JP4864500B2 - 等速自在継手 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械などに用いられる動力伝達装置であり、特に、4WD車やFR車などで使用されるプロペラシャフト等に組み込まれ、軸方向変位を吸収し得る構造を具備した等速自在継手に関する。
4WD車やFR車などの自動車で使用されるプロペラシャフトは、トランスミッションとディファレンシャル間の相対位置変化による軸方向変位と角度変位に対応できる構造とするために等速自在継手を具備する。通常、車両全体の重量軽減という観点から、軽量で、しかも回転バランスおよび振動特性がよいレブロ型(あるいはクロスグルーブ型)と称される摺動型等速自在継手が組み込まれている。
前記レブロ型等速自在継手としては、フロートタイプとノンフロートタイプの二種類に大別され、両タイプはプロペラシャフトが装備される車両の特性(スライド量など)に応じて使い分けられている。
図11に示すように、この両タイプの等速自在継手は、内輪1、外輪2、ボール3およびケージ4を主要な構成要素としている。なお、この図11はフロートタイプを示している。
内輪1は、その外周面に複数のトラック溝6が形成されている。この内輪1の中心孔5にプロペラシャフトのスタブシャフト8を挿入してスプライン嵌合させ、そのスプライン嵌合により両者間でトルク伝達可能としている。なお、スタブシャフト8は、スナップリング11により内輪1に対して抜け止めされている。
そして、外輪2は、内輪1の外周に位置し、その内周面に内輪1のトラック溝6と同数のトラック溝7が形成されている。内輪1のトラック溝6と外輪2のトラック溝7は軸線に対して反対方向に傾斜した角度をなし、対をなす内輪1のトラック溝6と外輪2のトラック溝7との交叉部にボール3が組み込まれている。内輪1と外輪2の間にケージ4が配置され、ボール3は、ケージ4のポケット9内に保持されている。
外輪2が、車両取付け用フランジ(コンパニオンフランジ)(図示省略)に取付けられる。すなわち、車両取付け用フランジと外輪2とでエンドプレート10(継手内部に充填したグリースの漏洩を防ぐと共に異物の侵入を防止するためのキャップ)を挟み込んだ状態で、外輪2の挿通孔17に挿通されるボルト部材(図示省略)を、車両取付け用フランジのねじ孔に螺合させる。これによって、この等速自在継手が車両取付け用フランジに締結される。
前記エンドプレート10は、筒部10aと、反外輪側に膨出する深皿状部10bと、筒部10aと深皿状部10bとを連結するリング状平板部10cとを備える。筒部10aが、外周面16のフランジ側の外輪端部に外嵌される。すなわち、図12に示すように、外輪端部に切欠部20が設けられ、この切欠部20に筒部10aが外嵌されている。なお、リング状平板部10cには、図1に示すように、前記ボルト部材が挿通される貫孔18が設けられている。
また、外輪2の反フランジ側には密封装置15が装着されている。密封装置15は高速回転時のブーツの回転膨張を抑えるために、ブーツ12と金属製のブーツアダプタ13とからなる。ブーツ12は小端部と大端部を有し、中間にてV字形に折り返した格好になっている。ブーツアダプタ13は、大径の筒部13aと、小径の筒部13bと、筒部13a、13bとを連結するリング状平板部13cとを有し、筒部13aが、外周面16の反フランジ側の外輪端部に外嵌される。リング状平板部13cには、前記ボルト部材が挿通される貫孔19が設けられている。
従って、前記ボルト部材によるボルト締めにより、エンドプレート10とブーツアダプタ13とが外輪2に固定されるとともに、エンドプレート10とブーツアダプタ13とが装着された外輪2が車両取付け用フランジに取付けられる。この際、エンドプレート10のリング状平板部10cが外輪2のフランジ側の端面2aに圧接するとともに、ブーツアダプタ13のリング状平板部13cが外輪2の反フランジ側の端面2bに圧接する。また、ブーツ12の小端部はスタブシャフト8に取付けてブーツバンド14で締付けられ、ブーツ12の大端部はブーツアダプタ13の端部を加締めて保持されている。
以上の構成からなるレブロ型等速自在継手は、外輪トラックおよび内輪トラックは互いにクロスしている構造上、継手内部すきま(PCDすきま)を締代で設定できる。このため、継手内部の周方向がたを無くすことができ、高速で回転するプロペラシャフトに適している。
