JP2004213541A - データ処理システム及び方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】観測領域から抽出される建物などの形状をより頂点数の少ない閉多角形として取り扱う。
【解決手段】多数の頂点からなる複雑な閉多角形の基準線を求め、基準線の一端を開始点とし、開始点から各頂点に向かうベクトルが基準線となす角とベクトル長を関数化し、開始点から各頂点に向かうベクトルが基準線となす角及びベクトル長の関係を表す該関数に含まれる高周波数成分を除去し、関数の極値を頂点として抽出し、この頂点列に基づいて多角形を再構成する。
【選択図】 図12
【解決手段】多数の頂点からなる複雑な閉多角形の基準線を求め、基準線の一端を開始点とし、開始点から各頂点に向かうベクトルが基準線となす角とベクトル長を関数化し、開始点から各頂点に向かうベクトルが基準線となす角及びベクトル長の関係を表す該関数に含まれる高周波数成分を除去し、関数の極値を頂点として抽出し、この頂点列に基づいて多角形を再構成する。
【選択図】 図12
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地表に分布する高さ情報を基に地表の3次元的な形状の抽出を行なうデータ処理システム及び方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、飛行機や衛星などを用いて上空から地上に向けてレーザを照射することによって得られた平面に分布する高さ情報を基に地勢情報を抽出するデータ処理システム及び方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、複数点において高さ情報がサンプリングされた観測領域から建物などの所定の観測点を抽出するデータ処理システム及び方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、観測領域から抽出される建物などの形状をより頂点数の少ない閉多角形として取り扱うデータ処理システム及び方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0003】
【従来の技術】
昨今の情報技術の革新に伴い、さまざまな情報コンテンツがコンピュータ上で作成・編集され、情報蓄積、情報配信などのサービスが行われるようになってきた。例えば、建物や道路などの地図情報や地理情報がコンピュータ上で統合されて、道案内や観光案内など地図画像を利用した地域情報提供サービスが行なわれている。また、GPS(Global Positioning System)などで検出されたユーザの現在位置情報を利用して、車や船舶あるいは歩行者などの移動体に対するリアルタイムのナビゲーション・サービスなども提供されている。
【0004】
地図又は地理情報は、地表での測量によって得られる他、飛行機や衛星などを利用して上空からの観察結果を基に作成することができる。最近では、飛行機や衛星などを用いて、上空から地上に向けてレーザを照射することによって計測された地表の高さ情報を基に地表の3次元形状を算出することもできる。地図は一般に正射投影であるのに対して、航空写真や衛星写真は中心投影である。上空から測定された高さ情報に対して地理的な誤差を補正し、正確な地理情報を与えてオルソ化することにより、地図上の各観測点に高さ情報をマッピングすることができる。以下、本明細書中では、2次元平面上の各観測点に高さ情報がマッピングされたデータのことを「標高点データ」と呼ぶ。
【0005】
地図情報は基本的には2次元平面的な位置情報であるが、このような標高点データと統合することにより、地形の起伏などの地勢情報を扱うことができる。この結果、ナビゲーション・システムなどにおいては地形の起伏や景観などを考慮して、立体的、3次元的な地図画像を表示することができるなど、より高品位な地図情報表示サービスを提供することができる。あるいは、このような3次元的な地図情報を、治水シミュレーションなどの公共サービス、仮想空間を利用したシステムへ適用することができる。
【0006】
また、高さ情報の他の利用形態として、建物の3次元形状の作成を挙げることができる。すなわち、2次元平面上に分布する高さ情報を基に地上に存在する建造物を検出することにより建物の立地領域を取得して、これに含まれる高さ情報を平滑化した高さを求め、この高さ分だけ建物の立地領域を引き上げることによって、建物の3次元形状を作成することができる。
【0007】
例えば、2次元平面上にマッピングされた高さ情報と建物・道路地図から個々の建物の外観情報を作成する技術について提案がなされている(非特許文献1を参照のこと)。建物・道路地図において、指定された建物領域に対する高さ情報を取得し、同領域内の高さ分布に対して、観測データの連結した部分集合に当てはまる平面を取得していき、すべての観測データを平面に割り当てた後、これらの平面を連結して、建物モデルとして単連結の多面体を作成する。これによって、建物の立地領域の影響を除去して、3次元地形情報と、平面の集合によって構成された個々の建物情報を取得することができる。
【0008】
このとき、建物の屋根などのポリゴン構成平面を取り出すために、観測領域をセルに分割した後、分割したセル間で回帰平面を作り、回帰平面の誤差が所定の式一以下であれば同一平面として同定するという処理を繰り返し実行していく。
【0009】
この際、観測領域内の建物の領域は、微小セルの集合として抽出される。言い換えれば、建物領域は頂点数の多い閉多角形として構成されるので、データ量が膨大となってしまう。このため、抽出形状をより少ない頂点数で表現する必要がある。
【0010】
例えば、予想される抽出形状をあらかじめテンプレートとして持っておき、テンプレートとの誤差が最小となるようにテンプレートのパラメータを調整するという手法が考えられる。
【0011】
しかしながら、このような方法では、あらかじめ予想される形状以外を抽出することはできない。また、複数のテンプレートがある場合、どのテンプレートを適用するかという基準が曖昧である。
【0012】
【非特許文献1】
特願2002−89967
