JP4873933B2 - 樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂成形品に関し、さらに詳しく述べると、プラスチック材料から射出成形法もしくはブロー成形法によって成形された物品であって、前記物品の表面に、装飾模様面を有する装飾シートが一体的に成形されている樹脂成形品に関する。本発明の樹脂成形品は、家電製品、自動車用部品などとして有利に使用することができる。
周知の通り、家電製品や自動車部品などの多くは、プラスチック材料から射出成形法やブロー成形法といった樹脂成形によって製造されている。また、得られる樹脂成形品において、その表面の保護や商品価値の向上などのため、いろいろな手法で表面処理が施されている。
例えば、一般的に用いられている表面処理法に塗装法がある。この方法は、樹脂成形の完了後、得られた成形品に文字、キャラクター、絵柄等の装飾模様をスプレーなどで塗装することからなり、実施が容易である。しかし、この方法の場合、塗装ミストが周囲に飛散するという問題があり、また、塗料の溶解に使用した溶剤が環境に悪影響を生じるおそれもある。また、塗装法の場合、装飾模様の形状やパターンに制限があるということも重要な問題である。塗装法に代えて、印刷法を使用することも提案されている。この方法は、例えば、成形品の表面にグラビア印刷などによって直接的に装飾模様を印刷する方法や、別に用意した装飾模様印刷シートから装飾模様のみを成形品の表面に転写する方法を包含する。しかし、この方法の場合、成形品が複雑な形状を有すれば有するほど、装飾模様を正確なパターンで印刷することができないという問題がある。
これらの問題を解決するために最近提案されている方法に、フィルムインサート成形法がある。この方法は、1つの射出成形金型を用意し、その金型内で成形品と装飾模様付きフィルムを一体的に成形する方法である。成形品を金型から取り出すと、装飾模様を表面に備えた成形品が得られる。具体的には、常温では伸びにくいフィルムを真空成形により必要なサイズに延伸した後、射出成形金型に入れて成形する方法や、真空成形機能を備えた射出成形金型を使用して真空成形と射出成形を連続的に行う方法や、装飾模様付きフィルムを射出成形金型の型締め圧力でセットした後、フィルムをある程度伸ばした状態で射出成形を行う方法がある。例えば、特許文献1は、雌型と雄型との間に加飾シートを挟んで、雄型側より溶融樹脂を射出して、成形品表面に加飾シートが貼着された加飾成形品を得るインモールド成形方法において、成形品の外周部に鍔(つば)を設けるとともに、加飾シートを真空吸引により仮固定後に型締めを行い、その後に樹脂を射出して成形品を得る方法を開示している。
しかしながら、上記したフィルムインサート成形法のいずれの方法をもってしても、装飾模様付きフィルムはそのサイズが変わるものではないので(すなわち、用意したフィルムに関して、成形前の金型キャビティ上での状態から成形後の3次曲面をもつ成形品表面を覆っている状態への移行の際の延伸率自体を変えるものではないので)、フィルムが成形時に薄くなった場合に装飾模様やその色が変化してしまう、表面光沢が低下してしまう、フィルムにおいてクラックや破れが発生する、といった問題を避けることができない。このような問題は特に、成形品の形状が複雑な場合(例えば、深絞り成形品)や、フィルムの延伸率が大きい場合に著しい。
また、車両用モールディングをブロー成形によって製造する方法も提案されている(特許文献2)。この方法は、ブロー成形型を使用して中空のモール本体を形成すると同時に、そのモール本体の表面に外装フィルム層を接合するとともに、外装フィルム層の表面にさらに装飾体を付設することを特徴とする。外装フィルム層は、モール本体の表面に形成される「すじ」や「凹凸」を覆い、外観を美麗に保つ機能がある。しかし、この方法の場合にも、外装フィルム層における色変化や表面光沢の低下、クラックや破れの発生を防止することが困難である。
特開平6−344377号公報(特許請求の範囲) 特開平5−69783号公報(特許請求の範囲、段落0010)
本発明の目的は、上述のような従来の技術の問題点を解決して、フィルムインサート成形法で作られた模様や塗装色などによって装飾された樹脂成形品であって、深絞り成形品などのように複雑な形状を有するとともに、模様や色に変化が少なく、表面光沢の低下が防止されており、しかも装飾フィルムにおいてクラックや破れが発生していない樹脂成形品を提供することにある。
また、本発明の目的は、特に家電製品や自動車部品の製造に有用な樹脂成形品を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、装飾付きの樹脂成形品をフィルムインサート成形法で製造するためのものであって、深絞り成形品などのように複雑な形状を有する製品を模様や色の変化、表面光沢の低下、フィルムにおけるクラックや破れなどの発生を伴うことなく簡単に、しかも歩留まりよく製造することができる方法を提供することにある。
