JP4863878B2 - 溶媒として固体脂を用いるナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
まず、経口投与時に腸内での吸収率の小さな薬物において、粒径の小さいものが粒径の大きいものより多く吸収され得るので、治療剤の生物学的利用効率を増加させ得る。また、経口投与だけが可能な薬物を吸入法で投与できるように、治療剤形の形態を多様にできる。
徐放性薬物の剤形において、治療剤の放出速度は非常に重要な要素である。治療剤の粒径をナノスケールにすれば、その粒径が相対的により均一になるにつれて、治療剤の放出速度が予測可能になり、より効果的な治療剤の製造が可能になる。
一般に、この方法の場合、目標サイズの範囲を有する粒子を製造するのにかかる時間は、使用される特定の機械的装置によって決まる。例えば、ボールミルを使用すると、5日以上の時間が必要とされるが、高剪断媒体ミル(high shear media mill)を使用すると、1日以内に所望サイズの粒子を提供することができる。
一方、WO02/38127 A2号では、SEDS(Solution Enhanced Dispersion by Supercritica1 fluids)方法を利用して活性成分の微粒子を製造し、生成した微粒子を高分子のような添加物でコーティングする方法に関して記述している。
また、米国特許第6,596,206 B2号では有機溶媒に活性成分を溶かし、生成した溶液に音響エネルギーを集束して、溶液を微粒子の形態として超臨界流体に噴出することによって、活性成分の微粒子を製造する技術を記述している。
第1の不都合は、溶液を伝達する管とノズルで起こる。超臨界流体を用いる微粒子の製造方法では、一般にノズルの直径によって粒径が決定されるので、ノズルの直径が非常に微細、かつ精密でなければならない。しかし、ノズルの使用回数の増加に伴って、ノズルの直径が変わってくるので、粒径が時間の経過によって不規則になる。また、超微粒子の製造のために超微細の直径を有するノズルの使用によって、ノズルが詰まる現象が頻繁に発生する。さらに、詰まったノズルを取り除く間、管内に残っている粒子の凝結現象が頻繁に発生する。
本発明によれば、(1)一つ以上の活性成分および固体脂からなる混合物を製造する工程;及び(2)上記の一つ以上の活性成分および固体脂からなる混合物に超臨界流体ガスを加えることによって臨界圧力以上の圧力に加圧し、超臨界流体ガスと共に上記固体脂を放出することによって、上記混合物から上記固体脂を除去する工程;を含むナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法を提供する。
本発明の他の好ましい具体例において、上記の工程(1)は、一つ以上の活性成分、固体脂および任意に一つ以上の界面活性剤を反応器に投入し、それらを均一に溶融混合し;それを急速に冷却して固体化し;固体化された混合物を粉砕し;粉砕された粉末に一つ以上の界面活性剤および/または一つ以上の非界面活性剤系の凝集防止剤またはその水溶液を添加し、それらを均一に混合し;そして該混合物を常温で乾燥すること;を含む。
本発明の他の好ましい具体例において、上記の工程(1)は、一つ以上の活性成分、固体脂および任意に一つ以上の界面活性剤を反応器に投入し、混合物に超臨界流体ガスを加えることによって臨界圧力以上の圧力に加圧した後、加熱によって混合物を溶融混合し、該溶融混合物を大気圧で噴射することを含む。
本明細書において、用語「臨界圧力」とはその圧力以上の圧力下では、超臨界流体ガスが超臨界流体として液化され得る特定圧力を意味する。
本明細書において、用語「ナノ粒子」とは、その90%以上が5μm以下、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下、より一層好ましくは0.5μm以下のサイズを有する粒子を意味する。
本発明で有用な上記の凝集防止剤は、界面活性剤系と非界面活性剤系に分けられる。界面活性剤系の凝集防止剤は、様々な合成および天然の界面活性剤、脂質、高分子などが用いられる。非界面活性剤系の凝集防止剤は、単糖類、多糖類、食物繊維、ガム類、蛋白質などが用いられる。レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエチルアミンなどのリン脂質は一般に脂質として分類されるが、本発明では界面活剤として言及する。
