JP2010039922A - 建物模型製作装置及び方法並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】建物模型を製作する時間を短縮することを目的とする。
【解決手段】大気環境予測等の風洞実験に用いられる縮尺模型を製作する建物模型製作装置200であって、建物の位置情報を含む地図から、指定領域における建造物の輪郭である建物輪郭データを抽出し、該建物輪郭データを長方形に近似する建物長方形近似部101と、建物長方形近似部101によって長方形に近似された建物の輪郭データを用いて建物の模型を製作する模型製作部102とを備えることを特徴とする建物模型製作装置200を提供する。
【選択図】図2
【解決手段】大気環境予測等の風洞実験に用いられる縮尺模型を製作する建物模型製作装置200であって、建物の位置情報を含む地図から、指定領域における建造物の輪郭である建物輪郭データを抽出し、該建物輪郭データを長方形に近似する建物長方形近似部101と、建物長方形近似部101によって長方形に近似された建物の輪郭データを用いて建物の模型を製作する模型製作部102とを備えることを特徴とする建物模型製作装置200を提供する。
【選択図】図2
Description
本発明は、風洞試験時等に使用する建物模型を製作する建物模型製作装置及び方法並びにプログラムに関するものである。
通常、大気環境予測の風洞実験においては、予測対象地域の縮尺模型(以下、地形模型と呼ぶ)を用いて風環境や排ガスの拡散濃度等の予測を行っている。その場合、予測地域の周辺建物については、模型の縮率が大きい(1/2000から1/5000程度)場合には、粗度としてビーズ玉等の単純化した形状で再現するが、模型の縮率が小さい(1/100から1/1000程度)場合には、建物も実際に設置されている形状に近い形状で再現する必要がある。従来は、市販の住宅地図に記載されている情報に基づいて平面形状及び建物の寸法を人手で調査し、人が建物模型の製作を行っていた。
しかしながら、上記従来の方法では、具体的な建物の高さは記載されておらず、建物の階数のみが示されていたため、高さを算出する場合には1階当たりの高さに基づき、それに階数を積算することで建物の高さを算出しており、図面から建物の寸法を読み取る作業時間を要していた。また、寸法のデジタルデータがないために、建物模型を製作するのに大変な労力と時間とを必要とした。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、容易に建物の模型を製作する建物模型製作装置及び方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、大気環境予測等の風洞実験に用いられる縮尺模型を製作する建物模型製作装置であって、建物の位置情報を含む地図から、指定領域における建造物の輪郭である建物輪郭データを抽出し、該建物輪郭データを長方形に近似する建物長方形近似手段と、該建物長方形近似手段によって長方形に近似された建物の輪郭データを用いて、建物の模型を製作する模型製作手段とを備え、前記建物長方形近似手段は、前記注目領域における前記建造物の情報から建造物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データの1つの輪郭線を基準輪郭線とする輪郭線設定手段と、前記建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が前記建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ前記基準輪郭線に平行な直線と、該基準輪郭線に直角に交わる直線と平行な直線とで構成される長方形を作成する長方形作成手段とを具備することを特徴とする建物模型製作装置。
本発明は、大気環境予測等の風洞実験に用いられる縮尺模型を製作する建物模型製作装置であって、建物の位置情報を含む地図から、指定領域における建造物の輪郭である建物輪郭データを抽出し、該建物輪郭データを長方形に近似する建物長方形近似手段と、該建物長方形近似手段によって長方形に近似された建物の輪郭データを用いて、建物の模型を製作する模型製作手段とを備え、前記建物長方形近似手段は、前記注目領域における前記建造物の情報から建造物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データの1つの輪郭線を基準輪郭線とする輪郭線設定手段と、前記建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が前記建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ前記基準輪郭線に平行な直線と、該基準輪郭線に直角に交わる直線と平行な直線とで構成される長方形を作成する長方形作成手段とを具備することを特徴とする建物模型製作装置。