本発明のこれらの目的やその他の目的は、以下の詳細な説明から容易に理解することができるであろう。
本発明は、その1つの面において、プラスチック材料から樹脂成形法によって成形された物品であって、前記物品の表面に、露出されたもしくは透明性保護層下に見える模様や塗装色もしくはメッキ調等の装飾を有する装飾シートが一体的に成形されており、前記装飾シートが、前記物品の成形時、成形金型に予め配置された予備シートからフィルムインサート成形によって成形されたものであり、前記予備シートが、皺、ひだ、プリーツ、折り目などの付与やフィルム外周を保持する枠を押し縮めることなどにより前記装飾シートの面積より小さい投影面積を付与しかつそれを保った状態で前記成形金型に配置されたものであることを特徴とする樹脂成形品にある。
また、本発明は、そのもう1つの面において、模様、塗装色もしくはメッキ調等の装飾を有する装飾シートが一体的に成形され、かつ前記装飾が表面で露出しているかもしくは透明性保護層下に見える、プラスチック材料からなる樹脂成形品を製造するに当たって、
前記成形品を提供するのに必要な形状及び寸法を有するキャビティを備えた成形金型を用意し、
前記成形金型内の予め定められた位置に、前記装飾シートを提供するためのものであって、すでに形成された前記装飾を表面に有し、かつ、皺、ひだ、プリーツ、折り目などの付与やフィルム外周を保持する枠を押し縮めることなどにより前記装飾シートの面積より小さい投影面積を持つ状態に保った予備シートを、前記装飾を成形金型の内壁に対向させて配置し、
前記成形金型を閉じて、溶融されたプラスチック材料を成形金型のキャビティに射出もしくはブローして成形を行うこと
を特徴とする樹脂成形品の製造方法にある。
以下の詳細な説明から理解されるように、本発明によれば、深絞り成形品などのように三次元曲面やその他の複雑な形状を有し、しかも装飾模様付きの樹脂成形品をフィルムインサート成形法で簡単に、しかも歩留まりよく製造することができる。また、得られた樹脂成形品においては、今までの技術では予想されなかったことであるが、模様や色に変化が少なく、また、表面光沢の低下を減らし、しかもフィルムにおいてクラックや破れが発生することもない。
また、樹脂成形品は、上記のように商品価値を低下させる上述のような欠陥を生じることがなく、反対に製品の外観品質、意匠性などを向上させ、さらに設計の自由度を高めることができるので、特に家電製品や自動車部品の製造に有利に利用することができる。
以下、本発明をその好ましい実施の形態について説明する。なお、本発明の樹脂成形品は、常用の射出成形法もしくはブロー成形法を利用して製造することができる。例えば、射出成形法は、金型に溶融樹脂原料を樹脂圧で充填して所望の樹脂成形品を製造することができる。また、ブロー成形法は、溶融樹脂原料を金型内に密封した後、中空の内部に吹き込むエア圧を利用して樹脂を押し広げ、所望の樹脂成形品(中空体)を製造することができる。
図1は、本発明による射出成形品の好ましい1形態を示した斜視図であり、図2は、図1に示した射出成形品の線分II−IIに沿った断面図である。図示の射出成形品10は、円錐体の形をしており、その表面にカラー印刷による装飾模様3が付与されている。装飾模様3は、射出成形品10の表面に直接に印刷して付与したものではなく、図2に示されるように、プラスチック材料からなるベース1の外面に、装飾模様3を予め付与しておいたフィルム状基材2(本発明では、基材2と装飾模様3の組み合わせを特に装飾シート5と呼ぶ)を一体的に積層することによって形成されたものである。なお、本発明では、このような一体成形品は、射出成形法によって、特にフィルムインサート成形によって製造することができる。ここで、「フィルムインサート成形」とは、装飾模様を予め付与しておいたフィルム状基材を射出成形のための金型に装着し、その装着状態を維持した状態で成形品の原料(溶融されたプラスチック材料)を金型のキャビティに射出し、硬化させる方法である。プラスチック材料が硬化した後に金型を開放すると、図示のような、露出された装飾模様3を表面に有する射出成形品10が得られる。装飾シート5のベース1に接する側の表面は、溶融した状態の成形樹脂と接着可能な樹脂で構成しておく。
本発明の射出成形品では、成形作業の途中で装飾を付与するのではなくて、模様や塗装色といった装飾を予め付与しておいたフィルム状基材(特に、予備シートという)を使用して装飾の付与を行うので、装飾のパターン、色、印刷方法などの選択に幅を持たせることができ、設計の自由度を大きく高めることができる。
さらに加えて、本発明では、装飾シートと同一形状及び同一サイズの予備シートを使用するのではなくて、装飾シートのフィルム投影面積よりも大きな表面積を有している予備シートを使用するので、深絞り成形品などのように三次元曲面や複雑な形状を有する成形品を自由にかつ簡単に製造することができる。また、本発明の成形品の場合、予備シートの延伸や変形などを防止できるので、模様やその色の変化及び表面光沢の低下を減らし、また、予備シートにおけるクラックや破れなどの欠陥も発生することがない。
