JP4385244B2 - 地形形状抽出方法、地形形状抽出システム及びプログラム - Google Patents

地形形状抽出方法、地形形状抽出システム及びプログラム Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、与えられた標高分布情報から地形形状を抽出する技術に関し、特に、3次元データとして与えられた標高分布情報から地形形状を抽出することができる地形形状抽出システム、地形形状抽出方法及びそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
標高分布情報は、地表面上の各点についてその標高値を保持した情報であり、例えば、航空機や人工衛星など上空から撮像した複数の画像からのステレオ画像処理(ステレオマッチング処理)や、レーザプロファイラを使用して航空機や衛星からレーザを照射することで各地点での位置、標高を測定する方法などによって、取得されている。このような標高分布情報は、上空からの計測によるものなので、建物等があればその建物の屋上の標高値を示しており、建物などの地物がある場合には必ずしも地形そのものを表わしているわけではない。以下の説明においては、標高分布情報とは、2次元座標上の各点に対応してその標高値を有するデジタル形式で表わされたデータのことを指すものとする。なお、このような標高分布情報のことをDEM(Digital Elevation Map)ともいう。このDEMに関し、国土交通省国土地理院が発行している等高線図から得られる等高線情報をもとに生成する方法も知られている。
【0003】
ところで、土地利用計画の立案などに際し、コンピュータグラフィクス(CG)によって建物(現在存在する建物あるいは将来建設するかもしれない建物)を表示させる場合、建物や樹木などがないとした場合の地形データに基づいて原地形を再現し、その上に、建物などを表示させることになる。航空写真や衛星写真からステレオ画像処理によって標高分布情報を取得した場合や、上空からのレーザ計測によって標高分布情報を取得した場合には、これらの標高分布情報には建物などの地物の影響が含まれており、こうした標高分布情報から、建物などの影響を取り除いた地形形状を抽出する処理を行い、地形の起伏を表わす数値地形モデルとしての標高分布情報を作成する必要がある。
【0004】
標高分布情報から地形形状を抽出する地形形状抽出システムは、都市景観等の3次元グラフィクス表示のためや、地形変化の調査、災害などのシミュレーションの基本データとして用いられている。
【0005】
従来の地形形状生成システムの一例が、例えば、特開平8−129636号公報(特許第2623449号明細書)に示されている。この特開平8−129636号公報に記載された地形モデル作成装置は、等高線を用いて数値化地形モデルを出力する装置であり、等高線データを格納する等高線データ格納部と、初期地形データを作成する初期地形データ作成プログラム部と、流水線またはその近傍に沿って入力地形モデルの標高値を平滑化する作用素の作用プログラムが格納される平滑化プログラム部と、境界条件を設定するプログラムが格納された境界条件設定プログラム部と、この装置により生成された数値化地形データを格納する数値化地形データ格納部と、OS(オペレーティングシステム)等の制御プログラムを格納する制御プログラムを格納する制御プログラム部と、を備えている。この装置では、等高線データを用いて初期地形を生成し、流水線またはその近傍に沿って標高値を平滑化する作用素を地形モデルに作用させる。そしてこの平滑化処理を規定回数繰り返すことにより数値化地形モデルを作成し、出力するようにしている。
【0006】
また、栗崎直子ほか、「航空機レーザー計測点とデジタル画像を利用した3次元都市モデルの作成」、2000年、地理情報システム学会講演論文集、第9巻、235〜238頁には、航空機に搭載されたレーザ計測装置(レーザプロファイラ)によって3次元の地表面データを取得し、ノイズ処理やフィルタリングによって地形を抽出する手法が開示されている。この手法では、レーザ計測点から高さ画像を作成し、ハイパスフィルタ(高周波成分通過フィルタ)処理を施すことによって構造物や樹木の領域をマスクする。さらに、道路付近でマスクがかかっている領域についてはマスクをはずしたり、マスクがかかっている領域のうち、周囲のマスクのかかっていない領域との標高差が小さいものについてはマスクをはずすなどの処理を行う。これらの処理の結果、マスクがかかっていない領域は地形を表わすことなる。また、マスクがかかっている領域に対しては、周囲のマスクのかかっていない領域のレーザ点を内挿することで標高を計算し、地形モデルを生成する。これらのフィルタ処理は、画像に対するフーリエ(Fourier)変換処理に基づいている。
【0007】
さらに、特開2002−157576号公報には、ステレオ画像処理によって得られたDEM画像を、地図情報を用いて補正した例が開示されている。この公報には、例えば、地図情報において道路領域とされた部分については平滑化処理を行ったり、海洋とされたところについては一様に標高を「0」とすることが開示されている。
【0008】
特開平11−085012号公報には、DEMデータなどに基づいて地形データを表示する際の表示方法の一例が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特開平8−129636号公報に記載された方法では、実測により得られた等高線をもとに地形データを作成していることから、等高線データの作成されていない地域の地形モデルを作成することができない、という問題点がある。大縮尺地図が整備されていない地域(領域)のみならず、大縮尺地図が一般的には整備されている地域であっても、最近の土地開発等による地形の改変を反映した等高線データを入手することが困難な場合がある。また、等高線の間隔は、通常、最小でも標高差にして数m程度であるから、この方法では、それより細かい地形形状を抽出することができない。また、作用素の選択や、作用素のパラメータは、その地域に関する詳細な情報が必要であり、その地域に精通していない人には作用素の選択やパラメータの選択が妥当かどうか判断するのは困難であるという課題もある。
【0010】
一方、上述した栗崎らの論文に記載された手法では、地形が急激に変化している断崖や絶壁や、底面積の大きな建物が存在する地域では、ハイパスフィルタの設定が非常に難しい。すなわち、断崖や絶壁の付近では、標高値変化に関する空間周波数が非常に高いため、そういった地形がハイパスフィルタによってマスクされ、地形モデルが滑らかになってしまうという問題がある。また、底面積の大きな建物が存在する場合、その建物を除去するためには、低い周波数のハイパスフィルタも利用しなければならないため、本来存在する地形の起伏までが除去されてしまう可能性がある。
【0011】
そこで本発明の目的は、等高線がない領域であっても、複数の航空写真からステレオマッチング処理による高さ情報や、航空機に搭載されたレーザープロファイラによって計測される高さ情報によって、建物等の影響を排して地形を表わした標高分布情報を生成することができる地形形状抽出システムを提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、単純なパラメータの設定によって、地形を表わした標高分布情報を容易に生成することができる地形形状抽出システムを提供することにある。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、地形の詳細な形状を保持しながら地形を表わした標高分布情報を生成することができる地形形状抽出システムを提供することにある。
【0014】
本発明のまたさらに他の目的は、地図情報を用いることで、さまざまな地域に柔軟に対応し、地形を表わした標高分布情報を生成することができる地形形状抽出システムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の地形形状抽出方法は、与えられた標高分布情報から地形形状を抽出する地形形状抽出方法であって、処理標高を基準に標高分布情報を解析することにより非地面領域を検出する非地面領域検出処理と、処理標高を基準に当該検出した非地面領域の標高値を変更する非地面領域除去処理と、を有し、非地面領域検出処理と非地面領域除去処理とを各処理標高ごとに行うことを特徴とし、あるいは、処理標高を基準に標高分布情報を解析することにより標高分布情報を各領域に分割し、当該分割された領域が非地面領域か否かを判定する非地面領域検出処理と、処理標高を基準に非地面領域であると判定された領域の標高値を変更する非地面領域除去処理と、を有し、非地面領域検出処理と非地面領域除去処理とを各処理標高ごとに行うことを特徴とする。