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、複数点において高さ情報がサンプリングされた観測領域から建物などの所定の観測点を好適に抽出することができる、優れたデータ処理システム及び方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0014】
本発明のさらなる目的は、観測領域から抽出される建物などの形状をより頂点数の少ない閉多角形として取り扱うことができる、優れたデータ処理システム及び方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、多数の頂点からなる複雑な閉多角形をより頂点数の少ない閉多角形として表現するデータ処理システム又は方法であって、
多数の頂点からなる複雑な閉多角形の基準線を求める手段又はステップと、
該基準線の一端を開始点とし、開始点から各頂点に向かうベクトルが該基準線となす角とベクトル長を関数化する手段又はステップと、
開始点から各頂点に向かうベクトルが該基準線となす角及びベクトル長の関係を表す該関数に含まれる高周波数成分を除去する手段又はステップと、
該関数の極値を頂点として抽出する手段又はステップと、
該抽出された頂点列に基づいて多角形を再構成する手段又はステップと、
を具備することを特徴とするデータ処理システム又は方法である。
【0016】
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
【0017】
本発明の第1の側面に係るデータ処理システム又は方法によれば、多様な多角形状に対して頂点数を削減することができるので、観測領域から抽出される建物などの形状をより頂点数の少ない閉多角形として取り扱うことができる。また、ローパス・フィルタにおけるカットオフ周波数を変更することにより、削減する頂点数をコントロールすることができる。
【0018】
ここで、前記の基準線を求める手段またはステップは、多数の頂点からなる複雑な閉多角形の頂点列の平均をとることによってその重心位置を求め、該重心から最も離れた位置にある頂点を基準点として求め、該重心から各頂点へ向かうベクトルのうち、該重心から該基準点に向かうベクトルとの内積が負の最大値となるときの頂点を第2の基準点として求め、該基準点と該第2の基準点を結ぶ線分を閉多角形の基準線として抽出するようにしてもよい。
【0019】
また、前記の関数に含まれる高周波数成分を除去する手段又はステップは、フーリエ変換により関数の横軸を周波数軸に変換し、該周波数軸の高周波数成分を除去し、逆フーリエ変換により周波数軸を元の横軸に戻すようにしてもよい。
【0020】
また、前記の関数の極値を頂点として抽出する手段又はステップは、該関数の最大値と最小値の位置を頂点とし、頂点列から隣接する頂点組を取り出し、該隣接する頂点組内に存在する極値が存在する場合に、頂点間に直線を張り、該直線から最も離れている部分を頂点として抽出するようにしてもよい。
【0021】
また、本発明の第2の側面は、多数の頂点からなる複雑な閉多角形をより頂点数の少ない閉多角形として表現するためのデータ処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
多数の頂点からなる複雑な閉多角形の基準線を求めるステップと、
該基準線の一端を開始点とし、開始点から各頂点に向かうベクトルが該基準線となす角とベクトル長を関数化するステップと、
開始点から各頂点に向かうベクトルが該基準線となす角及びベクトル長の関係を表す該関数に含まれる高周波数成分を除去するステップと、
該関数の極値を頂点として抽出するステップと、
該抽出された頂点列に基づいて多角形を再構成するステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0022】
本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1の側面に係るデータ処理システム又はその方法と同様の作用効果を得ることができる。
【0023】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0025】
図1には、2次元平面上に高さ情報がマッピングされている様子を示している。同図に示す2次元平面は、平野部、山岳部、郊外、都心などの地表面を表わし、xy各方向に一定間隔で高さ情報(標高点データ)が取得され、各点(x,y)におけるz座標値として表わされている。ここで言うx及びy各軸は例えば緯度や経度に相当する。
【0026】
このような高さ情報を含んだ2次元平面情報は、例えば、飛行機や衛星などを利用して、上空からの地表への測距により、広域的に直接且つ容易に得ることができる。上空から測定された高さ情報に対して地理的な誤差を補正し、正確な地理情報を与えてオルソ化することにより、地図上の各観測点に高さ情報をマッピングすることができる。
【0027】
図1に示すような高さ情報がマッピングされている2次元平面は、擬似的に地形の起伏などを表わしている。但し、標高点データの観測領域には一般に土地の傾斜が含まれるが、飛行機や衛星などの上空からの測距により直接得られた標高点データにはこのような土地傾斜に関する情報を含んでいない。また、都市部などにおいては、道路領域や建物領域が混在しているが、標高点データ自体から建物領域かどうかを識別することはできない。
【0028】
図2には、都市部における土地傾斜と建物領域を含む観測領域の一例を示している。同図において、参照番号41で示される観測領域中で灰色表示の多角形部分は建物領域であり、また、それ以外の白色表示の部分は道路に相当する。
【0029】
このような観測領域を上空から測距することによって、各観測点において建物の屋上又は道路表面の標高点データを採取することができる。
【0030】
このとき、建物の屋根などのポリゴン構成平面を取り出すために、観測領域をセルに分割した後、分割したセル間で回帰平面を作り、回帰平面の誤差が所定の式一以下であれば同一平面として同定するという処理を繰り返し実行していく。この結果、観測領域内の建物の領域は、微小セルの集合として抽出される。
