JP4872658B2 - メンブレンバイオリアクターの運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、細菌や酵母、カビ、放線菌などの微生物や動物、昆虫などの細胞を用いた有価物の生産方法に関する。さらに詳しくは、これらの細胞をメンブレンバイオリアクターを用いて連続培養することにより高速かつ長期間にわたり有価物を生産する方法に関する。
微生物や細胞の培養を伴う有価物質の生産方法である発酵法は、大きく(1)バッチ発酵法(Batch発酵法)および流加発酵法(Fed−Batch発酵法)と(2)連続発酵法に分類することができる。(1)のバッチおよび流加発酵法は、設備的には簡素であり、短時間で培養が終了し、雑菌汚染による被害のリスクが少ないというメリットがある。しかし、時間経過とともに培養液中の生産物濃度が高くなり、浸透圧あるいは生産物阻害等の影響により生産性及び収率が低下してくる。このため、長時間にわたり安定して高収率かつ高生産性を維持するのが困難である。
一方、(2)の連続発酵法は、バイオリアクター内で阻害物質が高濃度に蓄積するのを回避することによって、長時間にわたって高収率かつ高生産性を維持できるという特徴がある。例えば、L−グルタミン酸の連続培養法が開示されている(特許文献1)。しかし、これらの例では、培養液へ原料の連続的な供給を行うとともに、微生物や細胞を含んだ培養液をバイオリアクターから抜き出すため、培養液中の微生物や細胞が希釈されることから、生産効率の向上は限定されたものであった。
このことから、連続発酵法において、微生物や培養細胞を分離膜でろ過し、膜透過液から生産物を回収すると同時にろ過された微生物や培養細胞を培養液に保持または還流させることで、培養液中の微生物や細胞濃度を高く維持する方法が提案されている。例えば、乳酸菌(ビフィズス菌)を培養するに際し、培地の糖濃度を1〜1.5重量%に調整し、培養により培地中に生成した菌の阻害物質を培養槽に連通して配設したろ過膜を介して除去し、該阻害物質を除去した培養液を培養槽へ循環させると共に、上記ろ過膜を介して除去された部分に相当する液量の新鮮な培地を培養槽へ補給する方法が提案されている(特許文献2)。これらの方法において、分離膜には、一般に多孔性分離膜が用いられるが、該膜の目詰りによるろ過流量やろ過効率の低下が大きな問題となっており、このことが本方法の普及の大きな障害となっている。
ろ過流速低下抑制の対策としては、膜透過液を用いた逆洗、空気を用いた逆洗(特許文献3)、超音波処理等が報告されているが、これらの中では、膜透過液を用いた逆洗が良く利用されている。しかし、これら膜性能の物理的維持方法を用いても、微小な有機物等の吸着によるファウリングが進行し、膜性能が低下してしまうため(非特許文献1)、長時間にわたり連続使用し難いという課題があった。膜性能を回復させるためには、発酵を終了または中断して、膜を交換するか薬品による化学洗浄を行うことが必要となるが、物質生産を行いながら適用できないという問題があった。
なお、膜透過液量を稼ぐ方法としては、ろ過に使用する膜ユニットを増やす方法があるが、設備・運転コストが上昇するなどの問題が生じ、実用的とは言い難い。
特開平10−150996号公報 特公平6−69367号公報 特開平6−98758号公報 松本幹治監修、化学工学会・膜分離技術ワーキンググループ編、「ユーザーのための実用膜分離技術」、初版、日本国、日刊工業新聞社、1996年4月30日、251ページ