【0016】
具体的な一例として本発明の地形形状抽出方法は、与えられた標高分布情報から地形形状を抽出する地形形状抽出方法であって、非地面領域検出手段が、設定された処理標高を基準として領域分割を行うことにより、与えられた標高分布情報において、処理標高を基準として標高分布情報における標高の高い領域または低い領域を抽出する第1の段階と、非地面領域検出手段が、抽出された領域の面積に基づいて抽出された領域が非地面領域か否かを判定する第2の段階と、非地面領域であると判定された場合には、非地面領域除去手段が、標高分布情報におけるその領域内の各点の標高値を変更する第3の段階と、を有する。
【0017】
本発明は、ある標高面で標高分布情報を切断することを考えると、その標高面よりも低い位置の地面上にあってその標高面よりも高い標高を有する建物や樹木は、孤立した小さな領域として検出されるであろうことを利用している。地形形状は建物や樹木に比べて大局的に変化するから、例えば適切な面積しきい値を定めると、その面積しきい値以下の面積を有する領域は建物や樹木である、と判定することができる。建物や樹木であると判定された領域(非地面領域)については、その標高値をそのときの処理標高で書き換えることによって、後述するように、建物や樹木による影響を取り除くことができる。
【0018】
本発明においては、上記の第1の段階において、処理標高を基準として標高分布情報を二値化し、二値化された標高分布情報を二値画像とみなしてその二値化された標高分布情報に対してラベリング処理を行い、相互に独立した領域として処理標高を超える領域を抽出する処理を行うようにすることが好ましい。
【0019】
また、最小値と最大値との間で処理標高が順次変化するように、第1の段階から第3の段階までの処理を繰り返して実行することが好ましい。処理標高の刻みを小さくしてこのように繰り返して実行することにより、より細かく地形形状を抽出することができる。
【0020】
さらに本発明では、与えられた標高分布情報に含まれるノイズを除去する段階を設け、ノイズが除去された標高分布情報に対して第1乃至第3の段階が実行されるようにすることが好ましく、与えられた標高分布情報における各点の分布を二次元座標平面上で各座標軸方向に等間隔に整列化させる段階をさらに設け、整列化された標高分布情報に対してノイズを除去する段階が実行されるようにすることが好ましい。
【0021】
またさらに本発明では、地図情報を利用することにより、より正確に地形形状を抽出することができる。例えば、地図情報を参照して得られた結果に基づいて、抽出された領域が非地面領域か否かを判定するようにすることができ、標高分布情報において非地面領域であると判定された領域内の各点の標高値を、地図情報を参照して得られた標高値に書き換えることができ、地図情報における抽出された領域に最も近い建物形状ポリゴンを検索し、抽出された領域の面積と検索された建物形状ポリゴンの面積の比に基づいて、抽出された領域が非地面領域であるか否かを判定するようにすることができる。
【0022】
本発明の地形形状抽出システムは、与えられた標高分布情報から地形形状を抽出する地形形状抽出システムであって、処理標高を基準に標高分布情報を解析することにより非地面領域を検出する非地面領域検出手段と、処理標高を基準に当該検出した非地面領域の標高値を変更する非地面領域除去手段と、を有し、非地面領域検出手段と非地面領域除去手段とが、各処理標高ごとに処理を行うことを特徴とし、あるいは、処理標高を基準に標高分布情報を解析することにより標高分布情報を各領域に分割し、当該分割された領域が非地面領域か否かを判定する非地面領域検出手段と、処理標高を基準に非地面領域であると判定された領域の標高値を変更する非地面領域除去手段とを有し、非地面領域検出手段と非地面領域除去手段とが各処理標高ごとに処理を行うことを特徴とする。
【0023】
具体的な一例として本発明の地形形状抽出システムは、与えられた標高分布情報から地形形状を抽出する地形形状抽出システムであって、設定された処理標高を基準として領域分割を行うことにより、与えられた標高分布情報において、処理標高を基準として標高分布情報における標高の高い領域または低い領域を抽出し、抽出された領域ごとにその領域の面積に基づいてその領域が非地面領域か否かを判定する非地面領域検出手段と、非地面領域であると判定された領域に対して標高分布情報におけるその領域内の各点の標高値を変更する非地面領域除去手段と、を有する。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
《第1の実施形態》
図1に示す本発明の第1の実施形態の地形形状抽出システムは、大別すると、処理に必要なパラメータを入力するパラメータ入力装置100と、建物等の影響を含む標高分布情報(DEM)を処理して地形形状を表わす標高分布情報を出力するDEM処理装置200と、処理対象の標高分布情報を格納するDEM記憶装置300と、処理結果を出力するDEM出力装置400と、を備えている。ここでDEM記憶装置300には、航空機や衛星に搭載されたレーザープロファイラにより測定された各地点の位置、標高を表わした3次元座標データや、航空機や人工衛星などにより上空から撮像した複数の画像からステレオ画像処理によって生成された3次元座標データが、標高分布情報として格納されている。
【0026】
DEM処理装置200には、DEM記憶装置300からさまざまな種類の標高分布情報を読み込み、それを整列化された標高分布情報(以下、整列化標高分布情報という)に変換するDEM読み込み部210と、整列化標高分布情報に対してノイズ除去などの補正を行うDEM補正部220と、補正が行われた整列化標高分布情報から地形形状を表わした整列化標高分布情報を生成する地形抽出部230と、が設けられている。
【0027】
ここで標高分布情報について説明する。標高分布情報は、上述したように、地表面における2次元座標(例えば平面直角座標)上での各点ごとに、その点での標高値を表わしたデジタルデータであって、航空写真や衛星写真からのステレオマッチング処理、あるいは、上空からのレーザプロファイラによるレーザ計測によって取得されるものである。ここで、それぞれの標高データに対応する各点の2次元座標平面上での分布は、特にレーザ計測によって取得された標高分布情報の場合には、一様でない。本実施形態による地形形状抽出では、以下の説明から明らかなように領域の面積を求めているので、面積の算出が容易となるように、各標高データに対応する各点が、2次元座標平面(xy平面)におけるxy方向にそれぞれ等間隔で並んでいることが好ましい。そこで、適切な補間処理などを行うことにより、標高分布情報における各データ点が、xy方向にそれぞれ等間隔の格子点として配列するようにしている。このように等間隔の格子点として配列された標高分布情報のことを整列化標高分布情報と呼ぶ。
【0028】
整列化標高分布情報は、2次元平面上の等間隔に配置された格子点に対し、それら格子点の標高値を有するデジタルデータであるから、この標高値を画素値と読み替えることによって(さらに必要に応じて各点の標高値を正規化することによって)、グレイスケール(白黒濃淡階調)のデジタル画像データとみなすことができる。すなわち、整列化標高分布情報は、グレイスケールのデジタル画像と同じデータ構造を有しており、DEM画像とも呼ばれることになる。そこで本実施の形態では、整列化標高分布情報に対して、画像処理分野で知られているような処理を施すことによって、地形形状を抽出するようにしている。
【0029】
一般に、整列化標高分布情報は、地表面における矩形の領域に対応して生成される。そこで、整列化標高分布情報での縦横方向の格子点の数(DEM画像として考えれば縦横方向それぞれの画素数)をまとめてDEM画像サイズと呼び、整列化標高分布情報(DEM画像)に対応する地表面上での領域をDEM画像領域と呼ぶ。
【0030】
さらに、標高分布情報において、地面や水面の標高値ではなく建物や樹木などによる標高値が示されていると考えられる領域のことを非地面領域と呼ぶ。
【0031】
地形抽出部230は、地形抽出処理を行う標高の範囲(処理対象の標高の下限と上限)を設定する処理標高範囲設定部231と、反復処理での各回において処理する標高(処理標高)を処理標高範囲設定部231で設定された標高の範囲内で設定する処理標高設定部232と、整列化標高分布情報において処理標高面に存在する非地面領域を検出する非地面領域検出部233と、非地面領域が検出されたときに、整列化標高分布情報におけるその領域の標高値を変更することで、整列化標高分布情報から建物や樹木などの影響を除去する非地面領域除去部234と、を備えている。
【0032】
