JP4866717B2 - 銅合金 - Google Patents
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Description
微小空隙(ミクロポロシティ)の発生を助長し、耐圧性を下げる要因となってしまった。さらに、マグネシウムは酸化マグネシウムのような酸化物を形成しやすく、材料中に酸化マグネシウムが分散して、伸びを低下させ、湯流れ性を著しく阻害してしまうなどの問題を生じてしまった。このため、特許文献3に記載の銅合金も、水道用部材として用いるには不適切であった。
この発明は、スズ、ニッケル、亜鉛、ビスマス、リンを所定量含有し、鉛とシリコンの含有量が所定量以下であり、セレンの含有量が検出限界未満であり、残分が銅とその他の不純物とからなる銅合金である。まず、この銅合金を構成する各々の元素について説明する。
図1に示す渦巻き試験形状鋳型に、加熱して溶解させたそれぞれの実施例及び比較例の銅合金を1100℃〜1200℃の鋳込温度で流し込んだ。渦巻き試験形状は、枠の最初の4分の1周が半径95mmの円弧状に繋がっており、その枠の部分を8等分して、18.65mmごとに目盛りが刻まれている。次の4分の1周は半径89mmの円弧状で、17.47mmごとに目盛りが刻まれている。以下同じように、図中の括弧書きは、その内側の枠に刻まれた目盛りの幅(mm)であり、丸囲い数字は何番目の目盛りであるかを示す。試験は1番目の目盛りの内側の枠と枠との間に融解させた銅合金を流し、最終的に到達した地点の外側の枠の目盛りを読むことにより行った。
各々の合金について、JIS H 5120に記載のA号供試材を鋳造した後、JIS Z 2201に従って4号試験片に機械加工を行い、JIS Z 2241に従って引張強さと伸びとを測定した。その結果を表8に示し、評価を表1乃至表6に示す。基準材である比較例1と比べて、引張強さ(MPa)と伸び(%)のどちらも優れていれば「○」と判定し、どちらかが比較例1より劣っていれば「×」と判定する。
各々の合金について、肉厚を20、30、40mmの3段階に変化させた図3に示すように押湯効果を少なくし鋳造欠陥を生じやすい形状とした階段状のCO2鋳型を作製して、これにより得られた鋳物の中心部を切断し、JIS Z 2343 浸透探傷試験に従って試験を行い、この浸透探傷試験における鋳造欠陥及び微小空隙の発生状況を観察した。その判定した結果をそれぞれの表に示す。判定方法は、肉厚中心部に欠陥指示模様が確認されず、基準材となるJIS材CAC406と同様の鋳造方法での生産が可能であるものを(○)とし、肉厚中心部に欠陥指示模様が確認されるものの、同様の鋳造方法での生産が可能であるものを合格(△)とした。ただしこれは、鋳造品形状や鋳造条件によっては欠陥が発生する場合があるため、製造方法等を考慮すべきものである。また、その他の結果のものを(×)とした。その結果をそれぞれの表に示す。なお、これらのうち、選択した実施例と比較例の断面の写真を例として図4(a)乃至(d)に示す。このうち、実施例3,16、18、19、22、23、24、25、27、30と比較例12において断面外周域に染みとして観測される指示模様は、観察面以外に残存した浸透液が発色したものであり、鋳造欠陥とは無関係である。
日本水道協会制定のJWWA Z 108−浸出試験方法−及びJWWA Z 110−浸出液−の分析方法に従い、試験を行った。その結果を表9に示し、総合評価を表1乃至表6に示す。試験片と浸出溶液の接触面積比は、1000cm2/リットルで実施した。ただし、実施例18のみ、浸出試験条件を厳しくし、接触面積比を2000cm2/リットルで実施して浸出量の調査を行った。鉛の検出限界は0.0005mg/Lであり、カドミウムの検出限界は0.0001mg/Lであり、セレンの検出限界は0.001mg/Lであり、検出されないものはいずれも「ND」と表記した。
それぞれの銅合金について、超硬の工具を使用し、切削速度を400(m/min)とし、切込量1.0mm、送り量0.1mm/revで旋盤加工を行い、その影響を調査した。評価方法は、被削性係数、面粗さ、切削粉の形状で判断した。それぞれの表にこれらの結果を示す。また、理想的な切削性を示す合金として、比較例1の合金(CAC406)についても同様に面粗さと切削粉の形状を評価した。その結果を表10に示すとともに、表1乃至6に示す。なお、実施例18及び比較例1においては切削速度を100(m/min)と200(m/min)に変更した条件での測定も行ったが、切削速度の差による変化は小さいものとなった。
表1のように、亜鉛の含有量を大きく変動させ、それ以外の元素の含有量を出来るだけ変動させないようにして、それぞれの重量比となる銅合金を作製し、上記の測定を行った。なお、比較例2及び実施例1乃至5はスズを2.5重量%程度としたものであり、比較例3、4及び実施例6乃至9はスズを5.0重量%程度としたものである。いずれの場合も亜鉛が5.0重量%未満となる比較例2及び比較例3では、湯流れ性と浸透探傷の結果が×となった。また、亜鉛の量を増加させた比較例4では機械的性質に問題が生じてしまった。なお、以下表中それぞれの元素の単位は重量%であり、引張強さは(MPa)であり、伸びは(%)である。
