JP4867069B2 - 接着剤組成物、それを用いた回路端子の接続方法及び回路端子の接続構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着剤組成物、それを用いた回路端子の接続方法及び回路端子の接続構造に関する。特に、OUTER-LEAD-BONDING実装(以降OLB実装と呼ぶ)またはCHIP-ON-GLASS実装(以下COG実装と呼ぶ)における回路端子の接続方法及び回路端子の接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示用ガラスパネルへの液晶駆動用ICの実装は、液晶駆動用ICの実装されたフレキシブルテープとガラスパネルとを回路接続部材で接合するOLB実装方法や、液晶駆動用ICを直接ガラスパネル上に回路接続部材で接合するCOG実装方法が用いられる。接合には、フレキシブルテープあるいはIC側から高温のヒートツールで加熱圧着する方法が用いられる。この時、接合部分に温度勾配が生じ、フレキシブルテープあるいはICとガラスの熱収縮量の差によって、OLB実装の場合フレキシブルテープとガラスの電極間で位置ずれが生じたり、あるいはCOG実装の場合、パネルの反り変形が生じ表示にムラが出るといった問題がある。そこで、これらの問題を解決するため、接合時に光を照射し回路接続部材を加熱することで熱によるOLB実装及びCOG実装における接合品質の低下を防ぐ方法が開発されている(例えば特開平3−070869号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記接続部材は着色した粒子を用いることから、照射した光の熱エネルギーへの変換が不十分で、安定した接続抵抗値を得るのに十分ではなく、また着色した粒子は絶縁性であるため、粒子の充填量を増やすと回路接続部分の電気抵抗値が上昇し、接続信頼性が低下するという問題があった。
本発明は、OLB実装やCOG実装に対して低抵抗の電気接続が得られ、かつフレキシブルテープの位置ずれやパネルのそり変形のない電気・電子用の接着剤組成物、それを用いた回路端子の接続方法及び回路端子の接続構造を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の接着剤組成物は、相対向する回路電極間に介在され、相対向する回路電極を加圧とともに光を照射し、加圧方向の電極間を電気的に接続する接着剤組成物であって、(1)エポキシ樹脂、(2)潜在性硬化剤、(3)フィルム形成材、(4)色素を必須成分として含有する接着剤組成物である。
色素の極大吸収波長は、300nm〜2000nmであると好ましく、600nm〜1600nmがより好ましい。色素の極大吸収波長が、300nm未満の場合、照射した光はガラスパネルに吸収される割合が多く、また2000nmを超えて大きい場合、その波長の光が光源に含まれる割合が低いため、回路接続材を十分に加熱することが出来ず、接続部分の電気抵抗値が上昇してしまうので好ましくない。
本発明に用いられる光源は、可視光から近赤外光を含むものであるならば特に制限はなく、ハロゲンランプやキセノンランプ、半導体レーザ等を用いることができる。
本発明は、(1)エポキシ樹脂、(2)潜在性硬化剤、(3)フィルム形成材、(4)色素に、さらに、導電性粒子を含有すると好ましい接着剤組成物である。導電性粒子として、表面が、金、銀、白金属の金属から選ばれる少なくとも一種で構成されるものを使用することが好ましい。
本発明の回路端子の接続方法は、第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に上記の接着剤組成物を介在させ、光源から照射される光を透過する透明な受け台と加圧ヘッドで挟み、加圧とともに光を照射して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させるものである。このとき、加圧用ヘッドを加熱してもよい。
接続端子の少なくとも一方の表面が金、銀、錫白金族の金属、インジュウム−錫酸化物(ITO)から選ばれる少なくとも一種で構成させることができる。
回路端子を支持する少なくとも一方の基板はガラスで構成させることができる。
少なくとも一方の回路部材表面が窒化シリコン、シリコーン化合物、ポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも一種でコーティングもしくは付着していることができる。
本発明の回路端子の接続構造は、上記した第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とが、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置されており、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に上記の接着剤組成物が介在されており、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子が電気的に接続されているものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する(1)エポキシ樹脂としては、エピクロルヒドリンとビスフェノールAやF、AD等から誘導されるビスフェノール型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンとフェノールノボラックやクレゾールノボラックから誘導されるエポキシノボラック樹脂やナフタレン環を含んだ骨格を有するナフタレン系エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエーテル、ビフェニル、脂環式等の1分子内に2個以上のグリシジル基を有する各種のエポキシ化合物等を単独にあるいは2種以上を混合して用いることが可能である。これらのエポキシ樹脂は、不純物イオン(Na+、CI-等)や、加水分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度品を用いることがエレクトロンマイグレーション防止のために好ましい。
