JP4865770B2 - 冷媒配管の洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷暖房装置や冷凍機などの空冷セパレート型空調機の冷媒配管を洗浄する装置に関する。
旧冷媒用の空調機を新冷媒に対応したものに取り替える場合に、旧冷媒を回収後、建物の壁面などに埋設された既設の冷媒配管を洗浄するようにしている。既設配管を洗浄する従来の方法として、洗浄流体としてR22等の冷媒フロンを用い、これを配管内に循環させて旧冷媒の回収と洗浄を同時に行い、洗浄後さらに窒素ガスを既設配管に強制的に吹き込んで管内をブロー洗浄する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
しかし、この方法では、洗浄流体として用いるR22等は沸点が極めて低いため洗浄用冷媒ガスを放出する危険があって取り扱いが極めて困難であり、また、R22等の洗浄流体は、既設配管内に残存していた、旧冷媒の圧縮機の潤滑油に用いられていた鉱物油との相溶性が極めて低く、鉱物油が溶けずに多くが残存し、十分な洗浄効果を発揮することができないという問題があった。
このような従来の洗浄方法による問題点を解決すべく、本発明者により、洗浄液として塩化メチレンやメチルアルコールなどの沸点の低い溶剤を用い、これに窒素ガスを混合させて既設配管内に送出し循環させることにより、既設の冷媒配管を洗浄する方法が提案されており、実際にこの方法により多くの既設配管が洗浄されて洗浄効果の有効性が確認されている(例えば特許文献2、3参照)。
洗浄液として塩化メチレンを用いた従来の方法において、洗浄液流通による洗浄後に既設配管内に窒素ガスを吹き込んでブロー洗浄することで、配管内に残っていた鉱物油や異物を確実に外部に排出することができるが、ブロー洗浄を十分な時間行ったとしても僅かな量の洗浄液が管内に残ってしまう。
既設配管内に残存する洗浄液は、ブロー洗浄後の真空引きによって蒸発除去されるが、真空引きに用いる真空ポンプがオイル式の場合、蒸気化した洗浄液が真空ポンプのオイルに溶け込んでオイルの粘度を低下させ、系内の真空度到達に支障を来して真空引きに時間がかかってしまうという問題があった。真空ポンプのオイルの粘度を維持するため、オイル交換も頻繁に行わなければならなかった。とりわけ、気温が低い冬季の洗浄作業では洗浄液が蒸気化し難く、真空引きの時間が増大して洗浄作業完了までに長時間を要していた。
また、洗浄液として塩化メチレンを用いた従来の方法では、既設配管内を流通させた洗浄液を回収タンクに流入させて回収する際に、タンク内に設けた活性炭などの濾過材に洗浄液を通してガス成分を吸着させることにより、洗浄液が系外に漏出することを防止しているが、洗浄液を回収タンクに導入するときに濾過材が飽和吸着状態になっていると、洗浄液のガス成分が空気中に放散して、作業時の気温や風向きによっては周囲に異臭を感じさせることがあり、より万全な洗浄液の回収手段が望まれていた。
さらに、前記回収タンク内に導入されて回収された洗浄液は、特別管理産業廃棄物として産業廃棄物処理業者に引き渡して処分しなければならず、その収集、保管、運搬、処理の手続きは面倒であり、また、洗浄液を吸着させた濾過材も同様に産業廃棄物として処分しなければならず、これら冷媒配管の洗浄処理作業により抽出される廃棄物を洗浄処理作業者や廃棄物処理業者の手を煩わせることなく処理することのできる方策が望まれていた。
産業廃棄物の増大が社会問題化している今日においては、洗浄後に回収された洗浄液に含まれている溶剤を産業廃棄物として破棄するのではなく、再生処理を施して再利用することが、資源の有効活用及び廃棄物排出量の低減による環境汚染の防止の観点から必要とされているところである。溶剤を回収し再生する方法として、回収した溶剤を温水で加熱し、その蒸気を吸脱着してから凝縮する方法や手段が知られているが(例えば特許文献4、5参照)、これらは冷媒が充填された既設配管や空調機の洗浄装置とは別の処理工程として位置付けられている。そのため、処理する装置構成が大掛かりとならざるを得ず、洗浄作業現場においても再生処理が可能な簡易な構成のものではなかった。
さらに、環境保護のためには、洗浄液として用いる溶剤だけではなく、溶剤の臭気拡散防止のために用いる活性炭などの濾過材や、さらには洗浄作業前に既設の空調機及び配管から回収される冷媒も再生して利用できるようにすることが好ましい。
新たな既設配管の洗浄処理方法や手段を発案しこれを事業化する場合に、そのような廃棄物を出さない再生処理体系を事前に構築し、環境保護に供する確証を得ておくことが、発案者の義務であり社会的責任でもあるといえる。
特開2001−141340号公報 特許第3971372号公報 特許第3971445号公報 特開2000−225301号公報 特開2005−247937号公報
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑み、冷媒配管内に洗浄液を窒素ガスとともに送出し流通させて洗浄する場合に、配管内を流通する洗浄液に管内の異物を溶かし込んでこれを確実に除去し、洗浄作業を行うときの周囲温度に関わりなく配管内から洗浄液を漏らさずに完全且つ効率的に回収して洗浄作業に要する時間の短縮化を実現することを課題とする。特に気温が低い冬季に既設配管の洗浄処理を行う場合でも洗浄液を確実且つ完全に回収できるようにすることを課題とする。
また、本発明は、洗浄液の溶剤成分を周囲に放散させることなく確実に回収するとともに、洗浄作業により抽出される廃棄物を再生し或いは賦活させて再利用に供し、廃棄物の処理手続きの簡易化及び処理の確実化を図ることを課題とする。
本発明の冷媒配管の洗浄装置は、空冷セパレート型空調機の既設冷媒配管を冷媒回収後に洗浄する装置であって、既設配管の室内機が接続していた側の管口に連絡配管を接続し、当該配管の室外機が接続していた側の管口に接続管をそれぞれ接続し、前記接続管の一方から塩化メチレンなどの溶剤に窒素ガスを混合させてなる洗浄液を配管内に送出し、管内を流通させて洗浄浄化させる洗浄液送出部と、前記接続管の他方から排出される洗浄液を回収タンク内に流入させるとともにタンク内でガス成分と溶剤成分とに分離して洗浄液を回収する洗浄液回収部と、前記タンク内に回収された溶剤から不純物を分離して溶剤を再生する溶剤再生部と、既設配管内を真空引きするためのダイヤフラム式真空ポンプを備えたポンプ部とを有し、前記各部を管路上に流路開閉バルブが設けられた配管で互いに接続した状態で台車上に収納して構成されたことを特徴とする。
前記構成の装置において、洗浄液送出部は、
窒素ガスボンベと、溶剤が投入されるタンクであって底部又は側胴部に加熱ヒータが設けられた洗浄液タンクと、前記窒素ガスボンベから送出される窒素ガスを加熱するベイキングヒータと、送液ポンプとを有して構成されており、
溶剤が投入された洗浄液タンク内に窒素ガスを送出して溶剤に窒素ガスを混合させた洗浄液を生成し、加熱ヒータを作動させて洗浄液を適宜な温度に加熱させた状態で送液ポンプにより接続管の一方から既設配管内に送出して管内を流通させるとともに、接続管の他方から洗浄液を排出させて回収タンク内に流入させ、
