JP4862080B2 - 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理プログラムを記録した記録媒体、および、画像処理プロセッサ - Google Patents
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Description
特許文献1には、カメラやマイクから取得した情報を、イベントごとに重要度を定義して記録することで、利用者の記憶と想起を補助するウェアラブル端末が開示されている。しかし、ウェアラブル端末は、常時装着され常時撮影が行われるという使用形態から、利用者の動きによって撮像画像の画質が著しく低下してしまうという問題がある。特に、ウェアラブル端末が水平面に対して傾いた状態で撮影が行われることよって、撮像画像が傾いてしまうという問題がある。
ここで画像における領域とは、画像を構成する画素のうちの一部分で構成される画素ブロックである。
ここで、テクスチャとは、画像中のエッジ強度の大きい画素の集合として形成される模様であり、テクスチャが一方向性を有するとは、近接するエッジ強度の大きい画素を結ぶことによって形成される線分のうち、大部分がある特定の方向の周辺に向いていることをいう。テクスチャは、画像に含まれる画素の位置情報および輝度情報に演算を施すことで得られる。テクスチャが一方向性を有している場合は、領域内に建物等の構造物の縁が含まれていると考えられ、その方向が水平方向もしくは鉛直方向である可能性が高いので、それらの領域において、輝度のような画素情報を解析することによって、画像の傾き角を推定する。
画像中の線分は輝度の変化として認識することができ、線分の方向は輝度変化の方向、すなわち、輝度勾配として認識されるので、領域中の線分のそろい具合を輝度勾配の方向分布から判定することができる。
ここで、前記判定手段は、輝度スペクトル強度の方向分布を算出するとしてもよい。
ここで、
前記選択手段は、前記複数の領域のうち、輝度変化が所定の輝度変化より大きい画素の数の領域の全画素数に対する割合が所定の閾値より大きい領域を選択対象から除外するとしてもよい。
ここで、前記判定手段は、前記輝度勾配の方向分布の分散が所定の値より小さい領域を、領域の傾き角の推定に適した領域と判定するとしてもよい。
ここで、前記判定手段は、前記輝度勾配の方向分布において、輝度勾配の方向の最頻値を中心とする所定の角度範囲内にある割合が所定の値より大きい領域を、前記領域の傾き角の推定に適した領域と判定するとしてもよい。
ここで、前記画像処理装置は、複数の撮像画像の傾きを連続して検出し、前記所定の角度範囲は、前記補正手段が過去に採用した傾き角に基づいて決定されるとしてもよい。
ここで、前記所定の角度範囲は、前記補正手段が直前に採用した傾き角に基づいて決定されるとしてもよい。
ここで、前記判定手段は、前記輝度スペクトルの強度の方向分布の分散が所定の値より小さい領域を、前記領域の傾き角の推定に適した領域と判定するとしてもよい。
ここで、前記推定手段は、前記選択手段によって選択された領域全体から線分を検出し、検出された線分の傾き角の最頻値を画像の傾き角とするとしてもよい。
選択された領域全体から線分を検出し、傾き角の推定を行うので、線分検出処理および傾き推定処理をそれぞれ1回することで画像の傾き角の推定が完了できる。
選択された領域個別に線分の検出と傾き角の推定を行い、それぞれの領域の傾き角から画像の傾き角を推定する2段階の推定を行うことで、推定の精度を高めることができる。
それぞれの領域で推定された傾き角のうち最頻値を画像の傾き角とすることで、最も確からしい傾き角を推定できる。
ここで、前記画像の傾き角は、前記領域の傾き角の最頻値が複数ある場合、各領域において領域の傾き角の方向に傾いた線分の長さが長いもの優先するとしてもよい。
ここで、前記画像処理装置は、複数の撮像画像の傾きを連続して補正し、前記画像の傾き角は、前記領域の傾き角の最頻値が複数ある場合、前記補正手段が過去に採用した傾き角から予測される傾き角に近いものを優先するとしてもよい。
ここで、前記推定手段が過去に検出した画像の傾き角から予測される傾き角は、前記推定手段が直前に検出した傾き角であるとしてもよい。
最頻値が複数ある場合、直前に採用した傾き角に近い方を優先することで、正しい傾き角を推定できる可能性が高くなる。
選択された領域が少ない場合、画像から推定される傾き角の信頼度は低いので、過去に採用された傾き角に基づいて推定される傾き角を採用する。これにより、選択された領域が少ない場合でも画像の補正を行うことができる。