一般に界面活性剤は、水に対する親和度によって、親水性と親油性に分けられ、HLB(親水性-親油性バランス)値により決定される。官能基の形態によって、陽イオン性、陰イオン性、中性および両性イオンのような4つの系の界面活性剤に分けられる。本発明で有用な界面活性剤は、上記の活性成分の凝集を防止し、上記の固体脂によく溶解し、超臨界流体により容易に除去されるのであれば、その種類に特別な制限はない。
本発明に係るナノ粒子の製造方法における上記の工程(1)では、一つ以上の活性成分および固体脂からなる混合物を製造する。これを詳細に説明すれば、次の通りである。
反応器内の温度が上がるにつれて、固体脂が溶けるようになり、活性成分および界面活性剤がこれに溶解するか、分散する。温度は均一な溶液または分散液を形成する温度まで昇温させる。このとき、攪拌が可能になった時点から攪拌すれば、混合物の溶液または分散液をより均一にし、また作業時間を短縮させるので好ましい。攪拌が可能な時点は、本方法で用いる活性成分、界面活性剤および固体脂の種類によって決まるが、攪拌開始時点は当該分野に従事する熟練者によって容易に選択されるだろう。
急速冷却により得られた固形物は伝統的な粉砕方法、例えば、乾式粉砕のような方法で粉砕される。このとき、粉砕された粒径が小さいほど、すなわち粒子の表面積が大きくなるほど、油脂除去工程のような以後の工程で有利である。粉砕された粒径は100μm以内のものが好ましいが、それに限定されるものではない。
超臨界流体ガスで反応器内の圧力が上昇して臨界圧力に達すれば、その状態でさらに10分以上攪拌して、超臨界流体が混合物溶液に十分に浸透するようにすることが好ましい。
大気圧の条件下で、もう一つの反応器への混合物溶液の噴射において、微粉末の形態で噴射された溶液を固体化するために、大気圧条件下の反応器内部に円錐状の保持板を、ノズルのような噴出口から一定距離をおいて設けることが好ましい。そうすることにより、固形物を微粒子で形成でき、次の工程において、固体脂を超臨界流体でより容易に除去できる。
上記の工程(1)を含む前工程で得られた混合物が入っている反応器の温度を、その混合物内に存在する固体脂の融点以下の温度、好ましくは20〜40℃の範囲の温度に維持しながら、反応器に超臨界流体ガスを投入し、70〜400気圧に加圧する。その後、この気圧下で、二酸化炭素のような超臨界流体ガスの投入バルブと排出バルブを調節することによって、反応器の圧力を一定に維持しながら、超臨界流体ガスを徐々に排出する。固体脂が、超臨界流体ガスと共に排出、すなわち反応器から除去される。このとき、反応器内部の温度が高すぎると、固体脂が溶けるようになり、これにより混合物内に均一に分布していた活性成分、界面活性剤および凝集防止剤などの結晶成長が生じる。結果として、均一なナノ粒子が得られなくなる。上記の理由により、反応器の温度は混合物内に存在する固体脂の融点以下の温度に維持されるのが好ましく、作業性を考慮する場合、20〜40℃に維持されるのが、より好ましい。
以下、実施例を通じて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
活性成分として、ケトコナゾール 2g、固体脂としてセチルアルコール 18gを80mL容量の耐圧反応器に投入してゆっくり加熱し、反応器内の温度が70℃に達したとき、攪拌を開始した。さらに加熱して、反応容器内の温度が80℃に達すると、混合物は透明な液体相の均一な溶液になった。
次に、超臨界流体の供給のために投入バルブを開き、超臨界流体ガスとして二酸化炭素ガスを投入し、反応器内の圧力を高めた。反応器内の圧力を二酸化炭素ガスの臨界圧力以上である120気圧に達するまで、二酸化炭素ガスを継続投入した後、超臨界流体投入バルブを閉じ、20分間、さらに攪拌した。追加の攪拌の間、超臨界流体投入バルブを開き、またゆっくり二酸化炭素ガスを投入し、その攪拌が終了した後、大気圧下の回収反応器と連結された噴射バルブを一度に開いて、混合物溶液を回収反応器に完全に噴射した。このとき、回収反応器の大気圧状態を維持するために、回収反応器に取り付けられている排気バルブを完全に開いた。さらに、ノズルから噴射される溶液が微粉末になるように、回収反応器の内部には噴射ノズル全面に円錐状の板を設けた。溶液の噴射が完了した後、10分間、二酸化炭素ガスをさらに送り込んだ後、超臨界流体投入バルブおよび噴射バルブを閉じた。
