JP3770830B2 - 車両駆動用電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池とこの燃料電池に並列に接続されたコンデンサとを備える車両駆動用電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両駆動用電源装置として、燃料電池はクリーンなエネルギ源であることから、現在、最も有力視されているが、その一方で燃料電池はそのコストが発生エネルギ量の増加に伴って急増するという問題点を抱えている。そのため、燃料電池に要するコストを削減する方策として、燃料電池により発生させるエネルギ出力、つまり燃料電池の定格出力を極力小さくすることが求められている。
【0003】
具体的には、燃料電池に並列接続された大容量のコンデンサに、燃料電池から出力される電気エネルギあるいは車両の駆動モータから発生する回生エネルギを蓄えることによって、駆動モータ等が一時的に大出力を必要とする場合に、このコンデンサに蓄えられた電気エネルギを当該駆動モータ等に供給し得るシステムが考案されている。
【0004】
一方、電気モータで駆動する車両システムを検討する場合、車両全体の重量、電気モータの出力、車両全体の最大消費動力といった「車両条件」と、車両が停止状態から発進して400mの距離まで到達するのに要する時間(以下「0-400m到達時間」という)、車両が停止状態から発進して時速100km/hまで加速するのに要する時間(以下「0-100km/h 加速時間」という)で表される「動力特性目標」と、の2つの条件を考慮する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような「車両条件」と「動力特性目標」とは、ともにエネルギ源としての燃料電池に密接に関係していることから、車両駆動用電源装置として燃料電池を搭載する車両においては、「車両条件」および「動力特性目標」を両方ともに満足することに加え、前述した燃料電池の定格出力を極力小さくすること、つまり「燃料電池の適正な出力条件」をも満たすように車両駆動用電源の出力を設定する必要がある。
【0006】
しかも、燃料電池にコンデンサを並列に接続する電源装置においては、併用されるコンデンサの静電容量の増大が、そのままコンデンサの体格大型化ひいては重量増加にも直結するため、必要以上にコンデンサの大容量化を図ることは、車両駆動用電源装置として常に要求される「小型軽量化」に相反する結果を招くこととなる。したがって、車両としての前記2条件を充足しながら「燃料電池の適正な出力条件」を満たし、さらには「小型軽量化」をも満足するように、当該コンデンサの静電容量を適切な値に設定することは、決して容易なことではない。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、車両に要求される所定の条件を満たしながら小型軽量化を実現し得る車両駆動用電源装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の作用・効果】
上記目的を達成するため、請求項1の車両駆動用電源装置では、
燃料電池と、この燃料電池に並列に接続されたコンデンサとを備える車両駆動用電源装置であって、前記コンデンサの静電容量は、前記燃料電池の定格出力値の増加に伴い増加する所定の関数に基づいて4ファラド以上30ファラド以下に設定されていることを技術的特徴とする。
【0009】
請求項1の発明では、コンデンサの静電容量が関数に基づいて設定されるので、燃料電池の定格出力範囲が異なる車両に対してそれぞれに適した容量を設定できると共に、コンデンサの上限容量が30ファラド以下に設定されているので、必要以上に大きな静電容量のコンデンサを用いることによる車両全体の重量増加を防止することができる。また静電容量が4ファラド以上に設定されているので、耐電流の上昇が抑えられ、電流損失の増大による電力効率の低下も防止できる。
【0010】
また、請求項2の車両駆動用電源装置では、請求項1において、前記所定の関数は、一次関数であることを技術的特徴とする。
【0011】
請求項2の発明では、所定の関数は、一次関数であることから、燃料電池の出力範囲に応じてコンデンサの静電容量の下限と上限を容易に求めることができる。これにより、当該コンデンサの静電容量を必要以上の値に設定することを防止できる。