選択された領域が少ない場合、画像から推定される傾き角の信頼度は低いので、直前に採用された傾き角を採用する。これにより、選択された領域が少ない場合でも画像の補正を行うことができる。
選択された領域が少ない場合、画像から推定される傾き角の信頼度は低いので、センサで測定した撮影時の傾き角を採用する。これにより、選択された領域が少ない場合でも画像の補正を行うことができる。
選択された領域が少ない場合、画像から推定される傾き角の信頼度は低いので、補正を行わないようにする。これにより、間違った傾き角で補正することによる画質の悪化を防止できる。
画像が暗い場合、画像から傾き角を推定するのは困難であるので、過去に採用された傾き角に基づいて画像の傾き角を推定する。これにより、画像が暗い場合でも画像の補正を行うことができる。
画像が暗い場合、画像から傾き角を推定するのは困難であるので、直前に採用された傾き角を推定する。これにより、画像が暗い場合でも画像の補正を行うことができる。
ここで、前記画像処理装置は、撮像時における水平面からの傾きを検知するセンサを備えた撮像装置に内蔵され、前記補正手段は、前記撮像画像において輝度が所定の値より小さい画素の全画素に占める割合が所定の閾値より大きい場合、前記センサが出力する傾き角を用いて撮像画像を補正するとしてもよい。
ここで、前記補正手段は、前記撮像画像において輝度が所定の値より小さい画素の全画素に占める割合が所定の閾値より大きい場合、補正を行わないとしてもよい。
ここで、前記センサは、加速度センサであるとしてもよい。
センサとして加速度センサを用いることで、重力加速度を検知して撮影時の傾き角を測定することができる。
センサとして角速度センサを用いることで、撮像装置の回転角を検知して撮影時の傾き角を測定することができる。
ウェアラブル端末とは、図1のように、利用者が首からぶら下げるなどして常時身につけて使用する端末で、利用者の日常の出来事を記録するために例えばカメラを備えており、カメラによる撮影は、利用者による操作を特に必要とせずに行われる。従って、利用者の予期しないタイミングで撮影が行われる可能性があり、例えば、カメラが水平面に対して傾いた状態で撮影が行われると、図2(a)のように、撮影された画像は傾いてしまう。このような傾いた画像は見苦しいので、通常、人は図2(b)のように、画像を傾けて被写体の方向を正しい方向に戻そうとする。本発明は、人が傾きを補正せずとも、撮像画像を解析することで正しい方向を推定し、画像の傾きを補正する画像処理装置である。
《構成》
図3は、本発明の一例である画像処理装置の構成図である。本発明の一例である画像処理装置100は、画像入力部110、画像分割部120、方向性判定部125、領域選択部130、傾き推定部140、画像補正部150、および、センサ160から構成される。本実施形態では、本発明の一例である画像処理装置100が、撮像部および記憶部を備えたウェアラブル端末に内蔵され、撮像部で撮影された画像の傾きを補正し、記憶部に記憶する構成となっている。
記憶部は、SDカードやフラッシュメモリ等の記憶媒体であり、本発明の一例である画像処理装置100が出力する画像を保存する。
〈画像入力部110〉
画像入力部110は、画像処理装置100において補正する画像の入力を行う。本発明の一例である画像処理装置100は、補正を行う画像がいつ撮影されたものであるかは関知しない。本実施形態では、本発明の一例である画像処理装置100をウェアラブル端末に内蔵し、撮像画像をその場で補正する構成をとっているが、撮像装置とは別に本発明の一例である画像処理装置100を用意し、撮像画像を入力するような構成にしてもよい。ここで、画像の補正を行うためには、入力される画像は、例えば、通常のカメラで撮影された長方形状の写真のように、画像の縦方向および横方向が明確に規定される画像を前提とする。
〈画像分割部120〉
画像分割部120は、入力された画像を複数の領域に分割する。この分割は、入力画像を縦1/4、横1/5というように縦横共に入力画像に対する比で分割してもよいし、あるいは、縦横32画素というように固定の大きさで分割してもよい。例えば、画像分割部120は、図4(a)のような入力画像に対して、図4(b)のように20分割された領域を生成する。
〈方向性判定部125〉
