JP4862666B2 - ナノファイバーの製造方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子物質から成るサブミクロンスケールの直径を有するナノファイバーの製造方法及び装置に関するものである。
従来、高分子物質から成るサブミクロンスケールの直径を有するナノファイバーを製造する方法として、エレクトロスピニング(電荷誘導紡糸)法が知られている。従来のエレクトロスピニング法では、高電圧を印加した針状のノズルに高分子溶液を供給することで、この針状のノズルから線状に流出する高分子溶液に電荷が帯電され、高分子溶液の溶媒蒸発に伴って帯電電荷間の距離が小さくなって作用するクーロン力が大きくなり、そのクーロン力が線状の高分子溶液の表面張力より勝った時点で線状の高分子溶液が爆発的に延伸される現象が生じ、この静電爆発と称する現象が、一次、二次、場合によっては三次と繰り返されることで、サブミクロンの直径の高分子から成るナノファイバーが製造されるものである。
ところが、従来のエレクトロスピニング法では、1本のノズルの先から1本のナノファイバーしか製造されないので、生産性が上がらないため、複数のノズルを用いてナノファイバーを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に記載された構成は、複数のノズルを有する紡糸部にバレル内の液状高分子物質をポンプにて送給し、高電圧発生部からノズルに5〜100kVの高電圧を印加し、接地又はノズルと異なる極性に帯電させたコレクタ上にノズルから排出されたナノファイバーを堆積させてウェブを形成するように構成されている。
特開2002−201559号公報
ところが、上記特許文献1に示された構成では、ナノファイバーの製造を所定時間以上停止する場合には、ノズルの先が目詰まりして次にナノファイバーの製造を開始するときに、高分子溶液が流出しない恐れがあるため、紡糸部内に貯留している高分子溶液を除去しておく必要があり、そのため紡糸部を分解して洗浄する必要があり、作業効率が大変悪いという問題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、ナノファイバーの製造停止時の紡糸部の目詰まりの発生を防止でき、断続的な製造を作業効率良く行うことができるナノファイバーの製造方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明のナノファイバーの製造方法は、高分子物質を溶媒に溶解した高分子溶液を紡糸部に設けられた複数の小穴から流出させ、流出する高分子溶液に高電圧を印加して静電爆発にて延伸させることで高分子物質から成るナノファイバーを生成するナノファイバーの製造方法において、溶液貯蔵部から内部を加圧状態と減圧状態に切り替え可能な溶液供給部に高分子溶液を供給し、ナノファイバーの生成時に溶液供給部内を加圧状態にして溶液供給部から紡糸部に高分子溶液を供給し、紡糸部に供給した高分子溶液を回収する場合には、溶液供給部内を減圧状態にして紡糸部から溶液供給部に高分子溶液を回収するものである。
上記構成によれば、溶液供給部を加圧状態にすることで紡糸部でのナノファイバーの生成量に応じて紡糸部に高分子溶液を供給できてナノファイバーを連続して製造することができ、ナノファイバーの製造を停止する場合のように、前記紡糸部に供給した高分子溶液を回収する場合には、溶液供給部内を減圧状態にすることで紡糸部内の高分子溶液を簡単かつ確実に溶液供給部に回収することができ、紡糸部における高分子溶液を流出させる小穴が残留した高分子溶液にて目詰まりが発生するのを防止でき、断続的な製造を作業効率良く行うことができる。