【0031】
図3には、微小セル21の集合として抽出された建物領域の様子を示している。図示の通り、建物領域は頂点数の多い閉多角形22として構成されるので、抽出形状をより少ない頂点数で表現する必要がある。
【0032】
図4には、このように頂点数の多い閉多角形などの2次元形状から特徴を抽出して、より少ない頂点数で表現する処理を行なうデータ処理システムの機能構成を模式的に示している。
【0033】
メイン・コントローラであるCPU(Central Processing Unit)105は、オペレーティング・システム(OS)の制御下で、各種のアプリケーションを実行する。本実施形態では、CPU105は、頂点数の多い閉多角形などの2次元形状から特徴を抽出して、より少ない頂点数で表現する処理を行なうデータ処理アプリケーションを実行することができる。図示の通り、CPU105は、バス109によって他の機器類(後述)と相互接続されている。
【0034】
主メモリとしてのRAM(Random Access Memory)106は、CPU105において実行されるプログラム・コードをロードしたり、実行プログラムの作業データを一時保管したりするために使用される半導体メモリである。例えば、頂点数の多い閉多角形などの2次元形状から特徴を抽出して、より少ない頂点数で表現する処理を行なうデータ処理アプリケーションなどが実行プログラムとして主メモリ106にロードされる。また、データ処理に使用する標高点データやその他の中間データ、データ処理結果として得られる閉多角形状又は建物データなどが作業データとして主メモリ106に一時的に格納される。
【0035】
また、ROM(Read Only Memory)107は、データを恒久的に格納する半導体メモリであり、例えば、起動時の自己診断テスト(POST:Power On Self Test)や、ハードウェア入出力用のプログラム・コード(BIOS:Basic Input/Output System)などが書き込まれている。
【0036】
入力部101は、例えば、ネットワーク・インターフェースやCD/DVD読取装置、あるいはキーボード/マウスなどのユーザ入力装置で構成され、外部から当該システム100へデータを入力するために使用される。本実施形態では、データ処理に使用する標高点データや頂点数の多い閉多角形などの2次元形状が入力部101から取り込まれる。
【0037】
出力部102は、例えば、ディスプレイやプリンタ、ネットワーク・インターフェース、CD/DVD書き込み装置などで構成され、当該システム100内での演算処理結果を外部に出力するために使用される。本実施形態では、データ処理結果として得られる閉多角形状又は建物データなどが出力部102から外部出力される。
【0038】
グラフ変換部103は、入力部101を介して入力された頂点数の多い閉多角形などの2次元形状をグラフへ変換する。ローパス・フィルタ108は、このグラフのローパス・フィルタ処理を行なう。そして、頂点抽出部104は、ローパス・フィルタ処理後の2次元形状からより少ない頂点数で表現する処理を行なう。
【0039】
図5には、このデータ処理システム100上で実現される、頂点数の多い閉多角形などの2次元形状から特徴を抽出して、より少ない頂点数で表現する処理を行なうデータ処理の動作手順をフローチャートの形式で示している。
【0040】
まず、基準線を求める(ステップS1)。図6には、基準線を求める様子を示している。
【0041】
ここでは、多角形を構成する頂点40の列の平均をとることにより、重心30を求める。次いで、重心から最も離れた位置にある頂点41を求める。ここで、重心30からこの頂点41へ向かうベクトルを参照番号31で示しておく。そして、重心30から各頂点へ向かうベクトルのうち、参照番号31で示すベクトルとの内積が負になる頂点群35のうちその長さが最大になるもの33を求める。このときの頂点を参照番号44で表す。
【0042】
ここで、重心30から最も離れた位置にある頂点41を基準点とし、重心30から各頂点へ向かうベクトルのうち、重心から基準点に向かうベクトルとの内積が負の最大値となるときの頂点44を第2の基準点とする。そして、基準点40と第2の基準点44を結ぶ線分33を、この閉多角形の「基準線」と呼ぶことにする。
【0043】
次いで、基準線33の一端、すなわち基準点41を開始点とし(ステップS2)、開始点から各頂点に向かうベクトルを求め(ステップS3)、基準線33と個々のベクトルのなす角とベクトル長を取得する(ステップS4,S5)。そして、グラフ変換部103が、開始点から始めて順番に横軸に並べることによって関数化する(ステップS6)。
【0044】
図7には、基準線33の一端すなわち基準点41を開始点とし、開始点から各頂点に向かうベクトルが基準線となす角とベクトル長を求める様子を示している。
【0045】
同図に示す例では、基準点41を開始点とし、第2の基準点44へ向かうベクトル33が基準線であり、参照番号42,43,45,46で示される各頂点毎に、開始点41から向かうベクトルが基準線となす角θiとベクトル長riを求める。但し、添え字iは開始点からの順番(ベクトル番号)である。
【0046】
また、図8には、グラフ変換部103が、各頂点毎に得られた基準線33となす角及びベクトル長を、横軸に順番(ベクトル番号に従って)に並べて関数化する様子を示している。同図の上段は、開始点からの頂点列に従ってベクトル長の変化を示すグラフであり、同図の下段は、開始点からの頂点列に従って基準線とのなす角の変化を示すグラフである。
【0047】
次いで、求めた関数に対してローパス・フィルタ108を適用することによって、関数に含まれる高周波成分を除去する(ステップS7)。
【0048】
ローパス・フィルタ108は、例えば、フーリエ変換により関数の横軸(頂点列)を周波数軸に変換し(ステップS7−1)、周波数軸上の高周波数成分を除去してから(ステップS7−2)、逆フーリエ変換により周波数軸を元の頂点列に戻す(ステップS7−3)ことにより行なわれる。図9には、ローパス・フィルタ108を施した後の関数を示しているが、高周波数成分がなくなっていることが判る。ローパス・フィルタにおけるカットオフ周波数を変更することにより、削減する頂点数をコントロールすることができる、という点を充分理解された。