【0014】
また、請求項の車両駆動用電源装置では、請求項1または2において、
前記所定の関数は、前記コンデンサの静電容量をC(F;ファラド)、前記燃料電池の定格出力値をP(kW)、第1定数をK1、第2定数をK2にしたとき、C=K1×P+K2により表され、第1定数K1は0.020以上0.026以下、第2定数K2は4.0以上25.0以下に設定されることを技術的特徴とする。
【0015】
請求項の発明では、燃料電池に並列に接続されたコンデンサの静電容量は、所定の関数、即ち「C=K1×P+K2」(C;コンデンサの静電容量(F)、P;燃料電池の定格出力値(kW)、K1;第1定数、K2;第2定数)に基づいて設定されることから、当該コンデンサの静電容量を適切な値に容易に設定することができる。これにより、当該コンデンサの静電容量を必要以上の値に設定することを防ぎ得るので、コンデンサの大容量化による車両全体の重量増加を防止することができる。したがって、車両に要求される所定の条件を満たしながら小型軽量化を容易に実現し得る効果がある。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両駆動用電源装置の実施形態について図を参照し説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る車両駆動用電源装置20の電気的構成を表す回路図が示されている。
図1に示すように、車両駆動用電源装置20は、主に、燃料電池21、キャパシタ(コンデンサ)25、モータ駆動回路27(電気エネルギの供給先)、システムコントローラ31等から構成されており、モータ駆動回路27に対し、それぞれ並列に接続された燃料電池21およびキャパシタ25を備える。そのため、車両駆動用電源装置20のような構成はハイブリッド回路とも称される。なお、図1中に示す破線は、各機能ブロックあるいは機能部品間で授受される情報信号の流れを示している。
【0017】
燃料電池21は、水素と酸素を反応させることにより電気エネルギを取り出し得るもので、モータで車輪を駆動する電気自動車のエネルギ源のひとつである。このため、燃料電池21には、水素および酸素(または空気)が供給されており、それらの供給量は、後述する燃料電池/モータコントローラ(以下「FC/Mコントローラ」という)33により制御され、出力電力の制御が行われている。なお、燃料電池21は、一般に、水素貯蔵や改質触媒等の方式によって種々のタイプに分類されるが、水素と酸素とを反応させて発電するものであれば、本発明に係る車両駆動用電源装置を適用することができる。
【0018】
燃料電池21は、その端子間電圧(以下「FC電圧」という)Vfcを電圧センサ23によって検出されている。即ち、燃料電池21の出力端子間には、電圧センサ23が接続されており、この電圧センサ23により検出されたFC電圧VfcはFC/Mコントローラ33に出力されている。これにより、FC/Mコントローラ33によって燃料電池21の出力電圧(FC電圧Vfc)を適宜監視することができるので、これに基づいた燃料電池21の出力制御を可能にしている。
【0019】
また、燃料電池21の出力端子には、コンタクタCN-a、CN-bが接続されている。即ち、燃料電池21の正極端子側にはコンタクタCN-aが、また燃料電池21の負極端子側にはコンタクタCN-bが、それぞれ接続されている。これらのコンタクタCN-a、CN-bは、リレーのような機械的なスイッチ回路を有するもので、例えばイグニッションスイッチ等のシステムコントローラ31の外部から入力される制御信号によりスイッチ回路を導通/遮断の各状態に制御することができるように構成されている。
【0020】
これにより、コンタクタCN-a、CN-bのいずれか一方がスイッチ回路を遮断する動作をすることにより、燃料電池21の入出力を遮断することができることに加えて、燃料電池21の両端子にコンタクタが接続されているので、一方のコンタクタCN-a(またはコンタクタCN-b)が故障しても他方のコンタクタCN-b(またはコンタクタCN-a)によって、燃料電池21の入出力を遮断することができる。したがって、燃料電池21に異常が発生した場合や、本車両駆動用電源装置20を搭載した車両が衝突などによる大きな衝撃を検出した場合に、燃料電池21を外部回路から電気的に切り離すことができる。