また、紡糸部は、複数の小穴を有するとともに供給された高分子溶液が充満する紡糸ヘッド部と紡糸ヘッド部に連通する密閉された加圧空間を内部に構成する加圧部とを有し、加圧空間内の空圧にて高分子溶液の自由液面を押圧して紡糸ヘッド部内の高分子溶液を加圧すると、紡糸ヘッド部の全体に均等に加圧力が作用し、高分子溶液をすべての小穴から均一に流出させることができ、紡糸ヘッド部の全体から均質なナノファイバーを製造することができる。
また、加圧空間における高分子溶液の自由液面が所定の一定レベルとなるように、若しくは加圧空間の圧力が所定値となるように溶液供給部から紡糸部に高分子溶液を供給すると、ナノファイバーの製造工程中、高分子溶液を紡糸部の小穴から均一にかつ安定して流出させることができ、均質なナノファイバーの量産を安定的に実現することができる。
また、本発明のナノファイバーの製造装置は、高分子物質を溶媒に溶解した高分子溶液を貯蔵した溶液貯蔵部と、密閉空間内に溶液貯蔵部から供給された高分子溶液を収容する溶液供給部と、溶液供給部内に高圧気体を供給して密閉空間内を加圧状態にする加圧手段と、溶液供給部の密閉空間内から気体を排出して減圧状態にする減圧手段と、加圧状態の溶液供給部の密閉空間から溶液供給管を通して供給された高分子溶液を流出させる複数の小穴を有するとともに流出する高分子溶液に高電圧を印加し、前記供給された高分子溶液を回収する場合には内部の高分子溶液が溶液供給管を通して減圧状態の溶液供給部の密閉空間に回収される紡糸部とを備えたものであり、上記ナノファイバーの製造方法を実施して紡糸部の目詰まりの発生を防止でき、断続的な製造を作業効率良く行うことができる。
また、紡糸部は、複数の小穴を有するとともに供給された高分子溶液が充満する紡糸ヘッド部と紡糸ヘッド部に連通する密閉された加圧空間を内部に構成する加圧部とを備えていると、加圧空間の圧力が紡糸ヘッド部内の高分子溶液の全体に作用し、紡糸ヘッド部の全体に均等に加圧力が作用し、高分子溶液をすべての小穴から均一に流出させることができ、紡糸ヘッド部の全体から均質なナノファイバーを製造することができる。
また、紡糸ヘッド部の両端部に一対の加圧部を配設すると、高分子溶液の粘性による圧力傾斜を小さくできて紡糸ヘッド部の全体の圧力をより確実に均一にでき、紡糸ヘッド部の全体からより均質なナノファイバーを製造することができる。
また、加圧部の加圧空間における高分子溶液の自由液面を検出する液面検出手段若しくは加圧空間の圧力を検出する圧力検出手段を設け、検出手段による検出信号が所定値となるように加圧手段を動作させると、ナノファイバーの製造工程中、高分子溶液を紡糸部の小穴から均一にかつ安定して流出させることができ、均質なナノファイバーの量産を安定的に実現することができる。
本発明のナノファイバーの製造方法及び装置によれば、溶液供給部を加圧状態にすることで紡糸部でのナノファイバーの生成量に応じて紡糸部に高分子溶液を供給できてナノファイバーを連続して製造することができ、ナノファイバーの製造を停止する場合のように、前記紡糸部に供給した高分子溶液を回収する場合には、溶液供給部内を減圧状態にすることで紡糸部内の高分子溶液を簡単かつ確実に溶液供給部に回収することができ、紡糸部における高分子溶液を流出させる小穴が残留した高分子溶液にて目詰まりが発生するのを防止でき、断続的な製造を作業効率良く行うことができる。
以下、本発明のナノファイバーの製造方法と装置の実施形態について、図1〜図5を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態のナノファイバーの製造装置について、図1〜図4を参照して説明する。
図1、図2において、高分子物質を溶媒に溶解した高分子溶液1が、溶液貯蔵部2に貯蔵されている。高分子溶液1を構成する高分子物質としては、ポリフッ化ビニリデン(FVDF)、ポリフッ化ビニリデン−コ−ヘキサフルオロプロピレン、ポリアクリルニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の石油系ポリマーや、バイオポリマーなどの様々な高分子、それらの共重合体や混合物などが適用可能であり、溶媒はこれら高分子物質を溶解する任意の溶媒を適用できる。
