JP4872790B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の始動時にクランク軸の回転速度を制御する内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関の始動時にモータジェネレータにて圧縮行程の上死点近傍でクランク軸の回転速度を一瞬過渡的に増速させて点火圧縮上死点近傍でのピストン速度を速くし、これにより完爆し易くさせて始動性を向上させる始動制御装置が知られている(特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2が存在する。
特開2004−44491号公報 特開2004−84607号公報
内燃機関の温度又は外気温が低い低温時に内燃機関を始動する場合、気筒内における燃料の霧化が不十分となることがある。特許文献1の装置では内燃機関の始動時に圧縮行程の上死点近傍でクランク軸の回転数を増速させるが、この回転数の増速は燃料の霧化に殆ど影響を及ぼさないため、低温時における始動性が十分に改善されていないおそれがある。
そこで、本発明は、気筒内における燃料の霧化を促進させて始動性を向上させることが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の制御装置は、内燃機関のクランク軸の回転速度を変更可能な回転速度変更手段と、前記内燃機関の始動時に、前記内燃機関の気筒に燃料を供給すべく燃料噴射弁から燃料の噴射が開始された燃料噴射開始時期から前記気筒のピストンが圧縮行程の上死点に到達するまでの期間内に設定された所定の減速期間において前記クランク軸の回転速度が低下するように前記回転速度変更手段の動作を制御する動作制御手段と、を備え、前記内燃機関の燃料として、炭化水素燃料とアルコール燃料とが混合されたアルコール混合燃料が使用され、前記アルコール混合燃料のアルコール濃度を取得するアルコール濃度取得手段をさらに備え、前記動作制御手段は、前記アルコール濃度取得手段により取得されたアルコール濃度が高いほど前記所定の減速期間における前記クランク軸の回転速度がより低くなるように前記回転速度変更手段の動作を制御することにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
燃料噴射開始時期からピストンが圧縮行程の上死点に到達するまでの期間は気筒内に燃料が供給されて燃料と空気とが混合及び攪拌されて燃料が拡散し、燃料の霧化が促進される。また、圧縮行程において気筒内で燃料混合気が圧縮されると筒内温度が上昇するため、燃料の気化が促進される。本発明の制御装置によれば、このような期間内に設定された所定の減速期間においてクランク軸の回転速度を低下させるので、燃料噴射開始時期からピストンが圧縮行程の上死点に到達するまでに要する時間を延ばし、気筒内で燃料が拡散したり、気化する時間を延ばすことができる。そのため、気筒内における燃料の霧化を促進させて内燃機関の始動性を向上させることができる。一般に内燃機関に使用されるアルコール燃料、例えばエタノールの沸点は、炭化水素燃料、例えばガソリンの沸点よりも高い。そのため、アルコール燃料が混合されると炭化水素燃料のみの場合と比較して沸点が上昇し、燃料が気化し難くなる。また、一般に炭化水素燃料と比較してアルコール燃料の方が発熱量が小さいため、アルコール混合燃料を使用する場合は炭化水素燃料のみを使用する場合と比較して気筒内に供給すべき燃料量が増加する。このようにアルコール混合燃料のアルコール濃度が高くなるほどアルコール混合燃料の沸点が高くなり、燃料が気化し難くなる。また、発熱量も低下するので、気筒内に供給すべき燃料量が増加する。そのため、気筒内で燃料が拡散したり気化したりする時間をさらに延ばす必要がある。本発明では、アルコール濃度が高いほど所定の減速期間におけるクランク軸の回転速度をより低くするので、アルコール混合燃料のアルコール濃度に応じて気筒内で燃料が拡散したり気化したりする時間を適切に調整することができる。そのため、気筒内において燃料を適切に霧化させ、始動性を向上させることができる。