【0049】
次いで、頂点抽出部104が関数の極値を頂点として抽出し(ステップS8)、この頂点列から多角形を再構成する(ステップS9)。
【0050】
図10には、ステップS8において、頂点抽出部104が関数の極値を探索して頂点として取得するためのより詳細な処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0051】
まず始めに、グラフの最大値と最小値を示す位置を頂点とし(ステップS11)、頂点列へ登録する(ステップS12)。
【0052】
次いで、頂点列から隣接する頂点組を取り出す(ステップS13)。ここで、頂点組がない場合は(ステップS14)、この処理ルーチン全体を終了する。
【0053】
次いで、隣接する頂点組内に極値が存在するかどうかを判別する(ステップS15)。隣接する頂点組内に極値がない場合は、ステップS13に戻り、頂点列から次の隣接頂点組を取り出す。
【0054】
隣接する頂点組内に極値が存在する場合には、頂点間に直線を張り(ステップS16)、この直線から最も離れている部分を頂点とする(ステップS17)。
【0055】
この後、ステップS12に戻り、上述と同様の処理手順を繰り返し実行する。
【0056】
図11には、関数の極値を頂点として抽出する様子を示している。関数の最大値61と最小値62に当たる点を求め、これらを頂点としている。次いで、頂点61から頂点62へ直線52,54を張り、最大離点63,64を頂点として取得している。
【0057】
また、図12には、上述したような処理手続きに従って抽出された頂点が示す関数から、多角形を再構成する様子を示している。
【0058】
元の閉多角形を構成する各頂点が、基準点として求められた2つの頂点41及び44を結ぶ基準線33とのなす角及びベクトル長に基づいて、頂点を再構成する。これによって、図12に示すように、4つの頂点61〜64が作られ、多角形22が構成される。
【0059】
[追補]
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0060】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、観測領域から抽出される建物などの形状をより頂点数の少ない閉多角形として取り扱うことができる、優れたデータ処理システム及び方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0061】
本発明によれば、多様な多角形状に対して頂点数を削減することができる。また、ローパス・フィルタにおけるカットオフ周波数を変更することにより、削減する頂点数をコントロールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2次元平面上に高さ情報がマッピングされている様子を示した図である。
【図2】都市部における土地傾斜と建物領域を含む観測領域の一例を示した図である。
【図3】微小セルの集合として抽出された建物領域の様子を示した図である。
【図4】頂点数の多い閉多角形などの2次元形状から特徴を抽出して、より少ない頂点数で表現する処理を行なうデータ処理システムの機能構成を模式的に示した図である。
【図5】頂点数の多い閉多角形などの2次元形状から特徴を抽出して、より少ない頂点数で表現する処理を行なうデータ処理の動作手順を示したフローチャートである。
【図6】基準線を求める様子を示した図である。
【図7】基準線33の一端すなわち基準点41を開始点とし、開始点から各頂点に向かうベクトルが基準線となす角とベクトル長を求める様子を示した図である。
【図8】各頂点毎に得られた基準線33となす角及びベクトル長を横軸に順番に並べて関数化する様子を示した図である。
【図9】ローパス・フィルタ108を施した後の関数を示した図である。
【図10】関数の極値を探索して頂点として取得するためのより詳細な処理手順を示したフローチャートである。
【図11】関数の極値を頂点として抽出する様子を示した図である。
【図12】抽出された頂点が示す関数から多角形を再構成する様子を示した図である。
【符号の説明】
100…データ処理システム
101…入力部
102…出力部
103…グラフ変換部
104…頂点抽出部
105…CPU
106…RAM
107…ROM
108…ローパス・フィルタ
109…バス
【発明の属する技術分野】
本発明は、地表に分布する高さ情報を基に地表の3次元的な形状の抽出を行なうデータ処理システム及び方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、飛行機や衛星などを用いて上空から地上に向けてレーザを照射することによって得られた平面に分布する高さ情報を基に地勢情報を抽出するデータ処理システム及び方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、複数点において高さ情報がサンプリングされた観測領域から建物などの所定の観測点を抽出するデータ処理システム及び方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、観測領域から抽出される建物などの形状をより頂点数の少ない閉多角形として取り扱うデータ処理システム及び方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0003】
【従来の技術】
昨今の情報技術の革新に伴い、さまざまな情報コンテンツがコンピュータ上で作成・編集され、情報蓄積、情報配信などのサービスが行われるようになってきた。例えば、建物や道路などの地図情報や地理情報がコンピュータ上で統合されて、道案内や観光案内など地図画像を利用した地域情報提供サービスが行なわれている。また、GPS(Global Positioning System)などで検出されたユーザの現在位置情報を利用して、車や船舶あるいは歩行者などの移動体に対するリアルタイムのナビゲーション・サービスなども提供されている。
【0004】