方向性判定部125は、分割された領域ごとに、その領域が画像の傾き角を推定するのに適しているかどうかを判定する。画像の傾き角を推定するのに適しているかどうかというのは、画像中に含まれる線分の方向の揃い具合によって判定される。すなわち、線分が一方向に揃っている領域は画像の傾き角を推定するのに適しており、逆に線分の方向がバラバラの領域は画像の傾き角を推定するのに適していない。
(輝度勾配)
次に、輝度の変化の方向、すなわち、輝度勾配を求める方法について説明する。
領域選択部130は、以上のようにして領域に含まれるすべての画素について輝度勾配を算出し、領域における線分の方向が揃っているかどうかを判定する。これは、図7のような輝度勾配の値ごとに画素数の累計をとった輝度勾配ヒストグラムを作成することでなされる。図7は、輝度勾配θを横軸とし、一定の幅Δθの範囲に輝度勾配をもつ画素の数Pを縦軸にとったヒストグラムである。
(輝度スペクトル)
一方、画像に含まれる線分の方向性を判定する方法は、上述のように、画素単位で輝度勾配を算出するほかに、画像の周波数特性を利用する方法がある。
図8(b)のように、壁の模様から明確に水平方向が判定できる画像の場合は、輝度スペクトルは図8(e)において縦方向の線で示したように強いピークを示す。図8(e)では、図
面の都合上、ピークの強さを線の太さで表している。一般的に、元の画像中の線分と輝度スペクトル中のピークとは直交する関係にあるので、輝度スペクトルが縦方向に強いピークを示せば、元の画像は横方向の線分を含んでいる傾向が強いと推定できる。
以上のように、輝度スペクトルのパターンから元の画像における線分の方向性を判定することができる。
〈領域選択部130〉
領域選択部130は、画像分割部120によって分割された領域から、方向性判定部125が一方向性を有すると判定した領域のみを選択する。例えば、図4の例では、図4(c)のように、壁の水平線が明瞭に現れている領域が選択され、全面が壁面で埋まってテクスチャが現れていない領域や、植木が大部分を占めてテクスチャが一方向性を有しない領域は除外される。
(領域選択部130の動作)
図9は、方向性判定部125によるテクスチャの方向性判定に基づいた領域選択部130による領域選択の動作を示すフローチャートである。領域選択部130は、まず、画像分割部120で分割された領域の数をN、領域を示すインデックスをi=1と初期化する(ステップS1001)。次に、領域選択部130は領域iの輝度勾配ヒストグラムを作成するように方向性判定部125に指示し、方向性判定部125は領域選択部130からの指示を受けて領域iの輝度勾配ヒストグラムを作成する(ステップS1002)。方向性判定部125が作成した輝度勾配ヒストグラムの分散が、予め決められた閾値より小さければ(ステップS1003 Y)、領域選択部130は領域iの選択フラグを設定し(ステップS1004)、ステップS1005に進む。方向性判定部125が作成した輝度勾配ヒストグラムの分散が、予め決められた閾値より小さくなければ(ステップS1003 N)、ステップS1005に進む。領域を示すインデックスiが、分割された領域の数N以上ならば(ステップS1006 Y)、領域選択を終了する。領域を示すインデックスiが、分割された領域の数N以上でなければ(ステップS1006 Y)、iを1だけ増大させて(ステップS1007)、ステップS1002に戻る。
(輝度勾配ヒストグラムの作成)
図10は、上記ステップS1002における方向性判定部125による輝度勾配ヒストグラム作成処理を示すフローチャートである。
続いて、算出した輝度勾配を輝度勾配ヒストグラムに登録する。まず、走査開始角をθ=θ_1とする(ステップS1103)。画素iの輝度勾配θ_iが、θからθ+Δθに入っていれば(ステップS1104 Y)、輝度勾配ヒストグラムのθにおける値P(θ)を1だけ増大し(ステップS1105)、ステップS1106に進む。画素iの輝度勾配θ_iが、θからθ+Δθに入っていなけば(ステップS1104 Y)、ステップS1106に進む。角度θが、走査終了角θ_2以上なら(ステップS1106 Y)、ステップS1108に進む。角度θが、走査終了角θ_2以上でないなら(ステップS1106 N)、θをΔθだけ増大させて(ステップS1107)、ステップS1104に戻る。以上の処理で、画素iの輝度勾配ヒストグラムへの登録が終了する。
なお、上では、領域中の画素すべてについて走査し輝度勾配ヒストグラムを作成するとしたが、Sobelフィルタを用いる場合は周囲の画素情報が必要となるので、領域の端の画素は処理対象から除く等の配慮は必要である。
〈傾き推定部140〉