このような等速自在継手は、例えば、自動車メーカー以外の工場で組立てられ、図11に示すような状態のまま、自動車メーカー等に搬送され、自動車メーカー等で車両に組み込まれる。このため、外輪2の挿通孔17に挿通されるボルト部材を介して、車両取付け用フランジ(コンパニオンフランジ)に装着される。このため、搬送中等において、エンドプレート10やブーツアダプタ13がはずれないように、従来では、エンドプレート10やブーツアダプタ13を外輪2に圧入していた。
しかしながら、エンドプレート10やブーツアダプタ13を圧入で取付けると、継手内部すきまは締代設定であるため、これらの取付け(圧入)により更に継手内部は締代がきつくなる。すなわち、エンドプレート10やブーツアダプタ13はプレス加工品であるため、内径の製造公差は機械加工品に比べると大きく、外輪2との締代も大きくなる。
このため、初期の継手単体(ブーツ、エンドプレート、シャフト等の組み付け前の状態)のスライド抵抗値の設定に対して、ブーツ、エンドプレート等の圧入組み付けにより、ジョイントアッシーとしての抵抗値は上昇することになる。
スライド抵抗の上昇(過大)は、プロペラシャフトの車両取付け作業性の低下、継手内部発熱上昇による寿命低下、車両の振動発生等を招く。
そのため、エンドプレートを外輪に装着する方法として、外輪に外嵌させないものもある(特許文献1及び特許文献2)。特許文献1に記載のものは、外輪の外端面にざぐり部を設けるとともに、エンドプレートの外縁部に第1の爪と第2の爪を設けている。すなわち、ざぐり部の内周面が、開口部から底部に向かって拡径するテーパ面とされ、このテーパ面にエンドプレートの第1の爪が弾性的に当接するとともに、ざぐり部の底部にエンドプレートの第2の爪が当接するようにしている。
また、特許文献2に記載のものは、前記特許文献1に記載のものと同様、外輪の外端面にざぐり部を設け、このざぐり部に緩衝部材を介してエンドプレートの円形平板部を嵌合させている。
実開平5−79056号公報 独国特許DE19736546A1
前記特許文献1に記載のものでは、締結用ボルトを締付ける前の状態では、ざぐり部のテーパ面にエンドプレートの第1の爪を弾性的に当接させることによって、外輪にいわゆる仮止めされた状態で、車両組み付け場所まで搬送されることになる。しかしながら、このような仮止め状態では、エンドプレートの保持力が小さく、搬送等の取り扱い時に外輪から外れるおそれがある。
また、特許文献2に記載のものでは、締結用ボルトを締付ける前の状態では、エンドプレートは外輪に対して仮止めもなされない状態である。このため、車両組み付け場所まで搬送する際には、エンドプレートを別部材として搬送する必要があり、その取り扱い性に劣ることになる。
本発明は、上記課題に鑑みて、スライド抵抗の過大化が解消でき、車両取付け作業性、耐久性、車両振動特性の向上を図れる等速自在継手を提供する。
本発明の等速自在継手は、内輪の外周面と外輪の内周面の各々に直線状のトラック溝を軸方向に対して互いに反対方向に傾斜させた状態で軸方向に形成し、両トラック溝の交叉部にボールを組み込み、それらボールを前記内輪の外周面と外輪の内周面との間に配置したケージにより保持し、かつ車両取付け用フランジ側の外輪端部に外嵌される筒部を有するエンドプレートを装着するとともに、反フランジ側の外輪端部に外輪開口部を塞ぐ密封装置を装着した等速自在継手において、前記密封装置は、反フランジ側の外輪端部に外嵌される筒部を有する金属製のブーツアダプタと、内輪に連結されるシャフトと前記ブーツアダプタとに装着されるブーツとからなり、エンドプレートおよびブーツアダプタの筒部に、内径側に突出する突起部を設け、かつ、外輪の外周面の軸方向端部に周方向切欠部を設けるとともに、この周方向切欠部の底面に凹所を設け、突起部が外輪の外径面に摺接する圧入によって、筒部が外輪に外嵌されて、締付ボルトによる締付前に突起部が凹所に嵌合し、締付ボルトによる締付にてエンドプレートおよびブーツアダプタが外輪に対して軸方向に押付けられた固定状態で、筒部の内周面と外輪の外周面との間に隙間が形成されて、前記突起部の凸曲面部が凹所に嵌合して凹所の底部に圧接乃至当接するものである。
本発明の等速自在継手では、エンドプレート及びブーツアダプタの筒部の突起部が、外輪に設けられた凹所に嵌合するので、エンドプレート及びブーツアダプタが締付けボルト等にて締付ける前であっても、エンドプレート及びブーツアダプタを外輪に保持させることができる。