本発明による樹脂成形品及びその製造方法は、いろいろな形態で有利に実施することができる。以下、下記のものに限定されるわけではないけれども、本発明の好ましい実施形態をさらに詳細に説明する。
本発明による樹脂成形品は、プラスチック材料を原料として、それを射出成形もしくはブロー成形することによって得られた物品である。物品の形態は、特に限定されるものでなく、所望に応じていろいろに変更することができる。しかし、本発明のメリットを生かす観点から、樹脂成形品のなかでも、三次元曲面などの複雑な形状を有する物品が本発明の実施に好適である。具体的には、深絞り成形品などを好適な樹脂成形品として挙げることができる。このような樹脂成形品は、例えば、家電製品や自動車部品などとして有利に使用することができる。なお、本発明で使用する成形法は特に、上記したように、フィルムインサート成形法である。フィルムインサート成形法を使用することによって、ベースと装飾シートの一体成形品を製造することができる。なお、フィルムインサート成形法自体は、基本的には従来常用の技法をそのまま使用してもよく、さもなければ本発明にあわせて適宜改良した後で使用してもよい。
樹脂成形品は、そのベースもベースに一体化された装飾シートも、プラスチック材料を原料として製造される。本発明の実施において、これらの部材を製造するために使用するプラスチック材料は、それらの部材の製造に用いられる成形法にかなっているのであれば、特に限定されるものではない。本発明の実施に好適なプラスチック材料の例として、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体)、ポリウレタン、アクリル、ポリオレフィンなどを挙げることができる。
本発明の樹脂成形品において、その外周部分には模様や塗装色を有する装飾シートが一体的に成形される。装飾シートの装飾は、露出しており、したがって、樹脂成形品の1構成員として装飾性、意匠性、外観品質などの向上に寄与することができる。なお、ここでいう「露出」は、装飾模様が直接露出している場合のほか、装飾模様の上に透明もしくは半透明な保護層(本発明でいう「透明性保護層」)が施されていて、その保護層を介して装飾模様を実質的に透視できる場合なども包含する。また、装飾としては文字、パターン、模様といった部分によって色が異なるもの、自動車外板塗装のように全面均一に黒・シルバー・グリーンマイカ・白パールといった単一の色で構成されるもの、樹脂基材の色をそのまま透かせて生かし、表面に高光沢や低光沢を与える、ある程度透過する半透明な色、金属メッキ調、金属メッキと半透明を組み合わせた着色メッキ調といったものなどを広く含む。また、装飾シートは、樹脂成形品の外周部分に全体的に施されていてもよく、さもなければ、装飾が必要とされる個所のみに選択的あるいは部分的に施されていてもよい。
装飾シートは、樹脂成形品の製造において最初の段階から装飾シートの形態で使用されているものではなく、本発明の場合、最初の形態は、予備シート(装飾シートの前駆体)である。すなわち、装飾シートは、成形時、成形金型に予め配置された予備シートからフィルムインサート成形によって成形されたものである。従来のフィルムインサート成形法ではそれに使用するフィルムの形態やサイズに何の改良を加えられていなかったものを、本発明で使用する予備シートは、フィルムインサート成形時、皺、ひだ、プリーツ、折り目などの付与やフィルム外周を保持する枠を押し縮めることなどにより装飾シートの投影面積よりも大きな表面積を有した状態で成形金型に配置されることを特徴としている。皺、ひだ、プリーツ、折り目などの分布やサイズは、所望とする効果に応じて任意に変更することができる。
例えば、図3は、たくさんの細かい皺をランダムに付与することによって表面積を増加させた予備シート15を示している。予備シート15の皺は、いろいろな方法によって形成することができるけれども、原始的な方法として、予備シートを丸めてから広げる作業を反復することを採用することができる。図示のように細かい皺をランダムに形成することができる。また、図4は、細かいプリーツが規則正しく形成された予備シート15を示している。さらに、図5は、いわゆるミウラ折り(登録商標)の技法を応用して特殊な折り目が規則正しく形成された予備シート15を示している。なお、図3〜図5では、説明の簡略化のため、その表面にすでに形成されているべき装飾模様が省略されている。
これらの予備シートの場合、装飾シートとほぼ同じサイズに縮小させた状態で金型に配置されるけれども、実際に成形を行う段階では、皺、ひだ、プリーツ、折り目などが延ばされて平坦な面が形成されるので、より広い表面積(実用面積)をもった装飾シートを提供することができる。
