以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のタグラベル作成装置を有するタグラベル生成システムを表すシステム構成図である。
図1に示すこのタグラベル生成システムLSにおいて、タグラベル作成装置1は、有線あるいは無線による通信回線NWを介してルートサーバRS、複数の情報サーバIS、端末118a、及び汎用コンピュータ118bに接続されている。なお、端末118a及び汎用コンピュータ118bを総称して以下は適宜上、単に「PC118」と称する。この例では、タグラベル作成装置1は、通信回線NWを介してPC118に接続されており、このPC118からの操作に基づき所望の印字つきタグラベルLT(後述)を作成するものである。
図2は、上記タグラベル作成装置1の全体構造を表す斜視図である。図2において、タグラベル作成装置1は、装置本体2と、この装置本体2の上面に開閉可能に設けられた開閉蓋3とを有している。
装置本体2は、手前側(図2中、左手前側)に位置し、装置本体2内で作成されたタグラベルLT(後述)を外部に排出するラベル排出口11を備えた側壁10と、この側壁10の下方に設けられ下端が回動可能に支持された側蓋12とを備えている。
側蓋12は、上部に押部13を備えており、この押部13を上方より押し込むことで側蓋12の装置本体2に対するロック状態が外れるようになっており、それにより、当該側蓋12が前方に開放されるようになっている。また、装置本体2には、開閉蓋3を避けた上面位置に開閉ボタン4を備え、また、開閉ボタン4の下方に対応する側壁10の右方に、タグラベル作成装置1の電源のオン・オフを行う電源ボタン14が設けられている。さらに、この電源ボタン14の下方には、装置本体2内に配設された切断手段としての切断機構15(後述の図3参照)を使用者の手動操作で駆動するためのカッター駆動ボタン16が設けられていて、このボタン16が押されることで印字済みタグラベルテープ109(図4参照、後述)を所望の長さにカットしてタグラベルLTを作成するようになっている。
開閉蓋3は、装置本体2の図2中右奥側の端部にて回動可能に軸支され、ばね等の付勢部材(図示しない)を介して常時開放方向に付勢されている。そして、装置本体2の上面に開閉蓋3に隣接するように配置された開閉ボタン4が押されることにより、開閉蓋3と装置本体2との図示しないロックが解除され、上記付勢部材の作用により開放される。なお、開閉蓋3の中央側部には、透明カバーで覆われた透視窓5が設けられている。
図3は、タグラベル作成装置1の内部の内部ユニット20の構造(但し後述するアンテナLCは省略)を表す斜視図である。
図3において、内部ユニット20は、概略的には、無線タグ回路素子カートリッジ(以下単にカートリッジという)7を収納するカートリッジホルダ6と、印字手段としての印字ヘッド(サーマルヘッド)23を備えた印字機構21と、印字済みタグラベルテープ109(図4参照、後述)を所望の長さにカットしてタグラベルLT(後述の図19参照)を作成する切断機構15と、ハーフカットユニット35(後述の図9参照)と、生成されたタグラベルLTをラベル排出口11(図2参照)より排出するラベル排出機構22とを備えている。
図4は、図3に示した内部ユニット20の構造を表す平面図であり、図5は、上記カートリッジ7の詳細構造を模式的に表す拡大平面図である。
これら図4及び図5において、カートリッジ7は、ラベル排出口11から排出される印字済みタグラベルテープ109の幅方向の向きが、図において紙面に略垂直方向となるように、上記カートリッジホルダ6に収納する。カートリッジ7は、筐体7Aと、この筐体7A内に配置され帯状の基材テープ(タグテープ)101が巻回された第1ロール(タグテープロール)102と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム(被印字テープ)103が巻回された第2ロール(被印字テープロール)104と、インクリボン105(熱転写リボン、但し被印字テープが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、カートリッジ7のテープ排出部30の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ27と、搬送位置規制手段として機能するガイドローラ112とを有する。
テープ送りローラ27は、後述するテープ圧接ローラ28と協働して、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを挟圧し接着させ上記印字済タグラベルテープ109としつつ、矢印Aで示す方向にテープ送りを行う(=圧着ローラとしても機能する)。
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記基材テープ101を巻回している。基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図5中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図5中右側)よりその反対側(図5中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム(基材層)101b、適宜の粘着材からなる粘着層(貼り付け用粘着剤層)101c、剥離紙(剥離材層)101dの順序で積層され構成されている。
ベースフィルム101bの表側(図5中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図5中左側)には、無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。
ベースフィルム101bの裏側(図5中左側)には、ループコイル形状に構成され情報の送受信を行うループアンテナ152(タグ側アンテナ)がこの例では一体的に設けられており、このループアンテナ152に接続するように情報を記憶するIC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成され、IC回路部151をループアンテナ152とベースフィルム101bとで挟むように取り付けられている。
上記剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成したタグラベルLT(後述の図19参照)が所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。このとき、タグラベルLTは、上記無線タグ回路素子Toを有する無線タグラベル本体Taと識別マーク(第2被検出部)PMを備える余白部分Tbを並列して一体的に備えるように構成されている。無線タグラベル本体Taと余白部分Tbとは、上記剥離紙101d以外の3つの層(粘着層101a、ベースフィルム101b及び粘着層101c)を幅方向に切断したハーフカット線HC(半切断部位。後述の図19参照)において、当該剥離紙101dを介し連結されている。
