JP4863906B2 - 光輝性膜および光輝性膜の製造方法 - Google Patents

光輝性膜および光輝性膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4863906B2
JP4863906B2 JP2007061503A JP2007061503A JP4863906B2 JP 4863906 B2 JP4863906 B2 JP 4863906B2 JP 2007061503 A JP2007061503 A JP 2007061503A JP 2007061503 A JP2007061503 A JP 2007061503A JP 4863906 B2 JP4863906 B2 JP 4863906B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
metal
electrical insulating
metal layer
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007061503A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008221557A (ja
Inventor
健 桃野
雄介 橋本
篤 中塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ulvac Inc filed Critical Ulvac Inc
Priority to JP2007061503A priority Critical patent/JP4863906B2/ja
Publication of JP2008221557A publication Critical patent/JP2008221557A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4863906B2 publication Critical patent/JP4863906B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

この発明は、光輝性膜および光輝性膜の製造方法に関するものである。
モバイル機器のマイクロ波透過筐体や、自動車部品レーダー透過エンブレムなどには、メタリックな色調を有し、かつ電気的には絶縁体として機能する(ミリ波やマイクロ波を透過させる)薄膜材料である光輝性膜が利用されている。この光輝性膜は、例えばIn,Sn等の低融点材料を、例えば蒸着法により樹脂やフィルム等の基材にアイランド状に成膜することで、上述の機能を発現させるものである(例えば、特許文献1および2参照)。このとき、In,Sn等の金属層の厚さが、通常200Å以上になると連続膜になり、不導体特性が消失する。
特開2004−263216号公報 特開2003−252137号公報
しかしながら、上記従来の光輝性膜は、金属層の厚さを200Å以下の非常に薄い膜にする必要があるため、基材上に形成された金属膜の機械的強度が低く、スクラッチ痕等が容易に発生し、審美的外観・意匠性が損なわれるという問題があった。また、金属層の厚さが薄く不連続であるため、光学的にも十分な反射が得られないという問題があった。
そこで、本発明は、機械的強度が高く、反射性が良好な光輝性膜を提供するものである。さらには、制御性の良い光輝性膜の製造方法を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る光輝性膜は、アイランド状に形成された光反射性を有する金属層と光透過性を有する電気絶縁層とが、交互に複数積層されたことを特徴とする。
このように構成することで、電気絶縁層により金属層を保護することができる。また、電気絶縁層に光を透過させ、金属層によって反射させるとともに、電気絶縁層の表面によっても光を反射させ、反射性を向上させることができる。したがって、機械的強度が高く、反射性が良好な光輝性膜を得ることができる。