【0006】
本発明で使用する(2)潜在性硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ポリアミンの塩、ジシアンジアミド等が挙げられる。これらは、単独または混合して使用することができ、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いてもよい。また、これらの硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長されるために好ましい。
【0007】
本発明で使用する(3)フィルム形成材としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。フィルム形成材とは、液状物を固形化し、構成組成物をフィルム形状とした場合に、そのフィルムの取扱いが容易で、容易に裂けたり、割れたり、べたついたりしない機械特性等を付与するものであり、通常の状態でフィルムとしての取扱いができるものである。
フィルム形成材の中でも接着性、相溶性、耐熱性、機械強度に優れることからフェノキシ樹脂が好ましい。
フェノキシ樹脂は2官能フェノール類とエピハロヒドリンを高分子量まで反応させるか、又は2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール類を重付加させることにより得られる樹脂である。具体的には、2官能フェノール類1モルとエピハロヒドリン0.985〜1.015とをアルカリ金属水酸化物の存在下において非反応性溶媒中で40〜120℃の温度で反応させることにより得ることができる。
また、樹脂の機械的特性や熱的特性の点からは、特に2官能性エポキシ樹脂と2官能性フェノール類の配合当量比をエポキシ基/フェノール性水酸基=1/0.9〜1/1.1としアルカリ金属化合物、有機リン系化合物、環状アミン系化合物等の触媒の存在下で沸点が120℃以上のアミド系、エーテル系、ケトン系、ラクトン系、アルコール系等の有機溶剤中で反応固形分が50重量%以下で、50〜200℃に加熱して重付加反応させて得たものが好ましい。2官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などが挙げられる。2官能フェノール類は2個のフェノール性水酸基を持つもので、例えば、ハイドロキノン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS等のビスフェノール類などが挙げられる。フェノキシ樹脂はラジカル重合性の官能基により変性されていてもよい。フェノキシ樹脂は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0008】
本発明の接着剤組成物には、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルまたはアクリロニトリルのうち少なくとも一つをモノマー成分とした重合体又は共重合体を使用することができ、グリシジルエーテル基を含有するグリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートを含む共重合体系アクリルゴムを併用した場合、応力緩和に優れるので好ましい。これらアクリルゴムの分子量(重量平均)は接着剤の凝集力を高める点から20万以上が好ましい。
【0009】
本発明で使用する(4)色素としては、シアニン色素、メロシアニン色素、ローダシアニン色素、オキソノール色素、スチリル色素、ベーススチリル色素、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素等が挙げられ、これらは単独または併用して用いることができる。
【0010】
本発明の接着剤組成物には、さらに、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤及びフェノール樹脂やメラミン樹脂、イソシアネート類等を含有することもできる。
充填剤を含有した場合、接続信頼性等の向上が得られるので好ましい。充填剤の最大径が導電性粒子の粒径未満であれば使用でき、5〜60体積部(接着剤樹脂成分100体積部に対して)の範囲が好ましい。60体積部を超えると信頼性向上の効果が飽和することがあり、5体積部未満では添加の効果が少ない。
カップリング剤としてはケチミン、ビニル基、アクリル基、アミノ基、エポキシ基及びイソシアネート基含有物が、接着性の向上の点から好ましい。具体的には、アミノ基を有するシランカップリング剤として、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。ケチミンを有するシランカップリング剤として、上記のアミノ基を有するシランカップリング剤に、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン化合物を反応させて得られたものが挙げられる。
【0011】
本発明の接着剤組成物は導電性粒子が無くても、接続時に相対向する回路電極の直接接触により接続が得られるが、導電性粒子を含有した場合、より安定した接続が得られる。