このように、連続発酵法において、微生物や細胞を分離膜でろ過し、膜透過液から生産物を回収すると同時にろ過された微生物や細胞を培養液に還流させ、培養液中の微生物や細胞濃度を高い状態に維持して運転することで高い物質生産性を持続させることは、依然として困難であり、特に、これを長期間にわたり実施するのは極めて困難で、技術の革新が望まれていた。本発明の目的は、膜を用いた連続発酵法の上記課題を解決し、高生産速度が期待できる高濃度での細胞の膜分離を長期間、持続的に安定に実現することであり、生産速度の改善とバイオリアクターの稼働率向上の相乗効果により、生産性の大幅上昇を実現し、生産コストを低減することにある。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
変換させる物質を含んだ原液をバイオリアクターに導入し、pH調整を行いながら細胞浮遊液を用いて該物質を変換し、膜ユニットを用いてろ過し、非透過液をバイオリアクターに保持しつつ変換された物質を含んだ透過液を取り出す、メンブレンバイオリアクターの運転方法において、該膜ユニットの透過液側からpH調整液を該バイオリアクターに供給する操作を行うことを特徴とする。また、複数の膜ユニットを有し、少なくとも一つの膜ユニットを用いてろ過し、同時に少なくとも一つの膜ユニットの透過液側からpH調整液をバイオリアクターに供給しながら前記のメンブレンバイオリアクターの運転を行うことを特徴とする。さらに、pH調整液をバイオリアクターに供給する膜ユニットを順次代えることを特徴とする。
また、バイオリアクター部、変換させる物質を含んだ原液導入部、pH調整液供給部、膜ユニット部、透過液回収部を有したメンブレンバイオリアクター装置であって、メンブレンバイオリアクター装置が複数の膜ユニットを有し、少なくとも一つの膜ユニットを用いてろ過し、同時に少なくとも一つの膜ユニットの透過液側からpH調整液をバイオリアクター部に供給する手段を具備することを特徴とする。
本発明を適用することにより、膜を用いた連続発酵法において、膜間差圧、すなわち、膜の非透過液側と透過液側との圧力の差が上昇する前に生産を続けながら予防的に化学洗浄を行うことが可能となり、膜の透水性能を長期にわたり安定に発揮させることが可能となる。膜を用いた連続発酵法において、高濃度での細胞の膜分離を長期間、安定に実現することが可能となり、生産速度上昇とバイオリアクターの稼働率向上の相乗効果により、生産性の大幅な改善を実現し、生産コストを低減することが可能となる。また、pH調整液が膜の化学的洗浄とpH調整の2つの用途に有効に利用でき、薬液費の低減につながる。
本発明の方法は、例えば、バクテリアや酵母、カビなどの微生物や動物細胞を用いた医薬品、化成品やそれらの原料、アミノ酸などの食品の生産などに適用することが可能である。また、特に、高効率で大規模にエネルギー物質やポリマー原料、化成品中間体などを生産する必要性が高い、再生可能な植物バイオマスを原料としたバイオリファイナリーにおける発酵プロセスにおいて、より好適に用いることができる。
本発明においては、例えば、図1に示す装置にて物質の変換により有価物の生産を行う。
図1に示す装置は、(1)微生物等の細胞を収容し発酵により有価物生産を行うバイオリアクター部と、(2)そのバイオリアクター部での発酵反応により生産された溶解性の有価物を細胞と固液分離するための膜分離部と、(3)膜分離部を介して、あるいは直接pH調整用の薬液をバイオリアクター部に供給するpH調整部からなる
バイオリアクター部には、バイオリアクター1、原液14を供給する原液供給ライン4、微生物の増殖や生育に酸素が必要な場合は酸素含有ガス供給ライン3、槽内の液を混合するための撹拌装置5、が備えられている。
膜分離部には、膜ユニット2A、2B、レベルセンサー7、膜ろ過用ポンプ9、流路切り替え用のバルブ10、透過液16を回収するための透過液回収ライン8、が備えられている。バイオリアクターでの発酵反応により生産された溶解性の有価物を細胞と固液分離するために細胞浮遊液に浸漬した型式の2系列の膜ユニット2A、2Bが設けられており、レベルセンサー7の指示を受けて作動する膜ろ過用ポンプ9が、2系列ある膜ユニットのいずれかを吸引することにより有価物を含んだ透過液16が透過液回収ライン8を通して得られる。ここでは、膜ユニット2Aを吸引して、有価物を含んだ透過液16が得られるものとする。
