JP4873562B2 - 半導体装置及びicカード - Google Patents

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本発明は、半導体装置及びICカードに係り、特に昇圧電圧を発生するチャージポンプ回路を有するICカード用マイコンとされる半導体装置に適用して有効な技術に関する。
電気的に書込み及び消去が可能にされるEEPROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリは、複数の不揮発性メモリセルを有している。不揮発性メモリでは、書込み動作や消去動作時において、選択された不揮発性メモリセルに所定の高電圧を印加する必要があり、例えば入力電圧を昇圧するチャージポンプ回路を用いて上記高電圧を発生させている。
特許文献1には、昇圧電位VPPが所定の基準電位に到達する時間をシステムクロックCLKSによって計測することで、昇圧電位VPPの上昇時の波形の時定数をモニタし、ROMに予め記録されている時間より計測時間が短いときは、クロックφの振幅を小さくしてチャージポンプ回路の駆動力を調整する技術が開示されている。特許文献2には、分圧抵抗器の各相互接続ノードと昇圧電圧の出力ノードとの間にアナログスイッチを設け、昇圧開始から計数した計時用クロックパルスの計数値が増すに従って、接地ノードに近い側の相互接続ノードから順にアナログスイッチを選択的に導通させ、昇圧電圧の目標値を階段状に上昇させる技術が開示されている。
特開2005−117773号公報 特開2003−339156号公報
本発明者は、不揮発性メモリでの書込み動作や消去動作時に動作選択された不揮発性メモリセルの数に応じて負荷が異なってしまい、チャージポンプ回路の昇圧動作による電源電圧から所望の昇圧電圧に至るまでの時間(以下、昇圧時間という)が変動してしまうことを見出した。即ち、昇圧時間は、負荷が重いときは長くなり、負荷が軽いときは短くなってしまう。昇圧時間が負荷に応じて変動してしまうと、不揮発性メモリセルに対して昇圧電圧を十分な時間印加できずにデータを完全に書込むことができない場合や、過度な時間印加してしまい不揮発性メモリセルの劣化を促進してしまう場合が考えられる。
特許文献1では、昇圧電位VPPが所定の基準電位に到達する時間が、予め記録されている時間より短いときにクロックφの振幅を小さくするので、チャージポンプ回路の昇圧能力を小さくできる。これにより、負荷が軽いときに昇圧時間が短くなってしまうことを回避できるものの、負荷が重いときに昇圧時間が長くなってしまう事態については何ら考慮されていない。特許文献2では、計数用クロックパルスの計数値に従い、昇圧電圧の目標値を階段状に上昇させているから、昇圧電圧の立ち上がり時のオーバーシュートを抑えることができるものの、負荷の相違により昇圧時間が変動してしまう事態については何ら考慮されていない。
本発明の目的は、負荷の軽重に係らず、昇圧時間を安定させることができる半導体装置及びICカードを提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものについて簡単に説明すれば下記のとおりである。
即ち、チャージポンプ回路による昇圧動作をフィードバック制御する制御回路は、所定時間内に昇圧電圧が一度も目的電圧に到達しないときには、所定時間後にチャージポンプ回路の昇圧能力を高くして目的電圧を更新し、所定時間内に昇圧電圧が一旦目的電圧に到達したときには、所定時間後に昇圧能力を変更せずに目的電圧を更新する。これにより、チャージポンプ回路は、負荷が重い場合に昇圧能力が高くされることになるから、目的電圧に到達するまでの昇圧時間を短くでき、負荷が軽い場合には所定時間までは目的電圧が更新されず、所定時間後も昇圧能力が変更されないから、昇圧時間を長くできる。その結果、負荷の軽重に係らず、昇圧時間が安定することになる。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、負荷の軽重に係らず、昇圧時間を安定させることができる。
1.代表的な実施の形態
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係る半導体装置は、チャージポンプ回路(31)と、判定回路(32)と、制御回路(33)と、を有する。チャージポンプ回路は、入力電圧(Vcc)を昇圧する。判定回路は、前記チャージポンプ回路から出力される昇圧電圧(Vpp)が目的電圧(VppA,VppB)に到達したか否かを判定する。制御回路は、前記判定回路の判定結果に基づいて、前記チャージポンプ回路による昇圧動作をフィードバック制御する。前記制御回路は、所定時間内に前記昇圧電圧が一度も前記目的電圧に到達しないときには、前記所定時間後に前記チャージポンプ回路の昇圧能力を高くして前記目的電圧を更新し、前記所定時間内に前記昇圧電圧が一旦前記目的電圧に到達したときには、前記所定時間後に昇圧能力を変更せずに前記目的電圧を更新する。
上記より、所定時間にそのときの目的電圧に到達したか否かにより、所定時間の区切りでチャージポンプ回路の昇圧能力を増減するから、そのときの負荷に軽重何れの差があっても、最終的な目的電圧に達するまでに要する昇圧動作時間を略一定に制御することができる。
具体的な一つの形態として、前記チャージポンプ回路は、クロック信号(φ,/φ)に同期して昇圧動作を行い、前記制御回路は、前記クロック信号の周波数を高くして、前記チャージポンプ回路の昇圧能力を高くする。上記より、制御回路によるフィードバック制御は、クロック信号の周波数を制御することで可能とされる。
別の形態として、前記判定回路は、前記所定時間を設定するためのタイミング信号(TIMA,TIMB,TIMC)を発生するタイミング発生回路(35)を有する。上記より、チャージポンプ回路の昇圧能力を高くして目的電圧を更新するタイミングや、昇圧能力を変更せずに目的電圧を更新するタイミングを、タイミング信号のレベル変化等により容易に設定できる。