このような構成によれば、所定の領域の建物の形状を長方形に近似し、近似された建物の形状に基づいて建物の模型を製作する。これにより、人の手による建物の読み取り作業が不要となり、長方形近似された建物の製作時間を短縮できるとともに、模型を容易に製作することができる。建物の位置情報には、建物の緯度、経度等の情報を含んでいる。
上記模型製作手段は、例えば、デジタルデータである建物輪郭データを用いて模型を製作する切削機械である。このように、建物長方形近似手段によって求められた建物輪郭データがデジタルデータとして得られるため、切削機械にデータを入力することが容易となり、切削機械を使用して模型を製作する場合に、時間を短縮させることが可能となる。例えば、切削機械はNCマシンである。また、入力される地図データは、例えば、建物GISデータである。
上記模型製作手段は、例えば、デジタルデータである建物輪郭データを用いて模型を製作する切削機械である。このように、建物長方形近似手段によって求められた建物輪郭データがデジタルデータとして得られるため、切削機械にデータを入力することが容易となり、切削機械を使用して模型を製作する場合に、時間を短縮させることが可能となる。例えば、切削機械はNCマシンである。また、入力される地図データは、例えば、建物GISデータである。
上記建物模型製作装置において、前記輪郭線設定手段は、各前記輪郭線の中から、当該輪郭線を挟んで片側のみに他の輪郭線が存在する最も長い輪郭線を前記基準輪郭線として設定することとしてもよい。
このように基準輪郭線を設定することで、当該基準輪郭線又はこの基準輪郭線を延長させた直線を長方形の一辺として用いることが可能となる。これにより、他の頂点を包含する四角形を容易に作成することが可能となる。
上記建物模型製作装置において、前記建物輪郭データが、該建物の高さデータを有することとしてもよい。
建物輪郭データが高さデータを有しているので、長方形作成手段によって作成された長方形を高さ方向にスイープさせることで、容易に3次元形状の単純化形状(直方体)を作成できることが可能となる。これにより、建物の状況を更に詳細に再現することができる。
上記建物模型製作装置において、前記建物長方形近似抽出手段は、該地図上にXY直交座標系を設定する座標系設定手段を備え、該輪郭線設定手段により設定された1つの輪郭線が、該XY直交座標系のX軸又はY軸と平行になるまで、該基準輪郭線の一端を中心として該建物輪郭データを所定角度回転させる建物回転手段と、該長方形作成手段によって作成された該長方形を、該基準輪郭線の一端を中心として前記所定角度だけ逆方向に再回転させることにより、元の位置に戻す建物再回転手段と、前記建物回転手段及び前記建物再回転手段は、回転行列を用いて、前記建物輪郭データを回転させることとしてもよい。
建物輪郭データを構成する複数の輪郭線の一つを基準輪郭線とし、この基準輪郭線の一端を中心として建物輪郭データをXY直交座標系のX軸又はY軸と平行になる位置まで、回転行列を用いることにより回転させ、この状態で長方形近似を行うので、さまざまな形状の建物輪郭データを容易に回転させ、建物輪郭データの頂点を包含する長方形を容易に作成することが可能となる。
上記建物模型製作装置において、前記長方形作成手段は、前記建物回転手段により回転させられた建物輪郭データの全ての頂点のXY座標を算出し、これらXY座標の中からX軸の最大値及び最小値並びにY軸の最大値及び最小値を有する4つのXY座標を抽出し、抽出した4つのXY座標をX軸に平行な直線及びY軸に平行な直線で結ぶことにより長方形を作成することとしてもよい。
このような構成によれば、回転後の建物輪郭データのうち、全ての頂点のXY座標を求め、このXY座標のうち、X座標の最小値、最大値及びY座標の最小値、最大値を含む4つの座標をそれぞれ特定し、この座標を結ぶことにより長方形を作成するので、複雑な輪郭を有する建物であっても、単純なアルゴリズムによって建物を長方形に近似することが可能となる。
上記建物模型製作装置において、該基準輪郭線とX軸又はY軸とが平行又は重なるようにXY直交座標系を設定する座標系設定手段と前記座標系設定手段は、前記XY直交座標のうち、X軸を該基準輪郭線に平行に又は重ねて設定した場合には、該建物輪郭データの全ての頂点の中からX座標値が最小又は最大の頂点を特定し、該特定した頂点を通るようにY軸を設定し、前記XY直交座標のうち、Y軸を該基準輪郭線に平行に又は重ねて設定した場合には、該建物輪郭データの全ての頂点の中からY座標値が最小又は最大の頂点を特定し、該特定した頂点を通るようにX軸を設定することとしてもよい。