また、このように構成することで積層した状態の複数の金属層および電気絶縁層により光を反射させることができる。また、金属層と電気絶縁層とを交互に複数積層させることで電気絶縁性を確保しつつ、光輝性膜の膜厚を厚くして硬度を上げることができる。したがって、機械的強度が高く、反射性が良好な光輝性膜を得ることができる。
また、本発明は、前記金属層がIn,Sn,Zn,Pb,Mgのうち、少なくとも一以上の元素から構成されていることを特徴とする。
このように構成することで、基材上に反射性の良いメタリックな色調の金属層を得ることができるとともに、これらの低融点の金属元素を用いることで金属層をアイランド状に形成することが容易になる。したがって、反射性が良好で金属層が不導体特性を備えた光輝性膜を得ることができる。
また、本発明は、前記電気絶縁層がSiまたは、Si,Al,Mg,Sn,In,Znのうち少なくとも一以上の酸化物、窒化物もしくは酸窒化物で構成されていることを特徴とする。
このように構成することで、金属層の保護に必要な硬度を有し、光透過性を備えた電気絶縁層を形成することができる。したがって、光輝性膜の反射性および機械的強度を向上させることができる。
また、本発明は、前記金属層の厚さが200Å以下であることを特徴とする。
このように構成することで、金属層の成膜時に金属層が連続膜となることを防止することができる。したがって、不導体特性を備えた光輝性膜を得ることができる。
また、本発明は、前記電気絶縁層の厚さが10Å以上であることを特徴とする。
このように構成することで、電気絶縁層により金属層間の絶縁性を確保することができる。また、電気絶縁層の硬度を上昇させて金属層を効果的に保護することができる。したがって、光輝性膜の不導体特性を維持し、かつ機械的強度を向上させることができる。
また、本方法発明は、光反射性を有する金属材料からなる第1ターゲットと、光透過性を有する電気絶縁材料からなる第2ターゲットとを、筒型の基材ホルダにおける周方向の異なる位置であって前記基材ホルダの表面から離間させて配置し、前記基材ホルダの表面に基材を固定し、前記基材ホルダを中心軸の周りに回転させつつ、前記基材ホルダと前記第1ターゲットとの間に設けられた第1シャッターと、前記基材ホルダと前記第2ターゲットとの間に設けられた第2シャッターとを開閉させて、スパッタリングを行うことにより、前記基材上に、前記金属材料からなるアイランド状の金属層と、前記電気絶縁材料からなる電気絶縁層とを、交互に複数積層形成することを特徴とする。
このように製造することで、スパッタリングのパワーとシャッターの開閉時間によって膜厚を制御することができる。したがって、例えば蒸着法等の従来の方法と比較して、膜厚の制御性を良くすることができる。また、金属層および電気絶縁層が交互に複数積層された光輝性膜を、容易に製造することができる。
本発明によれば、電気絶縁層により金属層を保護することができる。また、電気絶縁層に光を透過させ、金属層によって反射させるとともに、電気絶縁層の表面によっても光を反射させ、反射性を向上させることができる。したがって、機械的強度が高く、反射性が良好な光輝性膜を得ることができる。
また、本方法発明によれば、スパッタリングのパワーとシャッターの開閉時間によって膜厚を制御することができる。したがって、例えば蒸着法等の従来の方法と比較して、膜厚の制御性を良くすることができる。さらに、金属層および電気絶縁層が交互に複数積層された光輝性膜を、容易に製造することができる。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態の第1の金属層3の断面図である。図1に示すように、光輝性膜10は、例えば、ポリカーボネート、ABS、PET等の透明で耐候性を有するプラスチック製の基材1の表面に形成されている。なお基材1の表面に、例えばアクリル樹脂等により平坦化処理が施されていてもよい。
基材1の表面には、光反射性を有する金属部2が間隔を開けてアイランド状に複数形成されている。ここで、金属部2は、メタリックな色調を備え、反射性が良好で、融点の低い金属材料により形成されていることが望ましい。したがって、金属部2は、例えばIn,Sn,Zn,Pb,Mgのうち、少なくとも一以上の元素から構成されていることが望ましい。このアイランド状の金属部2は、基材1表面の全面に渡って均一に形成され、基材1上に第1の金属層3を形成している。