次いで前記と同様に、適宜な温度に加熱させた洗浄液を既設配管内に送出し、管内を循環流通させた後、窒素ガスを既設配管内に送出させて洗浄液を回収タンク内に流入させることにより配管内を加熱処理し、
さらにベイキングヒータで加熱した窒素ガスを接続管の一方から既設配管内に送出して管内を流通させるとともに、接続管の他方からガスを排出させて回収タンク内に導入させ、さらに前記とは逆にベイキングヒータから加熱窒素ガスを接続管の他方から既設配管内に送出して管内を流通させるとともに、接続管の一方からガスを排出させて回収タンク内に導入させ、
当該加熱窒素ガスを既設配管内に交互に流通させる工程を繰り返して既設配管を所定温度に加熱した後、ダイヤフラム式真空ポンプで既設配管内を真空引きし、管内のガスを前記真空ポンプから回収タンク内に導入することにより既設配管内の残余の洗浄液を回収するように構成されていることを特徴とする。
前記構成の装置において、前記洗浄液回収部は、回収タンクの内部にステンレス繊維束からなるエリミネータを設けるとともに、濾過材からなるフィルター層が内部に設けられた接続管を介して回収タンクの上部に連通していて内部に濾過材からなるフィルター層を設けた吸着タンクと、内部の一側に濾過材からなるフィルター層、他側に送風機を備えた接続管を介して吸着タンクの上部に連通していて上面に排気口を備え且つ内部にはオイルが貯留されているとともに前記排気口の下方に濾過材からなるフィルター層を設けた吸収タンクとを設け、既設配管内を流通させて排出される洗浄液又は液分が混入したガスを回収タンクのエリミネータに衝突させてガス成分と液成分に分離するとともに、分離したガス成分を吸着タンクに導入し、吸着タンクのフィルター層を通してガス成分を吸着し、送風機で接続管内に外気を導入して前記吸着されなかった残余のガス成分と窒素ガスとを希釈して吸収タンク内に吹き込むとともに残余のガス成分を吸収タンクのオイルに吸収させて溶剤を回収するように構成されたことを特徴とする。
前記構成の装置において、溶剤再生部は、
回収された溶剤をウォータバスで加熱して気化させる蒸留器と、水又は温水が流入される槽内に凝縮コイルを螺旋状に配してなり、コイル内に気化した溶剤を流通させてこれを液化する凝縮器と、頂面内に管連通孔が形成された蓋体と当該蓋体に面する開口上部に濾過材フィルター層が設けられていて内部で溶剤回収缶を支持する容器本体からなる再生液回収容器と、再生液回収容器の重さを量るアラーム付きの秤とを有して構成されており、
洗浄作業中に前記洗浄液回収部の各タンクに回収された溶剤を蒸留器に導入し、又は洗浄作業後に前記洗浄液回収部の各タンクから溶剤回収缶に移入させた溶剤を自吸ポンプを用いて蒸留器に導入して当該蒸留器で溶剤を蒸発させるとともに凝縮器でこれを液化し、液化した溶剤を再生回収容器内の溶剤回収缶に所定の容量だけ流入させるように構成されたことを特徴とする。
また、前記構成の装置において、前記ベイキングヒータで加熱した窒素ガスを前記回収タンク内に吹き入れることにより、前記洗浄液回収部の各タンクと各タンクを接続する接続管の内部に設けられた濾過材を所定温度に加熱して前記濾過材に吸着していた溶剤をガス化させ、このガス化した溶剤を配管を通じて前記溶剤再生部の凝縮器へと導入することにより、前記濾過材から溶剤成分を分離して賦活させるように構成されたことを特徴とする。
また、前記溶剤再生部の凝縮器は、その槽内に、溶剤を流通させて凝縮する溶剤用のコイルと、空調機から回収した冷媒を流通させて蒸発させる冷媒用のコイルとが螺旋状に並置して構成されたことを特徴とする。
また、前記凝縮器は、冷媒再生機用コンデンシングユニットより、冷媒再生機用とは別の冷媒回路と蒸発器コイルを有し、溶剤凝縮の際の冷水チラーとして用いる凝縮水冷却用蒸発器を有することを特徴とするものである。
さらに、前記構成の装置において、塩化メチレンに代えて洗浄液として、メチルアルコール、イソプロピルアルコール又はこれらと塩化メチレンとの混合液、若しくは水を用いることができる。
とりわけ塩化メチレンは、溶剤の中で地球温暖化係数は最小であり、半減期は2ヶ月でオゾン層まで届かず、また、引火性もなく、環境に優しく且つ取り扱いがし易く、何よりも洗浄能力に優れた溶剤であることから既設配管の洗浄液には最適である。メチルアルコールやイソプロピルアルコールは、塩化メチレンよりも洗浄能力に劣るが、前記と同様に、環境保護及び取り扱いのし易さから洗浄液として利用することができる。
既設配管の洗浄にあたり、洗浄液として酸化力の大きな塩素系の溶剤を用い、これが配管内面にこびりついて残存していると、配管を真空引きした際に、溶剤の液分及び蒸気が真空ポンプのオイルに溶け込み、オイルの粘度を低下させ、ポンプの機能も低下させ、さらには溶剤が分解したときに発生するガスで真空ポンプの金属部分を腐蝕させることが懸念される。
そこで、本発明では、ブロー洗浄後の配管の真空引きを、ダイヤフラム式真空ポンプを用いて行い、残存洗浄液が真空ポンプの作動に影響を及ぼさないようにしている。
また、ポンプの吸引能力にもよるが、ダイヤフラム式真空ポンプを用いたとしても、真空引きに要する時間が短縮される訳ではなく、既設配管内に残存する洗浄液の除去に時間がかかることには変わりはない。既設配管の洗浄作業全体では真空引き工程に最も時間がかかっており、この工程に要する時間を短縮しなければ、洗浄作業の効率化が図れない。
そこで、本発明では、既設配管内に洗浄液を流通させて洗浄した後、加熱された洗浄液を既設配管内に流通させて配管を温め、さらに加熱窒素ガスを配管内に導入し、且つ導入方向を逐次切り替えて既設配管を所定温度迄加熱させ、かかる加熱窒素ガスの流通及び加熱により残存する洗浄液をガス化させ、加熱窒素ガスの吸引及び窒素ガスブローに伴って洗浄液の残存成分の確実な除去を実現している。
外気温が高い夏季に洗浄液として塩化メチレンなどの沸点の低い溶剤を用いて洗浄作業を行う場合は、洗浄後の真空引きによって配管内の洗浄液は高精度で除去することが可能であるが、前記加熱窒素ガスの導入によって配管内部を加熱した後に真空引きすることにより、より確実且つ完全に洗浄液の回収を図ることができる。一方、気温が低い冬季に洗浄作業を行う場合は、洗浄後の真空引きによる配管内の乾燥も周囲温度が低いため効率が悪く、また、敷設されている配管は外気に触れているため配管自体をその外側から加熱することは非効率で実現性がないことから、加熱窒素ガスを既設配管内に導入することによって配管を内側から加熱することは残余の洗浄液を除去する処理に極めて有効である。すなわち、加熱された窒素ガス及び管内に残留する洗浄液は熱によって分子運動が盛んになり、配管内壁に分子間引力により付着していた液が離れやすくなり、ガス化して窒素ガスとともに管外へ吸引し排出させることが可能である。
一方、加熱した窒素ガスの流入のみにより、既設配管を洗浄液である溶剤が蒸発する温度まで暖めることは実用上困難である。そこで、本発明では、溶剤が投入される洗浄液タンクに加熱ヒータを装備させ、洗浄液である溶剤自体を適宜な温度、塩化メチレンであれば32〜38℃程度まで加熱し、これに窒素ガスを混合し好ましくは溶解させて配管内に送出するように構成している。