このようにXY直交座標を設定することで、XY直交座標系のX軸及びY軸をそのまま建物輪郭データを近似する長方形の辺として用いることができる。これにより、長方形を更に容易に作成することが可能となる。
上記建物模型製作装置において、前記輪郭線設定手段は、前記建物輪郭データの頂点間の距離が最も長い輪郭線を前記基準輪郭線として設定することとしてもよい。
このような構成によれば、前記建物輪郭データの他の頂点を包含する四角形を容易に作成することが可能となる。
上記建物模型製作装置で作成されたデータを用いて、地形の模型である地形模型上に建物を配置する位置を描画することとしてもよい。
前記建物長方形近似手段によって取得される建物の情報は、建物の緯度及び経度の情報が含まれるため、この位置情報を描画装置に入力することにより、地形模型上に建物を設置する位置を容易に描画することが可能となり、建物を地形模型上に設置する時間を短縮することが可能となる。
本発明は、大気環境予測等の風洞実験に用いられる縮尺模型を製作する建物模型製作方法であって、建物の位置情報を含む地図から、指定領域における建造物の輪郭である建物輪郭データを抽出し、該建物輪郭データを長方形に近似する過程と、前記建物輪郭データを長方形に近似する過程によって長方形に近似された建物の輪郭データを用いて、建物の模型を製作する過程とを備え、前記建物輪郭データを長方形に近似する過程は、前記注目領域における前記建造物の情報から建造物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データの1つの輪郭線を基準輪郭線とする過程と、前記建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が前記建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ前記基準輪郭線に平行な直線と、該基準輪郭線に直角に交わる直線と平行な直線とで構成される長方形を作成する過程とを有することを特徴とする建物模型製作方法を提供する。
本発明は、大気環境予測等の風洞実験に用いられる縮尺模型を製作する建物模型製作プログラムであって、建物の位置情報を含む地図から、指定領域における建造物の輪郭である建物輪郭データを抽出し、該建物輪郭データを長方形に近似する処理と、前記建物輪郭データを長方形に近似する処理によって長方形に近似された建物の輪郭データを用いて、建物の模型を製作する処理とを備え、前記建物輪郭データを長方形に近似する処理は、前記注目領域における前記建造物の情報から建造物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データの1つの輪郭線を基準輪郭線とする処理と、前記建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が前記建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ前記基準輪郭線に平行な直線と、該基準輪郭線に直角に交わる直線と平行な直線とで構成される長方形を作成する処理とをコンピュータに実行させる建物模型製作プログラムを提供する。
本発明によれば、容易に建物の模型を製作することができるという効果を奏する。
以下に、本発明に係る建物模型製作装置の一実施形態について、〔第1の実施形態〕、〔第2の実施形態〕の順に図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る建物模型製作装置の概略構成を示したブロック図である。
〔第1の実施形態〕
図1に示すように、本実施形態に係る建物模型製作装置200は、コンピュータ(計算機)であり、CPU(中央演算処理装置)1、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置2、HDD(Hard Disk Drive)などの補助記憶装置3、キーボードやマウスなどの入力装置4、及びモニタやプリンタなどの出力装置5などを備えて構成されている。補助記憶装置3には、各種プログラム(建物模型製作プログラム)が格納されており、CPU1が補助記憶装置3からRAMなどの主記憶装置2にプログラムを読み出し、実行することにより種々の処理を実現させる。
図1に示すように、本実施形態に係る建物模型製作装置200は、コンピュータ(計算機)であり、CPU(中央演算処理装置)1、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置2、HDD(Hard Disk Drive)などの補助記憶装置3、キーボードやマウスなどの入力装置4、及びモニタやプリンタなどの出力装置5などを備えて構成されている。補助記憶装置3には、各種プログラム(建物模型製作プログラム)が格納されており、CPU1が補助記憶装置3からRAMなどの主記憶装置2にプログラムを読み出し、実行することにより種々の処理を実現させる。