図2は基材1上に第1の金属層3としてSnを異なる厚さT1で形成したときの膜厚(Å)と第1の金属層3の抵抗値(シート抵抗Ω/□)の関係を示すグラフである。
図2に示すように、Snの膜厚T1が200Å以下のときは、電気抵抗値は測定範囲外(10Ω/□以上)である。しかし、Snの膜厚T1が200Åを超えると、電気抵抗値は急激に低下し、第1の金属層3の不導体特性を維持することが不可能である。
また、Snの膜厚T1が200Å以下のときに、第1の金属層3は、図1に示すように間隔を開けてアイランド状に形成された金属部2によって構成されている。
したがって、図1に示す金属層3の厚さT1は200Å以下とすることが望ましい。また、金属層の厚さT1の下限は、例えば金属層の反射性および機械的強度等を考慮して適宜決定するものとする。
図3は図1の金属層3に電気絶縁層4を積層させた光輝性膜20の断面図である。
図3に示すように、基材1上に形成された第1の金属層3を構成する金属部2を覆うように、光透過性を有する第1の電気絶縁層4が積層されている。ここで、電気絶縁層4は、電気絶縁性と光透過性を備え、金属層3を保護することができる硬度を備えた材料によって形成されている。したがって、電気絶縁層4は、例えばSiまたはSi,Al,Mg,Sn,In,Znのうち少なくとも一以上の酸化物、窒化物もしくは酸窒化物で構成されていることが望ましい。また、電気絶縁層4は、アイランド状の金属部2同士の隙間に入り込むと同時に、各金属部2の図示上部を覆うようにして形成されている。また、金属部2の図示上部を覆う電気絶縁層4の厚さT2は、後述する理由から10Å以上とすることが望ましい。
図4は、基材1上に電気絶縁層4、金属層6および電気絶縁層7を順に積層させた光輝性膜21の断面図である。
図4に示すように、基材1上には図3と同様の電気絶縁層4を最初に形成してもよい。電気絶縁層4上には、図1の金属部2と同様の金属部5が形成されている。さらに、この金属部5の上側には、図3の電気絶縁層4と同様の電気絶縁層7が積層形成されている。
図5は、図3の電気絶縁層4上に金属層6,8,…と電気絶縁層7,9,…とを交互に複数積層させた光輝性膜22の断面図である。
図5に示すように、第1の電気絶縁層4の図示上面には基材1上に形成された金属部2と同様の金属部5がアイランド状に間隔を開けて複数形成され、第1の電気絶縁層4上に第2の金属層6が積層形成されている。さらに第2の金属層6上には、第1の電気絶縁層4と同様に第2の電気絶縁層7が形成されている。同様に、第2の電気絶縁層7上には金属層8,…および電気絶縁層9,…が交互に繰り返し積層形成されている。これにより、例えば基材1上に各10層ずつ、合計20層の金属層3,6,8,…および電気絶縁層4,7,9,…からなる光輝性膜22を形成している。なお、図5においては、図示都合上、第3の電気絶縁層9以降を省略して表している。
次に、この実施の形態の作用について説明する。
図6は構成の異なる数種類の光輝性膜10,20,21の反射率および鉛筆硬度を示したグラフである。ここで反射率は、Alの薄膜を基材上に十分に蒸着させた時の反射率を100%とした(Al蒸着膜レファレンス)。
図6に示すように、図示左端の縦軸に反射率の目盛りを百分率で表示し、図示右端の縦軸を鉛筆硬度とし、スクラッチ痕等を防止するための好ましい硬度Fを基準として表示している。また、横軸には、基材上に形成した層の構成が異なる数種類の光輝性膜10,20,21を表示している。
例えば、図6の横軸の左端に示す“In/PC”は、図1に示すように、ポリカーボネート(PC)の基材1の表面に、第1の金属層3がInによって形成された光輝性膜10を表している。また、図6の横軸の左から3番目に示す“Si/In/PC”は、図3に示す光輝性膜20において、ポリカーボネート(PC)の基材1表面に、第1の金属層3をInによって形成し、第1の金属層3上に第1の電気絶縁層4をSiによって形成したものである。さらに、図6の横軸の右端に示す“SiO/Sn/SiO/PC”は、図4に示す光輝性膜21において、ポリカーボネート(PC)の基材1表面に、第1の電気絶縁層4をSiOによって形成し、第2の金属層6をSnによって積層形成し、さらに第2の電気絶縁層7をSiOによって積層形成したものである。
