JP4863437B2 - 浴用フィルム製剤 - Google Patents

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この発明は、入浴時に使用する外用薬を含有した浴用フィルム製剤に関するものである。
従来より、整形外科領域の疾患、特に多くの人が悩まされている「肩こり」や「腰痛」の痛みの原因は、大きく「筋肉の疲労」と「骨・関節・椎間板の老化」に分けることが出来き、筋肉の疲労には「急性」のものと「慢性」のものとがある。
このうち「慢性の筋肉疲労」が、首から肩にかけて起こるものを「肩こり」、腰に起こるものを「腰痛」と呼でいる。筋肉は、体を動かす度に収縮と弛緩を繰り返しているが、長時間同じ姿勢でいたりすると筋肉の緊張した状態が続いて血液の流れが悪くなる。その結果、乳酸等の疲労物質がたまり、神経を刺激して肩こりや腰の痛みを引き起こす。これは、「筋肉の緊張⇒血行の悪化⇒疲労物質の産生⇒こりや痛みの発生」という一連の流れが繰り返され、慢性的な肩こりや腰痛が引き起こされる。
肩こりや腰痛の治療には、一般的に非ステロイド性抗炎症薬、筋緊張緩和薬が使われるが、投与剤型の内服薬は体の広範囲に作用するという特徴があるが、強い鎮痛効果を発揮する反面、胃腸障害(胸焼け、胃の痛み)などの副作用が出やすいといった欠点がある。又、抗菌薬や抗てんかん薬、糖尿病薬などを服用していると作用が強く出過ぎたり、合成抗菌薬の中には非ステロイド性消炎・鎮痛薬と併用すると痙攣を起こしやすくなるといった飲み合わせの問題がある。
座薬では、薬物が粘膜から直接吸収されるので食物などで吸収の程度が左右されやすい内服薬に比べて確実に作用し、胃腸障害等で内服できない人にはよいと思われるが軽度ながらも胃腸障害を伴い、痔や直腸に炎症がある人は薬物の粘膜刺激により、痔や炎症が悪化することがある。
これに対して外用製剤は、首や肩、腰などの痛みのある場所に直接投与する薬であり、局所に作用するので全身的な副作用が起こりにくいという製剤的特徴がある。外用製剤には大きく分けて貼付剤と塗布剤がある。
貼付剤には、皮膚を経由して患部に直接薬物を送り込む経皮吸収型製剤と主に発熱した急性炎症を伴う患部を冷却する冷湿布と慢性化して血流の停滞した患部を温める温湿布がある。また、貼付剤には薬物の経皮吸収性を高めることと、鎮痛の目的で各種の皮膚引赤薬や皮膚刺激薬が一般的に配合されている。
貼付剤の含有成分による貼付局所の皮膚障害(かゆみ、かぶれ)が起こる可能性があり、特に入浴時の温度と水分が皮膚に加わることによって皮膚刺激性が格段に強く出る為に従来の製剤が持つ皮膚障害が頻度と強さの点で危険性を伴う。
従って、これらの製剤の使用上の注意として入浴数時間前には薬剤を除去することを義務付けている。又、貼付剤は入浴時に水分の影響で殆どが剥がれる状態であるために入浴時貼付は不可能といえる。
次に、塗布製剤は、マッサージ効果を補助する目的で皮膚引赤薬や皮膚刺激薬が配合されているが、貼付剤と同様な理由で入浴前の塗布は出来ない状態である。
又、クリーム、軟膏、ゲルといった塗布剤は、入浴時に温水で殆どが吸収される前に洗い流されることが多く、効果も減弱しやすい上に、洗い流された製剤が湯船等を汚染するために、次の入浴者に迷惑をかけるといった不都合も生じる可能性が極めて高い状態である。
ところで、特許文献1に示されるように、肌接着層を設けて浴用剤を肌に貼付する方法も知られている。
特開平11−47219号公報
ところで、整形外科領域の疾患に用いられる薬物には非ステロイド性消炎鎮痛薬、筋緊張緩和薬等があり、これらの患部への投与剤型として内服剤や座剤の欠点を克服した患者の使いやすい(利便性の高い)剤型として外用剤がある。