以下、この地形形状抽出システムの細部について説明する。
【0033】
パラメータ入力装置100は、DEM読み込み部210によってDEM記憶装置300から標高分布情報を読み込む際に読み込むべき地理的範囲(DEM画像領域)の指定や読み込み後の整列化標高分布情報(DEM画像)におけるDEM画像サイズを入力したり、DEM画像補正部220で行うDEM画像補正方法を決定したり、処理標高範囲設定部231で設定する処理標高の範囲や変化量などを設定したり、非地面領域検出部233で用いる面積しきい値を設定したりするために、用いられる。後述するように、典型的には、パラメータ入力装置100としては、パーソナルコンピュータのキーボードなどが用いられる。
【0034】
DEM読み込み部210は、DEM記憶装置300に記憶されている標高分布情報を整列化標高分布情報に変換してから読み込む。例えば、DEM記憶装置300に記憶されている標高分布情報が、レーザープロファイラにより測定された3次元座標データである場合を考えると、DEM読み込み部210は、パラメータ入力装置100で設定されたDEM画像領域とDEM画像サイズによってDEM画像と地上との対応関係が求まるから、整列化標高分布情報における各格子点に対応した位置のレーザ計測点をDEM記憶装置から読み出し、読み出されたレーザ計測点の標高値をその画素の標高値とする。ここで整列化標高分布情報の格子点に対応するレーザ計測点が存在しない場合には、近傍の計測点のうち数点を用いて補間することでその格子点の標高値を計算することができる。もちろん、DEM記憶装置300に記憶されている標高分布情報がそもそも整列化標高分布情報である場合には、DEM読み込み部300は、さらなる変換を行うことなく、そのままその整列化標高分布情報を読み込むことになる。
【0035】
DEM画像補正部220は、パラメータ入力装置100で指定されたDEM画像補正方法により、画像処理技術を応用して、DEM読み込み部210で生成された整列化標高分布情報(DEM画像)に存在するノイズの除去などを行う。DEM画像補正部220は、例えば、平滑化フィルタやメディアンフィルタなどを施すことにより、整列化標高分布情報に存在する胡麻塩状のノイズ(画像としてみたときに胡麻塩状に見えるノイズのこと)を除去することができる。
【0036】
DEM出力装置400は、地形抽出部230で生成された地形形状の標高を表わした整列化標高分布情報を、CG技術を用いた視覚化によってディスプレイ上に出力したり、3次元座標の点データに変換されてフレキシブルディスクなどの記録媒体に記録したり、ビットマップ画像として記憶媒体に記録したりする。
【0037】
次に、地形抽出部230についてさらに詳細に説明する。
【0038】
処理標高範囲設定部231は、パラメータ入力装置100によって入力された標高の範囲や変化量を、処理標高の範囲や変化量として設定する。あるいは、処理標高範囲設定部231は、DEM画像補正部220で補正された整列化標高分布情報における標高分布を調べて、処理標高の範囲や変化量を設定してもよい。例えば、処理対象の整列化標高分布情報での各点の標高値を調べ、その最高値から最低値までを、処理を行う標高の範囲とし、そのようにして決定された標高の範囲をパラメータ入力装置100で設定された分割数で割った商を変化量とする。
【0039】
処理標高設定部232は、処理標高範囲設定部231によって設定された標高の範囲及び変化量によって、その範囲内での最低値から最高値、あるいは最高値から最低値にかけて、順次、処理する標高値を変化させ、処理標高を設定する。
【0040】
そして、非地面領域検出部233は、処理標高設定部232で設定された処理標高で整列化標高分布情報に対し二値化処理を行って二値化標高分布情報を生成し、この二値化標高分布情報において画像処理技術におけるラベリング処理を行うことよって領域分割を行い、分割された領域のうち、パラメータ入力装置100で設定された面積しきい値以下の面積の領域を非地面領域として検出する。そして、非地面領域除去部234は、整列化標高分布情報の各点のうち、非地面領域として抽出された領域内の各点の標高値を、その時点で処理標高設定部232に設定されている標高に書き換える。面積しきい値の単位としては、ここでは単純に領域に含まれる点(画素)の数を用いる。なお、ラベリング処理はレベル付け処理とも呼ばれる画像処理分野では公知の手法であり、例えば、安居院猛、長尾智晴、「画像の処理と認識」、昭晃堂、1992年などに記載されている。
【0041】
二値化標高分布情報は、整列化標高分布情報と同じ数の点を有し、各点が“0”または“1”の値を有するものである。上述したように整列化標高分布情報はグレイスケールの画像とみなすことができるが、この二値化標高分布情報は、整列化標高分布情報に対応するグレイスケール画像に対して、処理標高をしきい値とする二値化処理を行って生成される二値画像として扱えるものである。
【0042】
このような非地面領域検出部233と非地面領域除去部234での処理は、処理標高設定部232が、順次、処理標高を設定するたびに行われ、処理標高が処理標高範囲設定部231で設定された範囲を外れるようになった場合には、その時点の整列化標高分布情報がDEM出力装置400に出力され、DEM出力装置400は、建物や樹木等の影響が除去された整列化標高分布情報(DEM画像)の出力処理を行う。
【0043】
図2(a)は、整列化標高分布情報の一例を示している。数字がそれぞれ記載された小正方形の領域は、DEM画像における各画素、すなわち整列化標高分布情報における各点に対応している。ここでは、8×8の格子点(画素)に対する標高値が示されている。ここで処理標高設定部232によって設定されている処理標高が50であり、非地面領域検出部233での面積しきい値が4であるとする。
【0044】
図2(a)の整列化標高分布情報に対して二値化処理を行うと、図2(b)に示すような二値化標高分布情報(二値画像)が得られる。図2(b)では、標高が50よりも高い点(画素)を“1”、標高が50以下の点を“0”としている。このような二値化標高分布情報に対してラベリング処理を行って、領域を分割した結果が、図2(c)に示されている。図2(c)では、同じ文字の点(画素)は同じ領域に属していることを表わしており、領域A、領域B、領域C、領域Dに分割されていることが示されている。そして、このようにして検出された領域のうち、パラメータ入力装置100で設定された面積しきい値(この例では4)以下の面積をもつ領域を非地面領域として検出する。図2(c)では、非地面領域は領域Bとなる。
【0045】
次に、非地面領域除去部234は、整列化標高分布情報中の各点のうち、非地面領域検出部233で非地面領域として検出された領域中の点の標高を、処理標高設定部232で設定されたその時点での処理標高に設定する。図2(c)に示した例では、領域Bが非地面領域であるため、領域Bに属する点(画素)の標高値は処理標高の50に設定され、その結果、整列化標高分布情報は図2(d)に示すようになる。
【0046】
結局、図2に示す例では、領域Bの各点は、それぞれ標高値が60であったが、非地面領域として検出されたため、標高値が50に書き換えられている。続けて処理標高の値を変えて上述の処理を繰り返したとしても、領域Bであった部分の周辺の各点の標高値も50であるため、領域Bであった部分が独立の領域として再度検出されることはなく、結局、領域Bであった部分の標高値は50のままで変化しない。
【0047】
ここで、面積しきい値の設定方法について説明する。本発明の地形形状抽出システムは、より少ないパラメータを用いて地形形状を抽出することを目標としており、そのため、面積しきい値についても、対象としている地域が市街地における中心商業地域なのか、郊外住宅地なのか、農村地域なのか、あるいは山間部なのかによらず、同一の値を使うことが可能である。しかしながら、一般的に、大型の建造物は平坦地に建設され、傾斜地には小型の建造物しか建設されない傾向にあるから、例えば、オペレータによって、その地域における典型的な建造物を標高分布情報内で領域として選択し、その選択された領域の面積(に適宜の係数を乗じたもの)を面積しきい値として採用することができる。後述するように、地図情報を用いて面積しきい値を選択するように構成することもできる。
【0048】
次に、図3のフローチャートを参照して、図1に示す地形形状抽出システムの動作を説明する。
【0049】