すなわち、光輝性膜10,20,21の上側の層の材質から下側の層の材質までを順番に、スラッシュ(/)で区切って表示し、最後に基材1の材質を表示している。
また、ここでは、金属層3,6の厚さを全て200Åとし、電気絶縁層4,7の厚さも全て200Åとして、各光輝性膜10,20,21を形成した。
図6に示すように、これらの各構成の光輝性膜10,20,21に波長550nmの可視光を照射して反射率を測定するとともに、鉛筆硬度を測定し、得られた反射率を丸印(○)、鉛筆硬度を三角印(△)としてグラフ中にプロットした。
その結果、図1に示すように光輝性膜10の構成を“In/PC”および“Sn/Pc”として、基材1上に第1の金属層3のみを形成した場合、各構成の光輝性膜10の反射率はそれぞれ60%であり、鉛筆硬度はFよりも小であった。
これに対して、図3に示すように光輝性膜20の構成をそれぞれ“Si/In/PC”、“Si/Sn/PC”、および“SiO/Sn/PC”として、基材1上の第1の金属層3の上に第1の電気絶縁層4を積層形成した構成とした場合、各構成の光輝性膜20の反射率はそれぞれ65%に上昇し、鉛筆硬度は好ましい硬度Fに上昇した。
その理由は、次のように考えられる。
図3に示すように、金属層3と電気絶縁層4とを積層し、高硬度の電気絶縁層4により金属層3を保護することで、図6に示すように光輝性膜20の鉛筆硬度を向上させることができる。また、電気絶縁層4によって光を透過させて金属層3によって反射するとともに、電気絶縁層4の表面によっても光を反射することができる。さらに、金属部2表面と電気絶縁層4表面の間での反射増加効果により、図6に示すように光輝性膜20の反射性をより向上させることができる。
したがって、図3に示すように金属層3および電気絶縁層4が各一層ずつ積層された光輝性膜20であっても、図1に示す従来の金属層3のみの場合の光輝性膜10と比較して、反射性および機械的強度を向上させることができる。
さらに、図4に示すように、光輝性膜21の構成をそれぞれ“Si/In/Si/PC”、“Si/Sn/Si/PC”、および“SiO/Sn/SiO/PC”とした場合、図6に示すように、各構成の光輝性膜22の反射率はそれぞれ85%に上昇した。また、“Si/In/Si/PC”および“Si/Sn/Si/PC”の各構成の鉛筆硬度はFよりも大きく、より好ましい硬度に上昇した。また、“SiO/Sn/SiO/PC”の構成の鉛筆硬度は上述の構成よりもさらに大きく、さらに好ましい硬度であった。
その理由は、次のように考えられる。
図4に示すように、電気絶縁層4、金属層6、電気絶縁層7を交互に積層させたことで、硬度の高い電気絶縁層4,7によって金属層6を保護し、光輝性膜21の厚さを増加させて、鉛筆硬度をより向上させることができる。また、電気絶縁層7によって光を透過させて金属層6によって反射するとともに、電気絶縁層7表面によっても光を反射することができる。さらに金属層6表面と電気絶縁層7表面の間での反射増加効果に加え、金属層6の金属部5の間を透過した光が電気絶縁層4によって反射され、または金属層6と電気絶縁層4の間での反射増幅効果により、図6に示すように光輝性膜21の反射性をより向上させることができる。
よって、本実施の形態によれば、機械的強度が高く、反射性が良好な光輝性膜20,21を得ることができる。
次に、図5に示す光輝性膜22において、金属層3,6,8,…をSnによって形成し、その厚さT1を200Åとし、電気絶縁層4,7,9,…をSiによって形成し、その厚さT2を光輝性膜22毎に変化させて、電気絶縁層4,7,9…の厚さT2が異なる複数の光輝性膜22を形成した。なお金属層3,6,8,…および電気絶縁層4,7,9,…を各10層ずつ、合計20層形成した。
そして、これら電気絶縁層の厚さT2が異なる各光輝性膜22に波長550nmの可視光を照射して反射率を測定するとともに、鉛筆硬度およびシート抵抗を測定した。図7はその測定結果を表したグラフである。図7に示すように、電気絶縁層の厚さの異なる光輝性膜22毎に、得られた反射率を丸印(○)、シート抵抗を四角印(□)によってグラフ中にプロットした。