また、筒部が外輪に固定された状態で、筒部の内周面と外輪の外周面との間に隙間が形成されるので、この外嵌固定状態では、外輪に対する内径方向の締付け力が小さくて済む。しかも、密封装置が、金属製のブーツアダプタと、ブーツとからなるので、高速回転時のブーツの回転膨張を抑えることができる。
エンドプレートおよびブーツアダプタが外輪に固定された状態で、筒部の開口端の軸方向外方側に空間が形成される。これにより、締付ボルトによる締付力を、エンドプレートおよびブーツアダプタを変形等させることなく安定して付与することができる。
前記突起部を筒部の内周面に周方向に沿って所定ピッチで複数個が配設される小凸隆部で構成することができる。また、前記突起部を筒部の軸方向中央部に設けたものであってもよい。さらに、前記突起部が筒部の軸方向端部に設けたものであっても、筒部の軸方向端部を内径側に折り返して突起部を構成したものであってもよい。また、突起部の断面形状が断面Vの字状であっても、内径側に膨出する凸曲状であってもよい。
本発明の等速自在継手によれば、エンドプレート及びブーツアダプタが締付けボルト等にて締付ける前であっても、エンドプレート及びブーツアダプタを外輪に保持させることができる。このため、車両組み付け(取付け)時においては、エンドプレートやブーツアダプタは外輪に取付けられた状態であるので、取り扱い性が向上する。
また、突起部を有する筒部が外輪に外嵌固定された状態で、この筒部の内周面は、突起部を省いて外輪の外周面との間に隙間が形成されるので、この外嵌固定状態では、外輪に対する内径方向の締付け力が小さくて済む。このため、スライド抵抗の過大化が防止でき、車両取付け作業性、耐久性、車両振動特性の向上を図ることができる。
エンドプレートおよびブーツアダプタが外輪に固定された状態で、筒部の開口端の軸方向外方側に空間が形成されるので、締付ボルトによる締付力を、エンドプレートおよびブーツアダプタを変形等させることなく安定して付与することができる。これにより、エンドプレートおよびブーツアダプタを確実に外輪に固定でき、しかも、PCDすきまに影響を与えない。
本発明に係る等速自在継手の実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
本発明の実施形態として、ケージの最小内径を内輪の最大外径よりも大きく設定したフロートタイプのレブロ型(あるいはクロスグルーブ型)等速自在継手を図1と図2に示す。なお、ノンフロートタイプにも適用可能である。
この実施形態における等速自在継手は、内輪21、外輪22、ボール23およびケージ24を主要な構成要素としている。
内輪21は、その外周面に複数のトラック溝26が形成されている。この内輪21の中心孔25にスタブシャフト28を挿入してスプライン嵌合させ、そのスプライン嵌合により両者間でトルク伝達可能としている。なお、スタブシャフト28は、スナップリング31により内輪21に対して抜け止めされている。
外輪22は、内輪21の外周に位置し、その内周面に内輪21のトラック溝26と同数のトラック溝27が形成されている。内輪21のトラック溝26と外輪22のトラック溝27は、図2に示すように軸線に対して反対方向に傾斜した角度(トラック交叉角α)をなし、対をなす内輪21のトラック溝26と外輪22のトラック溝27との交叉部にボール23が組込まれている。内輪21と外輪22の間にケージ24が配置され、ボール23はケージ24のポケット29内に保持されている。
外輪22が、中空部33を有する車両取付け用フランジ(コンパニオンフランジ)34に装着される。すなわち、外輪22には周方向に沿って所定ピッチで配設される軸方向の挿通孔35が設けられ、この挿通孔35に挿通されるボルト部材(締付ボルト)36を、車両取付け用フランジ34のねじ孔30に螺合させる。これによって、この等速自在継手を車両取付け用フランジ34に締結することができる。
外輪22の反フランジ側には密封装置50が装着されている。密封装置50は高速回転時のブーツの回転膨張を抑えるために、ブーツ52と金属製のブーツアダプタ53とからなる。ブーツ52は小端部52bと大端部52aを有し、中間にてV字形に折り返した格好になっている。ブーツアダプタ53は、大径の筒部53aと、小径の筒部53bと、筒部53aと筒部53bとを連結するリング状平板体53cとを備える。また、ブーツ52の小端部52bはスタブシャフト28に取付けてブーツバンド54で締付けられている。ブーツ52の大端部52aはブーツアダプタ53の端部を加締めて保持されている。