導電性粒子としては、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子やカーボン等があり、十分なポットライフを得るためには、表層はNi、Cu等の遷移金属類ではなくAu、Ag、白金属の貴金属類が好ましくAuがより好ましい。また、Ni等の遷移金属類の表面をAu等の貴金属類で被覆したものでもよい。また、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等に前記した導通層を被覆等により形成し最外層を貴金属類とした場合や熱溶融金属粒子の場合、加熱加圧により変形性を有するので接続時に電極との接触面積が増加し信頼性が向上するので好ましい。貴金属類の被覆層の厚みは良好な抵抗を得るためには、100オングストローム以上が好ましい。しかし、Ni等の遷移金属の上に貴金属類の層をもうける湯合では、貴金属類層の欠損や導電粒子の混合分散時に生じる貴金属類層の欠損等により生じる酸化還元作用で遊離ラジカルが発生し保存性低下を引き起こすため、300オングストローム以上が好ましい。そして、厚くなるとそれらの効果が緩和してくるので最大1μmにするのが望ましいが制限するものではない。導電性粒子は、接着剤樹脂成分100体積部に対して0.1〜30体積部の範囲で用途により使い分ける。過剰な導電性粒子による隣接回路の短絡等を防止するためには0.1〜10体積部とするのがより好ましい。
本発明の接着剤組成物をフィルムに成形し、接着剤組成物を2層以上に分割し、エポキシ樹脂を含有する層と導電性粒子を含有する層に分割した場合、ポットライフの向上が得られる。
本発明の接着剤組成物は、OLB実装やCOG実装における、フレキシブルテープやICチップとガラス基板との接着用のフィルム状接着剤として使用することもできる。すなわち、第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に本発明の接着剤組成物(フィルム状接着剤)を介在させ、加圧時に光を照射して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させることができる。
これらの回路部材には接続端子が通常は多数(場合によっては単数でもよい)設けられており、前記回路部材の少なくとも1組をそれらの回路部材に設けられた接続端子の少なくとも一部を対向配置し、対向配置した接続端子間に本発明の接着剤を介在させ、加圧時に光を照射して対向配置した接続端子同士を電気的に接続して回路板とする。回路部材の少なくとも1組を加圧ならびに光照射することにより、対向配置した接続端子同士は、直接接触により又は接着剤組成物中の導電性粒子を介して電気的に接続することができる。
本発明の回路端子の接続方法は、本発明の接着剤組成物を、接続端子の表面が、金、銀、錫、白金族の金属、インジュウム−錫酸化物(ITO)から選ばれる少なくとも一種から構成される接続端子(電極回路)に形成した後、もう一方の接続端子(回路電極)を位置合わせし加圧および光を照射して接続することができる。このとき、加圧用ヘッドを加熱して接続しても良い。
本発明においては、フレキシブルテープがポリイミド樹脂等の有機絶縁物質、ガラス基板の表面が窒化シリコン、シリコーン化合物、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂から選ばれる少なくとも一種でコーティングもしくは付着した回路部材に対して特に良好な接着強度が得られる電気・電子用の接着剤組成物の提供が可能となる。
【0012】
【実施例】
(実施例1)
(3)フィルム形成材として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールAから常法によりガラス転移温度が80℃のフェノキシ樹脂を合成した。この樹脂50gを、重量比でトルエン(沸点110.6℃)/酢酸エチル(沸点77.1℃)=50/50の混合溶剤に溶解して、固形分40重量%の溶液とした。
固形重量比でフェノキシ樹脂35g、(2)潜在性硬化剤として、マイクロカプセル型潜在性硬化剤(HX3941HP;旭化成工業株式会社製商品名)を含有する液状エポキシ(エポキシ当量185)65g、(4)色素として、2−[7−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)−1,3,5−へプタトリエニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウム アイオダイド(極大吸収波長741nm)を1gとなるように配合し、導電性粒子(ポリスチレンを核とする粒子の表面に厚み0.2μmのニッケル層、その外側に厚み0.04μmの金層を設けた平均粒径5μm粒子)を5体積%配合分散させ、厚み80μmの片面を表面処理したPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、10分の熱風乾燥により、接着剤層の厚みが20μmのフィルム状接着剤組成物を得た。
【0013】
(実施例2)
(4)色素に8−[5−(6,7−ジヒドロ−6−メチル−2,4−ジフェニル−5H−1−ペンゾビラン−8−イル)−2,4−ペンタジエニリデン]−5,6,7,8−テトラヒドロ−6−メチル−2,4−ジフェニル−1−ベンゾピリウムパークロレート(最大吸収波長1060 nm)を用いたほかは実施例1と同様にしてフィルム状接着剤組成物を得た。
【0014】
(実施例3)
(4)色素に3−エチル−5−[3−エチル−5−[2−(3−エチル−4(1H)−キノリニリデン)エチリデン]−4−オクソ−2−チアゾリジニリデン]−2−チオクソ−4−チアゾリジノン(最大吸収波長664nm)を用いたほかは実施例1と同様にしてフィルム状接着剤組成物を得た。
