JP4858796B2 - 細長い繊維試料の性質を表わす方法 - Google Patents

細長い繊維試料の性質を表わす方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明な、繊維、糸、ロービング、スライバ及び扁平繊維布のような細長い繊維試料の性質を表わす方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
糸の均一性検査の測定値を棒グラフで表わすことは公知であり、各測定値に棒が対応し、その高さは測定値又は測定値と目標値又は限界値との比較の適格の結果に比例している。このような棒は典型的には並んで設けられるので、一種の輪郭が生じる。
【0003】
このような適格の結果に文字を対応させて、各測定値又は各測定列に対して、文字により結果を総括的に特徴づけることも同様に公知である。
【0004】
1つの糸の測定可能な値の数は時間と共にますます増大するので、これらの公知の表示のためには、ますます多くの棒又は文字を並べねばならない。それによりこのような表示はますます複雑になりかつ見通し不可能になるので、結局のところもはや価値がなくなるか、又は混乱をひき起こす。更に重要な値とあまり重要でない値との区別が不可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の課題は、複数のパラメータ又は一般に複数の測定結果の値を大きい数でもひと目で把握できるけれども、重要なパラメータ又は測定結果とあまり重要でないパラメータ又は測定結果とを区別して考慮する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題は、請求項1の特徴によって解決される。軸線は、1つのパラメータの重要性に比例する角をなして互いに傾斜しているのがよい。パラメータはなるべく円の扇形としても表わされ、円の中心で交差しかつ扇形を形成する2つの軸線のなす角は、所定の関係でパラメータの重要性に比例し、扇形の半径はパラメータ用の測定値に比例している。測定値はなるべく変換されて、不適切な値が外側にあり、測定値にとって最も確からしい範囲が最小直径と最大直径との間にあるようになっている。測定値は、対数化により、また偏差の絶対値又は逆数の形成等により変換されることができる。また測定値は、既知の統計値を介して累積度数に変換され、この累積度数が変位値に変換され、その際正規分布が仮定され、半径が変位値に対して直線的に増大する。こうしてすべての限界値及び/又は目標値が同じ半径上にあるようにすることができる。パラメータのために測定値が時間について検出され、それから平均値及び分散が計算され、目標値、限界値及び分散について前もつてなされた規定と比較される。分散は、例えば円又はその他の図又は色により特徴づけられる扇形の縁によっても、表示することができる。測定値、平均値、限界値及び分散から、試料の品質を表わす属性を求めることができる。これらの属性を、その代わりに、又は軸線に沿うパラメータとして表示することができる。精密化のため選択可能な段階によるか、又は値により誤差を表示するパラメータが一層詳細に表示されるように、パラメータの精細度も変化することができる。
【0007】
本発明により得られる利点は、特に、試料従つて例えば糸、ロービング、スライバ又は他の繊維材料の繊維の全体判断を容易にし、測定値等の電子処理により行うことができることである。測定値の処理の際試料の使用目的を問題なく考慮でき、それを考慮して判断を行うことができる。測定値を求めるため種々の試料が使用されても、結果をただ1つで表わすことができる。これを表わすため、絶対値、限界値等との比較を行うか、いわゆるUSTER STATISTICSのような統計的に求められた既知の値又は基準試料の値との比較を行うことができる。
【0008】
【実施例】
図面に示されている実施例に基いて本発明を以下に説明する。
【0009】
図1はそれぞれ互いに角4,5をなして傾斜する軸線1,2及び3を示し、これらの軸線に沿つてパラメータa,b,c用の値が記入されている。例えば各パラメータa,b,cに対して値a1,b1,c1及び基準値ar,br,crが記入されている。限界値、目標値、平均値等はこのような基準値に対する若干の例であるにすぎない。記入されている基準値ar,br,crを線により結ぶと、基準輪郭6が生じる。記入されている測定値a1,b1,c1を線により結ぶと、測定輪郭7が生じる。これらの輪郭を眼により比較することによつて、基準値に比較して測定値の最初の迅速な判断が可能である。