この外用剤には、大きく分けてパップ剤、プラスター剤に代表される貼付剤と、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤に代表される塗布剤、更にチンキ剤、スプレー剤に代表される液剤があるが、いずれの外用剤も投与部位が皮膚であり、皮膚組織自体が外部からの異物の進入を阻止するための防御組織であるために、投与ルートである皮膚からの有効成分の吸収性が極めて悪いのが現実である。
そこで、皮膚からの薬物の吸収性(経皮吸収性)を高める目的で唐辛子エキス、カプサイシン、ノニル酸ワニリルアミド等の皮膚引赤薬やハッカ油、l−メントール、カンフル、ショウガエキス等の皮膚刺激薬を添加し、皮膚の血流を改善し、末梢神経(知覚神経)を刺激することによって局所の痛みを緩解し、総合的に患部の炎症を抑えることが一般的に実施されている。
しかしながら、これらの添加剤は、副作用として投与局所の皮膚のかぶれ、水泡等の皮膚障害を招来し、治療を目的とした薬剤の連続投与が難しい。
更に、入浴、シャワーによる温熱効果と水分効果が皮膚に加わることによって、通常以上の皮膚刺激性と皮膚障害を伴う危険性があるために、入浴の数時間前にこれらの薬剤を除去することが使用上の注意として義務付けられている。
本発明は、上記の不都合に鑑みてなされたもので、入浴時に薬剤を除去する必要がないばかりか、外用剤を塗布したままで入浴することで、外用剤の特性(全身性の副作用が殆ど無い)を活かし、投与局所の皮膚刺激性による皮膚障害をなくし、より高い治療効果を出す投与手段であって、浴槽を汚染することが少くない浴用製剤を提供することにある。
本発明者は外用剤の特性と効果を下げずに、含有される皮膚引赤薬や皮膚刺激薬の皮膚に対する副作用を軽減するにはいかなる投与剤型が良いかという点についていろいろと考察を重ね、試作、検討を実施した。そして、外用剤の経皮吸収促進と消炎鎮痛を目的に処方されている皮膚引赤薬、皮膚刺激薬を処方から除去するのではなく、皮膚に対する接触時間(投与時間)を延長し、それらの含有量(濃度)を通常よりも低く設定することによって副作用の問題点を解決出来ることに想到した。
又、皮膚と水分(風呂湯等)との間に被膜を形成させて皮膚と水分との直接接触を防ぐことによって、皮膚引赤薬や皮膚刺激薬の皮膚に対する刺激性の亢進(強化)を予防できることにも想到した。このために、薬剤中にニトロセルロースを配合し自ら外表面にフィルムを形成して皮膚と水分との直接接触を防ぐようにしたものである。
更に、皮膚引赤薬や皮膚刺激薬の濃度(投与量)を低減させたことによって生じると考えられる消炎鎮痛効果の減弱を、入浴による温熱効果と被膜形成による患部への薬物の保持と経皮吸収作用により克服できること、入浴により皮膚温度が上昇することによって、投与濃度を低減させた皮膚引赤薬や皮膚刺激薬の効果を低減前以上に回復させ、薬物の経皮吸収を促進し、被膜形成により患部からの薬剤の除去が防止され効果の持続性が維持されることによって、薬剤のより高い消炎鎮痛効果と副作用の軽減が可能となることを知見した。
本発明者は上記の事実に基づいて更に研究を重ねた結果、本発明を完成させることができた。
本発明に係る浴用フィルム製剤は、前記課題を解決したものであって、次のとおりのものである。
すなわち、請求項1の発明は、ニトロセルロースを、酢酸3−メチルブチル、又は酢酸イソブチル又はアセトン、或いは、これらの混合物の溶解剤に溶解し、該ニトロセルロースの溶解剤に外用薬剤を溶解して、前記溶解剤の中にはシソオイル、ごま油、エゴマ油、オリーブ油、馬油、ヒノキオイル、ひまし油の天然油の内、一種以上を含有させ、更に、エチルアルコールを添加し水を含まない製剤として強度・柔軟性・密封効果を高めたフィルムを形成することを特徴とする浴用フィルム製剤である。