なお反射率および鉛筆硬度については、Siの厚さ(膜厚)が5Åの場合に鉛筆硬度がFよりも若干低くなるものの、その他の光輝性膜22においてはいずれも良好な結果が得られた。また、Siの膜厚を10Å以上とすることで硬度がF以上となることが確認できた。
図7に示すように電気絶縁層4,7,9,…であるSiの厚さ(膜厚)を5Åとした場合、光輝性膜22の電気抵抗(シート抵抗)は200Ω/□であった。これに対して、Siの厚さ(膜厚)を10Åとした場合、光輝性膜22の電気抵抗(シート抵抗)は測定範囲外(10Ω/□以上)であった。また、Siの厚さ(膜厚)を100Åおよび200Åとした場合にも、光輝性膜22の電気抵抗(シート抵抗)はそれぞれ測定範囲外(10Ω/□以上)であった。また、電気絶縁層4,7,9,…をSi,Al,Mg,Sn,In,Znのうち少なくとも一以上の酸化物、窒化物もしくは酸窒化物で構成することで、同様の結果が得られた。
その理由として、図7に示すように、電気絶縁層4,7,9,…の厚さを10Å以上とすることで、電気絶縁層4,7,9,…によって、金属層3,6,8,…同士の間に電気が導通することを防止できるからであると考えられる。したがって、電気絶縁層4,7,9,…の厚さを10Å以上とすることにより、光輝性膜の不導体特性を維持することができる。また、電気絶縁層4,7,9,…の硬度を上昇させて金属層3,6,8…を効果的に保護し、光輝性膜22の機械的強度を向上させることができる。
以上に述べたように、本実施の形態によれば、図3に示すように、金属層3と電気絶縁層4とを積層したことで、電気絶縁層4により金属層3を保護することができ、光輝性膜20の機械的な強度を向上させることができる。また、電気絶縁層4による光反射および光反射増加効果により、光輝性膜20の反射性を向上させることができる。したがって、金属層3および電気絶縁層4が各一層ずつ積層された光輝性膜20であっても、図1に示す従来の金属層3のみの場合の光輝性膜10と比較して、機械的強度が高く、反射性が良好な光輝性膜20を得ることができる。
また、図5に示すように、金属層3,6,8,…および電気絶縁層4,7,9,…を交互に複数積層させることで、複数の金属層3,6,8,…による光反射、複数の電気絶縁層4,7,9,…による光反射および光反射増幅効果により、反射性が良好な光輝性膜22を得ることができる。
(光輝性膜の製造装置)
次に、本実施の形態における光輝性膜の製造装置について説明する。
図8は本実施の形態の光輝性膜20,21,22の製造装置を表す概念構成平面図である。
図8に示すように、スパッタ装置30は筒形の真空槽31を備えている。真空槽31の内部の中心部には筒形の基材ホルダ32が設置されている。基材ホルダ32の回転軸は、ギア、モータ、制御装置、電源等により構成された回転制御装置(不図示)により自在に回転可能となっている。また、基材ホルダ32の表面には、基材固定機構(不図示)を備えた基材固定部33が複数設けられ、基材1を基材ホルダ32の表面に等間隔で複数固定することが可能となっている。
また、真空槽31の内壁にはターゲットホルダ34,35が間隔を開けて設けられ、真空槽31外部のスパッタ成膜用DC電源および制御装置(不図示)に接続されている。また、真空槽31には排気口36が設けられ、排気口36に連結された排気管37の途中にはバルブ38が開閉可能に設けられている。排気管37は外部の排気ポンプ(不図示)等に連結されている。また、真空槽31にはガス導入口39が設けられている。ガス導入口39にはガス供給管40が接続されて途中にバルブ41が開閉可能に設けられ、ガス供給管40はさらに不活性ガス供給制御装置(不図示)に接続されている。
また、ターゲットホルダ34,35と基材ホルダ32の間には開閉可能なシャッター42、43が設けられている。シャッター42,43は、ギア、モータ、コントローラ、電源等により構成された開閉制御装置(不図示)により、自在に開閉制御可能となっている。
(光輝性膜の製造方法)
次に、本実施の形態における光輝性膜の製造方法について説明する。