セチルアルコール 30gとケトコナゾール 2gを250mLのビーカーに入れ、80℃に加熱し、この混合物が完全に溶融して透明な液体になるまで攪拌した。混合物が完全に溶融した後、均一な混合のために、さらに10分間攪拌した。次に、溶融混合物を、急激な冷却および固化のために、10℃以下に前もって冷却されたステンレス鋼板に注ぎ、それにより活性成分が微粒子の形態で油脂に均一に分布した固形物を製造した。この生成した固形物に、凝集防止剤としてD−(+)−スクロース 2gを入れて、家庭用粉砕機を用いて微細粉末に粉砕して、油脂粉末を得た。この油脂粉末 5.5gを耐圧反応器に入れ、実施例1と同様の方法で、固体脂として用いられたセチルアルコールを除去し、ケトコナゾールとスクロースの混合粉末 0.6gを得た。混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Mastersizer Microplus)を用いて粒径を測定した。その結果を表1に表した。
セチルアルコール 20gとケトコナゾール 1gを250mLのビーカーに入れて80℃に加熱し、この混合物が完全に溶融して透明な液体になるまで攪拌した。混合物が完全に溶融した後、均一な混合のために、さらに10分間、攪拌した。次に、溶融混合物を、急激な冷却および固化のために、10℃以下に前もって冷却されたステンレス鋼板に注ぎ、それにより活性成分が微粒子の形態で油脂に均一に分布した固形物を製造した。この固形物を、家庭用粉砕機を用いて約100μm大きさの微粒子に粉砕して油脂粉末を得た。生成した油脂粉末に、凝集防止剤としてスクロース 1gを水5mLに溶かした溶液を加えて、油脂粉末とスクロース溶液とが均一に混合するように、スパチュラで攪拌し、それにより油脂粉末とスクロースの混合物を得た。生成した油脂粉末とスクロースの混合物は水の含量が少ないため、容易に粉末形態に変化した。油脂粉末とスクロースの混合物 13.5gを耐圧反応器に入れ、実施例1と同様の方法で固体脂として用いられたセチルアルコールを除去して、ケトコナゾールとスクロースの混合粉末 0.9gを得た。混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Mastersizer Microplus)を用いて粒径を測定した。その結果を表1に表した。
凝集防止剤としてスクロース 2gを水5mLに溶かした溶液を、ケトコナゾールとセチルアルコール (それぞれ、1g及び20g)からなる油脂粉末 21gに加えたこと以外は、実施例3と同様の方法で、油脂粉末とスクロースの混合物を製造した。油脂粉末とスクロースの混合物 10.4gを耐圧反応器に入れ、固体脂として用いられたセチルアルコールを実施例1と同様の方法で除去し、ケトコナゾールとスクロースの混合粉末 1.0gを得た。得られた混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Mastersizer Microplus)を用いて粒径を測定した。その結果を表1に表した。
凝集防止剤としてスクロース 1gを水8mLに溶かした溶液を、ケトコナゾールとセチルアルコール(それぞれ、1g及び20g)からなる油脂粉末 21gに加えたこと以外は、実施例3と同様の方法で油脂粉末とスクロースの混合物を製造した。油脂粉末とスクロースの混合物 10.0gを耐圧反応器に入れ、固体脂として用いられたセチルアルコールを実施例1と同様の方法で除去して、流動性に優れたケトコナゾールとスクロースの混合粉末 0.4gを得た。この混合粉末は、反応器内部の壁に相当の量が吸着されていることが分かった。得られた混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Mastersizer Microplus)を用いて粒径を測定した。その結果を表1に表した。
界面活性剤としてポリビニルピロリドン(K30)0.1gと非界面活性剤系の凝集防止剤としてスクロース 1gを水8mLに溶かした溶液を、ケトコナゾールとセチルアルコール(それぞれ、1gおよび20g)からなる油脂粉末 21gに加えたこと以外は、実施例3と同様の方法で油脂粉末、ポリビニルピロリドンおよびスクロースの混合物を製造した。この油脂粉末、ポリビニルピロリドンおよびスクロースの混合物 10.0gを耐圧反応器に入れ、固体脂として用いられたセチルアルコールを実施例1と同様の方法で除去して、流動性に優れたケトコナゾール、スクロースおよびポリビニルピロリドンの混合粉末 0.64gを得た。生成した混合粉末は、反応器内部壁に相当の量が吸着されていることが分かった。得られた混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Horiba LA910S)を用いて粒径を測定した。その結果を表2に表した。