地図又は地理情報は、地表での測量によって得られる他、飛行機や衛星などを利用して上空からの観察結果を基に作成することができる。最近では、飛行機や衛星などを用いて、上空から地上に向けてレーザを照射することによって計測された地表の高さ情報を基に地表の3次元形状を算出することもできる。地図は一般に正射投影であるのに対して、航空写真や衛星写真は中心投影である。上空から測定された高さ情報に対して地理的な誤差を補正し、正確な地理情報を与えてオルソ化することにより、地図上の各観測点に高さ情報をマッピングすることができる。以下、本明細書中では、2次元平面上の各観測点に高さ情報がマッピングされたデータのことを「標高点データ」と呼ぶ。
【0005】
地図情報は基本的には2次元平面的な位置情報であるが、このような標高点データと統合することにより、地形の起伏などの地勢情報を扱うことができる。この結果、ナビゲーション・システムなどにおいては地形の起伏や景観などを考慮して、立体的、3次元的な地図画像を表示することができるなど、より高品位な地図情報表示サービスを提供することができる。あるいは、このような3次元的な地図情報を、治水シミュレーションなどの公共サービス、仮想空間を利用したシステムへ適用することができる。
【0006】
また、高さ情報の他の利用形態として、建物の3次元形状の作成を挙げることができる。すなわち、2次元平面上に分布する高さ情報を基に地上に存在する建造物を検出することにより建物の立地領域を取得して、これに含まれる高さ情報を平滑化した高さを求め、この高さ分だけ建物の立地領域を引き上げることによって、建物の3次元形状を作成することができる。
【0007】
例えば、2次元平面上にマッピングされた高さ情報と建物・道路地図から個々の建物の外観情報を作成する技術について提案がなされている(非特許文献1を参照のこと)。建物・道路地図において、指定された建物領域に対する高さ情報を取得し、同領域内の高さ分布に対して、観測データの連結した部分集合に当てはまる平面を取得していき、すべての観測データを平面に割り当てた後、これらの平面を連結して、建物モデルとして単連結の多面体を作成する。これによって、建物の立地領域の影響を除去して、3次元地形情報と、平面の集合によって構成された個々の建物情報を取得することができる。
【0008】
このとき、建物の屋根などのポリゴン構成平面を取り出すために、観測領域をセルに分割した後、分割したセル間で回帰平面を作り、回帰平面の誤差が所定の式一以下であれば同一平面として同定するという処理を繰り返し実行していく。
【0009】
この際、観測領域内の建物の領域は、微小セルの集合として抽出される。言い換えれば、建物領域は頂点数の多い閉多角形として構成されるので、データ量が膨大となってしまう。このため、抽出形状をより少ない頂点数で表現する必要がある。
【0010】
例えば、予想される抽出形状をあらかじめテンプレートとして持っておき、テンプレートとの誤差が最小となるようにテンプレートのパラメータを調整するという手法が考えられる。
【0011】
しかしながら、このような方法では、あらかじめ予想される形状以外を抽出することはできない。また、複数のテンプレートがある場合、どのテンプレートを適用するかという基準が曖昧である。
【0012】
【非特許文献1】
特願2002−89967
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、複数点において高さ情報がサンプリングされた観測領域から建物などの所定の観測点を好適に抽出することができる、優れたデータ処理システム及び方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0014】
本発明のさらなる目的は、観測領域から抽出される建物などの形状をより頂点数の少ない閉多角形として取り扱うことができる、優れたデータ処理システム及び方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、多数の頂点からなる複雑な閉多角形をより頂点数の少ない閉多角形として表現するデータ処理システム又は方法であって、
多数の頂点からなる複雑な閉多角形の基準線を求める手段又はステップと、
該基準線の一端を開始点とし、開始点から各頂点に向かうベクトルが該基準線となす角とベクトル長を関数化する手段又はステップと、
開始点から各頂点に向かうベクトルが該基準線となす角及びベクトル長の関係を表す該関数に含まれる高周波数成分を除去する手段又はステップと、
該関数の極値を頂点として抽出する手段又はステップと、
該抽出された頂点列に基づいて多角形を再構成する手段又はステップと、
を具備することを特徴とするデータ処理システム又は方法である。
【0016】
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
【0017】
本発明の第1の側面に係るデータ処理システム又は方法によれば、多様な多角形状に対して頂点数を削減することができるので、観測領域から抽出される建物などの形状をより頂点数の少ない閉多角形として取り扱うことができる。また、ローパス・フィルタにおけるカットオフ周波数を変更することにより、削減する頂点数をコントロールすることができる。
【0018】
ここで、前記の基準線を求める手段またはステップは、多数の頂点からなる複雑な閉多角形の頂点列の平均をとることによってその重心位置を求め、該重心から最も離れた位置にある頂点を基準点として求め、該重心から各頂点へ向かうベクトルのうち、該重心から該基準点に向かうベクトルとの内積が負の最大値となるときの頂点を第2の基準点として求め、該基準点と該第2の基準点を結ぶ線分を閉多角形の基準線として抽出するようにしてもよい。
【0019】
また、前記の関数に含まれる高周波数成分を除去する手段又はステップは、フーリエ変換により関数の横軸を周波数軸に変換し、該周波数軸の高周波数成分を除去し、逆フーリエ変換により周波数軸を元の横軸に戻すようにしてもよい。
【0020】
また、前記の関数の極値を頂点として抽出する手段又はステップは、該関数の最大値と最小値の位置を頂点とし、頂点列から隣接する頂点組を取り出し、該隣接する頂点組内に存在する極値が存在する場合に、頂点間に直線を張り、該直線から最も離れている部分を頂点として抽出するようにしてもよい。
