JP4873365B2 - 車両用制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両用制御装置に係り、特に車両駆動用のモータと燃料電池(燃料電池スタック)とキャパシタ(電力貯蔵装置)とを備えた車両用制御装置に関する。
車両には、燃料電池(燃料電池スタック)やエアコンプレッサ等の補機を含む燃料電池システムからの電力により車両駆動用のモータを駆動して走行可能な車両用制御装置を搭載した燃料電池自動車がある。
この燃料電池自動車においては、車両の総合効率を向上させるために、あるいは、燃料電池の負荷応答特性を補完するために、二次電池やキャパシタ等の電力貯蔵装置を搭載したハイブリッドシステムを採用している。特に、電力貯蔵装置としてのキャパシタは、充放電において二次電池のような化学変化を伴わないため、一般的に、長寿命で出力密度が高く、また、燃料電池からの電力である出力電圧にも良く追従し、さらに、燃料電池との間に大型のDC/DCコンバータ等の電圧調整装置を必ずしも必要としない等の利点が多いものである。これにより、車両用制御装置が簡素化されるだけではなく、システム効率の向上にも寄与している。
従来、燃料電池システムの制御装置には、燃料電池と二次電池とを備え、少なくとも一方の電池から負荷に対して電力の供給を行うシステムにおいて、暖機状態の指標に応じて二次電池の目標蓄電量を変化させ、暖機状態が進展して燃料電池の取り出し可能電力が大きくなる程、二次電池の目標蓄電量を下げ、燃料電池の暖機中にモータ出力制限による違和感を減少するとともに、暖機状態の進展に伴って回生容量を向上するものがある。
また、燃料電池車両のアイドル制御装置には、アイドル停止中に蓄電手段の残容量が所定値以下に低下した時には、蓄電手段の電力によりエアコンプレッサを駆動して燃料電池を再起動するアイドル復帰手段を設けるとともに、このアイドル復帰手段により再起動した燃料電池を通常時の運転領域よりも発電効率の良い運転領域で発電させて蓄電手段を充電させるアイドル充電手段を設けることにより、総合的な発電効率を高めて燃費を向上するものがある。
特開2003−338303号公報 特開2004−056868号公報
ところで、従来、車両駆動用のモータと燃料電池とキャパシタとが備えられた車両用制御装置を搭載した燃料電池自動車においては、車両減速時のエネルギ回生により車両効率が向上するという利点があるものの、キャパシタのエネルギ容量が二次電池に比べて小さいため、アイドルストップができなかったり、あるいは、時間的制約を受けるという不具合があった。
また、アイドルストップ中の補機消費電力をキャパシタから供給する場合には、次回車両発進時におけるキャパシタの充電状態(State of Charge:SOC)が低下している。そして、アイドルストップ後の車両加速時においては、燃料電池システムの再起動が完了するまでの間、モータを駆動するインバータヘの電力は全てキャパシタから供給する必要がある。しかし、このようにキャパシタの充電状態が低い状態では、車両加速時においてキャパシタからモータヘの十分な電力供給が受けられない可能性があった。
そこで、アイドルストップに先立ってキャパシタを満充電とし、さらにアイドルストップ中の電力を補機駆動用バッテリから供給することで、アイドルストップ後の車両発進時におけるインバータヘの十分な電力供給を得るという方法がある。
しかしながら、この方法では、燃料電池システムの再起動中にモータ駆動要求が検出された場合に、インバータヘの電力は全てキャパシタから供給されるため、仮に、モータ駆動電力の要求が非常に大きい場合、あるいは、キャパシタのエネルギ容量が小さい場合に限っては、燃料電池システムの再起動モードにおいて燃料電池システムの再起動が終了する前に、キャパシタ電圧が大きく低下してしまう可能性がある。
この場合、キャパシタ電圧が燃料電池アイドル電圧を大きく下回ってしまうと、燃料電池システムの再起動が終了し、燃料電池に接続された燃料電池出力回路(燃料電池バス)とモータに接続された電力供給回路(メイン高電圧バス)とを接続する際に、燃料電池からキャパシタに向かって非常に大きな電流が生じ、車両システムの高電圧系統構成部品の焼損や故障、あるいは、燃料電池の出力電圧が急激に低下してしまうため、燃料電池システムの停止や燃料電池の劣化につながるおそれがあった。
また、上記の特許文献2の発明では、アイドルストップ中にキャパシタの残容量が低下した時に、キャパシタの電力によりエアコンプレッサを駆動して燃料電池システムを再起動するアイドル復帰手段と、再起動した燃料電池システムを通常の運転領域よりも高効率領域で発電させて、キャパシタを充電させるアイドル充電手段とを備えているが、アイドルストップ中の補機への電力供給はキャパシタから行われ、よって、キャパシタの充電状態が低下した場合に、燃料電池システムを再起動してキャパシタを補充電するため、アイドルストップ後のキャパシタ電圧が低い場合が多く、このため、車両加速時のキャパシタからモータヘの十分な電力供給が受けられない可能性があった。
そこで、この発明の目的は、燃料電池システムの再起動中でモータを駆動するインバータヘの電力供給を燃料電池に並列に設けたキャパシタから行う車両用制御装置において、燃料電池システムの再起動中のキャパシタからの電力供給を制限し、燃料電池からキャパシタに向かって過電流が生ずるのを防止する車両用制御装置を提供することにある。
