JP2010153772A - 薄膜トランジスタアクティブ基板、薄膜トランジスタアクティブ基板の製造方法および電気泳動ディスプレイ - Google Patents

薄膜トランジスタアクティブ基板、薄膜トランジスタアクティブ基板の製造方法および電気泳動ディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】活性層を保護するとともに、ドレイン電極と画素電極との電気的導通がとれるように保護層を設けた有機トランジスタアクティブ基板を提供する。
【解決手段】薄膜トランジスタアクティブ基板は、基板107上に、ゲート電極101、ゲート絶縁膜108、ソース電極102、ドレイン電極103、活性層109が形成されてなる薄膜トランジスタ上に、保護層としての層間絶縁膜110および画素電極104が形成されてなる。トランジスタ部と上部電極(画素電極104)は層間絶縁膜110に設けられたスルーホール111を介して電気的に導通されてなる。層間絶縁膜110は、樹脂と無機または有機フィラーとを含有し、これらの樹脂と無機または有機フィラーは、EG(エチレングリコール)に、あるいはEGとアルコール溶剤とを組み合わせてなる溶剤に、溶解または分散が可能な樹脂またはフィラーである。
【選択図】図2

Description

本発明は、薄膜トランジスタアクティブ基板、薄膜トランジスタアクティブ基板の製造方法および電気泳動ディスプレイに関する。
従来、マトリクス方式のディスプレイとして、互いに直交した走査電極とデータ電極を用いて駆動するパッシブ型のディスプレイと、トランジスタなどのスイッチング素子と記憶素子を用いて点灯画素を選択するアクティブ型のディスプレイが知られている。
アクティブ型のディスプレイとしては、例えば「有機ELディスプレイ」(特許文献1)、「能動素子及びそれを有する表示装置」(特許文献2)、「有機能動素子及びそれを有する表示素子」(特許文献3)、「有機半導体形成用インク、有機半導体パターン形成方法、電子素子および電子素子アレイ」(特許文献4)などに開示されたものがある。アクティブ型のディスプレイは、単純マトリックス駆動の構造に加えて、画素の一つ一つにアクティブ素子(スイッチング素子)を付けたものである。このような構成によって、目的の画素をオンオフすることができ、高い画質と速い応答速度が要求される動画の表示に用いられている。
上記のようなトランジスタアクティブ基板としては、ゲート電極、ゲート電極を中心に分離されてチャネル領域を定義するソース電極とドレイン電極及び半導体層を含んでいる。この半導体層としては、非晶質シリコンやポリシリコンが用いられるが、最近では、有機半導体の適用が進められている。
有機半導体は常温、常圧で形成できるので、工程単価を低減することができ、熱に弱いプラスチック基板に適用できるという長所がある。しかし、このような有機半導体は耐化学物質性能及び耐プラズマ性能が脆弱であり、また大気中の酸素や水分または光などによる特性劣化しやすい、という短所がある。これを補うために有機半導体層を形成した後に、厚い有機膜や無機膜を保護層として設けている。
保護層を設けたものとしては、例えば「有機トランジスタアクティブ基板」(特許文献5)では、樹脂をアルコール溶媒で溶解して得たペーストをスクリーン印刷法にて塗工し、形成したものがある。また「有機TFT素子及びその製造方法」(特許文献6)では、有機トランジスタ上にパリレンのような有機絶縁膜を保護膜として形成したものがある。
従来のアクティブ型のディスプレイの問題点について、図1および図2を参照しながら説明する。図1および図2において、符号101はゲート電極、符号102はソース電極、符号103はドレイン電極、符号104は画素電極、符号105は走査線、符号106は信号線、符号107は基板、符号108はゲート絶縁膜、符号109は活性層、符号110は層間絶縁膜、符号111はスルーホールをそれぞれ示している。画素電極104を作製する場合、有機半導体の保護層(特許文献5を参照)として設けられている層間絶縁膜110(絶縁ペースト膜)には、ドレイン電極103と画素電極104の導通がとれるように図2に示すようなスルーホール111が形成されている。しかしながら、絶縁ペーストに使用されているアルコール溶媒等の有機溶媒が下地の有機半導体(活性層109)またはゲート絶縁膜108を溶解する可能性が高く、その結果、保護層である層間絶縁膜110の作製直後に特性劣化する可能性がある。
下地の有機半導体またはゲート絶縁膜への溶解性については、例えば「溶液処理された素子」(特許文献7)に開示されているように下地層とその上に作成される層について非極性ポリマーと極性ポリマーに分けて形成したものがある。この場合、上の層が下地層を溶解させる可能性は低くなるが、ドレイン電極と画素電極の導通をレーザーもしくはドライエッチングプロセス等でスルーホール部を形成する必要がある。同様に特許文献6に示すようなパリレン膜のような蒸着膜を保護層として設けた場合についても、下地層への溶解ダメージは少ないが、ドレイン電極と画素電極の導通をとるために、ドライエッチングプロセスなどでスルーホール部を形成する必要がある(特許文献8)。また、この際、プラズマダメージにより有機半導体に悪影響を与え、トランジスタ特性が劣化する可能性がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、活性層を保護するとともに、ドレイン電極と画素電極との電気的導通がとれるように保護層を設けた薄膜トランジスタアクティブ基板、および該薄膜トランジスタアクティブ基板の製造方法、並びに前記薄膜トランジスタアクティブ基板を用いた電気泳動ディスプレイを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の(1)〜(11)の観点を有するものである。
(1) 基板と、該基板上に形成された第1の電極と、該第1の電極上に形成された第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜上に形成された第2の対電極と、該第2の対電極上に形成された活性層とを有する有機トランジスタと、
