JP4863895B2 - 耐汚染性接着フィルム及び耐汚染性構造体 - Google Patents

耐汚染性接着フィルム及び耐汚染性構造体 Download PDF

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Description

本発明は、耐汚染性接着フィルムまたは耐汚染性構造体に関する。
近年、街頭の店舗シャッターや看板等の屋外広告物等への落書き、あるいは広告やビラ等の貼付物による汚染により、街頭の美観が損なわれ、また落書きや貼付物により汚染された物(対象物)はその価値が下げられている。これらの現象は、社会問題の一つとなっており、落書きや貼付物による汚染の防止、あるいはこれらによる汚染の容易な除去方法等が求められている。
従来、落書き防止性能を付与するためにシリコンオイルやワックスを添加した塗料を被着体に塗布し、シリコーン系樹脂塗料やフッ素樹脂系塗料など塗装するなどして汚染防止塗膜を形成することが提案されてきた。また、ビーズ含有樹脂を用いて凹凸状塗膜を形成する、あるいはエンボスによって表面凹凸を形成することにより、貼紙防止または除去性能を有するシート類が提案されてきた。
具体的には、ベースフィルム上にビーズ含有樹脂層を形成し、さらに離型性樹脂層を形成した貼紙防止用マーキングシート(例えば、特許文献1参照。)、熱可塑性樹脂シートのエンボス面にシリコーン硬化樹脂層を設け、他面に接着剤層及び剥離層を順次設けた貼り紙防止用粘着シート(例えば、特許文献2参照。)、及び下塗り塗料を用いて凹凸上塗膜を形成し、その上に湿気硬化形ポリシロキサン樹脂を含有するクリア樹脂を形成した汚染防止方法(例えば、特許文献3参照。)が開示されている。
また、下塗りエポキシ樹脂系プライマー、中塗り湿気硬化形シリコンアクリル樹脂、上塗り常温硬化型シリコーン樹脂クリアの順に塗膜を構成した落書きインク除去性及び貼り紙剥離性塗膜が開示されているが、その落書き除去性能は、落書きをラッカーシンナーでふき取ることにより達成されている(例えば、特許文献4参照。)。
さらにまた、樹脂組成物からなる複数の先細突起が規則的に配置されたことを特徴とする防滑性シートが開示されている(例えば、特許文献5、特許文献6参照。)。
しかしながら、これら従来技術においては、落書き等の汚染を容易にかつ十分に除去する性能、及び貼紙を容易にかつ十分に除去する性能の両方を併せ持つ接着フィルムや構造体は開示されていない。
実開昭63−16120号公報 特開平10−121022号公報 特開平10−216619号公報 特開2004−167396号公報 特開平10−502305号公報 特開2003−39582号公報
本発明は、落書きによる汚染を容易にかつ十分に除去でき、かつ貼紙を容易にかつ十分に除去することのできる接着フィルムまたは構造体を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、表面に微細構造を有する表面クリア層、前記表面クリア層の表面に対向する面に設けられたベースフィルム層、及び前記ベースフィルム層の前記表面クリア層と対向する面に設けられた接着剤層を有する汚染防止フィルムであって、前記表面クリア層が、表面自由エネルギーが32mJ/m2以下の樹脂からなり、前記微細構造が、前記表面に規則的に配置された先細突起を備え、前記先細突起が所定の繰り返しパターンをもって規則的に前記表面クリア層の表面に配置され、前記先細突起の配置密度が500〜7000個/cm2であり、かつ前記先細突起の高さが5〜80μmである耐汚染性接着フィルムを提供するものである。
また本発明は、表面自由エネルギーが32mJ/m2以下の樹脂からなり、表面に微細構造を有し、前記微細構造が前記表面に規則的に配置された先細突起を備え、前記先細突起が所定の繰り返しパターンをもって前記表面に配置され、前記先細突起の配置密度が500〜7000個/cm2であり、かつ前記先細突起の高さが5〜80μmである耐汚染性構造体を提供するものである。