【0021】
また、本発明の第2の側面は、多数の頂点からなる複雑な閉多角形をより頂点数の少ない閉多角形として表現するためのデータ処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
多数の頂点からなる複雑な閉多角形の基準線を求めるステップと、
該基準線の一端を開始点とし、開始点から各頂点に向かうベクトルが該基準線となす角とベクトル長を関数化するステップと、
開始点から各頂点に向かうベクトルが該基準線となす角及びベクトル長の関係を表す該関数に含まれる高周波数成分を除去するステップと、
該関数の極値を頂点として抽出するステップと、
該抽出された頂点列に基づいて多角形を再構成するステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0022】
本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1の側面に係るデータ処理システム又はその方法と同様の作用効果を得ることができる。
【0023】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0025】
図1には、2次元平面上に高さ情報がマッピングされている様子を示している。同図に示す2次元平面は、平野部、山岳部、郊外、都心などの地表面を表わし、xy各方向に一定間隔で高さ情報(標高点データ)が取得され、各点(x,y)におけるz座標値として表わされている。ここで言うx及びy各軸は例えば緯度や経度に相当する。
【0026】
このような高さ情報を含んだ2次元平面情報は、例えば、飛行機や衛星などを利用して、上空からの地表への測距により、広域的に直接且つ容易に得ることができる。上空から測定された高さ情報に対して地理的な誤差を補正し、正確な地理情報を与えてオルソ化することにより、地図上の各観測点に高さ情報をマッピングすることができる。
【0027】
図1に示すような高さ情報がマッピングされている2次元平面は、擬似的に地形の起伏などを表わしている。但し、標高点データの観測領域には一般に土地の傾斜が含まれるが、飛行機や衛星などの上空からの測距により直接得られた標高点データにはこのような土地傾斜に関する情報を含んでいない。また、都市部などにおいては、道路領域や建物領域が混在しているが、標高点データ自体から建物領域かどうかを識別することはできない。
【0028】
図2には、都市部における土地傾斜と建物領域を含む観測領域の一例を示している。同図において、参照番号41で示される観測領域中で灰色表示の多角形部分は建物領域であり、また、それ以外の白色表示の部分は道路に相当する。
【0029】
このような観測領域を上空から測距することによって、各観測点において建物の屋上又は道路表面の標高点データを採取することができる。
【0030】
このとき、建物の屋根などのポリゴン構成平面を取り出すために、観測領域をセルに分割した後、分割したセル間で回帰平面を作り、回帰平面の誤差が所定の式一以下であれば同一平面として同定するという処理を繰り返し実行していく。この結果、観測領域内の建物の領域は、微小セルの集合として抽出される。
【0031】
図3には、微小セル21の集合として抽出された建物領域の様子を示している。図示の通り、建物領域は頂点数の多い閉多角形22として構成されるので、抽出形状をより少ない頂点数で表現する必要がある。
【0032】
図4には、このように頂点数の多い閉多角形などの2次元形状から特徴を抽出して、より少ない頂点数で表現する処理を行なうデータ処理システムの機能構成を模式的に示している。
【0033】
メイン・コントローラであるCPU(Central Processing Unit)105は、オペレーティング・システム(OS)の制御下で、各種のアプリケーションを実行する。本実施形態では、CPU105は、頂点数の多い閉多角形などの2次元形状から特徴を抽出して、より少ない頂点数で表現する処理を行なうデータ処理アプリケーションを実行することができる。図示の通り、CPU105は、バス109によって他の機器類(後述)と相互接続されている。
【0034】
主メモリとしてのRAM(Random Access Memory)106は、CPU105において実行されるプログラム・コードをロードしたり、実行プログラムの作業データを一時保管したりするために使用される半導体メモリである。例えば、頂点数の多い閉多角形などの2次元形状から特徴を抽出して、より少ない頂点数で表現する処理を行なうデータ処理アプリケーションなどが実行プログラムとして主メモリ106にロードされる。また、データ処理に使用する標高点データやその他の中間データ、データ処理結果として得られる閉多角形状又は建物データなどが作業データとして主メモリ106に一時的に格納される。
【0035】
また、ROM(Read Only Memory)107は、データを恒久的に格納する半導体メモリであり、例えば、起動時の自己診断テスト(POST:Power On Self Test)や、ハードウェア入出力用のプログラム・コード(BIOS:Basic Input/Output System)などが書き込まれている。
【0036】
入力部101は、例えば、ネットワーク・インターフェースやCD/DVD読取装置、あるいはキーボード/マウスなどのユーザ入力装置で構成され、外部から当該システム100へデータを入力するために使用される。本実施形態では、データ処理に使用する標高点データや頂点数の多い閉多角形などの2次元形状が入力部101から取り込まれる。
【0037】
出力部102は、例えば、ディスプレイやプリンタ、ネットワーク・インターフェース、CD/DVD書き込み装置などで構成され、当該システム100内での演算処理結果を外部に出力するために使用される。本実施形態では、データ処理結果として得られる閉多角形状又は建物データなどが出力部102から外部出力される。
【0038】
グラフ変換部103は、入力部101を介して入力された頂点数の多い閉多角形などの2次元形状をグラフへ変換する。ローパス・フィルタ108は、このグラフのローパス・フィルタ処理を行なう。そして、頂点抽出部104は、ローパス・フィルタ処理後の2次元形状からより少ない頂点数で表現する処理を行なう。