更に別の形態として、前記目的電圧は、前記制御回路により更新される毎に高くされる。上記より、目的電圧が所定時間の区切りで高くなって最終的な目的電圧に至ることになるから、昇圧電圧が最終的な目的電圧に達するまでフィードバック制御を繰返すことができる。
更に別の形態として、前記制御回路は、クロック発生回路(41)と、クロック切替制御回路(42)と、第1ロジック回路(43)と、第2ロジック回路(44)とを有する。クロック発生回路は、周波数の異なる複数のクロック信号(BCLKa,BCLKb)を発生する。クロック切替制御回路は、前記タイミング信号を受けて、前記判定回路の判定結果に基づいて前記複数のクロック信号のうちいずれかを選択するためのクロック切替信号(SELCK)を出力する。第1ロジック回路は、前記クロック切替信号を受けて、前記複数のクロック信号のうちいずれかを出力する。第2ロジック回路は、前記第1ロジック回路から出力されたクロック信号を受けて、前記判定結果に基づいて前記クロック信号を相補なクロック信号(φ,/φ)に変換し、前記相補なクロック信号を前記チャージポンプ回路に供給する。上記より、所定時間に昇圧電圧が目的電圧に到達しないとの判定結果を受けたとき、第1ロジック回路が周波数の高いクロック信号を第2ロジック回路に出力し、第2ロジック回路が周波数の高い相補なクロック信号をチャージポンプ回路に供給する。その結果、所定時間後にチャージポンプ回路の昇圧能力が高くされ、更新された目的電圧に至るまでの昇圧時間を短くできる。一方、所定時間に昇圧電圧が目的電圧に到達したとの判定結果を受けたとき、第1ロジック回路が現状と同じ周波数のクロック信号を第2ロジック回路に出力し、第2ロジック回路が周波数の同じ相補なクロック信号をチャージポンプ回路に供給する。その結果、所定時間後にチャージポンプ回路の昇圧能力が変更されず、更新された目的電圧に至るまでの昇圧時間を長くできる。これにより、判定結果に基づいたフィードバック制御が可能とされる。
更に別の形態として、前記チャージポンプ回路の昇圧能力が高くされたときに供給されるクロック信号の周波数は、前記昇圧能力が高くされたときの昇圧動作に伴うピーク電流(Iβ)が、前記昇圧能力を高くする前でのピーク電流(Iα)以下とされる周波数である。上記より、昇圧動作の途中でクロック信号の周波数が高くされても、昇圧動作の途中でパワーオンリセット等によって昇圧動作が中断されることがない。
〔2〕本発明の代表的な実施の形態に係るICカードは、カード基板(2)と、前記カード基板に搭載され、ICカード用マイコンとされる上記した半導体装置(3)と、を有する。これにより、負荷の軽重に係らず、昇圧時間が安定したICカードを提供できる。
2.実施の形態の説明
次に、実施の形態について更に詳述する。
《ICカード》
図2には、本発明に係る半導体装置を搭載したICカードが例示される。ICカード1は、プラスチック等で形成されたカード基板2に、ICカード用マイコンとされる半導体装置(LSI)3と、非接触インターフェース用のアンテナコイル4と、接触インターフェース用の接触端子5等を搭載したものである。半導体装置3は、アンテナコイル端子6a,6bを介してアンテナコイル4と接続されており、アンテナコイル4から非接触で情報の入出力を行い、接触インターフェース端子7を介して接触端子5と接続されており、接触して外部からの情報の入出力を行う。
図3には、ICカード用マイコンとされる半導体装置の概略構成が例示される。半導体装置3は、アンテナコイル端子6a,6bに接続された変復調回路(RF)8と、接触インターフェース端子7に接続された接触インターフェース回路(接触IF)9と、不揮発性メモリ10等を備え、これらは内部バス11によって相互に接続されている。更に、半導体装置3は、電源回路12と、内部バス11を介して接続されたランダム・アクセス・メモリ(RAM)13と、リード・オンリ・メモリ(ROM)14と、CPU15と、暗号コプロセッサ16等を備えている。RF8は、アンテナコイル4が所定の電波を横切ることで生じる誘導電流を動作電源として電源電圧Vccを出力し、さらにアンテナコイル4から取込まれた信号から半導体装置3内部で処理されるデータを得ると共に、半導体装置3からの出力データを変調してアンテナコイル4に供給する。上記電源回路12は、例えば接触端子7を用いて接触IF9を介して外部からの情報の入出力を行うとき等に、半導体装置3内の上記各回路に電源電圧Vccを発生する。RAM13は、CPU15のワーク領域やデータの一時記憶領域とされる。ROM14は、CPU15が実行する動作プログラムを格納する。暗号コプロセッサ16は、CPU15の演算を補助して高速処理を行う暗号・認証専用の演算回路とされる。不揮発性メモリ10は、特に制限されないが、単結晶シリコン等の1個の半導体基板に、相補型MOS集積回路製造技術によって形成されており、例えばエレクトリカリ・イレーザブル・プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EEPROM)であって、CPU15等による演算処理で利用されるデータを格納する。
《不揮発性メモリ》
図4には、不揮発性メモリの回路構成が概略的に例示されている。不揮発性メモリ10は、メモリアレイ(MARY)11を有する。メモリアレイ11は、行方向に図中の点線で囲む領域に対応する複数のウェル領域WEL0〜WELnに分割され、マトリクス配置された複数個の不揮発性メモリセル(MC)12とスイッチトランジスタ(SWTr)13とを有する。不揮発性メモリセル12は、MONOS構造のゲートを備えたトランジスタである。スイッチトランジスタ13は、N型のMOSトランジスタ(以下、nMOSという)である。各ウェル領域WEL0〜WELnでは、代表的に各々1本の共通ワード線MG0〜MGn,CG0〜CGnに対して8個の不揮発性メモリセル12とスイッチトランジスタ13が配置されている。共通ワード線MG0〜MGnは、不揮発性メモリセル12のメモリゲートに接続されている。共通ワード線CG0〜CGnは、スイッチトランジスタ13のコントロールゲートに接続されている。同一列に配置された不揮発性メモリセル12のドレイン電極は、スイッチトランジスタ13を介して対応するビット線b0〜b7に接続される。同一列に配置された不揮発性メモリセル12のソース電極は、対応するソース線S0〜S7に接続される。