車両取付け用フランジ側の外輪端部にエンドプレート37が装着されている。エンドプレート37は、車両取付け用フランジ側の継手開口部を塞ぐものであって、継手内部に充填したグリースの漏洩を防ぐと共に異物の侵入を防止する。エンドプレート37は、車両取付け用フランジ側の外輪端部に外嵌される筒部37aと、反外輪側に膨出する深皿状部37bと、筒部37aと深皿状部37bとを連結するリング状平板部37cとを備える。
図3に示すように、エンドプレート37の筒部37aには内径側に突出するリング状膨出部からなる突起部40が設けられるとともに、外輪22の外周面38の切欠部42にはこの突起部40が嵌合する凹所41が設けられている。すなわち、突起部40は、その断面形状が内径側に膨出する凸曲状であり、外輪22の外周面38の一方の端部38aに周方向に沿って切欠部42が形成され、この切欠部42に凹所41が形成されている。突起部40の曲率半径が凹所41の曲率半径よりも小さく設定されている。このため、突起部40が凹所41に嵌合した状態では、この突起部40の軸方向両側部に隙間48、49が形成される。
また、エンドプレート37のリング状平板部37cには、周方向に沿って所定ピッチで貫孔47が設けられ、この貫孔47に前記締付ボルト36が挿通されることによって、エンドプレート37は、リング状平板部37cが外輪22のフランジ側の外輪端面22aに当接して、外輪22とフランジ34との間で挟持状に保持される。そして、エンドプレート37が外輪22に取付けられた状態では、筒部37aの内周面43が外輪22の外周面切欠部42及び切欠周面44に当接せずに隙間45が形成される。この状態で、突起部40が凹所41に嵌合する。
すなわち、図4に示すように、外輪22の切欠部42の径寸法(エンドプレート取付部外径)をD1とし、凹所41の底径(凹所最小径)をD2とし、エンドプレート37の筒部37aの内径をd1とし、突起部40の内径をd2としたときに、D1<d1の関係とするとともに、d2<D1の関係とする。
この際、d2をD2よりも僅かに小さく設定するのが好ましい。これによって、突起部40が凹所41の底部に圧接する。すなわち、突起部40を凹所41に圧入することになる。なお、このような圧入では、内径方向への締付力が小さく、継手内部への影響をほとんど与えない。また、d2とD2とを同一として、突起部40を凹所41の底部に当接(接触)する程度であってもよい。
図3に示すように、切欠部42の軸方向長さLを、エンドプレート37の筒部37aの軸方向長さL1よりも長くしている。このため、締付ボルト36を締付けることによって、エンドプレート37を外輪22に装着した状態において、筒部37aの開口端の筒部軸方向外方側に空間Sが形成される。
図5に示すように、前記密封装置50のブーツアダプタ53の筒部53aには内径側に突出する突起部55が設けられるとともに、外輪22の外周面38の切欠部57にはこの突起部55が嵌合する凹所56が設けられている。すなわち、突起部55は、前記図3に示す突起部40と同様の断面形状であり、外輪22の外周面38の他方の端部38bに周方向に沿って切欠部57が形成され、この切欠部57に凹所56が形成されている。突起部55の曲率半径が凹所56の曲率半径よりも小さく設定され、この突起部55の軸方向両側部に隙間62、63が形成される。
また、ブーツアダプタ53のリング状平板体53cには周方向に沿って所定ピッチで貫孔61が設けられ、この貫孔61に前記締付ボルト36を挿通することによって、ブーツアダプタ53を外輪22に取付けることができる。すなわち、締付ボルト36をフランジ34のねじ孔30に螺着することによって、エンドプレート37とブーツアダプタ53とを外輪22に取付けることができるとともに、エンドプレート37とブーツアダプタ53が装着された外輪22をフランジに取付けることができる。なお、エンドプレート37及びブーツアダプタとはパッキン等にてシールすることができ、グリース漏れ等のおそれはない。