また、成形用の金型のキャビティ面に予備シートを固定してから成形を行い、樹脂成形品の表面全体を装飾シートで被覆するインサート成形プロセスにおいて、例えば投影で見た時の平らな予備シートの面積200が皺、ひだ、プリーツ、折り目などの付与により100にされているとすると、予備シートの延伸率は、2倍となる。また、同様に皺、ひだ、プリーツ、折り目などが付与されているとすると、予備シートの延伸率は、1.5倍に調整することができる。キャビティ面積→成形後表面積が3倍になるような形状のインサート成形の場合、何も施さないシートでは3倍の伸びを伴うことになり、厚みは1/3になる。前記のように延伸可能率を2倍にした装飾シートを用いれば、シートの伸びは、皺、ひだ、プリーツ、折り目などの処理前の平らなシートを起点として3/2=1.5倍で済み、厚みの変化も2/3に抑えられる。このように、本発明によれば、予備シートに対して付与する皺、ひだ、プリーツ、折り目などの分布やサイズなどを変更することによって、樹脂成形品の装飾シートにおいて低延伸率から高延伸率までの任意の延伸性能を達成することができ、よって、所望とする装飾シートを、変色、光沢低下、破れなどの欠陥を伴うことなく、樹脂成形品に一体化することができる。
平らな予備シートに対して予め真空成形等により表面積を大きくしておいてインサート成形する手法においては、成形前に延伸するか射出時に延伸するかのタイミングの違いだけで平らなフィルム→成形品表面被覆でのフィルム延伸率自体は変わらない。本発明は、インサート成形前の段階でフィルムの延伸を伴わずに金型キャビティ投影面積内にそれより大きい実際のフィルム面積を寄せておくことがポイントであり、すなわち、ひだ、プリーツ、折り目などを付与したフィルム外周を保持する枠を押し縮める際にフィルムの伸びをできる限り伴わないようにすることが有効である。また、樹脂成形時にフィルムを成形型に固定することを考えると、折りのパターンは細かい方が好ましい。
予備シートは、上記したようなプラスチック材料を原料として使用して、カレンダ成形法、ロールコート法、グラビアコート法などの常用の技法によって形成することができる。予備シートとして使用するプラスチックフィルムは、透明、半透明あるいは不透明のいずれであってもよく、装飾シートの仕様にあわせて任意に選択することができる。また、プラスチックフィルムは、任意の色に着色されていてもよく、無着色であってもよい。着色されたプラスチックフィルムの1変更例として、そのプラスチックフィルム自体にすでに模様や着色が作り込まれていてもよく、このような場合、予備シートの形成後、そのシートの表面に装飾を付与する手間を省略することができる。
さらに、プラスチックフィルムは、単層で使用してもよく、2層もしくはそれ以上の多層積層フィルムとして使用してもよい。予備シートを多層積層プラスチックフィルムから形成した場合、強度の向上を達成することができ、よって、装飾シートの破れなどをより確実に防止することができる。また、インク受理性に優れたプラスチックフィルムを最上層に配置することで、模様の印刷性や着色層塗布時の密着性を高めることができる。予備シートとして使用するプラスチックフィルムの厚さは、装飾シートの仕様などに応じて広い範囲で変更することができるというものの、通常、約50〜3,000μmの範囲であり、好ましくは、約100〜1,000μmの範囲である。
本発明の樹脂成形品において、装飾シートの装飾模様は、いろいろな形態をとることができる。まず、「装飾模様」(単に「装飾」あるいは「模様」ともいう)なる語は、広い意味で用いられており、樹脂成形品の装飾のため、あるいは外観品質の向上などのために樹脂成形品の表面に付与することが求められている様々なモノクロもしくはカラーの模様を包含する。装飾模様の例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、文字、数字、パターン、グラフィックス、写真、キャラクター、イラスト、漫画などを包含する。必要ならば、2種類もしくはそれ以上の装飾模様を組み合わせて使用してもよい。
また、装飾模様は、装飾シートの前駆体である予備シートの表面にいろいろな形で付与することができる。典型的には、予備シートの表面に印刷層として装飾模様を付与することができる。装飾模様の印刷には、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷などの常用の印刷法を使用することができ、所望であるならばカラー転写印刷などを使用してもよい。
別法によれば、所望とする装飾模様を備えた印刷フィルムを別に作製しておいて、この印刷フィルムを予備シートの表面に積層してもよい。あるいは、先にも述べたように、予備シートの成形中にそのシートに着色模様の形で装飾模様を組み込んでもよい。