共通ワード線MG0〜MGn,CG0〜CGnは、Xアドレスデコーダ(XDEC)14のデコード出力に従ってワードドライバ回路(WDRV)15で駆動される。ウェル領域WEL0〜WELnには、ウェル電圧Wellとされるバイトセレクト信号BYSが入力され、ウェルデコーダ(WDEC)16によって制御される。各ビット線b0〜b7及びソース線S0〜S7の電圧は、ラッチ回路(LATCH)17のラッチデータによって制御される。また、ラッチ回路17にはカラムスイッチ回路(CSW)18が接続される。カラムスイッチ回路18は、Yアドレスデコーダ(YDEC)19のデコード出力に従って、各ビット線b0〜b7とラッチ回路17との間で書込みデータ又は読み出しデータを入出力可能にする。センスアンプ(SEAMP)20は、読み出し対象となる不揮発性メモリセル12のドレインとソース間に電流が流れたか否かを検出する。電源回路(VGEN)30は、詳細は後述するが、書込み動作及び消去動作のための高電圧を生成して上記ワードドライバ回路15、ウェルデコーダ16及びラッチ回路17に供給する。
制御回路(CNT)21は、アドレスバス(ADBUS)に接続されたアドレス入力端子22と、データバス(DATABUS)に接続されたデータ入出力端子23と、アクセス制御信号(ACNTS)が入力されるアクセス制御端子24とを有している。アドレス入力端子22から入力されたアドレス信号のうち、ワード線MG0〜MGn,CG0〜CGnの選択に用いられるXアドレス信号は、Xアドレスデコーダ14に供給され、ビット線b0〜b7及びソース線S0〜S7の選択に用いられるYアドレス信号は、ウェルデコーダ16とYアドレスデコーダ19に供給される。データ入出力端子23から入力された書込みデータは、ラッチ回路17に与えられ、不揮発性メモリセル12からの読み出しデータは、センスアンプ20を介してデータ入出力端子23から出力される。不揮発性メモリ10での消去動作、書込み動作及び読み出し動作は、アクセス制御端子24に供給されるアクセス制御信号によって指示される。また、図から明らかなように、不揮発性メモリ10における消去動作、書込み動作の最小単位は、ウェル単位の8ビット、即ちバイト単位とされる。
図5には、不揮発性メモリに対して消去動作、書込み動作及び読み出し動作を行う場合での電圧印加形態が例示される。ここでは代表的にウェル領域WEL0,WEL1を示し、説明の便宜上、バイト単位とされるウェル領域WEL0,WEL1の1ビットだけを例示している。まず、消去動作において印加される消去電圧及び消去阻止電圧について説明する。消去対象とされるウェル領域WEL0には消去電圧として1.5Vのウェル電圧Well、消去非対象とされるウェル領域WEL1には消去阻止電圧として−8.5Vのウェル電圧Wellがそれぞれ印加される。消去非対象とされる不揮発性メモリセルに接続されたワード線MG0には消去阻止電圧として1.5Vのメモリゲート電圧が印加される。この不揮発性メモリセルに接続されたスイッチトランジスタのゲートには、ワード線CG0から0Vが印加され、OFF状態とされる。また、消去対象とされる不揮発性メモリセルに接続されたワード線MG1には消去電圧として−8.5Vのメモリゲート電圧が印加される。この不揮発性メモリセルに接続されたスイッチトランジスタのゲートには、ワード線CG1から1.5Vが印加され、ON状態とされる。さらに、全てのビット線b及びソース線Sは1.5Vにされる。
これにより、図中実線で囲まれた領域Aにおける不揮発性メモリセルが消去対象とされ、不図示の電荷蓄積性絶縁膜に捕獲されている電子を放出するために必要とされる電界が形成される。その結果、消去対象とされる不揮発性メモリセルの保持していた情報が消去される。消去非対象とされる他の不揮発性メモリセルでは、上記電界が形成されず、保持していた情報は消去されない。
次に、書込み動作において印加される書込み電圧及び書込み阻止電圧について説明する。全てのウェル領域WEL0,WEL1には書込み電圧として−10.5Vのウェル電圧Wellが印加される。書込み非対象とされる不揮発性メモリセルに接続されたワード線MG0には書込み阻止電圧として−10.5Vのメモリゲート電圧が印加される。この不揮発性メモリセルに接続されたスイッチトランジスタのゲートには、ワード線CG0から0Vが印加され、OFF状態とされる。また、書込み対象とされる不揮発性メモリセルに接続されたワード線MG1には書込み電圧として1.5Vのメモリゲート電圧が印加される。この不揮発性メモリセルに接続されたスイッチトランジスタのゲートには、ワード線CG1から1.5Vが印加され、ON状態とされる。さらに、書込み対象とされる不揮発性メモリセルに接続されたソース線Sには書込み電圧として−10.5Vが印加され、それ以外のソース線Sには書込み阻止電圧として1.5Vが印加される。
これにより、領域Aにおける不揮発性メモリセルが書込み対象とされ、電荷蓄積性絶縁膜に電子を捕獲させるために必要な電界が形成される。その結果、この不揮発性メモリセルに情報を書込むことができる。一方、書込み非対象とされる他の不揮発性メモリセルでは、上記電界が形成されず、情報が書込まれない。
次に、読み出し動作における電圧印加状態について説明する。全てのウェル領域WEL0,WEL1には0Vが印加される。全てのソース線S、ワード線MG0,MG1には0Vが印加される。読み出し非対象とされる不揮発性メモリセルに接続されたスイッチトランジスタのゲートには、ワード線CG0から0Vが印加され、OFF状態とされる。読み出し対象とされる不揮発性メモリセルに接続されたスイッチトランジスタのゲートには、ワード線CG1から1.5Vが印加され、ON状態とされる。そして、このスイッチトランジスタに接続されたビット線bには、センスアンプ20を介して1.0Vの読み出し用電圧が印加される。読み出し非対象とされるウェル領域WEL1のビット線bは0Vにされる。その結果、読み出し対象とされる不揮発性メモリセルでは、閾値電圧の正負により電流の有無が生じる。センスアンプ20は、電流の有無により記憶情報の1/0を判定する。