まず、スパッタ装置30のターゲットホルダ34、35に、Snメタルターゲット44およびSiターゲット45を基材ホルダ32から離間させた状態で固定する。次に、基材ホルダ32表面の基材固定部33に、例えば、ポリカーボネートの基材1を固定する。
次に、排気管37に設けられたバルブ38を開き、排気ポンプによって真空槽31を、例えば10−3Paまで真空排気した後、バルブ38を閉じる。次いで、ガス供給管40のバルブ41を開いて不活性ガス供給制御装置から、例えばArガス等の不活性ガスを導入し、真空槽31の内部が、例えば10−1Paになったところで、バルブ41を閉じて、不活性ガスの供給を停止する。
次に、スパッタリング法により、基材1上に金属層3を形成する。具体的には、ターゲットホルダ34のスパッタ成膜用DC電源よりDCパワーを印加し、Snメタルターゲット44にスパッタ放電を発生させる。このとき、基材ホルダ32の回転制御装置により、基材ホルダ32を任意の速度、例えば1rpmで矢印R方向に回転させる。そして、スパッタ成膜用DC電源の制御装置および、シャッター42の開閉制御装置により、DCパワーおよびシャッター42の開放時間を任意に制御しながら、基材1上にSn原子からなる金属層3をアイランド状に形成する。
次に、同様の手順によってSiターゲット45をスパッタ放電させて、金属層3上に光透過性を有する電気絶縁層4を積層形成する。
次に本実施の形態における製造方法の作用について説明する。
基材1上にスパッタリング法により金属層3を形成する際に、DCパワーおよびシャッター42の開閉時間を任意に設定することができるので、従来の蒸着による成膜方法と比較して、光輝性膜20,21,22製造時の金属層3,6,8…および電気絶縁層4,7,9,…の厚さの制御性を向上させることができる。
また、金属層3,6,8…および電気絶縁層4,7,9,…の厚さの制御性を向上させることで、これらをそれぞれ200Å以下、10Å以上の厚さに容易に制御することができる。また、基材ホルダを回転させつつスパッタリング法を行うことにより、基材1上に金属層3,6,8…および電気絶縁層4,7,9,…を交互に複数積層させた光輝性膜20,21,22を、容易に製造することができる。
したがって、本実施の形態の製造方法によれば、従来の蒸着による成膜方法と比較して膜厚の制御性を改善することができる。また、機械的強度が高く、反射性が良好で、別途エッチング等の工程を設けることなく不導体特性を備えた光輝性膜20,21,22を得ることができる。
尚、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、金属層および電気絶縁層数は任意であってよい。さらに、基材上に最初に形成されるのは金属層でなく電気絶縁層であってもよい。また、光輝性膜の最表面に金属層が形成される構成としてもよい。
また、上述の実施の形態においては、特定の材質の金属層、および電気絶縁層について説明したが、これらは上述の実施の形態で説明した材質に限られない。すなわち、金属層はIn,Sn,Zn,Pb,Mgのうち、少なくとも一以上の元素から構成されていればよく、電気絶縁層はSiまたは、Si,Al,Mg,Sn,In,Znのうち少なくとも一以上の酸化物、窒化物もしくは酸窒化物で構成されていればよい。
また、真空槽内部の圧力、不活性ガスの種類、不活性ガス導入後の真空槽内部の圧力、基材ホルダの回転速度等は適宜変更可能である。
本発明の実施の形態における金属層の断面図。 本発明の実施の形態における金属層の厚さと抵抗値の関係を示すグラフ。 本発明の実施の形態における金属層に電気絶縁層を積層させた光輝性膜の断面図。 本発明の実施の形態における金属層と電気絶縁層とを交互に積層させた光輝性膜の断面図。 本発明の実施の形態における金属層と電気絶縁層とを交互に複数積層させた光輝性膜断面図。 本発明の実施の形態における光輝性膜の反射率および鉛筆硬度を示したグラフ。 本発明の実施の形態における電気絶縁層の厚さと光輝性膜の反射率、鉛筆硬度およびシート抵抗の関係を表したグラフ。 本発明の実施の形態における光輝性膜の製造装置を表す概念構成平面図。
符号の説明