傾き推定部140は、領域選択部130で選択された領域に対して画素情報に基づいて領域の傾き角の推定を行う。傾き推定部140は、まず、領域から線分を検出し、次に、線分の傾き角の最頻値を領域の傾き角として推定する。傾き角の推定は、領域選択部130で選択された領域全体から線分を検出して画像の傾き角を推定するようにしてもよいし、領域選択部130で選択された領域ごとに個別に領域の傾き角を推定しておき、それらをもとに更に画像の傾き角を推定するようにしてもよい。
(線分検出)
傾き推定部140は、画像に含まれる線分を検出するために、Hough変換法を用いる。これは、画像中で線分の存在する可能性の高い箇所に特徴点を設定し、各特徴点を通りあらゆる方向に一定の確率で直線が存在すると仮定すると、複数の特徴点から伸びる直線の重ね合わせにより、実際に存在する線分の存在確率が高くなることを利用した検出方法である。例えば、図11(a)のように3つの特徴点があるとき、図11(b)のように、各特徴点からあらゆる方向に直線が伸びていると仮定すると、図11(c)のように、3点を結ぶ直線上では重ね合わせによって直線の存在確率が高くなるので、実際に線分が存在するとみなす。特徴点は、上述のSobelフィルタ等のエッジ検出フィルタを画像に適用することで抽出する。
(傾き角推定)
傾き推定部140は、検出された線分から線分の傾き角についての累積をとり、最も度数の高い傾き角を領域の傾き角として推定する。
図14は、傾き推定部140の動作を示すフローチャートである。
以下、領域の傾き角をヒストグラムQ(φ)に登録する処理を行う。まず、領域iにおいて角度ヒストグラムを作成し(ステップS2004)、その最頻値を領域iの傾き角φ_iとする(ステップS2005)。走査開始角度をφ=φ_1に設定し(ステップS2006)、領域iの傾き角φ_iがφからφ+Δφの間に入っていれば(ステップS2007 Y)、Q(φ)を1だけ増大させ(ステップS2008)、ステップS2009に進む。走査開始角度をφ=φ_1に設定し(ステップS2006)、領域iの傾き角φ_iがφからφ+Δφの間に入っていなければ、ステップS2009に進む。角度φが、走査終了角度φ_2に対してφ≧φ_2になれば(ステップS2009 Y)、ステップS2011に抜け、φ<φ_2の間はステップS2010に進み、φをΔφだけ増大させて(ステップS2010)、ステップS2007に戻る。
ステップS2001で、一括推定をすると判定された場合は、まず、領域選択部130で選択した領域を結合して1つの領域とする(ステップS2014)。結合された領域に対して線分を検出し(ステップS2015)、結合された領域に対して角度ヒストグラムを作成する(ステップS2016)。この角度ヒストグラムの最頻値を画像の傾き角の推定値とする(ステップS2017)。
次に、ステップS2003およびステップS2015における線分検出処理について説明する。
図15は、Hough変換法による線分検出を示すフローチャートである。
傾き推定部140は、まず、領域から特徴点を抽出し(ステップS2101)、特徴点の個数をN、特徴点を示すインデックスをi=1、ヒストグラムをP(θ,ρ)=0と初期化する(ステップS2102)。
図16は、角度ヒストグラム作成のフローチャートである。傾き推定部140は、まず、領域内で検出された線分の数をNとし、線分を示すインデックスをi=1、角度ヒストグラムをR(φ)=0と初期化する(ステップS2201)。次に、線分iについて線分検出時に算出したパラメータ(θ_i,ρ_i)をメモリから読み込み(ステップS2202)、線分iの傾き角φ_iを算出する(ステップS2203)。
以上により、図13のような角度ヒストグラムが完成する。傾き推定部140は、角度ヒストグラムの最頻値を領域の傾き角と推定する。例えば、図13の場合、領域の傾き角はφ_0となる。
(輝度スペクトルを利用した傾き角推定)
上では、傾き推定部140が、領域から線分を検出し、その線分の傾き角から領域の傾き角を推定する方法を述べたが、領域の輝度スペクトルを利用して傾き角を推定してもよい。
(輝度勾配の方向分布に基づく傾き推定)
また、傾き推定部140は、輝度勾配の方向分布に基づいて傾き角を推定してもよい。具体的には、領域選択部130で選択された領域に属する画素について、輝度勾配の方向分布を算出し、その最頻値に対応する角度を利用して、傾き角を推定することができる。
〈センサ160〉