図2は、本実施形態に係る建物模型製作装置200の概略構成を示した機能ブロック図である。図2に示されるように、建物模型製作装置200は、例えば、風洞実験を行う領域情報等を入力するための入力部201、入力部201から入力された領域情報に基づいて地図データを取得し、該地図データにおける建物の形状を長方形に近似する建物長方形近似部(建物長方形近似手段)101、長方形近似された建物データから、建物の模型を製作する模型製作部(模型製作手段)102を備えている。
図3は、建物長方形近似部101が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。図3に示されるように、建物長方形近似部101は、輪郭線設定部(輪郭線設定手段)11、座標系設定部(座標系設定手段)12、建物回転部(建物回転手段)13、長方形作成部(長方形作成手段)14、及び建物再回転部(建物再回転手段)15を備えている。
また、建物長方形近似部101は、建物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを有する地図データが格納されているデータベース16と接続可能に構成されており、このデータベース16から所望のエリアにおける建物輪郭データを取得できるようになっている。
具体的には、データベース16には、所望のエリアにおける建物輪郭データが付加された地図情報とともに、建物の位置情報(緯度、経度、高さ等)が格納されており、建物長方形近似部101は、上記データベース16から所望のエリアに対応する建物輪郭データ付き地図情報を取得できるような構成とされている。ここで、建物輪郭データとは、例えば、建物の水平断面形状データをいう。
また、建物長方形近似部101は、建物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを有する地図データが格納されているデータベース16と接続可能に構成されており、このデータベース16から所望のエリアにおける建物輪郭データを取得できるようになっている。
具体的には、データベース16には、所望のエリアにおける建物輪郭データが付加された地図情報とともに、建物の位置情報(緯度、経度、高さ等)が格納されており、建物長方形近似部101は、上記データベース16から所望のエリアに対応する建物輪郭データ付き地図情報を取得できるような構成とされている。ここで、建物輪郭データとは、例えば、建物の水平断面形状データをいう。
建物長方形近似部101において、輪郭線設定部11は、上記データベース16から所望のエリアに対応する建物輪郭データ付き地図情報を取得し、この地図内における各建物輪郭データにおいて、基準輪郭線をそれぞれ設定する。具体的には、各建物輪郭データにおいて、その建物輪郭データを構成する複数の輪郭線の中から直線で描かれた1つの輪郭線を基準輪郭線として設定する。より好ましくは、輪郭線設定部11は、建物輪郭データを構成する複数の輪郭線のうち、最も距離の長い輪郭線を基準輪郭線として設定する。
座標系設定部12は、輪郭線設定部11が取得した地図上に、XY直交座標系を設定する。例えば、東西南北のうちの一方角をX軸、それに直交する方角をY軸として設定する。このXY直交座標系は、各建物輪郭データに対してそれぞれ個別に設定されてもよいし、全ての建物輪郭データに対して共通のものとして設定されてもよい。
各建物輪郭データに対応して個別のXY直交座標系を設定する場合、座標系設定部12は、図5に示すように、基準輪郭線の一端に接するようにX軸を設定することが好ましい。このようにXY直交座標系を設定することで、後段の回転処理、長方形作成処理を更に簡便に行うことが可能となる。
各建物輪郭データに対応して個別のXY直交座標系を設定する場合、座標系設定部12は、図5に示すように、基準輪郭線の一端に接するようにX軸を設定することが好ましい。このようにXY直交座標系を設定することで、後段の回転処理、長方形作成処理を更に簡便に行うことが可能となる。
建物回転部13は、輪郭線設定部11により設定された基準輪郭線がXY直交座標系のX軸と平行になるまで、基準輪郭線の一端を中心として所定角度だけ建物輪郭データを回転させる。例えば、建物輪郭データとXY直交座標とが図5に示すような関係にあった場合、基準輪郭線とX軸とが成す角度θを求め、XY直交座標系に設定された建物輪郭データの全ての頂点の座標を基準輪郭線の一端Aを中心として角度θ移動させる。これにより、建物輪郭データとXY直交座標との関係は、図6に示すようになる。