本発明の制御装置の一形態においては、前記所定の減速期間として、前記気筒の圧縮行程の後半が設定されてもよい(請求項2)。圧縮行程の後半では気筒内に導かれた燃料混合気が圧縮されて筒内温度が上昇する。そのため、この期間にクランク軸の回転速度を低下させることにより、筒内温度が高くなる期間を延ばすことができる。これにより、気筒内に供給された燃料の気化を促進させ、その燃料の霧化を促進させることができる。
本発明の制御装置の一形態において、前記内燃機関は、前記燃料噴射弁から前記気筒内に直接燃料が噴射される筒内噴射式内燃機関であり、前記所定の減速期間として、前記気筒の吸気行程の末期から前記吸気行程に続く圧縮行程の初期が設定されてもよい(請求項3)。このような期間においてクランク軸の回転速度を低下させることにより、ピストンが下死点付近に留まる時間、すなわち筒内容積が大きくなる時間を延ばすことができる。これにより、気筒内において燃料と空気との混合及び攪拌を十分に行い、燃料を拡散させることができるので、燃料の霧化を促進させることができる。また、このような時間を延ばすことにより、ピストンへの燃料の付着を抑制することができる。
本発明の制御装置の一形態において、前記内燃機関は、前記クランク軸と接続されて発電機及び電動機として機能するモータジェネレータを備えたハイブリッド車両に搭載され、前記回転速度変更手段は、前記モータジェネレータであってもよい(請求項4)。この場合、新たに装置を設けることなくクランク軸の回転速度を容易、かつ精度良く変更することができる。
本発明の制御装置の一形態において、前記動作制御手段は、前記内燃機関の始動時に前記所定の減速期間において前記クランク軸の回転速度を低下させる回転速度低下処理の実行の要否を判定する判定手段と、前記判定手段により前記回転速度低下処理の実行が不要と判定された場合、前記内燃機関の始動時に前記クランク軸が一定の回転速度で駆動されるように前記回転速度低下処理の実行を禁止する速度低下禁止手段と、を備えていてもよい(請求項5)。このように判定手段によって不要と判断された場合は回転速度低下処理の実行を禁止することにより、回転速度低下処理の無駄な実行を防止できる。
この形態において、前記判定手段は、前記内燃機関の吸気温度が所定の判定吸気温度以上の場合に前記回転速度低下処理の実行が不要と判定してもよい(請求項6)。内燃機関の吸気温度が十分に高ければ、その吸気の熱によって燃料を十分に気化させることができるので、回転速度低下処理が不要となる。そのため、所定の判定吸気温度を適正に設定することにより、吸気温度に基づいて回転速度低下処理の要否を判定することができる。吸気温度は外気の温度(以下、外気温と略称することがある。)に影響され、外気温が高ければ吸気温度も高くなる。そこで、前記判定手段は、前記内燃機関の外気の温度が所定の判定温度以上の場合に前記回転速度低下処理の実行が不要と判定してもよい(請求項7)。
また、内燃機関の温度が十分に高い場合もその内燃機関の熱で燃料を十分に気化させることができるため、回転速度低下処理が不要となる。周知のように内燃機関の温度は、内燃機関の冷却水の温度、及びオイルの温度と相関関係している。そこで、前記判定手段は、前記内燃機関の冷却水の温度が所定の判定水温以上の場合に前記回転速度低下処理の実行が不要と判定してもよいし(請求項8)、前記判定手段は、前記内燃機関のオイルの温度が所定の判定油温以上の場合に前記回転速度低下処理の実行が不要と判定してもよい(請求項9)。
以上に説明したように、本発明の制御装置によれば、燃料噴射開始時期からピストンが圧縮行程の上死点に到達するまでの期間内に設定した所定の減速期間においてクランク軸の回転速度を低下させるので、気筒の状態が燃料の霧化に寄与する状態に維持される時間を延ばし、気筒内における燃料の霧化を促進させて内燃機関の始動性を向上させることができる。
(第1の形態)
図1は、本発明の第1の形態に係る制御装置が組み込まれた内燃機関の要部を示す概略図である。図1に示した内燃機関(以下、エンジンと称することがある。)1は、車両に走行用動力源として搭載され、4つの気筒2が一方向に向かって並べられた火花点火式の4サイクル内燃機関である。なお、各気筒2にはそれらの並び方向一端から他端に向かって#1〜#4の気筒番号を付して互いに区別する。一般に4気筒の4サイクル内燃機関では、外側の一対の気筒(#1、#4)2の爆発間隔が360°CA(クランク角を意味する。)ずらされ、内側の一対の気筒(#2、#3)2の爆発時期が#1の気筒2の爆発時期を基準として180°CA、540°CAずらされることにより、180°CA毎の等間隔爆発が実現されている。なお、#2の気筒2と#3の気筒2との爆発時期の前後は適宜に定められるが、エンジン1では#3の気筒2の爆発時期が#2の気筒2の爆発時期よりも先とする。従って、エンジン1における爆発順序は、#1、#3、#4、#2の順となる。各気筒2には吸気通路3及び排気通路4がそれぞれ接続され、吸気通路3には吸入空気量に対応する信号を出力するエアフローメータ5と、吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ6とが設けられる。