本発明は、上述の樹脂成形品に加えて、その製造方法にある。本発明の樹脂成形品の製造方法は、いろいろな工程の組み合わせで実施することができるけれども、好ましくは、下記の工程:
樹脂成形品を提供するのに必要な形状及び寸法を有するキャビティを備えた射出成形やブロー成形等の樹脂成形用の成形金型を用意する工程、
前記成形金型内の予め定められた位置に、装飾シートを提供するためのものであって、すでに形成された前記模様を表面に有し、かつ、皺、ひだ、プリーツ、折り目などの付与やフィルム外周を保持する枠を押し縮めることなどにより実際のフィルムの面積より小さい投影面積を持つ状態に保った予備シートを、前記装飾面を成形金型の内壁に対向させて、配置する工程、
成形金型を閉じて、成形品の原料である溶融されたプラスチック材料を成形金型のキャビティに射出もしくはブローして成形を行う工程
によって実施することができる。
本発明方法の実施において、各種の成形装置を使用することができるけれども、好適には、特にフィルムインサート成形機構を備えた射出成形装置やブロー成形装置である。かかる成形装置は、構造が複雑でないので本発明の樹脂成形品に合わせて新たにデザインして製造してもよく、さもなければ、常用の成形装置を本発明の樹脂成形品に合わせて改造してもよい。
図6は、本発明の実施に好適な射出成形装置を模式的に示すとともに、それを使用して本発明の射出成形品を製造する好ましい1方法を、順を追って示したものである。図示の例の場合、射出成形品10は、半球形の物品である。
まず、工程(A)に示すように、射出成形金型30を用意する。金型30は、雌型31と雄型32とからなり、雌型31には、射出成形品(図示せず)を提供するのに必要な形状及び寸法を有するキャビティ33が備わっている。また、雄型32は、溶融したプラスチック材料11を金型30のキャビティ33に射出可能なゲート34を備えている。ゲート34は、溶融したプラスチック材料11のための押出し機(図示せず)に連通している。
次いで、雌型31の端面にそのキャビティ33を塞ぐようにして予備シート15を装着する。予備シート15は、すでに説明したように、装飾シートを提供するためのものであって、すでに形成された装飾模様を表面に有し、装飾シートのフィルム投影面積よりも大きな表面積を有し、但し、皺、ひだ、プリーツ、折り目などの付与やフィルム外周を保持する枠を押し縮めることなどにより金型キャビティ投影面積とほぼ同じサイズとなるように寸法調整されている。なお、図では、説明の簡略化のため、装飾が省略されている。予備シート15は、図示しないけれども、治具を使用して一時的に固定しておくことが好ましい。
その後、工程(B)に示すように、射出成形金型30を閉じ、予備シート15を雌型31の内壁に、その予備シートの装飾模様が射出成形金型の内壁に密着するように配置する。この工程は、好ましくは、真空の適用下に実施することができる。予備シート15から皺、ひだ、プリーツ、折り目などが取れるので、雌型31の内壁全体に対して予備シート15を密着させることができる。
次いで、射出成形工程に移行する。予備シート15が雌型31の内壁に密着している状態で、溶融されたプラスチック材料11を雄型32のゲートから雌型31のキャビティに射出する。雌型31と雄型32によって規定された小空間に溶融されたプラスチック材料11を気泡などを伴うことなく充填し、加熱された条件下でプラスチック材料11を硬化させる。
射出成形工程の完了後、工程(C)に示すように、雌型31を雄型32から分離する。露出された装飾模様(図示せず)を表面に有する装飾シート5を支持したベース1からなる射出成形品10が得られる。射出成形品10は、雄型32から容易に分離することができる。
図7は、本発明のブロー成形品を製造する好ましい1方法を、順を追って示したものである。図示の例の場合、ブロー成形品20は、繭形で中空の物品である。
まず、工程(A)に示すように、ブロー成形金型40を用意する。金型40は、それぞれキャビティ431及び432を有する一対の金型41及び42からなる。金型41のキャビティ431の側の面に予備シート25を装着する。予備シート25は、すでに説明したように、装飾シートを提供するためのものであって、すでに形成された装飾模様を表面に有し、装飾シートのフィルム投影面積よりも大きな表面積を有し、但し、皺、ひだ、プリーツ、折り目などの付与やフィルム外周を保持する枠を押し縮めることなどにより金型キャビティ投影面積とほぼ同じサイズとなるように寸法調整されている。なお、図では、説明の簡略化のため、装飾が省略されている。
その後、工程(B)に示すように、ブロー成形金型40を閉じ、予備シート25が金型41の内壁に密着している状態で、溶融されたプラスチック材料21をブロー成形金型40のキャビティに吹き込み、エア圧で押し広げる。予備シート25から、予め付与しておいた皺、ひだ、プリーツ、折り目などが取れる。金型41及び42によって規定された小空間に溶融されたプラスチック材料21が、中空部を具えた形で気泡などを伴うことなく充填される。加熱によりプラスチック材料21を硬化させた後、金型41及び42を分離する。工程(C)に示すように、露出された装飾模様(図示せず)を表面に有する装飾シート5を支持したベース1からなるブロー成形品20が得られる。