上記座標の回転については、例えば、回転行列を用いることが可能である。例えば、図4に示すように、点Pの座標(x,y)を角度θ回転させる場合、移動後の点Qの座標(X,Y)は、公知の数式である回転行列(1)式により得ることができる。
上記座標の回転については、例えば、回転行列を用いることが可能である。例えば、図4に示すように、点Pの座標(x,y)を角度θ回転させる場合、移動後の点Qの座標(X,Y)は、公知の数式である回転行列(1)式により得ることができる。
長方形作成部14は、回転後における建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が該建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ該X軸と平行な直線及び該Y軸と平行な直線とで構成される長方形を作成する。具体的には、長方形作成部14は、上記(1)式により変換された全ての頂点の各座標から、X座標の最大値及び最小値、並びにY座標の最大値及び最小値を抽出し、抽出された最大値又は最小値を持つ頂点の座標4点を抽出する。さらに、抽出した4点を頂点とし、かつ、X軸と平行な直線及びY軸と平行な直線とで構成される長方形を作成する。これにより、例えば、図7に示すような長方形が作成される。
建物再回転部15は、長方形作成部14によって作成された長方形を、基準輪郭線の一端を中心として所定角度だけ逆方向に再回転させる。具体的には、長方形作成部14が作成した長方形を、基準輪郭線の一端Aを中心として、建物回転部13において回転させた方向とは逆の方向に角度θ回転させる。これにより、図7に示した長方形は、図8に示すような元の位置まで回転させられる。
模型製作部102は、建物長方形近似部101から取得した長方形近似された建物輪郭データのデジタルデータを用いて、建物の模型を製作するとともに、建物長方形近似部101から取得される位置情報に基づいて、地形模型上に建物を置く位置を描く。具体的には、模型製作部102は、建物長方形近似部101が建物輪郭データを長方形近似したデジタルデータに基づいて、建物模型を自動的に加工する機械によって建物模型を製作する。例えば、自動的に加工する機械はNCマシンである。
更に、模型製作部102は、建物長方形近似部101が取得した各建物輪郭データの緯度、経度、傾き(建物の水平断面形状の傾き。例えば、東から北の方向に対する角度)の情報を取得し、これらの情報に基づいて、自動的に描画する機械等を使用して、地形模型上に建物の位置を描画する。例えば、自動的に描画する機械はレーザー加工機である。
次に、本実施形態に係る建物模型製作装置200の作用について説明する。
まず、ユーザにより、模型を製作するエリアが入力されると、建物長方形近似部101の輪郭線設定部11により、データベース16から、所望のエリアにおける建物輪郭データ付きの地図情報が読み出され、読み出された建物輪郭データのうち、直線で描かれた1つの輪郭線が基準輪郭線として設定される。座標系設定部12では、輪郭線設定部11によって読み出された建物輪郭データに対し、XY直交座標系が設定され、建物輪郭データの全ての頂点にXY直交座標系の座標が与えられる。建物回転部13では、図5のように基準輪郭線とX軸とが成す角度θが求められ、建物輪郭データの各頂点座標が基準輪郭線の一端を中心としてθ度回転させられる。これにより、図5に示した建物輪郭データは、図6に示すような状態となる。
まず、ユーザにより、模型を製作するエリアが入力されると、建物長方形近似部101の輪郭線設定部11により、データベース16から、所望のエリアにおける建物輪郭データ付きの地図情報が読み出され、読み出された建物輪郭データのうち、直線で描かれた1つの輪郭線が基準輪郭線として設定される。座標系設定部12では、輪郭線設定部11によって読み出された建物輪郭データに対し、XY直交座標系が設定され、建物輪郭データの全ての頂点にXY直交座標系の座標が与えられる。建物回転部13では、図5のように基準輪郭線とX軸とが成す角度θが求められ、建物輪郭データの各頂点座標が基準輪郭線の一端を中心としてθ度回転させられる。これにより、図5に示した建物輪郭データは、図6に示すような状態となる。
続いて、長方形作成部14において、回転後の建物輪郭データの各頂点の座標値の中から、X座標値の最大値及び最小値、並びにY座標値の最大値及び最小値が抽出され、抽出された4つのXY座標をX軸に平行な直線及びY軸に平行な直線で結ぶことにより長方形が作成される。これにより、図7に示すような、建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が該建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ該X軸と平行な直線及び該Y軸と平行な直線とで構成される長方形を作成される。そして、この長方形が建物再回転部15において再回転されて元の状態に戻され、長方形近似された建物輪郭データのデジタルデータは、模型製作部102に出力される。