ここで、ワード線、ビット線及びソース線に印加される電圧、ウェル電圧Wellは、それぞれ上記したワードドライバ15、ラッチ回路17、ウェルデコーダ16に供給される昇圧電圧Vppに基づいている。このため、電源回路30から見た負荷は、消去動作時や書込み動作時での動作選択された不揮発性メモリセル12の数、即ち選択バイト数によって異なることになる。具体的には、消去動作時では、選択バイト数が多いほど−8.5Vのウェル電圧Wellを印加すべきバイト数が減るので、負荷が軽くなる。書込み動作では、選択バイト数が多いほど−10.5Vの電圧を印加すべきソース線Sの数が増えるので、負荷が重くなる。そして、不揮発性メモリ10では、動作選択された不揮発性メモリセル12に昇圧電圧Vppを印加するとき、印加時間が短くてデータを完全に書込むことができないことや、印加時間が長くて劣化が促進してしまうことがないような最適な印加時間(例えば1ms)が定められている。また、最適な印加時間を含む書込み動作や消去動作に要する時間は、ユーザの要求に応えるために、ある程度短くしなければならない。このような制約の中で最適な印加時間を確保するには、電源回路30において、例えば電源電圧Vccを昇圧し、書込み動作や消去動作時に要求される高電圧(以下、最終目標電圧Vppαという)を発生させるまでの昇圧動作時間が、負荷の軽重に係らず略一定(例えば200μs)となるような制御を行う必要がある。
《電源回路》
図1には、電源回路の回路構成が例示される。電源回路30は、例えば書込み動作や消去動作時に負荷Bに要求される最終目標電圧Vppαを発生させる回路であって、チャージポンプ回路31と、判定回路32と、制御回路33とを有する。負荷Bは、ここでは動作選択された不揮発性メモリセル12の数に対応しているものとする。チャージポンプ回路31は、図6に例示するように、電源電圧Vccを昇圧し、昇圧電圧Vppを発生する回路であって、電源ノードと出力ノード間に各ノードN1〜N5を介して直列接続された複数のnMOSと、複数のキャパシタとを有する。nMOSは、電源ノードから出力ノードに向かう方向が順方向になるように接続される。複数のキャパシタは、一端が各ノードN1〜N5に接続され、他端から相補なクロック信号φ,/φを受けるように接続されている。ここでは、一端がノードN1,N3に接続されたキャパシタは、その他端にクロック信号φを受け、一端がノードN2,N4,N5に接続されたキャパシタは、その他端にクロック信号/φを受ける。このように、チャージポンプ回路31では、相補なクロック信号φ,/φを受けることで、キャパシタの電荷がnMOSを経由して出力ノード側のキャパシタに次々に移動する昇圧動作によって、電源電圧Vccが昇圧される。そして、出力ノードからは昇圧電圧Vppが出力される。即ち、このチャージポンプ回路31は、クロック信号φ,/φに同期して昇圧動作を行う。
判定回路32は、チャージポンプ回路31から出力された昇圧電圧Vppが目的電圧に到達したか否かを判定する回路である。目的電圧とは、電源電圧Vccより大きく、最終目標電圧Vppα以下であり、複数設定可能とされる(詳細は後述)。判定回路32は、分圧回路34と、タイミング発生回路35と、スイッチ回路36,37,38と、基準電圧発生回路39と、コンパレータ40等を備える。分圧回路34は、分圧抵抗R1〜R4を有しており、昇圧電圧Vppを受けて分圧し、複数の分圧電圧DIVa,DIVb,DIVcを生成する。タイミング発生回路35は、タイミング信号TIMA,TIMB,TIMCと、後述する信号FTを発生する。スイッチ回路36〜38は、例えばP型のMOSトランジスタ(以下、pMOSという)であって、そのゲートにタイミング信号TIMA,TIMB,TIMCを受け、ローレベルでON状態とされ、ハイレベルでOFF状態とされる。分圧電圧DIVa,DIVb,DIVcは、タイミング信号TIMA,TIMB,TIMCによってON状態とされたスイッチ回路36〜38を介して分圧電圧DIVとしてコンパレータ40に入力される。つまり、タイミング信号TIMA,TIMB,TIMCは、分圧電圧DIVa,DIVb,DIVcのうちいずれをコンパレータ40の1入力にするかを選択できると共に、その選択のタイミングも設定可能とする。基準電圧発生回路39は、基準電圧Vrefを発生して、コンパレータ40に出力する。
コンパレータ40は、入力された分圧電圧DIVと基準電圧Vrefを比較し、比較結果に応じて信号VppENをレベル変化させる。コンパレータ40は、分圧電圧DIV>基準電圧Vrefであれば信号VppENをローレベルとし、分圧電圧DIV<基準電圧Vrefであればハイレベルとする。つまり、判定回路32による判定結果は、信号VppENのレベルに反映されており、例えばローレベルであれば昇圧電圧Vppが目的電圧に到達していることを示し、ハイレベルであれば昇圧電圧Vppが目的電圧に到達していないことを示している。
制御回路33は、判定回路32の判定結果に基づいて、チャージポンプ回路31による昇圧動作をフィードバック制御する回路であって、クロック発生回路41と、クロック切替制御回路42と、第1ロジック回路43と、第2ロジック回路44と、立下り制御回路45等を有する。クロック発生回路41は、周波数の異なるクロック信号BCLKa,BCLKbを発生する。周波数は、クロック信号BCLKa<クロック信号BCLKbとされる。
