JP4873399B2 - 赤外線吸収能を有する屈折率分布型光学素子の製造方法 - Google Patents

赤外線吸収能を有する屈折率分布型光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、赤外線吸収能を有する屈折率分布型光学素子の製造方法に関する。
写真撮影用カメラ、VTRカメラ等に使用される撮像素子の分光感度は、可視光域から赤外域にわたる広い範囲に存在している。従って、赤外域の800〜1000nmの光を吸収し、400〜650nmの可視光域の光を透過することにより、分光感度を人間の視感度に近似補正する赤外線カットフィルターは、必要不可欠な光学部品となっている。
近年、光学機器のコンパクト化が進んでおり、前記カメラにおいてもコンパクト化の要請がある。しかしながら、前記カメラでは、カメラレンズと赤外線カットフィルターとは別々に設置されているため、レンズ周辺のコンパクト化には限界がある。そこで、カメラレンズを、赤外線吸収能を有するガラス基材に屈折率分布を形成することにより作製し、レンズ(屈折率分布型レンズ)自体に赤外線吸収能を持たせる試みがなされている。
屈折率分布型レンズの製造方法としては、例えば、イオン交換法、二重ルツボ法、CVD法(気相堆積法)、ゾル−ゲル法、ロッドインチューブ法等が知られている。このうち、イオン交換法は、一価陽イオン(K、Tl、Ag等)を含む溶融塩中にガラス基材を浸漬し、ガラスに含まれる一価陽イオン(Na等)と溶融塩中の一価陽イオンとを交換することにより屈折率分布を形成する方法であり代表的な製造方法である。例えば、特許文献1には、Na成分を含有するガラス基材に対してAgを含む溶融塩を用いてイオン交換を行って屈折率分布を形成させることにより、屈折率分布型レンズを作製する方法が開示されている。
イオン交換法による屈折率分布型光学素子(例えば、前記レンズ)の製造では、用いる溶融塩の温度は250〜400℃程度であり、製造設備はCVD等の気相法に比べて安価である。また、球面レンズの作製と比較して、研磨加工が容易であるという利点もある。しかしながら、従来知られているイオン交換法には、下記の問題がある。
一点目は、イオン交換時における溶融塩の条件制御の問題である。イオン交換速度及びガラス基材中でのイオン拡散速度は、溶融塩の温度に依存する。また、溶融塩の液相温度は溶融塩の混合比(組成)に依存し、イオン交換温度は塩の液相温度以上でしか制御できない。そのため、溶融塩中のイオン濃度とイオン交換温度とを独立に制御することができない場合がある。従って、イオン交換法により所望の屈折率プロファイルを有する屈折率分布型レンズを作製するに際して、溶融塩の組成、温度、浸漬時間等のイオン交換条件の決定は容易ではなく、高度なノウハウを必要とする。更に、空気中で酸化され易いイオンを用いる場合には、イオン交換を還元雰囲気で行うことにも注意しなければならない。
二点目は、イオン交換阻止膜の塗布である。イオン交換を溶融塩で行う際、屈折率分布形成領域以外には、イオン交換阻止膜を塗布する必要がある。一般にイオン交換阻止膜の塗布には、フォトリソグラフィーの技術が利用されるが、このような阻止膜の形成工程は複雑である。
特開2001−159702号公報
本発明は、特定の処理雰囲気を必要とせず、また溶融塩を用いることなく、赤外線吸収能を有するガラス基材の所望部位に対して容易に屈折率分布を形成することにより、赤外線吸収能を有する屈折率分布型光学素子を簡便に製造する方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、アルカリ金属成分を含み、鉄、銅、コバルト及びバナジウムからなる群から選択された少なくとも1種を含み、且つ、鉄、銅、コバルト及びバナジウムのうち、鉄を単独で含む場合には、鉄の含有量が、ガラス全体量を100重量%としFe換算で3重量%を超えるガラス基材に、
リチウム化合物、カリウム化合物、ルビジウム化合物、セシウム化合物、銀化合物、銅化合物及びタリウム化合物からなる群から選択された少なくとも1種、有機樹脂並びに有機溶剤を含有するペーストを用いて、ガラス基材中にLiイオン、Kイオン、Rbイオン、Csイオン、Agイオン、Cuイオン、Tlイオン等を拡散することにより、ガラス基材中に屈折率の異なる領域(以下「屈折率変調領域」とも言う)を形成する製造方法によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の赤外線吸収能を有する屈折率分布型光学素子の製造方法に係る。