【0010】
図2は例えばパラメータe,f,gのための軸線8,9,10を示し、軸線8,9,10に沿う値の段階づけ及び基準値又は零点の位置は、基準値er,fr,grが連続する曲線11上にあるように選ばれている。測定値e1,f1等から始まって、曲線11に対してほぼ平行に延びる曲線部分12,13が示されている。隣接する軸線の間における曲線11の部分の長さは、例えば隣接する軸線上のパラメータの相対重要性に対する尺度である。更に軸線の矢印方向において不利な値及び矢印方向とは逆に有利な値が軸線8,9,10上に記入されているものと仮定すると、軸線と曲線部分12,13との間の面積14,15も、品質の特徴又はパラメータの測定された値の評価を示すことができる。
【0011】
図3は軸線19,20,21,22,23,24を持つグラフを示し、既に前述したようにこれらの軸線に沿つて、パラメータh,i,k,l,m,nのための値及びそれに属する基準値が記入されている。ここで軸線19〜24は中心25で出合うので、種々の基準値を表わすことができる種々の同心円26,27,28,29,30が設けられている。軸線19〜24の間には扇形31,32,33,34,35,36が形成され、その大きさは試料の性質の全体判断を考慮してパラメータの重要度に相当している。ここでハツチングを施した面積18は、例えば各扇形31〜36に対して、検査からの測定値がなるべく存在するか又は存在すべきである範囲を示している。
【0012】
しかしこの配置は、1つの扇形に同じパラメータ用の無数の軸線が想定的に設けられているか、又は軸線が想定的にのみ設けられ、基準値又は測定値を示しかつ面積を区画する円が見えるものとみなすことができる。個々のパラメータの区別は色又は他のグラフ的な手段によつて行うことができる。
【0013】
図4は図3に従う例を示し、その同じ軸線及び円は従つて同じ符号をつけられているが、わかり易くするため必ずしもすべてが記入されてはいない。ここでは測定値及び基準値は円弧の半径方向位置によつて示されるか、隣接する軸線、中心25及び円弧の間の面積の大きさによつて示されている。
【0014】
具体例として、図4が糸の品質の全体表示をなしているものと仮定する。図4は扇形31〜36を持ち、各扇形に、パラメータにより表わされる糸の性質に関する基準値及び少なくとも1つの測定値が記入されている。すべて6つの扇形を説明しないようにするため、以下簡単にするため、その2つのみを詳細に説明する。図4において、測定値が2つの異なる基準系に関して測定値が示されている。一方の基準系は統計的に求められる比較値を使用し、これらの比較値は母集団における測定値の頻度用の寸法数字である。統計から得られるこのような基準値は、同じ頻度について1つの円上に設けられている。それ以外の頻度については、別の基準値が同心的な別の円上に設けられている。他方の基準系はいわゆる糸輪郭により形成される。この糸輪郭は、糸の特別な使用目的のため、パラメータの測定値のための目標値及び限界値を規定する。その際測定値及び基準値も、この表示のため適当に変換される。
【0015】
扇形35には、例えば試料の糸における単位長当たり糸弱点の数を円弧38により示す。この扇形35にある別の円弧37は、糸輪郭の基準値を表わす。円弧38は中心の近くにあり、値が比較される糸の母集団に比較して良いか、又は一層良好な部分に属し、従つてここでは特に平均以下の僅かな弱点が測定されたことを示している。更に円弧38は円弧37内にあり、これは、それが意図される使用目的にも適していると判断され得ることを意味している。弱点及び他の値は、例えば引張り検査装置により測定され、同じ装置により検査物品について測定される最大力、伸び、仕事、係数等のような別の値は、隣接する扇形に示すことができる。
【0016】