【0021】
キャパシタ25は、燃料電池21やモータ駆動回路27に並列に接続され、燃料電池21により発生する電力による電気エネルギやモータ駆動回路27により発生する回生電力による回生エネルギを蓄える、つまり充電することができるものである。キャパシタ25には、例えば電気二重層コンデンサが用いられ、後述するように、その静電容量は、燃料電池の定格出力値の増加に伴い増加する所定の関数に基づいて設定されている。本実施形態の場合、例えば4〜30F(ファラド)の静電容量に設定されている。
【0022】
このキャパシタ25の出力端子にも、前述したコンタクタCN-a等と同様のコンタクタCN-c、CN-dが接続されている。即ち、キャパシタ25の正極端子側にはコンタクタCN-cが、またキャパシタ25の負極端子側にはコンタクタCN-dが、それぞれ接続されている。これらのコンタクタCN-c、CN-dも、イグニッションスイッチ等のシステムコントローラ31の外部から入力される制御信号によりスイッチ回路を導通/遮断の各状態に制御することができるように構成されている。
【0023】
これにより、コンタクタCN-c、CN-dのいずれか一方がスイッチ回路を遮断する動作をすることにより、キャパシタ25の入出力を遮断することができることに加えて、キャパシタ25の両端子にコンタクタが接続されているので、一方のコンタクタCN-c(またはコンタクタCN-d)が故障しても他方のコンタクタCN-d(またはコンタクタCN-c)によって、キャパシタ25の入出力を遮断することができる。したがって、キャパシタ25に異常が発生した場合や、本車両駆動用電源装置20を搭載した車両が衝突などによる大きな衝撃を検出した場合に、キャパシタ25を外部回路から電気的に切り離すことができる。
【0024】
モータ駆動回路27は、燃料電池21やキャパシタ25に対して並列に接続される負荷の一部を構成するもので、例えば車両用の交流モータMを駆動するインバータ回路が挙げられる。なお、このような負荷としては、モータ駆動回路27に駆動される車両用の交流モータMのほかに、燃料電池21に水素や酸素(空気)を供給する図示しないポンプやファン等の電動部品も当該負荷に含まれ得る。
【0025】
システムコントローラ31は、図示しないマイクロプロセッサ、メモリ、入出力インタフェイス等から構成される制御装置で、FC/Mコントローラ33に接続されているとともに、前述したコンタクタCN-a、CN-b、CN-c、CN-dにも接続されている。これにより、FC/Mコントローラ33による各種制御、処理等の本車両駆動用電源装置20全体の制御を行うことができるほか、FC/Mコントローラ33から入力される情報に基づいて、コンタクタCN-a〜CN-dに対する導通/遮断の制御信号を出力することもできる。
【0026】
FC/Mコントローラ33も、システムコントローラ31と同様に、図示しないマイクロプロセッサ、メモリ、入出力インタフェイス等からなる制御装置で、システムコントローラ31や、燃料電池21、電圧センサ23、モータ駆動回路27にそれぞれ接続されている。これにより、システムコントローラ31に対し所定情報の受け渡しや、電圧センサ23から入力されるFC電圧Vfcの情報に基づいた燃料電池21に供給される水素等の供給量の制御、あるいはモータ駆動回路27の制御をすることができる。
【0027】
次に、このような車両駆動用電源装置20を構成するキャパシタ25の静電容量の設定方法を、図2および図3に基づいて説明する。
図2には、特定の車両条件と動作特性目標を与えた場合において、燃料電池21の定格出力と所定の動作特性目標(例えば0-400m到達時間)の関係を、キャパシタ25の静電容量ごと(α;4F、β;8F、γ;12F)に表した特性が示されている。また図3には、所定の動力特性目標を達成可能な最低限の燃料電池の定格出力と、これに対するキャパシタ25の静電容量との関係をプロットした特性が示されている。
【0028】
図2に示すように、燃料電池21の出力値が増加するに従い、モータMへ供給することのできる供給電力も増加するので、燃料電池21の出力値が或る一定値を超えるまでは0-400m到達時間を短くすることができる。