予め加熱した洗浄液の送出及び加熱窒素ガスの流入により、配管は洗浄液の気化温度より若干低い温度、例えば沸点が40℃程度の塩化メチレンであれば32〜38℃程度まで加熱し暖めることが好ましい。その後の加熱された窒素ガスの導入により配管内は40℃以上に暖められ、残留塩化メチレンは完全にガス化し、窒素ガスパージと真空引きによって既設配管から完全に除去させることができる。また、真空乾燥をより一層確実に行うことができる。
加熱温度は既設配管の入口と出口の端部にそれぞれ設けた温度計により計測される。また、配管の両端から交互に加熱窒素ガスを導入する際に、導入口とは反対の口部に、洗浄液(溶剤)のハロゲンガス検知器を設置して管内に残留する洗浄液の有無を検知することが好ましい。空調機を取り外した室内側管端に取り付けられる接続管にバンドヒータやリボンヒータ等を巻きつけておけば、加熱効果がより向上する。
また、洗浄液として塩化メチレンを用いた場合に、洗浄液を回収する際に、洗浄液のガス成分が空気中に放散して周囲に異臭を感じさせることがある。そこで、本発明では、洗浄液回収部を、内部にエリミネータを有する回収タンクと、これと連通していて内部に濾過材からなるフィルター層を設けた吸着タンクと、送風機を備えた接続管を介して吸着タンクと連通していて内部にオイルが貯留された吸収タンクにより、洗浄液の回収工程、洗浄液に含まれるガスの分離工程、及びガス化した洗浄液の吸収工程の三段階の洗浄液処理工程を経ることで、ガス化した溶剤の濃度を徐々に希釈しながら回収するように構成した。なお、濾過材としては、例えば活性炭からなるフィルター、その他洗浄液又はそのガス成分に含まれる微細な粒子や霧状、粒状の物質を液流又は気流の通過に伴い濾過することが可能な適宜な手段を用いることができる。
前述の通り、配管内を流通洗浄させて回収タンク内に回収された溶剤は特別管理産業廃棄物として処理されるべきものであるが、その保管や運搬といった取り扱いは面倒である。また、一度の洗浄処理で廃棄処分することは、事業廃棄物をできる限り少なくして環境保護を図らんとする点で好ましいものではない。一方、回収された溶剤には、管内に付着していたオイルや水分、ゴミといった異物が混入しており、これら異物を完全に分離しなければ、再利用することはできない。
そこで、本発明では、溶剤を蒸留する蒸留器と、気化した溶剤を液化する凝縮器を備えた溶剤回収部を洗浄装置に付設し、回収された溶剤を蒸留器内に導入して加熱し、蒸発成分を凝縮器で液化することで、溶剤と異物との沸点の差を利用して溶剤と異物とを分離し、再生した溶剤を利用できるようにしている。また、前記加熱窒素ガスを配管内に流通させる際に、配管から排出されるガスを凝縮器に導入して凝縮させることで、窒素ガスに混入した溶剤のガス成分を液化させて溶剤のみを回収するも可能である。
一方、濾過材が飽和吸着状態になっていた場合に、溶剤のガス成分の吸着が不十分となることは避けられず、ガス成分が系外に放出して、装置周囲の環境に負荷がかかることになる。一方、吸着能力が飽和する度に濾過材を交換したのでは、環境保護を図らんとする点で好ましいものではない。
そこで、本発明では、回収タンクの洗浄液流通経路上に温風送風手段を設け、濾過材に温風を吹き付けて所定温度に加熱することで、吸着していた洗浄液の成分をガス化して濾過材から分離せしめ、分離した洗浄液のガス成分を前記凝縮器へと導入することで、洗浄液成分を系外へ放出することなく回収し、同時に濾過材を賦活させ、再利用できるように構成した。
なお、本発明者の実験によれば、洗浄液で既設配管を洗浄後、洗浄液を回収して分析したところ、微量であるが蟻酸及び、黒色、赤色、白色の粉体がそれぞれ検出された。
この蟻酸は管内のナフテン系冷凍機油のナフテン酸が、空調システムの圧縮機による圧縮熱及び加熱冷却の繰り返しにより分解され、発生したものである。これらは冷媒配管施工の際に、窒素パージが不十分で配管を溶接したときに発生する銅管の酸化被膜がちぎれたものであると考えられ、洗浄液の回収タンクの底には前記黒、赤及び白各色の粉体が沈殿する。
それぞれ黒色の粉は酸化銅及び圧縮機の摩耗により飛散した酸化鉄、赤色の粉は酸化銅の飛沫がオイルの分解によって生じた水素と反応して一価の金属銅に還元したものと推測される。つまり、蟻酸はナフテン系冷凍機油が熱分解されて生じた水素とカルボルキシル基との反応でできた生成物と捉えれば、前記蟻酸の発生と整合性がとれる。蟻酸は圧縮機の金属部分と反応して圧縮機を故障に至らしめる原因となることから、洗浄液を回収する際に管内に残存する蟻酸も他の異物とともに残らず除去し、管内を略完全な真空乾燥させて残存物が全くない状態に適正に洗浄することが要求される。
本発明の好適な実施形態を図面を参照して説明する。
先ず、本発明によって冷媒配管を洗浄する工程について説明する。図1は旧冷媒機を新冷媒機に交換する際に、本発明により既設の冷媒配管を洗浄する場合の作業手順の概要を示している。この場合の配管の洗浄と新旧冷媒機の交換は以下の工程を経て行われる。
〔冷媒回収と旧機取り外し〕
先ず、旧冷媒機と配管内の冷媒を回収装置を用いて回収する。
冷媒回収後、旧冷媒機の室外機を取り外し、既設の室外機連結管口に本発明の洗浄装置の接続管を接続し、また、旧冷媒機の室内機も取り外し、既設の室内連結管口には連絡配管を接続する。
室外機に代えて本発明の洗浄装置、室内機に代えて連絡配管をそれぞれ接続することにより、洗浄液の閉回路循環系が既設配管により構成される。
〔既設配管洗浄〕
洗浄装置と連絡配管を既設配管に取り付けたならば、洗浄装置を作動させて以下の手順で洗浄を行う。
(一方向洗浄)
洗浄装置に接続した既設配管の一対の連結管口の一方に、洗浄液を洗浄装置から既設配管内に加圧流入させて、管内を浄化する。配管内を流通し、洗浄装置側に戻ってきた洗浄液は一旦回収タンクに流し入れ、そこから回収缶に送って回収する。回収缶への洗浄液の送出は、例えば回収タンクの底部に液抜き弁を設けておき、これを操作して回収タンクに貯留した洗浄液を回収缶へと流入させることができる。この場合、冬期などの気温が低く配管の真空乾燥に時間がかかる状況では、配管内に送出する洗浄液を所定の温度、例えば溶剤として塩化メチレンを用いる場合には32〜38℃程度に加熱しておくことが好ましい。
(逆方向洗浄)
次いで、三方向切替弁によって洗浄液の流入方向を変換し、既設配管の他方の連結管口から、洗浄液を加圧流入させ、前記とは逆方向に洗浄液を配管内に通して、管内を浄化する。なお、一方向による洗浄のみでも既設配管を十分に洗浄することは可能であり、逆方向洗浄は、洗浄する配管が長い場合その他の洗浄条件により必要に応じて行われる。
(異物の抜き取り)
既設配管内に洗浄液を注入させて管内を浄化したならば、管内に残存する異物を抜き取る。金属のような比重の大きな異物は洗浄液とともに管外へ排出できない場合もあることから、この抜き取りは既設配管の最も低い部位において行う。例えば数階建ての建物で室外機が屋上に設置されている場合の既設配管を洗浄するときは、最も低い階、つまり一階の室内機に代えて既設配管の連結管路に接続した連絡配管において行う。
(洗浄液の抜き取りとチッソパージ)