この発明は、車両を駆動するモータと、このモータに対して並列に接続された燃料電池と、キャパシタとを備えた車両用制御装置において、前記燃料電池を含む燃料電池システムを設け、前記燃料電池の端子間電圧としての燃料電池電圧を検出する燃料電池電圧検出手段を設け、前記キャパシタの端子間電圧としてのキャパシタ電圧を検出するキャパシタ電圧検出手段を設け、前記燃料電池に接続された燃料電池出力回路と前記モータに接続された電力供給回路とを接続又は遮断する燃料電池側接続手段を設け、前記電力供給回路と前記キャパシタに接続されたキャパシタ回路とを接続又は遮断するキャパシタ側接続手段を設け、電圧調整装置を介して前記モータに対して並列に接続された蓄電池を設け、前記車両が停止状態であると判断するとともに、前記蓄電池の充電状態が設定値よりも高く且つ前記キャパシタが満充電であると判断した場合には、前記燃料電池システムを停止させるアイドルストップモードと、このアイドルストップモードの実行中で、前記車両が停止状態でなくなった場合あるいは前記蓄電池の充電状態が前記設定値以下の場合には、前記燃料電池システムを再起動する再起動モードとが備えられた制御手段を設け、前記再起動モードにおいては、前記キャパシタ側接続手段により前記電力供給回路と前記キャパシタに接続された前記キャパシタ回路とを接続し、前記制御手段は、前記再起動モードを実施することによって前記燃料電池システムが再起動した後で前記燃料電池側接続手段により前記燃料電池出力回路と前記電力供給回路とを接続し、前記再起動モード終了時のキャパシタ電圧値を、前記燃料電池電圧検出手段により検出された燃料電池電圧の値以上の値に維持できるように制御することを特徴とする。
この発明の車両用制御装置は、燃料電池に接続された燃料電池出力回路とモータに接続された電力供給回路との接続時において燃料電池からキャパシタに向かって過電流が生ずることを防止することにより、過電流による高電圧系構成部品の焼損や故障を防止し、また、燃料電池電圧の急激な低下による燃料電池システムの停止や燃料電池の劣化を防止することができる。
この発明は、燃料電池からの過電流による高電圧系構成部品の焼損や故障を防止し、また、燃料電池電圧の急激な低下による燃料電池システムの停止や燃料電池スタックの劣化を防止する目的を、燃料電池システムの再起動後、燃料電池に接続された燃料電池回路とキャパシタに接続されたモータとを接続しても、燃料電池からキャパシタに向かって過電流が生ずることを防止して実現するものである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。
図1〜図4は、この発明の実施例を示すものである。図4において、1は燃料電池自動車(以下「車両」という)の車両用制御装置である。この車両用制御装置1は、車両を駆動するモータ2と、このモータ2に対して並列に接続された燃料電池(燃料電池スタック:FC)3と、キャパシタ4とを備えている。また、車両用制御装置1には、モータ2及びこのモータ2に電力を供給するインバータ5等の補機を含む車両システム6と、燃料電池3やエアコンプレッサ等の補機を含む燃料電池システム(FCシステム)7とが設けられている。
燃料電池3は、燃料(ガス)及び酸化剤の供給を受けて発電する。インバータ5は、燃料電池3で発電された直流電力を三相交流電力に変換し、この変換した三相交流電力をモータ2に供給する。このモータ2は、インバータ5から供給された三相交流電力によって駆動する。このモータ2で発生した駆動力は、変速機(自動変速機)を介して駆動輪に伝達される。
モータ2とインバータ5とは、三相電線8により接続している。インバータ5は、モータ2の駆動制御に加え、車両減速時にはモータ2の負トルクを電力に変換する回生制御を行う。
燃料電池3とインバータ5とは、並列した第1、第2メイン電線9、10により接続している。この第1、第2メイン電線9、10の途中には、燃料電池3側で、燃料電池側接続手段である燃料電池用リレー11が設けられている。
また、この燃料電池用リレー11と燃料電池3との間において、第1、第2メイン電線9、10には、燃料電池3の端子間電圧としての燃料電池電圧を検出する燃料電池電圧検出手段である燃料電池用電圧計12が接続している。この燃料電池用電圧計12は、一端側が第1メイン電線9に一側接続部13で接続するとともに、他端側が第2メイン電線9に他側接続部14で接続し、燃料電池電圧を検出する。
更に、燃料電池3と燃料電池用電圧計12の一側接続部13との間において、燃料電池3の出力段の第1メイン電線9には、逆流防止ダイオード15が設けられる。この逆流防止ダイオード15は、インバータ5側から燃料電池3側への電流の逆流を防止する。
また、第1、第2メイン電線9、10には、燃料電池用リレー11よりもインバータ5側において、並列した第1、第2サブ電線16、17によりキャパシタ4が接続している。第1サブ電線16は、第1メイン電線9に第1接続部18で接続している。第2サブ電線17は、第2メイン電線10に第2接続部19で接続している。よって、燃料電池3とキャパシタ4とは、モータ2に対して並列に接続している。
第1、第2サブ電線16、17には、第1、第2接続部18、19とキャパシタ4との間に、キャパシタ側接続手段であるキャパシタ用リレー20が接続している。また、第1、第2サブ電線16、17には、キャパシタ用リレー20とキャパシタ4との間で、キャパシタ4の端子間電圧としてのキャパシタ電圧を検出するキャパシタ電圧検出手段であるキャパシタ用電圧計21が設けられている。このキャパシタ用電圧計21は、一端側が第1サブ電線16に一側接続部22で接続するとともに、他端側が第2サブ電線17に他側接続部22で接続し、キャパシタ4の端子間電圧を検出する。
この実施例において、キャパシタ4としては、大容量電気二重層コンデンサ、あるいは、金属錯体高分子を電極材に用いたキャパシタ等のように、負荷変動に伴う燃料電池電圧の変動に対してダイナミックに電圧追従する電力(エネルギ)貯蔵装置を使用することが可能である。
このキャパシタ4は、モータ2に対して燃料電池3と共に並列に接続され、インバータ5への電力供給を補助すると共に、燃料電池3の発電した電力や、車両減速時におけるインバータ5からの回生電力を受け入れる。また、このキャパシタ4は、一般的に、燃料電池3に比べて、負荷応答性に優れているため、車両負荷要求に対して非常に良く応答し、また、その特性上、充放電に電圧変化を伴うため、燃料電池3からの電力である出力電圧の変化に良く追従する。