該有機トランジスタ上に形成された第2の絶縁膜と、
前記第2の対電極の一方と前記第2の絶縁膜に設けられたスルーホールを介して電気的導通がとられるように積層された第3の電極と、を備える薄膜トランジスタアクティブ基板であって、
前記第2の絶縁膜は、樹脂と、無機もしくは有機フィラーとを含有し、前記樹脂および前記無機もしくは有機フィラーとして、EG(エチレングリコール)に、あるいはEGとアルコール溶剤とを組み合わせてなる溶剤に、溶解または分散が可能な樹脂およびフィラーを用いて形成されてなることを特徴とする薄膜トランジスタアクティブ基板。
(2) 前記第2の絶縁膜に含まれる樹脂が、フェノール樹脂であることを特徴とする上記(1)に記載の薄膜トランジスタアクティブ基板。
(3) 前記第2の絶縁膜に含まれる樹脂の分子量(Mw)が2000以上8000以下の範囲内にあることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の薄膜トランジスタアクティブ基板。
(4) 前記第2の絶縁膜に含まれる樹脂において、該樹脂の多分散度が5以下の範囲内にあることを特徴とする上記(1)から上記(3)のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタアクティブ基板。
(5) 前記第2の絶縁膜が、前記活性層を保護するとともに、前記第2の対電極の一方と前記第3の電極との間で電気的導通がとれるようなスルーホールを印刷により形成することを特徴とする上記(1)から(4)のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタアクティブ基板。
(6) 前記活性層が、有機半導体材料を含んで構成されることを特徴とする上記(1)から(5)のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタアクティブ基板。
(7) 前記活性層が、トリアリールアミンを含むパイ共役高分子材料を主成分とすることを特徴とする上記(1)から(6)のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタアクティブ基板。
(8) 前記活性層が、ポリアセン化合物を主成分とすることを特徴とする上記(1)から(6)のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタアクティブ基板。
(9) 基板上に、第1の電極をインクジェット法により形成し、該第1の電極上に第1の絶縁膜をコーティングにより形成し、該第1の絶縁膜上に第2の対電極をインクジェット法により形成し、該第2の対電極上に活性層をインクジェット法により形成することにより有機トランジスタを構成させ、該有機トランジスタ上に第2の絶縁膜を堆積し、前記第2の対電極の一方と前記第2の絶縁膜に設けられたスルーホールを介して電気的導通がとられた第3の電極をスクリーン印刷法により積層するようにした薄膜トランジスタアクティブ基板の製造方法であって、
前記第2の絶縁膜は、樹脂と、無機もしくは有機フィラーとを含有し、前記樹脂および前記無機もしくは有機フィラーとして、EG(エチレングリコール)に、あるいはEGとアルコール溶剤とを組み合わせてなる溶剤に、溶解または分散が可能な樹脂およびフィラーを用いることを特徴とする薄膜トランジスタアクティブ基板の製造方法。
(10) 上記(1)から(8)のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタアクティブ基板上に、電気泳動表示素子を積層してなる電気泳動ディスプレイであって、
前記電気泳動表示素子が、電界により白黒表示可能な媒体をカプセル化し、前記第3の電極上に配置されてなるものであることを特徴とする電気泳動ディスプレイ。
(11) 上記(1)から(8)のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタアクティブ基板上に、電気泳動表示素子を積層してなる電気泳動ディスプレイであって、
前記電気泳動表示素子が、前記薄膜トランジスタアクティブ基板と、透明電極を持つ支持基板と隔壁層を介して形成される空間に、電界により白黒表示可能な媒体を充填してなるものであることを特徴とする電気泳動ディスプレイ。
本発明の薄膜トランジスタアクティブ基板、及び薄膜トランジスタアクティブ基板の製造方法、並びに前記薄膜トランジスタアクティブ基板を用いた電気泳動ディスプレイによれば、活性層を保護する第2の絶縁膜を、EG(エチレングリコール)に、あるいはEGとアルコール溶剤とを組み合わせてなる溶剤に、溶解または分散が可能な樹脂と、無機フィラーまたは有機フィラーと、を含有する材料により構成したので、活性層に悪影響を与えずに確実に保護できるとともに、エッチング工程を必要とせずに、印刷法によってドレイン電極と画素電極との電気的導通を図るためのスルーホールを容易に形成できる。
トランジスタアクティブ基板の基本構成を説明する図面である。 図1のトランジスタアクティブ基板の要部断面を説明する図面である。 各種溶媒についてハンセン溶解度パラメーターの3成分をプロットした三角図である。 本発明の一実施形態に係る電気泳動ディスプレイの概略構成を説明する図面である。 本発明の別の実施形態に係る電気泳動ディスプレイの概略構成を説明する図面である。
以下、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
トランジスタアクティブ基板の層構成の例について図2に示す。この有機トランジスタアクティブ基板は、基板107、ゲート電極101、ゲート絶縁膜108、ソース電極102、ドレイン電極103、活性層109から構成される薄膜トランジスタ上に保護層としての層間絶縁膜110および画素電極104を配置した構成になる。トランジスタ部と上部電極(画素電極104)は層間絶縁膜110に設けられたスルーホール111を介して電気的に導通している。