図2は、エンジン1の気筒2の断面を示している。なお、図2には#1の気筒2の断面を示すが、他の気筒2も同様の構造である。図2に示したように各気筒2にはクランク軸7にコンロッド8を介して連結されたピストン9が往復運動可能な状態で挿入されている。また、各気筒2には点火プラグ10がその電極部を気筒2内に突出させるようにして気筒2の略中心線上に設けられている。各気筒2に形成される燃焼室11と吸気通路3とは吸気弁12にて開閉され、燃焼室11と排気通路4とは排気弁13にて開閉される。吸気弁12及び排気弁13の開閉駆動は周知の動弁機構によって実行される。なお、これらは周知のエンジンと同様のものでよいため、詳細な説明は省略する。
エンジン1は、燃料供給装置20を備えている。燃料供給装置20は、燃料タンク21と、各気筒2の吸気ポート3aにそれぞれ設けられる燃料噴射弁としてのインジェクタ22と、各インジェクタ22から噴射する高圧の燃料を蓄えるデリバリパイプ23と、燃料タンク21からデリバリパイプ23に燃料を送る燃料ポンプ24とを備えている。エンジン1は、エタノールなどのアルコール燃料とガソリンなどの炭化水素燃料とを混合したアルコール混合燃料を燃料として使用することが可能であり、燃料タンク21にはそのアルコール混合燃料が入れられる場合がある。そのため、燃料タンク21には燃料のアルコール濃度に対応する信号を出力するアルコール濃度取得手段としてのアルコール濃度センサ25が設けられている。アルコール濃度センサ25は周知のセンサを使用すればよく、例えばガソリンなどの炭化水素燃料の電気抵抗値とアルコール燃料の電気抵抗値とが異なることを利用してアルコール濃度を検出するセンサが使用される。
エンジン1の運転状態は、エンジンコントロールユニット(ECU)30にて制御される。ECU30は、マイクロプロセッサ、及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺機器を含んだコンピュータとして構成され、エンジン1に設けられた各種センサの出力信号に基づいてエンジン1の運転状態を制御する周知のコンピュータユニットである。ECU30は、例えばエンジン1の回転数及び負荷などに基づいて各気筒2に供給すべき燃料量を算出し、算出した燃料量の燃料が各気筒2の供給されるように各インジェクタ22の動作を制御する。また、各気筒2内の燃料混合気に適切な時期に点火されるように各気筒2の点火プラグ10の動作を制御する。ECU30に接続されるセンサとしては、例えばクランク軸7の回転速度に対応する信号を出力するクランク角センサ31、外気温に対応する信号を出力する外気温センサ32、エンジン1の冷却水の温度に対応する信号を出力する水温センサ33、エアフローメータ5、及びアルコール濃度センサ25等がある。その他にもECU30には各種センサが接続されるが、それらの図示は省略した。
エンジン1が搭載された車両は、電動機及び発電機として機能する2台のモータジェネレータ(MG)40、41を備えたハイブリッド車両である。エンジン1のクランク軸7、MG40の出力軸、及びMG41の出力軸はそれぞれ動力分割機構42に接続されている。動力分割機構42は、エンジン1、MG40、及びMG41の接続状態を切り替えてエンジン1、MG40、及びMG41の出力の伝達先を切り替える周知のものである。動力分割機構42には、例えば遊星歯車機構などが用いられる。動力分割機構42からの出力は、伝達機構43を介して車両の駆動輪44に伝達される。