次いで、管内に流入させた洗浄液を抜き取り、洗浄装置において回収する。洗浄液の抜き取りは、洗浄装置に設置した窒素ガスボンベから窒素ガスを既設配管の一方の連結口から管内に吹き込み、加圧ブローによって洗浄液を他方の連結口から流下させて行い、これと同時に管内に未だ残存していた異物も洗浄液とともに排出させる。当該他方の連結口から流下させた洗浄液は回収タンクに流し入れて回収し、さらに窒素ガスとともに洗浄液のガス成分は吸着タンクと吸収タンクを経て回収し、周囲に放散される量を抑制する。
〔残留洗浄液の除去〕
既設配管内への窒素ガスブローによる洗浄液の抜き取り処理後、さらに僅かに管内に残存する洗浄液の除去を完全にするべく、残留洗浄液の除去処理を以下の手順で行う。
(ベイキング)
洗浄装置に設けたガス加熱タンクから加熱された窒素ガスを既設配管内に送出して配管を加熱する。窒素ガスの加熱は、ヒータを作動させてガス加熱タンクを所定温度まで加熱した状態で、タンク内に窒素ガスを流入させて行い、タンクから加熱窒素ガスを既設配管の一方の連結管口から管内に送出する。既設配管内を流通させた窒素ガスは、他方の連結管口から排出させ、洗浄装置に設けた回収タンクを経由して濾過材が充填された吸着タンクへと送り込む。
また、前記一方の連結管口から既設配管内への加熱窒素ガスの送出と併せて、他方の連結管口における管内温度を測定し、加熱窒素ガスが管内を流通することで管内の温度が上昇することを確認する。
そして、他方の連結管口において所定温度まで管内が加熱されたことが確認されたならば、加熱窒素ガスの流入口を切り替え、今度は当該他方の連結管口から加熱窒素ガスを管内へと送出し、前記一方の連結管口から窒素ガスを排出させて前記吸着タンクへと送り込む。
併せて当該一方の連結管口における管内温度を測定し、所定温度まで上昇したならば、再び加熱窒素ガスの流入口を切り替えて前記と同様に加熱窒素ガスを送出し、このように、既設配管内に加熱窒素ガスを流通させて配管が所定温度に達する迄加熱することで、配管の内面に付着した残余の洗浄液が気化し、次工程の真空乾燥によって、洗浄液を配管内から完全に除去することが可能となる。
なお、配管内を流通した加熱窒素ガスを濾過材が充填された吸着タンクに導入することにより、加熱窒素ガスに混ざった洗浄液のガス成分は濾過材に吸着されて除去される。吸着タンクを通過した窒素ガスは、外気と混合されてから吸収タンク内へと導入されてさらに濾過材を通した後、凝縮器へと送出される。
(真空乾燥)
既設配管が所定温度まで加熱されたならば、ダイヤフラム式真空ポンプで真空引きして配管内を乾燥させる。この真空乾燥により、管内で気化した残余の洗浄液は完全に系外へと排出される。この際、真空引きにより吸引された既設配管内のガスは、回収タンクなどの各タンクを経て凝縮器へと送出され、当該ガスに含まれる洗浄液のガス成分が液化され、回収缶で回収される。
〔新冷媒機取り付け〕
真空乾燥後、洗浄装置と連絡配管を取り外し、新冷媒機の室外機と室内機を設置し、それぞれ接続口を既設配管に連結する。
〔真空乾燥〕
さらに、新冷媒機を取り付けた後、回路内で僅かに残った洗浄液やそのガス成分、その他管内の空気や水分を除去するために、オイル式真空ポンプにより絶対真空まで真空引きを行う。その後、新冷媒機の試運転を実施し、動作確認した後、本稼動する。
また、図1に示されるように、本発明では前述の冷媒配管の洗浄処理に加えて、洗浄液である溶剤を蒸留再生する処理、濾過材である活性炭を賦活させる処理、及び空調機から回収した冷媒を再生させる処理の各処理が、洗浄作業と同時に作業現場において、又は洗浄作業終了後に適宜な場所で行えるようになっている。各処理の工程については後述する。
図2は、前記各処理工程を行うための本発明の一実施形態の洗浄装置の概略構成図を示している。図中、符号1は洗浄装置、Pは既設配管、PAは連絡配管、PBは接続管、CVは接続管PBに設けられた流路方向切替弁、Vは各管路上に設けられた流路開閉バルブである。
同図に示されるように、洗浄装置1は、接続管PBの一方から塩化メチレンなどの溶剤に窒素ガスを混合させてなる洗浄液を配管内に送出し、管内を流通させて洗浄浄化させる洗浄液送出部2と、接続管PBの他方から排出される洗浄液を回収タンク内に流入させるとともにタンク内でガス成分と溶剤成分とに分離して洗浄液を回収する洗浄液回収部3と、前記タンク内に回収された溶剤から不純物を分離して溶剤を再生する溶剤再生部4と、既設配管P内を真空引きするためのダイヤフラム式真空ポンプを備えたポンプ部5とを備えて構成されている。これらの構成部材は、管路上に流路開閉バルブVが設けられた配管で互いに接続された状態で、図示されない台車上に収納して適宜な場所へ一体に持ち運べるように構成することができる。各構成部材を旧冷媒機の室外機の設置場所まで各々持ち運んで接続してもよく、室外機が高所に設置されている場合には、ポンプ揚げ可能な範囲内の高さに持ち運んで構成される。
なお、図中、符号BHは既設配管Pの管内を加温する際に連絡配管PAの外周に巻かれるバンドヒータ、符号6は冷媒再生処理に使用される冷媒再生機用コンデンシングユニットである。
図3は、図2中の各部の構成を示した洗浄装置の回路構成の概略図を示している。同図を用いて各部の構成を具体的に説明する。
洗浄液送出部2は、窒素ガスボンベ21と、溶剤が投入される洗浄液タンク22と、窒素ガスボンベ21から送出される窒素ガスを加熱するベイキングヒータ23と、送液ポンプ24とを有して構成されている。
より詳しくは、洗浄液タンク22は、適宜な容量の蓋付きステンレス製タンクであり、図4に示されるように、その蓋22aにはバルブVを介して窒素ガスボンベ21が接続されており、タンク内に溜められた洗浄液を窒素ガスボンベ21からタンク内に送出される窒素ガスとともにタンク底部の送出口22bから送出するように設けてある。タンク内が略大気圧に保たれるように窒素ガスボンベ21から窒素ガスを連続的に送出すると、タンク内の窒素ガスを洗浄液に生じる小さな渦で流伴させならが、送出口22bから洗浄液が送出される。また、タンクの底部或いは側胴部には、加熱ヒータ22cが設置されており、投入される洗浄液を適宜な温度に加熱することができるように設けてある。
また、蓋22aには、タンク内の気圧を調整するためのバルブVを接続してあり、余剰の窒素ガスをバルブVから放出し、或いは洗浄液の流出に伴って窒素ガス不足のときは外気をタンク内に取り入れて、タンク内の気圧を一定に保つことができるように設けてある。さらに、蓋22aの一側には、打ち抜きによって通孔を列設させた網部22dと筒部22eが設けられ、その内部に活性炭とシリカゲルからなる水分除去フィルター22fを充填してある。この水分除去フィルター22fは、タンク内に外気を大量に取り入れる際に、流入する外気の水分を除去するためのものである。
洗浄液タンク22内で窒素ガスが混合溶解され、且つ適宜な温度に加熱された洗浄液は、送出口22bに設けた液抜き弁Vを介して送液ポンプ24へと流入し、当該ポンプでさらに窒素ガスと混合され加圧されて既設配管Pへと送出される。