この構成により、皮膚に塗布した後に前記溶剤が揮散し、塗布部位の皮膚上に透明或いは半透明のフィルムを形成することにより患部を密封し、ODT効果(密封効果)により含有薬物の患部への経皮吸収性(浸透性)を改善し、更に患部を温水又は水から遮断することによって薬剤を患部に投与したままで入浴或いはシャワーを可能にすることによってより高い効果と副作用の低減を確立する。
請求項2の発明は、前記外用薬剤として、皮膚引赤薬の唐辛子エキス、トウガラシチンキ、カプサイシン、ノニル酸ワニリルアミド、カンタリスチンキ、カラシエキス、ニコチン酸エステルのうち、一種以上を含有したものであり、患部の刺激と血流を改善することを特徴とする請求項1の浴用フィルム製剤である。
請求項3の発明は、前記外用薬剤として、皮膚刺激作用を有するハッカ油、l−メントール、カンフル、ケイヒ油(シンナミックアルデヒド)、ショウガエキス、ユーカリ油、ワサビエキスの内、一種以上を含有したものであり、患部の刺激と血流の促進を補佐することを特徴とする請求項1の浴用フィルム製剤である。
請求項4の発明は、前記外用薬剤として、抗炎症作用を有するサリチル酸、サリチル酸メチル、インドメタシン、ジクロフェナックナトリウム、フルルビプロフェン、ピロキシカム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、グアイアズレンスルホン酸エチルの内、一種以上を含有したものであり、患部の抗炎症効果を効率的に発揮することを特徴とする請求項1の浴用フィルム製剤である。
請求項の発明は、前記溶解剤の中には、ゲルマニウムを含有させ、浴用時の温熱作用により、患部の血流を改善することによって、ゲルマニウムの半導体としてのエネルギー効果を高め、肩こり、腰痛等の体制痛を改善することを特徴とする請求項1の浴用フィルム製剤である。
(作 用)
この発明に係る浴用フィルム製剤においては、ニトロセルロースを、酢酸3−メチルブチル、又は酢酸イソブチル又はアセトン、或いは、これらの混合物の溶解剤に溶解し、該ニトロセルロースの溶解剤に外用薬剤を溶解して、前記溶解剤の中にはシソオイル、ごま油、エゴマ油、オリーブ油、馬油、ヒノキオイル、ひまし油の天然油の内、一種以上を含有させ、更に、エチルアルコールを添加した基剤に抗炎症薬に加えて皮膚引赤薬や皮膚刺激薬を添加した水を含まないものであり、皮膚に塗布した後溶剤が揮散し、透明、或いは半透明のフィルムを皮膚上に形成することにより患部を密封し、ODT効果と入浴による温熱効果によって薬物による抗炎症効果を高め、更に患部の皮膚と入浴に伴う水分との直接の接触を予防することにより皮膚引赤薬や皮膚刺激薬による副作用を軽減する効果を発揮する。
又、フィルムが患部を被覆することによって塗布薬物の入浴やシャワーによる流失を防ぐことによって確実な抗炎症効果とその持続性を維持する。
本発明によれば、ニトロセルロースを、酢酸3−メチルブチル、又は酢酸イソブチル又はアセトン、或いは、これらの混合物の溶解剤に溶解し、該ニトロセルロースの溶解剤に外用薬剤を溶解して、前記溶解剤の中にはシソオイル、ごま油、エゴマ油、オリーブ油、馬油、ヒノキオイル、ひまし油の天然油の内、一種以上を含有させ、更に、エチルアルコールを添加したものに抗炎症薬を加えて皮膚引赤薬や皮膚刺激薬を配合して製剤とした水を含まないものであり、皮膚に塗布した後溶剤が揮散し、透明、或いは半透明のフィルムを皮膚上に形成することにより、患部を密封し、薬物の経皮吸収性を高め、患部と水分との直接の接触を防止することによって患部の消炎鎮痛効果を高めると同時に患部の副作用(かぶれ、水泡等)を予防する。