更に、第1、第2サブ電線16、17には、並列した第3、第4サブ電線24、25によりプリチャージ回路26が接続している。第3サブ電線24は、一端側がキャパシタ用リレー20よりも第1接続部18側の第1サブ電線16に一側接続部27で接続するとともに、他端側がキャパシタ用リレー20よりもキャパシタ4側の第1サブ電線16に他側接続部28で接続している。第4サブ電線25は、一端側がキャパシタ用リレー20よりも第2接続部19側の第2サブ電線17に一側接続部29で接続するとともに、他端側がキャパシタ用リレー20よりもキャパシタ4側の第2サブ電線17に他側接続部30で接続している。
プリチャージ回路26は、キャパシタ用リレー20と並列に設けられ、キャパシタ4を充電可能であり、充電電流を制限しながらキャパシタ4を充電する。このため、プリチャージ回路26は、一般的に、電流制限のための制限抵抗器を備えたり、あるいは、スイッチング制御が可能な半導体素子等の部品から構成される。
このプリチャージ回路26は、キャパシタ4側のキャパシタ電圧の値が燃料電池3側の燃料電池電圧の値に比べて低い場合に、キャパシタ用リレー20を接続した際に生じ得る過電流を防止するために、キャパシタ用リレー20を接続するのに先立ち、キャパシタ4を電流制限しながら充電するものである。
また、並列した高電圧系統の第5、第6サブ電線31、32により高電圧補機類33が接続している。第5サブ電線31は、第1メイン電線9に第3接続部34で接続している。第4サブ電線32は、第2メイン電線10に第4接続部35で接続している。
高電圧補機類33は、燃料電池3に圧縮空気を供給するためのエアコンプレッサや、車両空調装置の空調用コンプレッサ等の高電圧で駆動される各種補機からなる。また、この高電圧補機類33の各補機は、各補機用インバータを介して第1、第2メイン電線9、10に接続するとともに、内部の入力段に第1、第2メイン電線9、10側からの高い入力電圧の変動を抑制するための平滑化コンデンサを備えている。
更に、第1、第2メイン電線9、10には、並列した第7、第8サブ電線36、37により、電圧調整装置である双方向型DC/DCコンバータ38を介して蓄電池としての補機駆動用バッテリ(補機用バッテリ)39が接続している。第7サブ電線36は、第3接続部34よりもインバータ5側の第1メイン電線9に第5接続部40で接続している。第8サブ電線37は、第4接続部35よりもインバータ5側の第2メイン電線9に第6接続部41で接続している。補機駆動用バッテリ39は、双方向型DC/DCコンバータ38の低電圧側に接続し且つモータ2に対して並列に設けられている。
第7、第8サブ電線36、37には、双方向型DC/DCコンバータ38と補機駆動用バッテリ39との間で、並列した第9、第10サブ電線42、43により低電圧系統の車両補機類44が接続している。第9サブ電線42は、第7サブ電線36に一側接続部45で接続している。第10サブ電線43は、第8サブ電線37に他側接続部46で接続している。車両補機類44は、前照灯やラジオ、水ポンプ等の低電圧系統の車両用の各種補機からなる。
補機駆動用バッテリ39は、通常、12V系統の蓄電池からなり、充電状態(State of Charge:SOC)を測定するための充電状態検出センサ47を備え、また、車両補機類44を駆動する。
双方向型DC/DCコンバータ38は、キャパシタ4と並列にインバータ5に接続し、燃料電池3やキャパシタ4からの電力、あるいは、インバータ5からの回生電力の電圧を、車両補機類44を駆動するための電圧(通常は12V系統)に変換し、また、逆に、補機駆動用バッテリ39の電圧を高電圧補機類33を駆動するための電圧に変換し、あるいは、キャパシタ4を補充電するための電圧に変換する。なお、電圧調整装置としては、双方向型DC/DCコンバータ38に限るものではなく、昇圧型DC/DCコンバータと降圧型のDC/DCコンバータとの両方を並列に備えたDC/DCコンバータとすることも可能である。
この実施例の車両用制御装置1においては、燃料電池3とキャパシタ4との間では電圧や電流を調整するDC/DCコンバータ等の調整装置が存在しなく、構成の簡略化を図るとともに、システム効率を向上することができる。
従って、車両用制御装置1においては、燃料電池用リレー11とキャパシタ用リレー20とにより、高電圧系統で、燃料電池3に接続された燃料電池出力回路(燃料電池バス)48と、モータ2側のインバータ5に接続された電力供給回路(メイン高電圧バス)49と、キャパシタ4に接続されたキャパシタ回路(キャパシタバス)50との3つに分けられる。
燃料電池用リレー11は、開閉動作することで、燃料電池3に接続された燃料電池出力回路48とモータ2に接続された電力供給回路49とを接続又は遮断する燃料電池側接続手段である。また、キャパシタ用リレー20は、開閉動作することで、燃料電池3に接続された燃料電池出力回路48とキャパシタ4に接続されたキャパシタ回路50とを接続又は遮断するキャパシタ側接続手段である。
そして、車両用制御装置1の高電圧系統において、キャパシタ4からインバータ5ヘの電力の供給、あるいは、燃料電池3やインバータ5からキャパシタ4ヘの電力の供給は、キャパシタ4と電力供給回路49との電圧関係により決まる。
そして、燃料電池用リレー11とキャパシタ用リレー20とが共に接続された状態では、燃料電池出力回路48と電力供給回路49とキャパシタ回路50との電圧は一致するが、燃料電池用リレー11とキャパシタ用リレー20とが夫々開放された状態では、燃料電池出力回路48と電力供給回路49とキャパシタ回路50との電圧には夫々差異が生ずる場合がある。インバータ5には、入力段に、電力供給回路49の電圧リップルの抑制のために、平滑化コンデンサ51が備えられている。