上記したように、本発明の樹脂成形品は、特に家電製品や自動車部品の製造に有利に利用することができる。本発明の成形品の具体的な使用例として、例えば、自動車用モール、ドアミラー、ドアハンドル、バンパー、パソコンや携帯電話の外枠部などを挙げることができる。参考までに示すと、図8は、本発明に従って作製した自動車用モールの斜視図である。モール10は、その表面に装飾模様3を備えている。
引き続いて、本発明をその実施例を参照して説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものでないことは言うまでもない。
実施例1
30μm厚の無延伸ポリプロピレン(PP)フィルム、12μm厚の2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム及び30μm厚の無延伸PPフィルムからなる3層構造フィルム(幅20cm×長さ20cm×厚さ72μm)を予備シートとして用意し、その片面の中央部に正方形パターン(幅12cm×長さ12cm)を黒色インクで印刷した。次いで、予備シートを手のなかで丸めたから再度開くという作業を複数回にわたって反復し、予備シートの全体に対して細かい皺模様を付与した。先に図3を参照して説明したような皺模様付きの予備シートが得られた。
次いで、先に図6を参照して説明したタイプのフィルムインサート射出成形用の金型を用意した。この金型は、直径約8cm×肉厚約3mmの半球状樹脂成形品の表面に装飾シートを被覆するような仕様であった。金型の直径約8cmの円形開口部(キャビティの端面)に先の工程で作製した皺模様付きの予備シートを装着し、内径約9cmのリングで予備シートを押え、固定した。予備シートの黒色正方形パターンは、投影で約9cm四方の正方形をなしており、リング内径とほぼ接するようになった。この状態で金型を閉じ、230℃の温度で無色PP樹脂を射出成形した。PP/PET/PPシートで被覆された半球状PP樹脂成形品が得られた。この樹脂成形品は、シートの表面において皺が残ったものの、シートに破れはなく、半球体の表面全体を完全に覆っていた。黒色正方形パターンも許容し得るものであった。
比較例1
前記実施例1に記載の手法を繰り返したけれども、本例の場合、比較のため、皺模様付きの予備シートの使用を省略した。すなわち、30μm厚の無延伸PPフィルム、12μm厚の2軸延伸PETフィルム及び30μm厚の無延伸PPフィルムからなる3層構造フィルム(幅20cm×長さ20cm×厚さ72μm)を予備シートとして用意し、その片面の中央部に正方形パターン(幅9cm×長さ9cm)を黒色インクで印刷した後、さらに処理を施さないで、金型の直径約8cmの円形開口部に装着した。
PP/PET/PPシートで被覆された半球状PP樹脂成形品が得られたけれいども、この樹脂成形品の場合、シートが破れて樹脂成形品の一部だけを覆った状態であった。黒色正方形パターンは、ほぼ9cm四方のままであった。
実施例2
前記実施例1に記載の手法を繰り返したけれども、本例の場合、皺模様付きの予備シートを次のようにして作製した。すなわち、PP/PET/PPシートに代えて50μm厚の2軸延伸PETフィルム、商品名「U4フィルム」(帝人社製)を予備シートとして用意し、その片面の中央部に正方形パターン(幅12cm×長さ12cm)を黒色インクで印刷した。この予備シートに皺模様を付与した後、金型の直径約8cmの円形開口部に投影で約9cm四方の正方形をなした状態で装着した。
PETシートで被覆された半球状PP樹脂成形品が得られた。この樹脂成形品は、シートの表面において皺が残ったものの、シートに破れはなく、半球体の表面全体を完全に覆っていた。黒色正方形パターンは、およそ9cm四方の投影サイズを有しており、許容し得るものであった。
実施例3
前記実施例2に記載の手法を繰り返したけれども、本例の場合、正方形パターン(幅11.5m×長さ11.5cm)を黒色インクで印刷した。この予備シートに皺模様を付与した後、金型の直径約8cmの円形開口部に投影で約9cm四方の正方形をなした状態で装着した。
PETシートで被覆された半球状PP樹脂成形品が得られた。この樹脂成形品は、シートの表面において皺が残ったものの、シートに破れはなく、半球体の表面全体を完全に覆っていた。黒色正方形パターンは、およそ9cm四方の投影サイズを有しており、許容し得るものであった。
実施例4
前記実施例2に記載の手法を繰り返したけれども、本例の場合、正方形パターン(幅11m×長さ11cm)を黒色インクで印刷した。この予備シートに皺模様を付与した後、金型の直径約8cmの円形開口部に投影で約9cm四方の正方形をなした状態で装着した。