表2のように、ニッケルの含有量を大きく変動させ、それ以外の元素の含有量を出来るだけ変動させないようにして、それぞれの重量比となる銅合金を作製し、上記の測定を行った。なお、比較例5乃至7、実施例2,及び実施例10及び11はスズを2.5重量%程度としたものであり、比較例8乃至10、実施例7及び実施例12及び13はスズを5.0重量%程度としたものである。ニッケルが1.5重量%未満となった比較例5,6,8,9では、スズの量に関わらず微小空隙等が発生してしまい、さらにニッケルが少なくなった比較例5及び8では浸出試験でも問題が生じてしまった。一方でニッケルが3.0重量%を超えた比較例7及び10では、それよりニッケルが少ない場合と比べて伸びが大きく低下してしまった。
表3のように、スズの含有量を大きく変動させ、それ以外の元素の含有量を出来るだけ変動させないようにして、それぞれの重量比となる銅合金を作製し、上記の測定を行った。2.0重量%未満となった比較例11では微小空隙等が生じてしまい、一方でスズが5.9重量%を上回る比較例12では伸びが不足しすぎてしまった。
表4のように、ビスマスの含有量を変動させ、それ以外の元素の含有量を出来るだけ変動させないようにして、それぞれの重量比となる銅合金を作製し、上記の測定を行った。なお、比較例13及び14、実施例2,実施例17はスズを2.5重量%程度としたものであり、比較例15、16,実施例7は、スズを5.0重量%程度としたものである。0.4重量%未満となる比較例13及び15では、切削性に問題が生じ、また、比較例13では微小空隙が生じてしまい、比較例15では湯流れ性に問題が生じてしまった。
表5のように、リンの含有量を大きく変動させ、それ以外の元素の含有量を出来るだけ変動させないようにして、それぞれの実施例となる銅合金を作製し、上記の測定を行った。なお、比較例17、実施例2、実施例18乃至21はスズを2.5重量%程度としたものであり、実施例22乃至27は、スズを3.5重量%程度としたものであり、比較例18及び19、実施例7,実施例28及び29はスズを5.0重量%程度としたものである。リンが0.009重量%未満となる比較例17及び18では、微小空隙等が発生してしまった。一方で、リンが0.15重量%を超えた比較例19では、伸びが低下しすぎてしまい、機械的性質に問題が生じてしまった。なお、表5中の実施例18の値は、比較のため、切削速度400m/minの値を記載した。
表6のように、鉛を0.2重量%含有する実施例30と、鉛を0.5重量%含有する比較例20となる銅合金を作製し、上記の測定を行った。その結果、鉛が0.2重量%である実施例30ではいずれも基準を満たす結果となったが、比較例20では微小空隙等が無視できなくなるまで悪化してしまい、問題が生じてしまった。
選択した実施例の合金について、(株)島津製作所製EPMA−8705を用いて、各元素についてマッピング分析を行って金属組織解析することにより、それぞれの元素の分布や化合物の発生を確認した。調査する元素は、銅、ニッケル、スズ、亜鉛、リン、ビスマスであり、それぞれの分布状態、化合物形態について調査した。
Claims (2)
- スズを2.0重量%以上5.9重量%以下、ニッケルを2.0重量%以上3.0重量%以下、亜鉛を5.0重量%以上12.1重量%以下、ビスマスを0.5重量%以上1.1重量%以下、リンを0.009重量%以上0.15重量%以下含有し、セレンの含有量が検出限界未満であり、鉛の含有量が0.2重量%以下であり、シリコンの含有量が0.01重量%以下であり、残分が銅とその他の不可避不純物である銅合金。
- 請求項1に記載の銅合金からなる、銅合金系水道用部材。
Priority Applications (1)
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JP2006343385A JP4866717B2 (ja) | 2006-12-20 | 2006-12-20 | 銅合金 |
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JP2006343385A JP4866717B2 (ja) | 2006-12-20 | 2006-12-20 | 銅合金 |
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JP2006343385A Active JP4866717B2 (ja) | 2006-12-20 | 2006-12-20 | 銅合金 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9963765B2 (en) | 2013-06-12 | 2018-05-08 | Kurimoto, Ltd. | Copper alloy for use in a member for use in water works |
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2006
- 2006-12-20 JP JP2006343385A patent/JP4866717B2/ja active Active
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US9963765B2 (en) | 2013-06-12 | 2018-05-08 | Kurimoto, Ltd. | Copper alloy for use in a member for use in water works |
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