pH調整部には、pH調整液貯槽12、pHセンサー6、pH調整液供給ポンプ13、pH調整液供給ライン15、流路切り替え用のバルブ11が備えられている。pH調整は、pHセンサー6の信号を受けて作動するpH調整液供給ポンプ13がpH調整液をろ過に使用されていない方の膜ユニット2Bの透過液回収側からバイオリアクター部に供給することにより行われる。
透過液回収ライン8、pH調整液供給ライン15の途中には、それぞれ複数ある膜ユニットのいずれか片方を使用するようにするための流路切り替え用のバルブ10、11が備えられ、流路切り替え用のバルブ10,11、タイマー17により、膜ユニット2Aを用いてろ過を行い膜ユニット2Bを通してpH調整液を供給する工程と、膜ユニット2Bを用いてろ過を行い膜ユニット2Aを通してpH調整液を供給する工程とが交互に繰り返されるよう作動する。
ここで、本発明における膜ユニットとは、ろ過やpH調整液供給の動作を同時に行う膜の単位のことを意味し、平膜エレメント、平膜エレメントが複数配置された平膜モジュール、中空糸膜モジュール、複数の中空糸膜モジュールやこれらの組み合わせなどを例示することができる。
透過液とは、細胞浮遊液を膜でろ過し得られる細胞を含まない液のことであり、非透過液とは、透過液を得る過程で同時に得られる細胞が濃縮された液のことである。
有機酸、アルコール、抗生物質、ホルモン、アミノ酸、ビタミン、抗体等の有価物の生産を目的とするメンブレンバイオリアクターの場合は、原液とは培地のことであり、変換とは発酵反応や好気発酵反応のことであり、変換させる物質とは、有価物やそれを生産する細胞を生産するのに必要な培地に含まれる成分のことであり、代表としてグルコースやアンモニウム塩を例示することができる。
また、細胞浮遊液とは、液を揺らすと細胞またはこの凝集体がけん濁する状態で浮遊する液のことであり、酵母培養液や遺伝子組換え大腸菌の培養液を例示することができる。
pH調整は、変換を行う過程で、細胞浮遊液のpHが上昇または下降することによって物質の変換速度が低下するのを回避する為にpHを所定の範囲に保つために、pHが上昇した場合はpHが低下する作用を有する液を、pHが下降した場合はpHが上昇する作用を有する液を必要量供給する操作のことである。具体的には、pHセンサー、コントローラー、ポンプ、pH調整液等を用いて自動的に行う方法を例示できる。
特に、有機酸発酵等の物質の変換において細胞浮遊液のpHが下降する場合に、pH調整液としてアルカリ溶液を添加する場合に、本発明はより好適に用いることができる。これは、発酵生産において一般にみられる汚れはアルカリ溶液で除去できるものが多く、特にタンパク質などの有機性物質は高いpHによって徐々に加水分解され溶解性となるためである。ここで、アルカリ溶液はpHが上昇する作用を有する液のことであり、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などが挙げられる。
膜の素材としては、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、硝酸セルロース、再生セルロース、ポリアクリルニトリル、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエステルなどの有機系素材やセラミックなど無機系素材が挙げられるが、この中から、運転開始時の滅菌や殺菌条件、温度、pHなどの培養条件、pH調整液として使用する薬液のpHの特性を考慮し、運転に際し、物理的強度、耐熱性、化学的耐久性の条件を満足するものを適宜選定し、使用すればよい。