高分子溶液1は、溶液貯蔵部2から給液管3を通して給液ポンプ4にて給液バルブ5を介して溶液供給部6に送給される。溶液供給部6は、電気絶縁性部材から成るとともに内部を加圧状態及び減圧状態にできる密閉圧力容器7にて構成されている。給液管3の出口端3aは密閉圧力容器7の上壁7a近傍に位置し、内部に貯留された高分子溶液1と接触することがないようにされている。また、密閉圧力容器7内に収容されている高分子溶液1の液面レベルを検出する液面検出手段8が設けられている。
密閉圧力容器7は、高圧エア源9から圧力調整手段10及び加圧バルブ11を介して圧力調整された高圧エアを内部に供給することで、大気圧Pa以上の所定圧力Pcに加圧可能に構成され、これら高圧エア源9と圧力調整手段10と加圧バルブ11にて加圧手段12が構成されている。また、密閉圧力容器7は、減圧バルブ13を介して減圧ポンプ14にて内部のエアを排出することで、大気圧Pa以下の圧力に減圧可能に構成され、これら減圧バルブ13と減圧ポンプ14にて減圧手段15が構成されている。
溶液供給部6の密閉圧力容器7内を加圧手段12にて加圧すると、内部に収容されている高分子溶液1が溶液供給管16を通して紡糸部17に供給され、逆に密閉圧力容器7内を減圧手段15にて減圧すると、紡糸部17内に残留している高分子溶液1が吸引され、溶液供給部6内に回収されるように構成されている。溶液供給管16も電気絶縁性材料から成るパイプ材を用いるのが好適である。
紡糸部17は、高分子溶液1を線状に流出させる複数の小穴19が下側面に列状又はマトリックス状に配設されるとともに、供給された高分子溶液1が充満される筒状の紡糸ヘッド部18を備え、その両側に密閉された加圧空間21a、21bを内部に構成する一対の加圧部20a、20bを配設し、その加圧空間21a、21bの下部と紡糸ヘッド部18の両端を連通させて構成されている。溶液供給管16は、一方の加圧部20a内に挿入され、その下端が加圧空間21aの底面まで延出され、その下端部の側面に給排口22が開口されている。また、一方の加圧部20aには、その内部に収容されている高分子溶液1の液面レベルを検出する液面検出手段23が設けられている。
紡糸ヘッド部18は導電性材料にて構成され、第1の高電圧発生手段24にて発生させた1kV〜数100kV、好適には5kV〜100kVの高電圧が第1の接続手段25を介して印加され、内部に収容された高分子溶液1に電荷を帯電させて小穴19から流出させるように構成されている。
かくして、紡糸部17の小穴19から高分子溶液1が帯電されて流出すると、細い帯電された高分子線状体が生成され、その高分子線状体中の溶媒が蒸発することで高分子線状体の径が細くなり、それに伴って帯電されていた電荷が集中し、そのクーロン力が高分子溶液の表面張力を超えた時点で一次静電爆発が生じて爆発的に延伸され、その後さらに溶媒が蒸発して同様に二次静電爆発が生じて爆発的に延伸され、場合によってはさらに三次静電爆発が生じて延伸されることで、サブミクロンの直径を有する高分子物質から成るナノファイバーが効率的に製造される。
紡糸部17の下方には、適当な距離をあけて導電性部材から成る収集体26が配設され、第2の高電圧発生手段27にて発生させた、高分子溶液1に対する印加電圧とは逆極性の高電圧が第2の接続手段28を介して印加されている。なお、高分子溶液1と収集体26との間に大きな電位差を付与すればよいので、単に収集体26を接地するだけでもよい。この高分子溶液1と収集体26との間の大きな電位差によって、上記のように生成された帯電しているナノファイバーが収集体26に向けて移動し、その上に堆積される。
