JP2005121474A - 大気物質指標分布解析装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 予め定められている複数の風向データに対して、風速データ及び乱れの条件を所与として、3次元の移流拡散支配方程式を数値的に解くことにより、前記各微小分割領域における気流の流れを求める気流解析部41と、前記所定の風向データに対応している、前記気流データ格納手段18aから抽出された気流の流れ条件の下で、拡散指標の拡散支配方程式を数値的に解くことにより、前記各微小分割領域における大気物質の拡散指標を求める拡散指標演算手段(濃度拡散演算部45)を備える、大気物質拡散指標分布解析装置(大気物質濃度分布解析装置1)とした。
【選択図】 図1
Description
また、大気物質の拡散指標とは、拡散支配方程式により解析可能な指標であればよく、代表的な指標は、大気物質濃度、大気物質温度等である。
予測対象物質の発生源とは、当該予測対象物質により異なるが、例えば、大気汚染物質の場合には、大規模工場、建設現場(建設機械)等の面煙源、移動排出源である車両等が走行する道路等の線煙源及び発電所、焼却施設、駐車場等の点煙源等が該当する。
また、仮想排出源の種別及び排出源条件等の排出源データを決定し、当該排出源の2次元地図データに結合する役割を果たす排出源データ作成手段を備えていてもよい。
また、本発明の大気物質指標分布解析装置において、前記気流解析手段は、風向きを任意の角度に分割する風向補正手段を備えることとすれば、より精度の高い解析を行うことができる。
なお、本実施形態では、解析を行う大気物質の指標として大気物質濃度を用いることとし、そのための大気物質指標分布解析装置として、大気物質濃度分布解析装置1を例示してその説明を行う。
図1に示すように、本発明の大気物質濃度分布解析装置1(以下「本装置」という)は、コンピュータから構成されている装置本体2と、入力手段3と、出力手段4とを主要部として構成されている。
また、出力手段4は、各種解析結果やデータ等を出力させるための役割を果たす手段であり、ディスプレィ4a、プリンタ4b及び記録媒体書込装置4c等を備えている。
記憶部10は、各種データ等を格納する役割を果たす要素であり、データベース11と、解析結果等格納手段18bとを備えている。
データベース11は、地図データベース12、構造物データベース13、排出源データベース14、気象関連データベース15、大気汚染濃度実測値データベース16、解析モデルデータベース17を備えている。
地図データベース12は、いわゆる電子住宅地図データが格納されており、広域地域(全国)における各種構造物及び排出源の位置座標データ及びその平面形状データがデジタル地図データ(2次元地図データ)として格納されているとともに、各種構造物の名称及び階数(構造物が階数の属性を有する場合)のデータが2次元位置座標データに関連づけられて格納(記憶)されている。
なお、構造物には、オフィスビル、商業ビル、マンション、家屋、公共施設、交通施設、道路、鉄道軌道等の施設となる各種施設が含まれる。
構造物データベース13には、各地域の構造物及び排出源の名称データ、種別データ(オフィスビル、商業ビル、マンション、家屋、公共施設、交通施設、道路、鉄道軌道等)、階数データ及び高さデータ等に関する構造物特性値データ群が、前記デジタル地図データにおける2次元位置座標データに関連づけられた状態で格納されている。
排出源データベース14には、主要な排出源の名称データ、排出源の種別データ(面煙源、線煙源及び点煙源等)、実際の煙突高さデータ(以下「実煙突高さデータ」という)、排出源の3次元位置座標データ、排出される大気汚染物質の物質名データ、排出強度(排出量)データ、排出源の稼動特性データ、排出される大気汚染物質の温度データ等に関する排出源特性値データ群が、前記デジタル地図データにおける排出源の2次元位置座標データに関連づけられて格納されている。
ここで、点煙源の場合には、排出中心の3次元位置座標データが格納されている(例えば、地下駐車場の場合には、排気口位置、地上駐車場の場合には、駐車位置、焼却施設、及び立体駐車場等の場合には、煙突・ガラリ等が排出中心に相当する)。
気象関連データベース15には、気象情報データベース15aと、大気安定度データベース15bと、拡散係数データベース15cと、が含まれている。
気象情報データベース15aには、前記地図データベース12における2次元地図データの所定領域ごとに、気温データ、風向データ、風速データ、日射量データ、雲量データに関する基本気象データ群が、所定時間毎のデータとして格納されている。