扇形34には、測定されるシツクスポツトの数についての値が円弧39により示され、糸輪郭の基準値が円弧40により示される。これは悪い判断に相当する。一方では、測定されるシツクスポツトの数は、円28に相当する母集団の平均値より上にある。他方では、判断にとつて一層重要であるが、円弧39が円弧40外にあり、測定される値が意図される使用目的のための限界値を超過し、従つて不適当と判断されねばならないことを、認識せねばならない。糸の単位長当たりシツクスポツトの数は、それ以外の値を供給できる糸検査装置において求められる。このようなそれ以外の値は、隣接する扇形に示すことができる。糸の全体判断は、ここではすべての扇形にわたつて延びる交差ハツチングの面積41の形状及び大きさによつて再現される。この面積41が内方へ集中するほど、それだけ糸の品質が良い。
【0017】
図5は2つの軸線42及び43を持つ補助グラフを示し、軸線42に沿つて、統計から正規分布について知られているように、いわゆるZ値が記入されている。軸線43に沿つて、一般に統計から知られておりかつ例えば測定値についてUster市の例えばZellweger Uster社から発行されるいわゆるUSTER STATISTICSから読取ることができる頻度の値が示されている。USTER STATISTICSにおける頻度のこれらの値は、1つのパラメータに対して、多量の測定される糸からどれ位多くの糸(百分率割合)がパラメータの所定の値へ少なくとも達するかを示す。曲線44により、軸線43のこのような百分率値を、統一的な統計的考察のための標準化されたZ値に変換することができる。
【0018】
図6は2つの軸線45及び46を持つ補助グラフを示し、図5の軸線42に沿うのと同じ値が、軸線45に沿つて記入されている。軸線46に沿つて0ないし100%の確率の値が記入されている。両方の軸線45及び46により規定される領域において、例えば3つの関数47,48及び49が線により記入されている。各関数47,48,49は、特定の命題又は特定の状況が該当する確率に関している。この例において関数47は、測定された値がどんな確率で良いとみなされるかを示している。関数48は、測定された値がどんな確率で限られた範囲で得られ又は適切とみなされるかを示している。関数49は、パラメータの測定された値がどんな確率で不適当又は適切でないとみなされるかを示している。図5及び6による補助グラフは、フアジー論理の適用のために重要である。選ばれた図では、目標値が値Z=0で軸線45上にあり、限界値は値Z=1にある。この図により示されているように変換は、測定値が母集団と比較されて判断されるかを表わしている。試料又は糸の使用目的に応じて、目標値及び限界値が別の値を持つことができる。糸が特に要求の多い使用のために意図されると、目標値及び限界値はむしろもつと小さい。要求の少ない使用では、これらの値はむしろもつと大きい。これは糸輪郭を表わしている。従つてこのような場合、軸線45を直線的に軸線45aへ変換することができる。
【0019】
図7は、試料、ここでは特に糸の全体判断のための図を示している。先の図から既にわかつたように、一貫する円50,51,52は、統計特にUSTER STATISTICSから誘導されて頻度値に相当する変換された基準値を示している。その上又はその間にある円弧53,55,57,59は、一緒に糸輪郭を形成する変換された基準値を示し、円弧54,56,58,60は測定値を示している。ここでこれは、扇形61における例えば均一性検査装置による糸の検査から、扇形62における外側構造の検査から、扇形63における引張り検査装置による検査から、また扇形64におけるシツクスポツト及び弱点の分類から得られた測定値である。この場合非常に大ざつぱな情報しか誘導されないので、表示は僅かな精細度に相当する。
【0020】
図8は、図7に類似しているが中間の精細度を持つ精密にされた図を示している。従つてパラメータ用のもつと多数の扇形が設けられている。これは特に毛羽立ちに関する扇形65、糸の質量又は直径の均一性に関する扇形66、撚りに関する扇形67、繊度に関する扇形68、伸びに関する扇形69、引張り力に関する扇形70、単位長当たりの弱点の数に関する扇形71、シツクスポツト及び弱点等の分類の結果に関する扇形72,73,74等である。扇形69,70,71がここではまとめて図7のE形63を形成していることを注意すべきである。
【0021】
図9は高い精細度を持つ対応する図を示している。図8による扇形は、特に例えば糸の弱点の数に関する扇形71に関して認められるように、更に精細にされ、ここではこの扇形71は、相対伸び、力及び絶対伸びに関する扇形75,76及び77で更に精細にされている。
【0022】