【0039】
図5には、このデータ処理システム100上で実現される、頂点数の多い閉多角形などの2次元形状から特徴を抽出して、より少ない頂点数で表現する処理を行なうデータ処理の動作手順をフローチャートの形式で示している。
【0040】
まず、基準線を求める(ステップS1)。図6には、基準線を求める様子を示している。
【0041】
ここでは、多角形を構成する頂点40の列の平均をとることにより、重心30を求める。次いで、重心から最も離れた位置にある頂点41を求める。ここで、重心30からこの頂点41へ向かうベクトルを参照番号31で示しておく。そして、重心30から各頂点へ向かうベクトルのうち、参照番号31で示すベクトルとの内積が負になる頂点群35のうちその長さが最大になるもの33を求める。このときの頂点を参照番号44で表す。
【0042】
ここで、重心30から最も離れた位置にある頂点41を基準点とし、重心30から各頂点へ向かうベクトルのうち、重心から基準点に向かうベクトルとの内積が負の最大値となるときの頂点44を第2の基準点とする。そして、基準点40と第2の基準点44を結ぶ線分33を、この閉多角形の「基準線」と呼ぶことにする。
【0043】
次いで、基準線33の一端、すなわち基準点41を開始点とし(ステップS2)、開始点から各頂点に向かうベクトルを求め(ステップS3)、基準線33と個々のベクトルのなす角とベクトル長を取得する(ステップS4,S5)。そして、グラフ変換部103が、開始点から始めて順番に横軸に並べることによって関数化する(ステップS6)。
【0044】
図7には、基準線33の一端すなわち基準点41を開始点とし、開始点から各頂点に向かうベクトルが基準線となす角とベクトル長を求める様子を示している。
【0045】
同図に示す例では、基準点41を開始点とし、第2の基準点44へ向かうベクトル33が基準線であり、参照番号42,43,45,46で示される各頂点毎に、開始点41から向かうベクトルが基準線となす角θiとベクトル長riを求める。但し、添え字iは開始点からの順番(ベクトル番号)である。
【0046】
また、図8には、グラフ変換部103が、各頂点毎に得られた基準線33となす角及びベクトル長を、横軸に順番(ベクトル番号に従って)に並べて関数化する様子を示している。同図の上段は、開始点からの頂点列に従ってベクトル長の変化を示すグラフであり、同図の下段は、開始点からの頂点列に従って基準線とのなす角の変化を示すグラフである。
【0047】
次いで、求めた関数に対してローパス・フィルタ108を適用することによって、関数に含まれる高周波成分を除去する(ステップS7)。
【0048】
ローパス・フィルタ108は、例えば、フーリエ変換により関数の横軸(頂点列)を周波数軸に変換し(ステップS7−1)、周波数軸上の高周波数成分を除去してから(ステップS7−2)、逆フーリエ変換により周波数軸を元の頂点列に戻す(ステップS7−3)ことにより行なわれる。図9には、ローパス・フィルタ108を施した後の関数を示しているが、高周波数成分がなくなっていることが判る。ローパス・フィルタにおけるカットオフ周波数を変更することにより、削減する頂点数をコントロールすることができる、という点を充分理解された。
【0049】
次いで、頂点抽出部104が関数の極値を頂点として抽出し(ステップS8)、この頂点列から多角形を再構成する(ステップS9)。
【0050】
図10には、ステップS8において、頂点抽出部104が関数の極値を探索して頂点として取得するためのより詳細な処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0051】
まず始めに、グラフの最大値と最小値を示す位置を頂点とし(ステップS11)、頂点列へ登録する(ステップS12)。
【0052】
次いで、頂点列から隣接する頂点組を取り出す(ステップS13)。ここで、頂点組がない場合は(ステップS14)、この処理ルーチン全体を終了する。
【0053】
次いで、隣接する頂点組内に極値が存在するかどうかを判別する(ステップS15)。隣接する頂点組内に極値がない場合は、ステップS13に戻り、頂点列から次の隣接頂点組を取り出す。
【0054】
隣接する頂点組内に極値が存在する場合には、頂点間に直線を張り(ステップS16)、この直線から最も離れている部分を頂点とする(ステップS17)。
【0055】
この後、ステップS12に戻り、上述と同様の処理手順を繰り返し実行する。
【0056】
図11には、関数の極値を頂点として抽出する様子を示している。関数の最大値61と最小値62に当たる点を求め、これらを頂点としている。次いで、頂点61から頂点62へ直線52,54を張り、最大離点63,64を頂点として取得している。
【0057】
また、図12には、上述したような処理手続きに従って抽出された頂点が示す関数から、多角形を再構成する様子を示している。
【0058】
元の閉多角形を構成する各頂点が、基準点として求められた2つの頂点41及び44を結ぶ基準線33とのなす角及びベクトル長に基づいて、頂点を再構成する。これによって、図12に示すように、4つの頂点61〜64が作られ、多角形22が構成される。
【0059】
[追補]
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0060】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、観測領域から抽出される建物などの形状をより頂点数の少ない閉多角形として取り扱うことができる、優れたデータ処理システム及び方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0061】
本発明によれば、多様な多角形状に対して頂点数を削減することができる。また、ローパス・フィルタにおけるカットオフ周波数を変更することにより、削減する頂点数をコントロールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2次元平面上に高さ情報がマッピングされている様子を示した図である。