クロック切替制御回路42は、不図示のリセットセットフリップフロップ(以下、RS−FFという)等を有し、判定回路32の判定結果、即ち信号VppENをトリガーとして、タイミング信号TIMA,TIMB,TIMCで規定される各期間内でのクロック切替信号SELCKのレベルを決定する。具体的には、クロック切替制御回路42は、タイミング信号TIMA,TIMB,TIMCで規定される期間内で信号VppENがローレベルとされたら、RS−FFにフラグFG(不図示)をセットする。クロック切替制御回路42は、タイミング信号TIMA,TIMB,TIMCのレベル変化により次の期間に移行するタイミングでフラグFGを判定する。この判定タイミングにおいてフラグFGがセットされていると、クロック切替制御回路42は、クロック切替信号SELCKのレベルを変更せずに、フラグFGをリセットする。一方、期間内で信号VppENが一度もローレベルにされなければ、判定タイミングにおいてRS−FFのフラグFGはリセット状態のままにされ、クロック切替制御回路42は、クロック切替信号SELCKをローレベルとする。このようにフラグFGは、次の期間で出力するクロック信号SELCKのレベルを決定するために用いられる。その決定は、上記判定タイミングで行う。尚、最初の期間(後述する期間A、図8,図9参照)では、RS−FFが初期状態であるからリセット状態となっており、クロック切替制御回路42は、ハイレベルのクロック信号SELCKを出力する。
第1ロジック回路43は、クロック切替信号SELCKを受けて、クロック信号BCLKa,BCLKbのうちいずれかを出力する回路であって、入力を反転するインバータ回路46と、2入力の論理積を採るアンドゲート回路47,48と、2入力の論理和を採るオアゲート回路49とを有する。アンドゲート回路47には、クロック切替信号SELCKとクロック信号BCLKaが入力され、クロック切替信号SELCKがハイレベルであるとき、クロック信号BCLKaをオアゲート回路49に出力する。アンドゲート回路48には、インバータ回路46により反転されたクロック切替信号SELCKと、クロック信号BCLKbが入力され、クロック切替信号SELCKがローレベルであるとき、クロック信号BCLKbをオアゲート回路49に出力する。オアゲート回路49は、クロック信号BCLKa,BCLKbのいずれかであるクロック信号CLKを第2ロジック回路44に出力する。
第2ロジック回路44は、クロック信号CLKを受けて、信号VppENのレベルに基づいてクロック信号CLKを相補なクロック信号φ,/φに変換し、相補なクロック信号φ,/φをチャージポンプ回路31に供給する回路であって、2入力の論理積を採ってその出力を否定するナンド回路50と、インバータ回路51,52,53とを有する。ナンド回路50には、クロック信号CLKと信号VppENが入力され、信号VppENがハイレベル、即ち昇圧電圧Vppが目的電圧に到達していなければ、クロック信号CLKを、レベルを反転させた状態で出力する。ナンド回路50からの出力は、1段のインバータ51により反転されてクロック信号φとなり、2段のインバータ52,53によりクロック信号/φとなる。そして、相補なクロック信号φ,/φは、チャージポンプ回路31のキャパシタ(図6参照)に供給される。その結果、チャージポンプ回路31による昇圧動作が開始される。一方、信号VppENがローレベル、即ち昇圧電圧Vppが目的電圧に到達しているならば、ナンド回路50は、クロック信号CLKを固定した状態で出力する。その結果、クロック信号φ,/φが固定値とされ、チャージポンプ回路31による昇圧動作は停止される。立下り制御回路45は、nMOS等を有し、タイミング発生回路35からの信号FTを受けて、信号FTがハイレベルであればnMOSがON状態とされることで、昇圧電圧Vppを例えば電源電圧Vccまで短時間で立下げる。
要するに、制御回路33は、信号VppENのレベルに応じてクロック信号φ,/φを制御することにより、チャージポンプ回路31による昇圧動作をフィードバック制御できる。チャージポンプ回路31の昇圧能力は、クロック信号φ,/φの周波数に依存するから、クロック信号BCLKa,BCLKbのうちいずれに基づいたクロック信号φ,/φが供給されるかによって、昇圧能力が増減されることになる。
次に、説明の便宜上、図7を用いて比較例とされる電源回路の回路構成について説明する。ここでは図1に例示した電源回路30と同一機能等を有する箇所については同一符号等を付し、説明を適宜省略する。電源回路60は、チャージポンプ回路31と、判定回路32Aと、制御回路33A等を有する。判定回路32Aは、上記判定回路32と比べると、上記タイミング発生回路35とスイッチ回路36〜38がなく、分圧回路34Aは1種類の分圧電圧DIVしか生成できない構成とされる。さらに、制御回路33Aは、上記制御回路33と比べると、上記クロック切替制御回路42と第1ロジック回路43がなく、クロック発生回路41Aは1種類のクロック信号CLKしか発生できない構成とされる。従って、電源回路60では、分圧電圧DIV<基準電圧Vrefであればクロック信号φ,/φをチャージポンプ回路31に供給して昇圧動作を開始させ、分圧電圧DIV>基準電圧Vrefであればクロック信号φ,/φを固定値として昇圧動作を停止させる。これにより、電源回路60は、昇圧電圧Vppが目的電圧、ここではVref・(R1+R2)/R2に到達するまで常に昇圧動作を行い、到達後は目的電圧を維持するようにフィードバック制御を行う。
《負荷の軽重に応じた電源回路の動作》
図8,図9を用いて、本実施形態に係る電源回路による負荷の軽重に応じた動作について詳細に説明する。図8には、負荷が軽い場合に電源回路から出力される昇圧電圧の波形が例示されている。図中、横軸を時間Time、縦軸を昇圧電圧Vppとし、電源回路30による昇圧電圧Vppの波形を実線で示し、比較例とされる電源回路60から出力される昇圧電圧Vppを一点鎖線で示す。縦軸に示すVccは電源電圧とされ、VppA,VppBは分圧回路34により得られる目的電圧とされ、Vppαは上記最終目標電圧とされる。横軸に示す時刻a,bは、タイミング発生回路35からのタイミング信号TIMA,TIMB,TIMCのレベル変化時に対応している。時刻0〜cは、最終目標電圧Vppαを発生させるまでの最適な昇圧動作時間(例えば200μs)とされる。時刻c〜dは、例えば書込み動作時での最終目標電圧Vppαの上記最適な印加時間(例えば、1ms)とされ、時刻d〜eは昇圧電圧Vppが電源電圧Vccに立下がるまでの時間を示している。