インバータ3と燃料電池システム7と燃料電池用リレー11と燃料電池用電圧計12とキャパシタ用リレー20とキャパシタ用電圧計21とプリチャージ回路26と高電圧補機類33と双方向型DC/DCコンバータ38と車両補機類44と充電状態検出センサ47とは、制御手段52に接続している。また、この制御手段52には、エンジンキーの操作によってオン・オフするキースイッチ53が連絡し、また、車両停止状態を検出するように、車速を検出する車速センサ54とブレーキペダルの動作によってオン・オフするブレーキスイッチ55と変速機のシフト位置を検出するシフトポジションセンサ56とが連絡し、更に、各種情報を記憶するメモリ57が内部に設けられている。そして、この制御手段52は、各センサ類より収集した情報及び内部のメモリ57に格納された情報を基に、上記の車両補機類44等の各制御対象を駆動して車両システム6を制御するとともに、燃料電池システム7を制御する。
制御手段52には、図1に示す各種モード(M1〜M5)を設定するモード設定部58と、このモード設定部58に設定された各種モードを所定に切り替えるモード切替部59と、車両の停止か否かを判定する車両停止判定部60とが設けられている。
詳しくは、制御手段52は、図1に示すように、モード設定部58において、通常運転モード(M1)と、車両停止モード(M2)と、キャパシタ補充電モード(M3)と、車両停止判定部60で車両が停止状態であると判断するとともに蓄電池である補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)が設定値(閾値)よりも高く且つキャパシタ4が満充電であると判断した場合に燃料電池システム7を停止させるアイドルストップモード(M4)と、このアイドルストップモードの実行中で車両が停止状態でなくなった場合あるいは蓄電池である補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)が前記設定値以下の場合には燃料電池システム7を再起動する再起動モード(M5)とを備えている。そして、この制御手段52は、上記の各種モード(M1〜M5)を、所定条件下でモード切替部59において所定のモードに切り替え制御する。
また、この制御手段52は、前記再起動モード(M5)の実行中でモータ2から電力出力要求があった場合に、前記再起動モード(M5)を実施することによって燃料電池システム7が再起動した後で燃料電池側接続手段である燃料電池用リレー11により燃料電池出力回路48と電力供給回路49とを接続し、キャパシタ4から供給される電力を燃料電池出力回路48と電力供給回路49との接続時においてキャパシタ電圧が燃料電池アイドル電圧未満にならないような値に設定する。
前記キャパシタ4から供給される電力は、前記再起動モード(M5)時におけるキャパシタ最大電圧と燃料電池アイドル電圧と燃料電池システム7の再起動に要する時間とから算出された値に設定される。
次に、この発明の車両用制御装置1の制御手段52における制御を、図1に示す状態遷移図を用いて説明する。
図1に示すように、通常運転モード(M1)においては、燃料電池3とキャパシタ4とが共に電力供給回路49に接続され、燃料電池3及びキャパシタ4により負荷への電力供給が行われ、また、車両減速時の回生エネルギがキャパシタ4に蓄えられる。
この通常運転モード(M1)あるいは燃料電池システム7の再起動モード(M5)においては、車両停止判定部60により車両の停止が判断され、且つ、補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)が十分高い場合には、車両停止モード(M2)ヘと移行する。ここで、補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)が十分高いとは、キャパシタ4の補充電やアイドルストップモード(M4)における電力を供給するに足りるエネルギを貯蔵するということであり、キャパシタ4の充電状態(SOC)やアイドルストップモード(M4)における負荷、想定アイドルストップモードの時間等に応じて決められる。
車両の停止は、例えば、車速が零(0)となり、且つブレーキスイッチ55がオン又はシフトポジションが「N」又は「P」の状態が設定時間以上継続すること等により判断される。
通常運転モード(M1)においては、燃料電池3とキャパシタ4とが電力供給回路49に接続されているため、キャパシタ電圧は常に燃料電池電圧以上となる。また、車両減速時には、インバータ5により回生されたエネルギがキャパシタ4に蓄積されるため、車両停止モード(M2)におけるキャパシタ電圧は、燃料電池アイドル電圧以上で且つキャパシタ最大電圧以下となる。
前記車両停止モード(M2)において、キャパシタ4が満充電でないと判断された場合は、キャパシタ補充電モード(M3)に移行する。このキャパシタ補充電モード(M3)においては、補機駆動用バッテリ39の電力を、双方向型DC/DCコンバータ38を介してキャパシタ4に供給し、キャパシタ4が満充電となるまで補充電する。このキャパシタ4への補充電によりキャパシタ電圧が上昇しても、燃料電池3の出力段に備えられた逆流防止ダイオード15により、その上昇したキャパシタ電圧が燃料電池3の出力端に直接印加されることはなく、故に、燃料電池3に対して何ら悪影響は与えない。
なお、キャパシタ補充電モード(M3)において、運転者の発進要求、つまり、ブレーキスイッチ55のオフ、あるいは、シフトポジションの「D」又は「R」への移行が判断された場合、若しくは、補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)が設定値(閾値)を下回った場合は、補機駆動用バッテリ39からキャパシタ4への補充電を中止し、通常運転モード(M1)に戻す。
車両停止モード(M2)においてキャパシタ4が満充電であると判断された場合、及び、キャパシタ補充電モード(M3)においてキャパシタ4が満充電となった場合には、燃料電池用リレー11を開放することによって燃料電池3を電力供給回路49から遮断し、燃料電池システム7を停止するアイドルストップモード(M4)へと移行する。