図10は、例えば均一性検査から求められるような糸の欠陥による表示の適切な精細度を示している。図8にも設けられている扇形76は、糸の欠陥の特定の選択について適当に情報を与えるため、ただ1つの扇形として更に精細にされる。ここではこれは、特に扇形78におけるネツプ数、扇形79〜82における種々のシツクスポツト及び扇形83における弱点の数である。
【0023】
この方法の作用は次の通りである。以下に説明する処置は、得られる多数の結果について概観を可能にすることが重要な種々の場合に適用することができる。以下の説明は、試料、ここでは繊維糸の性質の包括的な検査により得られるような結果の評価に関係している。
【0024】
まず公知の検査装置により、糸の測定が公知のように行われ、その際得られる測定値が集められる。これは2種類の点で行われる。第1に具体的な糸について測定すべき値の判断のための基礎として。このような結果は既に存在し、例えば既に述べたUSTER STATISTICSに公開されている。これには、例えば種々のパラメータについて測定された平均値又は中間値、散布、上及び下の限界値等が属する。第2に先に求められた基礎に基いて判断される検査すべき糸の種々のパラメータに関する測定値として、他の考察から誘導される基準値も付加的に求められ、これらの基準値は、特定の使用目的のため試料又は糸が満たさねばならないものであり、いわゆる輪郭又は特に糸輪郭である。
【0025】
本発明による実際の方法は、例えば弱点及びシツクスポツトの数、毛羽立ち、伸び、最大引張り力、繊度、均一性、異繊維及び異物等のような種々のパラメータについて糸の測定が行われることから、始まる。これはCV値又はスペクトログラム曲線についても行うことができ、これらの値又は曲線から特性値が求められて、ここで測定値とみなされる。各測定値は今や1つの軸線上に記入するか、又は扇形により表わすことができる。図1によれば、これは値a1,b1,c1等とすることができる。同じ軸線上にそれぞれ1つの基準値ar,br,crを記入し、基準値及び測定値を互いに結ぶと、測定輪郭7及び基準輪郭6が生じる。両方の輪郭の比較は、糸の性質又はその品質についての第1の概観を生じる。軸線1,2,3の目盛づけは、例えばUSTER STATISTICSからの糸に関するように試料の大きい母集団との比較から得られた頻度値で行われるのがよい。
【0026】
軸線8,9,10(図2)上のパラメータの値の段階づけが変換により互いに合わされて、基準値er,fr,grが連続曲線11上にあるように軸線上に位置すると、測定された値e1,f1等を、曲線11に対して例えば平行に延びる曲線部12,13に対応させることができる。こうして測定値の位置は基準値に対して直ちに明らかになる。
【0027】
方法の好ましい実施態様によれば、各パラメータについて軸線19〜24(図3)が同心的に設けられ、すべてのパラメータについて比較可能な基準値が円26〜30上にあるように、パラメータの値が段階づけられるか又は変換される。従つて円26〜30は、種々の軸線上にある複数のパラメータに当てはまる5つの基準値を持つ目盛を形成する。なるべくこれらは、悪い品質を示す望ましくない値が外側に円29,30の範囲にあり、良い品質を示す望ましい値が内側に円26,27の範囲に来るように、設けられている。その際円28は平均値を表わし、円29,30は超過してはならない限界値を表わす。こうして円26及び27も、なるべく超過すべき限界値26及び27を示すことができる。円26〜30は、変換された基準値であつても、既に述べたように具体的な基準値を示すことができるか、又は前記のUSTER STATISTICSにおいて普通な頻度の百分率数を示すことができる。この場合測定された値は、まずUSTER STATISTICSにより、このパラメータに関する値に相当する統計的頻度に変換されねばならず、それからこの頻度は百分率数として現われ、この百分率数が測定された値として、円26〜30により規定されるラスタへ記入される。円として設けられる基準値のほかに、ここでは測定値が円弧として又は場合によつては湾曲した帯としても記入されるようにする。これは図3にハツチングを施された面積18により示されている。帯の幅(外側半径と内側半径との差)は測定値の散布を示す。しかしこのような帯は、パラメータに関する好ましいか又は望ましい値の位置を示すことができる。この帯又はこの面積18は連続的に延びるか、又は不連続部を持つことができ、むしろ小さいか又は大きい直径を持つことができ、ある程度丸いか歪んでいることができる。その際個々のパラメータの重要性も全体判断のために考慮される。なぜならば全体判断は、隣接する軸線の間の角又は面積18における扇形の長さによつて規定されるからである。理想的な円形からの面積18のすべての偏差は、測定された糸の品質を直ちに示す。その際注意すべきことは、基準値特に限界値及び散布の規定の際、これが常に特定の目的例えば糸の特定の使用を考慮して行われることである。