この場合も、ブーツアダプタ53と外輪22とは、エンドプレート37と外輪22との関係と同様の関係である。すなわち、外輪22の切欠部57の径寸法(アダプタ取付部外径)をD1とし、凹所56の底径(凹所最小径)をD2とし、ブーツアダプタ53の筒部53aの内径をd1とし、突起部55の内径をd2としたときに、D1<d1の関係とするとともに、d2<D1の関係とする。これによって、筒部53aの内周面58が外輪22の外周面切欠部57及び切欠周面64に当接せずに隙間65が形成された状態となる。この状態では突起部55が凹所56に嵌合する。
この場合でも、d2をD2よりも僅かに小さく設定するのが好ましい。これによって、突起部55が凹所56の底部に圧接する。すなわち、突起部55を凹所56に圧入することになる。なお、このような圧入では、継手内部への影響をほとんど与えない。また、d2とD2とを同一として、突起部55を凹所56の底部に当接(接触)する程度であってもよい。
切欠部57の軸方向長さLとしても、ブーツアダプタ53の筒部53aの軸方向長さL1よりも長くしている。これによって、締付ボルト36を締付けることによって、リング状平板体53cが外輪22の反フランジ側の外輪端面22bに当接させた状態で、突起部55を凹所56に嵌合させることができる。しかも、この状態で筒部53aの開口端の軸方向外方側に空間Sが形成される。
本発明によれば、エンドプレート37及びブーツアダプタ53が締付ボルト36にて締付ける前であっても、エンドプレート37及びブーツアダプタ53を外輪に保持させることができる。このため、車両組み付け(取付け)時においては、エンドプレートやブーツアダプタは外輪に取付けられた状態であるので、取り扱い性が向上する。
また、突起部40、55を有する筒部37a、53aが外輪に外嵌固定された状態で、この筒部37a、53aの内周面43、58は、突起部40、55を省いて外輪22の外周面切欠部42、57及び切欠周面44、64との間に隙間45、65が形成されるので、この外嵌固定状態では、外輪に対する内径方向の締付け力が小さくて済む。このため、スライド抵抗の過大化が防止でき、車両取付け作業性、耐久性、車両振動特性の向上を図ることができる。
エンドプレート37およびブーツアダプタ53が外輪22に固定された状態で、筒部37a、53aの開口端の軸方向外方側に空間Sが形成される。これにより、締付ボルト36による締付力を、エンドプレート37およびブーツアダプタ53を変形等させることなく安定して付与することができる。エンドプレート37およびブーツアダプタ53を確実に外輪22に固定でき、しかも、継手内部すきま(PCDすきま)に影響を与えない。
ところで、エンドプレート37の突起部40としては、図6に示すように、その断面形状がVの字状であってもよい。また、図7と図8に示すように、突起部40を筒部37aの軸方向端部に設けてもよい。突起部40は、図7では断面が円弧状であり、図8では断面がVの字状である。また、図9に示すように、筒部37aの軸方向端部に内径方向折曲部66を形成することによっても、突起部40を構成することができる。
図6〜図9に示す場合であっても、締付ボルト36による締付にてエンドプレート37が外輪22に対して軸方向に押付けられた固定状態で、筒部37aの内周面43と外輪22の外周面切欠部42及び切欠周面44との間に隙間45が形成されて、前記突起部40が凹所41に嵌合する。また、エンドプレート37が外輪22に固定された状態で、筒部37aの開口端の軸方向外方側に空間Sが形成される。このため、図6〜図9に示すものであって、図3等に示すものと同様の作用効果を奏することができる。
また、前記実施形態では、突起部40が周方向に連続したものであったが、図10に示すように、突起部40が筒部37aの内周面43に周方向に沿って所定ピッチで複数個が配設される小凸隆部であってもよい。
図6から図10では、エンドプレート37と外輪22との関係を示したが、このような、突起部40及び凹所41をブーツアダプタ53の筒部53a及び外輪22の外周面切欠部57に設けてもよい。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、筒部37a、53aの内周面43、58と外輪22の外周面切欠部42,57及び切欠周面44、64との間に隙間45、65の大きさとしては、任意に設定することができるが、例えば、0.3mm以下に設定するのが好ましい。これを超えると、筒部の外径が大きくなって、フランジ34等への取付け性が劣ることになる。また、筒部37a、53aの開口端の軸方向外方側に形成される空間Sを省略してもよい。この際、締付ボルト36を締付けた際に、筒部37a、53aの開口端が切欠部42、57の切欠内端に当接する程度が好ましい。