1.アルカリ金属成分を含み、鉄、銅、コバルト及びバナジウムからなる群から選択された少なくとも1種を含み、且つ、鉄、銅、コバルト及びバナジウムのうち、鉄を単独で含む場合には、鉄の含有量が、ガラス全体量を100重量%としFe換算で3重量%を超えるガラス基材に、
リチウム化合物、カリウム化合物、ルビジウム化合物、セシウム化合物、銀化合物、銅化合物及びタリウム化合物からなる群から選択された少なくとも1種、有機樹脂並びに有機溶剤を含有するペーストを塗布し、ガラス基材の軟化温度より低い温度で熱処理することを特徴とする、赤外線吸収能を有する屈折率分布型光学素子の製造方法。
2.ガラス基材が、厚さ1mmにおける赤外線透過率が80%以下である、上記項1に記載の製造方法。
3.ガラス基材が、アルカリ金属成分を酸化物換算で2重量%以上含むガラスからなり、該ガラスがケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス又は弗リン酸塩ガラスである、上記項1又は2に記載の製造方法。
4.ガラス基材が、ガラス全体量を100重量%とし、酸化物組成として、
(1)P:51〜60重量%、
(2)ZnO:17〜33重量%、
(3)Al:1〜6重量%、
(4)LiO:0〜5重量%、NaO:0〜10重量%及びKO:0〜15重量%であって、LiO、NaO及びKOの合計量として5〜17重量%、
(5)MgO:0〜7重量%及びCaO:0〜7重量%であって、MgO及びCaOの合計量として1〜12重量%、
(6)B:0〜5重量%、
(7)Y、La、Ta及びWOからなる群から選択された少なくとも1種:0〜10重量%、並びに
(8)CuO:0.2〜8重量%、
を含有するリン酸塩ガラスからなる、上記項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
5.ガラス基材が、ガラス全体量を100重量%とし、酸化物組成として、
(1)P:60〜80重量%、
(2)ZnO:5〜12重量%、
(3)Al:5〜10重量%、
(4)LiO:0〜5重量%、NaO:0〜8重量%、KO:7〜15重量%及びCsO:0〜8重量%であって、LiO、NaO、KO及びCsOの合計量として7〜15重量%、
(5)MgO:0〜10重量%及びCaO:0〜10重量%であって、MgO及びCaOの合計量として3〜10重量%、
(6)B:0〜1.5重量%及びSiO:0〜1.5重量%であって、B及びSiOの合計量として0.5〜2重量%、並びに
(7)CuO:0.2〜10重量%、
を含有するリン酸塩ガラスからなる、上記項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
6.ガラス基材が、BaO、SrO、Y、La、ZrO、Ta、Nb、TiO及びGdからなる群から選択された少なくとも1種を、さらに0〜5重量%含有する、上記項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
7.上記項1〜6のいずれかに記載の製造方法により製造された、赤外線吸収能を有する屈折率分布型光学素子。
8.レンズ又はレンズアレイである、上記項7に記載された屈折率分布型光学素子。
9.カメラ用レンズ又はカメラ用レンズアレイである、上記項7に記載の屈折率分布型光学素子。
以下、本発明の赤外線吸収能を有する屈折率分布型光学素子の製造方法について詳細に説明する。なお、本発明における光学素子は、ガラス基材の少なくとも一部に形成された屈折率変調領域を利用して所望の光学特性を発揮するものを言い、例えば、屈折率分布型レンズ、屈折率分布型レンズアレイ、回折格子等が該当する。前記レンズ及びレンズアレイの中でも、特にカメラ用レンズ及びカメラ用レンズアレイは赤外線吸収能を活用し易い光学素子として挙げられる。
本発明の製造方法では、ガラス基材として、アルカリ金属成分を含み、鉄、銅、コバルト及びバナジウムからなる群から選択された少なくとも1種を含み、且つ、鉄、銅、コバルト及びバナジウムのうち、鉄を単独で含む場合には、鉄の含有量が、ガラス全体量を100重量%としFe換算で3重量%を超えるガラス基材を用いることが必要である。