1 基材、3 第1の金属層(金属層)、4 第1の電気絶縁層(電気絶縁層)、6 第2の金属層(金属層)、7 第2の電気絶縁層(電気絶縁層)、8 第3の金属層(金属層)、9 第3の電気絶縁層(電気絶縁層)、32 基材ホルダ、42 シャッター(第1シャッター)、43 シャッター(第2シャッター)、44 Snターゲット(第1ターゲット)、45 Siターゲット(第2ターゲット)、T1 金属層の厚さ、T2 電気絶縁層の厚さ

Claims (6)

  1. アイランド状に形成された光反射性を有する金属層と光透過性を有する電気絶縁層とが、交互に複数積層されたことを特徴とする光輝性膜。
  2. 前記金属層がIn,Sn,Zn,Pb,Mgのうち、少なくとも一以上の元素から構成されていることを特徴とする請求項1記載の光輝性膜。
  3. 前記電気絶縁層がSiまたは、Si,Al,Mg,Sn,In,Znのうち少なくとも一以上の酸化物、窒化物もしくは酸窒化物で構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光輝性膜。
  4. 前記金属層の厚さが200Å以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光輝性膜。
  5. 前記電気絶縁層の厚さが10Å以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光輝性膜。
  6. 光反射性を有する金属材料からなる第1ターゲットと、光透過性を有する電気絶縁材料からなる第2ターゲットとを、筒型の基材ホルダにおける周方向の異なる位置であって前記基材ホルダの表面から離間させて配置し、
    前記基材ホルダの表面に基材を固定し、前記基材ホルダを中心軸の周りに回転させつつ、前記基材ホルダと前記第1ターゲットとの間に設けられた第1シャッターと、前記基材ホルダと前記第2ターゲットとの間に設けられた第2シャッターとを開閉させて、スパッタリングを行うことにより、
    前記基材上に、前記金属材料からなるアイランド状の金属層と、前記電気絶縁材料からなる電気絶縁層とを、交互に複数積層形成することを特徴とする光輝性膜の製造方法。
JP2007061503A 2007-03-12 2007-03-12 光輝性膜および光輝性膜の製造方法 Active JP4863906B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007061503A JP4863906B2 (ja) 2007-03-12 2007-03-12 光輝性膜および光輝性膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007061503A JP4863906B2 (ja) 2007-03-12 2007-03-12 光輝性膜および光輝性膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008221557A JP2008221557A (ja) 2008-09-25
JP4863906B2 true JP4863906B2 (ja) 2012-01-25

Family

ID=39840721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007061503A Active JP4863906B2 (ja) 2007-03-12 2007-03-12 光輝性膜および光輝性膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4863906B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3021310B1 (fr) * 2014-05-23 2022-11-18 Saint Gobain Substrat muni d'un empilement a couche metallique partielle, vitrage et procede.
FR3021311A1 (fr) * 2014-05-23 2015-11-27 Saint Gobain Substrat muni d'un empilement a couche metallique partielle, vitrage et procede.