上記のような構成のトランジスタアクティブ基板の層間絶縁膜110の材料として、有機材料と無機粒子との混合物を用いることで、活性層109中に不要なチャネルが誘起されることを抑制することが可能である。これは、有機材料中に無機粒子が分散した状態の層間絶縁膜110を用いると下地の活性層109の有機半導体との界面が粗くなることに起因する。活性層109との界面が粗いために、上部電極の電位による電界効果を受けにくくなり、層間絶縁膜110がゲート絶縁膜として作用しにくくなる。
本発明において、層間絶縁膜110と活性層109との粗い界面は、層間絶縁膜110中に含まれる微粒子により形成されていると考えられ、その凹凸の大きさは概ね20nm乃至1μmである。また、層間絶縁膜110として前記材料を用いることの更なる効果としては、膜厚及び誘電率の制御がし易いことが挙げられる。溶媒に溶解させた有機材料中に無機粒子を分散させた材料を用いれば、例えばスクリーン印刷法などの印刷プロセスを利用した成膜が可能になるので、従来の材料を用いた場合よりも厚みのある層間絶縁膜110を形成することができる。また、材料種の選択によって誘電率の制御も容易である。さらに印刷プロセスを利用することで、前記スルーホールを作製することができるため、レーザーもしくはドライエッチングプロセス等でスルーホールを形成する工程が不要になる。
印刷プロセスを用いて層間絶縁膜110を形成するにあたって、樹脂と無機または有機フィラー、それらを溶解させる溶媒を含むペーストインキを作成する必要がある。ここで前記溶媒としては、樹脂とフィラーを溶解させるとともに、下地の活性層109またはゲート絶縁膜108を溶解させないことが重要である。
溶媒の性質としては、ヒルデブランドやハンセンの溶解度パラメーターを利用して極性の程度を定量化することができる。それぞれのポリマー(溶剤)の溶解度挙動は3つの特性パラメーターSPd(分散相互作用)、SPp(極性)、SPh(分子間の水素結合相互作用)によって記載されており、ポリマーの異なる官能基からの寄与を足すことによって分子構造がわかれば計算できる。またSPo=√((SPd×SPd)+(SPp×SPp)+(SPh×SPh))とすることで、水性または油性どちらに近い成分なのかを判断することができる。
「ハンセン溶解度パラメータ ユーザーズ ハンドブック(HANSEN SOLUBILITY PARAMETERS A User’s Handbook (Charles M. Hansen))」に記載の溶解度パラメーター(SPo※単位(√(cal/cm3)))から判断すると、ハンセン溶解度パラメーター(SPo)が、好ましくは13以上の範囲内、さらに好ましくは14以上の範囲内にある溶媒中に、前記樹脂またはフィラーが溶解または分散できていれば、層間絶縁膜110を形成するときに下地の活性層109またはゲート絶縁膜108への溶解を概ね抑えることができる。溶媒の溶解度パラメーターが13より小さい場合は、活性層109またはゲート絶縁膜108の材料によっては溶解してしまい、トランジスタ性能として劣化する可能性がある。
また、3つの溶解度パラメーターの成分(分散力成分:SPd、極性成分:SPp、水素結合成分:SPh)から、下式1、2に従い、トータルの溶解度パラメーターに対する各成分の比率(百分率)をfd、fp、fhとして求め、これを三角図にプロットしたものを図3に示す。
式1:fd=SPd/(SPd+SPp+SPh)
fp=SPp/(SPd+SPp+SPh)
fh=SPh/(SPd+SPp+SPh)
式2:fd+fp+fh=100
上記「ハンセン溶解度パラメータ ユーザーズ ハンドブック」の種々溶媒データの一部をプロットしたものを、図3中の三角図に示しており、黒実線枠に含まれる溶媒種をペーストインキ作成時の溶媒とすることが好ましく、さらには黒点線枠に含まれる溶媒種をペーストインキ作成時の溶媒とすることがより好ましい。
黒実線枠の座標を以下に示した。
(fd、fp、fh)=(45、10、45)、(45、50、5)、
(20、50、30)、(20、10、70)
黒点線枠の座標を以下に示した。
(fd、fp、fh)=(40、10、50)、(40、30、30)、
(30、30、40)、(30、20、50)
また、前記樹脂の溶解度パラメーター(SPo※単位(√(cal/cm3)))としては、溶媒の溶解度パラメーターに近いほど親和性が高くなり、溶解しやすくなる。樹脂の溶解度パラメーターと溶媒の溶解度パラメーターの差δSPoとしては、−5以上5以下の範囲にあることが好ましく、−2以上2以下の範囲にあることがさらに好ましい。δSPoが前記範囲外の場合は、樹脂が溶媒に対して溶解できないためペーストインキ作成が不可能になる。
上記の条件を満たす溶媒として代表的なものとしては、EG(エチレングリコール)やDEG(ジエチレングリコール)といったグリコール系の溶剤の他にエタノールや、IPA(イソプロピルアルコール)といったアルコール溶剤がある。またEGとエタノール、あるいはEGとIPAのような、EGとその他溶剤との組み合わせの混合溶剤もある。ここで「その他溶剤」の役割としては、樹脂を溶解させることと、フィラー分散させることであり、EGとその他溶剤の比率を適宜調整することによって下地の活性層109またはゲート絶縁膜108を溶解させないようにすることができれば、どの溶剤を選択しても良いが、アルコール溶剤であることが好ましい。
樹脂として代表的な材料としては、上記溶媒に溶解することができれば、特に限定されるものではないが、フェノール樹脂が好ましい。また、樹脂の分子量(Mw)は2000以上8000以下の範囲内にあることが好ましく、3000以上6000以下の範囲内にあることがさらには好ましい。また、樹脂の多分散度は、5以下の範囲にあることが好ましく、3以下の範囲にあることがさらに好ましい。樹脂の分子量が2000より小さくまた多分散度が5より大きい範囲にある場合は、ペースト化したときの粘度として十分な値が得られず、印刷時にスルーホールをパターニングできないといった不具合が発生する。また樹脂の分子量が8000より大きい範囲にある場合は、溶液に樹脂の一部溶け残りが発生し、ペースト化に不具合が生じてしまう。