該ガラス基材におけるアルカリ金属成分としては、Li、Na、K、Rb、Cs等を例示でき、このうちLi、Na、Kが好ましく、Naが特に好ましい。これらのアルカリ金属成分は、イオンの状態で存在してもよく、酸化物として存在してもよい。また、アルカリ金属成分は、一種のみ存在してもよく、二種以上が同時に存在してもよい。
該ガラス基材におけるアルカリ金属成分の含有量は、酸化物換算で2重量%程度以上が適当であり、5重量%程度以上が好ましく、10重量%程度以上がより好ましい。アルカリ金属成分の上限は限定的ではないが、酸化物換算で40重量%程度が適当であり、30重量%程度が好ましく、20重量%程度がより好ましい。
該ガラス基材は、鉄、銅、コバルト及びバナジウムからなる群から選択された少なくとも1種を含む。これらの成分(以下「赤外線吸収成分」とも言う)を含有することにより、ガラス基材は赤外線吸収能を有する。但し、上記赤外線吸収成分のうち、鉄を単独で含む場合には、鉄の含有量は、ガラス全体量を100重量%としFe換算で3重量%を超える量に設定する。より具体的には、Fe換算で3.1重量%以上が好ましく、3.2重量%以上がより好ましく、その上限は15重量%程度である。
他方、上記赤外線吸収成分のうち、2成分以上を含む場合には、それらの含有量は特に限定されないが、所定の効果を十分に得るためには、鉄はFe換算で、銅はCuO換算で、コバルトはCoO換算で、バナジウムはVO換算で、当該2成分以上の合算の下限値を0.2重量%程度とすることが好ましい。
該ガラス基材の赤外線吸収能の程度は、最終製品である屈折率分布型光学素子の具体的用途に応じて設定できるが、赤外線吸収能を活かすためには、厚さ1mmにおける赤外線透過率は80%以下が好ましく、60%以下がより好ましい。なお、本明細書における赤外線透過率は、厚さ1mmのガラス基材又はそれを用いた光学素子に対してガラス基材の垂直方向から赤外線を照射した場合の透過率を示す。
本発明では、上記したガラスの成分条件を満たす限り、ガラス基材を構成するガラスの種類は特に限定されない。例えば、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、弗リン酸塩ガラス等が使用できる。
ガラスの具体的組成については特に限定されず、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、弗リン酸塩ガラス等として公知の組成のガラスであって、上記した成分条件を満たすものであればよい。
例えば、下記組成例A,Bで示される組成のリン酸塩ガラス、組成例Cで示される組成のケイ酸塩ガラスなどが好適である。
組成例A(リン酸塩ガラス)
ガラス全体量を100重量%とし、酸化物組成として、
(1)P:51〜60重量%、
(2)ZnO:17〜33重量%、
(3)Al:1〜6重量%、
(4)LiO:0〜5重量%、NaO:0〜10重量%及びKO:0〜15重量%であって、LiO、NaO及びKOの合計量として5〜17重量%、
(5)MgO:0〜7重量%及びCaO:0〜7重量%であって、MgO及びCaOの合計量として1〜12重量%、
(6)B:0〜5重量%、
(7)Y、La、Ta及びWOからなる群から選択された少なくとも1種:0〜10重量%、並びに
(8)CuO:0.2〜8重量%、
を含有するリン酸塩ガラス。
組成例B(リン酸塩ガラス)
ガラス全体量を100重量%とし、酸化物組成として、
(1)P:60〜80重量%、
(2)ZnO:5〜12重量%、
(3)Al:5〜10重量%、
(4)LiO:0〜5重量%、NaO:0〜8重量%、KO:7〜15重量%及びCsO:0〜8重量%であって、LiO、NaO、KO及びCsOの合計量として7〜15重量%、
(5)MgO:0〜10重量%及びCaO:0〜10重量%であって、MgO及びCaOの合計量として3〜10重量%、
(6)B:0〜1.5重量%及びSiO:0〜1.5重量%であって、B及びSiOの合計量として0.5〜2重量%、並びに
(7)CuO:0.2〜10重量%、
を含有するリン酸塩ガラス。
組成例C(ケイ酸塩ガラス)
ガラス全体量を100重量%とし、酸化物組成として、
(1)SiO:40〜80重量%、好ましくは50〜75重量%、