又、患部に塗布した薬物を被膜で被覆することによって、入浴やシャワーによる薬剤の流出を防止することで効果の持続性が期待でき、更に、製剤を塗布するだけで浴槽に製剤が流出することが少ないので、浴槽の水を汚染することがない。
[実施例]
本発明の浴用フィルム製剤の好適な実施例を説明するが、先ず、この実施例の配合比は次の[表1]に示すようなものである。
[表1][組成比]
ニトロセルロース・・・・・・・5.0%
エチルアルコール・・・・・・71.5%
酢酸3−メチルブチル・・・・10.0%
アセトン・・・・・・・・・・10.0%
トウガラシチンキ・・・・・・・1.0%
サリチル酸メチル・・・・・・・1.0%
l−メントール・・・・・・・・1.0%
ゴマ油・・・・・・・・・・・・0.5%
[調製方法]
本実施例の浴用フィルム製剤は、上記の組成比になるように、次のような手順で調製する。なお、上記の実施例の組成の重量%の合計は100%で、製剤処方においては実質的に水を含でいない。
先ず、ニトロセルロースを酢酸3−メチルブチルに溶解させたのち、更にアセトンを添加して良く攪拌する。次に、この溶解液にエチルアルコールを加えて良く攪拌したのち、トウガラシチンキ、サリチル酸メチル、l―メントール、更にゴマ油と順次攪拌した後に少量ずつ添加し、24時間室温放置して製造する。
[入浴を伴う抗炎症試験]
上記の組成、及び、調整方法で製造した実施例の浴用フィルム製剤と、比較例の市販製剤を調剤した製剤との作用・効果を以下の条件で比較検証した。
(1)被検体
実施例:本実施例の浴用フィルム製剤
比較例:市販の抗炎症クリーム製剤
(D社製サリチル酸メチル、トウガラシエキス配合)
(2)被験者:肩凝り症(五十肩)を発症している成人ボランティア5名×2群、
計10名(男性40歳〜55歳)
(3)試験方法:投与量・投与方法、及び、投与期間
入浴30分前に、実施例の製剤、又は比較例の製剤を、
被験者の両肩に一定量(約1g)を均一に塗布した。
この行為を1日毎に6日間実施した。
以上の条件で、以下の評価を行った。
(4)症状の評価判定
症状は両肩の症状について、下記の基準に従って評価判定した。
3:かなり症状のひどいもの
2:症状が中等度のもの
1:症状が軽微なもの
0:症状のないもの
(5)症状の改善度の判定
症状の改善度を下記の基準に従って判定した。
著明改善(+++):3→0、2→0
中等度改善(++):3→1、1→0
軽度改善(+) :3→2、2→1
不変(±):症状の不変のもの
悪化(−):症状が悪化したもの
(6)使用感評価判定
使用した後の評価を下記の基準に従って判定した。
1:非常に好ましい
2:好ましい
3:普通
4:悪い
5:非常に悪い
6:使用できない
(7)入浴時の浴槽(お湯)の汚れ
1:非常にある
2:ある
3:少しある
4:殆ど無い
5:全く無い
(8)試験結果
試験結果を[表2]に示す。
Figure 0004863437
試験結果の[表2]において、実施例は7日目(一日毎6日)の判定で、症状の改善度の判定では著明改善が3例、中等度改善が2例であり、5例中5例が中等度改善以上であった。使用感の判定では、非常に好ましいが3例、好ましいが2例であり、5例中5例が好ましい以上であった。
本実施例の入浴時の浴槽及びお湯の汚れ(その都度確認して、総合的に判定した。)は、全くないが4例、殆ど無いが1例であり、製剤による浴槽汚染は無いものと考えられた。
これに対して比較例は、症状の改善度では軽度改善が3例、不変が2例であった。使用感の判定では、悪いが2例、非常に悪いが1例、使用できないが2例であり、好ましいと答えた例は皆無であった。入浴時の浴槽及びお湯の汚れは5例総てが「非常にある」と答えた。