本発明の耐汚染性接着フィルムまたは耐汚染性構造体により、落書きによる汚染、及び貼紙を容易に除去するという二つの性能を同時に達成することができる。そして、これらフィルムまたは構造体を、対象物すなわち、電柱、壁、トネンル、または店舗シャッターなどのコンクリート面や塗装面に施工することによって、これら対象物上の、ラッカースプレーや油性マジック等による落書きを容易に除去することができ、かつこれら対象物上に貼り付けられた広告やビラ等の貼紙を、その痕跡を残さず容易に剥離することが可能となる。
本発明の表面クリア層は、表面自由エネルギーが32mJ/m2以下の樹脂からなる。
表面自由エネルギーとは、液体または固体の表面にある分子が、その分子間引力の一部を断ち切るのに要する過剰の自由エネルギーである。表面の分子は、内部にある分子と違って、周囲を他の分子により取り囲まれていないため、過剰の自由エネルギーが必要となる。
本発明では、かかる表面自由エネルギーの値が、32mJ/m2以下であることが好ましい。
表面自由エネルギーが32mJ/m2以下の樹脂としては、例えば、シリコーン系ポリマー、フッ素系ポリマー、アクリル系ポリマー、及びウレタン系ポリマーからなる群から選ばれる一種以上のポリマーを必須成分とする樹脂を挙げることができる。
前記ポリマーとして、具体的には例えば、クリアヴェール(登録商標、菊水化学工業株式会社製)、マジックアート(登録商標、大日本塗料株式会社製)、レジガード(商標)FAリニュー(大日本塗料株式会社製)、パピレス(登録商標)100クリアー(ナトコ株式会社製)、フレッセラ(登録商標)D(松下電工株式会社製)、シルビア(登録商標)SPヨゴレガード(日本特殊塗料株式会社製)、KS(登録商標)セラトン(菊水化学工業株式会社製)及びアミックスコーン(登録商標、アトミクス株式会社製)等を挙げることができる。
前記樹脂には、主剤としての前記ポリマーのほかに、表面改質剤、硬化剤、界面活性剤、硬質ビーズ、または架橋剤等従来公知の添加剤を適宜添加することが可能である。
本発明の表面クリア層は、その表面に微細構造を有する。前記微細構造は、規則的に配置された先細突起から構成される。
前記先細突起は、所定の繰り返しパターンをもって規則的に前記支持体表面に配置され、先細突起のそれぞれが互いに交差する複数の溝に囲まれている、いわゆるパターン配列突起である。前記所定の繰り返しパターンは、規則的である必要があるが、突起同士が、連続的に配置されているか不連続に配置されているかを問わない。ここで「連続的に配置されている」とは、各突起の底辺の全てが、隣接する突起の底辺にそれぞれ接していることを意味する。また「不連続に配置されている」とは、各突起の底辺のいずれかが、隣接する突起の底辺と接していない、すなわち前記表面クリア層の表面に、水平な平面部分が存在することを意味する。
前記先細突起の形状は、各々の突起が均一な形状であり、かつ先端が尖っていれば特に限定されない。前記先細突起形状として、略角錐または略円錐、あるいは三角錐、四角錐、または円錐等を挙げることができる。
前記先細突起の配置密度は、表面クリア層の表面微細構造の先端突起の単位面積あたりの個数(個/cm2)であり、光学顕微鏡を用いて測定することができる。測定の際は、例えば、突起底面が四角形の場合は各辺の長さを用い、円形の場合は直径を用いることができる。前記配置密度は500〜7000個/cm2であることが好ましく、600〜7000個/cm2、600〜3000個/cm2、または1000〜3000個/cm2であることがより好ましい。
前記先細突起は、後述するようにエンボス加工により表面クリア層の表面に施すことができる。
前記先細突起の高さは、突起底面から、最も離れた先端突起の最先端部分までの最短距離であり(図2参照)、エンボス加工時に使用するエンボスロール表面のエンボスの深さに依存する。前記先細突起の高さは、1〜80μmが好ましく、5〜80μm、5〜30μm、10〜80μm、または10〜30μmがより好ましい。
