JP4858804B2 - 薄層化学トランジスター及びその製造方法 - Google Patents
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Description
特に近年、液晶ディスプレイは、ディスプレイの大型化と共に精細化も進みつつあり、従来以上に画素数に対応した多数のTFTの組み込みが要求されるようになってきている。
また、近年の大面積及び精細化傾向は、TFTの製造における欠陥の確率を高める傾向になっており、このTFT欠陥を最小限とする方法が強く望まれている。
更に、上記MIS構造を有するTFT及び化合物半導体を主として用いる金属/半導体(MES)構造を有するTFTにおいて、金属と半導体の層間物質として、固体電解質を用いたものはあまり知られていない。
(1)基板上にゲート電極となる金属層が形成され、その上に固体電解質層が形成され、その上に半導体層が形成されると共に、この半導体層上にソース電極及びドレイン電極が形成された薄層化学トランジスターであって、上記固体電解質層及び半導体層を形成する物質が有機溶剤に溶解可能な化合物であり、かつ固体電解質層が無機イオン塩を含み、ゲート電極に電位が印加されることにより、無機イオン塩の解離を生じ、酸化・還元に基づく電気化学反応が制御されることによって半導体層にパスが形成されることを特徴とする薄層化学トランジスター。
(2)固体電解質層を形成する化合物のイオン伝導率が、1×10-5Scm-1以上であることを特徴とする(1)記載の薄層化学トランジスター。
(3)固体電解質層を形成する化合物が、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量2,000〜1,000,000の高分子化合物であることを特徴とする(1)又は(2)記載の薄層化学トランジスター。
(4)固体電解質層を形成する化合物が、シアノ基を有する絶縁性高分子化合物であることを特徴とする(3)記載の薄層化学トランジスター。
(5)固体電解質層を形成する化合物が、シアノエチル基を有する絶縁性高分子化合物であることを特徴とする(3)又は(4)に記載の薄層化学トランジスター。
(6)固体電解質層を形成する化合物が、シアノエチルプルランであることを特徴とする(5)記載の薄層化学トランジスター。
(7)上記シアノエチル基を有する絶縁性高分子化合物中のビス−2−シアノエチルエーテルが100ppm以下であることを特徴とする(5)又は(6)記載の薄層化学トランジスター。
(8)上記無機イオン塩が、LiClO4、LiI、LiSCN、LiBF4、LiAsF5、LiCF3SO3、LiPF4、NaI、NaSCN、NaBr、NaPF5、KI、KSCN、KPF5、KAsF5、CsSCN、CsPF6、AgNO3、CuCl2Mg(ClO4)2、Rb4I1.75Cl3.25から選ばれる1種又は2種以上である(1)〜(7)のいずれかに記載の薄層化学トランジスター。
(9)半導体層を形成する化合物が、電気化学的に可逆であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の薄層化学トランジスター。
(10)半導体層を形成する化合物が、銅フタロシアニンであることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の薄層化学トランジスター。
(11)半導体層を形成する化合物が、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量2,500〜1,000,000の高分子化合物であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の薄層化学トランジスター。
(12)半導体層を形成する化合物が、ポリチオフェン類であることを特徴とする(11)記載の薄層化学トランジスター。
(13)基板上にゲート電極となる金属層を形成し、金属層からなるゲート電極上に有機溶剤に溶解可能な化合物と無機イオン塩とを有機溶剤に溶解した溶液を塗着、乾燥させて固体電解質層を形成後、固体電解質層が溶解しない有機溶剤に溶解した半導体層を形成する物質を固体電解質層に塗着、乾燥させて半導体層を形成し、半導体層上にソース電極及びドレイン電極を形成することを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載の薄層化学トランジスターの製造方法。
これらのシアノ基を有する絶縁性高分子化合物は、例えばシアノエチルプルランの場合、プルラン樹脂をアルカリ触媒存在下、アクリロニトリルと反応させることにより得られる(特公昭59−31521号公報参照)。上記反応の副反応によりビス−2−シアノエチルエーテルが生成されるが、これを精製工程により取り除くことが必要となる。理由はシアノ基を有する絶縁性高分子化合物は、分子内に存在する極性基が電場に配向することにより誘電性を生ずる物質であるが、上記反応副生成物であるビス−2−シアノエチルエーテルが多量に存在すると、ロスファクターである誘電正接が増加し、好ましくないためである。従って、シアノ基を有する絶縁性高分子化合物中に残存するビス−2−シアノエーテル含量は、少なくとも100ppm以下、特に50ppm以下が好ましい。
Polythiophene+nBF4 -1
⇔ Polythiophene(BF4)n+ne-
従って、固体電解質層と半導体層の界面状態が非常に重要であり、その界面が平坦である程、好ましいことを意味する。
固体電解質層を形成する高分子化合物として、シアノエチル基置換率が85.2モル%であるシアノエチルプルラン(CyEPL、信越化学工業(株)製、CR−S、重量平均分子量:49,000 ビス−2−シアノエチルエーテル含有量:46ppm)を、無機イオン塩としてLiBF4を用いた。
また、半導体層材料として、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT、ALDRICH社製、重量平均分子量:87,000)を用い、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)を溶解する有機溶剤としてシアノエチルプルランを溶解しないクロロホルムを用いて、下記に示す方法で薄層化学トランジスターを作製し、評価した。