フィラーは、層間絶縁膜110中で粒子として存在することができれば、有機粒子及び無機粒子のいずれであってもよいが、粒度を制御しやすく、溶剤中で分散させることが可能であることから、無機粒子が好ましい。無機粒子の材料としては、例えば、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸バリウム(BaTiO)等が挙げられるが、これらの中でも、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛等の比較的比誘電率の低い材料が好ましい。また、メソポーラスシリカのように、構造中にメソ孔あるいはマイクロ孔を有する多孔質粒子であってもよい。
樹脂とフィラー比を調整することにより、ペーストの粘度特性を調整することができる。ペーストの粘度は、印刷時にスルーホールをパターニングしやすくする観点から50以上250Pa・s以下の範囲内とすることが好ましく、100以上200Pa・s以下の範囲内とすることがより好ましい。また、層間絶縁膜110に対する樹脂の体積比は、40%以上であることが好ましく、50%以上がさらに好ましい。これにより、可撓性を有する基板上であっても対応可能な層間絶縁膜110とすることができる。
本発明における層間絶縁膜110の形成手段としては、例えばスクリーン印刷、凹版印刷などの印刷プロセスが適しており、本発明での層間絶縁膜110の膜厚範囲は印刷の手法を用いて好適に形成できる範囲にあたる。例えば、スクリーン印刷を用いて、本発明にて想定するような精細度のパターンを形成する場合においては、線径が15〜50μm、開口率が40〜60%のメッシュ中に充填されたペースト状材料を転写することで膜を形成することになるため、スルーホールとともに形成することができる。層間絶縁膜110の厚みは2μm以上40μm以下が好ましい。層間絶縁膜110に厚みを持たせることにより静電容量を小さくする効果があるので、少なくとも2μm、より望ましくは4μm以上の厚みが好ましい。
以下に、トランジスタアクティブ基板に用いる各構成の材料、工法について具体的に説明する。
基板:
基板はガラスまたはプラスチックで形成することができる。プラスチックで構成される場合、トランジスタアクティブ基板に柔軟性を付与することができる長所があるが、基板が熱に弱いという短所がある。ここでプラスチック種類としては、例えばポリカーボン、ポリイミド、PES、PAR、PEN、PETなどが可能である。
ゲート電極(第1の電極):
ゲート電極の材料としては、導電性材料であれば特に限定されず、例えば白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン、鉛、タンタル、インジウム、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、およびこれらの合金やインジウム・錫酸化物等の導電性金属酸化物、あるいはドーピング等で導電率を向上させた無機および有機半導体、たとえばシリコン単結晶、ポリシリコン、アモルファスシリコン、ゲルマニウム、グラファイト、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリパラフェニレンビニレン等が挙げられる。
ゲート電極の作製工法としては、真空成膜後にフォトエッチング工程でパターニングして形成するかナノメタルインクを用いてインクジェット方法(上記特許文献4)やその他の印刷工法にて形成することがさらに好ましい。
ゲート絶縁膜(第1の絶縁膜):
ゲート絶縁膜の材料としては、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン等の無機系材料や、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリエステル、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシリレン、ポリアクリロニトリル、シアノエチルプルラン等の有機系材料が挙げられる。これらの材料は2つ以上組み合わせて用いてもよい。
ゲート絶縁膜の作製工法としては特に制限はなく、例えばCVD法、プラズマCVD法、プラズマ重合法、蒸着法、スピンコーティング法、ディッピング法、印刷法、インクジェット法などが挙げられる。
また、上記材料の中でポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリパラキシリレン等の高分子材料を含有する場合は、ゲート絶縁膜に紫外線を照射して、照射された領域の表面エネルギーを増大させることができる。その結果、印刷法を用いて、表面エネルギーを増大させた領域に、高精細なソース/ドレイン電極のパターンを直接描画することができる。さらに、表面エネルギーが小さいポリイミドを用いることにより、有機半導体層を高精細にパターニングすることが可能になる。紫外線で表面エネルギーを増大させることが可能な高分子材料としては、例えば、特開2006−060079号公報に記載されている材料を用いることができる。
ゲート絶縁膜の好ましい膜厚範囲としては、例えば10〜1000nmが好ましく、100〜1000nmであれば更に好ましい。
ソース・ドレイン電極(第2の対電極):
ソース・ドレイン電極の材料としては、ゲート電極材料で挙げた導電性物質の中でも半導体層との接触面においてオーミックに接続される材質のものが好ましい。