なお、この洗浄液タンク22に投入される洗浄液としては、塩化メチレン、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン等の各種溶剤やこれらの混合液を用いることができる。洗浄液として水を用いることもできる。
これらは既設配管内の汚れ分、油分に良くなじむとともに比較的低温で蒸発し易く、管内を効率良く浄化でき、また、洗浄液をパージするため配管内を窒素ガスで加圧ブローした際に直ぐに蒸発し、後の真空乾燥で絶対真空まで管内を確実に乾燥させることが可能である。前記洗浄液の内、沸点が約40.2℃の塩化メチレンが最も望ましい。配管内に水分がある場合は、塩化メチレンに、水分量に応じて5〜50%程度のメチルアルコールを混合してもよい。メチルアルコールを単独で洗浄液に用いてもよい。
ベイキンギヒータ23は、窒素ガスボンベ21から導入される窒素ガスを所定温度に加熱して送出するためのものであり、例えば適宜な容量のボンベ状の金属製容器内に、加熱体である複数本の鉄製パイプを挿入し、温度コントローラにより鉄製パイプを適宜な温度に加熱させながら、ボンベ内に導入した窒素ガスを各パイプの間隙を通して所望の温度迄加熱させ、これを連続的に送出するように構成することができる。なお、後述するように、窒素ガスは80〜110℃程度に加熱させてベイキングヒータ23から送出される。
送液ポンプ24は、渦流タービン型のポンプが用いられ、ポンプ吸込側から洗浄液と窒素ガスを吸引し、これらの混合、攪拌及び加圧を行って窒素ガスを洗浄液内に混入し、ミクロ状に小さな窒素ガスの気泡が洗浄液内に無数に存在する状態で、所定の圧力を保持したままポンプ吐出口から吐出するように設けてある。
洗浄液回収部3は、図5に示されるように、回収タンク31、吸着タンク32及び吸収タンク33からなり、洗浄液タンク22から既設配管P内に送出され、配管P内を流通させた洗浄液を回収する際に、各タンクにより洗浄液の液分及び窒素ガスを含むガス成分、空気の水分を回収し、周囲にガス成分が放散するのを防止して洗浄液である溶剤を回収するように構成されている。
より詳しくは、回収タンク31は、既設配管Pを通って返ってきた洗浄液が回収缶7に流入する前に経由するタンクであり、配管から排出された洗浄液、或いは配管内に窒素ガスを噴出した際に配管から排出されるミストと、これら液分に含まれるガス成分との分離を図るため、タンク内部にステンレス繊維束からなるエリミネータ31aを設けてある。すなわち、導入口31bからタンク内に洗浄液が流入するとエリミネータ31aに衝突し、その液分及び洗浄液に混入した異物はエリミネータ31aを伝ってタンク底部へと流れ落ち、一方、窒素ガスを含む洗浄液のガス成分はエリミネータ31aの上方へと拡散して、液分とガス成分とを分離せしめるようになっている。
吸着タンク32は、筒状の接続管34を介して回収タンク31と連通しており、回収タンク31で分離した洗浄液のガス成分を窒素ガスとともにタンク内部に流入させて、窒素ガスと洗浄液のガス成分との分離を図るものである。
すなわち、接続管34内には、濾過材である活性炭を充填したフィルター層34aが設けられ、また、吸着タンク32内にも同じくフィルター層34が設けてある。そして、回収タンク31で分離した洗浄液のガス成分は、窒素ガスとともに接続管34に流入し、フィルター層34aである活性炭にガス成分の多くが吸着して除去され、吸着されなかた微量のガス成分は窒素ガスとともに吸着タンク32内に流入する。流入したガス成分と窒素ガスは、さらにタンク内に設置されたフィルター層34aでガス成分が吸着され、吸着されなかったガス成分と窒素ガスが、後述する接続管35を通って吸収タンク33へと流入する。また、吸着タンク32に流入し、当該タンク内に装填される氷やドライアイスなどの冷却部材等により、タンク内部で冷却されて凝縮し、ガス成分から液化した洗浄液は、タンク底部に流れ落ち、吸着タンク32から回収管7に送出して回収される。
吸収タンク33は、接続管35を介して吸着タンク32と連通しており、吸着タンク32で吸着されなかった洗浄液の気化成分をオイルに吸収して回収を図るものである。
すなわち、接続管35は、ステンレス製のフレキシブル筒状管体であり、その一端が吸着タンク32の蓋に設けた開口に接続し、他端が吸収タンク33の蓋に設けた導入口33aに接続してある。両口の接続口には金網を設置してある。接続管35の内部には吸着タンク32側に濾過材である活性炭を充填してなるフィルター層34aを設置し、吸収タンク33側には送風機36を設置して、送風機36を駆動すると、管内に外気を取り入れて吸着タンク32で除去されなかった洗浄液の残余のガス成分を外気で希釈しつつ、これを吸収タンク33側へと送出するように設けてある。また、吸収タンク33の内部には、導入口33aの直下にステンレス繊維束からなるエリミネータ33bが設けられているとともに当該エリミネータをガス吸収用のオイル33cを漬してあり、さらにタンク内部は濾過材である活性炭からなるフィルター層33dを介して排気口33eに連通させてある。この排気口33eは開閉式となっており、排気口33eを閉止した状態で配管及び流路開閉バルブVを介してポンプ部5及び溶剤再生部4と連通し、吸収タンク33のガスを系外へ放出させずに前記両部に送出できるようになっている(図3参照)。
そして、吸着タンク32で吸着されなかた洗浄液の極少量のガス成分は、窒素ガスとともに接続管35に流入し、フィルター層34aである活性炭にガス成分の多くが吸着して除去され、さらに送風機36で管内に導入された外気で希釈されて、外気及び窒素ガスとともに吸収タンク33内に流入する。吸収タンク33内に流入したガス成分は、オイル33cが連続的に滴下されているエリミネータ33bへと流入し、さらにエリミネータ33bに付着したオイルに吸着して、オイル33cとともにタンク底部に落下する。そして、窒素ガスは、吸収タンク33内を通って排気口33eから放出され、オイル33cに付着しなかった洗浄液の極々少量のガス成分が、吸収タンク33内を流れる過程でエリミネータ33b或いはフィルター層33dに吸着して除去され、これら多段階に配した吸着・吸収手段で除去されなかった、極々少量のガス成分のみが排気口33eから放出されることとなる。また、排気口33eを閉じて、窒素ガスとガス成分を溶剤再生部4へと送出し、ガス成分を凝縮し、液化した溶剤を回収できるようになっている。オイル33cとともにタンク底部に落下した洗浄液のガス成分は、吸収タンク33と接続した回収缶7に流入させて回収される。
なお、前記各タンク内に貯留された洗浄液を回収缶7に流入する際は、図6に示されるように、回収缶7の上面に設けた開口7a内に洗浄液の送出管71を挿入した状態で、送出管71の周囲に活性炭72aを適宜な厚みで充填したフィルター72を圧密に装着し、洗浄液のガス成分が周囲に飛散しないようにすることが好ましい。
溶剤再生部4は、図3及び図7に示されるように、回収された溶剤をウォータバスで加熱して気化させる蒸留器41と、コイル内を気化した溶剤を流通させてこれを液化する凝縮器42と、前記回収缶7を内部に支持する再生液回収容器43と、再生液回収容器43の重さを量るアラーム付きの秤44とを有して構成されている。
