JP4871538B2 - 包装用容器 - Google Patents
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Description
また、スーパー等では、客の多い時間帯には、商品を収容した包装用容器が2段、3段と積み上げられて陳列され、販売されることが通常行われている。商品が収容された包装用容器が積み上げられ、多数整列すると見栄えも良く、前述した前後に方向性のある包装用容器の場合は、中身の視認性が良いため、さらに商品の購買意欲を誘うことになる。
そこで、商品を収容した包装用容器を積み上げたとき、積み上げた包装用容器が前後および左右にずれないように工夫された包装用容器が望まれる。
この発明の他の目的は、収容された商品を視認し易い前方面を有する包装用容器において、上下に積み重ねた際に、前方面の視認性を損なうことなく、かつ、包装用容器が前後および左右にずれない構造の包装用容器を提供することである。
そこでこの発明では、凹部内に、より具体的には凹部の底面に、左右対称に、後方に向かって両側へ広がるように、左は左方へ、右は右方へ、斜めに延びる凸条を形成した。また、本体の後脚下面に、凹部の凸条と係合する凹溝を形成した。凹部の凸条と後脚の凹溝とが係合すると、凸条が斜めに延びていることから、凹部内で後脚が後方へずれることが阻止される。
しかもこの発明では、蓋には、前方から後方に向かって斜め上方へ凸湾曲した、収容物(商品)を視認し易い面が形成されている。この発明では、この湾曲面の視認性を損なうことなく、包装用容器が積み上げられた際の、容器間のずれ、特に上の容器が後方へずれることを防止することができる。
[先行例1]
図1および図2は、先行例1に係る包装用容器の斜視図および積み上げ状態を示す右側面図である。先行例1に係る包装用容器1は、本体2および蓋3を有する。本体2の底面11前方には、左右方向に延びる前脚4が形成され、底面11後方には、左右に、後脚5a,5bが形成されている。前脚4および後脚5a,5bは、いずれも、本体2の底面11が、下方に膨出されて形成されている。
が下の容器1に対して前方および左右両側方へずれようとしたときには、凹部9a,9bと後脚5a,5bとが係合していることによりそのずれが阻止される。また、後方へずれようとしたときにはコーナー8と前脚4とが係合していることによりそのずれが阻止される。
[先行例2]
図3および図4は、先行例2を示す斜視図および積み上げられた状態の右側面図である。先行例2では、包装用容器1の蓋3において、前面7と上面6との境界にコーナーが存在せず、前面7から上面6に向かって、斜め上方に凸湾曲した湾曲面10が形成されている。その他の構成は、先行例1と同様である。
ところが、湾曲面10には、先行例1のコーナー8のように、前脚4が係合する部分がない。このため、上の容器が後方へずれようとしたとき、湾曲面10に前脚4が引っ掛からず、上の容器が後方へずれるのを阻止することができない。
[先行例3]
図5は、先行例3の斜視図である。図5に示す先行例3は、図3および4に示す先行例2と比較すると、凹部9a,9bの形状が異なっている。すなわち、凹部9a,9bは、その右左側壁92,93が後方に向かって互いに離れる方向に斜めに延びている。よって、凹部9a,9bは、前方内側が鋭角に形成されている。それゆえ、容器を積み上げたとき、上の容器が後方にずれようとした場合、斜めの側壁92,93が上の容器が後方にずれるのを阻止する役割をする。
この発明は、以上のような先行例の欠点を克服するために創作されたものであり、具体的な実施形態は、次の通りである。
[実施形態1]
図6は、この発明の第1実施形態に係る包装用容器20の斜視図である。包装用容器20は、本体21および蓋22を有する。
蓋22は、その前面側に、凸湾曲面27が形成されている。すなわち、蓋22は、左右方向に延びる前縁28から後方に向かって斜め上方へ立ち上がった前面29と、前面29
と滑らかにつながった凸湾曲面27と、凸湾曲面27の後方につながり水平に延びる上面30とが継ぎ目なくつながっている。また、左側面31、右側面32および後面33を有している。
このように、蓋22には、その上面30の後方沿いの左右両角部に、それぞれ、後方および左方または右方が開放された凹部34a,34bが形成されている。そして、凹部34a,34bの底面35には、それぞれ、凹部の深さに収まる高さで、幅2〜6mmの凸条38a,38bが形成されている。凸条38a,38bは、後方に向かって内側から外側に広がるように、前後方向に対して片側45°±10°の角度で延びる凸条となっており、左右対称に形成されている。
よって、包装用容器20を積み上げた際、上の容器の後脚25a,25bが下方の容器の凹部34a,34bと係合し、その際、凸条38a,38bと凹溝44a,44bとが係合する。従って、凸条38a,38bと凹溝44a,44bとの係合は、上の容器が後方へずれるのを阻止する。また、前壁36および左右側壁41,37は、上の容器が前方および左右へずれるのを阻止する。
[実施形態2]
図7は、この発明の第2実施形態に係る包装用容器50の斜視図である。図7に示す実施形態は、図6に示す実施形態と比べて、凹部34a,34bの形状および後脚25a,25bの形状が異なっている。
また、本体21には、後脚25a,25bが形成されていて、後脚25a,25bの形状は、上述した凹部34a,34bの形状に対応して平面視が三角形状とされ、その底面には、斜めの凹溝44a,44bが形成されている。従って、包装用容器50を積み上げた際に、斜めの側壁52によって前方および左右側方へのずれが防止され、かつ、後方へのずれは、凸条38a,38bと凹溝44a,44bとの嵌合により防止される。
上述の各実施形態では、本体21の底面23は水平な平面として説明したが、底面23は前方から後方に向かって斜め上方に傾斜した傾斜面であってもよい。また、その傾斜面に階段状に段部が付けられ、全体として傾いた底面であってもよい。かかる傾斜底面とし
た場合、凸湾曲面27を通して内容物がさらに視認し易くなるという利点がある。
また、上述の各実施形態では、本体21と蓋22とが別体としたが、本体21と蓋22とが一体になった容器、たとえば本体22の後部上辺と蓋22の後部下辺とがつながった本体と蓋が一体になった容器にも、この発明は適用できる。
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
21 本体
22 蓋
23 底面
25a,25b 後脚
26 開口
27 凸湾曲面
34a,34b 凹部
38a,38b 斜めの凸条(リブ)
44a,44b 凹溝
Claims (2)
- 樹脂シートによって成形された包装用容器であって、上面に開口を有する本体と、この開口を覆う蓋とを備え、前および後ろが予め決められている前後に方向性のある包装用容器において、
前記本体は、上縁に沿って前記開口が設けられており、後方の少なくとも左右両側には、下方へ膨出した後脚が設けられており、
前記蓋は、前方から後方に向かって斜め上方へ凸湾曲した凸湾曲面と、凸湾曲面の後方につながり平らに延びる上面とが継ぎ目なくつながっていて、
上面の後方左右両側角に、後方および左方または右方が開放された凹部であって、当該包装用容器が積み重ねられた際に、上の容器が前方および左右へずれるのを防止するために、前記本体の後脚を受け止めるための凹部が左右対称に形成されており、
前記凹部内には、上の容器が後方へずれるのを防止するために、左右対称に、後方に向かって、両側へ広がるように、左は左方へ、右は右方へ斜めに延びる凸条が形成されており、
前記本体の後脚下面には、前記凸条と係合する凹溝が形成されていることを特徴とする、包装用容器。 - 前記本体は、前から後ろへ向かって斜め上方に傾斜した底面を有することを特徴とする、請求項1記載の包装用容器。
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