PETシートで被覆された半球状PP樹脂成形品が得られた。この樹脂成形品は、シートの表面において皺が残ったものの、シートに破れはなく、半球体の表面全体を完全に覆っていた。黒色正方形パターンは、およそ9cm四方の投影サイズを有しており、許容し得るものであった。
実施例5
前記実施例2に記載の手法を繰り返したけれども、本例の場合、正方形パターン(幅10.5m×長さ10.5cm)を黒色インクで印刷した。この予備シートに皺模様を付与した後、金型の直径約8cmの円形開口部に投影で約9cm四方の正方形をなした状態で装着した。
PETシートで被覆された半球状PP樹脂成形品が得られた。この樹脂成形品は、シートの表面において皺が残ったものの、シートに破れはなく、半球体の表面全体を完全に覆っていた。黒色正方形パターンは、およそ9cm四方の投影サイズを有しており、許容し得るものであった。
比較例2
前記実施例2に記載の手法を繰り返したけれども、本例の場合、比較のため、正方形パターン(幅10m×長さ10cm)を黒色インクで印刷した。この予備シートに皺模様を付与した後、金型の直径約8cmの円形開口部に投影で約9cm四方の正方形をなした状態で装着した。
PETシートで被覆された半球状PP樹脂成形品が得られたけれいども、この樹脂成形品の場合、シートが破れて樹脂成形品の一部だけを覆った状態であった。黒色正方形パターンは、ほぼ9cm四方のままであった。
比較例3
前記実施例2に記載の手法を繰り返したけれども、本例の場合、比較のため、正方形パターン(幅9.5m×長さ9.5cm)を黒色インクで印刷した。この予備シートに皺模様を付与した後、金型の直径約8cmの円形開口部に投影で約9cm四方の正方形をなした状態で装着した。
PETシートで被覆された半球状PP樹脂成形品が得られたけれいども、この樹脂成形品の場合、シートが破れて樹脂成形品の一部だけを覆った状態であった。黒色正方形パターンは、ほぼ9cm四方のままであった。
比較例4
前記実施例1に記載の手法を繰り返したけれども、本例の場合、比較のため、皺模様付きの予備シートの使用を省略した。すなわち、50μm厚の2軸延伸PETフィルム(U4フィルム)を予備シートとして用意し、その片面の中央部に正方形パターン(幅9cm×長さ9cm)を黒色インクで印刷した後、さらに処理を施さないで、金型の直径約8cmの円形開口部に装着した。
PETシートで被覆された半球状PP樹脂成形品が得られたけれいども、この樹脂成形品の場合、シートが破れて樹脂成形品の一部だけを覆った状態であった。黒色正方形パターンは、ほぼ9cm四方のままであった。
実施例6
前記実施例2に記載の手法を繰り返したけれども、本例の場合、皺模様付きの予備シートに代えて、「ミウラ折り(登録商標)」の折り目付きの予備シートを次のようにして作製した。すなわち、50μm厚の2軸延伸PETフィルム、商品名「U4フィルム」(帝人社製)を予備シートとして用意した。なお、本例の場合、予備シートの片面の中央部に正方形パターンを黒色インクで印刷して装飾模様の代用とする代わりに、引き続く工程で付与する折れ目そのものを装飾模様の代用とした。
次いで、この予備シートに、先に図5を参照して説明したように、「ミウラ折り(登録商標)」と呼ばれる手法で、およそ2cm単位の平行四辺形の組み合わせからなる折り目を付与した。その後、得られた予備シートを金型の直径約8cmの円形開口部に装着した。
PETシートで被覆された半球状PP樹脂成形品が得られた。この樹脂成形品は、シートの表面において皺が残ったものの、シートに破れはなく、半球体の表面全体を完全に覆っていた。折る前に幅10cm×長さ12cmであった線パターンは、およそ8cm四方の投影サイズを有しており、許容し得るものであった。
下記の第1表は、上記した実施例1〜6及び比較例1〜4の条件及び結果をまとめたものである。
Figure 0004873933
実施例7
皺模様付きの予備シートを作製するため、50μm厚の2軸延伸PETフィルム、商品名「U4フィルム」(帝人社製)を予備シートとして用意し、その片面の中央部に長方形パターン(幅12cm×長さ35cm)を黒色インクで印刷した。この予備シートに前記実施例1に記載の手法で皺模様を付与した。
次いで、先に図7を参照して説明したタイプのフィルムインサートブロー成形用の金型を用意した。この金型は、直径約10cm×肉厚約3mmの円筒体とその両端に半径約5cmの半球体とからなる繭形樹脂成形品の表面の片面に装飾シートを被覆するような仕様であった。一方の金型のキャビティに先の工程で作製した皺模様付きの予備シートを装着した。予備シートの黒色長方形パターンは、投影で約30cm×10cmの長方形であった。この状態で金型を閉じ、溶融TPO樹脂を注入し、ブロー成形した。PETシートで被覆された繭形TPO樹脂成形品が得られた。この樹脂成形品は、シートの表面において少しの皺が残ったものの、シートに破れはなく、繭玉体の片面全体を完全に覆っていた。黒色長方形パターンも許容し得るものであった。