MG40、MG41、及び動力分割機構42の動作はそれぞれモータジェネレータコントロールユニット(MGCU)50にてそれぞれ制御される。MGCU50は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺機器を含んだコンピュータとして構成され、例えば要求される駆動力及びMG40、MG41に接続されたバッテリ(不図示)の充電状態などに基づいてMG40及びMG41が電動機又は発電機として機能するようにその動作を切り替える。この際、MGCU50は、インバータ51を介してMG40、41の動作を制御する。MGCU50は、例えば車両の加速時にエンジン1の出力及びMG40の出力の両方が駆動輪44に伝達されるように動力分割機構42の動作を制御するとともにMG40を電動機として機能させる。その他、MGCU50は車両の走行状態などに応じてMG40、MG41の動作を制御するが、これら制御方法は周知の制御方法と同様でよいため、詳細な説明は省略する。図1に示したようにMGCU50は、ECU30と互いの情報を共有可能なように接続されている。
また、MGCU50は、エンジン1の停止時に所定の機関始動条件が成立した場合、MG41の出力がエンジン1のクランク軸7に伝達されるように動力分割機構42の動作を制御するとともにMG41を電動機として機能させ、MG41でクランク軸7を駆動してエンジン1を始動する。この際、MGCU50は、停止しているエンジン1の状態に応じてクランク軸7が一定速度で回転するようにMG41の動作を制御する通常始動制御、又は各気筒2の圧縮行程の後半においてクランク軸7の回転速度が低下するようにMG41の動作を制御する可変始動制御のいずれかの制御を実行してエンジン1を始動する。このようにMG41を制御することにより、MG41が本発明の回転速度変更手段として機能する。また、MGCU50が本発明の動作制御手段として機能する。そして、可変始動制御が本発明の回転速度低下処理に対応する。
図3を参照して可変始動制御について詳しく説明する。図3は、エンジン1の各気筒2における吸気、圧縮、膨張、排気の各行程のタイムチャートの一例を示している。図3に示したように各気筒2の点火時期はピストン9が圧縮上死点に到達した時点に設定され、各インジェクタ22から燃料が噴射される時期、すなわち各気筒2の燃料供給時期は吸気行程の前半に設定されている。また、図3には可変始動制御を実行したときのクランク軸7の回転速度の時間変化の一例を示す。可変始動制御の実行時は、図3に示したようにクランク軸7の回転速度を各気筒2の圧縮行程の後半に低下させる。このようにクランク軸7の回転速度を低下させることにより、圧縮行程の後半におけるピストン9の速度を減速させることができる。図4に示したように圧縮行程では、ピストン9が下死点(BDC)から上死点(TDC)に移動する。そのため、周知のように図4に期間θ1で示した圧縮行程の後半では、気筒2内の燃料混合気がピストン9により圧縮され、気筒2内の温度が高くなる。そのため、このような時期にピストン9の速度を減速させることにより、気筒2の状態が圧縮行程の後半に維持される時間を延ばすことができるので、気筒2内の燃料の気化を促進させることができる。このようにクランク軸7の回転速度を低下させることにより、期間θ1が本発明の減速期間に対応する。
図5は、MGCU50がエンジン1を始動させるために実行する機関始動制御ルーチンを示している。図5の制御ルーチンは、エンジン1の運転状態に拘わらず所定の周期で繰り返し実行される。
図5の制御ルーチンにおいてMGCU50は、まずステップS11でクランク角センサ31の出力信号に基づいてエンジン1が停止中か否か判断する。エンジン1が運転中と判断した場合は今回の制御ルーチンを終了する。一方、エンジン1が停止中と判断した場合はステップS12に進み、MGCU50は所定の機関始動条件が成立したか否か判断する。所定の機関始動条件は、例えば運転者によってイグニッションスイッチが操作され、エンジン1の始動が要求された場合に成立したと判断する。また、エンジン1の運転中に所定の機関停止条件が満たされた場合にエンジン1を停止させる、いわゆるエコラン車両では、この所定の機関停止条件が満たされてエンジン1を停止させているときに運転者によってアクセルペダル又はシフトギアが操作された場合にも機関始動条件が成立したと判断する。機関始動条件が不成立と判断した場合は今回の制御ルーチンを終了する。