まず、時刻0〜a(期間Aとも記す)では、タイミング信号TIMAがローレベル、タイミング信号TIMB,TIMCがハイレベルとされているので、スイッチ回路36のみがON状態とされ、分圧電圧DIVaが分圧電圧DIVとしてコンパレータ40に入力される。このときの目的電圧VppAは、基準電圧Vrefと分圧抵抗R1〜R4を用いて次式(1)で示される。
VppA=Vref・(R1+R2+R3+R4)/(R2+R3+R4)・・(1)
時刻0では、昇圧電圧Vppは電源電圧Vccであるから、DIV電圧<基準電圧Vrefとなり、コンパレータ40は、ハイレベルの信号VppENを出力する。クロック切替制御回路42は、上記RS−FFが初期状態とされるから、ハイレベルのクロック切替信号SELCKを第1ロジック回路43に出力する。これにより、第1ロジック回路43から出力されるクロック信号CLKは、クロック信号BCLKaとされる。第2ロジック回路44は、ハイレベルの信号VppENを受けて、クロック信号BCLKaに基づく相補なクロック信号φ,/φをチャージポンプ回路31に供給する。チャージポンプ回路31は、上記相補なクロック信号φ,/φに同期して昇圧動作を開始するので、昇圧電圧Vppが昇圧される。また、昇圧電圧Vppの波形の傾きは、クロック信号φ,/φの周波数に依存するチャージポンプ回路31の昇圧能力に対応している。
期間Aの時刻a1で、昇圧電圧Vppが目的電圧VppAに到達すると、分圧電圧DIV>基準電圧Vrefとなるので、コンパレータ40は、信号VppENをローレベルとする。その結果、クロック信号φ、/φが固定値となり、チャージポンプ回路31による昇圧動作は停止される。その後、時刻a1〜aでは、負荷Bから電流が流れて、昇圧電圧Vppが低下し、分圧電圧DIV<基準電圧Vrefとなる。そして再び、信号VppENがコンパレータ40によりハイレベルにされ、昇圧動作が再開される。このようなフィードバック制御により、昇圧電圧Vppは時刻a1〜aで目的電圧VppAに維持される。ここで、期間Aで信号VppENが一度でもローレベルになったことから、クロック切替制御回路42内のRS−FFにフラグFGがセットされる。これは、期間Aで昇圧電圧Vppが一旦目的電圧VppAに到達したことを意味する。
そこでクロック切替制御回路42は、判定タイミングとされる時刻aにおいて、フラグFGがセットされていることを判定し、次の期間である時刻a〜b(期間Bとも記す)で期間Aと同様にハイレベルのクロック切替信号SELCKを出力することを決定し、フラグFGをリセットする。また、期間Bでは、タイミング信号TIMBがローレベル、タイミング信号TIMA,TIMCがハイレベルとされるので、コンパレータ40に分圧電圧DIVbが分圧電圧DIVとして入力される。時刻aにおいてクロック切替信号SELCKのレベルが変更されないので、制御回路33は、クロック信号φ、/φの周波数を変更せず、言換えるとチャージポンプ回路の昇圧能力を変更せずに、目的電圧をVppAからVppBに更新する。目的電圧VppBは、次式(2)によって示される。
VppB=Vref・(R1+R2+R3+R4)/(R3+R4)・・(2)
このため、昇圧電圧Vppは、期間Aと同様の昇圧能力によってチャージポンプ回路31により昇圧される。期間Bの時刻b1で、昇圧電圧Vppが目的電圧VppBに到達すると、分圧電圧DIV>基準電圧Vrefとなるので、信号VppENがコンパレータ40によりローレベルとされ、上記したようにクロック信号φ、/φが固定値となって昇圧動作が停止する。その後、時刻b1〜bでは、負荷Bから電流が流れて、昇圧電圧Vppが低下し、分圧電圧DIV<基準電圧Vrefとなると上記同様に信号VppENがハイレベルとされ、昇圧動作が再開される。このようなフィードバック制御により、昇圧電圧Vppは時刻b1〜bで目的電圧VppBに維持される。ここで、期間Bで信号VppENが一度でもローレベルになったことから、上記RS−FFにフラグFGがセットされる。これは、期間Bで昇圧電圧Vppが一旦目的電圧VppBに到達したことを意味する。
そこでクロック切替制御回路42は、判定タイミングとされる時刻bにおいて、フラグFGがセットされていることを判定し、次の期間である時刻b〜c(期間Cとも記す)で期間Bと同様にハイレベルのクロック切替信号SELCKを出力することを決定し、フラグFGをリセットする。また、期間Cでは、タイミング信号TIMCがローレベル、タイミング信号TIMA,TIMBがハイレベルとされるので、コンパレータ40に分圧電圧DIVcが分圧電圧DIVとして入力される。時刻bにおいてクロック切替信号SELCKのレベルが変更されないので、制御回路33は、チャージポンプ回路31の昇圧能力を変更せずに、目的電圧をVppBから最終目標電圧Vppαに更新する。最終目標電圧Vppαは、次式(3)によって示される。
Vppα=Vref・(R1+R2+R3+R4)/(R4)・・・(3)
このため、昇圧電圧Vppは、期間A,Bと同様の昇圧能力によってチャージポンプ回路31により昇圧され、時刻cで最終目標電圧Vppαに到達する。その後、最適な印加時間とされる時刻c〜dで、昇圧電圧Vppは最終目標電圧Vppαに維持される。これにより、動作選択された不揮発性メモリセル12に書込み用データが確実に書込まれる。そして、時刻d〜eでは、昇圧電圧Vppは、立下り制御回路45によって最終目標電圧Vppαから電源電圧Vccに短時間で立下げられる。
これに対して、比較例の電源回路60による昇圧電圧Vppは、図中一点鎖線で示すように、電源電圧Vccから最終目標電圧Vppαに至る途中で目的電圧を設定し、目的電圧に所定時間で到達したか否かの判定を行うこともない。このため、電源回路60では、負荷が軽いために、最終目標電圧Vppαまで時刻bで到達している。これは、電圧回路30において最終目標電圧Vppαに時刻cで到達しているのに比べて短く、不揮発性メモリセル12の劣化を促進してしまう可能性がある。要するに、電源回路30によれば、負荷が軽い場合であっても、期間A〜Cの区切りで昇圧電圧Vppが目的電圧VppA,VppBに到達したか否かを判定し、昇圧能力を維持して目的電圧を更新する制御を行うので、最終目標電圧Vppαに到達するまでの昇圧動作時間を長くして最適な時間に近づけることができる。