詳しくは、図7に示されるように、蒸留器41は、有底箱状のウォータバス411と、このウォータバス411内に設置される、上面にドーム形の蓋部413が着脱自在に取り付けられた釜体412により構成されている。
ウォータバス411は、内部に適宜な量の水道水を貯留するように設けられ、その底部には釜体412を支持する釜置台411aと、貯留水を加熱する加熱ヒータ411bとを設置してある。釜体412は、ステンレス材などの加工が容易で堅牢且つ軽量な材料を用いて形成されており、その上部開口には多数の通孔を穿設したエリミネータ板412aが取り付けられ、また、当該開口周縁にはパッキン材412bが装着され、開口に面した胴部外周面にはパッチン錠412c及び固定金具412dが取り付けられており、前記開口に被せた蓋部413をパッチン錠412c及び固定金具412dで固定して内部を密閉状態に保持することができるように設けてある。また、蓋部413の頂部には、内部と連通する分岐管413aが設けてある。
そして、蒸留器41は、蓋部413を開けて釜体412の内部に回収された溶剤が入れられ、この釜体412を水又は温水を張ったウォータバス411内に設置し、当該バス内の水を加熱ヒータ411bで加熱して適宜な温度に熱することで、前記釜体412内部の溶剤を加熱せしめ、釜体内部で気化した溶剤の蒸気を蓋部413の分岐管413aから蒸気管45を介して凝縮器42へ送出するように設けてある。
なお、図示しないが、釜体412内で加熱された溶剤の気化を促進するため、釜体412の底部にはテフロン(登録商標)などからなる沸石を設置しておくことが好ましい。この場合、沸石は半円錐形の網カゴの中に入れて設置し、釜体底部で沸石が移動しないようにしておくことがより望ましい。また、図中、符号414はウォータバス水温計、415は釜底温度計、416は蓋部413の蒸気吹き出し口の温度を測る温度計、417は溶剤レベルゲージである。図示しないが、釜体412内には、圧力計、安全弁、開放弁等が付設してある。
凝縮器42は、図7に示されるように、水又は温水が流入される槽内に凝縮コイル42aを螺旋状に配して形成されており、前記蒸留器41から蒸気管45を介して送出される溶剤の蒸気を凝縮コイルに流入させて凝縮し、液化した溶剤を底部に設けた液排出口から再生液回収容器43へと導入するように設けてある。また、凝縮器42は、後述するポンプ部5のダイヤフラム式真空ポンプ51及び前記吸収タンク33と接続し、既設配管Pを真空引きする際に吸引した配管内のガス、或いは既設配管P内に窒素ガスをパージした際に排出される配管内のガスが、前記洗浄液回収部3の各タンク31、32及33を経て、凝縮器42内に送出され、洗浄液のガス成分を液化して再生液回収容器43へ導入するように設けてある。洗浄液回収部3の各タンクを通さずに、配管内のガスをそのまま凝縮器42に導入されるように構成してもよい。
さらに、同図に示されるように、凝縮器42は、開閉バルブVが付設された管路を介して水道水供給口及び蒸留器41のウォータバス411と接続しており、冷温水循環ポンプ46を作動して水又は温水をウォータバス411との間で循環流通させて、後述する冷媒再生用の蒸発器としても利用できるように設けてある。符号47は逆止弁である。
再生液回収容器43は、図8に示されるように、頂面内に管連通孔43bが形成された蓋体43aと、蓋体43aに面する開口上部に活性炭を適宜な厚みに充填配置したフィルター層43dが設けられた容器本体43cからなっており、容器本体43c内で前記回収缶7を支持するとともに内部を密閉状態とし、且つ容器内部に飛散した溶剤のガス成分はフィルター層43dで吸着されるようにして、凝縮器42から溶剤を回収缶7に流入させる過程で溶剤のガス成分が周囲に飛散しないように設けてある。
秤44は、再生液回収容器43を上面に載せてその重さを測定し、凝縮器42から再生液回収容器43内の回収缶7内に蒸留した溶剤が所定の容量だけ貯留されたならば、アラームを発して蒸留工程の終了或いは回収缶7の交換を通知することにより、再生した溶剤の回収を確実に行わせるために設置するものである。
ポンプ部5は、図3に示されるように、既設配管P内を真空引きするためのダイヤフラム式真空ポンプ51と、オイル式真空ポンプ52の二つのポンプにより構成されている。ダイヤフラム式真空ポンプ51による真空吸引は真空到達度が低く、作業時間も要するため、一次真空乾燥として、ベイキング後の残余の洗浄液の吸引をダイヤフラム式真空ポンプ51で行い、次いで二次真空乾燥としてオイル式真空ポンプ52により既設配管P内を完全真空状態にして乾燥処理するものである。その後、新たに機器を取り付けた後に再び真空乾燥を行うが、このように新旧空調機の交換にあたり、合計3回の真空乾燥を実施することで、既設配管の品質がより高められることとなる。
このように構成される本形態の洗浄装置1は、屋外の室外機が設置されていた場所まで運ばれ、その接続管PB、PBを、流路方向切替弁CVを介して、既設配管Pの室外機と接続していた連結管口に接続して設置される。また、建物内の既設配管Pの室内機と接続していた連結管口には連絡配管PAを接続し、洗浄の準備が完了する。
洗浄装置1による洗浄工程等の各処理工程は以下のように行われる。
〔配管洗浄処理〕
洗浄装置1の設置が完了したならば、送液ポンプ24を作動して洗浄液を既設配管P内に、以下の工程の如く送出させて洗浄処理を行う。
洗浄液の送出は、送液ポンプ24を作動させて、洗浄液タンク22に貯留された洗浄液と窒素ガスボンベ21から送出される窒素ガスとを混合し、窒素ガスを洗浄液に吸入させてポンプ吸入口に導入し、送液ポンプ24で加圧して洗浄液に窒素ガスを混入し吐出させて、接続管PB、PBの一方から既設配管P内に流入させて行う。この場合、特に冬場であれば、洗浄液タンク22内で洗浄液を加熱しておく。溶剤として塩化メチレンを用いる場合、洗浄液タンク22内で38℃程度に加熱しておく。
既設配管P内に流入した洗浄液は、管路内を洗浄しながら流通し、連絡配管PAで洗浄装置1側へ折り返されて、今度は連結管口PB、PB間の管路内を洗浄しながら流通して他方の接続管PBから排出され、回収タンク31を経て回収缶7に回収される。この際、窒素ガスとともに既設配管Pから排出される洗浄液のガス成分は、回収タンク31で液分と分離されて吸着タンク32内に流入し、その過程でフィルター層34aに吸着し、さらに吸収タンク33内に流入し、オイルに付着してその殆どが除去される。
次いで、前記とは洗浄液の往復流路が逆となるように、流路方向切替弁CV、CVで流路の切替操作を行って洗浄装置1の接続管PB、PBと既設配管Pとを接続し、前記と同様に、送液ポンプ24から吐出される洗浄液を既設配管P内に流入させて配管内を洗浄し、既設配管Pから排出される洗浄液を、前記と同様に、回収タンク31、吸着タンク32及び吸収タンク33に流入させて回収し、それぞれの流入過程で洗浄液のガス成分を除去する。
さらに、既設配管Pの往路と復路それぞれに洗浄液を流入させて管内を洗浄したならば、配管内に残存する異物を各連絡配管PAにおいて抜き取り、その後、窒素ガスボンベ21の窒素ガスを既設配管P内に吹き込み、加圧ブローによって管内に付着した洗浄液を吹き飛ばし、同時に連絡配管PAで抜き取れなかった異物も吐出させる。