(2)CaO:5〜25重量%、好ましくは7〜20重量%
(3)NaO、KO、LiO、RbO及びCsOからなる群から選択された少なくとも1種:5〜25重量%、好ましくは7〜20重量%、
(4)MgO、BaO、ZnO、SrO及びPbOからなる群から選択された少なくとも1種:2.5重量%以下、好ましくは2.4重量%以下、
(5)Al:15重量%以下、好ましくは10重量%以下、並びに
(6)Feが:3.1重量%以上、好ましくは3.2重量%以上、
を含有するケイ酸塩ガラス。
上記組成例A,Bにおいては、CuOは、特に1〜5重量%含まれることが好ましい。CuOの銅成分はPからなるガラス網目構造中において実質的に2価の銅として存在し、これにより、ガラスが青緑色を呈して赤外線吸収能が発揮される。銅成分は、1価の銅の状態でも存在し得るが、1価の銅の含有量が多くなると400nm付近の透過率が低下するため、できる限り1価の銅は含まれていないことが好ましい。
上記組成例Cにおいては、Feは3.2重量%以上含まれることが好ましく、上限値としては15重量%程度である。即ち、組成例Cの場合には、Feの含有量は、3.1〜15重量%の範囲内から設定するのが好ましい。
ガラス基材には、その特性をより改善するために、各種酸化物をさらに含有してもよい。例えば、ガラスの化学的耐久性、ガラス原料の溶融性改善等を目的としてBaO、SrO、Y、La、ZrO、Ta、Nb、TiO、Gd等をさらに含有できる。これらの添加剤は、1種又は2種以上を含有できる。
添加剤の含有量は特に限定されず、特性改善の程度、添加剤の種類等に応じて適宜設定できるが、特にガラスの化学的耐久性、ガラス原料の溶融性改善等を目的とする場合には、ガラス全体量を100重量%とし、酸化物組成として、BaO、SrO、Y、La、ZrO、Ta、Nb、TiO及びGdからなる群から選択された少なくとも1種を、さらに0〜5重量%、特に0.5〜2重量%含有することが好ましい。
ガラス基材の形状は特に限定されず、最終製品の用途に応じて適宜設定できる。例えば、レンズ、レンズアレイ、回折格子等に適した形状が広く採用でき、具体的には、板状、円柱状、角柱状等が挙げられる。例えば、前記した組成のガラス塊を研磨することにより所望形状の基材としたものを使用してもよいし、前記した組成のガラス溶融体を所望形状の基材となるように成型後、必要に応じて研磨したものを使用してもよい。
本発明の製造方法では、このようなガラス基材を用いて、これにリチウム化合物、カリウム化合物、ルビジウム化合物、セシウム化合物、銀化合物、銅化合物及びタリウム化合物(以下、これらの化合物を総称して「金属化合物」とも言う)から選ばれる少なくとも1種を含有するペーストを塗布し、ガラス基材の軟化点より低い温度で熱処理を行う。
ペーストとしては、リチウム化合物、カリウム化合物、ルビジウム化合物、セシウム化合物、銀化合物、銅化合物及びタリウム化合物から選ばれる少なくとも1種と有機樹脂を有機溶媒に分散させてペースト状としたものを用いる。このようなペーストとしては、ガラス基材に塗布し得る適度な粘度を有し、熱処理によりリチウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン、銀イオン、銅イオン及びタリウムイオンから選ばれる少なくとも1種を拡散させることのできる上記金属化合物を含有するペースト状物であれば特に限定されない。具体的には、ペースト粘度は、塗布方法、ペースト組成、基材への拡散条件等を考慮して適宜決定すればよい。例えば、後記するインクジェット法により印刷塗布する場合には、塗布温度での粘度が1〜15cP程度のペーストを使用することが好ましい。
このようなペーストをガラス基材に塗布し、熱処理を行うことによって、該ペーストに含まれる金属化合物中の金属イオンが、ガラス基材中のアルカリ成分と交換してLiイオン、Kイオン、Rbイオン、Csイオン、Agイオン、Cuイオン、Tlイオン等としてガラス基材中に拡散する。そして、拡散部分には屈折率変調領域が形成され、その屈折率は拡散濃度の変化に応じて連続的に分布する。特に、Agイオン、Tlイオン等を拡散させる場合には、屈折率の調整範囲が広いため所望の屈折率分布が得られ易いため好ましい。該ペーストに含まれる金属化合物としては、熱処理によって各金属イオンをガラス基材に拡散可能なイオン結合性金属化合物であれば特に限定されないが、特に無機塩類を用いることが好ましい。各金属化合物の具体例を次に示す。