しかし、燃料電池21の出力値が或る一定値を超えると、燃料電池21の電力供給能力が向上しても、モータMの出力限界値以上は車両の動力特性を向上させること、例えば0-400m到達時間を短縮することはできない。燃料電池21の出力値を増加させることに伴い燃料電池21自体の重量も増加し、車両システムの全体重量が重くなったからである。
【0029】
一方、キャパシタ25の静電容量を増加させると、キャパシタ25により放出可能な電力も増加させることができるので、燃料電池21にとっては、より小さい発電能力の燃料電池21で、前述の0-400m到達時間を短縮することができる。
しかし、同じ電力量を供給可能な能力に対する重量増加の割合は、燃料電池21よりもキャパシタ25の方が大きいので、キャパシタ25の静電容量を大きく設定するほど、車両システムの全体重量が重くなり、同じモータMの最大出力で達成できる0-400m到達時間が長くなる。
【0030】
したがって、例えば、動力特性目標値として0-400m到達時間がT_RQ(秒)と設定されたとき、キャパシタ25の静電容量を8F(図2中のβ)とすると、燃料電池21の定格出力をP_FC(kW)に決定することができ、これが燃料電池21の最適な定格出力値となる。つまり、特定の車両条件に対して動力特性目標を達成できる最小の燃料電池21の最大出力と、これに対するキャパシタ25容量とを、図2に示すような特性図から決定することができる。
【0031】
ここで、車両条件および動力特性目標の一例として、大型車両に対する条件(以下「最大要求値」という)と小型車両に対する条件(以下「最小要求値」という)を次の表1および表2に示す。表1は車両条件を、また表2は動力特性目標を示す。なお、表1において、「モータ出力」の項目は、最大要求値のとき160kW、最小要求値のとき20kWがそれぞれ入力された場合の値で、また「車両質量」の項目は燃料電池21とキャパシタ25との質量を除いた値である。
【0032】
【表1】
Figure 0003770830
【0033】
【表2】
Figure 0003770830
【0034】
このような最大・最小要求値およびこれらの中間に当たるいくつかの要求値に対して動作特性目標を達成できる最小限の燃料電池21の定格出力と、これに対するキャパシタの静電容量との関係をプロットすると、例えば図3に示すような特性図を得ることができる。
【0035】
図3中、Aで示された直線は表2の最大要求値の欄の動力特性目標(0-400m到達時間と0-100km/h 加速時間)を与えた場合に車両重量を変化させたときの、与えられた動力特性目標を満たす燃料電池定格出力とキャパシタ容量の関係を示している。また図3中Cで示された直線は表2の最小要求値の欄の動力特性目標を与えた場合に車両重量を変化させたときの、与えられた動力特性目標を満たす燃料電池定格出力とキャパシタ容量の関係を示している。さらにBで示された直線は直線Aと直線Cで与えた動力特性目標の中間の値の一例をとった場合の燃料電池定格出力とキャパシタ容量の関係を示している。
【0036】
即ち、図3のA、B、Cで示された各線はそれぞれ同等の動力特性目標値に対する燃料電池定格出力とキャパシタ容量の関係を示しており、目標とする動力特性が低く(0-400m到達時間もしくは0-100km/h 加速時間が長く)設定されるほど同図中の線(グラフ)が下方へずれることとなる。また、図3の横軸に関し、燃料電池定格出力がおよそ50kW以下は軽自動車に適する燃料電池定格出力範囲であり、燃料電池定格出力がおよそ50kWから130kWまでの範囲は普通乗用車に適する燃料電池定格出力範囲であり、およそ130kW以上は大型車両に適する燃料電池定格出力範囲である。
【0037】
そして、上記表1に示す車両条件および上記表2に示す動力特性目標を与えたときのキャパシタ25の静電容量は、図3より、CF2で示された値(即ち4F(ファラド))以上、CF1で示された値(即ち30F(ファラド))以下の範囲で決定可能であることがわかる。また、キャパシタ25の静電容量をC(F;ファラド)、燃料電池21の定格出力をP(kW)としたとき、図3の直線Aから直線Cまでの範囲で例えば直線Bで例示されるキャパシタ静電容量Cと燃料電池関係定格出力Pの関係は、第1定数をK1、第2定数をK2として次式(1)で表現することができる。
【0038】
