JP4871319B2 - 炭素フィルム又は炭素繊維又はメソ孔炭素材料及びその製法 - Google Patents
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(1)以下の工程:
ポリ塩化ビニリデン又は塩化ビニリデン共重合体を一部又は全部用いたフィルム又は繊維を、アルカリ金属水酸化物の水溶液及び/又はアミン溶液と、当該ポリ塩化ビニリデン又は塩化ビニリデン共重合体を一部又は全部を膨潤又は溶解する有機溶媒と、アルコール及び/又はエーテルとの混合溶液を用いて脱塩化水素反応処理する工程;及び
脱塩化水素反応処理して得られたものを熱炭化処理する工程;
を含むことを特徴とする炭素フィルム又は炭素繊維又はメソ孔炭素材料の製造方法。
(2)脱塩化水素反応処理して得られたポリ塩化ビニリデン又は塩化ビニリデン共重合体を一部又は全部用いたフィルム又は繊維を粉砕処理した後に、熱炭化処理することを特徴とする、前記(1)に記載の製造方法。
(3)前記アルカリ金属水酸化物の水溶液として、水酸化カリウム1〜16モル%、前記ポリ塩化ビニリデン又は塩化ビニリデン共重合体を一部又は全部を膨潤又は溶解する有機溶媒として、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン又はテトラメチレンスルホキサイド1〜12モル%、アルコールとして、メチルアルコール、イソプロピルアルコール又はエチルアルコール5〜60モル%、それ以外は水を加えた混合溶液を用いる、前記(1)又は(2)に記載の製造方法。
(4)前記(1)〜(3)に記載の製造方法により得られた炭素フィルム又は炭素繊維又はメソ孔炭素材料。
1.PVDC炭素前駆体フィルム及びメソ孔炭素前駆体繊維の製造方法
PVDC炭素前駆体フィルム及びメソ孔炭素前駆体繊維は、夫々下記のPVDCフィルム及びPVDC繊維をアルカリ処理液を用いて脱塩酸処理することで得られる。
本発明で重要なことは、2つある。その第1は、アルカリ金属水酸化物を含む溶液及び/またはアミン溶液によるPVDCの脱塩酸によって、フィルム及び繊維中に多数のポリエン構造と呼ばれる架橋構造を発生させるために、フィルム原料または繊維原料または基材フィルムへコートする樹脂には、PVDCを一部または全部用いることである。ただし、PVDCラッテクスやPVDCレジン溶液を基材フィルムにコートする場合、基材フィルム及び/またはバインダー自体は後述するアルカリ処理液によって溶解しなければ特に限定はなく、公知の紙、高分子フィルム、金属フィルム等を用いることができる。PVDCとしては、ホモ塩化ビニリデン(ホモPVDC)が最も好ましいが、フィルムの生産及び加工のしやすさ、基材フィルムへのコート時の成膜のしやすさ等の理由から塩化ビニリデン共重合体(VDC共重合体)を用いることもできる。VDC共重合体としては、共重合体中のVDC成分のモル組成比に特に制限はないが、共重合体中のVDCモル含有率が高い程、脱塩酸反応によって生じるポリエン構造が多くなる傾向があり好ましい。
本発明で第2に重要なこと、そして最も特徴的なことは、上記のPVDCフィルムまたはPVDC繊維に以下のアルカリ金属水酸化物を含む溶液及び/またはアミン溶液を用いて1次処理を行うことである。