【0028】
図1ないし3による表示において求められた測定値の眼による判断に頼らなくてもよいようにするため、選ばれたパラメータに関する測定値に、なるべくフアジー論理により求められる品質属性も対応させることができる。このため図5及び6に示すような方法が実施される。
【0029】
パラメータのために存在する測定値は、例えばUSTER STATISTICSによりまず別の測定値に関係づけられる。例えば繊度20Texのコーミングされた木綿糸に関するパラメータとして、9%のCVFmax値が測定されると、USTER STATISTICSが、例えば、比較可能な糸の50%によりこの値が少なくとも得られることを示す。この値は軸線43(図5)上に記入されるべきなので、軸線42上に0のZ値が生じる。この結果の評価は、続いて図6のフアジー集合への入力によつて行われる。値0は軸線45上で読込まれ、軸線46上で読出され、関数47,47及び49がそれについて述べる。関数47は、値0が50%の確率で目標値に等しいことを述べている。関数48は、値0が0%の確率で糸について条件付きで適しているものとみなすことができることを述べている。関数49は、値0が0%の確率で糸について不適当であるものとみなすことを述べている。3つの供述の組合わせから、値0が良い品質を示す良い値であることがわかる。これを図7による図に表わすことができる。なぜならば、そこには例えば扇形61にこのパラメータが示され、かつ評価されるからである。第1の評価は例えば、扇形61が比較的幅広いことによつて、パラメータの重要性又は重み付けを受ける。それから測定値を円弧60として認識し、定性的判断をマーキング86として認識する。従つて測定値は、円28により示されているように、平均値の良い側にあり、円弧59により示されているように、輪郭内にある。こうして測定値60が少なくとも満足すべきものであり、それが輪郭内のマーキング86の位置も示すものと仮定することができる。
【0030】
更に隣接する扇形に示されているパラメータの群全部について全体判断を行い、結果を固有の領域又はマーキング内に表示することが可能である。そのため、例えば各パラメータに関するすべての3つの供述が他のパラメータの供述と加算されるか清算されることによつて個々のパラメータの図6により得られる判断が簡単に組合わされる。しかしマーキングは、測定値の散布を表わすためにも設けることができる。散布は、マーキングの大きさ及び中心に対する位置により表わされる。図4によれば、糸の性質を2つの異なる判定基準と比較して表わすことができる。一方では、経験値との比較を、世界的な糸生産にわたつて表わすことができる。そのためのデータは前記のUSTER STATISTICSに見出される。こうして円26〜30に、5%,25%,50%,75%及び95%のような百分率が対応せしめられる。他方では、糸の使用目的を考慮して比較を表わすことができる。その時望ましい糸輪郭が単純にハツチングを施された面積の枠87により与えられる。
【0031】
要約して再度方法を他の言葉で説明する。まず公知のように各パラメータについて例えば中間値即ち平均値、散布及び限界値が求められ、データバンクに記憶される。これは基準値及び糸について既に存在するこのような値である。
【0032】
第1の段階において、例えば図1,2及び特に3及び4からわかるように、構造が規定され、これらの図において所望の各パラメータについて軸線又は扇形31〜36が設けられ、すべての扇形に関する基準値についての円又は曲線(図3に符号26〜30で示すように)が設けられている。その際別の基準として、試料の使用目的又は他の観点に向けられる値を持つ輪郭も設けることができる。第2の段階で特定の試料についての測定値が測定され、変換され、円弧部分として(例えば37,38で示すように)又は構造の全体領域として記録される。続いて各パラメータについて、測定値の評価が表わす属性を誘導することができる。これはなるべくフアジー論理を使用して又はその法則に従つて行うことができる。