以上の結果から、実施例は比較例と比べて、症状の改善度、使用感及び入浴時の浴槽の汚れの評価の総てにおいて優れたものであり、従来にない画期的な浴用の製剤であることが証明された。
[血流測定試験]
次に、上記の組成、及び調製方法で製造した実施例の浴用フィルム製剤の血流に対する効果を以下の条件で検証した。
(1)実施例:浴用フィルム製剤
比較例:通常市販の消炎鎮痛温熱クリーム
(D社製トウガラシエキス、サリチル酸メチル配合)
(2)被験者:成人男性ボランティア(55歳)
(3)試験方法:
被験者が一定の安静状態になったことを確認したのち、被験者の左肩にプローブをあてて、最高血流((PK).単位:cm/sec)と平均血流((MN).単位:cm/sec)、更に、脈拍(単位:脈拍数/分)を測定した。その後、左肩に実施例品の一定量を均一に塗布し、30分後に10分間40℃の浴槽に肩まで漬かり、風呂上がりから1時間後に再び左肩のPK、MN及び脈拍を測定した。
7日後に同一被験者により、比較例についても同様に測定した。
総ての試験を通じて測定には下記の測定器を使用した。
測定器:超音波血流計ES−1000SP2
プローブ:MODEL/T8MO5S8C
(4)試験結果:
試験結果を[表3]に示す。
Figure 0004863437
実施例の塗布前は、最高血流は6.0cm/sec、平均血流1.8cm/sec、脈拍60/分であったが、実施例を塗布した入浴後の測定では、最高血流.22.8cm/sec、平均血流5.4cm/sec、脈62/分であった。
実施例の塗布による入浴により、最高血流で約3.8倍、平均血流で約3倍の血流量の増加が認められたが脈拍数は殆ど変化はなかった。
これに対して比較例は、塗布前で最高血流5.9cm/sec,平均血流1.8cm/sec、脈拍61/分であったが、比較例を塗布した入浴後の測定では、最高血流7.1cm/sec、平均血流.2.0cm/sec、脈拍61/分であった。比較例による入浴により、最高血流で約1.2倍、平均血流で約1.1倍の僅かな増加が認められたが脈拍には殆ど変化が無かった。
以上の結果から、実施例が比較例に比べて、血流に対して遥かに効率的な入浴効果が発揮されているものと考えられる。
以上の2実験の結果から、本発明に基づく浴用フィルム製剤の実施例は、ニトロセルロースを、酢酸3−メチルブチル、又は酢酸イソブチル、又はアセトン、或いはこれらの混合物の溶解剤に溶解し、更にエチルアルコールを添加した基剤に抗炎症薬に加えて皮膚引赤薬や皮膚刺激薬を添加したものであり、皮膚に塗布した後溶剤が揮散し、透明、或いは半透明のフィルムを皮膚上に形成することにより患部を密封したので、従来の外用薬だけを配合したクリーム製剤である比較例と比較して、密封効果(ODT効果)と入浴による温熱効果によって薬物による抗炎症効果を高め、更に患部の皮膚と入浴に伴う水分との直接の接触を予防することにより、皮膚引赤薬や皮膚刺激薬による副作用を軽減する効果を発揮する。又、フィルムが患部を被覆することによって塗布薬物の入浴やシャワーによる流失を防ぐことによって確実な抗炎症効果とその持続性を維持する。さらに、付随的効果として、浴槽汚染も少なく、その後に入浴する者にとっても、気持ちの良いものとなる。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、上述した実施例に限定されるものでないことは勿論であり、例えば、本実施例では、皮膚引赤薬の成分として、同等の薬効を有するトウガラシチンキを使用したが、同等の薬効を有する唐辛子エキス、カプサイシン、ノニル酸ワニリルアミド、カンタリスチンキ、カラシエキス、ニコチン酸エステル、の単体、或いは、これらを選択して混合したものでもよい。