次に、既設配管Pの内周面に僅かに付着した洗浄液を除去すべく、既設配管P内をベイキングする。
ベイキングは、ベイキングヒータ23で窒素ガスボンベ21から送出される窒素ガスを80〜110℃程度まで加熱し、これを既設配管Pに流入し循環させることにより行うが、その前に、予め加熱した洗浄液を再び既設配管P内に流入して配管内の温度を高めてもよい。
すなわち、既設配管Pの洗浄に用いる洗浄液の量は、通常、配管Pの容量の1/3〜1/2程度であり、それよりも多くの洗浄液が洗浄液タンク22に貯留されている。そして、例えば一方向洗浄で配管Pの容量分の洗浄液を洗浄液タンク22から配管P内に送出して洗浄を行い、次いで適宜な温度に加熱された残余の洗浄液を配管Pに流入させて循環させるとともに洗浄液タンク22に戻し、再び前記とは逆方向に加熱された洗浄液を配管Pに流入させて循環させるなどして、配管P内が所定温度になるまで加熱された残余の洗浄液を循環流通させてもよい。この場合、洗浄液タンク22のヒータは、貯留した液の温度制御を行いながら連続加熱する。また、連絡配管PAはその外周にバンドヒータBHを巻いて加温するのが好ましい。
加熱窒素ガスの既設配管Pへの流入は、接続管PBの一方から行い、配管P内を循環させて、他方の接続管PBから排出させ、窒素ガスとともに気化した洗浄液を回収タンク31に流入させ、ガス成分を吸着タンク32と吸収タンク33で吸収し、さらに吸収タンク33から凝縮器42へ送り込み、凝縮器42で液化した洗浄液を回収缶7で回収する。
さらに、加熱窒素ガスの既設配管P内への循環送出を、接続管PBに設けた管内温度計で配管P内の温度を確認しながら、流路方向切替弁CV、CVで流入経路を交互に切り替えて複数回繰り返し、配管P内を循環させて管内の温度を高める。加熱窒素ガスの流入により加熱された配管P内では、残余の洗浄液が熱によって分子間運動が盛んになり、管内壁に付着した洗浄液が離れやすくなり、加熱窒素ガスの流入、循環及び排出を繰り返すことにより、完全にガス化して窒素ガスとともに管外へ排出される。
配管P内が所定温度まで加熱されたことを確認したならば、回路に設けたダイヤフラム式真空ポンプ51で、既設配管P内を真空到達度一杯まで吸引した後、再び窒素ガスを既設配管Pの一方から導入し、配管Pの他方出口にてハロゲン検知器で配管P内の残留ガスの存在を確認する。この際、排出された窒素ガスは回収タンク31内に導入されるようにしておく。そして、もう一度、オイル式真空ポンプ52で既設配管P内の真空乾燥を行った後、再び前記と同様に窒素ガスを導入し、ハロゲン検知器で残留ガスが完全にないことを確認したならば真空乾燥工程が終了し、これにより配管洗浄処理が完了する。前記確認を終了したところで、既設配管Pの接続口を開放し、窒素ガスを管内に残留させたまま粘着テープなどを巻き付けて封止し、新規機器の取り付けに供する。
〔溶剤蒸留再生処理〕
洗浄液として使用した塩化メチレンなどの溶剤は、特別管理産業廃棄物として処理する場合、その取り扱いが不便であり、何よりも環境保護の観点からは廃棄物が全く出ないようにすることが望ましい。そこで、洗浄装置1に溶剤再生部4を設け、蒸留器41と凝縮器42で溶剤の再生処理が行えるようになっている。
再生する溶剤は、前記各タンク31、32、33を介して回収缶7に回収された溶剤であり、これを蒸留器41に投入して蒸留し、溶剤から不純物を分離し、気化した溶剤を凝縮器42で液化し、再び回収缶7で回収する。再生処理は、流路切替弁Vの操作により、洗浄作業中にガス化した又は液化した溶剤を蒸留器41又は凝縮器42に投入して洗浄処理と並行に再生処理がされるようにしてもよいが、洗浄処理後に回収缶7から逐次蒸留器41に溶剤を投入して再生処理がなされるようにしてもよい。この場合、図3に示されるように、回収缶7から自吸ポンプ8で蒸留器41に連続的に溶剤が投入されるように設けてもよい。
〔活性炭賦活処理〕
既設配管Pの洗浄処理を複数回繰り返すと、回収タンク31、吸着タンク32、吸収タンク33の各タンク内に充填された濾過材である活性炭の吸着能力が飽和する。かかる吸着能力を回復させるため、活性炭を賦活させる処理が行えるようになっている。
前記各タンク内の活性炭の賦活は、130℃程度に加熱された空気をジェットノズル(図示せず)を用いて、又はベイキングヒータ23により加熱された窒素ガスを加圧して回収タンク31内に吹き込み、活性炭を加熱して吸着していた溶剤をガス化させる。この際、前記各タンクを連通する接続管34、35の外周にリボンヒータを巻き付けて外側からも加熱する。これにより、活性炭に吸着していた溶剤は完全にガス化され、ガス化した溶剤は配管を通じて凝縮器42へと導入され、溶剤の蒸気を冷却液化し、凝縮器42から回収缶7へと流入させる。
なお、活性炭の賦活処理は、洗浄作業現場において実施可能であるが、加熱に時間を要することから、装置一式を発進基地まで持ち帰って行ってよい。この際、各タンク内の活性炭を別の密閉容器にまとめて収納し、この容器の一側から内部に熱風を吹き入れて加熱し、ガス化した溶剤を容器の他側から取り出し、凝縮器42に導入するようにしてもよい。
〔冷媒再生処理〕
既設の空調機から回収される冷媒は、機種毎にオイルが異なっていたり、オイルが分解して水分や異物が混入したりしており、回収した冷媒を、新規に取り替えた空調機、或いは修理した空調機に充填したのでは、オイルが原因で圧縮機の故障を誘発する。回収した冷媒を産業廃棄物として処理したのでは環境保護の観点から望ましくないことから、本発明の洗浄装置1では回収した冷媒を再生させる機能を装備させている。
例えば図9に示されるように、ドライヤー、膨張弁、油溜り器、油分離器、凝縮器、圧縮機、アキュームレータ、サイトグラス等の各部を備えた冷媒再生機用コンデンシングユニットを利用して、回収用冷媒ボンベの冷媒を再生して同再生冷媒ボンベに回収する場合は、前記凝縮器42を回収冷媒の蒸発器として利用する。
この場合、凝縮器42は、前記ガス化した洗浄液を液化するための凝縮コイルを装備しているが、かかる凝縮コイルを再生冷媒を導入するコイルに兼用し、切り替えて使用することは面倒であり、また、冷媒に不純物が混入する虞れもあることから、図10に示されるように、槽内に溶剤用の凝縮コイル42aと冷媒用のコイル42bとを螺旋状に並置して構成することができる。
すなわち、図11に示されるように、凝縮器42は、前述した既設配管Pの洗浄に用いた洗浄液である溶剤を再生するための溶剤凝縮器としての用途(同図(A))、圧縮機(コンデンシングユニット)の洗浄や修理等で用いた溶剤凝縮器用の冷却器としての用途(同図(B))、ボンベに回収した冷媒を修理済みの圧縮機や新規の圧縮機に充填するため、ボンベに回収した冷媒を再生するための冷媒再生蒸発器としての用途(同図(C))に用いられる。
そして、前記図10に示されるように、凝縮器42の槽内には、溶剤用の凝縮コイル42aと、冷媒用のコイル42bとが螺旋状に並置され、さらにこれらコイルの内側に溶剤を凝縮する際の冷水冷却用コイル42cが設置され、前記各用途における液入力系統を分離した構成に設けてある。すなわち、図11に示された各用途において、図10中でA、B、Cの符号で示された管口に溶剤、冷媒又は冷却水(水又は温水)が各々投入されて、凝縮処理又は蒸発処理がなされる。