このアイドルストップモード(M4)においては、燃料電池3に圧縮空気を供給するためのエアコンプレッサ等の燃料電池システム7の補機類は全て停止され、必要に応じて車両システム6の補機類のみが補機駆動用バッテリ39の電力により駆動される。即ち、ラジオや前照灯等の低電圧系の車両補機類44へは、補機駆動用バッテリ39から電力を直接供給し、そして、エアコンコンプレッサ等の高電圧系の高電圧補機類33の駆動要求がある場合には、補機駆動用バッテリ39から双方向型DC/DCコンバータ38を介して昇圧した電力を供給する。このとき、アイドルストップモード(M4)における高電圧補機類33へのキャパシタ4からの電力供給を防止するために、つまり、キャパシタ4を満充電で維持するために、補機駆動用バッテリ39とキャパシタ4との間に備える双方向型DC/DCコンバータ38の昇圧側出力電圧は、キャパシタ最大電圧に設定する。
アイドルストップモード(M4)において、ブレーキスイッチ55のオフ、あるいは、シフトポジションの「D」又は「R」への移行が判断された場合、若しくは、補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)が設定値を下回った場合には、燃料電池システム7の再起動モード(M5)ヘと移行する。
この燃料電池システム7の再起動モード(M5)においては、補機駆動用バッテリ39から双方向型DC/DCコンバータ38を介して燃料電池システム7の補機であるエアコンプレッサ等に昇圧した電力を供給して燃料電池システム7を起動すると同時に、モータ2の駆動要求があった場合には、燃料電池システム7の再起動が終了する前であってもキャパシタ4からインバータ5に対して電力が供給される。
燃料電池システム7の再起動モード(M5)において、燃料電池システム7の起動が完了すると、燃料電池用リレー11が接続され、燃料電池出力回路48と電力供給回路49とが接続し、通常運転モード(M1)ヘと移行する。
次いで、図2のフローチャートに沿って車両制御ルーチンについて説明する。
図2に示すように、通常運転モードの状態において(ステップS01)、車両が停止状態となり且つ補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)が設定値よりも高くなったか否かを判断する(ステップS02)。このステップS02がNOで、車両が停止していない場合、及び、車両が停止状態であっても補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)が低いと判断された場合には、通常運転モードに留まり、この判断を継続する。
このステップS02がYESで、車両が停止状態となり且つ補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)が設定値よりも高くなった場合には、車両停止モードに移行し、キャパシタ電圧(Vcap)が測定される(ステップS03)。
そして、この測定されたキャパシタ電圧(Vcap)を基に、キャパシタ4の充電状態として、キャパシタ4が満充電であるか否かを判定する(ステップS04)。
このステップS04がNOで、キャパシタ4が満充電でないと判断された場合には、補機駆動用バッテリ39から双方向型DC/DCコンバータ38を介してキャパシタ4を補充電するキャパシタ補充電モードヘと移行する(ステップS05)。
そして、このキャパシタ補充電モードにおいては、運転者の発進意思と補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)の確認として、車両が停止状態で且つ補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)が設定値よりも高くなっているか否かを判断する(ステップS06)。
このステップS06がNOで、運転者の発進要求が認められた場合、つまり、ブレーキスイッチ55がオフ、あるいは、シフトポジションが「D」又は「R」への移行が検出される等して車両の停止状態でないと判断された場合、あるいは、補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)が低下したと判断された場合には、前記ステップS02の通常運転モードに戻る。
このステップS06がYESで、依然として車両が停止状態且つ補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)も設定値よりも高いと判断された場合には、再度、キャパシタ電圧(Vcap)が測定される(ステップS07)。
そして、この測定されたキャパシタ電圧(Vcap)を基に、キャパシタ4の充電状態として、キャパシタ4が満充電であるか否かを判断する(ステップS08)。
このステップS08がNOで、キャパシタ4が依然として満充電でない場合には、前記ステップS06に戻る。
このステップS08がYESで、キャパシタ4が満充電となって補機駆動用バッテリ39からの補充電が終了した場合には、キャパシタ4の補充電を終了する(ステップS09)。
そして、このステップS09におけるキャパシタ4の補充電の終了後、及び、前記ステップS04がYESで、キャパシタ4が満充電の場合には、アイドルストップが開始され、アイドルストップモードヘと移行する(ステップS10)。
このアイドルストップモードにおいては、車両が停止状態となり且つ補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)が設定値よりも高くなったか否かを判断する(ステップS11)。
このステップS11がYESの場合には、この判断を継続する。