また、本実施例では、皮膚刺激作用を有する成分としてl−メントールを使用したが、同等の薬効を有するハッカ油、カンフル、ケイヒ油、ショウガエキス、ユーカリ油、ワサビエキスの単体、或いは、これらを混合したものでもよい。
同様に、本実施例では、外用薬である抗炎症作用を有する成分としてサリチル酸を使用したが、同等の薬効を有するサリチル酸メチル、インドメタシン、ジクロフェナックナトリウム、フルルビプロフェン、ピロキシカム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、グアイアズレンスルホン酸エチルの単体、或いは、これらを選択して混合したものでもよい。
同様に、本実施例では、膜形成時の膜の強度・柔軟性と密封効果を高めるためにゴマ油を配合したが、シソオイル、エゴマ油、オリーブ油、馬油、ヒノキオイル、ひまし油の天然油の単体、或いは、これらを選択して混合したものでもよい。
また、本実施例では使用していないが、実施例の溶解剤の中にゲルマニウムを含有させてもよく、この場合には、浴用時の温熱作用により、患部の血流を改善することによって、ゲルマニウムの半導体としてのエネルギー効果を高め、肩こり、腰痛等の体制痛を改善することができる。
いずれにしても、密封効果(ODT効果)と入浴による温熱効果によって薬物による抗炎症効果を高め、更に患部の皮膚と入浴に伴う水分との直接の接触を予防することにより、皮膚引赤薬や皮膚刺激薬による副作用を軽減する効果を発揮し、フィルムが患部を被覆することによって塗布薬物の入浴やシャワーによる流失を防ぐことによって確実な抗炎症効果とその持続性を維持することを特徴とするものである。

Claims (5)

  1. ニトロセルロースを、酢酸3−メチルブチル、又は酢酸イソブチル又はアセトン、或いは、これらの混合物の溶解剤に溶解し、該ニトロセルロースの溶解剤に外用薬剤を溶解して、前記溶解剤の中にはシソオイル、ごま油、エゴマ油、オリーブ油、馬油、ヒノキオイル、ひまし油の天然油の内、一種以上を含有させ、更に、エチルアルコールを添加し水を含まない製剤として強度・柔軟性・密封効果を高めたフィルムを形成することを特徴とする浴用フィルム製剤。
  2. 前記外用薬剤として、皮膚引赤薬の唐辛子エキス、トウガラシチンキ、カプサイシン、ノニル酸ワニリルアミド、カンタリスチンキ、カラシエキス、ニコチン酸エステルのうち、一種以上を含有したものであり、患部の刺激と血流を改善することを特徴とする請求項1の浴用フィルム製剤。
  3. 前記外用薬剤として、皮膚刺激作用を有するハッカ油、l−メントール、カンフル、ケイヒ油、ショウガエキス、ユーカリ油、ワサビエキスの内、一種以上を含有したものであり、患部の刺激と血流の促進を補佐することを特徴とする請求項1の浴用フィルム製剤。
  4. 前記外用薬剤として、抗炎症作用を有するサリチル酸、サリチル酸メチル、インドメタシン、ジクロフェナックナトリウム、フルルビプロフェン、ピロキシカム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、グアイアズレンスルホン酸エチルの内、一種以上を含有したものであり、患部の抗炎症効果を効率的に発揮することを特徴とする請求項1の浴用フィルム製剤。
  5. 前記溶解剤の中には、ゲルマニウムを含有させ、浴用時の温熱作用により、患部の血流を改善することによって、ゲルマニウムの半導体としてのエネルギー効果を高め、肩こり、腰痛等の体制痛を改善することを特徴とする請求項1の浴用フィルム製剤。
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