まず、ステップA1において、パラメータ入力装置100により、DEM取り込み部210が標高分布情報を整列化標高分布情報に変換して取り込む際に必要なDEM画像サイズ及びDEM画像領域を設定し、DEM画像補正部220が整列化標高分布情報を補正する際に用いる補正処理方法の選択及び補正処理に必要なパラメータを設定し、処理標高範囲設定部231で必要な処理を行うための標高の範囲及び変化量等を設定し、非地面領域検出部233で必要な面積しきい値を設定する。そして、DEM読み込み部210は、DEM記憶装置300に格納されている各種の標高分布情報からステップA1で設定されたDEM画像領域に対応した標高分布情報を取り出し(ステップA2)、指定されたDEM画像サイズの整列化標高分布情報に変換して読み込む(ステップA3)。読み込まれた整列化標高分布情報に対し、DEM補正部220は、パラメータ入力装置100で指定された処理方法やパラメータにより、ノイズの除去等の補正処理を行う(ステップA4)。
【0050】
次に、処理標高範囲設定部231は、ステップA1で設定された標高の範囲及び変化量を、処理を行う標高値の範囲及び変化量として設定する(ステップA5)。その際、処理標高範囲設定部231は、整列化標高分布情報における標高値の分布を調べ、最低値から最高値までを処理を行う標高の範囲としてもよいし、ステップA1で設定された分割数でその範囲を分割した値を変化量としてもよい。
【0051】
処理標高設定部232は、ステップA5で設定された範囲の標高の最高値あるいは最低値から、順次高さを変更しながら、処理を行う標高値を設定する(ステップA6)。ここではステップA5で設定された標高範囲の最高値から最低値に向けて、ステップA5で設定した変化量ずつ、順次、標高値を設定していくものとする。上述したように、処理標高設定部232によって設定されている標高値を処理標高と呼ぶ。
【0052】
非地面領域検出部233は、ステップA6において設定された処理標高で、整列化標高分布情報に対して二値化処理を行って二値化標高分布情報を生成し(ステップA7)、作成された二値化標高分布情報に対してラベリング処理を行い、領域に分割する(ステップA8)。例えば、処理標高よりも高い領域を“1”、それ以下の領域を“0”として二値化標高分布情報を作成し、隣り合う画素の値が同じ場合は同一の領域として考え、領域分割を行う。非地面領域検出部233は、このようにして得られた各領域のうち、その面積がステップA1で設定された面積しきい値以下のものを非地面領域として検出する(ステップA9)。
【0053】
非地面領域が検出されると、非地面領域除去部234は、検出された非地面領域に対応する、整列化標高分布情報の各点(画素)の標高値を、その時点での処理標高に変更する(ステップA10)。
【0054】
続いて、ステップA11において、次に処理を行う標高値(次に処理標高設定部232が設定すべき処理標高)がステップA5で設定された範囲内かどうかを調べ、範囲内であればステップA6に戻ってステップA6からA11までの処理を繰り返し、範囲外であればステップA12に移行する。
【0055】
ステップA12において、DEM出力装置400は、地形抽出部200において上述のようにして非地面領域を除去された整列化標高分布情報を、例えば、CG技術によって視覚化してディスプレイに出力したり、3次元座標の点データに変換しフレキシブルディスクなどの記録媒体に記録したり、ビットマップ画像として記憶媒体に記録したりする。以上により、地形形状抽出処理が完了する。
【0056】
なお、以上説明した処理において二値化処理を行っているのは、画像処理技術の分野において、領域分割のためのラベリング処理は、元来、二値画像に対して定義されているためである。処理標高以上あるいは処理標高以下の領域を抽出するために、他の領域分割方法を使用するのであれば、二値化処理は必ずしも必要な処理ではない。
【0057】
図4は、アルゴリズムの観点から、ここで述べた地形形状抽出の処理を示すフローチャートであり、(a)は標高の最低値HLから最高値HUに向けて処理標高Hを順次変化させた場合の処理を示しており、(b)は標高の最高値HUから最低値HLに向けて処理標高Hを順次変化させた場合の処理を示している。なお上記のステップA6からA11までに対応する処理の反復実行の各回間での処理標高の変化量をΔHとする。
【0058】
図4(a)に示す処理では、まず、初期設定として、処理標高Hを標高の最低値HLとし(ステップB1)、画像分割の手法を用いて整列化標高分布情報において処理標高Hよりも標高の高い領域を抽出し(ステップB2)、抽出された領域のうちその面積が面積しきい値以下である領域を非地面領域として検出する(ステップB3)。そして、検出された非地面領域内の各点の標高値を処理標高Hに書き換え(ステップB4)、処理標高HをΔHだけ増加させる(ステップB5)。ΔHだけ増加した処理標高Hが標高の最高値HL以下であるかを判定し(ステップB6)、H≦HLであればステップB2に戻り、H>HLであれば処理を終了する。
【0059】
処理標高H以上の領域を抽出する処理としては、二値化処理とラベリング処理とを組み合わせた方法のほか、画像処理技術において領域分割及び領域抽出のために用いられている各種の方法を使用することができる。
【0060】
図4(b)に示す処理では、まず、初期設定として、処理標高Hを標高の最高値HUとし(ステップB7)、画像分割の手法を用いて整列化標高分布情報において処理標高Hよりも標高の高い領域を抽出し(ステップB8)、抽出された領域のうちその面積が面積しきい値以下である領域を非地面領域として検出する(ステップB9)。そして、検出された非地面領域内の各点の標高値を処理標高Hに書き換え(ステップB10)、処理標高HをΔHだけ減少させる(ステップB11)。ΔHだけ減少した処理標高Hが標高の最低値HU以上であるかを判定し(ステップB12)、HU≦HであればステップB8に戻り、HU>Hであれば処理を終了する。
【0061】
図4(a)に示した最低値から最高値に向けて処理標高を順次増加させる場合と、図4(b)に示した最高値から最低値に向けて処理標高を順次減少させる場合とでは、処理としては同等であるが、図4(a)の場合には、非地面領域として検出された領域は、標高値が書き換えられたのち、再び非地面領域として検出抽出されることがないのに対し、図4(b)の場合には、非地面領域として検出された領域は、標高値が書き換えられても、その標高値が周囲の領域の標高と融合するまで、何度でも非地面領域として抽出され標高値の書き換えが行われる。
【0062】
上述した第1の実施形態の地形形状抽出システムにおいて、DEM処理装置200は、それを実現するためのコンピュータプログラム(DEM処理プログラム)を、パーソナルコンピュータなどの計算機に読み込ませ、そのプログラムを実行させることによっても実現できる。図5は、そのようにして構成した地形形状抽出システムを示している。
【0063】
図5に示す地形形状抽出システムは、パラメータ入力装置100、パーソナルコンピュータとして設けられたDEM処理装置200、DEM記憶装置300、DEM出力装置400を備え、さらにDEM処理プログラム700を記録した記録媒体を備える。この記録媒体は、磁気ディスク、半導体メモリ、CD−ROMその他の記録媒体であってよく、DEM処理プログラム700はこの記録媒体によってDEM処理装置(パーソナルコンピュータ)200に読み込まれる。図5に示すDEM処理装置200は、DEM処理プログラムの制御により、図1に示した地形形状抽出システムにおけるDEM処理装置200と同一の処理を実行する。なお、DEM処理プログラムは、記録媒体以外の手段によってもDEM処理装置(パーソナルコンピュータ)に読み込ませることができる。DEM処理プログラムは、例えば、ネットワークからダウンロードすることによって、DEM処理装置200に読み込まれる。
【0064】
次に、第1の実施形態の地形形状抽出システムを用いた地形形状抽出の実例を説明する。ここでは、パラメータ入力装置100としてキーボードを、DEM処理装置200としてパーソナルコンピュータを、DEM記憶装置300及びDEM出力装置400として磁気ディスク装置を備えている。パーソナルコンピュータは、DEM処理プログラムを実行することによってDEM読み込み部、DEM画像補正部及び地形抽出部として機能する中央処理装置(CPU)を有しており、また磁気ディスク記憶装置には、処理対象となる標高分布情報が記憶されている。
【0065】
ここでは、図6に示すように、傾斜のある地面500及びその地面上に建てられた建物510から構成される地形を考え、異なる撮影位置から撮影した2枚の航空写真をステレオ画像処理を行うことで生成された標高分布情報が磁気ディスク記憶装置に記憶されているものとする。
【0066】