ソース・ドレイン電極の作製工法としては、シャドーマスクを利用して金属膜を蒸着するか、真空成膜後にフォトエッチング工程でパターニングして形成することが好ましい。また、ナノメタルインクを用いてインクジェット方法(特許文献4参照)やその他印刷工法にて形成することがさらに好ましい。インクジェット塗工による電極形成においては、下地の表面エネルギーを変化させ、インクになじみやすい表面、なじみにくい表面を光処理することで簡便に電極を形成することができるとともに、塗布インクの自己排除機構により、5μm間隔のパターン化が可能である(特許文献3参照)。トランジスタの第2の対電極であるソース・ドレイン電極において、チャネル領域を微小間隔で形成することはトランジスタ性能を向上させる点で非常に重要である。また、特許文献4においてインクジェット法による配線化技術が提案されており、それも利用できる。ソース・ドレイン電極の厚みは、適宜設定することができるが、10nm〜100nmの範囲に設定することが好ましい。
活性層:
活性層の材料としては、例えばペンタセン、アントラセン、テトラセン、フタロシアニン等の有機低分子、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリパラフェニレン及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体等のポリフェニレン系導電性高分子、ポリピロール及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリフラン及びその誘導体等の複素環系導電性高分子、ポリアニリン及びその誘導体等のイオン性導電性高分子等の有機半導体を用いることができる。また、その他にも、一般的に用いられる公知の有機半導体物質を活性層の材料として用いてもよい。
また、活性層の材料として半導体ナノ粒子を用いることもできる。典型的な半導体ナノ粒子はII−VI材料、III−V材料、第IV族材料またはそれらの組合せからなる。適切なII−VI材料は、最も典型的にはSe、TeおよびSからなる群から選択される任意の数の第VI族材料を含有し、かつ最も典型的にはZn、Cd、Be、およびMgからなる群から選択される任意の数の第II族材料の合金からなってもよい。適切なII−VI材料は、酸化亜鉛または酸化マグネシウムを含んでもよい。適切なIII−V材料は、最も典型的にはAs、PおよびSbからなる群からから選択される任意の数の第V族材料を含有し、かつ最も典型的にはIn、Al、およびGaからなる群から選択される任意の数の第III族材料からなってもよい。適切な第IV族材料は、SiおよびGeを含んでいてもよい。
さらに、活性層の材料として特に好ましいものの例として、下記の化学式(1)で表されるトリアリールアミンを含むパイ共役高分子材料を主成分とするものを挙げることができる。
Figure 2010153772
(上記式中、nは繰り返し数を意味する)
また、アントラセン、テトラセン、ペンタセン等のポリアセン化合物を中心とする芳香族化合物は分子間凝集力が強いため高い結晶性を有していて、これによって高いキャリア移動度と、それによる優れた半導体デバイス特性とを発現しており、活性層の材料として挙げられる。
活性層の作製工法としては、例えば蒸着法、アーク放電、プラズマ化学気相成長(PECVD)、物理気相成長等の他に、湿式成膜法を用いることができる。湿式成膜法としては、スピンコート法、ディッピング法、ブレード塗工法、スプレー塗工法、キャスト法、インクジェット法、印刷法等の公知の湿式成膜技術を採用することが可能であり、これによって活性層を薄膜化することができる。
画素電極(第3の電極):
画素電極の材料としては、以下のような市販されているペースト材料が好ましい。市販のペースト材料の例としては、パーフェクトゴールド(登録商標)(金ペースト、真空冶金社製商品名)、パーフェクトカッパー(銅ペースト、真空冶金社製商品名)、Orgacon Paste variant 1/4、Paste variant 1/3(以上、印刷用透明PEDOT/PSSインク、日本アグファ・ゲバルト社製商品名)、Orgacon Carbon Paste variant 2/2(カーボン電極ペースト、日本アグファ・ゲバルト社製商品名)、BAYTRON(登録商標) P(PEDT/PSS水溶液、日本スタルクヴィテック社製商品名)を挙げることができる。上記材料をスクリーン印刷にて塗布することにより画素電極を形成することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
<実施例1>
(1)有機トランジスタの形成
ガラス基板に市販のナノ銀インクを用い、インクジェット装置を用い、所望するパターンに印刷後、200℃で熱処理し、第1の電極を形成した。次に、第1の絶縁膜として熱重合型ポリイミドをスピンコートにより塗布し、280℃で熱処理したのち、フォトマスクを介して、所望する部位(後述、第2の電極形成部位)に紫外線照射を行い、表面改質を実施した。
次に、第1の電極形成と同様にナノ銀インクを用いIJ(インクジェット)法にて第2の電極を形成した。露光部位はCCD観察ではパターン認識ができない。従って、第1のパターンに対し、基板整合させ、印刷データに基づくIJ印刷を実施した。
活性層として、前記化学式1のトリアリールアミン骨格を有する有機半導体材料をキシレンに溶解し、インク化した。インク濃度は1wt%、粘度約5mPa・秒、表面張力:約30mN/mであった。その後、IJ法にて所望する部位に膜形成することで、有機トランジスタを得た。
(2)第2の絶縁膜形成
層間絶縁膜材料として、分子量4000、多分散度2.5となるフェノール樹脂とシリカフィラーをEG(エチレングリコール)に重量比で樹脂:フィラー:溶媒=3:3:4となるように混合しペースト化したものを準備した。このように調整したペーストを用い、スクリーン印刷(カレンダーメッシュ:500番、乳厚5μmのスクリーン版)を行い、スルーホール部を残してトランジスタ上に転写し、溶媒を110℃で乾燥することで、第2の絶縁膜を形成した。
(3)第3の電極形成
大研化学社製銀ペーストをスクリーン印刷し、120℃で乾燥することで、第3の電極(個別電極,画素電極)を形成し、図2に示したものと同様の構成の有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