なお、本実施形態では、風向は16方位データ(北、北北東、北東等)とし、風向及び風速の各データは10分間の平均風向データ及び風速データが格納されている。
大気安定度データベース15bには、大気の状態を示す指標である大気安定度を判別するために、パスキル大気安定度階級分類表(日本式,1959)の内容を示すデータ群が格納されている。
このパスキル大気安定度階級分類表は、地上10m高の風速の区分(所定値の範囲となるように区分されたカテゴリー)と、日射量の区分及び雲量の区分によって、A,A−B,B,B−C,C,C−D,D,E,F,Gの10段階に分類されている(表1)。
拡散係数データベース15cには、大気汚染物質が拡散する度合いを示す拡散係数(水平方向拡散係数と鉛直方向拡散係数)データが格納されている。この拡散係数は、大気安定度及び風速に依存して定められるため、前記大気安定度の区分及び温熱風風洞実験により求められた所定の風速の区分に応じた値として、格納されている。
大気汚染濃度実測値データベース16は、予め設定されている常時監視測定局における所定の大気汚染物質(例えば、NOx,SOx,CO,CO2,SPM等)の濃度の実測値データ(以下「濃度実測値データ」ということがある)が、大気汚染物質別、365日別時間帯別(10分値)に、2次元地図データにおける常時監視測定局の2次元位置座標データに関連づけられて格納されている。
解析モデルデータベース17には、後記解析演算部40で使用されるモデル式群、当該モデル式群で使用される各種パラメータ群、及び、解析データ作成部30により作成された各種データ群が格納されている。
気流データ格納手段18aは、後記気流解析部41で算出された予測風速データ及び予測風向データが格納可能となっている。
解析結果等格納手段18bは、後記解析演算部40によって算出された各種解析結果等が格納可能となっている。
また、記憶部10は、プログラム記憶部(図示せず)を有しており、全体システムを駆動し、各種操作を実行するための各プログラムが格納されている。
入力要求部20は、操作者に対して各種の入力操作を要求する役割を果たす要素であり、解析対象地域入力要求手段21と、構造物条件入力要求手段22と、排出源条件入力要求手段23と、解析条件入力要求手段24と、操作入力要求手段25とを備えている。
解析対象地域入力要求手段21は、操作者に対し、解析対象地域Rの2次元地図データを地図データベース12から選択させるための入力を要求するための手段である。
この解析対象地域入力要求手段21は、所定の縮尺で広域の2次元地図データが表示されているディスプレィ4a上において、操作者に対し、解析を希望するエリアの入力を要求する動作を行うことになる。その要求に応じて、操作者が入力手段3を用いて画面上の位置を指示する(図2)と、後記解析対象地域抽出手段32を介して、解析対象地域Rが決定されて当該画面上に表示されることになる(図3)。
構造物条件入力要求手段22は、操作者に対し、構造物の高さ寸法についての修正に関する入力を要求するとともに、必要に応じて、仮想構造物に関する構造物特性値データの入力を要求する手段である。
また、本手段は、仮想構造物の位置及び構造物特性値データの入力を要求し、操作者が入力手段3を用いて設置位置を指示するとその位置が決定され、後記構造物条件設定手段33を介して、その2次元位置座標データ等が認識されるように構成されている。
排出源条件入力要求手段23は、操作者に対し、排出源に関する各種条件についての入力及び修正を要求するとともに、必要に応じて、仮想排出源に関する排出源特定値データの入力を要求する手段である。
また、本手段は、ディスプレィ4aに表示された解析対象地域R上において、操作者に対し、仮想排出源の位置及び排出源特定値データの入力を要求することになる。その要求に応じて、操作者が入力手段3を用いて画面上に示されている排出源の位置を指示するとその位置及び排出源特定値データが決定され、後記排出源データ作成手段35を介して、その3次元位置座標データ等が認識されることになる。
解析条件入力要求手段24は、操作者に対し、解析演算部40により解析を行うために必要となる各種の解析条件の入力を要求する手段である。
本手段は、ディスプレィ4aに表示された画面上において、後記微小分割領域(セル)の総数、有限差分法解析を実施する際の初期条件及び境界条件等の入力を要求することになり、操作者は、入力手段3を用いて所定のデータ等を指示することができるようになっている。
操作入力要求手段25は、操作者に対し、前記以外のシステム全体の各種操作を要求する役割を果たすための要素である。