標高分布情報は中央処理装置に読み込まれ、その結果、パラメータ入力装置によって指定されたDEM画像サイズ(幅、高さ)の整列化標高分布情報(DEM画像)が生成する。その後、この整列化標高分布情報に対してメディアンフィルタや平滑化フィルタなどを作用させてノイズ成分を除去し、その結果、図7(a)に示す整列化標高分布情報が生成される。図7では、整列化標高分布情報がグレイスケールの画像として表現されている。ここでは色調が暗い(黒い)方が低い標高値、明るい(白い)方が高い標高値に対応している。また、図7(a)の断面A−A’で切断した場合の断面図は図8のようになる。
【0067】
図8より、上記の整列化標高分布情報における最大標高がH5、最小標高がH1であることから、処理標高の範囲はH1からH5までとする。そして、パラメータ入力装置により、変化量ΔH、面積しきい値Tが設定されたとする。ここでは、H5からH1に向けて、処理標高HをΔHずつずらしながら処理を行うものとする。ここでは説明のため、最大標高H5と最小標高H1との間を4分割した高さを変化量ΔHとし、その結果、処理標高が、順次、H5、H4、H3、H2、H1と変化するようにしている。
【0068】
まずH5を処理標高として、整列化標高分布情報(図7(a))に対して二値化処理を施すと、図9(a)に示す二値化標高分布情報(二値画像)が得られる。図9では、処理標高よりも高い領域が白色、処理標高以下の領域が灰色で表現されている。図9(a)では、領域A1が検出され、ここでT<A1であるとすると、領域A1は非地面領域ではないため、非地面領域除去処理は行われない。すなわち、整列化標高分布情報における標高値の書き換えは行われない。
【0069】
次に、処理標高H4で整列化標高分布情報(図7(a))に二値化処理を施すと、図9(b)に示す二値化標高分布情報が得られる。図9(b)では、領域B1、B2、B3が検出され、ここでT<B1、T>B2、T<B3であるとすると、非地面領域はB2となる。その結果、図7(a)に示した整列化標高分布情報のうち、図9(b)の領域B2に対応した領域に属する点の標高値はH4に書き換えられ、その結果、整列化標高分布情報は図7(b)のようになる。
【0070】
次に、処理標高H3で整列化標高分布情報(図7(b))に二値化処理を施すと、図9(c)に示す二値化標高分布情報が得られる。図9(c)では、領域C1、C2、C3が検出され、ここでT<C1,T>C2,T<C3であるとすると、非地面領域は領域C2となる。ここでは、領域C2は、図9(b)における領域B2に対応している。領域C2が非地面領域として検出された結果、整列化標高分布情報におけるこの領域C2に対応した領域に属する点の標高値はH3と書き換えられ、その結果、整列化標高分布情報は図7(c)のようになる。
【0071】
次に、処理標高H2の高さで整列化標高分布情報(図7(c))に対して二値化処理が施され、図9(d)に示す二値化標高分布情報が得られる。図9(d)では、領域D1、D2が検出されるが、ここでT<D1,T<D2であるとすると、非地面領域の除去処理は行われない。
【0072】
同様に、処理標高H1において整列化標高分布情報に対して二値化処理を施すと、図9(e)に示す二値化標高分布情報が得られる。図9(e)では、領域E1が検出されているが、T<E1であるとすると、領域E1は非地面領域ではないため、非地面領域除去処理は行われない。
【0073】
結局、以上の処理により、入力した整列化標高分布情報(図7(a))から、非地面領域が除去され、地形形状を表わすものとされた整列化標高分布情報(図7(c))が生成される。図7(c)の整列化標高分布情報は、DEM出力装置に出力される。
【0074】
以上の処理において、変化量(処理標高の刻み値)ΔHをより小さくすることで、さらに精度よく地形形状をあらわした整列化標高分布情報を生成できることは明らかである。
【0075】
以上、本発明の第1の実施形態について説明したが、この実施の形態によれば、標高分布情報の種類を問わず整列化標高分布情報に変換し、少ない個数のパラメータを設定するだけで、自動的に非地面領域を検出し、除去することができる。このため、都市部を計測して得た標高分布情報であっても、山地を計測して得た標高分布情報であっても、基本的には計測地にかかわらず同じ処理を適用でき、地形形状を表わした整列化標高分布情報を取得することができる。また、非地面領域として検出した領域以外の領域に対しては、標高値を変化させるような操作は行なわれない。このため、地面領域として検出される地形の詳細な形状を保持しながら、地形を表わした整列化標高分布情報(DEM画像)を取得することができる。
【0076】
《第2の実施形態》
図10に示す本発明の第2の実施形態の地形形状抽出システムは、図1に示した地形形状抽出システムにおいて、地図情報を取得し、この地図情報を用いて非地面領域の検出を行えるようにしたものである。図10に示した地形形状抽出システムは、図1に示した地形形状抽出システムとは、地図情報読み出し部610及び地図情報記憶装置620からなる地図情報処理装置600を有し、地図情報が地図情報読み出し部610から非地面領域検出部233及び非地面領域除去部234に供給されるようになっている点で異なっている。また、パラメータ入力装置100は、地図情報読み出し部610に対し、読み出すべき地図情報の種類を指定できるようになっている。
【0077】
地図情報記憶装置620は、街区形状や建物形状を記述した多角形(ポリゴン)情報や、任意の地点あるいは任意の領域における土地属性情報などを記憶している。
【0078】
土地属性情報とは、場所や領域をあらわす点やポリゴンやベクトル情報と、その点やポリゴンやベクトルの属性をあらわす情報との組である。例えば、道路を表わす場合、道路の領域を表わすポリゴンと、「国道○○号線」などという文字列あるいは道路であることを識別する識別子などとが、組として格納されている。
【0079】
地図情報読み出し部610は、パラメータ入力装置100で指定された種類の地図情報を地図情報記憶装置620から読み出す。
【0080】
この第2の実施形態の地形形状抽出システムでは、非地面領域検出部233あるいは非地面領域除去部234は、地図情報読み出し部610で読み出された地図情報を用いて処理を行うことになる。以下、各種の地図情報を用いた非地面領域検出について説明する。
【0081】
地図情報として、パラメータ入力装置100により、建物形状ポリゴンが指定された場合には、地図情報読み出し部610は、地図情報記憶装置620から、建物形状ポリゴンを読み込む。
【0082】
非地面領域検出部233は、第1の実施形態の場合と同様に、整列化標高分布情報に対する二値化処理及びラベリング処理によって、領域分割を行う。さらに非地面領域検出部233は、分割された各領域に最も近い建物形状ポリゴンを取得し、対応する建物形状ポリゴンよりも面積がおおよそ小さい領域を非地面領域として検出する。あるいは、分割された各領域ごとに、その領域の面積とその領域に対応する建物形状ポリゴンの面積との比を算出し、(領域の面積)/(ポリゴンの面積)がしきい値(例えば1)以下であれば、その領域を非地面領域として検出する。このようにして非地面領域が検出されたら、非地面領域除去部234は、第1の実施形態の場合と同様に、その非地面領域に対応する各点の標高値をそのときの処理標高とすることにより、その非地面領域を除去する。
【0083】
図11は、二値化標高分布情報上での領域に最も近い建物形状ポリゴンを取得する処理を示す図である。建物形状ポリゴンも地図情報における領域と考えることができるから、この処理は、領域と領域との距離を求める処理に帰着する。ここで図に示すように領域A〜Dまでがあって、領域Aと他の領域(領域B〜D)までの距離(Lab、Lac、Lad)を考えるものとする。図11(a)に示したものは、各領域の重心(図において●で表示)間の距離をもって、領域間の距離としている。また、図11(b)は、一方の領域の辺と他方の領域の辺との距離のうちで最小のものをそれらの領域間の距離とすることを示している。領域間の距離の定義はこれら以外にも考えられるから、適宜の方法を選択することができる。また、これらの方法により二値化標高分布情報上での領域に最も近い建物形状ポリゴンを取得する際には、相互の包含関係を考慮することが好ましい。
【0084】
別の例として、パラメータ入力装置100により、地図情報として土地属性情報が指定された場合には、地図情報読み出し部610は、地図情報記憶装置620から、土地属性情報を読み込む。
【0085】
非地面領域検出部233は、第1の実施形態の場合と同様に、整列化標高分布情報に対する二値化処理及びラベリング処理によって、領域分割を行う。さらに非地面領域検出部233は、地図情報読み出し部610で読み出された土地属性情報のうち、分割された各領域に最も近い土地属性情報を取得し、その領域の属性が道路である場合、その領域を非地面領域として検出する。非地面領域除去部234は、第1の実施形態の場合と同様に、その非地面領域に対応する各点の標高値をそのときの処理標高とすることにより、その非地面領域を除去する。ここで道路を非地面領域として検出しているのは、一般に、道路上には、街路樹や電話ボックス、電柱などが多数存在するので、これらによる整列化標高分布情報への影響を一括して除去するためである。