センサ160は、加速度センサあるいは角速度センサなどの重力の方向を検知するセンサであり、傾き推定部140による画像の傾き角の推定がうまくいかない場合に、センサ160により直接、ウェアラブル端末の傾き角を測定する。傾き推定部140による画像の傾き角の推定がうまくいかない場合とは、例えば、領域選択部130によって選択された領域が少ない場合や、画像が暗い場合がある。
図18に示すように、ウェアラブル端末が傾いていないときの鉛直方向および水平方向にy軸およびx軸をとり、y方向およびx方向の加速度を検出できるようにセンサ160をウェアラブル端末に固定する。重力加速度をgとすると、x方向およびy方向の成分はそれぞれg_x=g sinθ、g_y=g cosθと書けるので、傾き角はθ=tan-1(g_x=g_y)となる。
センサ160は、傾き角そのものを出力しなくても、ある基準値からの差分値を出力するようにしてもよいし、直前の測定値からの差分値を出力するようにしてもよい。
上では、加速度センサを用いて重力を検出することにより撮影時の傾き角を検出する例を示したが、自機が回転する角速度を角速度センサを用いて検出し、時間的に積分することで傾き角を算出するようにしてもよい。
〈画像補正部150〉
画像補正部150は、傾き推定部140で推定された傾き角、もしくは、センサ160で検出された傾き角に応じて画像を回転する補正を行う。画像補正部150は、傾き推定部140が画像の傾き角の推定を行なった場合は、推定された傾き角を用いて画像の補正を行うが、傾き推定部140が画像の傾き角の推定を行うのに十分な情報が画像に含まれていない場合は、センサ160が検出した傾き角を用いて画像の補正を行う。ここで、画像の補正とは、図2で示したように、推定あるいは検出された画像の傾き角に対して、同じ角だけ逆の方向に画像を回転させることで行う。
画像処理装置100は、まず、画像入力部110において画像を読み込み(ステップS3001)、入力された画像の全画素数をN、輝度が閾値以上の画素数をMを初期化する。
比M=Nが閾値αより大きくなければ(ステップS3003 N)、ステップS3009に進む。比M=Nが閾値αより大きければ(ステップS3003 Y)、ステップS3004に進み、画像分割部120において画像を分割する(ステップS3004)。このとき画像の分割数をnとする。次に、方向性判定部125において判定される領域のテクスチャの方向性に基づいて、領域選択部130が線分の方向の揃った領域を選択する(ステップS3005)。このとき領域の選択数をmとする。
画像補正部150は、傾き推定部140で推定された傾き角だけ画像を回転させることで画像の補正を行う(ステップS3008)。ただし、ステップS3003もしくはステップS3006において、画像から傾き角を推定するのに適さないと判断された場合は、センサで傾き角を検出し(ステップS3009)、その値を用いて画像の補正を行う。
なお、センサ160は必須ではなく、センサ160を備えていない場合は、傾き角を推定するに足る情報を有していない画像に対しては何も処理を行わないようにしてもよい。そうすることで、間違って推定された傾き角に基づいた補正を行い、画質を悪くしてしまうことを防げる。
110:画像入力部
120:画像分割部
125:方向性判定部
130:領域選択部
140:傾き推定部
150:画像補正部
160:センサ
Claims (37)
- 撮像画像を構成する画素ブロックの輝度情報を用いて撮像画像の補正を行う画像処理装置であって、
画素ブロックは、縦方向および横方向の画素数が予め定められた画素の集まりであり、
方向分布を算出する演算式に、画素ブロック内の画素の位置情報と輝度情報とを代入して演算を行って、当該画素ブロック内画像の傾き角を推定するのに適しているかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段により、画素ブロック内画像の傾き角を推定するのに適していると判定された画素ブロックを選択する選択手段と、
選択された画素ブロックから、前記演算の結果を用いて、基準軸に対する撮像画像の傾き角を求め、補正する補正手段とを備え、
前記方向分布は、画素ブロック内に写っている物のエッジ部分の画素が空間的に連続している方向の分布を示すものである
ことを特徴とする画像処理装置。 - 複数の前記画素ブロックから構成される撮像画像の補正を行う画像処理装置であって、
各画素ブロックごとに、当該画素ブロック内の画像の傾きを推定するのに適しているかどうかを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記方向分布は、輝度勾配の方向分布であり、