リチウム化合物としては、例えば、LiNO、LiCl、LiBr、LiI、LiF、LISO等が挙げられる。この中でも、特にLiNO、LiSO等が好ましい。
カリウム化合物としては、例えば、KNO、KCl、KBr、KI、KF、KSO等が挙げられる。この中でも、特にKNO、KSO等が好ましい。
ルビジウム化合物としては、例えば、RbNO、RbCl、RbBr、RbI、RbF、RbSO等が挙げられる。この中でも、特にRbNO、RbSO等が好ましい。
セシウム化合物としては、例えば、CsNO、CsCl、CsBr、CsI、CsF、CsSO等が挙げられる。この中でも、特にCsNO、CsSO等が好ましい。
銀化合物としては、例えば、AgNO、AgCl、AgBr、AgI、AgF、AgS、AgSO、AgO等が挙げられる。この中でも、特にAgNOが好ましい。
銅化合物としては、例えば、CuSO、CuCl、CuCl、CuBr、CuBr、CuO、CuO、Cu(NO、CuS、CuI、CuI、Cu(NO)・3HO等が挙げられる。この中でも、CuSO、Cu(NO等が好ましい。これらの銅化合物は、1種単独で使用してもよく、又は2種以上を混合しても使用できる。
タリウム化合物としては、例えば、TlNO、TlCl、TlBr、TlI、TlF、TlS、TlSO、TlO等が挙げられる。この中でも、特にTlNOが好ましい。
これらの金属化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合してもよい。
該ペーストに含まれる有機樹脂としては、熱処理温度において分解する樹脂を用いればよく、水洗により容易に除去できるものが好ましい。例えば、このような特性を有する、セルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、セルロースアセテート樹脂、セルロースニトレート樹脂、セルロースアセテートプチレート樹脂、アクリル樹脂、石油樹脂等が挙げられる。これらの有機樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合してもよい。
該ペーストにおいて用いる有機溶剤は、金属化合物及び有機樹脂を容易に分散でき、乾燥時に容易に揮発するものであることが好ましく、具体的には、常温(20℃程度)では液体であって、50〜200℃程度で揮発する溶剤が好ましい。このような溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、テルピネオール等のアルコール類;ジメチルエーテル;アセトン等のケトン類などを挙げることができる。
該ペーストには、必要に応じて、添加剤を加えても良い。例えば、金属化合物の融点を低下させる添加剤としては、NaSO、NaNO、NaCl、NaBr、NaI等が挙げられる。この中でも、特にNaSO、NaNOの少なくとも1種が好ましい。これらの添加剤の配合量については、特に限定的ではないが、金属化合物100重量部に対して、200重量部以下、好ましくは180重量部以下である。
該ペーストにおける各成分の含有量は、最終製品の特性に応じて適宜設定できるが、例えば、金属化合物がカリウム化合物、ルビジウム化合物又はセシウム化合物の場合には、金属化合物100重量部に対して、有機溶剤2〜25重量部、好ましくは5〜20重量部、樹脂成分15〜45重量部、好ましくは20〜40重量部、添加剤3重量部以下である。特に、カリウム化合物としてKNO、ルビジウム化合物としてRbNO、セシウム化合物としてCsNOを用いる場合には、この配合態様が好ましい。
また、金属化合物が銀化合物又はタリウム化合物の場合には、金属化合物100重量部に対して、有機溶剤15〜45重量部、好ましくは20〜40重量部、樹脂成分50〜170重量部、好ましくは70〜150重量部、添加剤180重量部以下、好ましくは160重量部以下である。特に、銀化合物としてAgNO、タリウム化合物としてTlNOを用いる場合には、この配合態様が好ましい。
さらに、金属化合物がリチウム化合物の場合には、金属化合物100重量部に対して、有機溶剤10〜50重量部、好ましくは15〜45重量部、樹脂成分40〜180重量部、好ましくは60〜160重量部、添加剤180重量部以下、好ましくは160重量部以下である。特に、リチウム化合物としてLiSOを用いる場合には、この配合態様が好ましい。