C = K1×P+K2 ・・・(1)
なお、各定数は、0.020≦K1≦0.026、4.0≦K2≦25.0である。
【0039】
また、キャパシタ25は、静電容量に応じて出力可能な電圧が変動する特性を有するため、その使用可能な電圧の範囲(上限;許容耐電圧、下限;使用下限電圧)を電源の供給先、即ち車両を駆動するモータMやモータ駆動回路27あるいは車両周辺機器および燃料電池21の周辺機器の特性に合せることで、より高効率で安定した車両駆動用電源装置20を構成することができる。
【0040】
ここで「使用下限電圧」とは、キャパシタ25の出力電圧がその電圧値以上であることを条件として、燃料電池21とキャパシタ25とを接続可能にする電圧値のことをいう。なおキャパシタ25の開放電圧がこの「使用下限電圧」に達していない場合には、「使用下限電圧」以上になるまで、補助電源である鉛バッテリ等によりキャパシタ25を充電しその後に燃料電池21との接続を行う。
【0041】
例えば、キャパシタ25の静電容量は、使用可能な電圧の範囲、(イ) 許容耐電圧は燃料電池21の開放電圧に対し1.1倍以上3.0倍以下、(ロ) 使用下限電圧は燃料電池21の開放電圧に対し0.3倍以上1.0倍以下に設定する。なおこの条件(イ) 、(ロ) は、双方あるいはいずれか一方を採用しても良い。
【0042】
即ち、キャパシタ25が条件(イ) 「キャパシタ25の許容耐電圧は燃料電池21の開放電圧に対し1.1倍以上3.0倍以下」に設定されるときには、キャパシタ25から出力される電圧が燃料電池21の開放電圧に対し1.1倍以上3.0倍以下の範囲内に抑制される。またキャパシタ25が条件(ロ) 「キャパシタ25の使用下限電圧は、燃料電池21の開放電圧に対し0.3倍以上1.0倍以下」に設定されるときには、キャパシタ25から出力される電圧が燃料電池21の開放電圧に対し0.3倍以上1.0倍以下の範囲内に抑制される。これにより、キャパシタ25の使用可能な電圧範囲を必要以上に広く設定することにより生じ得る、次の(1) 、(2) に示す各問題を解決することができる。
【0043】
(1) キャパシタ25の使用可能な電圧、つまりキャパシタ25の許容耐電圧を必要以上に高く設定すると、モータ駆動回路27を構成する電子部品の耐電圧の上昇を招くため、モータ駆動回路27の重量および体積が増大し、かつコスト高に繋がる。
(2) 一方、キャパシタ25の使用下限電圧を必要以上に低く設定すると、モータ駆動回路27を構成する電子部品の耐電流の上昇を招くため、これによってもモータ駆動回路27の重量および体積が増大しコスト高に繋がるばかりか、電流損失の増大による電力効率の低下をも招く。
【0044】
なお、発電自体は、燃料電池21で行なうため、その出力電圧特性により使用頻度の高い領域を設定することで、より高効率な車両駆動用電源装置20を構成することができる。したがって、キャパシタ25の使用電圧は、燃料電池21の出力電圧に基づいて設定を行なうことがより好ましい。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係る車両駆動用電源装置20によると、燃料電池21に並列に接続されたキャパシタ25の静電容量は、4F(ファラド)以上30F(ファラド)以下である。即ち、キャパシタ25は、燃料電池21に比べてその静電容量の増加に対する重量の増加率が大きいので、過度に静電容量の大きいキャパシタ25を用いることは、結局、車両全体の重量の増加を招くことになるので、4F以上30F以下の範囲にキャパシタ25の静電容量を設定することによって、キャパシタ25の過度な容量増加による大型化を抑制することができる。したがって、車両に要求される所定の条件を満たしながら小型軽量化を実現し得る効果がある。
【0046】
また、車両駆動用電源装置20によると、燃料電池21に並列に接続されたキャパシタ25は、上記の条件(イ) および/または条件(ロ) に基づいて設定されている。即ち、キャパシタ25は条件(イ) および条件(ロ) に基づいて設定され、または、キャパシタ25は条件(イ) もしくは条件(ロ) に基づいて設定される。これにより、キャパシタ25が条件(イ) に設定されるときには、キャパシタ25から出力される電圧が燃料電池21の開放電圧に対し1.1倍以上3.0倍以下の範囲内に抑制される。またキャパシタ25が条件(ロ) に設定されるときには、キャパシタ25から出力される電圧が燃料電池21の開放電圧に対し0.3倍以上1.0倍以下の範囲内に抑制される。したがって、静電容量に応じて出力可能な電圧が変動するというキャパシタ25の特性を利用して電気エネルギを供給することができるので、車両に要求される所定の条件を満たしながら小型軽量化を実現し得る効果がある。