アルカリ金属水酸化物を含む溶液(以下、アルカリ処理液と呼ぶ)とは、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物(アルカリと記す)の水溶液(アルカリ水溶液)と、THF、1、4−ジオキサン、シクロヘキサン、シクロペンタノン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド(DMF)、MEK、エチルアセテート等のVDC共重合体の溶媒(ホモPVDCの膨潤試薬)やヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチレンスルホキサイド、N−アセチルピペリデン、N−メチルピロリドン、N−フォルミルヘキサメチレンイミン、トリメチレンサルファイド、N−n−ブチルピロリドン、イソプロピルスルホキサイド、N−フォルミルピペリヂィン、N−アセチルピロリヂィン、N、N−ジメチルアセトアミド、シクロオクタノン、シクロヘプタノン、n−ブチルスルホキサイド等のホモPVDCの溶媒等のPVDC樹脂を一部または全部を膨潤若しくは溶解する有機溶媒(膨潤有機溶媒と記す)と、必要に応じメタノール(MeOH)、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ドデカノール等のアルコール及び/またはジエチルエーテル等のエーテル(希釈剤と記す)を含む混合溶液のことである。アルカリ金属水酸化物は、PVDC樹脂を脱塩酸するためのもので、KOH、NaOHが好ましい。特に好ましくはKOHが濃度を高められること、コストが低いこと、更に脱塩酸によって生じる塩化亜鉛(KCl)が2次処理時に賦活剤として働くことから良い。アルカリ処理液中のアルカリ濃度は1〜16モル%が好ましく、より好ましくは、5〜15モル%、更に好ましくは10〜15モル%が良い。濃度が低いことは、脱塩酸に時間がかかったり、不十分であったりする。一方、濃度が16モル%を越えると有機溶媒の相分離や塩の析出等により均一なアルカリ処理液が得られにくい。また、膨潤有機溶媒を加えることは、(1)アルカリ水溶液のみでは、特に高VDC組成のPVDC樹脂や高結晶性PVDC樹脂の場合ではアルカリが樹脂内部まで染み込まないため、脱塩酸に時間がかかりすぎたり、PVDC樹脂内部まで十分な脱塩酸処理が進まない場合があるためである。更に(2)膨潤有機溶媒の濃度をPVDC樹脂の組成、結晶性に応じて調整することで、PVDCフィルムまたはPVDC繊維の溶解やシワ・チジレの発生を抑制したり、1次処理または2次処理で発生するミクロ孔及びメソ孔の細孔径及び細孔分布という細孔構造を制御することが容易となる。膨潤有機溶媒としては、THFまたはMEKまたはテトラメチレンスルホキサイド、アルコール(ラテックスの場合)が低温(室温〜100℃以下)でPVDC樹脂を容易に膨潤させることから好ましく、特にTHFがコストが低いことから更に好ましい。アルカリ処理液中の有機膨潤剤の濃度は、1〜12モル%が好ましく、より好ましくは4〜11モル%である。濃度が低いことは、PVDC樹脂を膨潤させることが不十分であり、アルカリによる脱塩酸が不十分となる。一方、濃度が12モル%を越えると有機膨潤剤が相分離しやすくなり、細孔を有する炭素材料が得られにくくなる。アルコール及び/またはエーテルを加えることは、膨潤有機溶媒(ラッテクスの場合)、希釈剤として働き、更に高濃度のアルカリ水溶液と有機膨潤剤との相分離を防ぐ効果がある。加えるアルコール及び/またはエーテルとしては、メタノールが相分離を防ぐ範囲が広いこと(アルカリ濃度を高くできること)、コストが低いことから好ましい。アルカリ処理液中のアルコールの濃度は、混合するアルカリ水溶液及び有機膨潤剤の種類と濃度により、均一溶液とするのに必要な濃度は異なるが、5〜60モル%で良い。濃度が5モル%より低いとアルカリ水溶液と有機膨潤剤が相分離を起こしやすい。一方、濃度が60モル%を越えるとアルカリ濃度が低くなり、PVDC樹脂の脱塩酸が不十分となることがある。本発明のアルカリ処理液とは、アルカリ金属水酸化物の水溶液と、ポリ塩化ビニリデンまたは塩化ビニリデン共重合体を一部または全部を膨潤若しくは溶解する有機溶媒と、必要に応じアルコール及び/またはエーテルを含む均一な混合溶液を指すものであり、相分離や塩の析出が生じた不均一な混合液は本発明に含まれない。