ポリビニルピロリドン 0.1gとケトコナゾール 1gをセチルアルコール 20gと共に溶解し、ケトコナゾールとポリビニルピロリドンが微粒子として均一に分散した油脂粉末を製造し、上記で製造された油脂粉末に凝集防止剤としてスクロース 1gを水8mLに溶かした溶液を加えたこと以外は、実施例3と同様の方法で、油脂粉末とスクロースの混合物を製造した。この油脂粉末とスクロースの混合物 10.0gを耐圧反応器に入れ、固体脂として用いられたセチルアルコールを実施例1と同様の方法で除去し、流動性に優れたケトコナゾール、スクロースおよびポリビニルピロリドンの混合粉末 0.62gを得た。この混合粉末は、反応器内部壁に相当の量が吸着されていることが分かった。得られた混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Horiba LA910S)を用いて粒径を測定した。その結果を表2に表した。
ポリビニルピロリドン 0.1gとケトコナゾール 1gをセチルアルコール 20gと共に溶かし、実施例3と同様の方法で、ケトコナゾールとポリビニルピロリドンが均一に分散した油脂粉末を微粒子として製造した。この油脂粉末に、凝集防止剤としてスクロース 1gを水 14mLに溶かした溶液を添加して均一に混合した。生成した混合物を、真空乾燥器を用いて水分含量がセチルアルコールの量に対して、5%(w/w)以下になるまで乾燥した。上記で製造した乾燥混合物 9gを耐圧反応器に入れ、実施例1と同様の方法でセチルアルコールを除去して、流動性に優れた混合粉末 0.8gを得た。得られた混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Horiba LA910S)を用いて粒径を測定した。その結果を表2に表した。
凝集防止剤としてスクロース 2gを水 14mLに溶かした溶液を、ポリビニルピロリドン 0.1gとケトコナゾール 1gをセチルアルコール 20gと共に溶かして製造した油脂粉末に加えた以外は、実施例8と同様の方法で、油脂粉末とスクロースの混合物を製造した。生成した油脂粉末とスクロースの混合物 9gからセチルアルコールを実施例1と同様の方法で除去して、流動性に優れた混合粉末 1.1gを得た。得られた混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Horiba LA910S)を用いて粒径を測定した。その結果を表2に表した。
凝集防止剤としてキシリトール 1gを水 14mLに溶かした溶液を、ポリビニルピロリドン 0.1gとケトコナゾール 1gをセチルアルコール 20gと共に溶かして製造した油脂粉末に加えたこと以外は、実施例8と同様の方法で、油脂粉末とキシリトールの混合物を製造した。生成した油脂粉末とキシリトールの混合物 9gからセチルアルコールを実施例1と同様の方法で除去して、流動性に優れた混合粉末 0.8gを得た。得られた混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Horiba LA910S)を用いて粒径を測定した。その結果を表2に表した。
凝集防止剤としてキシリトール 1gと、追加の界面活性剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウ(DOSS)0.08gおよびドデシル硫酸ナトリウム(SLS)0.008gを水 14mLに溶かした溶液を、ポリビニルピロリドン 0.1gとケトコナゾール 1gをセチルアルコール 20gと共に溶かして製造した油脂粉末に加えたこと以外は、実施例8と同じ方法で、油脂粉末、キシリトール、DOSSおよびSLSの混合物を製造した。生成した油脂粉末、キシリトール、DOSSおよびSLSの混合物 10gからセチルアルコールを実施例1と同様の方法で除去して、流動性に優れた混合粉末 0.9gを得た。得られた混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Horiba LA910S)を用いて粒径を測定した。その結果を表2に表した。
ポリビニルピロリドン 0.25gとケトコナゾール 1gをセチルアルコール20gと共に溶かして、ケトコナゾールとポリビニルピロリドンが微粒子として均一に分散した油脂粉末を製造した。生成した油脂粉末に、凝集防止剤としてキシリトール 1gを水 14mLに溶かした溶液を加えて均一に混合した。その後、真空乾燥器を用いて、水分含量がセチルアルコールの量に対して5%(w/w)になるまで混合物を乾燥した。上記で製造された乾燥混合物 9gを耐圧反応器に入れ、セチルアルコールを実施例1と同様の方法で除去して、流動性に優れた混合粉末 0.88gを得た。得られた混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Horiba LA910S)を用いて粒径を測定した。その結果を表2に表した。