【0033】
最後にすべてのパラメータの評価を全体評価にまとめて計算し、領域において表現することができる。
【0034】
測定された値及びその重要性を見通し易くかつできるだけわかり易く表わすために、まず基準値をできるだけ有利なやり方で変換し、構造において例えば円として設けることが非常に重要である。基準値はなるべく選ばれたパラメータに関する平均値、散布についての値、変位値等である。複数のパラメータについて、基準値が輪郭も規定し、糸について糸輪郭を規定することができる。輪郭は常に糸又は試料の使用目的を考慮した規定である。それには例えば糸の購入者の規定が含まれる。糸輪郭は糸の複数のパラメータに関する所定の値の表示であり、各パラメータに平均値、限界値場合によつては散布についての平均値が対応している。糸輪郭は現在糸購入者即ち織物工場等により既に規定され、納品の引取りについて判定基準として用いられる。これらの判定基準は大抵は限界値(最大値)を規定し、付加的な目標値によつてもその供述を改善されることができる。多くのパラメータに関する比較値は前記のUSTER STATISTICSに頻度値として公表されており、糸輪郭を作成するために利用することができる。こうして糸輪郭について百分率頻度を表示しさえすればよい。理想的な場合これはすべてのパラメータについて同じ%値であり、構造において同じ円であつてもよい。しかしパラメータに応じて異なる%値又は絶対基準値を規定することによつて、パラメータを異ならせることもできる。このような基準値は生産の経験値から長い時間にわたつて形成されるか、又は良い糸が基準値として使用される。糸輪郭の値の計算費用はかなりの値になることがあるので、計算による多くの値を僅かな費用で求めることができる。これは、統計法則により、例えば限界値については+3の平均値から、平均値については−3散布の限界値から、又は散布のCV値については散布及び試料の数から行うことができる。これは、USTER STATISTICSからの値の内挿及び外挿によつても、例えば35%又は70%の順度を持つシツクスポツトの値については、50%の頻度を持つシツクスポツトの値から行うことができる。別の可能性は、糸輪郭に関する値を繊維技術的法則から求めることである。これは、例えば繊度と均一性との間又はCVm値と糸番手又は繊度の有害な変動との間の既知の関係である。それにより選択されたパラメータの既知の基準値から、他のパラメータの限界値が求められる。糸輪郭は段階的にも確立されて、以下に再び示すように、樹木構造を形成することができる。その際幹及び適当に入れられる大枝及び小枝を持つ樹木構造が左側に設けられている。それから使用される検査装置従つて判断されるパラメータも推定される。右側には、可能な場合パラメータに関する値の変換方式も示されている。
【0035】
品質
引張り検査
弱点の数 対数
力 逆数
伸び 逆数
ウスター検査機
均一性
CVm %
CV1m %
スペクトログラム
欠点
弱点 和
−60% 対数
−50%
−40% 対数
シツクスポツト 和
+35% 対数
+50%
+70% 対数
ネツプ
+140% 対数
+200%
+280% 対数
繊度
クラシマツト(Classimat)



【0036】
扇形に品質属性を設けることによつて、このような品質属性の表示により測定値を表わす表現力を更に強く高めることができる。これらの扇形は、着色した領域又は図により、しかも街路交通から光信号について既知の色で示すことができる。品質属性は糸の全体品質にも関係し、糸が適していない、条件付きで適している、良く適している、又は非常に良く適しているか否かを明らかにすることができる。測定値が所定の範囲内にある場合そのつど、属性をパラメータに関する測定値に対応させることができる。その代わりに、属性を固定的に対応させずに、その妥当性の確率にのみ対応させることができる。その場合例えば最大の確率を持つ属性が適用される。複数の範囲から成る属性を、フアジー論理の規則に従つて又は確率の加算により、確率の重み付け又は重み付けなしに、まとめることもできる。例えば所定の確率を超過する最高の属性を有効とみなすことができる。
【0037】