【図2】都市部における土地傾斜と建物領域を含む観測領域の一例を示した図である。
【図3】微小セルの集合として抽出された建物領域の様子を示した図である。
【図4】頂点数の多い閉多角形などの2次元形状から特徴を抽出して、より少ない頂点数で表現する処理を行なうデータ処理システムの機能構成を模式的に示した図である。
【図5】頂点数の多い閉多角形などの2次元形状から特徴を抽出して、より少ない頂点数で表現する処理を行なうデータ処理の動作手順を示したフローチャートである。
【図6】基準線を求める様子を示した図である。
【図7】基準線33の一端すなわち基準点41を開始点とし、開始点から各頂点に向かうベクトルが基準線となす角とベクトル長を求める様子を示した図である。
【図8】各頂点毎に得られた基準線33となす角及びベクトル長を横軸に順番に並べて関数化する様子を示した図である。
【図9】ローパス・フィルタ108を施した後の関数を示した図である。
【図10】関数の極値を探索して頂点として取得するためのより詳細な処理手順を示したフローチャートである。
【図11】関数の極値を頂点として抽出する様子を示した図である。
【図12】抽出された頂点が示す関数から多角形を再構成する様子を示した図である。
【符号の説明】
100…データ処理システム
101…入力部
102…出力部
103…グラフ変換部
104…頂点抽出部
105…CPU
106…RAM
107…ROM
108…ローパス・フィルタ
109…バス
Claims (9)
- 多数の頂点からなる複雑な閉多角形をより頂点数の少ない閉多角形として表現するデータ処理システムであって、
多数の頂点からなる複雑な閉多角形の基準線を求める手段と、
該基準線の一端を開始点とし、開始点から各頂点に向かうベクトルが該基準線となす角とベクトル長を関数化する手段と、
開始点から各頂点に向かうベクトルが該基準線となす角及びベクトル長の関係を表す該関数に含まれる高周波数成分を除去する手段と、
該関数の極値を頂点として抽出する手段と、
該抽出された頂点列に基づいて多角形を再構成する手段と、
を具備することを特徴とするデータ処理システム。 - 前記の基準線を求める手段は、
多数の頂点からなる複雑な閉多角形の頂点列の平均をとることによってその重心位置を求め、
該重心から最も離れた位置にある頂点を基準点として求め、
該重心から各頂点へ向かうベクトルのうち、該重心から該基準点に向かうベクトルとの内積が負の最大値となるときの頂点を第2の基準点として求め、
該基準点と該第2の基準点を結ぶ線分を閉多角形の基準線として抽出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。 - 前記の関数に含まれる高周波数成分を除去する手段は、
フーリエ変換により関数の横軸を周波数軸に変換し、
該周波数軸の高周波数成分を除去し、
逆フーリエ変換により周波数軸を元の横軸に戻す、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。 - 前記の関数の極値を頂点として抽出する手段は、
該関数の最大値と最小値の位置を頂点とし、
頂点列から隣接する頂点組を取り出し、
該隣接する頂点組内に存在する極値が存在する場合に、頂点間に直線を張り、該直線から最も離れている部分を頂点として抽出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。 - 多数の頂点からなる複雑な閉多角形をより頂点数の少ない閉多角形として表現するデータ処理方法であって、
多数の頂点からなる複雑な閉多角形の基準線を求めるステップと、
該基準線の一端を開始点とし、開始点から各頂点に向かうベクトルが該基準線となす角とベクトル長を関数化するステップと、
開始点から各頂点に向かうベクトルが該基準線となす角及びベクトル長の関係を表す該関数に含まれる高周波数成分を除去するステップと、
該関数の極値を頂点として抽出するステップと、
該抽出された頂点列に基づいて多角形を再構成するステップと、
を具備することを特徴とするデータ処理方法。 - 前記の基準線を求めるステップ出は、
多数の頂点からなる複雑な閉多角形の頂点列の平均をとることによってその重心位置を求め、
該重心から最も離れた位置にある頂点を基準点として求め、
該重心から各頂点へ向かうベクトルのうち、該重心から該基準点に向かうベクトルとの内積が負の最大値となるときの頂点を第2の基準点として求め、
該基準点と該第2の基準点を結ぶ線分を閉多角形の基準線として抽出する、
ことを特徴とする請求項5に記載のデータ処理方法。 - 前記の関数に含まれる高周波数成分を除去するステップでは、
フーリエ変換により関数の横軸を周波数軸に変換し、
該周波数軸の高周波数成分を除去し、
逆フーリエ変換により周波数軸を元の横軸に戻す、
ことを特徴とする請求項5に記載のデータ処理方法。 - 前記の関数の極値を頂点として抽出するステップでは、
該関数の最大値と最小値の位置を頂点とし、
頂点列から隣接する頂点組を取り出し、
該隣接する頂点組内に存在する極値が存在する場合に、頂点間に直線を張り、該直線から最も離れている部分を頂点として抽出する、
ことを特徴とする請求項5に記載のデータ処理方法。 - 多数の頂点からなる複雑な閉多角形をより頂点数の少ない閉多角形として表現するためのデータ処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
多数の頂点からなる複雑な閉多角形の基準線を求めるステップと、
該基準線の一端を開始点とし、開始点から各頂点に向かうベクトルが該基準線となす角とベクトル長を関数化するステップと、
開始点から各頂点に向かうベクトルが該基準線となす角及びベクトル長の関係を表す該関数に含まれる高周波数成分を除去するステップと、
該関数の極値を頂点として抽出するステップと、
該抽出された頂点列に基づいて多角形を再構成するステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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