前記輝度勾配θは、
画像における任意の位置P(x,y)における画素の輝度をI(P)とした場合、
位置P(x,y)におけるx方向の輝度変化Δx=∂I(P)/∂xと、位置P(x,y)におけるy方向の輝度変化Δy=∂I(P)/∂yとを用いて、θ=tan-1(Δy/Δx)と表され、
前記輝度勾配の方向分布P(θ)は、輝度勾配の関数であり、輝度勾配がΔθの幅を許してθである画素の数を累積したものである
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記判定手段により画素ブロック内画像の傾きを推定するのに適していると判定される画素ブロックは、
前記輝度勾配の方向分布の分散が所定の値より小さい画素ブロックである
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。 - 前記判定手段により画素ブロック内画像の傾きを推定するのに適していると判定される画素ブロックは、
前記輝度勾配の方向分布において、最頻値を中心とする所定の角度範囲内にある割合が所定の値より大きい画素ブロックである
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。 - 前記画像処理装置は、複数の撮像画像の傾き角を連続して検出し、
前記所定の角度範囲は、前記補正手段が過去に採用した傾き角に基づいて決定される
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。 - 前記画像処理装置は、複数の撮像画像の傾き角を連続して検出し、
前記所定の角度範囲は、前記補正手段が直前に採用した傾き角に基づいて決定される
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。 - 前記方向分布は、輝度スペクトル強度の方向分布であり、
前記輝度スペクトルは、
離散的な2次元座標(x,y)に対してある値Iをとる離散関数で表される画像の輝度I(x,y)に対して、2次元離散Fourier変換を施したものであり、
前記画像の輝度I(x,y)に対する輝度スペクトルF I(u,v)は、
前記画像の幅をW、高さをHとすると、(数3)のように表され、
前記輝度スペクトルF I(u,v)を、極座標(r,θ)で表示した際における輝度スペクトルF I(r,θ)を、動径方向に関して2乗和をとることで(数4)と表される
- 前記判定手段により画素ブロック内画像の傾きを推定するのに適していると判定される画素ブロックは、
前記輝度スペクトル強度の方向分布の分散が所定の値より小さい画素ブロックである
ことを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。 - 前記補正手段は、
前記選択手段によって選択された画素ブロックから輝度勾配の方向分布を算出し、
前記輝度勾配の方向分布における最頻値に基づいて撮像画像の傾き角を求める
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記補正手段は、
前記選択手段によって選択された画素ブロックから線分を検出し、
検出された線分の傾き角に基づいて撮像画像の傾き角を求める
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記線分の検出は、前記選択手段によって選択された画素ブロック全体を対象に行われ、
前記撮像画像の傾き角は、検出された線分の傾き角の最頻値である
ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。 - 前記線分の検出は、前記選択手段によって選択されたそれぞれの画素ブロックを対象に行われ、
前記画素ブロック内画像の傾き角は、検出された線分の傾き角の最頻値であり、
前記撮像画像の傾き角は、前記画素ブロック内画像の傾き角の最頻値である
ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。 - 前記画像の傾き角は、前記画素ブロック内画像の傾き角の最頻値が複数ある場合、
各画素ブロックにおいて画素ブロックの傾き角の方向に傾いた線分の長さが長いもの優先する
ことを特徴とする請求項14に記載の画像処理装置。 - 前記画像処理装置は、複数の撮像画像の傾き角を連続して補正し、
前記画像の傾き角は、前記画素ブロック内画像の傾き角の最頻値が複数ある場合、