<実施例2>
実施例1で第2の絶縁膜形成について、層間絶縁膜材料として、分子量7000、多分散度3.5となるフェノール樹脂とシリカフィラーを、EG(エチレングリコール)に重量比で樹脂:フィラー:溶媒=3:3:4となるように混合し、ペースト化したものを準備した以外は実施例1と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
<実施例3>
実施例1で第2の絶縁膜形成について、層間絶縁膜材料として、分子量3000、多分散度2.8となるフェノール樹脂とシリカフィラーを、EG(エチレングリコール)に重量比で樹脂:フィラー:溶媒=3:3:4となるように混合し、ペースト化したものを準備した以外は実施例1と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
<実施例4>
実施例1で活性層として、下記化学式(2)で表される構造を有するペンタセン前駆体(13,6-N-Sulfinylacetamidopentacene、SIGMA-ALDRICH製)をメシチレン溶媒(1wt%)でインク化し、インクジェット法にて所望する部位に膜形成することした以外は実施例1と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
Figure 2010153772
<実施例5>
実施例2で活性層として、前記化学式(2)で表される構造を有するペンタセン前駆体(13,6-N-Sulfinylacetamidopentacene、SIGMA-ALDRICH製)をメシチレン溶媒(1wt%)でインク化し、インクジェット法にて所望する部位に膜形成することした以外は実施例2と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
<実施例6>
実施例3で活性層として、前記化学式(2)で表される構造を有するペンタセン前駆体(13,6-N-Sulfinylacetamidopentacene、SIGMA-ALDRICH製)をメシチレン溶媒(1wt%)でインク化し、インクジェット法にて所望する部位に膜形成することした以外は実施例3と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
<実施例7>
実施例1で活性層として、下記化学式(3)で表される構造を有するTipsペンタセン(6,13-bis_triisopropyl-silylethynyl_ pentacene)をメシチレン溶媒(1wt%)でインク化し、インクジェット法にて所望する部位に膜形成することした以外は実施例1と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
Figure 2010153772
<実施例8>
実施例2で活性層として、前記化学式(3)で表される構造を有するTipsペンタセン(6,13-bis_triisopropyl-silylethynyl_ pentacene)をメシチレン溶媒(1wt%)でインク化し、インクジェット法にて所望する部位に膜形成することした以外は実施例2と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
<実施例9>
実施例3で活性層として、前記化学式(3)で表される構造を有するTipsペンタセン(6,13-bis_triisopropyl-silylethynyl_ pentacene)をメシチレン溶媒(1wt%)でインク化し、インクジェット法にて所望する部位に膜形成することした以外は実施例3と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
<実施例10>
実施例1で第2の絶縁膜形成について、層間絶縁膜材料として、分子量7000、多分散度3.5となるフェノール樹脂とシリカフィラーを、EG(エチレングリコール)とIPAの混合溶剤(重量比で7:3)に重量比で樹脂:フィラー:溶媒=3:3:4となるように混合し、ペースト化したものを準備した以外は実施例1と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
<参考例1>
実施例1で第2の絶縁膜形成について、層間絶縁膜材料として、分子量3500、多分散度3.3となるフェノール樹脂とシリカフィラーを、EG(エチレングリコール)に重量比で樹脂:フィラー:溶媒=3:3:4となるように混合し、ペースト化したものを準備した以外は実施例1と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
<参考例2>
実施例1で第2の絶縁膜形成について、層間絶縁膜材料として、分子量17000、多分散度20.6となるフェノール樹脂とシリカフィラーを、EG(エチレングリコール)に重量比で樹脂:フィラー:溶媒=3:3:4となるように混合し、ペースト化したものを準備した以外は実施例1と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
<参考例3>
実施例1で第2の絶縁膜形成について、層間絶縁膜材料として、分子量9000、多分散度5.2となるフェノール樹脂とシリカフィラーを、EG(エチレングリコール)に重量比で樹脂:フィラー:溶媒=3:3:4となるように混合し、ペースト化したものを準備した以外は実施例1と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
<比較例1>
実施例1で第2の絶縁膜形成について、層間絶縁膜材料として、分子量4000、多分散度2.5となるフェノール樹脂とシリカフィラーを、HMG(エチレングリコールモノヘキシルエーテル)に重量比で樹脂:フィラー:溶媒=3:3:4となるように混合し、ペースト化したものを準備した以外は実施例1と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