このステップS11がNOで、車両停止状態の解除、つまり、ブレーキスイッチ55のオン、あるいは、シフトポジションの「D」又は「R」への移行が判断された場合、若しくは、補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)が設定値を下回った場合には、燃料電池システム(FCシステム)7の再起動が行われ、再起動モードに移行する(ステップS12)。
その後、この燃料電池システム7の再起動モードにおいて、再起動が終了すると、前記ステップS02に戻り、通常運転モードヘと移行する。
次に、通常運転モードから車両停止モードヘと移行するための条件としての、補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)の設定値(閾値)の算出方法について説明する。
車両停止モードから燃料電池システム7の再起動モードまでの間に補機駆動用バッテリ39が供給しなければならないエネルギ(電力)は、キャパシタ補充電モードにおけるキャパシタ補充電エネルギとアイドルストップモードにおける車両システム6の補機駆動エネルギと燃料電池システム7の再起動モードにおける燃料電池システム7の補機駆動エネルギとを総和した値である。
通常運転モードにおける補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)が、前記キャパシタ補充電エネルギと前記車両システム6の補機駆動エネルギと前記燃料電池システム7の補機駆動エネルギとの総和以上の値でなければ、燃料電池システム7の再起動ができなくなる等の問題が生じる。
前記キャパシタ補充電エネルギと前記車両システム6の補機駆動エネルギと前記燃料電池システム7の補機駆動エネルギとは、以下のように算出される。
前記キャパシタ補充電エネルギは、車両停止モードにおけるキャパシタ電圧から満充電に補充電するのに要するエネルギとして算出される(キャパシタ電圧に依存する変数)。
前記車両システム6の補機駆動エネルギは、アイドルストップモードにおける平均あるいは最大消費電力と希望アイドルストップ時間との積からアイドルストップモードの補機エネルギとして算出される(定数として、制御手段52のメモリ57に格納される)。
前記燃料電池システム7の補機駆動エネルギは、燃料電池システム7の再起動モードにおける燃料電池システム7の補機駆動エネルギとして算出される(定数として、制御手段52のメモリ57に格納される)。
通常運転モードから車両停止モードに移行する際の補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)の設定値は、制御手段52のメモリ57に定数として格納されている前記車両システム6の補機駆動エネルギ及び前記燃料電池システム7の補機駆動エネルギとキャパシタ電圧から算出される前記キャパシタ補充電エネルギとの和よりも大きくする必要がある。つまり、キャパシタ電圧の関数として、補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)の設定値を決定することは、可能である。
ところで、燃料電池システム7の再起動モードにおいてインバータ5やその他の補機類への電力をキャパシタ4から供給する燃料電池システム7では、モータ2の駆動電力の要求が非常に大きい場合、あるいは、キャパシタ4のエネルギ容量が小さい場合に、燃料電池システム7の再起動時間が長いと、燃料電池システム7の再起動が終了する前にキャパシタ電圧が大きく低下してしまう。
燃料電池システム7の再起動後には、燃料電池3を電力供給回路49に接続する必要があるが、この場合、電力供給回路49の電圧はキャパシタ電圧に等しく、これが燃料電池システム7の再起動後の燃料電池電圧、つまり、燃料電池アイドル電圧より過度に低い場合には、燃料電池用リレー11を閉じた瞬間に燃料電池3から電力供給回路49に向かって過大な電流が生じ、燃料電池用リレー11やキャパシタ4の故障や破損、あるいは、燃料電池3の電圧の急激な低下に伴うシステムの停止や燃料電池3の劣化につながる懸念がある。このような不具合を避けるため、燃料電池システム7の再起動モード終了時のキャパシタ電圧を燃料電池アイドル電圧と同等以上に維持する必要がある。
そこで、この発明の燃料電池システム7においては、燃料電池システム7の再起動に要する時間とキャパシタ電圧の値とキャパシタ4の充電状態(SOC)とから、モータ2を駆動するインバータ5及びその他の補機類に供給可能な電力を算出する。
キャパシタ4に蓄えられる電気エネルギは、その電圧(V)及び静電容量(C)を用いてCV/2で表される。従って、キャパシタ4がキャパシタ最大電圧(Vmax)から燃料電池アイドル電圧(Vfc)まで放電する間に放出する電気エネルギ(U)は、
U=C(Vmax−Vfc)/2
となる。
ここで、燃料電池システム7の再起動に必要な時間を(t)とすれば、キャパシタ4からモータ2を駆動するインバータ5及びその他の補機類へ出力値(U/t)が、再起動時間(t)に亘って常時供給されても、キャパシタ電圧が燃料電池アイドル電圧(Vfc)を下回ることはなく、これにより、燃料電池システム7の再起動終了後の燃料電池3の電力供給回路49ヘの接続時に、問題が生じることはない。このため、燃料電池システム7の再起動モードにおけるキャパシタ最大電圧であるキャパシタ最大供給出力値を、前記出力値(U/t)とする。
この制御の様子は、図3(A)、図3(B)、図3(C)に示されている。
図3(A)は、燃料電池システム7の再起動時におけるモータ2を駆動するインバータ5の要求出力値の一例である。
運転者による車両加速要求からインバータ5ヘの出力要求値(P_req)が決定されるが、この場合、燃料電池システム7の再起動時間(t)までの間には、
U_req=P_req*t
のエネルギ(U_req)が、キャパシタ4に要求される。