図9には、負荷が重い場合に電源回路から出力される昇圧電圧の波形が例示されている。図8と重複する箇所については適宜省略する。まず、期間Aでは、クロック切替制御回路42は、上記RS−FFが初期状態とされるから、ハイレベルのクロック切替信号SELCKを第1ロジック回路43に出力する。これにより、第1ロジック回路43から出力されるクロック信号CLKは、クロック信号BCLKaとされる。第2ロジック回路44は、ハイレベルの信号VppENを受けて、クロック信号BCLKaに基づく相補なクロック信号φ,/φをチャージポンプ回路31に供給する。このようにして昇圧電圧Vppは、期間Aで昇圧され続ける。つまり、期間Aでは、信号VppENが一度もローレベルにならずハイレベルのままであるから、上記RS−FFのフラグFGはリセット状態のままとされる。これは、期間Aで昇圧電圧Vppが一度も目的電圧VppAに到達していないことを意味する。
そこでクロック切替制御回路42は、判定タイミングとされる時刻aにおいて、期間Bでローレベルのクロック切替信号SELCKを出力することを決定する。その結果、制御回路33は、クロック信号φ、/φの周波数を高く、即ちチャージポンプ回路31の昇圧能力を高くして、目的電圧をVppAからVppBに更新する。そして、第1ロジック回路43は、周波数の高いクロック信号BCLKbを第2ロジック回路44に出力する。さらに第2ロジック回路44は、クロック信号BCLKbに基づいたクロック信号φ、/φをチャージポンプ回路31に供給する。これにより、期間Bでチャージポンプ回路31の昇圧能力が高くされ、更新された目的電圧VppBに至るまでの昇圧時間を短くできる。ここでは、時刻b2で目的電圧VppBに到達している。期間Bの時刻b2で、昇圧電圧Vppが目的電圧VppBに到達すると、分圧電圧DIV>基準電圧Vrefとなって昇圧動作が停止する。その後、時刻b2〜bでは、負荷Bから電流が流れて、昇圧電圧Vppが低下し、分圧電圧DIV<基準電圧Vrefとなり昇圧動作が再開される。このようなフィードバック制御により、昇圧電圧Vppは時刻b2〜bで目的電圧VppBに維持される。ここで、期間Bで信号VppENが一度でもローレベルになったことから、上記RS−FFにフラグFGがセットされる。これは、期間Bで昇圧電圧Vppが一旦目的電圧VppBに到達したことを意味する。
そこでクロック切替制御回路42は、判定タイミングとされる時刻bにおいて、フラグFGがセットされていることを判定し、次の期間である期間Cで期間Bと同様にローレベルのクロック切替信号SELCKを出力することを決定し、フラグFGをリセットする。つまり、時刻bにおいて、制御回路33は、チャージポンプ回路31の昇圧能力を変更せずに、目的電圧をVppBから最終目標電圧Vppαに更新する。その結果、昇圧電圧Vppは、期間Bと同様の高い昇圧能力によってチャージポンプ回路31により昇圧され、時刻cで最終目標電圧Vppαに到達する。
これに対して、比較例の電源回路60による昇圧電圧Vppは、負荷が重いために電源電圧Vccから最終目標電圧Vppαに時刻eで到達している。これは、電圧回路30において最終目標電圧Vppαに時刻cで到達しているのに比べて非常に長い。そのため、比較例の電源回路60では、最終目標電圧Vppαを最適な時間だけ印加しようとしても、書込み動作に許される時間内では十分な時間書込みを行うことができない。これにより、電源回路60では、データを完全に書込むことや消去することができなくなってしまう。要するに、電源回路30によれば、負荷が重い場合であっても、期間A〜Cの区切りで上記制御を行うことにより、最終目標電圧Vppαに到達するまでの昇圧動作時間を短くして図8に例示した昇圧動作時間と略一致させることができる。
このように電源回路30では、目的電圧が期間A〜Cの区切りで高くなって最終目標電圧Vppαに至るので、昇圧電圧Vppが最終目標電圧Vppαに達するまで上記制御を繰返すことができる。さらに、電源回路30では、チャージポンプ回路31の昇圧能力を高くして目的電圧を更新するタイミングや、昇圧能力を変更せずに目的電圧を更新するタイミングを、タイミング信号TIMA,TIMB,TIMCのレベル変化等により容易に設定できる。従って、電源回路30によれば、判定回路32の判定結果に基づいてチャージポンプ回路31の昇圧能力を増減するから、負荷の軽重に係らず、最終目標電圧Vppαに達するまでに要する昇圧動作時間を略一定に制御できる。
《昇圧動作に伴う消費電流》
図10には、チャージポンプ回路における昇圧電圧と消費電流の関係が例示される。チャージポンプ回路31の消費電流Iは、通常、昇圧動作開始時に高くなり、入力電圧Vccが昇圧されると共に減少する。また、チャージポンプ回路31の消費電流Iは、クロック信号φ,/φの周波数が高くなれば増大する。上記電源回路30では、負荷が重いときにはクロック信号BCLKa,BCLKbのうち、周波数の高いクロック信号BCLKbに基づいたクロック信号φ,/φをチャージポンプ回路31に供給するので、昇圧動作の途中で消費電流Iが増大してしまう。
一例として、クロック信号BCLKbの周波数をクロック信号BCLKaよりも極端に大きくしてしまうと(BCLKa<<BCLKb)、図11に示すように、クロック信号BCLKaからクロック信号BCLKbに切替ったとき(時刻f)、昇圧開始時の消費電流Iαよりもピーク電流Iβが大きくなってしまう。これでは、電磁波を自己の起電力とする上記ICカード1やRFID(Radio Frequency Identification)等においては、ピーク電流Iβの増加により電源電圧Vccが低下して動作保証電位以下となり、パワーオンリセット等により昇圧動作が中断されてしまう可能性がある。そして、動作選択された不揮発性メモリセル12に対して、最終目標電圧Vppαに至らない中途半端な昇圧電圧Vppでデータの書込みや消去動作が行われしまい、誤書込みや誤消去が発生してしまう。