膜の形状は限定されるものではなく、中空糸膜、平膜、管状膜など、適宜用いればよい。
細胞浮遊液を膜でろ過する方式も限定されるものではなく、細胞浮遊液をバイオリアクター外部に循環しその液に対して膜ろ過を施した後の非透過液をバイオリアクターに戻し透過水を生産水として得てもよいし、バイオリアクターの液面下に膜を浸漬配置して直接細胞浮遊液の膜ろ過を行い透過水を生産水として得てもよい。
バイオリアクターの液量管理の方法も特に限定されるものではなく、電極式や圧力式のレベルセンサーを用いた液面レベルの値や培地や透過液などのタンク液量を天秤で計測した値を元に、コントローラーによって、培地の供給や膜ろ過ユニットでのろ過、細胞浮遊液引き抜きの一つ以上を制御して実施する方法を挙げられる。
pH調整液の供給は、その全量を膜ユニットを通して行ってもよいし、一部を膜ユニット以外の別流路からおこなってもよい。特に膜ユニット素材の耐pH性と洗浄に効果的なpHを考慮して、適切なpHのpH調整液を膜ユニットを通して供給し、残りのpH調整液を別流路から供給することが好ましい。
メンブレンバイオリアクターの下流プロセスに供給される透過水である生産水へのpH調整液混入を最小限にとどめるため、pH調整液供給手段として使用した膜ユニットを細胞分離用に使用する前に、一定量の透過水や滅菌水を透過液側から通液してラインや膜孔をリンスしてもよい。また、pH調整液と透過液との混入による不溶物の生成を膜の細孔内あるいは透過液側ラインにおいて回避する必要がある場合、細胞分離用に使用した膜ユニットをpH調整液供給手段として使用する前に、滅菌水を透過液側から通液してラインや膜孔をリンスするか、無菌ガスでライン膜孔をブローするなど行う必要がある。
膜ユニット全体を一定期間ろ過に使用し、一定期間をpH調整液供給用に使用しても良いが、複数の膜ユニットを設け、少なくとも一つの膜ユニットを用いてろ過し、同時に少なくとも一つの膜ユニットの透過液側からpH調整液をバイオリアクターに供給する方が運転安定性の観点から好ましい。後者の場合、膜ユニット全体を何分割するかは2分割以上であれば特に限定されるものではないが、ろ過稼働中の膜の負担を軽減するために、分割数はある程度多くして、その中の半分以下の膜ユニットをpH調整液供給部として使用することが好ましい。pH調整液供給部として使用する膜ユニットを順次代える操作は、煩雑になったりpH調整液の生産水への混入が多くなりすぎない範囲で頻繁な方が好ましい。一方で、膜ユニット全体の分割数は無制限に多いと制御が煩雑になるため、24サイクル以下が好ましい。
各膜ユニットが、pH調整液供給用に稼働する頻度は、膜ユニット全体としての性能安定維持の観点から、なるべく平等にする方が好ましい。pH調整液供給用に使用する時間や、次にpH調整液供給用に使用するまでの間隔は、細胞浮遊液の性質や運転条件により異なるため、最適な条件は、小スケールの実験あるいは経験的に決定すればよい。例えば、10個の膜ユニットのうち1個の膜ユニットをpH調整液供給手段として、残りを細胞浮遊液のろ過手段として用い、pH調整液供給手段として使用する膜ユニットをpH調整液供給に使用する時間を12時間とし、pH調整液供給用に使用する膜ユニットを順次代えた場合、1ユニットあたり週に1.4回の頻度でpH調整液供給用に使用され、適度な化学洗浄が施せる。
バイオリアクター、pHセンサー、撹拌装置、ポンプなどは特に限定される物でなく、通常の発酵生産に使用可能なものから、物理的強度、化学的強度、無菌性等の条件を満たすものを適宜、選択し、用いればよい。