本発明の表面クリア層の厚さは、前記表面クリア層がベースフィルム層に接している面から、前記先細突起の最先端部分までの最短距離である。その厚さは、本発明の効果を発揮できる限り特に限定されず、比較的薄いものから比較的厚いものまで、製造及び使用が可能であり、本発明の接着フィルムにおいては、通常5〜200μm、あるいは10〜100μmであり、本発明の構造体では、通常5〜2500μmである。
本発明の表面クリア層は、1N/25mm以下の非粘着性(接着力)を有するため、有効な貼紙防止性能を有する。1N/25mm以下の非粘着性とは、貼付物が風等によって自然剥離する値とされている。
本発明のベースフィルム層は、少なくともその一方の面上に本発明の表面クリア層を形成でき、さらにその面と対向する面上に接着剤層が形成できるフィルムであれば特に制限はない。この様なフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートのようなポリエステル、ポリオキシアルキレングリコールと該ポリエステルとからなるポリエーテルエステル、ポリオレフィン、塩化ビニル、ウレタン、または(メタ)アクリル系のポリマーから成るフィルムを挙げることができる。本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味する。
前記ベースフィルム層の厚さは、特に限定されないが、通常5〜250μm、あるいは10〜300μmの範囲である。
本発明の接着剤層の接着剤は、特に限定されないが、通常、粘着性ポリマーを含有する感圧接着剤である。この様な感圧接着性の接着層としては、例えば、粘着性ポリマーを含有する単層フィルム状の感圧接着フィルムや、2つの感圧接着層を有する両面接着シートが好適に使用される。
前記接着剤層は、例えば、粘着性ポリマーを含有する接着剤の塗膜から形成できる。好ましい接着剤は、粘着性ポリマーと粘着性ポリマーを架橋する架橋剤とを含有する。本明細書において粘着性ポリマーとは、常温(約25℃)で粘着性を示すポリマーである。粘着性ポリマーとしては、アクリル系ポリマー、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリエステル等が使用できる。
前記接着剤層の厚さは、特に限定されないが、通常5〜500μm、あるいは10〜300μmの範囲である。
本発明の耐汚染性接着フィルムにおいては、前記接着剤層の前記ベースフィルム層とは反対側にライナー(剥離紙)を備えることが可能である。このようなライナーは、粘着テープなどの分野で一般的に使用されているものでよく、特定の部材に限定されるものではない。本発明で使用するのに好適なライナーとしては、例えば、紙、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、または酢酸セルロース等のプラスチック材料、あるいはこのようなプラスチック材料で被覆又はそれを積層された紙やその他の材料などである。これらのライナーは、そのまま使用してもよいが、シリコーン処理あるいはその他の方法で処理して剥離特性を向上させた後に使用するのが好ましい。また、ライナーの厚さは特に限定されないが、通常約25〜500μm、あるいは約50〜200μm程度が好ましい。
本発明の表面クリア層の製造において、先細突起は、従来公知の方法により形成することができる。
例えば、エンボス加工により隆起した部分を備えた微細構造化ライナー(表面クリア層前駆体)を作製し、このライナー上に樹脂組成物の層を施した後に当該ライナーを剥離して表面クリア層とする方法がある。当該方法の具体例は実施例に記載したとおりである。
あるいは、表面に先細突起が形成されていない樹脂組成物からなるシート(表面クリア層前駆体)を用意し、前記シートの表面にエンボス加工を施して、表面に先細突起を有する表面クリア層とする方法がある。