解析データ作成部30は、解析演算部40で使用する各種のデータ群を作成するための要素であり、対象地域データ作成手段31と、排出源データ作成手段35と、気象データ作成手段36と、分割領域データ作成手段37と、解析条件データ作成手段38と、を備えており、当該各手段により作成されたデータ群は、解析モデルデータベース17に格納されることになる。
対象地域データ作成手段31は、解析対象地域Rの全域において、解析を行うための基準となる解析対象地域データ群を作成するための手段であり、解析対象地域抽出手段32と、構造物条件設定手段33と3次元データ化手段34と、を備えている。
解析対象地域抽出手段32は、解析対象地域入力要求手段21の要求により入力された解析対象地域Rを、地図データベース12から抽出して解析対象地域Rの2次元地図データとして確定し、解析モデルデータベース17に格納させる手段である。
構造物条件設定手段33は、構造物条件入力要求手段22の要求により入力された、構造物の条件(仮想的に入力された仮想構造物の条件を含む)及び仮想的に入力された仮想構造物の2次元位置座標データを、前記2次元地図データの位置座標データに対応する形式のデータとして認識させるとともに、構造物データベース13に格納されている各構造物の構造物特性値データを抽出し、2次元地図データにおける構造物の2次元位置座標データと構造物特性値データとを関連づけて、当該2次元地図データに結合する役割を果たす要素である。
3次元データ化手段34は、解析対象地域Rにおける2次元地図データに、解析条件に合致するように解析高さデータ(解析空間の高さデータ)を結合して、3次元空間の解析空間を設定する手段である。また、解析対象地域Rに含まれる構造物の名称と構造物データベース13に格納されている構造物特性値データにおける構造物の高さデータを統合することにより、2次元地図データに構造物の高さデータを結合して3次元地図データ(以下「解析対象地域データ」という)を作成し、解析モデルデータベース17に格納させる手段である。
排出源データ作成手段35は、解析対象地域Rに含まれる排出源について、排出源データベース14に格納されている対応する排出源の排出源特性値データを抽出し、2次元地図データに対応づけられている排出源の3次元位置座標データと前記排出源特性値データとを関連づけて、解析対象地域データに結合する役割を果たす手段である。
なお、本実施形態では、線排出源の3次元位置座標データは、演算処理の便宜上、所定間隔の点排出源の集合として取り扱われることになる。
He=H0+Ht +Hm (3−1)
この有効煙突高さデータは、公知の式を用いて算出することができるが、風速及び煙源の規模により異なることが一般的に知られており、例えば、Moses・Carsonの式(有風時、大規模煙源の場合)、CONCAWEの式(有風時、中規模煙源の場合)、無風時にはBriggs式等を用いることができる。
なお、排出源が道路の場合には、実煙突高さデータには道路高さデータが用いられる。
気象データ作成手段36は、気象情報データベース15aから解析対象地域Rに対応する365日時間帯別の風向データ、風速データ、日射量データ、雲量データの各データ(以下「解析対象地域気象データ」という場合がある)を抽出する手段である。
分割領域データ作成手段37は、前記3次元の解析空間について、複数の微小分割領域(セル)を作成するための手段である。
この分割領域データ作成手段37は、予め定められている寸法(若しくは、分割総数)となるように、解析空間における構造物以外のシミュレーション空間を平面方向及び高さ方向について、3次元である網目状の微小分割領域に分割し、各微小分割領域の格子点の3次元位置座標データを設定して、解析モデルデータベース17に格納させることができるように構成されている。
なお、この微小分割領域は、解析演算部40で有限差分法解析を行うための解析単位であり、解析に適した任意の寸法で設定することができる。
解析条件データ作成手段38は、解析演算部40により解析を行う解析条件(初期条件、境界条件等)を設定するための手段であり、解析条件入力要求手段24の要求により、入力手段3を介してディスプレィ4a上で入力された解析条件を解析可能なデータに変換させて認識させ、解析モデルデータベース17に格納させることができるように構成されている。
入力される解析条件は、気流解析部41で使用される定数、境界条件(シミュレーション空間における風上側側面の風速分布、風向、乱れの鉛直分布、シミュレーション空間における地表面及び風上以外の側面と上空の風速、乱れの条件等の各データ)及び初期条件(シミュレーション空間における風上側側面の風速分布、風向、乱れの鉛直分布の各データ)と、濃度算出手段47で使用される境界条件及び初期条件等(気流解析手段で算出された微小分割領域の各格子点における風速及び風向、各汚染源の排出強度等の各データ)である。