次に、制御構成を図3を参照して説明する。図3において、給液ポンプ4と、給液バルブ5と、加圧バルブ11と、減圧バルブ13と、第1と第2の接続手段25、28が制御部29にて制御される。制御部29は、操作部30からの作業指令により、記憶部31に記憶されている動作プログラムや操作部30から入力されて記憶している各種データ、及び溶液供給部6に設けられた液面検出手段8と紡糸部17の加圧部20aに設けられた液面検出手段23による検出信号に基づいて動作制御し、その動作状態や各種データを表示部32に表示する。
以上の構成において、ナノファイバーの製造時の動作について、主として図4と図1〜図3を参照して説明する。電源オンにより給液ポンプ4が動作可能な状態で給液バルブ5を開くことによって溶液貯蔵部2から溶液供給部6へ高分子溶液1が供給される。溶液供給部6への給液は、溶液供給部6における高分子溶液1の液面レベルを液面検出手段8で検出し、所定の液面レベルL0になるまで行われる。
ナノファイバーを製造する際には、溶液供給部6から紡糸部17に高分子溶液1が供給される。その高分子溶液1の供給にあたっては、給液バルブ5、減圧バルブ13を閉じ、加圧バルブ11を開いて溶液供給部6内を加圧することで、高分子溶液1が溶液供給管16を通して紡糸部17の加圧部20aに供給される。より具体的には、溶液供給部6の密閉圧力容器7内の圧力P1を常に大気圧Paより高い値に設定された所定の圧力Pcとなるように制御することで高分子溶液1の紡糸部17への供給が行われ、さらに好適には加圧部20aにおける高分子溶液1の液面レベルを液面検出手段23で検出し、ナノファイバーの製造中、常に所定の液面レベルがL2となるように、加圧バルブ11を開閉制御して微調整が行われ、高精度に液面レベルがL2に維持される。
紡糸部17でのナノファイバーの製造に伴って、溶液供給部6から紡糸部17に高分子溶液1が逐次供給されることで溶液供給部6での高分子溶液1の液面レベルが低下し、液面レベルがL1まで低下すると、上記のように給液バルブ5を開いて高分子溶液1の液面レベルが所定の液面レベルL0になるまで溶液貯蔵部2から溶液供給部6に高分子溶液1が供給される。
紡糸部17では、加圧部20aに供給された高分子溶液1が加圧部20aから紡糸ヘッド部18及び加圧部20bに貯留し、その後高分子溶液1が紡糸ヘッド部18に充満し、さらに両加圧部20a、20b内で液面が上昇して密閉され加圧空間21a、21bの上部で内部の空気が圧縮される。この圧縮空気の圧力P2、P3にて加圧部20a、20b内の高分子溶液1の自由液面が押圧され、押圧された高分子溶液1が紡糸ヘッド部18で第1の高電圧発生手段24からの高電圧に帯電された状態で複数の小穴19から流出し、上記のようにナノフアイバーが効率的に製造される。なお、加圧空間21a、21bの圧力P2、P3は、高分子溶液1の供給・吸引によって圧力P2が変化するときに高分子溶液1の粘性によって圧力P3の方が多少遅れて変化するが、基本的には同一の圧力になり、かつその圧力は基本的に溶液供給部6の密閉圧力容器7内の所定圧力Pcとほぼ一致する。
その後、ナノファイバーの製造を所定期間以上中断する時のように、紡糸部17に供給した高分子溶液1を回収する場合には、給液バルブ5と加圧バルブ11をオフにし、減圧バルブ13と減圧ポンプ14をオンすることによって、溶液供給部6の密閉圧力容器7内を排気し、その圧力P1を大気圧Paより低い値に減圧する。これによって、紡糸部17の紡糸ヘッド部18及び加圧部20a、20b内に貯留されている高分子溶液1を溶液供給管16を通して溶液供給部6の密閉圧力容器7内に吸引して回収することができる。かくして、紡糸ヘッド部18に残留した高分子溶液1の溶媒が蒸発して高分子物質が小穴19に付着して固化し、目詰まりを発生する恐れを解消することができる。