本発明の製造方法では、先ず該ペーストをガラス基材に塗布する。ペーストの塗布形状は特に限定されず、各光学素子の特性に合わせて適宜設定できる。例えば、屈折率分布型レンズを作製する場合には、基材の所望部位にレンズとして使用可能な形状にペーストを塗布すればよい。具体的には、円形に塗布する場合には、通常は半径が5μm〜1mm、好ましくは10μm〜0.5mm程度である。他方、レンズアレイを作製する場合には、所望のレンズパターンに合わせてパターニング間隔、円又はドットの大きさ等を調整すればよい。パターニング間隔は特に限定的ではないが、通常1cm以下、好ましくは500μ以下、より好ましくは250μm以下である。
塗布方法については特に限定はなく、公知の塗布方法を適宜採用すれば良く、例えば、スピーンコート、スプレーコート、ディップコート等の方法を適用できる。また、屈折率分布型微小レンズ(マイクロレンズ)を作製する場合には、注射器、ディスペンサー分注装置等によりペーストを基材上に滴下してもよいし、精密な円形微小ドットを形成する印刷技法(例えば、インクジェット法を使用した印刷)等を利用してもよい。
また、回折格子を作製する場合には、線形にパターニングすればよい。線形のパターニングには、染色等に用いられるスクリーニング(スクリーン印刷)を利用してもよい。線状にパターニングする場合には、線形幅は光学素子(回折格子等)の所望の特性に応じて適宜設定できるが、回折格子であれば、通常500μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。さらに、より精密なパターンを形成する場合には、フォトリソグラフィー法によって、ガラス基材表面に無機膜によるパターニングを行い、ガラス基材の露出部分に金属化合物を含むペーストを塗布すればよい。
上記した何れのペースト塗布方法においても、塗布厚は特に限定されず、ペースト中に含まれる金属化合物の種類、含有量等によって適宜設定できるが、通常2mm以下、特に1.5mm以下、特に好ましくは1mm以下である。
ペーストを塗布した後、通常、熱処理に先だって塗膜を乾燥する。乾燥条件については特に限定はなく、溶剤成分が十分に除去されてペーストが乾固させるように乾燥すればよく、通常100〜250℃で30分〜1.5時間、好ましくは150〜200℃で45分〜1時間程度加熱することにより効率よく乾燥することができる。
次いで、乾燥した塗膜を熱処理する。熱処理温度は、通常250〜600℃程度、好ましくは300〜550℃程度の温度範囲であって、ガラス基材の軟化点を下回る温度とすればよい。熱処理時間は、温度に応じて適宜設定できるが、通常10分から100時間、好ましくは30分〜50時間程度、特に好ましくは1〜25時間程度である。熱処理雰囲気は特に限定されず、通常は空気中等の酸素含有雰囲気中でよい。
上記した方法によって熱処理を行うことによって、所定の金属イオンがガラス基材に拡散する。拡散した金属イオンは、処理条件によって異なるが、金属イオンの状態、金属酸化物の状態、金属微粒子の状態等で存在し、拡散部分については、ガラス基材部分とは屈折率が異なる屈折率変調領域となる。屈折率の分布は連続的なものであり、通常はペーストを塗布した基材表面の屈折率が最大であり、拡散深度が大きくなるほど屈折率は小さくなる。また、例えば、円形に塗布した場合には、円の中心部から半径方向に亘って連続的に屈折率が小さくなる。このように、基材と異なる屈折率分布又は屈折率分布領域が形成されることにより、所定の光学特性を発揮し得る素子構造が得られる。このようなイオン交換により形成された屈折率変調領域は、ガラス基材が有する赤外線吸収能を保持する。
熱処理後は、通常、室温まで放冷し、基材上に残っているペースト残留物を水洗すればよい。
以上の過程を経て赤外線吸収能を有する屈折率分布型光学素子は製造できる。例えば、屈折率分布型レンズであれば、レーザー光線の焦点補正、光ファイバー間の空間での光結合、カメラレンズ等の用途に使用できる。屈折率分布型レンズアレイであれば、光通信における光分波、並列画像処理、カメラレンズアレイ等の用途に使用できる。回折格子であれば、センサ素子等の用途に使用できる。これらの中でも特にカメラ用レンズ、カメラ用レンズアレイは、赤外線吸収能を活かし易い光学素子である。