【0086】
また、領域に最も近い土地属性情報が海である場合、非地面領域検出部233は、その領域を非地面領域として検出するとともに、非地面領域除去部234は、その領域の標高値を0[m]に設定する。必要に応じて、海面に対する領域の標高値は、その地域での標高の基準に合わせるようにしてもよい。ここで海の部分を強制的に標高値を例えば0[m]としているのは、ステレオマッチングなどで標高値を求めた場合、波の影響や光の反射の関係で、海面では必ずしも正しい標高値が得られるとは限らないためである。
【0087】
以上は、専ら地図情報を用いて非地面領域を検出する場合の例であるが、非地面領域検出部233は、パラメータ入力装置100で設定された面積しきい値とパラメータ入力装置100で指定された地図情報との両方を用いて、非地面領域を検出してもよい。
【0088】
例えば、パラメータ入力装置100により地図情報として建物形状ポリゴンが指定された場合、地図情報読み出し部610は地図情報記憶装置620から、建物形状ポリゴンを読み込む。非地面領域検出部233は、第1の実施形態の場合と同様に、分割された各領域のうち、まずパラメータ入力装置100で設定された面積しきい値より小さい領域(領域Aとする)を検出する。さらに、非地面領域検出部233は、その領域Aの面積が領域Aに最も近い建物形状ポリゴン(ポリゴンBとする)の面積よりも小さい場合には、領域Aを非地面領域として検出する。その後、非地面領域除去部234は、標高値を書き換えることによって、領域Aを除去する。
【0089】
また別の例では、パラメータ入力装置100により地図情報として建物形状ポリゴンが指定された場合、地図情報読み出し部610は地図情報記憶装置620から、建物形状ポリゴンを読み込む。非地面領域検出部233は、第1の実施形態の場合と同様に、分割された各領域のうち、まずパラメータ入力装置100で設定された面積しきい値より小さい領域(領域Cとする)と大きい領域(領域Dする)のうち、領域Cを非地面領域として検出する。さらに、非地面領域検出部233は、領域Dの面積が、その最も近い建物形状ポリゴン(ポリゴンEとする)よりも面積が小さい場合には、その領域Dも非地面領域として検出する。その後、非地面領域除去部234は、標高値を書き換えることにより、領域C、領域Dを除去する。
【0090】
次に、図12のフローチャートを参照して、図10に示す地形形状抽出システムの動作を説明する。
【0091】
まず、ステップC1において、パラメータ入力装置100により、利用すべき地図情報の種類が指定される。このとき、第1の実施形態と同様に、DEM画像サイズやDEM画像領域、整列化標高分布情報を補正する際に用いる補正処理方法の選択や補正処理に必要なパラメータ、標高の範囲や変化量なども設定される。また、必要に応じ、面積しきい値も設定する。
【0092】
次に、図3に示したフローチャートでのステップA2〜A8と同様に、標高分布情報をDEM記憶装置300から取り出して(ステップC2)、整列化標高分布情報に変換し(ステップC3)、整列化標高分布情報に対してノイズ除去等の補正を行い(ステップC4)、処理を行う標高の範囲を設定し(ステップC5)、その標高の範囲内で処理標高を設定し(ステップC6)、ステップC6において設定された処理標高で、整列化標高分布情報に対して二値化処理を行って二値化標高分布情報を生成し(ステップC7)、二値化標高分布情報に対してラベリング処理を行って領域に分割する(ステップC8)。
【0093】
次に、地図情報読み出し部610は、指定された種類の地図情報を地図情報記憶装置620から読み出し、それを非地面領域検出部233と非地面領域除去部234の少なくとも一方に供給する(ステップC9)。その後、非地面領域検出部233は、二値化標高分布情報における分割された各領域が非地面領域かどうかの判定を行う(ステップC10)。その際、第1の実施形態の場合と同様に、領域の面積が面積しきい値以下であることをもってその領域が非地面領域であると判定してもよいし、上述したように地図情報を用いて、対象とする領域が非地面領域かどうかを判定してもよいし、さらには面積しきい値による判定と地図情報に基づく判定とを組み合わせて非地面領域かどうかを判定してもよい。ここでは、面積しきい値自体を地図情報に応じて変化させるようにしてもよい。例えば、ステップC8で得られる各領域に最も近い建物形状情報をそれぞれ地図情報記憶装置620から読み出し、それぞれの建物形状の面積を各領域の面積しきい値とし、ステップC9で非地面領域かどうかの判定を行うようにしてもよい。
【0094】
非地面領域が検出されると、非地面領域除去部234は、検出された非地面領域に対応する、整列化標高分布情報の各点の標高値を書き換えることにより、非地面領域を除去する処理を実行する(ステップC11)。この場合、第1の実施形態と同様に、そのときの処理標高で標高値を書き換えてもよいし、地図情報から標高値が得られる場合には、地図情報による標高値で書き換えてもよい。
【0095】
続いて、ステップC12において、次に処理を行う標高値(次に処理標高設定部232が設定すべき処理標高)がステップC5で設定された範囲内かどうかを調べ、範囲内であればステップC6に戻ってステップC6からC12までの処理を繰り返し、範囲外であればステップC13に移行する。ステップC13では、DEM出力装置400が、上述のようにして非地面領域を除去された整列化標高分布情報を、第1の実施形態と同様に、出力したり記録したりする。以上により、地形形状抽出処理が完了する。
【0096】
上述した第2の実施形態の地形形状抽出システムにおいて、DEM処理装置200及び地図情報処理装置600は、それを実現するためのコンピュータプログラム(DEM処理プログラム及び地図情報処理プログラム)を、パーソナルコンピュータなどの計算機に読み込ませ、そのプログラムを実行させることによっても実現できる。図13は、そのようにして構成した地形形状抽出システムを示している。
【0097】
図13に示す地形形状抽出システムは、パラメータ入力装置100、パーソナルコンピュータとして設けられたDEM処理装置200、DEM記憶装置300、DEM出力装置400、地図情報処理装置600を備え、さらにDEM処理プログラム及び地図情報処理プログラム(両者をあわせてプログラム700とする)を記録した記録媒体を備える。この記録媒体は、磁気ディスク、半導体メモリ、CD−ROMその他の記録媒体であってよく、DEM処理プログラムはこの記録媒体によってDEM処理装置(パーソナルコンピュータ)200に読み込まれ、地図情報処理プログラムはこの記録媒体によって地図情報処理装置(パーソナルコンピュータ)600に読み込まれる。ここでは、DEM処理装置200と地図情報処理装置600とが相互に独立したものであるように描かれているが、単一のパーソナルコンピュータ上でDEM処理プログラムと地図情報処理プログラムの両方を実行させ、このパーソナルコンピュータがDEM処理装置200と地図情報処理装置600の両方として機能するようにすることもできる。さらに、DEM処理プログラム及び地図情報処理プログラムは、記録媒体以外の手段によってもパーソナルコンピュータに読み込ませることができる。DEM処理プログラム及び地図情報処理プログラムは、例えば、ネットワークからダウンロードすることによって、パーソナルコンピュータに読み込まれ、その結果、そのパーソナルコンピュータは、DEM処理装置200及び地図情報処理装置600として機能することになる。
【0098】
図13に示すDEM処理装置200は、DEM処理プログラムの制御により、図10に示した地形形状抽出システムにおけるDEM処理装置200と同一の処理を実行する。同様に図13に示す地図情報処理装置600は、地図情報処理プログラムの制御により、図10に示した地形形状抽出システムにおける地図情報処理装置600と同一の処理を実行する。
【0099】
次に、第2の実施形態の地形形状抽出システムを用いた地形形状抽出の実例を説明する。ここでは、パラメータ入力装置100としてキーボードを、DEM処理装置200及び地図情報処理装置600としてパーソナルコンピュータを、DEM記憶装置300、DEM出力装置400及び地図情報記憶装置620として磁気ディスク装置を備えている。パーソナルコンピュータは、DEM処理プログラムを実行することによってDEM読み込み部、DEM画像補正部、地形抽出部及び地図情報読み出し部として機能する中央処理装置(CPU)を有しており、また磁気ディスク記憶装置には、処理対象となる標高分布情報と地図情報とが記憶されている。ここでは、第1の実施形態の場合と同様に、図6に示した地形について考えることとする。