一方、機関始動条件が成立したと判断した場合はステップS13に進み、MGCU50はエンジン1の状態を取得する。エンジン1の状態としては、例えば燃料のアルコール濃度、冷却水の温度などが取得される。また、このとき外気温も取得される。次のステップS14においてMGCU50は、外気温が予め設定した判定温度T未満か否か判断する。外気温が低いと吸気の温度が低くなるため、筒内温度が低下し、点火前までに気筒2内で燃料が十分に気化しない場合がある。判定温度Tは、始動時にクランク軸7を一定速度で回転させても気筒2内で燃料が適切に気化するか否か判定するための基準として設定される。そのため、判定温度Tには、例えばクランク軸7を一定速度で回転させて始動した場合に気筒2内で燃料を適切に気化させることが可能な外気温の下限値が設定される。外気温が判定温度T以上と判断した場合はステップS15に進み、MGCU50は通常始動制御を実行する。すなわち、エンジン1のクランク軸7とMG41の出力軸とが接続されるように動力分割機構42を制御するとともにMG41を一定速度で回転させてエンジン1を始動する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。このようにステップS14を実行して可変始動制御の要否を判定することにより、MGCU50が本発明の判定手段として機能する。また、ステップS14が否定判断された場合はステップS15に進み、可変始動制御を実行しないので、MGCU50が速度低下禁止手段として機能する。
一方、外気温が判定温度T未満と判断した場合はステップS16に進み、MGCU50は可変始動制御を実行したときに圧縮行程の後半において低下させるべき回転速度である減速量ΔNを算出する。周知のように一般に内燃機関に使用されるエタノールなどのアルコール燃料の沸点は、ガソリンなどの炭化水素燃料の沸点よりも高い。そのため、燃料のアルコール濃度が高くなるほどその燃料の沸点が高くなり、気化し難くなる。一方、図3に示したように減速量ΔNを大きくするほど圧縮行程の後半におけるクランク軸7の回転速度がより低くなるので、気筒2が圧縮行程の後半の状態に維持される時間を長くすることができる。そこで、燃料のアルコール濃度が高いほど減速量ΔNを大きく設定し、圧縮行程の後半の状態に維持される時間を長くする。この減速量ΔNは、例えば図6に一例を示した燃料のアルコール濃度と減速量ΔNとの関係を予め実験などにより求めてMGCU50のROMにマップとして記憶させておき、このマップを参照して算出すればよい。
次のステップS17においてMGCU50は、可変始動制御を実行してエンジン1を始動する。この可変始動制御では、各気筒2の圧縮行程の後半にクランク軸7の回転速度を減速量ΔN分低下させる。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
このように外気温が判定温度T未満の場合、可変始動制御を実行してエンジン1を始動することにより、気筒2内における燃料の気化を促進させることができるので、始動性を向上させることができる。可変始動制御における減速量ΔNは燃料のアルコール濃度に応じて設定されるので、気筒2が圧縮行程の後半に維持される時間を適切に設定することができる。そのため、気筒2内において燃料を適切に気化させ、始動性を向上させることができる。
(第2の形態)
次に図7〜図9を参照して本発明の第2の形態に係る制御装置について説明する。図7は、第2の形態に係る制御装置が組み込まれた内燃機関の要部を示す概略図である。第2の形態では、インジェクタ22が気筒2内に燃料を直接噴射するように設けられる。すなわち、第2の形態のエンジン1は筒内直噴式の内燃機関である。それ以外は第1の形態と同じである。そのため、図7において図1と共通の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
この形態においてもMGCU50は図5の機関始動制御ルーチンを所定の周期で繰り返し実行するが、この形態では可変始動制御におけるクランク軸7の回転速度を低下させる時期が異なる。図8及び図9を参照して第2の形態における可変始動制御について説明する。なお、図8は第1の形態の図3に対応する図であり、図9は第1の形態の図4に対応する図である。図8及び図9に示したように、第2の形態では、吸気行程の末期からその吸気行程に続く圧縮行程の初期に設定された期間θ2においてクランク軸7の回転速度を低下させる。すなわち、図9に示したように吸気下死点(BDC)の近傍においてクランク軸7の回転速度を低下させる。なお、この形態においても図8に示したようにインジェクタ22からの燃料の噴射が開始された後にクランク軸7の回転速度を低下させる。第2の形態においては、期間θ2が本発明の減速期間に対応する。