模型製作部102では、建物輪郭データのデジタルデータに基づいて、自動的に加工する機械を用いて、建物の模型が製作される。さらに、模型製作部102では、建物長方形近似部101から取得した建物の位置情報に基づいて、自動的に描画する機械を用いて、地形模型上に建物を設置する位置が描画される。
以上、説明してきたように、本実施形態に係る建物模型製作装置200によれば、入力された所定の領域における建物の情報を抽出し、抽出した建物情報から建物の輪郭データを長方形に近似し、近似された建物の形状に基づいて建物の模型を製作する。これにより、人の手による建物の読み取り作業が不要となり、長方形近似された建物の製作時間を短縮できるとともに、模型を容易に製作することができる。また、建物の位置情報には、建物の緯度、経度等の情報を含んでいるので、自動的に加工する機械を使用すれば、建物の設置位置を地形模型上に描画することができる。これにより、地形模型上に建物を容易に設置することが可能となる。
なお、本実施形態では、データベース16に格納されている地図情報には、建物の水平断面データである建物輪郭データが付加されている場合について述べたが、これに加えて、建物輪郭データに更にその建物の高さ情報が付加されていてもよい。このように、高さ情報についても登録されていることにより、上述の方法によって作成された長方形を高さ方向にスイープさせることで、建物を直方体として表すことが可能となる。これにより、3次元シミュレーションを実施することが可能となり、より詳細なシミュレーション結果を得ることが可能となる。
なお、本実施形態では、建物輪郭データを有する地図はデータベース16が保有していたが、これに限定されることではない。たとえば、当該建物長方形近似部101自体が建物輪郭データを有する地図を保有していることとしてもよい。
また、本実施形態では、建物回転部13は、X軸と平行になるように建物輪郭データを回転させたが、これに限られることではない。例えば、Y軸と平行になるまで回転させることとしてもよいし、X軸やY軸と重なるように回転させることとしてもよい。
また、建物再回転部15が建物を再回転させる場合、建物回転部13において回転させた方向と同じ方向に、角度(360°−θ)回転させることとしてもよい。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る建物模型製作装置について説明する。
本実施形態においては、図2の建物長方形近似部101がXY直交座標系を設定する場合に、建物輪郭データの基準輪郭線に沿うようにX軸又はY軸を設定する点で上記第1の実施形態と異なる。
具体的には、本実施形態においては、XY直交座標系を地図上に設定する場合に、XY直交座標系の一方の座標軸が基準輪郭線と重なるよう、或いは、平行となるように、XY座標系を設定する。これにより、上述した第1の実施形態の建物長方形近似部101のように、建物輪郭データを回転、再回転させる処理を省略している。
このように、本実施形態に係る建物模型製作装置200によれば、建物長方形近似部101がXY直交座標系を設定する際に、基準輪郭線に重なるよう、又は、平行となるようにX軸又はY軸を設定するので、XY直交座標系のX軸又はY軸を、建物輪郭データを近似する長方形の辺としてそのまま用いることができる。これにより、長方形を更に容易に作成することが可能となるため、建物模型を製作する時間を短縮することが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る建物模型製作装置について説明する。
本実施形態においては、図2の建物長方形近似部101がXY直交座標系を設定する場合に、建物輪郭データの基準輪郭線に沿うようにX軸又はY軸を設定する点で上記第1の実施形態と異なる。
具体的には、本実施形態においては、XY直交座標系を地図上に設定する場合に、XY直交座標系の一方の座標軸が基準輪郭線と重なるよう、或いは、平行となるように、XY座標系を設定する。これにより、上述した第1の実施形態の建物長方形近似部101のように、建物輪郭データを回転、再回転させる処理を省略している。
このように、本実施形態に係る建物模型製作装置200によれば、建物長方形近似部101がXY直交座標系を設定する際に、基準輪郭線に重なるよう、又は、平行となるようにX軸又はY軸を設定するので、XY直交座標系のX軸又はY軸を、建物輪郭データを近似する長方形の辺としてそのまま用いることができる。これにより、長方形を更に容易に作成することが可能となるため、建物模型を製作する時間を短縮することが可能となる。