実際には、モータ2には出力立ち上がり遅れがあるため、正確に、出力要求値(P_req*t)とはならないが、ここでは、簡単にするために、モータ2の応答が十分速いものとする。
このとき、上述のように計算したキャパシタ4の供給可能なエネルギ(U)が、前記エネルギ(U_req)以上であれば、燃料電池システム7の再起動後のキャパシタ電圧は、燃料電池アイドル電圧(Vfc)を下回らず、燃料電池3の電力供給回路49ヘの接続時に問題は生じない。
ところが、キャパシタ4の供給可能なエネルギ(U)が、前記エネルギ(U_req)よりも小さい場合には、燃料電池システム7の再起動後のキャパシタ電圧は、燃料電池アイドル電圧(Vfc)を下回ってしまう。
このため、図3(B)に示すように、燃料電池システム7の再起動中のキャパシタ最大供給出力値を前記出力要求値(P_req)よりも小さな特定の一定値(制限値)(P_act)に設定する必要があるが、
一定値(P_act)=出力値(U/t)
とすれば良い。
即ち、一定値(P_act)は、キャパシタ最大電圧(Vmax)と燃料電池アイドル電圧(Vfc)と燃料電池システム7の再起動時間(t)とにより算出することができる。
なお、上述の計算方法は、燃料電池システム7の再起動モード中におけるキャパシタ最大供給出力値を、一定値(P_act)とするものであるが、キャパシタ最大供給出力値は必ずしも一定値(P_act)とする必要はなく、燃料電池システム7の再起動モードにおけるキャパシタ電圧の瞬時値と燃料電池システム7の再起動に要する残り時間とから、上述と同様に、算出することも可能である。
図3(C)には、燃料電池システム7の再起動時間(t)のうち、前半の時間(t1)までは、出力要求値が前記一定値(P_act)よりも小さな第1の出力要求値(P_req1)とし、そして、時間(t1)から再起動時間(t)までの間の出力要求値が前記一定値(P_act)よりも大きな第2の出力要求値(P_req2)として段階に変化させた場合の例を示す。
この場合、上述のように燃料電池システム7の再起動モード中におけるキャパシタ最大供給出力値を前記出力値(U/t)で求められる一定値(P_act)としてしまうと、
P_req1<P_act<P_req2
であるから、時間(t1)までの第1の出力要求値(P_req1)を供給することができるが、時間(t1)から再起動時間(t)の間の第2の出力要求値(P_req2)という要求には応えられない。
そこで、時間(t1)におけるキャパシタ電圧瞬時値(Vt1)を用い、このキャパシタ電圧瞬時値(Vt1)から燃料電池アイドル電圧(Vfc)まで放電する間に放出可能な電気エネルギ(Ut1)を、
Ut1=C(Vt1−Vfc)/2
で求め、さらに、燃料電池システム7の再起動に要する残り時間(t−t1)を踏まえて、Ut1/(t−t1)として、時間(t1)におけるキャパシタ供給可能出力を算出することができる。
このとき、Ut1/(t−t1)>U/tであるため、時間(t1)から再起動時間(t)の間において、さらに要求出力値に近い電力をキャパシタ4から供給することが可能であり、P_req2<Ut1/(t−t1)の場合には、要求された第2の要求出力値(P_req2)を供給することができる利点がある。
いずれの場合においても、この発明の燃料電池システム7においては、制御手段52で算出したキャパシタ最大供給出力値をインバータ5ヘと送り、このインバータ5はこの設定されたキャパシタ最大供給出力値に基づいてモータ2を制御することにより、燃料電池システム7の再起動終了後のキャパシタ電圧を燃料電池アイドル電圧(Vfc)と同等以上に維持し、これにより、燃料電池3の電力供給回路49ヘの接続時の過電流の発生を防止することができる。
従って、この実施例によれば、燃料電池システム7の再起動モードにおけるキャパシタ4からの供給電力に制限を設ける。また、キャパシタ最大供給出力値を、キャパシタ4が燃料電池システム7の再起動中に供給可能なエネルギ量を基に算出する。更に、キャパシタ最大供給出力値を、燃料電池システム7の再起動時間を基に算出する。これにより、燃料電池システム7の再起動終了後の燃料電池3の電力供給回路49ヘの接続時の燃料電池3からの過電流を防止することができる。
また、キャパシタ最大供給出力値を、キャパシタ4が燃料電池システム7の再起動中に供給可能なエネルギ量を燃料電池システム7の再起動時間で除することにより決定する。これにより、燃料電池システム7の再起動終了後のキャパシタ電圧に影響を与える2つのパラメータからキャパシタ最大供給出力値を定数として算出することができる。
更に、キャパシタ最大供給出力値を、燃料電池システム7の再起動完了までの残り時間と、その時に測定されたキャパシタ電圧とから決定する。これにより、キャパシタ4の瞬時瞬時の最大供給電力を算出できるため、さらに要求出力に近い値に設定することができる。
更にまた、最大負荷時における要求出力と燃料電池システム7の再起動時間とからキャパシタ4に要求されるエネルギを算出し、この算出されたエネルギを基にキャパシタ4の静電容量やシステム電圧を決定する。これにより、燃料電池システム7の再起動モードにおけるキャパシタ4の供給電力の制限を行わなくて良くなる。
以上、この発明の実施例について説明してきたが、上述の実施例の制御を請求項毎に当てはめて説明する。
先ず、請求項1に記載の発明において、制御手段52は、車両が停止状態であると判断するとともに蓄電池である補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)が設定値(閾値)よりも高く且つキャパシタ4が満充電であると判断した場合に燃料電池システム7を停止させるアイドルストップ制御モードとこのアイドルストップ制御モード実行中で車両が停止状態でなくなった場合あるいは補機駆動用バッテリ39の充電状態(SOC)が設定値以下の場合には燃料電池システム7を再起動する再起動モードとを備えている。また、制御手段52は、前記再起動モード実行中でモータ2から出力要求があった場合に、前記再起動モードを実施することによって燃料電池システム7が再起動した後で燃料電池側接続手段である燃料電池用リレー11により燃料電池出力回路48と電力供給回路49とを接続し、キャパシタ4から供給される電力を燃料電池出力回路48と電力供給回路49との接続時においてキャパシタ電圧が燃料電池アイドル電圧未満にならないような値に設定する。