なお、図示した洗浄装置の各部の構成は一例であり、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部は洗浄する配管の長さや容量、洗浄場所などに応じて適宜に構成することが可能である。
旧冷媒機を新冷媒機に交換するとともに、本発明により既設配管を洗浄するときの作業工程及び手順の概要を表した図である。 本発明の一実施形態の洗浄装置の処理部の概略構成図である。 図2をより詳細に表した洗浄装置の概略回路構成図である。 洗浄液タンクの構成を断面で示した図である。 洗浄液回収部の各タンクの構成を断面で示した図である。 回収缶の構成を断面で示した図である。 溶剤再生部を構成する蒸留器と凝縮器の構成を示した図である。 溶剤再生部を構成する再生液回収容器の構成を断面で示した図である。 冷媒再生機用コンデンシングユニットの構成を示した図である。 本発明の洗浄装置が装備する多機能凝縮器の平面図と内部矢視図である。 図11の凝縮器の用途別の回路構成を示した図である。
符号の説明
1 洗浄装置、2 洗浄液送出部、3 洗浄液回収部、4 溶剤再生部、5 ポンプ部、6 冷媒再生機用コンデンシングユニット、7 回収缶、21 窒素ガスボンベ、22 洗浄液タンク、23 ベイキングヒータ、24 送液ポンプ、31 回収タンク、32 吸着タンク、33 吸収タンク、41 蒸留器、42 凝縮器、43 再生液回収容器、44 秤、51 ダイヤフラム式真空ポンプ、52 オイル式真空ポンプ、P 既設配管、V 流路開閉バルブ

Claims (3)

  1. 空冷セパレート型空調機の既設冷媒配管を冷媒回収後に洗浄する装置であって、
    既設配管の室内機が接続していた側の管口に連絡配管を接続し、当該配管の室外機が接続していた側の管口に接続管をそれぞれ接続し、
    前記接続管の一方から塩化メチレンなどの溶剤に窒素ガスを混合させてなる洗浄液を配管内に送出し、管内を流通させて洗浄浄化させる洗浄液送出部と、
    前記接続管の他方から排出される洗浄液を回収タンク内に流入させるとともにタンク内でガス成分と溶剤成分とに分離して洗浄液を回収する洗浄液回収部と、
    前記タンク内に回収された溶剤から不純物を分離して溶剤を再生する溶剤再生部と、
    既設配管内を真空引きするためのダイヤフラム式真空ポンプを備えたポンプ部とを有し、
    前記各部を管路上に流路開閉バルブが設けられた配管で互いに接続した状態で台車上に収納して構成された冷媒配管の洗浄装置において、
    前記洗浄液送出部は、
    窒素ガスボンベと、溶剤が投入されるタンクであって底部又は側胴部に加熱ヒータが設けられた洗浄液タンクと、前記窒素ガスボンベから送出される窒素ガスを加熱するベイキングヒータと、送液ポンプとを有して構成されており、
    溶剤が投入された洗浄液タンク内に窒素ガスを送出して溶剤に窒素ガスを混合させた洗浄液を生成し、加熱ヒータを作動させて洗浄液を適宜な温度に加熱させた状態で送液ポンプにより接続管の一方から既設配管内に送出して管内を流通させるとともに、接続管の他方から洗浄液を排出させて回収タンク内に流入させて配管内を洗浄処理し、
    次いで前記と同様に、適宜な温度に加熱させた洗浄液を既設配管内に送出し、管内を循環流通させた後、窒素ガスを既設配管内に送出させて洗浄液を回収タンク内に流入させることにより配管内を加熱処理し、
    さらにベイキングヒータで加熱した窒素ガスを接続管の一方から既設配管内に送出して管内を流通させるとともに、接続管の他方からガスを排出させて回収タンク内に導入させ、さらに前記とは逆にベイキングヒータから加熱窒素ガスを接続管の他方から既設配管内に送出して管内を流通させるとともに、接続管の一方からガスを排出させて回収タンク内に導入させ、
    当該加熱窒素ガスを既設配管内に交互に流通させる工程を繰り返して既設配管を所定温度に加熱処理した後、ダイヤフラム式真空ポンプで既設配管内を真空引きし、管内のガスを前記真空ポンプから回収タンク内に導入することにより既設配管内の残余の洗浄液を回収するように構成され、
    前記洗浄液回収部は、
    回収タンクの内部にステンレス繊維束からなるエリミネータを設けるとともに、濾過材からなるフィルター層が内部に設けられた接続管を介して回収タンクの上部に連通していて内部に濾過材からなるフィルター層を設けた吸着タンクと、内部の一側に濾過材からなるフィルター層、他側に送風機を備えた接続管を介して吸着タンクの上部に連通していて上面に排気口を備え且つ内部にはオイルが貯留されているとともに前記排気口の下方に濾過材からなるフィルター層を設けた吸収タンクとを設け、
    既設配管内を流通させて排出される洗浄液又は液分が混入したガスを回収タンクのエリミネータに衝突させてガス成分と液成分に分離するとともに、分離したガス成分を吸着タンクに導入し、吸着タンクのフィルター層を通してガス成分を吸着し、送風機で接続管内に外気を導入して前記吸着されなかった残余のガス成分と窒素ガスとを希釈して吸収タンク内に吹き込むとともに残余のガス成分を吸収タンクのオイルに吸収させて溶剤を回収するように構成され、
    前記溶剤再生部は、
    回収された溶剤をウォータバスで加熱して気化させる蒸留器と、冷水又は温水が流入される槽内に凝縮コイルを螺旋状に配してなり、コイル内に気化した溶剤を流通させてこれを液化する凝縮器と、頂面内に管連通孔が形成された蓋体と当該蓋体に面する開口上部に濾過材フィルター層が設けられていて内部で溶剤回収缶を支持する容器本体からなる再生液回収容器と、再生液回収容器の重さを量るアラーム付きの秤とを有し、
    洗浄作業中に前記洗浄液回収部の各タンクに回収された溶剤を蒸留器に導入し、又は洗浄作業後に前記洗浄液回収部の各タンクから溶剤回収缶に移入させた溶剤を自吸ポンプを用いて蒸留器に導入して当該蒸留器で溶剤を蒸発させるとともに凝縮器でこれを液化し、液化した溶剤を再生回収容器内の溶剤回収缶に所定の容量だけ流入させるように構成され、
    前記ベイキングヒータで加熱した窒素ガスを前記回収タンク内に吹き入れることにより、前記洗浄液回収部の各タンクと各タンクを接続する接続管の内部に設けられた濾過材を所定温度に加熱して前記濾過材に吸着していた溶剤をガス化させ、このガス化した溶剤を配管を通じて前記溶剤再生部の凝縮器へと導入することにより、前記濾過材から溶剤成分を分離して賦活させるように構成されたことを特徴とする冷媒配管の洗浄装置。
  2. 前記溶剤再生部の凝縮器は、その槽内に、溶剤を流通させて凝縮する溶剤用のコイルと、空調機から回収した冷媒を流通させて蒸発させる冷媒用のコイルとが螺旋状に並置して構成されたことを特徴とする請求項1に記載の冷媒配管の洗浄装置。
  3. 塩化メチレンに代えて洗浄液として、メチルアルコール、イソプロピルアルコール又はこれらと塩化メチレンとの混合液、若しくは水を用いる請求項1又は2に記載の冷媒配管の洗浄装置。
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