【0100】
第1の実施形態の場合と同様に、標高分布情報は中央処理装置に読み込まれ、その結果、パラメータ入力装置によって指定されたDEM画像サイズの整列化標高分布が生成する。その後、整列化標高分布情報のノイズ成分を除去し、その結果、図7(a)のDEM画像が生成されたものとする。ここでは、図8に示したように、整列化標高分布情報における標高の範囲がH1〜H5であることから、処理標高の範囲はH1〜H5とし、パラメータ入力装置で変化量ΔH、面積しきい値Tを設定する。
【0101】
次に、第1の実施形態と同様に、標高H5からΔHずつ処理標高を変化させながら処理を行う。処理標高がH4のときに、図9(b)に示す二値化標高分布情報が得られ、B1、B2、B3の3つの領域が検出される。ここで、第1の実施形態とは異なり、T<B1、T<B2、T<B3である場合を考える。また、地図情報記憶装置から読み出された、領域B2に最も近い建物形状ポリゴンが、図14の建物形状ポリゴン710であったものとする。
【0102】
建物形状ポリゴン710の面積がT’であって、T’>B2であるとき、非地面領域はB2となり、整列化標高分布情報における、領域B2に対応した領域の標高値がそのときの処理標高であるH4となる。
【0103】
同様に、領域B1、領域B3に近い建物形状ポリゴンが、それぞれ図14の建物形状ポリゴン710、建物形状ポリゴン720であって、それぞれの建物形状ポリゴン710、720の面積をT’、T”としたときに、T’<B1、T”<B2であれば、領域B1、B2は非地面領域としては検出されない。上記の処理を、H1〜H5の範囲で処理標高H5からΔHごとに行うことで、結果として、図7(c)に示すような整列化標高分布情報を取得できる。
【0104】
結局、以上の処理によって、建物の影響を含む整列化標高分布情報(図7(a))から、非地面領域が除去された整列化標高分布情報(図7(c))が生成されたことになる。地形形状を表わしている整列化標高分布情報(図7(c))は、DEM出力装置に出力される。
【0105】
第1の実施形態では、パラメータ入力装置100によって入力された面積しきい値のみを用いて非地面領域を検出していたが、この第2の実施形態では、地図情報も用いることで処理対象となる地域に合わせた処理パラメータ設定が行えるようになり、非地面領域判定処理の精度、非地面領域除去処理の精度が向上する。これにより、第2の実施形態によれば、さらに精度よく地形を表わした標高分布情報を生成することができる。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、面積しきい値や処理標高などの少ない数のパラメータを設定するだけで非地面領域を検出して除去することができ、地形を表わした標高分布情報を容易に生成することができるという効果がある。また、非地面領域ではないと判定された領域に対しては標高値を変えるような処理を行わないため、地形の詳細な形状を保持しながら、建物等の影響を排した標高分布情報を生成することができる。さらに本発明においては、地図情報を利用することにより、さまざまな地域に柔軟に対応し、精度よく地形を表わした標高分布情報を生成できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の地形形状抽出システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の地形形状抽出システムによる地形形状抽出の過程の一例を説明する図である。
【図3】第1の実施形態の地形形状抽出システムでの処理を説明するフローチャートである。
【図4】地形形状抽出の処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態の地形形状抽出システムの別の例を示すブロック図である。
【図6】地形の一例を示す斜視図である。
【図7】図6に示す地形に対応する整列化標高分布情報をグレイスケールの画像として表現した図である。
【図8】図7のA−A’線での断面として地形を表現する断面図である。
【図9】二値化標高分布情報を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態の地形形状抽出システムの構成を示すブロック図である。
【図11】最も近い建物形状ポリゴンを求める処理を説明する図である。
【図12】第2の実施形態の地形形状抽出システムでの処理を説明するフローチャートである。
【図13】第2の実施形態の地形形状抽出システムの別の例を示すブロック図である。
【図14】地図情報における建物形状ポリゴンの一例を示す図である。
【符号の説明】
100 パラメータ入力装置
200 DEM処理装置
210 DEM読み込み部
220 DEM画像補正部
230 地形抽出部
231 処理標高範囲設定部
232 処理標高設定部
233 非地面領域検出部
234 非地面領域除去部
300 DEM記憶装置
400 DEM出力装置
600 地図情報処理装置
610 地図情報読み出し部
620 地図情報記憶装置
700 プログラム

Claims (33)

  1. 与えられた標高分布情報から地形形状を抽出する地形形状抽出方法であって、
    非地面領域検出手段が、設定された処理標高を基準として領域分割を行うことにより、与えられた標高分布情報において、前記処理標高を基準として前記標高分布情報における標高の高い領域または低い領域を抽出する第1の段階と、
    非地面領域検出手段が、前記抽出された領域の面積に基づいて前記抽出された領域が非地面領域か否かを判定する第2の段階と、
    非地面領域であると判定された場合には、非地面領域除去手段が、前記標高分布情報における当該領域内の各点の標高値を変更する第3の段階と、
    を有する、地形形状抽出方法。
  2. 処理標高範囲設定手段が標高の最小値及び最大値と前記処理標高の変化量とを設定する段階と、前記最小値と前記最大値との間で前記変化量ずつ前記処理標高が変化するように処理標高設定手段が前記処理標高を設定する処理標高設定段階とを有し、前記処理標高設定段階で設定された各処理標高ごとに前記第1の段階から前記第3の段階までの処理を繰り返して実行する、請求項に記載の地形形状抽出方法。
  3. 前記与えられた標高分布情報に含まれるノイズをDEM補正手段が除去する段階を有し、前記ノイズが除去された標高分布情報に対して前記第1乃至第3の段階が実行される、請求項またはに記載の地形形状抽出方法。
  4. 前記与えられた標高分布情報における各点の分布をDEM読み込み手段が二次元座標平面上で各座標軸方向に等間隔に整列化させる段階をさらに有し、整列化された標高分布情報に対して前記ノイズを除去する段階が実行される、請求項に記載の地形形状抽出方法。
  5. 前記第2の段階において前記非地面領域検出手段は、前記抽出された領域の面積予め定められた面積しきい値との比較に応じて当該抽出された領域を非地面領域と判定する、請求項乃至のいずれか1項に記載の地形形状抽出方法。
  6. 前記第3の段階において前記非地面領域除去手段は、前記標高分布情報において非地面領域であると判定された領域内の各点の標高値を、前記処理標高で書き換える、請求項乃至のいずれか1項に記載の地形形状抽出方法。
  7. 前記第2の段階において前記非地面領域検出手段は、地図情報を格納する地図情報記憶手段から地図情報読み出し手段を介して前記地図情報を読み出して前記地図情報を参照し、前記地図情報中の少なくとも建物形状ポリゴンの面積を用いて面積しきい値を設定し、前記抽出された領域が非地面領域か否かを判定する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の地形形状抽出方法。
  8. 前記第3の段階において前記非地面領域除去手段は、標高に関する情報を含む地図情報を格納する地図情報記憶手段から地図情報読み出し手段を介して前記地図情報を読み出して参照し、前記標高分布情報において非地面領域であると判定された領域内の各点の標高値を、前記地図情報を参照して得られた標高値に書き換える、請求項7に記載の地形形状抽出方法。
  9. 前記第2の段階において前記非地面領域検出手段は、地図情報を格納する地図情報記憶手段から地図情報読み出し手段を介して前記地図情報を読み出して前記地図情報を参照し、前記地図情報における前記抽出された領域に最も近い建物形状ポリゴンを検索し、前記抽出された領域の面積と前記検索された建物形状ポリゴンの面積の比に基づいて、前記抽出された領域が非地面領域であるか否かを判定する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の地形形状抽出方法。