以上のように、本実施形態によれば溶液供給部6を加圧手段12にて加圧状態にすることで紡糸部17でのナノファイバーの生成量に応じて紡糸部17に高分子溶液1が供給されるので、ナノファイバーを連続して製造することができ、かつナノファイバーの製造を停止する場合のように、紡糸部17に供給した高分子溶液1を回収する場合に、溶液供給部6内を減圧手段15にて減圧状態にすることで紡糸部17内の高分子溶液1を溶液供給部6に回収することができ、製造停止時のように長時間製造を行わない場合の紡糸部17における小穴19の目詰まりを簡単かつ確実に防止でき、断続的な製造を作業効率良く行うことができる。
また、紡糸部17を、複数の小穴19を有する紡糸ヘッド部18と紡糸ヘッド部18の両端に連通する加圧部20a、20bにて構成し、両加圧部20a、20b内の空圧にて高分子溶液1の自由液面を押圧して紡糸ヘッド部18内の高分子溶液1を加圧するようにしているので、紡糸ヘッド部18の全体に均等に加圧力が作用し、高分子溶液1をすべての小穴19から均一に流出させることができ、紡糸ヘッド部18の全体から均質なナノファイバーを製造することができる。なお、加圧部は片側だけ設けても良いが、両端に連通させて設けることで紡糸ヘッド部18内での圧力勾配を小さくできて一層均質なナノファイバーを製造することができる。
また、加圧部20aの加圧空間21aにおける高分子溶液1の自由液面を検出する液面検出手段23を設け、その検出信号が所定値となるように加圧手段12を動作させるようにしているので、紡糸ヘッド部18内の高分子溶液1に作用する加圧力が加圧空間21a、21bの圧縮エア圧によって精度良く制御されるので、簡単な構成にてナノファイバーの製造工程中、高分子溶液1を紡糸ヘッド部18の小穴19から均一にかつ安定して流出させることができ、均質なナノファイバーの量産を安定的に実現することができる。
なお、上記実施形態では、加圧部20aに液面検出手段23を設けて加圧空間21aにおける高分子溶液1の自由液面が所定の一定レベルとなるようにした例を示したが、加圧空間21a、21bの圧力を検出する圧力検出手段を設け、検出手段による検出信号が所定値となるように、溶液供給部6の加圧手段12を動作させるようにしても、同様の作用によって均質なナノファイバーの量産を安定的に実現することができる。さらに、溶液供給部6とは切り離し、溶液供給部6の加圧手段12は紡糸部17への高分子溶液1の供給専用とし、別途に設けた加圧手段にて加圧空間21a、21bの圧力を制御するようにしても良い。
また、紡糸ヘッド部18には、第1の高電圧発生手段24からの高電圧が印加されているが、溶液供給管16及び溶液供給部6の密閉圧力容器7を絶縁性材料にて構成することで、高分子溶液1の溶液供給部6への供給系、加圧手段12及び減圧手段15に対する絶縁を容易に確保することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明のナノファイバーの製造装置の第2の実施形態について、図5を参照して説明する。なお、本実施形態の説明では、上記第1の実施形態と同一の構成要素については同一の参照符号を付して説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
上記実施形態の紡糸部17においては、単一の紡糸ヘッド部18の両端に一対の加圧部20a、20bを連通させて配設した例を示したが、本実施形態では、図5に示すように、複数の紡糸ヘッド部18a、18b、18cを並列配置し、それらの両端に共通の一対の加圧部20a、20bを連通させて配設している。このように複数の紡糸ヘッド部18a、18b、18cを並列配置することで、より効率的に多量のナノファイバーを製造することができるとともに、他の構成要素を共用することで、設備コストの低廉化を図ることができる。