前記エンボス加工は、通常、加工用ロールとバックアップロールとの間に表面クリア層前駆体を挟み、加工用ロール表面の粗さを転写する様にして行う。すなわち、表面クリア層表面に付与したい凹凸形状や粗さに対応する、所定の凹凸形状や粗さを表面に有する加工用ロールを表面クリア層前駆体表面に圧接し、エンボス加工する。エンボス加工は、加熱しながら行うのが好ましい。加熱温度は、通常120〜270℃、好適には130〜260℃である。また圧力は、通常約0.4〜1.0MPaの範囲である。
上記加工用ロールは、通常スチールロールの表面に金属メッキ(クロム等)したものを用い、表面粗さの制御を精密に行うのが好ましい。
上記バックアップロールは、上記加工用ロールと同じ材質のものでも良いが、通常、ラバーやコットン等の柔軟な材料からなる表面被覆材を金属ロールの表面に巻きつけて形成した、軟質ロールを使用する。
なお、その他の加工条件は、従来のシートの保護層の表面をエンボス加工する一般的な方法に順ずる。前記表面クリア層前駆体を構成する樹脂組成物がポリエステル等の熱硬化性樹脂を含む場合、エンボス加工による突起形成を容易にするために、支持体とその裏面に密着した熱可塑性樹脂層からなるクッション材を用いて、前記表面クリア層前駆体にエンボス加工を施すのが良い。前記クッション材の厚さは、通常25〜500μmである。
本発明の耐汚染性接着フィルムは、上述の各構成要素、すなわち表面クリア層、ベースフィルム層、及び接着剤層を従来公知の方法により積層して製造することができる。
例えば、剥離ライナー上に接着剤層を、別の剥離ライナー上にベースフィルム層をそれぞれ形成した後、これらをドライラミネート加工等により貼りあわせ、ベースフィルム層の剥離ライナーを除去した後、別途作成した表面クリア層を貼り合わせる方法、あるいは、表面微細構造を有するライナー上に形成した表面クリア層に、さらにベースフィルム層を形成して、別途剥離ライナー上に形成した接着剤層とドライラミネート加工等により張り合わせる方法等である。
本発明の耐汚染性構造体は、前記表面クリア層から構成される。表面クリア層については前述のとおりである。
かかる耐汚染性構造体は、(1)接着剤等によりそのまま種々の対象物に貼り付けて使用する、(2)前記構造体の微細構造を有する面と対向する面に適当な接着剤層を設けてから種々の対象物に貼り付けて使用する、あるいは(3)接着や粘着以外の方法により対象物に取り付けたり、対象物を被覆したりして使用する等種々の形態による使用が可能である。
上記(1)の使用例として、本発明の構造体を、従来から用いられている樹脂に適する種々の接着剤・粘着剤により、電柱、壁、トネンル、または店舗シャッターなどのコンクリート面や塗装面等の対象物にそのまま貼り付けることが挙げられる。
上記(2)の場合、本発明の構造体の表面と対向する面に設ける接着剤層は、従来公知のものであればその組成、厚さ、その他いかなる性質のものでも良い。必要に応じて、当該粘着層の表面クリア層と反対側に従来公知の剥離ライナーを設けることが可能である。
上記(3)の使用例としては、本発明の構造体単独で、あるいはさらに、適当な支持体を前記構造体の微細構造を有する面と対向する面に貼り合せて、電柱等を被覆してボルトや鋲等の留め具で固定して使用すること、あるいは壁、トネンル、または店舗シャッターなどのコンクリート面や塗装面等、特に接着剤・粘着剤による固定が困難な対象物にボルトや鋲等の留め具で固定して使用すること等が考えられる。
(クリア樹脂の製造)
樹脂1:主材としてクリアヴェール(登録商標、2液型シリコーン樹脂、菊水化学工業株式会社製)を、硬化剤としてイソシアネート系樹脂硬化剤(菊水化学工業株式会社製)を用い、重量比で主材/硬化剤=4/1となるように配合した。
樹脂2:主材としてマジックアート(登録商標、2液型シリコーン変性フッ素樹脂塗料、大日本塗料株式会社製)を、硬化剤としてイソシアネート系樹脂硬化剤(大日本塗料株式会社製)を用い、重量比で主材/硬化剤=4/1となるように配合した。
樹脂3:主材としてルミフロン(登録商標)LF910LM(2液型フッ素樹脂塗料 固形分66%、旭硝子株式会社製)を、硬化剤としてスミジュール(登録商標)N3300(住友バイエルウレタン株式会社製)を用い、重量比で主材/硬化剤=4.7/1となるように配合した。