【0015】
(実施例4)
(4)色素に2−[[3−アリル−5−[2−(1−エチル−4(1H)−キノリニリデン)エチリデン]−4−オクソ−2−チアゾリジニリデン]メチル]−3−エチル−4,5−ジフェニルチアゾリウムブロマイド(最大吸収波長668nm)を用いたほかは実施例1と同様にしてフィルム状接着剤組成物を得た。
【0016】
(実施例5)
(4)色素に8−[5−(6,7−ジヒドロ−2,4−ジフェニル−5H−1−ベンゾピラン−8−イル)−2,4−ペンタジエニリデン]−5,6,7,8−テトラヒドロ−2,4−ジフェニル−1−ペンゾピリウム パークロレート(最大吸収波長1060nm)を用いたほかは実施例1と同様にしてフィルム状接着剤組成物を得た。
【0017】
(実施例6)
(4)色素にビス[4−(ジメチルアミノ)ジチオベンジル]ニッケル(最大吸収波長1068nm)を用いたほかは実施例1と同様にしてフィルム状接着剤組成物を得た。
【0018】
(実施例7)
(4)色素に3−エチル−2−[[3−[3−[3−[(3−エチルナフソ[2,1−d]チアゾル−2(3H)−イリデン)メチル]−5,5−ジメチル−2−シクロへキセン−1−イリデン]−1−プロペニル]−5,5−ジメチル−2−シクロへキセン−1−イリデン]メチル]ナフソ[2,1−d]チアゾリウム パークロレート(最大吸収波長1010nm)を用いたほかは実施例1と同様にしてフィルム状接着剤組成物を得た。
【0019】
(比較例1)
(4)色素を使用しないほかは実施例1と同様にしてフィルム状接着剤組成物を得た。
【0020】
(回路の接続)
バンプ面積50μm×50μm、ピッチ100μm、高さ20μmの金バンプを配置したICチップ(表面が窒化シリコンでコーティング)と厚み1.1mmのガラス上にインジュウム−錫酸化物(ITO)を蒸着により形成したITO基板(表面抵抗<20Ω/□)とを、上記フィルム状接着剤組成物を用い、石英ガラスと加圧ヘッドで挟み、80℃、100MPa(バンプ面積換算)で10秒間加熱加圧と同時に石英ガラス側からキセノンランプを照射して接続した。このとき、フィルム状接着剤組成物はあらかじめITO基板上に、接着剤組成物の接着面を70℃、0.5MPa(バンプ面積換算)で5秒間加熱加圧して貼り付け、その後、PETフィルムを剥離してICチップと接続した。
【0021】
(接続抵抗の測定)
回路の接続後、上記接続部の電気抵抗値を、初期と、−40℃、30分と100℃、30分の温度サイクル槽中に500サイクル保持した後に2端子測定法を用いマルチメータで測定した。
(パネルそり変形)
表面粗さ計を用いガラス面側を25mmにわたり測定した。1μm以内をそり変形なしとした。
その測定結果を表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】
本発明の実施例1〜7は、接続時に80℃という低温で接続するにもかかわらず、接続抵抗が低く良好である。また、接続信頼性を評価する温度サイクル試験後の接続抵抗値も低く良好である。そして、低温で接続しているためパネルのそり変形がなく良好である。これに対し、色素を使用しない、比較例1は硬化が十分でなく、初期値や温度サイクル後の接続抵抗が大きく、また、パネルそり変形は、硬化が不十分なため「なし」であるが、硬化させると大きく変形した。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、OLB実装やCOG実装において低い接続抵抗を示す電気接続が得られ、また、パネルの反り変形のない電気・電子用の接着剤組成物の提供が可能となる。
Claims (7)
- 相対向する回路電極間に介在され、相対向する回路電極を加圧とともに光を照射し、加圧方向の電極間を電気的に接続する接着剤組成物であって、
(1)エポキシ樹脂、(2)潜在性硬化剤、(3)フィルム形成材、(4)色素を必須成分として含有する接着剤組成物であり、
前記フィルム形成材が、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
前記色素が、シアニン色素、メロシアニン色素、ローダシアニン色素、オキソノール色素、スチリル色素、ベーススチリル色素、フタロシアニン色素及びナフタロシアニン色素からなる群より選ばれる少なくとも1種である、接着剤組成物。 - 前記色素の極大吸収波長が、300nm〜2000nmである請求項1に記載の接着剤組成物。
- 導電性粒子をさらに含有する請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
- 第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物を介在させ、加圧とともに前記接着剤組成物に光を照射して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させる回路端子の接続方法。
- 第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物を介在させ、加圧とともに前記接着剤組成物に光を照射しさらに、加圧用ヘッドを加熱して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させる回路端子の接続方法。
- 少なくとも一方の接続端子を支持する基板がガラスで構成される請求項4又は5に記載の回路端子の接続方法。
- 請求項4〜6のいずれか一項に記載の回路端子の接続方法で得られる回路端子の接続構造。
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