気流場が自動的に算出されるので、容易に気流場を求めることが可能であり、手動で気流場を計算するよりも短い時間で気流場を算出することが可能となる。
更に、物質拡散状況予測システムとして使用する場合には、基準気流場データ作成装置と物質拡散状況予測装置とを組み合わせ、基準気流場データ作成装置から算出された気流場データを、物質拡散状況予測装置に出力することで、気流場データベースが作成される時間が短縮できることから、物質拡散状況予測システムの全体の処理にかかる時間を短縮させることが可能となる。
なお、本実施形態では、入力部200と入力部100とが連携しており、入力部200から入力された入力条件に基づいて、基準気流場データがリアルタイムで作成され、この基準気流場データを用いて気流場推定等が行われる場合について述べたが、この態様に代えて、例えば、基準気流場データ作成装置10では、事前に様々な注目地点、注目領域等に対応する基準気流場データを作成しておき、これらのデータを16方位気流データベースに予め格納しておくこととしてもよい。このように、予め様々な注目領域における基準気流場データを16方位気流データベース201に格納しておくことで、実際の物質拡散状況予測の際には、16方位気流データベース201に格納されている基準気流場データの中から注目領域に該当する適切な方位の基準気流場データを読み出すだけで、迅速に拡散予測を行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、気象モデルの計算手法は、RAMSを例に挙げたが、これに限られない。例えば、MM5、WRF、ARPS等を用いてもよいこととする。
なお、本実施形態では、地図データベースに格納されている地図情報には、建物の水平断面データである建物輪郭データが付加されている場合について述べたが、これに加えて、建物輪郭データに更にその建物の高さ情報が付加されていてもよい。このように、高さ情報についても登録されていることにより、上述の方法によって作成された長方形を高さ方向にスイープさせることで、建物を直方体として表すことが可能となる。これにより、3次元シミュレーションを実施することが可能となり、より詳細なシミュレーション結果を得ることが可能となる。
なお、本実施形態では、気流場を求める方位は16方位としていたが、これに限定されない。例えば、東西南北の4方位であってもよいし、東西南北をさらに半分にした8方位とすることとしてもよい。
なお、本実施形態では、建物輪郭データを有する地図は地図データベースが保有していたが、これに限定されることではない。たとえば、当該建物長方形近似部121自体が建物輪郭データを有する地図を保有していることとしてもよい。
なお、本実施形態では、建物回転部125は、X軸と平行になるように建物輪郭データを回転させたが、これに限られることではない。例えば、Y軸と平行になるまで回転させることとしてもよいし、X軸やY軸と重なるように回転させることとしてもよい。
なお、建物再回転部127が建物を再回転させる場合、建物回転部125において回転させた方向と同じ方向に、角度(360°−θ)回転させることとしてもよい。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る長方形近似システムについて説明する。
本実施形態においては、図3の建物長方形近似部121が、建物輪郭データの基準輪郭線に沿うようにX軸又はY軸を設定する点で上記第1の実施形態と異なる。
具体的には、本実施形態においては、XY直交座標系を地図上に設定する場合に、XY直交座標系の一方の座標軸が基準輪郭線と重なるよう、或いは、平行となるように、XY座標系を設定する。これにより、上述した第1の実施形態のように、建物輪郭データを回転、再回転させる処理を省略している。
このように、本実施形態に係る長方形近似システムによれば、XY直交座標系を設定する際に、基準輪郭線に重なるよう、または、平行となるようにX軸またはY軸を設定するので、XY直交座標系のX軸またはY軸を、建物輪郭データを近似する長方形の辺としてそのまま用いることができる。これにより、長方形を更に容易に作成することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る基準気流場データ作成装置の概略構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る物質拡散状況予測システムの機能ブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る建物長方形近似部の機能を展開して示したブロック図である。 XY直交座標系のP点の座標を角度θ移動したときの、Q点の座標を示した図である。 基準輪郭線とX軸との成す角度がθ度であることを説明するための図である。 基準輪郭線がX軸と平行になるように、A点を中心に回転することを説明するための図である。 建物輪郭データを長方形に近似することを説明するための図である。 作成した長方形を元の位置に角度θ回転することを説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る物質拡散状況予測システムの気流場推定部の機能について説明するための図である。
符号の説明
1 CPU
2 主記憶装置
3 補助記憶装置
4 入力装置
5 出力装置
6 通信部
7 気流データベース
10 基準気流場データ作成装置
11 地形データ抽出部
12 建物長方形近似抽出部
13 気流計算部
14 気流データ格納部
15 気流境界条件設定部
20 物質拡散状況予測装置
30 物質拡散状況予測システム
121 建物長方形近似部
122 インプット用建物データ作成部
123 輪郭線設定部
124 座標系設定部
125 建物回転部
126 長方形作成部
127 建物再回転部
200 入力部
201 16方位気流データベース


Claims (13)