解析演算部40は、解析データ作成部30により作成されたデータを用いて、気流解析部41により、3次元の移流拡散支配方程式を有限差分法(または有限要素法等)により数値的に解くことにより気流の速度、前記気流の方向、および、前記気流の圧力(風速、風向、風圧)を求めること、及び、濃度拡散演算部45(拡散指標演算手段)により、3次元の濃度拡散支配方程式を離散化して、有限差分法(または有限要素法等)により数値的に解くことにより、大気汚染物質濃度の分布(以下「濃度分布」という場合がある)を求めるための要素である。
気流解析部41は、風向補正手段42と、気流算出手段43とを備えている。
通常、気象情報データベース15aに格納されている風向データは、気象台で観測されている16方位データ(北、北北東、北東等の22.5度間隔)が使用されている。しかし、局所的な大気汚染物質の移流を解析するためには、より詳細な風向を求める必要がある。この風向補正手段42は、16方位の風向データ(以下「16方位風向データ」という)を、風向の出現確率を考慮して、より詳細な方位(本実施形態では、32方位(11.25度間隔))の詳細風向データ(32方位風向データ)に変換する手段である。
本実施形態では、16方位風向の一方向で与えられる風向データ(図4(a))を、当該16方位風向を中心として、隣接する両側の32方位風向がそれぞれ1/3の等頻度で出現するように、風向データを32方位風向で表される三方向に変換することができるようになっている(図4(b))。
なお、16方位の風向データを詳細風向データに補正する場合には、16の正数倍の方位であればその分割の間隔は任意に定めることができる。
気流算出手段43は、シミュレーション空間において、3次元の移流拡散支配方程式を有限差分法により離散化して数値的に解くことにより気流の速度及び気流の方向(風速、風向)(以下「気流状態」ということがある)を求める手段である。
そして、算出された各格子点における予測風速データ及び予測風向データ(以下「予測気流データ」という場合がある」は、初期条件でシミュレーション空間に与えられた風向データと関連づけられた状態で、気流データ格納手段18aに格納される。
∂Ui/∂Xi=0 (4−4)
C1,C2,C3,Ct:定数
Ui:気流の瞬時風速ベクトルの各成分
P:気流の圧力(風圧)
ρ:空気の密度
ν:動粘性係数
νt:渦粘性係数
k:乱流エネルギー
ε:乱流消散率
濃度拡散演算部45は、3次元の濃度拡散支配方程式を有限差分法により離散化して数値的に解くことにより、濃度分布を求めるための要素であり、気流解析部41により算出された気流状態、かつ、所定の初期濃度条件の下で、排出源から排出された大気汚染物質の濃度拡散を考慮して、微小分割領域の格子点での濃度として求めるものである。
この濃度拡散演算部45は、パラメータ設定手段46と濃度算出手段47と濃度重合手段48とを備えている。
パラメータ設定手段46は、解析対象地域Rにおける解析条件に基づき、濃度計算を行うための各種条件及びパラメータを設定するための役割を果たす手段であり、大気安定度設定手段46aと、拡散係数設定手段46bとを備えている。
なお、大気安定度設定手段46aで決定された大気安定度データと、拡散係数設定手段46bで決定された拡散係数データは、解析モデルデータベース17に格納される。
濃度算出手段47は、シミュレーション空間において、対象とする大気汚染物質に関し、3次元の濃度拡散支配方程式を有限差分法により離散化して数値的に解くことにより、濃度分布を求める手段である。
すなわち、濃度算出手段47は、算出された微小分割領域における各格子点での気流状態を所与としたときに、大気汚染物質(拡散物質)の輸送方程式(4−5)から構成される濃度拡散支配方程式について、各微小分割領域の隣接する格子点間で、微小時間ごとに有限差分法による数値解析を用いて繰り返し計算を行い、前記各格子点間の大気汚染物質濃度が平衡状態となった場合において、その値をもって前記各格子点の予測大気汚染物質濃度データとして決定することができるように構成されている。
そして、算出された各格子点における予測大気汚染物質濃度データは、解析結果等格納手段18bに格納されることになる。