勿論、本発明の製造方法は、上記具体的に示した光学素子の製造のみならず、基材が具備する赤外線吸収能とともに基材に形成した屈折率変調領域を光学的に利用できる素子の製造に有用である。
本発明の製造方法によれば、アルカリ金属成分を含み、鉄、銅、コバルト及びバナジウムからなる群から選択された少なくとも1種を含み、且つ、鉄、銅、コバルト及びバナジウムのうち、鉄を単独で含む場合には、鉄の含有量が、ガラス全体量を100重量%としFe換算で3重量%を超えるガラス基材に、特定の金属化合物を含むペーストを塗布し、空気中等で加熱するという簡単な操作によって、ガラス基材の所望部分に基材とは屈折率の異なる領域又は屈折率分布を形成して、かかる屈折率の差異又は屈折率分布を利用した、赤外線吸収能を有する屈折率分布型光学素子を製造することができる。この方法によれば、煩雑な製造工程を要することなく、低コストで光学素子を製造できる。
また、溶融塩を用いないため、溶融塩の厳密な管理が必要なく、熱処理温度及びペースト中の金属化合物濃度を独立に制御することができる。さらに、溶融塩に浸漬するのと異なり、基材上の所望部位にペーストを塗布するため、基材上に阻止膜等のマスクを形成する必要がない。
実施例1で作製した赤外線吸収能を有するマイクロレンズの、レンズ中心から半径方向の距離と銀の分散量との関係を示すEDX線分測定結果図である。 実施例1で作製したマイクロレンズの中心部分(銀拡散部分)の赤外線透過率とガラス基材部分(銀拡散していない部分)の赤外線透過率とを示す図である。点線は銀拡散部分の赤外線透過率を示し、実線部分は銀拡散していない部分の赤外線透過率を示す。 実施例1で作製したマイクロレンズのガラス基材の深さ方向(円の中心部)の屈折率分布を示す図である。 実施例2の屈折率分布型マイクロレンズアレイの製造における、ペーストのパターニング模式図である。100μmは塗布円の直径を示し、200μmは塗布円のパターニング間隔を示す。 実施例2で作製したマイクロレンズアレイの1つのレンズにおけるガラス基材の深さ方向(円の中心部)の屈折率分布を示す図である。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
(屈折率分布型マイクロレンズの作製)
SiO:68重量%、CaO:9重量%、NaO:14重量%、KO:1重量%、Al:1.5重量%、MgO:2.4重量%及びFe:3.1重量%を含有するガラスを、縦10×横10×厚さ1mmのガラス基材に加工後、その表面を洗浄した。
ガラス基材の片面にAgNO:25重量%、NaNO:40重量%、アクリル樹脂:15重量%、セルロース樹脂:15重量%及びターピネオール:5重量%からなるペースト(銀化合物100重量部に対して、有機溶剤20重量部、樹脂成分120重量部及び添加剤160重量部を配合したもの)を注射器滴下により円形(直径300μm)に塗布した。ペースト厚さは1mmとなるように塗布した。
次いで、ペーストを塗布したガラス基材を200℃で1時間乾燥後、空気中300℃で3時間熱処理を行った。
熱処理後の試料について、EDX(エネルギー分散型X線分析装置)により銀の分布を測定することにより、銀が円形に分布していることを確認した。銀の分布測定結果を図1に示す。銀の分布は、塗布したペースト表面(即ち、ガラス表層面)の銀の分布を測定したものである。
また、マイクロレンズの中心部分(銀拡散部分)の赤外線透過率を測定したところ、ガラス基材部分(銀拡散していない部分)の赤外線透過率と同等の赤外線透過率を有することが分かった。赤外線透過率の測定結果を図2に示す。図2中、“基板部分”は銀を拡散していないガラス基材部分の赤外線透過率を示し、“銀拡散部分”はマイクロレンズの中心部分の赤外線透過率を示す。約400nmよりも長波長側では、実線と点線とは重なり合っている。
また、ガラス基材の深さ方向における屈折率の分布を調べたところ、ガラス基材との屈折率差が最大で約1×10−2増大し、塗布した円の中心部において、表面から約6μmまで屈折率の分布が生じていることがわかった。深さ方向(円の中心部)の屈折率分布を図3に示す。
(屈折率分布型マイクロレンズアレイの作製)