トルロプシス・グラブラータNL2a株を用いてグルコースを原料にピルビン酸の好気的連続発酵を行った。pH調整液としては、6規定のNaOH溶液を使用し、pHを約5.5に、温度を30℃に維持した。培地およびpH調整液によって供給される液の合計量の8割は膜ユニットを介してポンプで、残りは膜ユニットを介さないでポンプにより系外に排出した。膜ユニットは孔径0.45μmのポリプロピレン製の平膜ユニットを使用し、ポンプによる吸引により細胞浮遊液をろ過した。また、透過液側のポンプに至る間のチューブを分岐してマノメーターをつくり、膜間差圧の変化を記録した。酵母の乾燥菌体濃度は遠心分離法により測定し、菌体ペレットは105℃で6時間以上乾燥させた後、秤量した。
その結果、運転5日経過し、乾燥菌体濃度が約30g/Lとなった時点で、膜間差圧(絶対値)の運転開始時からの変化が5kPa以上に急上昇し、膜が詰まった。
そこで、次に同様の装置を2系列運転し、片方(系列1)は1日1回2時間、チューブを手でつなぎ換え、NaOH液を膜の透過液側から膜を通してバイオリアクターに供給した。NaOH液供給はpHコントローラーの指示により作動するポンプを用いて断続的に実施した。この間、酵母浮遊液抜き出しポンプの流量を調節することによりバイオリアクター内の液量を一定に保った。もう片方の系(系列2)は、1日1回2時間、透過液を用いて膜を逆洗した。透過液の供給は、2又のコンセントを用いて、上記NaOH液供給ポンプが作動するとき、同時に同じ流量(ポンプダイアル設定上)供給した。この間、酵母浮遊液抜き出しポンプの流量を調節することによりバイオリアクター内の液量を一定に保った。
その結果、系列2は約5日経過時点で膜間差圧(絶対値)の運転開始時からの変化が5kPa以上に急上昇し、その後、膜が詰まり運転継続困難となった。一方、系列1は約17日間、膜間差圧(絶対値)の運転開始時からの変化は2kPaを超えることなく推移し、安定運転可能であった。
本発明における装置の一例
符号の説明
1:バイオリアクター
2A:膜ユニット
2B:膜ユニット
3:酸素含有ガス供給ライン
4:原液供給ライン
5:撹拌装置
6:pHセンサー
7:レベルセンサー
8:透過液回収ライン
9:膜ろ過用ポンプ
10:流路切り替え用のバルブ
11:流路切り替え用のバルブ
12:pH調整液貯槽
13:pH調整液供給ポンプ
14:原液
15:pH調整液供給ライン
16:透過液
17:タイマー

Claims (4)

  1. 変換させる物質を含んだ原液をバイオリアクターに導入し、pH調整を行いながら細胞浮遊液を用いて該物質を変換し、膜ユニットを用いてろ過し、非透過液をバイオリアクターに保持しつつ変換された物質を含んだ透過液を取り出す、メンブレンバイオリアクターの運転方法において、メンブレンバイオリアクターが複数の膜ユニットを有し、少なくとも一つの膜ユニットを用いてろ過し、同時に少なくとも一つの膜ユニットの透過液側からpH調整液を該バイオリアクターに供給する操作を行い、pH調整液をバイオリアクターに供給する膜ユニットを順次代えることを特徴とするメンブレンバイオリアクターの運転方法。
  2. pH調整液がアルカリ溶液である請求項1記載のメンブレンバイオリアクターの運転方法。
  3. 該変換された物質が有機酸である請求項1または2に記載のメンブレンバイオリアクターの運転方法。
  4. バイオリアクター部、変換させる物質を含んだ原液導入部、pH調整液供給部、膜ユニット部、透過液回収部を有したメンブレンバイオリアクター装置であって、メンブレンバイオリアクター装置が複数の膜ユニットを有し、少なくとも一つの膜ユニットを用いてろ過し、同時に少なくとも一つの膜ユニットの透過液側からpH調整液をバイオリアクター部に供給する手段を具備することを特徴とするメンブレンバイオリアクター装置。
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