(表面自由エネルギーの測定)
各種樹脂をナイフコートによりライナー上に、乾燥後厚さが10μmとなるように塗布した後、ライナーから乾燥後の樹脂を剥離してサンプルを得た。ライナーとしては、紙ベース両面ポリエチレンラミネート剥離紙(3M社製)を使用した。
協和界面科学株式会社製全自動接触角計CA−W150、及び表面自由エネルギー解析ソフトウエア(表面自由エネルギー解析アドインソフトウェア FAMAS)を用いて、各サンプルの表面自由エネルギーを測定した。プローブ液体は、水、エチレングリコール、n−ヘキサデカンを用い、北崎・原の理論を用いて解析した。結果を表1に示した。
(突起配置密度の測定)
光学顕微鏡により、突起底面が四角形の場合は各辺の長さを用い、また円形の場合は直径を用いて測定した。結果を表1に示した。
(イージークリーニング性の測定)
イージークリーニング性とは、落書き除去性能を表す指標であり、油性マーキングペン及びラッカースプレーに対する性能を評価することにより表した。各種試験片を、パルテック社製メラミン焼付け塗装板に貼付け、試験片とした。この試験片の表面に油性マーキングペンとラッカースプレーで落書きをし、室温で1日放置した後、乾いたウエスでふき取った際の塗膜面状態を目視にて観測した。完全に除去できれば○、落書きが残る場合は×で評価した。油性マーキングペンは、マジックインキ(登録商標)black(寺岡化学工業社製)と、ピースマーカー赤(三菱鉛筆株式会社製)の2種類を使用した。ラッカースプレーは、ホビースプレー赤(コーナン商事株式会社製)を使用した。結果を表1に示した。
(非粘着性の測定)
非粘着性とは、貼紙防止性能をあらわす指標であり、試験片への粘着テープ接着力を評価することにより表した。試験片をパルテックス製メラミン焼付け塗装板に貼り付け試験片とした。貼り付け試験片に20℃環境下でマスキングテープ(住友スリーエム株式会社性 Scotch(登録商標)紙マスキングテープNo250)を貼り付けた。貼り付けはJIS Z 0237 8.2.3 に従って実施した。同温度下で48時間放置した後、180°剥離強度をテンシロンで測定した。結果を表1に示した。
実施例1〜3、比較例1〜5及び7
エンボスロールをダイヤモンド工具で切削するか、またはレーザー加工して、溝の上部、溝の底部、及び底角におけるピッチ、深さ、幅のことなる以下の7パターンのロールを作成した。当該7パターンのロール(A〜G)と、これらを使用した実施例・比較例との関係は次のとおりである。
ロールA:実施例1及び比較例7
ロールB:実施例2〜3
ロールC:比較例1
ロールD:比較例2
ロールE:比較例3
ロールF:比較例4
ロールG:比較例5
ポリエチレン加工紙のポリエチレン上にシリコーン被覆をした剥離ライナーを、加熱されたゴムロールと上記各エンボスロールとの間でエンボス加工し、隆起した部分を備えた微細構造化ライナーを作製した。ポリエチレン加工紙は、Rexam社またはInccoat社から入手可能である。得られたライナー上の微細構造は、各ロールの表面の形状を反映しており(逆形状となっている)、表1に示す配置密度、突起高さを有する。
続いて、得られたライナー上に各クリア樹脂溶液を塗布した後、95℃で20分間乾燥して、表面クリア層を形成した。得られた各表面クリア層の厚さは、「各表面クリア層にの突起高さ(図2参照)」と「表面クリア層全体から突起を除いた部分の厚さ(図2参照;30μm)」の合計値となった。
アクリルポリオール樹脂(デスモフェン(登録商標)A365、住友バイエルウレタン株式会社製)とHDI型イソシアネート樹脂(スミジュール(登録商標)N3300、住化バイエルウレタン株式会社製)をNCO/OH当量比=1.0となるように混合して得られたベースフィルム層樹脂溶液を前記表面クリア層にナイフコートにより塗布し、95℃で20分間乾燥して30μm厚さの透明ベースフィルム層を形成した。