  1. 注目地点を含む注目領域における物質の拡散状況を予測する物質拡散状況予測装置で用いられる基準気流場データを作成する基準気流場データ作成装置であって、
    前記注目領域が入力されると、該注目領域における地形データを抽出する地形データ抽出手段と、
    前記注目領域における建造物の情報を抽出し、該建造物の輪郭である建物輪郭データを長方形に近似し、該近似結果を建物データとして出力する建物長方形近似抽出手段と、
    前記地形データ抽出手段によって抽出された地形データと、前記建物長方形近似抽出手段によって出力された建物データとに基づいて所定の方位の風向における気流場を計算する気流計算手段とを備え、
    前記建物長方形近似抽出手段は、
    前記注目領域における建造物の情報から建造物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データの1つの輪郭線を基準輪郭線とする輪郭線設定手段と、
    該建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が該建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ該基準輪郭線に平行な直線と、該基準輪郭線に直角に交わる直線と平行な直線とで構成される長方形を作成する長方形作成手段と
    を備えることを特徴とする基準気流場データ作成装置。
  2. 前記輪郭線設定手段は、各前記輪郭線の中から、当該輪郭線を挟んで片側のみに他の輪郭線が存在する最も長い輪郭線を前記基準輪郭線として設定することを特徴とする請求項1に記載の基準気流場データ作成装置。
  3. 前記建物長方形近似抽出手段は、該地図上にXY直交座標系を設定する座標系設定手段を備え、
    該輪郭線設定手段により設定された1つの輪郭線が、該XY直交座標系のX軸またはY軸と平行になるまで、該基準輪郭線の一端を中心として該建物輪郭データを所定角度回転させる建物回転手段と、
    該長方形作成手段によって作成された該長方形を、該基準輪郭線の一端を中心として前記所定角度だけ逆方向に再回転させることにより、元の位置に戻す建物再回転手段と、
    前記建物回転手段及び前記建物再回転手段は、回転行列を用いて、前記建物輪郭データを回転させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基準気流場データ作成装置。
  4. 前記長方形作成手段は、前記建物回転手段により回転させられた建物輪郭データの全ての頂点のXY座標を算出し、これらXY座標の中からX軸の最大値及び最小値並びにY軸の最大値及び最小値を有する4つのXY座標を抽出し、抽出した4つのXY座標をX軸に平行な直線及びY軸に平行な直線で結ぶことにより長方形を作成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の基準気流場データ作成装置。
  5. 前記建物輪郭データが、該建物の高さデータを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の基準気流場データ作成装置。
  6. 該基準輪郭線とX軸またはY軸とが平行または重なるようにXY直交座標系を設定する座標系設定手段と
    該座標系設定手段は、
    前記XY直交座標のうち、X軸を該基準輪郭線に平行にまたは重ねて設定した場合には、該建物輪郭データの全ての頂点の中からX座標値が最小または最大の頂点を特定し、該特定した頂点を通るようにY軸を設定し、
    前記XY直交座標のうち、Y軸を該基準輪郭線に平行にまたは重ねて設定した場合には、該建物輪郭データの全ての頂点の中からY座標値が最小または最大の頂点を特定し、該特定した頂点を通るようにX軸を設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基準気流場データ作成装置。
  7. 前記輪郭線設定手段は、前記建物輪郭データの頂点間の距離が最も長い輪郭線を前記基準輪郭線として設定することを特徴とする請求項6に記載の基準気流場データ作成装置。
  8. 前記建物長方形近似抽出手段によって作成された建物データは、前記気流計算手段においてそのまま処理できるデータ形式で出力されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の基準気流場データ作成装置。
  9. 前記気流計算手段によって算出された所定の方位の風向における気流場が、指定された全ての方位に対して算出された場合には、物質の拡散状態を予測する有害物質拡散装置で使用されるデータベースに、前記気流データが出力されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の基準気流場データ作成装置。
  10. 注目地点を含む注目領域における物質の拡散状況を予測する物質拡散状況予測装置であって、
    気象データが入力された場合に、請求項1から請求項9のいずれかに記載の基準気流場データ作成装置により作成された基準気流場データの中から、入力された該気象条件に類似する基準気流場データを抽出し、該基準気流場データを用いて前記注目領域における物質の拡散状況を予測する物質拡散状況予測装置。
  11. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の基準気流場データ作成装置によって作成された基準気流場データを格納するデータベースと、
    請求項10に記載の物質拡散状況予測装置と
    を具備する物質拡散状況予測システム。
  12. 注目地点を含む注目領域における物質の拡散状況を予測する物質拡散状況予測装置で用いられる基準気流場データを作成する基準気流場データ作成方法であって、
    前記注目領域が入力されると、該注目領域における地形データを抽出する過程と、
    前記注目領域における建造物の情報を抽出し、該建造物の輪郭である建物輪郭データを長方形に近似し、該近似結果を建物データとして出力する過程と、
    前記地形データを抽出する過程によって抽出された地形データと、前記建物輪郭データを長方形に近似する過程によって出力された建物データとに基づいて所定の方位の風向における気流場を計算する過程とを備え、
    前記建物輪郭データを長方形に近似する過程は、
    前記注目領域における建造物の情報から建造物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データの1つの輪郭線を基準輪郭線とする過程と、
    該建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が該建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ該基準輪郭線に平行な直線と、該基準輪郭線に直角に交わる直線と平行な直線とで構成される長方形を作成する過程と
    を有する基準気流場データ作成方法。
  13. 注目地点を含む注目領域における物質の拡散状況を予測する物質拡散状況予測装置で用いられる基準気流場データを作成する基準気流場データ作成プログラムであって、
    前記注目領域が入力されると、該注目領域における地形データを抽出する処理と、
    前記注目領域における建造物の情報を抽出し、該建造物の輪郭である建物輪郭データを長方形に近似し、該近似結果を建物データとして出力する処理と、
    前記地形データを抽出する処理によって抽出された地形データと、前記建物データを長方形に近似する処理によって出力された建物データとに基づいて所定の方位の風向における気流場を計算する処理とを備え、
    前記建物データを長方形に近似する処理は、
    前記注目領域における建造物の情報から建造物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データの1つの輪郭線を基準輪郭線とする処理と、
    該建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が該建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ該基準輪郭線に平行な直線と、該基準輪郭線に直角に交わる直線と平行な直線とで構成される長方形を作成する処理と
    をコンピュータに実行させる基準気流場データ作成プログラム。

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