【0047】
さらに、車両駆動用電源装置20によると、燃料電池21に並列に接続されたキャパシタ25の静電容量は、燃料電池21の定格出力値の増加に伴い、増加する所定の関数に基づいて設定されることから、必要以上に大きな静電容量のキャパシタ25を用いることによる車両全体の重量増加を防止することができる。即ち、キャパシタ25は、燃料電池21に比べてその静電容量の増加に対する重量の増加率が大きいので、過度に静電容量の大きいキャパシタ25を用いることは、結局、車両全体の重量の増加を招くことになるので、燃料電池21の定格出力値の増加に伴い増加する所定の関数に基づいてキャパシタ25の静電容量を設定することにより、当該キャパシタ25の過度な容量増加による大型化を抑制することができる。したがって、車両に要求される所定の条件を満たしながら小型軽量化を実現し得る効果がある。
【0048】
また当該所定の関数が「C=K1×P+K2」(C;キャパシタ25の静電容量(F)、P;燃料電池21の定格出力値(kW)、K1;第1定数、K2;第2定数)であれば、これに基づいてキャパシタ25の静電容量を適切な値に容易に設定することができる。これにより、キャパシタ25は燃料電池21に比べて、その電気容量の増加に対する重量の増加率が大きいので過度に大きいキャパシタ25を用いることは結局、車両全体の重量の増加を招くが、車両条件と動力特性目標を満足する中で可能な限り小さな定格出力をもつ燃料電池21と、この燃料電池21の出力を補うキャパシタ25の容量を容易に設定することができる。つまり、特に設定したモータMの出力で達成すべき動力特性目標を満足できるように車両全体の重量を考慮して可能な限り小さな定格出力をもつ燃料電池21と、この燃料電池21出力を補うキャパシタ25の容量を「C=K1×P+K2」により容易に設定することができる。したがって、キャパシタ25の静電容量を必要以上の値に設定することを防ぎ得るので、キャパシタ25の大容量化による車両全体の重量増加を防止し、車両に要求される所定の条件を満たしながら小型軽量化を容易に実現し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両駆動用電源装置の電気的構成を示す回路図である。
【図2】特定の車両条件と動作特性目標を与えた場合において、燃料電池の定格出力と所定の動作特性目標(例えば0-400m到達時間)の関係を、キャパシタの静電容量ごとに表した特性図である。
【図3】所定の動力特性目標を達成可能な最小限の燃料電池の定格出力と、これに対するキャパシタの静電容量との関係をプロットした特性図である。
【符号の説明】
20 車両駆動用電源装置
21 燃料電池
25 キャパシタ(コンデンサ)
27 モータ駆動回路
31 システムコントローラ
33 FC/Mコントローラ
M モータ
C コンデンサの静電容量
P 燃料電池の定格出力値
K1 第1定数
K2 第2定数

Claims (3)

  1. 燃料電池と、この燃料電池に並列に接続されたコンデンサとを備える車両駆動用電源装置であって、
    前記コンデンサの静電容量は、前記燃料電池の定格出力値の増加に伴い増加する所定の関数に基づいて4ファラド以上30ファラド以下に設定されていることを特徴とする車両駆動用電源装置。
  2. 前記所定の関数は、一次関数であることを特徴とする請求項1記載の車両駆動用電源装置。
  3. 前記所定の関数は、前記コンデンサの静電容量をC(F;ファラド)、前記燃料電池の定格出力値をP(kW)、第1定数をK1、第2定数をK2にしたとき、C=K1×P+K2により表され、第1定数K1は0.020以上0.026以下、第2定数K2は4.0以上25.0以下に設定されることを特徴とする請求項1または2記載の車両駆動用電源装置。
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