比較例5
前記実施例7に記載の手法を繰り返したけれども、本例の場合、比較のため、皺模様付きの予備シートの使用を省略した。すなわち、50μm厚の2軸延伸PETフィルムを予備シートとして用意し、その片面の中央部に長方形パターン(幅10cm×長さ30cm)を黒色インクで印刷した後、さらに処理を施さないで、金型のキャビティに装着した。
PETシートで被覆された繭形TPO樹脂成形品が得られたけれいども、この樹脂成形品の場合、シートが破れて樹脂成形品の一部だけを覆った状態であった。
下記の第2表は、上記した実施例7及び比較例5の条件及び結果をまとめたものである。
Figure 0004873933
本発明による射出成形品の好ましい1形態を示した斜視図である。 図1に示した射出成形品の線分II−IIに沿った断面図である。 本発明の射出成形品の製造に使用できる予備シートの好ましい1形態を示した斜視図である。 本発明の射出成形品の製造に使用できる予備シートのもう1つの好ましい形態を示した斜視図である。 本発明の射出成形品の製造に使用できる予備シートのもう1つの好ましい形態を示した斜視図である。 本発明の射出成形品の好ましい製造方法の一例を、順を追って示した断面図である。 本発明のブロー成形品の好ましい製造方法の一例を、順を追って示した断面図である。 本発明に従って作製した自動車用モールの斜視図である。
符号の説明
1 ベース
2 基材
3 装飾模様
5 装飾シート
10 射出成形品
11 溶融プラスチック材料
15 予備シート
20 ブロー成形品
21 溶融プラスチック材料
23 中空部
25 予備シート
30 射出成形金型
31 雌型
32 雄型
33 キャビティ
34 ゲート
40 ブロー成形金型

Claims (5)

  1. 装飾を有する装飾シートが一体的に成形され、かつ前記装飾が表面で露出しているかもしくは透明性保護層下に見える、プラスチック材料からなる樹脂成形品を製造するに当たって、
    前記成形品を提供するのに必要な形状及び寸法を有するキャビティを備えた成形金型を用意し、
    前記成形金型のキャビティの開口部予め定められた位置に、フィルムインサート成形によって前記装飾シートを提供するためのものであって、すでに形成された前記装飾を表面に有し、かつ、フィルム外周を保持する枠を押し縮めること又は丸める及び広げる作業を反復することにより、皺、ひだ、折り目を付与して前記装飾シートの面積より小さい投影面積を有しかつそれを保った状態の予備シートを、前記装飾面を成形金型の内壁に対向させて配置し、
    前記成形金型を閉じて、溶融されたプラスチック材料を成形金型のキャビティに射出成形法もしくはブロー成形法によって成形を行い、前記皺、ひだ、折り目を延ばして平坦な面を形成すること
    を特徴とする樹脂成形品の製造方法
  2. 前記予備シートが、フィルム外周を保持する枠を押し縮めることにより、皺、ひだ、折り目を付与して前記装飾シートの面積より小さい投影面積を有しかつそれを保った状態で前記成形金型に配置されたものであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法
  3. 装飾を有する装飾シートが一体的に成形され、かつ前記装飾が表面で露出しているかもしくは透明性保護層下に見える、プラスチック材料からなる樹脂成形品を製造するに当たって、
    前記成形品を提供するのに必要な形状及び寸法を有するキャビティを備えた成形金型を用意し、
    前記成形金型のキャビティの開口部予め定められた位置に、フィルムインサート成形によって前記装飾シートを提供するためのものであって、すでに形成された前記装飾を表面に有し、かつ、プリーツを付与することにより前記装飾シートの面積より小さい投影面積を有しかつそれを保った状態の予備シートを、前記装飾面を成形金型の内壁に対向させて配置し、
    前記成形金型を閉じて、溶融されたプラスチック材料を成形金型のキャビティに射出成形法もしくはブロー成形法によって成形を行い、前記プリーツを延ばして平坦な面を形成すること
    を特徴とする樹脂成形品の製造方法
  4. 前記成形金型のキャビティの開口部上において、前記装飾シートの面積に対する投影面積の割合(以下、寄せ率 A という)が0.8以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂成形品の製造方法
  5. 前記寄せ率(A)と、前記成形金型のキャビティの開口部の面積を100としたときの、装飾シートで表面全体を被覆されたときの成形品の表面積(B)との関係においてA×B-100 の値がB-100の値の0.5倍以下であることを特徴とする請求項4に記載の樹脂成形品の製造方法
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