濃度重合手段48は、複数の条件(例えば、風向の違い、時間等の違い)で行われた各格子点の予測大気汚染物質濃度データを解析結果等格納手段18bから抽出して、同一の各格子点における予測大気汚染物質濃度データを足し合わせる(以下足し合わせた予測大気汚染物質濃度データを「予測重合濃度データ」という)とともに、必要に応じて平均値算出手段(図示せず)により、平均値(以下「予測平均濃度データ」という)を算出するための手段である。
本手段を用いることにより、各時点の予測大気汚染物質濃度データを所定期間にわたって足し合わせて、平均値を算出することにより、時間、日又は年予測平均濃度データを算出することができることになる。
解析結果表示部50は、解析演算部40により算出された風向データ、風速データ、風圧データ、大気汚染物質濃度データ等の解析結果を、解析対象地域Rを示す3次元の出力原図上にその位置関係に対応づけて、各種データを表示させることができるとともに、当該出力原図の所望の切断面方向から各種データを表示させることもできるようになっている。さらに、大気汚染物質に関し同一濃度分布の領域を表示させたコンター図や、大気汚染物質の流線をベクトル表示することができるようになっている。
なお、この解析結果表示部50は、記憶部10に格納されている各種データ等を所望の形式で出力手段4に表示させることもできるようになっている。
装置本体2は、本装置1を作動させるにあたり、各手段(入力手段3及び出力手段4も含む)を制御するための制御部60を備えている。
本装置1を使用した濃度分布の予測方法について、図5を参照して説明する。
なお、本装置1では、各種の濃度分布を所望の時点において解析することが可能であるが、以下は、NOxの濃度分布を1時点で再現的に予測解析する場合について説明を行う。
また、格子点が設定された解析対象地域Rにおいて、気流解析部41で、予め32方位の総ての風向ごとに、予測気流データが算出され、気流データ格納手段18aに格納される(S8)。
そして、拡散係数設定手段46bにより、大気安定度設定手段46aで設定された大気安定度データと、解析条件で設定されている解析対象地域Rにおける風速に対応する拡散係数が拡散係数データベース15cから抽出されて、解析モデルデータベース17に格納される(S12)。
そして、濃度重合手段48を用いることにより、各期間における予測大気汚染物質濃度の平均値(1時間平均値、日平均値、月平均値、年間平均値)を算出することもできる(S16)。
また、同様の考えにより、平日及び休日毎の大気汚染濃度分布の算出を行うこともできる。
本発明によれば、最小限の必要な操作を行うだけで、迅速、簡易かつ正確に、局所的な濃度分布を予測することができる。
また、前記実施形態では、大気物質濃度分布を解析する場合について説明したが、その他の拡散指標(例えば、大気物質の温度分布)を求める場合には、濃度拡散演算部における濃度拡散支配方程式の濃度変数を熱量変数に読み変え、当該熱量変数をデータ化して、同様の方法により解析することにより対応することができる。
2 装置本体
10 記憶部
11 データベース
12 地図データベース
13 構造物データベース
14 排出源データベース
15 気象関連データベース
15a 気象情報データベース
15b 大気安定度データベース
15c 拡散係数データベース
18a 気流データ格納手段
20 入力要求部
21 解析対象地域入力要求手段
22 構造物条件入力要求手段
23 排出源条件入力要求手段
30 解析データ作成部
31 対象地域データ作成手段
32 解析対象地域抽出手段
33 構造物条件設定手段
34 3次元データ化手段
35 排出源データ作成手段
36 気象データ作成手段
37 分割領域データ作成手段
40 解析演算部
41 気流解析部
42 風向補正手段
43 気流算出手段
45 濃度拡散演算部(拡散指標演算手段)
46 パラメータ設定手段
46a 大気安定度設定手段
46b 拡散係数設定手段
47 濃度算出手段
48 濃度重合手段
Claims (4)
- 構造物及び排出源に関する平面形状データを含む2次元地図データが格納されている地図データベースと、
前記構造物及び前記排出源に関する高さデータが、前記2次元地図データと関連づけられて格納されている構造物データベースと、
大気物質を排出する排出源に関する稼動特性データ、煙突高さデータ、排出される大気物質名データ、排出強度データ及び排出物質温度データを含む排出源データが、前記2次元地図データと関連づけられて格納されている排出源データベースと、
前記2次元地図データの所定領域ごとに、気温データ、風向データ、風速データ、日射量データ及び雲量データの各気象データが格納されている気象情報データベースと、
前記地図データベースから解析対象地域を抽出する解析対象地域抽出手段と、