これにより、燃料電池システム7の再起動後、燃料電池出力回路48とキャパシタ4に接続されたモータ2とを接続しても、燃料電池3からキャパシタ4に向かって過電流が生ずることを防止することができる。この結果、過電流による高電圧系の構成部品の焼損や故障を防ぐことができ、また、燃料電池電圧の急激な低下による燃料電池システム7の停止や、燃料電池3の劣化を防止することが可能である。
また、請求項2に記載の発明において、前記キャパシタから供給される電力は、前記再起動モード時におけるキャパシタ最大電圧と燃料電池アイドル電圧と燃料電池システム7の再起動に要する時間とから算出された値に設定される。
これにより、燃料電池システム7の再起動時毎に測定された値(キャパシタ最大電圧)を用いて電力量を算出しているので、精度の高い供給電力量を算出することができる。
なお、この発明においては、上述の実施例に限定されず、種々応用改変が可能であることは勿論である。
例えば、上述の実施例では、アイドルストップ中の必要エネルギを補機駆動用バッテリから供給し、キャパシタは満充電で維持するシステムについて言及したが、アイドルストップ中におけるエネルギをキャパシタから供給するシステムについても同様であり、燃料電池システムの再起動モードにおけるキャパシタの電力を制限することで、キャパシタの過度な電圧低下を防止することができる。
また、上述の実施例では、アイドルストップ後の燃料電池システムの再起動モードにおいて、キャパシタの残存エネルギが十分でない場合には、モータを駆動するインバータ及び補機類への最大供給可能電力を制限したが、電力制限を行わないようにするためには、最大負荷時における要求出力と燃料電池システムの再起動時間とからキャパシタに要求されるエネルギを算出し、この算出されたエネルギを基にキャパシタの静電容量やシステム電圧を決定すれば良い。
更に、アイドルストップモードへ移行する条件の一つとして、「キャパシタが満充電であること」を前提として記載してきたが、再起動モードにおいて、すべての駆動エネルギをキャパシタから供給しなければならない状態でも、キャパシタの能力が勝っている場合には、キャパシタが満充電ではなく、「キャパシタのSOCがある設定された閾値以上」という条件に変更してアイドルストップモードを実施することも可能である。
燃料電池に接続された燃料電池出力回路とモータに接続された電力供給回路との接続時において燃料電池からキャパシタに向かって過電流が生ずることを防止することを、燃料電池車両の制御以外の他の装置の制御にも適用することができる。
車両用制御の状態遷移図である。 車両用制御のフローチャートである。 (A)は燃料電池の再起動時におけるインバータの要求出力値を示す図である。 (B)は燃料電池の再起動中の出力電圧値をインバータへの要求出力値よりも小さく設定した場合を示す図である。 (C)は燃料電池の再起動時間において要求出力値を前半と後半とで異ならせた場合を示す図である。 車両用制御装置のシステム構成図である。
符号の説明
1 車両用制御装置
2 モータ
3 燃料電池
4 キャパシタ
5 インバータ
6 車両システム
7 燃料電池システム
11 燃料電池用リレー
12 燃料電池用電圧計
20 キャパシタ用リレー
21 キャパシタ用電圧計
33 高電圧補機類
38 双方向型DC/DCコンバータ
39 補機駆動用バッテリ
44 車両補機類
47 充電状態検出センサ
48 燃料電池出力回路
49 電力供給回路
50 キャパシタ回路
52 制御手段
54 車速センサ
55 ブレーキスイッチ
56 シフトポジションセンサ
57 メモリ
58 モード設定部
59 モード切替部
60 車両停止判定部

Claims (1)

  1. 車両を駆動するモータと、このモータに対して並列に接続された燃料電池と、キャパシタとを備えた車両用制御装置において、前記燃料電池を含む燃料電池システムを設け、前記燃料電池の端子間電圧としての燃料電池電圧を検出する燃料電池電圧検出手段を設け、前記キャパシタの端子間電圧としてのキャパシタ電圧を検出するキャパシタ電圧検出手段を設け、前記燃料電池に接続された燃料電池出力回路と前記モータに接続された電力供給回路とを接続又は遮断する燃料電池側接続手段を設け、前記電力供給回路と前記キャパシタに接続されたキャパシタ回路とを接続又は遮断するキャパシタ側接続手段を設け、電圧調整装置を介して前記モータに対して並列に接続された蓄電池を設け、前記車両が停止状態であると判断するとともに、前記蓄電池の充電状態が設定値よりも高く且つ前記キャパシタが満充電であると判断した場合には、前記燃料電池システムを停止させるアイドルストップモードと、このアイドルストップモードの実行中で、前記車両が停止状態でなくなった場合あるいは前記蓄電池の充電状態が前記設定値以下の場合には、前記燃料電池システムを再起動する再起動モードとが備えられた制御手段を設け、前記再起動モードにおいては、前記キャパシタ側接続手段により前記電力供給回路と前記キャパシタに接続された前記キャパシタ回路とを接続し、前記制御手段は、前記再起動モードを実施することによって前記燃料電池システムが再起動した後で前記燃料電池側接続手段により前記燃料電池出力回路と前記電力供給回路とを接続し、前記再起動モード終了時のキャパシタ電圧値を、前記燃料電池電圧検出手段により検出された燃料電池電圧の値以上の値に維持できるように制御することを特徴とする車両用制御装置。
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