本発明のPVDC炭素前駆体フィルムの製造方法は、上述したPVDCフィルムを上述したアルカリ処理液中に、100℃以下、その混合溶液の沸点以下の温度にて、1分〜2週間、攪拌しながら浸漬処理したり、PVDCフィルムの片側面または両面にアルカリ処理液を塗布し、PVDC樹脂を脱塩酸処理(1次処理)すれば良い。1次処理の反応温度、反応時間を変えることでフィルム中のポリエンの生成量が変わり、ポリエン構造を調整することができる。ただし、反応時間は、1分未満ではPVDC樹脂のアルカリ処理液によるPVDC樹脂の脱塩酸が不十分あり、2週間以上では生産性が低くなる。従って、PVDC炭素前駆体フィルムを得るためには1分〜2週間未満、好ましくは10分〜1週間、より好ましくは15分〜5日間である。メソ孔炭素前駆体を得るには、形態は崩れても良いこと及び1次処理時間が長いほど、2次処理を行った際にミクロ孔は減少し、メソ孔が増大する傾向があることから、メソ孔を多数含む炭素材料を得るためには1日〜2週間未満、好ましくは3日〜10日間、より好ましくは5日〜7日間である。PVDCフィルムの1次処理が終わった後、水または基材フィルムを溶解しない溶液でフィルムを洗浄及び乾燥することで本発明のPVDC炭素前駆体フィルムを得ることができる。乾燥に関しては、公知の乾燥法に従えば良いが、シワの発生を抑制するために枠に固定したり、紙に挟む等の緊張乾燥することが好ましい。また、得られたフィルムには、PVDCフィルムの脱塩酸処理によりフィルム表面に微細な孔が生成されるが、この孔に必要に応じて無機及び有機試薬や金属を蒸着または塗布により付着させ、触媒機能等を発現させることもできる。
メソ孔を有する炭素フィルム又は炭素繊維又はメソ孔炭素材料は、夫々PVDC炭素前駆体フィルム及びメソ炭素前駆体繊維を非酸化雰囲気や酸性雰囲気下、600〜3000℃で熱炭化処理及び/又は粉砕処理を併用して行うことで得られる。
本発明のメソ孔を有する炭素フィルムまたは炭素繊維の製造方法は、夫々1次処理したPVDCフィルムまたはPVDC炭素前駆体繊維を非酸化雰囲気(N2、不活性ガス等)や酸性雰囲気(水蒸気、CO 2 等)下で600〜3000℃、10分〜20時間、加熱炭化処理(2次処理)すれば良い。また、メソ孔炭素材料の製造方法は、得られた炭素フィルムまたはメソ孔炭素繊維を高速回転粉砕機(ハンマーミル、ピンミル、スクリーンミル、スーパーミクロンミル等)、ボールミル(転動ミル、振動ボールミル、遊星ミル等)、攪拌ミル、ジェット粉砕機、せん断ミル、コロイドミル等の公知の粉砕処理を用いて、1〜1000μmに粉砕処理するか、あるいは1次処理を終えたPVDC炭素前駆体フィルムまたはメソ孔炭素前駆体繊維を公知の粉砕処理した後、非酸化雰囲気や酸性雰囲気下で600〜3000℃、10分〜20時間、加熱炭化処理(2次処理)すれば良い。2次処理の加熱炭化処理温度が600〜1400℃、好ましくは700〜1100℃、より好ましくは800〜1000℃の場合は、炭素フィルム表面及びその粉末物の内部に多数の微細なミクロ孔及びメソ孔を有する炭素フィルムまたはメソ孔炭素材料を得ることができる。この細孔を利用し、この細孔に必要に応じて無機及び有機試薬や金属を蒸着または塗布により付着させ、触媒機能、ガスまたは溶液等の分離機能等を発現させることができる。また炭化温度が1500〜3000℃、好ましくは2000〜3000℃、より好ましくは2500〜3000℃の場合は、細孔は減少するが、良好な電気伝導性を示す、黒鉛構造を有する炭素フィルムまたは炭素繊維及びその粉末炭素材料を得ることができる。