次に、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドンに15質量%の濃度でシアノエチルプロランを溶解し、これにシアノエチルプルランに対して5質量%になるようにLiBF4を加え、溶解し、0.2μmメンブランフィルターで濾過後、スピンコートして100℃で1時間乾燥し、固体電解質層を形成した。
形成された固体電解質層上に、半導体層材料であるポリ(3−ヘキシルチオフェン)のクロロホルム0.8質量%溶液を、0.2μmメンブランフィルターで濾過後、スピンコートし、100℃で1時間乾燥し、膜厚50nmの半導体層を形成した。最後にソース・ドレイン電極を熱蒸着法で作製した。
各ゲート電圧におけるソース・ドレイン電流・電圧ISD−VSD曲線を図3に示す。VSG>−1Vでは、ISDに変化はないが、VSG<−1Vでは、ゲート電圧が増加するにつれて、ISDも増加した。VSG<−1Vでは、BF4 -がポリ(3−ヘキシルチオフェン)にドーピングされているため半導体層はp型であり、ゲート電圧に対するソース・ドレイン電流の応答性は、電界効果トランジスターと同様となる。
このトランジスターのスイッチング特性を評価するため、交流ゲート電圧に対するISDの応答を測定した。VSDを−10Vに固定して、サイン波のゲート電圧−6〜0Vまでを、1Hz〜1kHzの周波数で印加して測定したところ、約300HzまでISDの時間変化が観測された。
トランジスターのスイッチング速度として20msecである50HzでのISDの時間変化を見てみると、図4に示すようにVSGが0〜−6Vに減少する領域では、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)へのドーピングが生じるため、ISDの値は増加していった。一方、VSGが−6〜0Vへ増加する領域では、脱ドーピングが生じるため、ISDが減少した。ISDの最大値と最小値はそれぞれ5.9nA、4.3nAであったため、ISDの増幅率は38%であった。
2 金属層(ゲート電極)
3 固体電解質層
4 半導体層
4a ドープされた半導体層
5 ソース電極
6 ドレイン電極
Claims (13)
- 基板上にゲート電極となる金属層が形成され、その上に固体電解質層が形成され、その上に半導体層が形成されると共に、この半導体層上にソース電極及びドレイン電極が形成された薄層化学トランジスターであって、上記固体電解質層及び半導体層を形成する物質が有機溶剤に溶解可能な化合物であり、かつ固体電解質層が無機イオン塩を含み、ゲート電極に電位が印加されることにより、無機イオン塩の解離を生じ、酸化・還元に基づく電気化学反応が制御されることによって半導体層にパスが形成されることを特徴とする薄層化学トランジスター。
- 固体電解質層を形成する化合物のイオン伝導率が、1×10-5Scm-1以上であることを特徴とする請求項1記載の薄層化学トランジスター。
- 固体電解質層を形成する化合物が、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量2,000〜1,000,000の高分子化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の薄層化学トランジスター。
- 固体電解質層を形成する化合物が、シアノ基を有する絶縁性高分子化合物であることを特徴とする請求項3記載の薄層化学トランジスター。
- 固体電解質層を形成する化合物が、シアノエチル基を有する絶縁性高分子化合物であることを特徴とする請求項3又は4記載の薄層化学トランジスター。
- 固体電解質層を形成する化合物が、シアノエチルプルランであることを特徴とする請求項5記載の薄層化学トランジスター。
- 上記シアノエチル基を有する絶縁性高分子化合物中のビス−2−シアノエチルエーテルが100ppm以下であることを特徴とする請求項5又は6記載の薄層化学トランジスター。
- 上記無機イオン塩が、LiClO4、LiI、LiSCN、LiBF4、LiAsF5、LiCF3SO3、LiPF4、NaI、NaSCN、NaBr、NaPF5、KI、KSCN、KPF5、KAsF5、CsSCN、CsPF6、AgNO3、CuCl2Mg(ClO4)2、Rb4I1.75Cl3.25から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜7のいずれか1項記載の薄層化学トランジスター。
- 半導体層を形成する化合物が、電気化学的に可逆であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の薄層化学トランジスター。
- 半導体層を形成する化合物が、銅フタロシアニンであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の薄層化学トランジスター。
- 半導体層を形成する化合物が、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量2,500〜1,000,000の高分子化合物であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の薄層化学トランジスター。
- 半導体層を形成する化合物が、ポリチオフェン類であることを特徴とする請求項11記載の薄層化学トランジスター。
- 基板上にゲート電極となる金属層を形成し、金属層からなるゲート電極上に有機溶剤に溶解可能な化合物と無機イオン塩とを有機溶剤に溶解した溶液を塗着、乾燥させて固体電解質層を形成後、固体電解質層が溶解しない有機溶剤に溶解した半導体層を形成する物質を固体電解質層に塗着、乾燥させて半導体層を形成し、半導体層上にソース電極及びドレイン電極を形成することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項記載の薄層化学トランジスターの製造方法。
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