<比較例2>
実施例1で第2の絶縁膜形成について、層間絶縁膜材料として、分子量4000、多分散度2.5となるフェノール樹脂とシリカフィラーを、BMG(ブチルセロソルブ)に重量比で樹脂:フィラー:溶媒=3:3:4となるように混合し、ペースト化したものを準備した以外は実施例1と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
<比較例3>
実施例1で第2の絶縁膜形成について、層間絶縁膜材料として、分子量20000、多分散度3.2となるPVB樹脂(ポリビニルブチラール)とシリカフィラーを、HMG(エチレングリコールモノヘキシルエーテル)に重量比で樹脂:フィラー:溶媒=6:10:9となるように混合し、ペースト化したものを準備した以外は実施例1と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
<比較例4>
実施例1で第2の絶縁膜形成について、層間絶縁膜材料として、分子量55000、多分散度3.4となるエチルセルロース樹脂とシリカフィラーを、HMG(エチレングリコールモノヘキシルエーテル)に重量比で樹脂:フィラー:溶媒=3:10:12となるように混合し、ペースト化したものを準備した以外は実施例1と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
<比較例5>
比較例3で活性層として、前記化学式(2)で表される構造を有するペンタセン前駆体(13,6-N-Sulfinylacetamidopentacene、SIGMA-ALDRICH製)をメシチレン溶媒(1wt%)でインク化し、インクジェット法にて所望する部位に膜形成することした以外は比較例3と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
<比較例6>
比較例4で活性層として、前記化学式(2)で表される構造を有するペンタセン前駆体(13,6-N-Sulfinylacetamidopentacene、SIGMA-ALDRICH製)をメシチレン溶媒(1wt%)でインク化し、インクジェット法にて所望する部位に膜形成することした以外は比較例4と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
<比較例7>
比較例3で活性層として、前記化学式(3)で表される構造を有するTipsペンタセン(6,13-bis_triisopropyl-silylethynyl_ pentacene)をメシチレン溶媒(1wt%)でインク化し、インクジェット法にて所望する部位に膜形成することした以外は比較例3と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
<比較例8>
比較例4で活性層として、前記化学式(3)で表される構造を有するTipsペンタセン(6,13-bis_triisopropyl-silylethynyl_ pentacene)をメシチレン溶媒(1wt%)でインク化し、インクジェット法にて所望する部位に膜形成することした以外は、比較例4と同様にして有機トランジスタアクティブ基板を作製した。
上記実施例、参考例、及び比較例ではトランジスタチャネル長5μm、チャネル幅1000μm、ゲート絶縁膜の比誘電率3.6、膜厚400nmのトランジスタアクティブ基板を作製し、トランジスタ性能を半導体パラメータアナライザにて評価した。評価については第2の絶縁膜によるトランジスタ性能の劣化の度合いを検証するため、活性層作製直後のトランジスタ性能(μ_b)と第2の絶縁膜作製直後のトランジスタ性能(μ_a)について評価することで、第2の絶縁膜作製によるトランジスタ性能劣化を確認した。
ソース・ドレイン電圧:−20V
ゲート電圧:20〜−20V
Vth:ソース・ドレイン電圧−20V、ゲート電圧20〜−20Vに挿引したときのソース・ドレイン電流を測定し、ゲート電圧に対するソース・ドレイン電流の平方根をプロットし、示される直線領域を外挿し、X軸と交わる点を閾値電圧と定義する。
算出方法については下記(3)の式より評価した。
Ids=μCinW(Vg−Vth)/2L ・・・(3)
ここで、μは移動度、Cinはゲート絶縁膜の単位面積あたりのキャパシタンス、Wはチャネル幅、Lはチャネル長、Vgはゲート電圧、Idsはソース・ドレイン電流を意味する。
また、第2の絶縁膜形成直後に、スルーホールTH(設計値:150μm×150μm)が形成できているかを確認した。
また、上記トランジスタをアクティブ基板として用いて、図4に示すような透明電極(ITO;Indium Tin Oxide)1204を共通電極として配置した支持基板1202と、実施例1〜10と参考例1〜3及び比較例1〜8に記載の製法で作成したトランジスタアクティブ基板1201の第3の電極(画素電極)間に、白黒表示する電気泳動マイクロカプセル1203を挟み画素を形成した。走査線に−20V、(画素)信号線に±20Vを印加し、画素の白黒変化を確認した。
以上の結果を下記表1に示した。参考例1〜3の結果では、層間ペーストの粘度が不十分であり、第2の絶縁膜を印刷したときにTHが形成できていなかった。このため画素電極作製後に電気的な導通が取れず、トランジスタ性能が評価できなかった。比較例1〜8の結果では、THの形成は確認できたが、印刷ペーストが有機半導体膜を溶解し、トランジスタ性能を大きく劣化させた。
実施例1〜10の結果では画素電極作製後に電気的な導通を確認でき、またトランジスタ性能についても第2の絶縁膜作製による劣化はなく、画素の白黒変化ができていることを確認した。
Figure 2010153772
以上の結果より、活性層の上に形成される絶縁膜の材料と溶媒を適切に選定し、絶縁膜を印刷法で作成することで、活性層を保護するとともにドレイン電極と画素電極との電気的導通がとれる絶縁膜を有したトランジスタアクティブ基板を提供することができる。