更にこの黒鉛構造を有する炭素フィルム及び炭素繊維その粉末材料を急冷し、多数のクラックを発生させ、そのクラックを細孔の代わりに用いることも可能である。なお、600〜1400℃で2次処理して得られる炭素フィルム及びその粉末炭素材料を必要に応じて更に賦活処理を行い、ミクロ孔及びメソ孔の細孔径及び細孔分布を調整することできる。賦活方法としては、水蒸気、塩化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素などの賦活ガスを用いて焼成するガス賦活法や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、ホウ酸、リン酸、硫酸、塩酸、塩化亜鉛などの存在下に上述の活性炭原料を賦活するいわゆる薬品賦活法を用いることができる。好ましくはガス賦活法が良く、より好ましくは水蒸気賦活法、二酸化炭素賦活法が良い。薬品賦活法の中では、水酸化カリウム賦活法が好ましい。賦活の温度や時間の条件としては、通常200〜1200℃、10分〜30時間程度、好ましくは400〜1100℃、15分〜25時間程度、より好ましくは600〜1000℃、20分〜20時間程度である。なお、本発明の炭化、賦活方式としては、例えば固定床方式、移動床方式、流動床方式、スラリー方式、ロータリーキルン方式、トンネルキルン等のこれまで知られている活性炭の製造方式が挙げられる。また、上記の方法で得られた炭素フィルムを公知の技術、例えば必要に応じてバインダー用いて積層し、更に高温で焼結及び/または炭化処理及び/または賦活処理を行ない、厚みを調整することができる。
本発明の高バリアフィルム、メソ炭素前駆体繊維、炭素フィルム、炭素繊維、メソ炭素材料のミクロ孔及びメソ孔の測定方法は、多孔質材料の同定法として常用されるCO 2 (ミクロ孔の場合)、N 2 (メソ〜マクロ孔の場合)を用いたガス吸着法による細孔分布測定法を用いる。即ち、本発明の細孔分布測定は、島津製作所株式会社製の定容量式ガス吸着法測定装置ASAP2010を用い、対象試料の前処理として250℃、15時間脱ガス処理(炭素前駆体の場合は150℃、15時間)を行った後、吸着ガスとしてCO 2 またはN 2 を、吸着測定温度はミクロ孔測定の場合、ドライアイスとメタノールの混合溶液温度−78℃で相対圧約3.5×10−5〜約0.3までの等温吸着測定を、またメソ孔〜マクロ孔測定の場合、液体N 2 温度で相対圧約0.18〜0.99までの等温吸着測定を実施した。メディアン細孔径及びピーク微分細孔容積の値は、ミクロ孔の場合、装置付属のSaito−Foleyの円筒状細孔モデルを用いた解析ソフトにて5〜20Åの範囲のマイクロ孔の細孔分布を算出し、メソ孔〜マクロ孔の場合、同装置のBJH解析法にて約20〜1450Åの範囲のメソ孔〜マクロ孔の細孔分布を算出した。ピーク微分細孔容積とは上記解析ソフトにて導出されるマイクロ孔及びメソ孔〜マクロ孔の細孔分布のピークまたはショルダー中心値の細孔容量値のことを指す。また、ミクロ孔の細孔分布におけるメディアン細孔径とは、上記ミクロ孔の解析ソフトにて導出される値であり、細孔分布におけるピークに対応する細孔径ではない。一方、メソ孔〜マクロ孔の細孔分布におけるピーク径とは、横軸を対数表示したその細孔分布に現れるピークやショルダー状のピーク系及びショルダーの中心値を意味する。
[実施例1]
本発明の原料のPVDCフィルムに、旭化成株式会社製サランラップを用い、アルカリ処理液1としてKOH12モル%、THF9モル%、MeOH42モル%、水37モル%の混合液、アルカリ処理液2としてKOH9モル%、THF3モル%、MeOH61モル%、水27モル%の混合液を用いた。1次処理は、PVDC樹脂フィルムを金属枠にて固定した状態で30℃の各処理液に8時間浸漬した後、水洗及び室温にて乾燥した後80℃にて真空乾燥した。続いて1次処理したサランラップを電気マッフル炉を用いて、窒素雰囲気下(窒素流量500cc/分)、昇温速度10℃/分で900℃まで昇温し、900℃で2時間保温し炭化し、その後自然放冷して炭素フィルムを得ることができた。