前記画像補正手段が過去に採用した傾き角から予測される傾き角に近いものを優先する
ことを特徴とする請求項14に記載の画像処理装置。 - 前記画像処理装置は、複数の撮像画像の傾き角を連続して補正し、
前記画像の傾き角は、前記画素ブロック内画像の傾き角の最頻値が複数ある場合、
前記画像補正手段が直前に採用した傾き角から予測される傾き角に近いものを優先する
ことを特徴とする請求項14に記載の画像処理装置。 - 前記選択手段は、
前記画素ブロックのうち、輝度変化が所定の輝度変化より大きい画素の数の画素ブロックの全画素数に対する割合が所定の閾値より大きい画素ブロックを選択対象から除外する
ことを特徴とする請求項12の画像処理装置。 - 前記画像処理装置は、複数の撮像画像の傾き角を連続して補正し、
前記補正手段は、
前記選択手段によって選択された画素ブロック全体が画像に占める割合が所定の閾値より小さい場合、
前記補正手段が過去に採用した傾き角に基づいて画像の傾き角を推定する
ことを特徴とする請求項18に記載の画像処理装置。 - 前記画像処理装置は、複数の撮像画像の傾きを連続して補正し、
前記補正手段は、
前記選択手段によって選択された画素ブロック全体が画像に占める割合が所定の閾値より小さい場合、
前記画像補正手段が直前に採用した傾き角に基づいて画像の傾き角を推定する
ことを特徴とする請求項18に記載の画像処理装置。 - 前記画像処理装置は、
撮像時における水平面からの傾きを検知するセンサを備えた撮像装置に内蔵され、
前記画像補正手段は、
前記選択手段によって選択された画素ブロック全体が画像に占める割合が所定の閾値より小さい場合、
前記センサが出力する傾き角の変化量の所定時間内の合計が所定閾値以下ならば、前記センサが出力する傾き角を用いて撮像画像を補正する
ことを特徴とする請求項18に記載の画像処理装置。 - 前記補正手段は、
前記選択手段によって選択された画素ブロック全体が画像に占める割合が所定の閾値より小さい場合、補正を行わない
ことを特徴とする請求項18に記載の画像処理装置。 - 前記画像処理装置は、複数の撮像画像の傾き角を連続して補正し、
前記補正手段は、
前記撮像画像において輝度が所定の値より小さい画素の全画素に占める割合が所定の閾値より大きい場合、
前記補正手段が過去に採用した傾き角に基づいて撮像画像の傾き角を推定する
ことを特徴とする請求項18に記載の画像処理装置。 - 前記画像処理装置は、複数の撮像画像の傾き角を連続して補正し、
前記補正手段は、
前記撮像画像において輝度が所定の値より小さい画素の全画素に占める割合が所定の閾値より大きい場合、
前記補正手段が直前に採用した傾き角に基づいて撮像画像の傾き角を推定する
ことを特徴とする請求項18に記載の画像処理装置。 - 前記画像処理装置は、
撮像時における水平面からの傾きを検知するセンサを備えた撮像装置に内蔵され、
前記補正手段は、
前記撮像画像において輝度が所定の値より小さい画素の全画素に占める割合が所定の閾値より大きい場合、
前記センサが出力する傾き角の変化量の所定時間内の合計が所定閾値以下ならば、前記センサが出力する傾き角を用いて撮像画像を補正する
ことを特徴とする請求項18に記載の画像処理装置。 - 前記補正手段は、
前記撮像画像において輝度が所定の値より小さい画素の全画素に占める割合が所定の閾値より大きい場合、補正を行わない
ことを特徴とする請求項18に記載の画像処理装置。 - 前記センサは、加速度センサである
ことを特徴とする請求項21または25に記載の画像処理装置。 - 前記センサは、角速度センサである
ことを特徴とする請求項21または25に記載の画像処理装置。 - 前記センサが出力する傾き角の変化量の所定時間内の合計が所定閾値以上ならば、補正を行わない
ことを特徴とする請求項21または25に記載の画像処理装置。 - 撮像画像を構成する画素ブロックの輝度情報を用いて撮像画像の補正を行う画像処理方法であって、
画素ブロックは、縦方向および横方向の画素数が予め定められた画素の集まりであり、
方向分布を算出する演算式に、画素ブロック内の画素の位置情報と輝度情報とを代入して演算を行って、当該画素ブロック内画像の傾き角を推定するのに適しているかどうかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、画素ブロック内画像の傾き角を推定するのに適していると判定された画素ブロックを選択する選択ステップと、
選択された画素ブロックから、前記演算の結果を用いて、基準軸に対する撮像画像の傾き角を求め、補正する補正ステップとを含み、