  10. 前記第1の段階において非地面領域検出手段は、前記処理標高を基準として前記標高分布情報を二値化し、二値化された標高分布情報を二値画像とみなして該二値化された標高分布情報に対してラベリング処理を行い、相互に独立した領域として前記処理標高を超える領域を抽出する、請求項乃至のいずれか1項に記載の地形形状抽出方法。
  11. 前記第の段階において前記非地面領域検出手段は、前記地図情報における前記抽出された領域に最も近い建物形状ポリゴンを検索し、前記抽出された領域の面積を用いて前記面積しきい値を設定し,前記抽出された領域が非地面領域であるか否かを判定する、請求項7に記載の地形形状抽出方法。
  12. 前記第の段階において前記非地面領域検出手段は、予め定められた面積しきい値と,前記地図情報における前記抽出された領域に最も近い建物形状ポリゴンを検索し、前記抽出された領域の面積を用いて求めた前記面積しきい値とに応じて前記抽出された領域が非地面領域であるか否かを判定する、請求項7に記載の地形形状抽出方法。
  13. 与えられた標高分布情報から地形形状を抽出する地形形状抽出システムであって、
    設定された処理標高を基準として領域分割を行うことにより、与えられた標高分布情報において、前記処理標高を基準として前記標高分布情報における標高の高い領域または低い領域を抽出し、前記抽出された領域ごとに当該領域の面積に基づいて当該領域が非地面領域か否かを判定する非地面領域検出手段と、
    非地面領域であると判定された領域に対して前記標高分布情報における当該領域内の各点の標高値を変更する非地面領域除去手段と、
    を有する、地形形状抽出システム。
  14. 前記処理標高を設定する処理標高設定手段と、標高の最小値及び最大値と前記処理標高の変化量とを設定する処理標高範囲設定手段を有し、前記最小値と前記最大値との間で前記変化量ずつ前記処理標高が変化するように前記処理標高設定手段が前記処理標高を設定し、各処理標高ごとに、前記非地面領域検出手段が前記領域の抽出と非地面領域か否かの判定を実行し、前記非地面領域除去手段が前記標高値の変更を実行する、請求項13に記載の地形形状抽出システム。
  15. 前記与えられた標高分布情報に含まれるノイズを除去するDEM補正手段を有し、前記ノイズが除去された標高分布情報が前記非地面領域検出手段に供給される、請求項13または14に記載の地形形状抽出システム。
  16. 前記与えられた標高分布情報を格納するDEM記憶装置と、前記DEM記憶装置から標高分布情報を取り出し、該取り出された標高分布情報における各点の分布を二次元座標平面上で各座標軸方向に等間隔に整列化させて前記DEM補正手段に供給するDEM読み込み手段と、をさらに有する請求項15に記載の地形形状抽出システム。
  17. 前記非地面領域検出手段は、前記抽出された領域の面積予め定められた面積しきい値との比較に応じて当該抽出された領域を非地面領域と判定する、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の地形形状抽出システム。
  18. 前記非地面領域除去手段は、前記標高分布情報において非地面領域であると判定された領域内の各点の標高値を、前記処理標高で書き換える、請求項13乃至17のいずれか1項に記載の地形形状抽出システム。
  19. 地図情報を格納する地図情報記憶装置と、該地図情報記憶装置から該当する地図情報を読み出す地図情報読み出し手段とを備え、前記非地面領域検出手段は、前記地図情報読み出し手段を介して読み出された地図情報を参照し、前記地図情報中の少なくとも建物形状ポリゴンの面積を用いて面積しきい値を設定し、前記抽出された領域が非地面領域か否かを判定する、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の地形形状抽出システム。
  20. 前記地図情報は標高に関する情報を含み、前記非地面領域除去手段は、前記標高分布情報において非地面領域であると判定された領域内の各点の標高値を、前記地図情報読み出し手段を介して読み出された地図情報を参照して得られた標高値に書き換える、請求項19に記載の地形形状抽出システム。
  21. 地図情報を格納する地図情報記憶装置と、該地図情報記憶装置から該当する地図情報を読み出す地図情報読み出し手段とを備え、前記非地面領域検出手段は、前記地図情報読み出し手段を介して読み出された地図情報を参照し、前記地図情報における前記抽出された領域に最も近い建物形状ポリゴンを検索し、前記抽出された領域の面積と前記検索された建物形状ポリゴンの面積の比に基づいて、前記抽出された領域が非地面領域であるか否かを判定する、請求項15乃至18のいずれか1項に記載の地形形状抽出システム。
  22. 前記非地面領域検出手段は、前記地図情報における前記抽出された領域に最も近い建物形状ポリゴンを検索し、前記抽出された領域の面積を用いて前記面積しきい値を設定し,前記抽出された領域が非地面領域であるか否かを判定する、請求項19に記載の地形形状抽出システム。
  23. 前記非地面領域検出手段は、予め定められた面積しきい値と,前記地図情報における前記抽出された領域に最も近い建物形状ポリゴンを検索し、前記抽出された領域の面積を用いて求めた前記面積しきい値とに応じて前記抽出された領域が非地面領域であるか否かを判定する、請求項19に記載の地形形状抽出システム。
  24. コンピュータに、
    設定された処理標高を基準として領域分割を行うことにより与えられた標高分布情報において、前記処理標高を基準として前記標高分布情報における標高の高い領域または低い領域を抽出する第1の処理と、
    前記抽出された領域の面積に基づいて前記抽出された領域が非地面領域か否かを判定する第2の処理と、
    非地面領域であると判定された場合には前記標高分布情報における当該領域内の各点の標高値を変更する第3の処理と、
    を実行させるプログラム。
  25. 前記コンピュータに、標高の最小値及び最大値と前記処理標高の変化量とを設定する処理を実行させ、前記最小値と前記最大値との間で前記変化量ずつ前記処理標高が変ながら前記第1の処理から前記第3の処理までの処理を繰り返して実行させる、請求項24に記載のプログラム。
  26. 前記コンピュータに、前記与えられた標高分布情報に含まれるノイズを除去する処理を実行させ、前記ノイズが除去された標高分布情報に対して前記第1乃至第3の処理を実行させる、請求項24または25に記載のプログラム。
  27. 前記コンピュータに、前記与えられた標高分布情報における各点の分布を二次元座標平面上で各座標軸方向に等間隔に整列化させる処理ををさらに実行させ、整列化された標高分布情報に対して前記ノイズを除去する処理を実行させる、請求項26に記載のプログラム。
  28. 前記第2の処理は、前記抽出された領域の面積予め定められた面積しきい値との比較に応じて当該抽出された領域を非地面領域と判定する処理である、請求項24乃至27のいずれか1項に記載のプログラム。
  29. 前記第3の処理は、前記標高分布情報において非地面領域であると判定された領域内の各点の標高値を、前記処理標高で書き換える、請求項24乃至28のいずれか1項に記載のプログラム。
  30. 前記第2の処理は、記憶装置に格納された地図情報を参照し、前記地図情報中の少なくとも建物形状ポリゴンの面積を用いて面積しきい値を設定し、前記抽出された領域が非地面領域か否かを判定する処理である、請求項24乃至27のいずれか1項に記載のプログラム。
  31. 前記第1の処理は、前記処理標高を基準として前記標高分布情報を二値化し、二値化された標高分布情報を二値画像とみなして該二値化された標高分布情報に対してラベリング処理を行い、相互に独立した領域として前記処理標高を超える領域を抽出する処理である、請求項24乃至30のいずれか1項に記載のプログラム。
  32. 前記第の処理において、前記地図情報における前記抽出された領域に最も近い建物形状ポリゴンを検索し、前記抽出された領域の面積を用いて前記面積しきい値を設定し,前記抽出された領域が非地面領域であるか否かを判定する、請求項30に記載のプログラム。
  33. 前記第の処理において、予め定められた面積しきい値と,前記地図情報における前記抽出された領域に最も近い建物形状ポリゴンを検索し、前記抽出された領域の面積を用いて求めた前記面積しきい値とに応じて前記抽出された領域が非地面領域であるか否かを判定する、請求項30に記載のプログラム。
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