このような期間θ2においてクランク軸7の回転速度を低下させることにより、ピストン9が下死点付近に留まる時間を長くすることができる。これにより、気筒2内における燃料の拡散時間を長くできるので、燃料の霧化を促進させることができる。また、このようにピストン9が下死点付近に留まる時間を長くすることにより、インジェクタ22から噴射された燃料がピストン9に到達することを抑制できるので、ピストン9への燃料の付着を抑制することができる。エタノールなどのアルコール燃料は、ガソリンなどの炭化水素燃料と比較して発熱量が低いため、燃料のアルコール濃度が高くなるほどその燃料の発熱量が低くなり、気筒2内に供給すべき燃料量が増加する。そのため、アルコール濃度が高いほど減速量ΔNを大きくすることにより、ピストン9への燃料の付着を適切に抑制することができる。
第2の形態の可変始動制御では、吸気行程の末期から圧縮行程の初期にかけてクランク軸7の回転速度を低下させるので、気筒2内における燃料の拡散時間を長くして燃料の霧化を促進させることができる。そのため、エンジン1の始動性を向上させることができる。
クランク軸7の回転速度の低下を開始する時期は、図8に示した時期に限定されない。例えば燃料の噴射が開始された直後からクランク軸7の回転速度を低下させてもよい。この場合、例えばインジェクタ22から噴射された燃料の噴霧がピストン9に到達するまでの時間遅れ分だけ回転速度の低下を開始する時期を遅くする。このようにクランク軸7の回転速度を低下させても、インジェクタ22から噴射された燃料の噴霧がピストン9に到達することを抑制できるので、ピストン9への燃料の付着を抑制できる。
本発明は、上述した各形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本発明が適用される内燃機関の気筒数は4つに限定されず、3、6、8、10、12気筒の内燃機関に適用してもよい。なお、この場合には各気筒の減速期間が互いにずれるように設定される。また、V型内燃機関に本発明を適用してもよい。本発明が適用される内燃機関は、ハイブリッド車両に搭載されるエンジンに限定されない。始動モータの回転速度を変更して始動時のクランク軸の回転速度を変更可能な内燃機関に本発明を適用してもよい。この場合、この始動モータが本発明の回転速度変更手段として機能する。また、一般に始動モータはECUによって制御されるため、この場合はECUが本発明の動作制御手段となる。
上述した各形態では、外気温に基づいて可変始動制御の実行の要否を判定したが、この判定は吸気温度に基づいて行ってもよい。すなわち、吸気温度が予め設定した判定吸気温度以上の場合に可変始動制御の実行が不要と判定してもよい。また、この判定は、エンジンの温度に基づいて行ってもよい。エンジンの温度が高い場合は気筒内の燃料をエンジンの熱で気化することができるので、通常始動制御でも始動できる。そこで、例えばエンジンの温度と相関関係を有する冷却水の温度が予め設定した判定水温以上の場合に可変始動制御の実行が不要と判定してもよい。また、冷却水の温度の代わりにオイルの温度を使用し、そのオイルの温度が予め設定した判定油温以上の場合に可変始動制御の実行が不要と判定してもよい。
可変始動制御においてクランク軸の速度を低下させる減速期間は、圧縮行程の後半、又は吸気行程の末期から圧縮行程の初期である吸気下死点の近傍の期間に限定されない。インジェクタから燃料が噴射されてからピストンが圧縮行程の上死点に到達するまでの期間内に設定されていればよい。この期間内にクランク軸の回転速度を低下させることにより、気筒内で燃料が拡散したり気化したりする時間を延ばすことができる。そのため、燃料の霧化を促進させ、内燃機関の始動性を向上させることができる。