1 CPU
2 主記憶装置
3 補助記憶装置
4 入力装置
5 出力装置
11 輪郭線設定部
12 座標系設定部
13 建物回転部
14 長方形作成部
15 建物再回転部
16 データベース
101 建物長方形近似部
102 模型製作部
200 建物模型製作装置
2 主記憶装置
3 補助記憶装置
4 入力装置
5 出力装置
11 輪郭線設定部
12 座標系設定部
13 建物回転部
14 長方形作成部
15 建物再回転部
16 データベース
101 建物長方形近似部
102 模型製作部
200 建物模型製作装置
Claims (10)
- 大気環境予測等の風洞実験に用いられる縮尺模型を製作する建物模型製作装置であって、
建物の位置情報を含む地図から、指定領域における建造物の輪郭である建物輪郭データを抽出し、該建物輪郭データを長方形に近似する建物長方形近似手段と、
該建物長方形近似手段によって長方形に近似された建物の輪郭データを用いて、建物の模型を製作する模型製作手段とを備え、
前記建物長方形近似手段は、
前記注目領域における前記建造物の情報から建造物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データの1つの輪郭線を基準輪郭線とする輪郭線設定手段と、
前記建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が前記建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ前記基準輪郭線に平行な直線と、該基準輪郭線に直角に交わる直線と平行な直線とで構成される長方形を作成する長方形作成手段と
を具備することを特徴とする建物模型製作装置。 - 前記輪郭線設定手段は、各前記輪郭線の中から、当該輪郭線を挟んで片側のみに他の輪郭線が存在する最も長い輪郭線を前記基準輪郭線として設定することを特徴とする請求項1に記載の建物模型製作装置。
- 前記建物輪郭データが、該建物の高さデータを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建物模型製作装置。
- 前記建物長方形近似抽出手段は、該地図上にXY直交座標系を設定する座標系設定手段を備え、
該輪郭線設定手段により設定された1つの輪郭線が、該XY直交座標系のX軸又はY軸と平行になるまで、該基準輪郭線の一端を中心として該建物輪郭データを所定角度回転させる建物回転手段と、
該長方形作成手段によって作成された該長方形を、該基準輪郭線の一端を中心として前記所定角度だけ逆方向に再回転させることにより、元の位置に戻す建物再回転手段と、
前記建物回転手段及び前記建物再回転手段は、回転行列を用いて、前記建物輪郭データを回転させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の建物模型製作装置。 - 前記長方形作成手段は、前記建物回転手段により回転させられた建物輪郭データの全ての頂点のXY座標を算出し、これらXY座標の中からX軸の最大値及び最小値並びにY軸の最大値及び最小値を有する4つのXY座標を抽出し、抽出した4つのXY座標をX軸に平行な直線及びY軸に平行な直線で結ぶことにより長方形を作成することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の建物模型製作装置。
- 該基準輪郭線とX軸又はY軸とが平行又は重なるようにXY直交座標系を設定する座標系設定手段と、
前記座標系設定手段は、
前記XY直交座標のうち、X軸を該基準輪郭線に平行に又は重ねて設定した場合には、該建物輪郭データの全ての頂点の中からX座標値が最小又は最大の頂点を特定し、該特定した頂点を通るようにY軸を設定し、
前記XY直交座標のうち、Y軸を該基準輪郭線に平行に又は重ねて設定した場合には、該建物輪郭データの全ての頂点の中からY座標値が最小又は最大の頂点を特定し、該特定した頂点を通るようにX軸を設定することを特徴とする請求項1に記載の建物模型製作装置。 - 前記輪郭線設定手段は、前記建物輪郭データの頂点間の距離が最も長い輪郭線を前記基準輪郭線として設定することを特徴とする請求項6に記載の建物模型製作装置。
- 請求項1から請求項7のいずれかに記載の建物模型製作装置で作成されたデータを用いて、地形の模型である地形模型上に建物を配置する位置を描画することを特徴とする描画装置。
- 大気環境予測等の風洞実験に用いられる縮尺模型を製作する建物模型製作方法であって、