前記方向分布は、画素ブロック内に写っている物のエッジ部分の画素が空間的に連続している方向の分布を示すものである
ことを特徴とする画像処理方法。 - 複数の前記画素ブロックから構成される撮像画像の補正を行う画像処理方法であって、
各画素ブロックごとに、当該画素ブロック内の画像の傾きを推定するのに適しているかどうかを判定する
ことを特徴とする請求項30に記載の画像処理方法。 - 撮像画像を構成する画素ブロックの輝度情報を用いて撮像画像の補正を行う画像処理処理をコンピュータに実行させる画像処理プログラムであって、
画素ブロックは、縦方向および横方向の画素数が予め定められた画素の集まりであり、
方向分布を算出する演算式に、画素ブロック内の画素の位置情報と輝度情報とを代入して演算を行って、当該画素ブロック内画像の傾き角を推定するのに適しているかどうかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、画素ブロック内画像の傾き角を推定するのに適していると判定された画素ブロックを選択する選択ステップと、
選択された画素ブロックから、前記演算の結果を用いて、基準軸に対する撮像画像の傾き角を求め、補正する補正ステップとをコンピュータに実行させ、
前記方向分布は、画素ブロック内に写っている物のエッジ部分の画素が空間的に連続している方向の分布を示すものである
ことを特徴とする画像処理プログラム。 - 複数の前記画素ブロックから構成される撮像画像の補正を行う画像処理処理をコンピュータに実行させる画像処理プログラムであって、
各画素ブロックごとに、当該画素ブロック内の画像の傾きを推定するのに適しているかどうかを判定する
ことを特徴とする請求項32に記載の画像処理プログラム。 - 撮像画像を構成する画素ブロックの輝度情報を用いて撮像画像の補正を行う画像処理をコンピュータに実行させる画像処理プログラムを記録した記録媒体であって、
前記画像処理プログラムは、
画素ブロックは、縦方向および横方向の画素数が予め定められた画素の集まりであり、
方向分布を算出する演算式に、画素ブロック内の画素の位置情報と輝度情報とを代入して演算を行って、当該画素ブロック内画像の傾き角を推定するのに適しているかどうかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、画素ブロック内画像の傾き角を推定するのに適していると判定された画素ブロックを選択する選択ステップと、
選択された画素ブロックから、前記演算の結果を用いて、基準軸に対する撮像画像の傾き角を求め、補正する補正ステップとをコンピュータに実行させ、
前記方向分布は、画素ブロック内に写っている物のエッジ部分の画素が空間的に連続している方向の分布を示すものである
ことを特徴とする画像処理プログラムを記録した記録媒体。 - 複数の前記画素ブロックから構成される撮像画像の補正を行う画像処理をコンピュータに実行させる画像処理プログラムを記録した記録媒体であって、
前記画像処理プログラムは、
各画素ブロックごとに、当該画素ブロック内の画像の傾きを推定するのに適しているかどうかを判定する
ことを特徴とする請求項34に記載の画像処理プログラムを記録した記録媒体。 - 撮像画像を構成する画素ブロックの輝度情報を用いて撮像画像の補正を行う画像処理プロセッサであって、
画素ブロックは、縦方向および横方向の画素数が予め定められた画素の集まりであり、
方向分布を算出する演算式に、画素ブロック内の画素の位置情報と輝度情報とを代入して演算を行って、当該画素ブロック内画像の傾き角を推定するのに適しているかどうかを判定する判定手段と、
前記判定ステップにより、画素ブロック内画像の傾き角を推定するのに適していると判定された画素ブロックを選択する選択手段と、
選択された画素ブロックから、前記演算の結果を用いて、基準軸に対する撮像画像の傾き角を求め、補正する補正手段とを備え、
前記方向分布は、画素ブロック内に写っている物のエッジ部分の画素が空間的に連続している方向の分布を示すものである
ことを特徴とする画像処理プロセッサ。 - 複数の前記画素ブロックから構成される撮像画像の補正を行う画像処理プロセッサであって、
各画素ブロックごとに、当該画素ブロック内の画像の傾きを推定するのに適しているかどうかを判定する
ことを特徴とする請求項36に記載の画像処理プロセッサ。
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