さらに、イソオクチルアクリレート/メチルアクリレート/アクリル酸エステル共重合体で組成比が70:22.5:7.5(重量比)からなるアクリル系粘着剤を準備した。溶剤は酢酸エチル、固形分40%。アクリル系粘着剤/アジリジン系架橋剤(1,1’−イソフタロイル-ビス(2−メチルアジリジン))=100:0.21(固形分比)の粘着剤組成物を準備し、ナイフコートにより紙ベース両面ポエリエチレンラミネート剥離紙上に乾燥後の厚さが30μmになるように塗布した。90℃で5分間加熱し乾燥及び架橋して接着剤層を得た。
得られた接着剤層と、前記透明ベースフィルムをドライラミネート加工によりして接着フィルムを得た。
比較例6
アクリルポリオール樹脂(デスモフェン(登録商標)A365、住友バイエルウレタン株式会社製)とHDI型イソシアネート樹脂(スミジュール(登録商標)N3300、住化バイエルウレタン株式会社製)をNCO/OH当量比=1.0となるように混合しベースフィルム層樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液を50μm剥離処理ポリエステルフィルムにナイフコートより塗布し、95℃で20分間乾燥し30μm厚さの透明ベースフィルム層を形成した。
表1に表記されている樹脂1に対してプラスチックビーズ(タフチック(商標)AR650L、東洋紡績株式会社製)を固形分比で10重量%になるように添加しクリア層樹脂溶液を得た。ナイフコートにより前記透明ベースフィルム層上に塗布し、95℃で20分間乾燥及び架橋した。さらに実施例1と同様にアクリル系粘着剤組成物を形成し、前記剥離処理ポリエステルフィルムを剥離した面のベースフィルム層とドライラミネート加工し接着フィルムを得た。
参考例1
微細化構造ライナーを紙ベース両面ポリエチレンラミネート剥離紙(3M社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
Figure 0004863895
本発明の耐汚染性接着フィルムの代表的な構造である。 本発明の表面クリア層、または耐汚染性構造体の代表的な構造である。 連続な先端突起を有する本発明の表面クリア層、または耐汚染性構造体表面の断面図である。 不連続な先端突起を有する本発明の表面クリア層、または耐汚染性構造体表面表面の断面図である。
符号の説明
1 表面クリア層
2 ベースフィルム層
3 接着剤層
4 剥離紙
5 突起高さ
6 表面クリア層全体から突起を除いた部分の厚さ
7 表面クリア層の厚さ

Claims (5)

  1. 表面に微細構造を有する表面クリア層、前記表面クリア層の表面に対向する面に設けられたベースフィルム層、及び前記ベースフィルム層の前記表面クリア層と対向する面に設けられた接着剤層を有する汚染防止フィルムであって、前記表面クリア層が、表面自由エネルギーが32mJ/m2以下の樹脂からなり、前記微細構造が、前記表面に規則的に配置された先細突起を備え、前記先細突起が所定の繰り返しパターンをもって規則的に前記表面クリア層の表面に配置され、前記先細突起の配置密度が500〜7000個/cm2であり、かつ前記先細突起の高さが5〜80μmである耐汚染性接着フィルム。
  2. 前記先細突起の形状が略角錐または略円錐である請求項1に記載の耐汚染性接着フィルム。
  3. 前記先細突起の配置密度が、600〜3000個/cm2である請求項1または2に記載の耐汚染性接着フィルム。
  4. 前記先細突起の高さが10〜30μmである請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐汚染性接着フィルム。
  5. 表面自由エネルギーが32mJ/m2以下の樹脂からなり、表面に微細構造を有し、前記微細構造が前記表面に規則的に配置された先細突起を備え、前記先細突起が所定の繰り返しパターンをもって前記表面に配置され、前記先細突起の配置密度が500〜7000個/cm2であり、かつ前記先細突起の高さが5〜80μmである耐汚染性構造体。
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