本発明のナノファイバーの製造方法及び装置によれば、溶液供給部を加圧状態にすることで紡糸部でのナノファイバーの生成量に応じて紡糸部に高分子溶液を供給できてナノファイバーを連続して製造することができ、ナノファイバーの製造を停止する場合のように、紡糸部に供給した高分子溶液を回収する場合に、溶液供給部内を減圧状態にすることで紡糸部内の高分子溶液を簡単かつ確実に溶液供給部に回収して紡糸部における目詰まりの発生を防止でき、断続的な製造を作業効率良く行うことができるので、フィルタや電池のセパレータや燃料電池の高分子電解質膜や電極等に好適に適用されるナノファイバーを高い生産性をもって製造するのに好適に利用することができる。
本発明の第1の実施形態におけるナノファイバーの製造装置の全体構成を示す斜視図。 同実施形態におけるナノファイバーの製造装置の要部の縦断面図。 同実施形態における制御構成を示すブロック図。 同実施形態における各部の動作状態を示す説明図。 本発明の第2の実施形態におけるナノファイバーの製造装置の要部の斜視図。
符号の説明
1 高分子溶液
2 溶液貯蔵部
6 溶液供給部
12 加圧手段
15 減圧手段
16 溶液供給管
17 紡糸部
18 紡糸ヘッド部
19 小穴
20a、20b 加圧部
21a、21b 加圧空間
23 液面検出手段
24 第1の高電圧発生手段

Claims (5)

  1. 高分子物質を溶媒に溶解した高分子溶液を紡糸部に設けられた複数の小穴から流出させ、流出する高分子溶液に高電圧を印加して静電爆発にて延伸させることで高分子物質から成るナノファイバーを生成するナノファイバーの製造方法において、溶液貯蔵部から内部を加圧状態と減圧状態に切り替え可能な溶液供給部に高分子溶液を供給し、ナノファイバーの生成時に溶液供給部内を加圧状態にして溶液供給部から紡糸部に高分子溶液を供給し、紡糸部に供給した高分子溶液を回収する場合には、溶液供給部内を減圧状態にして紡糸部から溶液供給部に高分子溶液を回収するものであり、紡糸部は、複数の小穴を有するとともに供給された高分子溶液が充満する紡糸ヘッド部と紡糸ヘッド部に連通する密閉された加圧空間を内部に構成する加圧部とを有し、加圧空間内の空圧にて高分子溶液の自由液面を押圧して紡糸ヘッド部内の高分子溶液を加圧することを特徴とするナノファイバーの製造方法。
  2. 加圧空間における高分子溶液の自由液面が所定の一定レベルとなるように、若しくは加圧空間の圧力が所定値となるように溶液供給部から紡糸部に高分子溶液を供給することを特徴とする請求項記載のナノファイバーの製造方法。
  3. 高分子物質を溶媒に溶解した高分子溶液を貯蔵した溶液貯蔵部と、密閉空間内に溶液貯蔵部から供給された高分子溶液を収容する溶液供給部と、溶液供給部内に高圧気体を供給して密閉空間内を加圧状態にする加圧手段と、溶液供給部の密閉空間内から気体を排出して減圧状態にする減圧手段と、加圧状態の溶液供給部の密閉空間から溶液供給管を通して供給された高分子溶液を流出させる複数の小穴を有するとともに流出する高分子溶液に高電圧を印加し、前記供給された高分子溶液を回収する場合には内部の高分子溶液が溶液供給管を通して減圧状態の溶液供給部の密閉空間に回収される紡糸部とを備え、紡糸部は、複数の小穴を有するとともに供給された高分子溶液が充満する紡糸ヘッド部と紡糸ヘッド部に連通する密閉された加圧空間を内部に構成する加圧部とを備えていることを特徴とするナノファイバーの製造装置。
  4. 紡糸ヘッド部の両端部に一対の加圧部を配設したことを特徴とする請求項記載のナノファイバーの製造装置。
  5. 加圧部の加圧空間における高分子溶液の自由液面を検出する液面検出手段若しくは加圧空間の圧力を検出する圧力検出手段を設け、検出手段による検出信号が所定値となるように加圧手段を動作させることを特徴とする請求項又は記載のナノファイバーの製造装置。
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