属性を求める際、関係するパラメータに関する測定値の散布も考慮することができる。糸試料の測定の際、僅かな測定しか存在しないので、信頼限界は一般に互いに大きく離れている。従つて属性は確実には対応させることができない。属性と測定された値との関係を測定された値の散布に関係させることによつて、この事情を考慮することができる。例えば下の99%信頼限界が所定の限界値より上にある時にのみ、パラメータに関する測定値が糸を不適当とみなすようにする。糸の上の99%信頼限界が所定の限界値より下にある時にのみ、糸が良いものとみなすことができる。これは、信頼限界が大きく離れているほど、属性が不確実に適用されねばならない測定値の範囲もそれだけ大きいことを意味する。しかし試料及び測定の数を高めると、属性の対応の際における確実性を高めることができる。
【0038】
方法の作用は、糸について測定されるようなパラメータの例について説明された。しかし既に示したように、測定値をどのようにし得たか、又はどんな試料のどんな測定値を得たかは、重要でない。従つて例えばロービング、スライバ、繊維又は扁平繊維製品について測定されるパラメータを表わすために、対比可能な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】性質を表わす図である。
【図2】性質を表わす別の図である。
【図3】性質を表わす別の図である。
【図4】性質を表わす別の図である。
【図5】性質を表わす補助線図である。
【図6】性質を表わす別の補助線図である。
【図7】特定の精細度を持つ試料の性質を表わす図である。
【図8】異なる精細度を持つ試料の性質を表わす図である。
【図9】異なる精細度を持つ試料の性質を表わす別の図である。
【図10】異なる精細度を持つ試料の性質を表わす別の図である。
【符号の説明】
1〜3,19〜24 基準値
4,5 角
11 曲線
26〜30 基準値
31〜36 扇形
86 属性
a〜c,e〜g パラメータ
a1〜a3 測定値
ar,br,cr,er,fr,gr 基準値

Claims (6)

  1. 糸、ロービング又はスライバのような細長い繊維試料の性質を円グラフで表す方法であって、次の段階を含む
    (a)繊維試料の複数の性質をそれぞれ表す複数のパラメータ(h,i,k,l,m,n)が測定され、
    (b)円が描かれて、測定されるパラメータ(h,i,k,l,m,n)の重要度に対応する中心角を持つ複数の扇形(31〜36)に区分され、
    (c)測定されるパラメータ(h,i,k,l,m,n)の測定値が、対応する扇形(31〜36)を区画するため円の中心(25)から半径方向に延びる2つの軸線(19〜24)上に記入され、
    (d)測定されるパラメータ(h,i,k,l,m,n)の基準値が、対応する扇形(31〜36)を区画するため円の中心(25)から半径方向に延びる2つの軸線(19〜24)上に記入され、
    (e)各扇形(31〜36)の2つの軸線(19〜24)上の測定値が、第1の円弧(38,39)により互いに結合され、
    (f)各扇形の2つの軸線(19〜24)上の基準値が第2の円弧(26〜30)により互いに結合される
    ことを特徴とする方法。
  2. 基準値が、測定されるパラメータ(h,i,k,l,m,n)の平均値、分散又は限界値の1つに対応していることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 第1の円弧(38,39)が、種々の扇形(31〜36)を形成する円に対して同心的であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 第2の円弧(26〜30)が、種々の扇形(31〜36)を形成する円に対して同心的であることを特徴とする、請求項1〜3の1つに記載の方法。
  5. 第2の円弧(26〜30)の各々が、互いに隣接して、これらの円弧の組合せが1つの単一の連続する円(28)を形成していることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 第1の円弧(38,39)が、基準値を表わす単一の円(28)の半径方向内側又は外側に記入されていることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
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