JP6872336B2 (ja) * 2016-09-27 2021-05-19 株式会社ファルテック レーダカバー
CN112020423B (zh) * 2018-04-23 2023-07-28 日东电工株式会社 电磁波透过性金属光泽物品、及金属薄膜
JP7319081B2 (ja) * 2018-04-23 2023-08-01 日東電工株式会社 電磁波透過性金属光沢物品
CN112004665A (zh) * 2018-04-23 2020-11-27 日东电工株式会社 电磁波透过性金属光泽物品及其制造方法
WO2019208494A1 (ja) * 2018-04-23 2019-10-31 日東電工株式会社 電磁波透過性金属光沢物品、及び、金属薄膜
KR20210005575A (ko) * 2018-04-23 2021-01-14 닛토덴코 가부시키가이샤 전자파 투과성 금속 광택 물품, 및, 금속 박막
WO2019208499A1 (ja) * 2018-04-23 2019-10-31 日東電工株式会社 電磁波透過性金属光沢物品
CN112020424A (zh) * 2018-04-23 2020-12-01 日东电工株式会社 电磁波透过性金属光泽物品
WO2019208488A1 (ja) * 2018-04-23 2019-10-31 日東電工株式会社 電磁波透過性金属光沢物品
WO2019208493A1 (ja) * 2018-04-23 2019-10-31 日東電工株式会社 電磁波透過性金属光沢物品、及び、加飾部材
CN112020422A (zh) * 2018-04-23 2020-12-01 日东电工株式会社 电磁波透过性金属光泽物品、及装饰构件
WO2019208489A1 (ja) * 2018-04-23 2019-10-31 日東電工株式会社 電磁波透過性金属光沢物品
WO2019208504A1 (ja) * 2018-04-23 2019-10-31 日東電工株式会社 電磁波透過性金属光沢物品、及び、金属薄膜
CN112004664B (zh) * 2018-04-23 2023-05-30 日东电工株式会社 电磁波透过性金属光泽物品

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0657869B2 (ja) * 1986-10-17 1994-08-03 日本電信電話株式会社 多層薄膜作製装置
JPH05139789A (ja) * 1991-11-19 1993-06-08 Kanebo Ltd 色彩異方ガラス
JPH107439A (ja) * 1996-06-20 1998-01-13 Central Glass Co Ltd 居住性を高めたガラス板
DE10026454C1 (de) * 2000-05-27 2001-12-20 Daimler Chrysler Ag Radom für ein Abstands-Warn-Radar (AWR)
JP2006005515A (ja) * 2004-06-16 2006-01-05 Altia Hashimoto Co Ltd 電波等の透過装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008221557A (ja) 2008-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4863906B2 (ja) 光輝性膜および光輝性膜の製造方法
EP2831707B1 (en) Transparent body for use in a touch screen panel manufacturing method and system
TWI606373B (zh) 用於觸控面板之透明體及製造用於觸控螢幕面板之透明體的方法與系統
WO2019144595A1 (zh) 壳体、移动终端及溅射镀膜装置
US9920421B2 (en) Transparent body for a touch panel manufacturing method and system for manufacturing a transparent body for a touch screen panel
TWI486973B (zh) 透明導電層壓薄膜、其製造方法以及包含該透明導電層壓薄膜的觸控螢幕
WO2009110090A1 (ja) 加飾部品
US11402559B2 (en) Optical filter with layers having refractive index greater than 3
AU2493801A (en) Anti-static, anti-reflection coating
FR2925981A1 (fr) Substrat porteur d'une electrode, dispositif electroluminescent organique l'incorporant.
JP2010173273A (ja) 機器用筐体、機器用装飾体及び変色の抑制方法
JP2011508374A (ja) 平坦化有機薄膜およびコンフォーマル有機薄膜を含む多層封止膜
JP2014511285A (ja) レーダー透過性を有するコーティング
CN104241315A (zh) 发光显示装置及其制造方法
JP2016065297A (ja) 金属調皮膜及び金属調皮膜の製造方法
KR101847751B1 (ko) 입력 장치에 사용되는 전극, 및 그 제조 방법
WO2014171149A1 (ja) 透明導電体及びその製造方法
CN213537738U (zh) 有色玻璃
TW201611371A (zh) 阻障層堆疊、用以製造阻障層堆疊的方法、及超高阻障層與抗反射系統
JP2000241612A (ja) 反射鏡
JP6108941B2 (ja) 導電積層膜及びタッチパネル
JP5528591B2 (ja) 電磁波透過性加飾部品
JP3751922B2 (ja) 反射防止フィルム、およびこれを用いたディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置
JP5497790B2 (ja) インサート成形用装飾フィルム、インサート成形品及びインサート成形用装飾フィルムの製造方法
WO2015087895A1 (ja) 透明導電体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110909

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111011

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111108

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141118

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4863906

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250