そこで、本実施形態における電源回路30では、図12に示すように、クロック信号BCLKbの周波数を、クロック信号BCLKaの周波数に比べて極端には大きくせず(BCLKa<BCLKb)、昇圧動作に伴う消費電流Iβが所定値以下、即ち昇圧開始時の消費電流Iα以下とされる周波数に設定する。ここではクロック信号BCLKbの周波数は、図中の波形の傾きに示すように、クロック信号BCLKaの周波数の2倍程度とされる。これにより、昇圧動作の途中でクロック信号φ,/φの周波数が高くされても、昇圧動作が中断されることがなく、動作選択された不揮発性メモリセル12に対する誤書込みや誤消去を回避でき、不揮発性メモリ10の信頼性を確保できる。
上記ICカード1は、このような電源回路30を有するICカード用マイコンとされる半導体装置3をカード基板2に搭載しているので、負荷の軽重に係らず、昇圧動作時間が安定しており、さらに昇圧動作が途中で中断されてしまう等の不具合も回避できる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、スイッチ回路36〜38は、pMOSとしたがこれに限定されず、nMOSであってもよい。この場合には、タイミング信号TIMA,TIMB,TIMCのレベルを上記とは逆にして期間A〜Cを設定すればよい。また、目的電圧としてVppA,VppBを設定したが、分圧抵抗の数を増やし、これに伴ってスイッチ回路を配置することで、適宜の数の目的電圧を設定し、各スイッチ回路にタイミング信号を発生させてもよい。このようにすれば、昇圧電圧Vppが目的電圧に到達したか否かを判定する期間が多く設定されるから、昇圧電圧Vppの変動を小さくした状態で昇圧でき、動作選択される不揮発性メモリセル12の劣化を低減できる。さらに、チャージポンプ回路31の昇圧能力は、クロック信号φ,/φの周波数に依存するとしたが、これに限定されず、例えば電源ノードと出力ノードに直列接続されたnMOSの段数を判定結果に応じて変更するような構成としてもよい。
電源回路の回路構成を例示する図である。 本発明に係る半導体装置を搭載したICカードを例示する図である。 ICカード用マイコンとされる半導体装置の概略構成を例示する図である。 不揮発性メモリの回路構成を概略的に例示する図である。 不揮発性メモリに対して消去動作、書込み動作及び読み出し動作を行う場合での電圧印加形態を例示する説明図である。 チャージポンプ回路の概略構成を例示する図である。 比較例とされる電源回路の回路構成を例示する図である。 負荷が軽い場合での電源回路による動作を例示する説明図である。 負荷が重い場合での電源回路による動作を例示する説明図である。 チャージポンプ回路から出力される昇圧電圧と消費電流の関係を示す図である。 昇圧途中でクロック信号の周波数を極端に高くした場合での昇圧電圧と消費電流の関係を示す図である。 消費電流を考慮して昇圧途中でクロック信号の周波数を高くした場合での昇圧電圧と消費電流の関係を示す図である。
符号の説明
1 ICカード
3 半導体装置
10 不揮発性メモリ
11 メモリアレイ
30 電源回路
31 チャージポンプ回路
32 判定回路
33 制御回路
34 分圧回路
35 タイミング発生回路
36〜38 スイッチ回路
39 基準電圧発生回路
40 コンパレータ
41 クロック発生回路
42 クロック切替制御回路
43 第1ロジック回路
44 第2ロジック回路
Vcc 電源電圧
Vpp 昇圧電圧
VppA,VppB 目的電圧
Vppα 最終目標電圧

Claims (7)

  1. 入力電圧を昇圧するチャージポンプ回路と、
    前記チャージポンプ回路から出力される昇圧電圧が目的電圧に到達したか否かを判定する判定回路と、
    前記判定回路の判定結果に基づいて、前記チャージポンプ回路による昇圧動作をフィードバック制御する制御回路と、を有し、
    前記制御回路は、所定時間内に前記昇圧電圧が一度も前記目的電圧に到達しないときには、前記所定時間後に前記チャージポンプ回路の昇圧能力を高くして前記目的電圧を更新し、前記所定時間内に前記昇圧電圧が一旦前記目的電圧に到達したときには、前記所定時間後に昇圧能力を変更せずに前記目的電圧を更新する半導体装置。
  2. 前記チャージポンプ回路は、クロック信号に同期して昇圧動作を行い、
    前記制御回路は、前記クロック信号の周波数を高くして、前記チャージポンプ回路の昇圧能力を高くする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記判定回路は、前記所定時間を設定するためのタイミング信号を発生するタイミング発生回路を有する請求項1又は2記載の半導体装置。
  4. 前記目的電圧は、前記制御回路により更新される毎に高くされる請求項1乃至3のいずれか1項記載の半導体装置。
  5. 前記制御回路は、
    周波数の異なる複数のクロック信号を発生するクロック発生回路と、
    前記タイミング信号を受けて、前記判定回路の判定結果に基づいて前記複数のクロック信号のうちいずれかを選択するためのクロック切替信号を出力するクロック切替制御回路と、
    前記クロック切替信号を受けて、前記複数のクロック信号のうちいずれかを出力する第1ロジック回路と、
    前記第1ロジック回路から出力されたクロック信号を受けて、前記判定結果に基づいて前記クロック信号を相補なクロック信号に変換し、前記相補なクロック信号を前記チャージポンプ回路に供給する第2ロジック回路と、を有する請求項3又は4記載の半導体装置。
  6. 前記チャージポンプ回路の昇圧能力が高くされたときに供給されるクロック信号の周波数は、前記昇圧能力が高くされたときの昇圧動作に伴うピーク電流が、前記昇圧能力を高くする前でのピーク電流以下とされる周波数である請求項2乃至5のいずれか1項記載の半導体装置。
  7. カード基板と、
    前記カード基板に搭載され、ICカード用マイコンとされる請求項1乃至6の何れか1項記載の半導体装置と、を有するICカード。
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