ポリビニルピロリドン 0.25gとケトコナゾール 1gをセチルアルコール 20gと共に溶かして、ケトコナゾールとポリビニルピロリドンが微粒子として均一に分散した油脂粉末を実施例2と同様の方法で製造した。生成した油脂粉末に凝集防止剤としてスクロース 1gを水 14mLに溶かした溶液を添加して均一に混合した。生成した混合物を、真空乾燥器を用いて水分含量がセチルアルコールの量に対して5%(w/w)以下になるまで、乾燥した。上記で得られた乾燥混合物 9gを耐圧反応器に入れ、実施例1と同様の方法でセチルアルコールを除去して、流動性に優れた混合粉末 0.87gを得た。得られた混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Horiba LA910S)を用いて粒径を測定した。その結果を表2に表した。
凝集防止剤としてのキシリトール 1gと、追加の界面活性剤としてのDOSS 0.2gおよびSLS 0.004gを水 14mLに溶かした溶液を、ポリビニルピロリドン 0.25gとケトコナゾール 1gをセチルアルコール 20gと共に溶かして製造した油脂粉末に加えたこと以外は、実施例12と同様の方法で、油脂粉末、キシリトール、DOSSおよびSLSの混合物を製造した。生成した油脂粉末、キシリトール、DOSSおよびSLSの混合物 9.06gからセチルアルコールを実施例1と同様の方法で除去して、流動性に優れた混合粉末 0.96gを得た。得られた混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Horiba LA910S)を用いて粒径を測定した。その結果を表2に表した。
スクロース脂肪酸エステル 0.13gとケトコナゾール 1gをセチルアルコール 20gと共に溶かして、ケトコナゾールとスクロース脂肪酸エステルが微粒子として均一に分散した油脂粉末を実施例2と同様の方法で製造し、上記で製造された油脂粉末に、凝集防止剤としてのスクロース 1gを水 9mLに溶かした溶液を加えたこと以外は、実施例3と同じ方法で、油脂粉末とスクロースの混合物を製造した。生成した油脂粉末とスクロースの混合物 9.0gを耐圧反応器に入れ、固体脂として用いられたセチルアルコールを実施例1と同様の方法で除去して、流動性に優れたスクロース脂肪酸エステル、スクロースおよびケトコナゾールの混合粉末 1.18gを得た。得られた混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Horiba LA910S)を用いて粒径を測定した。その結果を表2に表した。
スクロース脂肪酸エステル 0.25gとケトコナゾール 1gをセチルアルコール 20gと共に溶かして、ケトコナゾールおよびスクロース脂肪酸エステルが微粒子として均一に分散した油脂粉末を実施例2と同様の方法で製造した。生成した油脂粉末に、凝集防止剤としてのスクロース 1gを水 14mLに溶かした溶液を加えて均一に混合した。生成した混合物を、真空乾燥器を用いて水分含量がセチルアルコールの量に対して、5%(w/w)以下になるまで乾燥した。上記で製造された乾燥混合物 10gを耐圧反応器に入れ、セチルアルコールを実施例1と同様の方法で除去して、流動性に優れた混合粉末 0.89gを得た。得られた混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Horiba LA910S)を用いて粒径を測定した。その結果を表2に表した。
スクロース脂肪酸エステル 0.25gとケトコナゾール 1gをセチルアルコール20gと共に溶かして、ケトコナゾールとスクロース脂肪酸エステルが微粒子として均一に分散した油脂粉末を実施例2と同様の方法で製造した。生成した油脂粉末に、凝集防止剤としてのキシリトール 1gを水 14mLに溶かした溶液を加えて均一に混合した。生成した混合物を、真空乾燥器を用いて水分含量がセチルアルコールの量に対して、5%(w/w)以下になるまで乾燥した。上記で得られた乾燥混合物 10gを耐圧反応器に入れ、セチルアルコールを実施例1と同様の方法で除去して、流動性に優れた混合粉末 0.87gを得た。得られた混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Horiba LA910S)を用いて粒径を測定した。その結果を表2に表した。