以上、本発明の実施の形態を述べたが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施例では、図4に示したように共通電極として配置した支持基板と、トランジスタアクティブ基板の第3の電極(画素電極)との間に、白黒表示する電気泳動マイクロカプセルを挟み画素を形成した電気泳動ディスプレイを使用したが、電気泳動ディスプレイの構成は図4のものに限定されるものではない。例えば、図5に示したように、トランジスタアクティブ基板上に隔壁12を介して透明電極10を備えた支持基板11を接合してなる空間に、電気泳動分散液13を充填してなる構成の電気泳動ディスプレイにおいても、本発明を適用できる。
101…ゲート電極
102…ソース電極
103…ドレイン電極
104…画素電極
105…走査線
106…信号線
107…基板
108…ゲート絶縁膜
109…活性層
110…層間絶縁膜
111…スルーホール
特開2003−255857号公報 特開2003−318196号公報 特開2004−241527号公報 特開2005−64122号公報 特開2007−103913号公報 特開2004−072049号公報 特表2003−518754号公報 特開平06−194689号公報

Claims (11)

  1. 基板と、該基板上に形成された第1の電極と、該第1の電極上に形成された第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜上に形成された第2の対電極と、該第2の対電極上に形成された活性層とを有する有機トランジスタと、
    該有機トランジスタ上に形成された第2の絶縁膜と、
    前記第2の対電極の一方と前記第2の絶縁膜に設けられたスルーホールを介して電気的導通がとられるように積層された第3の電極と、を備える薄膜トランジスタアクティブ基板であって、
    前記第2の絶縁膜は、樹脂と、無機もしくは有機フィラーとを含有し、前記樹脂および前記無機もしくは有機フィラーとして、EG(エチレングリコール)に、あるいはEGとアルコール溶剤とを組み合わせてなる溶剤に、溶解または分散が可能な樹脂およびフィラーを用いて形成されてなることを特徴とする薄膜トランジスタアクティブ基板。
  2. 前記第2の絶縁膜に含まれる樹脂が、フェノール樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタアクティブ基板。
  3. 前記第2の絶縁膜に含まれる樹脂の分子量(Mw)が2000以上8000以下の範囲内にあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜トランジスタアクティブ基板。
  4. 前記第2の絶縁膜に含まれる樹脂において、該樹脂の多分散度が5以下の範囲内にあることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタアクティブ基板。
  5. 前記第2の絶縁膜が、前記活性層を保護するとともに、前記第2の対電極の一方と前記第3の電極との間で電気的導通がとれるようなスルーホールを印刷により形成することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタアクティブ基板。
  6. 前記活性層が、有機半導体材料を含んで構成されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタアクティブ基板。
  7. 前記活性層が、トリアリールアミンを含むパイ共役高分子材料を主成分とすることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタアクティブ基板。
  8. 前記活性層が、ポリアセン化合物を主成分とすることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタアクティブ基板。
  9. 基板上に、第1の電極をインクジェット法により形成し、該第1の電極上に第1の絶縁膜をコーティングにより形成し、該第1の絶縁膜上に第2の対電極をインクジェット法により形成し、該第2の対電極上に活性層をインクジェット法により形成することにより有機トランジスタを構成させ、該有機トランジスタ上に第2の絶縁膜を堆積し、前記第2の対電極の一方と前記第2の絶縁膜に設けられたスルーホールを介して電気的導通がとられた第3の電極をスクリーン印刷法により積層するようにした薄膜トランジスタアクティブ基板の製造方法であって、
    前記第2の絶縁膜は、樹脂と、無機もしくは有機フィラーとを含有し、前記樹脂および前記無機もしくは有機フィラーとして、EG(エチレングリコール)に、あるいはEGとアルコール溶剤とを組み合わせてなる溶剤に、溶解または分散が可能な樹脂およびフィラーを用いることを特徴とする薄膜トランジスタアクティブ基板の製造方法。
  10. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタアクティブ基板上に、電気泳動表示素子を積層してなる電気泳動ディスプレイであって、
    前記電気泳動表示素子が、電界により白黒表示可能な媒体をカプセル化し、前記第3の電極上に配置されてなるものであることを特徴とする電気泳動ディスプレイ。
  11. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタアクティブ基板上に、電気泳動表示素子を積層してなる電気泳動ディスプレイであって、
    前記電気泳動表示素子が、前記薄膜トランジスタアクティブ基板と、透明電極を持つ支持基板と隔壁層を介して形成される空間に、電界により白黒表示可能な媒体を充填してなるものであることを特徴とする電気泳動ディスプレイ。
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