前記解析対象地域の前記2次元地図データにおける前記構造物及び排出源の平面形状データに、前記構造物データベースにおける対応する前記構造物の高さデータを結合することにより、3次元地図データを作成するための3次元データ化手段と、
前記解析対象地域の3次元地図データに、前記各排出源に関する前記各排出源データを結合するための排出源データ作成手段と、
前記気象情報データベースから前記解析対象地域に対応する前記各気象データを抽出するための気象データ作成手段と、
前記解析対象地域を所定寸法である複数の微小分割領域に分割するための分割領域データ作成手段と、
予め定められている複数の風向データに対して、風速データ及び乱れの条件を所与として、3次元の移流拡散支配方程式を数値的に解くことにより、前記各微小分割領域における気流の流れを求める気流解析手段と、
前記風向データと、前記気流解析手段で求められた前記各微小分割領域における気流の流れデータとを関連づけて格納する気流データ格納手段と、
所定の条件下で、前記各気象データ及び前記各排出源データを所与とした場合において、前記各微小分割領域における大気物質の拡散指標を算出するための拡散指標演算手段とを備え、
前記拡散指標演算手段は、
前記所定の風向データに対応している、前記気流データ格納手段から抽出された気流の流れ条件の下で、前記拡散指標の拡散支配方程式を数値的に解くことにより、前記各微小分割領域における大気物質の拡散指標を求めること、を特徴とする大気物質指標分布解析装置。 - 構造物及び排出源に関する、平面形状データ及び高さデータを含む3次元地図データが格納されている地図データベースと、
大気物質を排出する排出源に関する稼動特性データ、煙突高さデータ、排出される大気物質名データ、排出強度データ及び排出物質温度データを含む排出源データが、前記2次元地図データと関連づけられて格納されている排出源データベースと、
前記3次元地図データの所定領域ごとに、気温データ、風向データ、風速データ、日射量データ及び雲量データの各気象データが格納されている気象情報データベースと、
前記地図データベースから解析対象地域を抽出する解析対象地域抽出手段と、
前記各排出源データを、前記解析対象地域の3次元地図データに、前記各排出源に関する前記各排出源データを結合するための排出源データ作成手段と、
前記気象情報データベースから前記解析対象地域に対応する前記各気象データを抽出するための気象データ作成手段と、
前記解析対象地域を所定寸法である複数の微小分割領域に分割するための分割領域データ作成手段と、
予め定められている複数の風向データに対して、風速データ及び乱れの条件を所与とした場合において、3次元の移流拡散支配方程式を数値的に解くことにより、前記各微小分割領域における気流の流れを求める気流解析手段と、
前記風向データと、前記気流解析手段で求められた前記各微小分割領域における気流の流れデータとを関連づけて格納する気流データ格納手段と、
所定の条件下で、前記各気象データ及び前記各排出源データを所与とした場合において、前記各微小分割領域における大気物質の拡散指標を算出するための拡散指標演算手段とを備え、
前記拡散指標演算手段は、
前記所定の風向データに対応している、前記気流データ格納手段から抽出された気流の流れ条件の下で、前記拡散指標の拡散支配方程式を数値的に解くことにより、前記各微小分割領域における大気物質の拡散指標を求めること、を特徴とする大気物質指標分布解析装置。 - 前記気流解析手段は、
前記気流の速度及び前記気流の方向の各運動要素を変数とするナビエストークス式及び連続の式から構成される前記移流拡散支配方程式について、 前記微小分割領域ごと、かつ、微小時間ごとに差分法による数値解析を用いて繰り返し計算を行い、
所定の平衡状態となった場合における、前記各分割領域における気流の速度及び気流の方向の値を決定することができるように構成されていること、を特徴とする請求項1又は請求項2に記載に大気物質指標分布解析装置。 - 前記拡散指標演算手段は、
前記対象とする大気物質の拡散指標の拡散支配方程式について、 前記微小分割領域ごと、かつ、微小時間ごとに差分法による数値解析を用いて繰り返し計算を行い、
所定の平衡状態となった場合における、前記各分割領域における大気物質の拡散指標の値を決定することができるように構成されていること、を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の大気物質指標分布解析装置。
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