ポリビニルピロリドン 0.25gとロバスタチン 1gをセチルアルコール 20gと共に溶かして、ロバスタチンとポリビニルピロリドンが微粒子として均一に分散した油脂粉末を実施例2と同様の方法で製造した。生成した油脂粉末に、凝集防止剤としてのキシリトール 1gを水 14mLに溶かした溶液を加えて均一に混合した。生成した混合物を、真空乾燥器を用いて水分含量がセチルアルコールの量に対して、5%(w/w)以下になるまで乾燥した。上記で得られた乾燥混合物 10gを耐圧反応器に入れ、セチルアルコールを実施例1と同様の方法で除去して、流動性に優れた混合粉末 0.85gを得た。得られた混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Horiba LA910S)を用いて粒径を測定した。その結果を表2に表した。
ポリビニルピロリドン 0.25gとパクリタキセル 1gをセチルアルコール 20gと共に溶かして、パクリタキセルとポリビニルピロリドンが微粒子として均一に分散した油脂粉末を実施例2と同様の方法で製造した。生成した油脂粉末に、凝集防止剤としてのキシリトール 1gを水 14mLに溶かした溶液を加えて均一に混合した。生成した混合物を、真空乾燥器を用いて水分含量がセチルアルコールの量に対して、5%(w/w)以下になるまで乾燥した。上記で得られた乾燥混合物 10gを耐圧反応器に入れ、セチルアルコールを実施例1と同様の方法で除去して、流動性に優れた混合粉末 1.02gを得た。得られた混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Horiba LA910S)を用いて粒径を測定した。その結果を表2に表した。
ポリビニルピロリドン 0.25gとイトラコナゾール 1gをセチルアルコール 20gと共に溶かして、イトラコナゾールとポリビニルピロリドンが微粒子として均一に分散した油脂粉末を実施例2と同様の方法で製造した。生成した油脂粉末に、凝集防止剤としてのキシリトール 1gを水 14mLに溶かした溶液を加えて均一に混合した。生成した混合物を、真空乾燥器を用いて水分含量がセチルアルコールの量に対して、5%(w/w)以下になるまで乾燥した。上記で得られた乾燥粉末 10gを耐圧反応器に入れ、セチルアルコールを実施例1と同様の方法で除去して、流動性に優れた混合粉末 1.05gを得た。得られた混合粉末を蒸留水に分散させ、粒径分析器(Horiba LA910S)を用いて粒径を測定した。その結果を表2に表した。
Claims (19)
- (1)一つ以上の活性成分および固体脂からなる固体相混合物を製造する工程;および
(2)上記の一つ以上の活性成分および固体脂からなる固体相混合物に超臨界流体ガスを加えることによって臨界圧力以上の圧力に加圧し、超臨界流体ガスと共に上記固体脂を放出することによって、上記混合物から上記固体脂を除去する工程;
を含むナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。 - 上記の工程(1)が、一つ以上の活性成分および固体脂を反応器に投入し、それらを均一に溶融混合することを含む、請求項1に記載のナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。
- 上記の工程(1)が、一つ以上の活性成分および固体脂を反応器に投入し、それらを均一に溶融混合し;それを急速に冷却して固体化し;固体化された混合物を破砕し;破砕された粉末に一つ以上の界面活性剤および/または一つ以上の非界面活性剤系の凝集防止剤またはその水溶液を添加し、それらを均一に混合し;そして混合産物を常温で乾燥すること;
を含む請求項1に記載のナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。 - 上記の工程(1)が、一つ以上の界面活性剤および固体脂を反応器に投入し、それを均一に溶融混合し;混合物を急速に冷却して固体化し;固体化された混合物を破砕し;破砕された粉末に、一つ以上の活性成分と共に一つ以上の界面活性剤および/または一つ以上の非界面活性剤系の凝集防止剤またはその水溶液を添加して均一に混合し;そして混合産物を常温で乾燥すること;
を含む請求項1に記載のナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。 - 上記の工程(1)が、一つ以上の活性成分および固体脂を反応器に投入し、超臨界流体ガスをさらに加え、亜臨界状態または超臨界状態を与えた後、混合物を加熱により溶融混合することを含む、請求項1に記載のナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。