PVDCフィルムとして、旭化成株式会社製UBフィルム15μを用い、30℃のアルカリ処理液1を用いて1分間及び5分間の1次処理を行った。未処理のUBフィルムの酸素透過度は1.2cc/(m 2 ・atm・24hr)であった。続いて1次処理したUBフィルムを電気マッフル炉を用いて、窒素雰囲気下(窒素流量500cc/分)、昇温速度10℃/分で900℃まで昇温し、900℃で2時間保温し炭化し、その後自然放冷して炭素フィルムを得ることができた。
実施例1において、1次処理時間のみを7日間行って得たサランラップの1次処理した小片の集まりを管状電気炉を用いて、窒素雰囲気下(窒素流量500cc/分)、昇温速度10℃/分で900℃まで昇温し、900℃で4時間保時炭化し、その後自然放冷して炭素フィルムの小片の集まり(メソ孔炭素材料)を得た。得られた炭素フィルムの小片の集まり(メソ孔炭素材料)には、ミクロ孔及びメソ孔が存在し、ミクロ孔に関してBET比表面積790m2/g、ピーク微分細孔容積0.0745cc/g、メディアン細孔径7.77Å、メソ孔〜マクロ孔に関して比表面積12m2/g、ピーク微分細孔容積0.035cc/g、ピーク細孔径122Åであった。
実施例2において、1次処理時間のみを7日間行って得たUBフィルムの小片の集まりを管状電気炉を用いて、窒素雰囲気下(窒素流量500cc/分)、昇温速度10℃/分で900℃まで昇温し、900℃で4時間保時炭化し、その後自然放冷して炭素フィルムの小片の集まり(メソ孔炭素材料)を得た。得られた炭素フィルムの集まりを更にボールミルにて粉砕処理しメソ炭素材料を得た。得られたメソ炭素材料には、ミクロ孔及びメソ孔が存在し、ミクロ孔に関してBET比表面積480m2/g、ピーク微分細孔容積0.0411cc/g、メディアン細孔径8.19Å、メソ孔〜マクロ孔に関して比表面積166m2/g、ピーク微分細孔容積0.33cc/g、ピーク細孔径64Åであった。
Claims (4)
- 以下の工程:
ポリ塩化ビニリデン又は塩化ビニリデン共重合体を一部又は全部用いたフィルム又は繊維を、アルカリ金属水酸化物の水溶液と、当該ポリ塩化ビニリデン又は塩化ビニリデン共重合体を一部又は全部を膨潤又は溶解する有機溶媒と、アルコール及び/又はエーテルとの混合溶液を用いて脱塩化水素反応処理する工程;及び
脱塩化水素反応処理して得られたものを熱炭化処理する工程;
を含むことを特徴とする炭素フィルム又は炭素繊維又はメソ孔炭素材料の製造方法。 - 脱塩化水素反応処理して得られたポリ塩化ビニリデン又は塩化ビニリデン共重合体を一部又は全部用いたフィルム又は繊維を粉砕処理した後に、熱炭化処理することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
- 前記混合溶液として、水酸化カリウム1〜16モル%、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン又はテトラメチレンスルホキサイド1〜12モル%、メチルアルコール、イソプロピルアルコール又はエチルアルコール5〜60モル%、それ以外は水を加えた混合溶液を用いる、請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法により得られた炭素フィルム又は炭素繊維又はメソ孔炭素材料。
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