本発明の実施形態を示す等速自在継手の断面図である。 前記等速自在継手の内輪および外輪におけるトラック交叉角を説明するための部分正面図である。 前記等速自在継手のエンドプレートの装着状態の要部断面図である。 前記等速自在継手の外輪とエンドプレートの分解断面図である。 前記等速自在継手のブーツアダプタの装着状態の要部断面図である。 エンドプレートの第1変形例の要部断面図である。 エンドプレートの第2変形例の要部断面図である。 エンドプレートの第3変形例の要部断面図である。 エンドプレートの第4変形例の要部断面図である。 エンドプレートの第5変形例の要部簡略図である。 従来の等速自在継手の断面図である。 従来の等速自在継手の要部拡大断面図である。
符号の説明
21 内輪
22 外輪
23 ボール
24 ケージ
26、27 トラック溝
34 フランジ
36 締付ボルト
37 エンドプレート
37a 筒部
38 外周面
53a 筒部
40、55 突起部
41、56 凹所
42、57 切欠部
43、58 内周面
44、64 切欠周面
45、65 隙間
50 密封装置
52 ブーツ
53 ブーツアダプタ
66 内径方向折曲部
S 空間

Claims (9)

  1. 内輪の外周面と外輪の内周面の各々に直線状のトラック溝を軸方向に対して互いに反対方向に傾斜させた状態で軸方向に形成し、両トラック溝の交叉部にボールを組み込み、それらボールを前記内輪の外周面と外輪の内周面との間に配置したケージにより保持し、かつ車両取付け用フランジ側の外輪端部に外嵌される筒部を有するエンドプレートを装着するとともに、反フランジ側の外輪端部に外輪開口部を塞ぐ密封装置を装着した等速自在継手において、
    前記密封装置は、反フランジ側の外輪端部に外嵌される筒部を有する金属製のブーツアダプタと、内輪に連結されるシャフトと前記ブーツアダプタとに装着されるブーツとからなり、エンドプレートおよびブーツアダプタの筒部に、内径側に突出する突起部を設け、かつ、外輪の外周面の軸方向端部に周方向切欠部を設けるとともに、この周方向切欠部の底面に凹所を設け、前記突起部が外輪の外径面に摺接する圧入によって、筒部が外輪に外嵌されて、締付ボルトによる締付前に突起部が凹所に嵌合し、締付ボルトによる締付にてエンドプレートおよびブーツアダプタが外輪に対して軸方向に押付けられた固定状態で、筒部の内周面と外輪の外周面との間に隙間が形成されて、前記突起部の凸曲面部が凹所に嵌合して凹所の底部に圧接乃至当接することを特徴とする等速自在継手。
  2. エンドプレートおよびブーツアダプタが外輪に固定された状態で、筒部の開口端の軸方向外方側に空間が形成されることを特徴とする請求項1の等速自在継手。
  3. 前記突起部が筒部の内周面の全周に配設されるリング状膨出部であることを特徴とする請求項1又は請求項2の等速自在継手。
  4. 前記突起部が筒部の内周面に周方向に沿って所定ピッチで複数個が配設される小凸隆部であることを特徴とする請求項1又は請求項2の等速自在継手。
  5. 前記突起部を筒部の軸方向中央部に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかの等速自在継手。
  6. 前記突起部を筒部の軸方向端部に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかの等速自在継手。
  7. 筒部の軸方向端部を内径側に折り返して前記突起部を構成したことを特徴とする請求項6の等速自在継手。
  8. 前記突起部の断面形状がVの字状であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかの等速自在継手。
  9. 前記突起部の断面形状が内径側に膨出する凸曲状であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかの等速自在継手。
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