- 上記の工程(1)が、一つ以上の活性成分および固体脂を反応器に投入し、混合物に超臨界流体ガスを加えることによって臨界圧力以上の圧力に加圧した後、加熱によって混合物を溶融し、該溶融混合物を大気圧で噴射することを含む、請求項1に記載のナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。
- 上記の工程(1)が、一つ以上の活性成分および固体脂を反応器に投入し、混合物に超臨界流体ガスを加えることによって臨界圧力以上の圧力に加圧した後、加熱によって混合物を溶融混合し、その後該溶融混合物を大気圧で噴射することによって破砕し;破砕された混合物に一つ以上の界面活性剤および/または一つ以上の非界面活性剤系の凝集防止剤またはその水溶液を加えてそれらを均一に混合し;そして混合物を常温で乾燥することを含む、請求項1に記載のナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。
- 上記の固体脂に加えて一つ以上の界面活性剤がさらに加えられる、請求項2、3および5〜7のいずれか1項に記載のナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。
- 上記の活性成分が生理活性を示す有機化合物、有機金属化合物、天然抽出物、ペプチド、蛋白質、または多糖類である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。
- 上記の固体脂が30℃以下の温度で固体相を維持し、40〜150℃の融点を有する油脂又は油脂の混合物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。
- 上記の固体脂が、炭素数10〜22の飽和脂肪酸、エステルおよびアルコール;炭素数10〜22の飽和脂肪酸基を有するモノ−またはジ−グリセリド;炭素数16以上の炭化水素;炭素数10〜22の飽和脂肪酸基を有するトリ−グリセリド;およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項10に記載のナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。
- 上記の工程(1)で製造された混合物が、さらに、合成界面活性剤、天然界面活性剤、脂質、高分子、単糖類、多糖類、食物繊維、ガム類および蛋白質からなる群より選択される一つ以上の物質を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。
- 上記の界面活性剤が、合成界面活性剤、天然界面活性剤、脂質および高分子からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項8に記載のナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。
- 上記の非界面活性剤系の凝集防止剤が、単糖類、多糖類、食物繊維、ガム類および蛋白質からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項3、4、7および8のいずれか1項に記載のナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。
- 上記の工程(1)で、共溶媒がさらに用いられる、請求項1〜8のいずれか1項に記載のナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。
- 上記の共溶媒が炭素数2〜6の一つ以上のアルコールである、請求項15に記載のナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。
- 上記の工程(2)で、反応器内の温度が、上記工程(1)から製造された混合物に含まれる固体脂の融点以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。
- 上記の工程(2)で、反応器内の温度が20〜40℃である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。
- 上記の工程(2)で、一つ以上の上記活性成分および固体脂からなる混合物に超臨界流体ガスを加えることによって、70〜400気圧下で、該混合物から上記固体脂を除去する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のナノスケールまたは非晶質粒子の製造方法。
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