:51重量%、ZnO:18重量%、Al:6重量%、Li O:5重量%、NaO:10重量%、CaO:3重量%、MgO:3重量%及びCuO:4量%を含有するガラスを、縦5×横5×厚さ1mmのガラス基材に加工後、その表面を洗浄した。
ガラス基材の片面にAgNO:25重量%、NaNO:40重量%、アクリル樹脂:15重量%、セルロース樹脂:15重量%及びターピネオール:5重量%からなるペースト(銀化合物100重量部に対して、有機溶剤20重量部、樹脂成分120重量部及び添加剤160重量部を配合したもの;常温粘度10cP)をインクジェット法により円形(直径100μm)に塗布した。塗布は、パターニング間隔(円の中心から隣接の円の中心までの間隔)を200μmとし、10点×10点(計100点)行った。ペースト厚さは1mmとした。パターニングの模式図を図4に示す。
次いで、ペーストを塗布したガラス基材を200℃で1時間乾燥後、空気中300℃で3時間熱処理を行った。
熱処理後の試料について、EDX(エネルギー分散型X線分析装置)により銀の分布を測定することにより、銀が円形に分布していることを確認した。また、マイクロレンズ1つの中心部分(銀拡散部分)の赤外線透過率を測定したところ、ガラス基材部分(銀拡散していない部分)の赤外線透過率と同等の赤外線透過率を有することが分かった。
また、ガラス基材の深さ方向における屈折率の分布を調べたところ、ガラス基材との屈折率差が最大で約1×10−2増大し、塗布した円の中心部において、表面から約10μmまで屈折率の分布が生じていることが分かった。深さ方向(マイクロレンズ1つの中心部分)の屈折率分布を図5に示す。
作製したマイクロレンズアレイに、ガラス基材に対して垂直方向からHe−Neレーザー(レーザー径:2mm)を照射したところ、レーザーがレンズアレイの各々レンズによって集光されていることが分かった。

Claims (4)

  1. ガラス全体量を100重量%とし、酸化物組成として、
    (1)P:51〜60重量%、
    (2)ZnO:17〜33重量%、
    (3)Al:1〜6重量%、
    (4)LiO:0〜5重量%、NaO:0〜10重量%及びKO:0〜15重量%であって、LiO、NaO及びKOの合計量として5〜17重量%、
    (5)MgO:0〜7重量%及びCaO:0〜7重量%であって、MgO及びCaOの合計量として1〜12重量%、
    (6)B:0〜5重量%、
    (7)Y、La、Ta及びWOからなる群から選択された少なくとも1種:0〜10重量%、並びに
    (8)CuO:0.2〜8重量%、
    を含有するリン酸塩ガラスからなるガラス基材に
    化合物及びタリウム化合物からなる群から選択された少なくとも1種、有機樹脂並びに有機溶剤を含有するペーストを塗布し、ガラス基材の軟化温度より低い温度で熱処理することを特徴とする、赤外線吸収能を有する屈折率分布型光学素子の製造方法。
  2. ガラス全体量を100重量%とし、酸化物組成として、
    (1)SiO:40〜80重量%、
    (2)CaO:5〜25重量%、
    (3)NaO、KO、LiO、RbO及びCsOからなる群から選択された少なくとも1種:5〜25重量%、
    (4)MgO、BaO、ZnO、SrO及びPbOからなる群から選択された少なくとも1種:2.5重量%以下、
    (5)Al:15重量%以下、並びに
    (6)Feが:3.1重量%以上
    を含有するケイ酸塩ガラスからなるガラス基材に
    化合物及びタリウム化合物からなる群から選択された少なくとも1種、有機樹脂並びに有機溶剤を含有するペーストを塗布し、ガラス基材の軟化温度より低い温度で熱処理することを特徴とする、赤外線吸収能を有する屈折率分布型光学素子の製造方法。
  3. ガラス基材が、厚さ1mmにおける赤外線透過率が80%以下である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. ガラス基材が、BaO、SrO、Y、La、ZrO、Ta、Nb、TiO及びGdからなる群から選択された少なくとも1種を、さらに0〜5重量%含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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