本発明の第1の形態に係る制御装置が組み込まれた内燃機関の要部を示す概略を示す図。 図1のエンジンの気筒の断面を示す図。 図1のエンジンの各気筒における吸気、圧縮、膨張、排気の各行程のタイムチャートの一例を示す図。 第1の形態においてクランク軸の回転速度を低下させる減速期間を説明するための図。 図1のMGCUが実行する機関始動制御ルーチンを示すフローチャート。 燃料のアルコール濃度と減速量との関係の一例を示す図。 本発明の第2の形態に係る制御装置が組み込まれた内燃機関の要部を示す概略を示す図。 図7のエンジンの各気筒における吸気、圧縮、膨張、排気の各行程のタイムチャートの一例を示す図。 第2の形態においてクランク軸の回転速度を低下させる減速期間を説明するための図。
符号の説明
1 内燃機関
2 気筒
7 クランク軸
9 ピストン
22 インジェクタ(燃料噴射弁)
25 アルコール濃度センサ(アルコール濃度取得手段)
41 モータジェネレータ(回転速度変更手段)
50 モータジェネレータコントロールユニット(動作制御手段、判定手段、速度低下禁止手段)
θ1、θ2 減速期間

Claims (9)

  1. 内燃機関のクランク軸の回転速度を変更可能な回転速度変更手段と、前記内燃機関の始動時に、前記内燃機関の気筒に燃料を供給すべく燃料噴射弁から燃料の噴射が開始された燃料噴射開始時期から前記気筒のピストンが圧縮行程の上死点に到達するまでの期間内に設定された所定の減速期間において前記クランク軸の回転速度が低下するように前記回転速度変更手段の動作を制御する動作制御手段と、を備え
    前記内燃機関の燃料として、炭化水素燃料とアルコール燃料とが混合されたアルコール混合燃料が使用され、
    前記アルコール混合燃料のアルコール濃度を取得するアルコール濃度取得手段をさらに備え、
    前記動作制御手段は、前記アルコール濃度取得手段により取得されたアルコール濃度が高いほど前記所定の減速期間における前記クランク軸の回転速度がより低くなるように前記回転速度変更手段の動作を制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記所定の減速期間として、前記気筒の圧縮行程の後半が設定されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記内燃機関は、前記燃料噴射弁から前記気筒内に直接燃料が噴射される筒内噴射式内燃機関であり、
    前記所定の減速期間として、前記気筒の吸気行程の末期から前記吸気行程に続く圧縮行程の初期が設定されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記内燃機関は、前記クランク軸と接続されて発電機及び電動機として機能するモータジェネレータを備えたハイブリッド車両に搭載され、
    前記回転速度変更手段は、前記モータジェネレータであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記動作制御手段は、前記内燃機関の始動時に前記所定の減速期間において前記クランク軸の回転速度を低下させる回転速度低下処理の実行の要否を判定する判定手段と、前記判定手段により前記回転速度低下処理の実行が不要と判定された場合、前記内燃機関の始動時に前記クランク軸が一定の回転速度で駆動されるように前記回転速度低下処理の実行を禁止する速度低下禁止手段と、を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記判定手段は、前記内燃機関の吸気温度が所定の判定吸気温度以上の場合に前記回転速度低下処理の実行が不要と判定することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記判定手段は、前記内燃機関の外気の温度が所定の判定温度以上の場合に前記回転速度低下処理の実行が不要と判定することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記判定手段は、前記内燃機関の冷却水の温度が所定の判定水温以上の場合に前記回転速度低下処理の実行が不要と判定することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記判定手段は、前記内燃機関のオイルの温度が所定の判定油温以上の場合に前記回転速度低下処理の実行が不要と判定することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
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