建物の位置情報を含む地図から、指定領域における建造物の輪郭である建物輪郭データを抽出し、該建物輪郭データを長方形に近似する過程と、
前記建物輪郭データを長方形に近似する過程によって長方形に近似された建物の輪郭データを用いて、建物の模型を製作する過程とを備え、
前記建物輪郭データを長方形に近似する過程は、
前記注目領域における前記建造物の情報から建造物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データの1つの輪郭線を基準輪郭線とする過程と、
前記建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が前記建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ前記基準輪郭線に平行な直線と、該基準輪郭線に直角に交わる直線と平行な直線とで構成される長方形を作成する過程と
を有することを特徴とする建物模型製作方法。 - 大気環境予測等の風洞実験に用いられる縮尺模型を製作する建物模型製作プログラムであって、
建物の位置情報を含む地図から、指定領域における建造物の輪郭である建物輪郭データを抽出し、該建物輪郭データを長方形に近似する処理と、
前記建物輪郭データを長方形に近似する処理によって長方形に近似された建物の輪郭データを用いて、建物の模型を製作する処理とを備え、
前記建物輪郭データを長方形に近似する処理は、
前記注目領域における前記建造物の情報から建造物の水平断面形状の輪郭である建物輪郭データを取得し、該建物輪郭データの1つの輪郭線を基準輪郭線とする処理と、
前記建物輪郭データの全ての頂点を包含し、各辺が前記建物輪郭データの少なくとも1つの頂点に接しており、かつ前記基準輪郭線に平行な直線と、該基準輪郭線に直角に交わる直線と平行な直線とで構成される長方形を作成する処理と
をコンピュータに実行させる建物模型製作プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008204381A JP2010039922A (ja) | 2008-08-07 | 2008-08-07 | 建物模型製作装置及び方法並びにプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008204381A JP2010039922A (ja) | 2008-08-07 | 2008-08-07 | 建物模型製作装置及び方法並びにプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010039922A true JP2010039922A (ja) | 2010-02-18 |
Family
ID=42012369
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008204381A Withdrawn JP2010039922A (ja) | 2008-08-07 | 2008-08-07 | 建物模型製作装置及び方法並びにプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010039922A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112257143A (zh) * | 2020-09-28 | 2021-01-22 | 北京科技大学 | 一种符合多振速要求的坐标点阵化隧道爆破药量计算方法 |
CN114718105A (zh) * | 2022-04-13 | 2022-07-08 | 甘肃省公路交通建设集团有限公司 | 用于存在既有桩基条件下的桩基布设方法及其校验方法 |
-
2008
- 2008-08-07 JP JP2008204381A patent/JP2010039922A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112257143A (zh) * | 2020-09-28 | 2021-01-22 | 北京科技大学 | 一种符合多振速要求的坐标点阵化隧道爆破药量计算方法 |
CN112257143B (zh) * | 2020-09-28 | 2024-02-02 | 北京科技大学 | 一种符合多振速要求的坐标点阵化隧道爆破药量计算方法 |
CN114718105A (zh) * | 2022-04-13 | 2022-07-08 | 甘肃省公路交通建设集团有限公司 | 用于存在既有桩基条件下的桩基布设方法及其校验方法 |
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