このとき、識別マークPMは、搬送制御用の所定の識別マーク(この例では黒塗りの識別マーク。あるいはレーザ加工等により基材テープ101を貫通する孔を穿孔する等でもよい。又はトムソン型での加工穴等でもよい)であって、剥離紙101dの表面の、無線タグ回路素子Toに対応した並列位置に設けられており、カートリッジ6の外部に設けた識別マークセンサ127(後述)で光学的に検出可能となっている。
一方、図5に示すように、第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール111及び上記リボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が上記印字ヘッド(印字手段)23に押圧されることで、リボン105が当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
なお、このとき、カートリッジホルダ6のうち第2ロール104のカバーフィルム103の繰り出し位置近傍の部位には、カバーフィルム103の搬送方向終端部近傍に設けたゼブラマークEM(後述)を光学的に検出するためのゼブラマークセンサ(第1検出手段)308が設けられている。
図6は、カバーフィルム103と基材テープ101との長さ関係を概念的に表す説明図である。
図6において、カバーフィルム103の長手方向寸法は、基材テープ101の長手方向寸法よりも所要寸法だけ短くし、前記カバーフィルム103の搬送方向終端部近傍に、識別マーク(第1被検出部。この例では格子縞模様からなる上記ゼブラマーク)EMが設けられている。
このとき、図示のように、カバーフィルム103の長手方向寸法は、基材テープ101の長手方向寸法よりも短くなっている。また、基材テープ101に搬送方向に所定数(例えば40個)配列された無線タグ回路素子Toのうち、最終順番(上記の例では40番目)の無線タグ回路素子Toに対応する上記識別マークPMが上記識別マークセンサ127による検出位置に到達したとき、その搬送位置において、ゼブラマークEMの搬送方向先端部がゼブラマークセンサ308による検出位置に到達するまでの未搬送距離Aが0に(又は正の値に)なるように、基材テープ101及びカバーフィルム103の長手方向寸法がそれぞれ設定されている。
図4及び図5に戻り、リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27は、それぞれカートリッジ7外に設けた例えばパルスモータである搬送用モータ119(図3及び後述の図16参照)を駆動源としており、この搬送用モータ119の駆動力が図示しないギヤ機構を介しリボン巻取りローラ駆動軸107及びテープ送りローラ駆動軸108(搬送手段)に伝達されることによって連動して回転駆動される。
一方、多数の発熱素子を備えた上記印字ヘッド23は、カートリッジホルダ6に立設されたヘッド取付部24に取り付けられて、テープ送りローラ27よりもカバーフィルム103の搬送方向上流位置に配置されている。
また、カートリッジホルダ6のうちカートリッジ7の前方(図4中、下側)には、ローラホルダ25が支持軸29により回動可能に枢支されており、このローラホルダ25は、切換機構により印字位置(当接位置、図4参照)とリリース位置(離反位置)とに切換可能とされている。このローラホルダ25には、プラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が回転可能に配設されており、ローラホルダ25が上記印字位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が上記印字ヘッド23及び上記テープ送りローラ27に対し圧接されるようになっている。
上記構成において、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101は、テープ送りローラ27へと供給される。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103もテープ送りローラ27へと供給される。リボン供給側ロール111とリボン巻取りローラ106とにより駆動されるインクリボン105は、カバーフィルム103の裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に供給され上記印字ヘッド23に押圧されて当該カバーフィルム103の裏面に当接させられる。
そして、図5に示すように、カートリッジ7が上記カートリッジホルダ6に装填され、ロールホルダ25が上記リリース位置から上記印字位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド23とプラテンローラ26との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103がテープ送りローラ27と圧着ローラ28との間に狭持される。
そして、搬送用モータ119の駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27が矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸108と上記圧着ローラ28及びプラテンローラ26はギヤ機構(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸108の駆動に伴いテープ送りローラ27、圧着ローラ28、及びプラテンローラ26が回転し、第1ロール(タグラベルテープロール)102から基材テープ101が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ27へ供給される。
一方、第2ロール(被印字テープロール)104からはカバーフィルム(被印字テープ)103が繰り出されるとともに、印刷駆動回路120(後述の図16参照)により印字ヘッド23の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に、貼り合わせ対象となる基材テープ101上の無線タグ回路素子Toに対応した印字R(後述の図19参照)が印刷される。そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及び圧着ローラ28により接着されて一体化されて印字済タグラベルテープ109として形成され、テープ排出部30よりカートリッジ7外へと搬出される。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸107の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
なお、カートリッジ7の上記筐体7Aの上面には、例えば、カートリッジ7内に内蔵されている上記基材テープ101のテープ幅やテープの色等を表示するテープ特定表示部8が設けられている。カートリッジ7をカートリッジホルダ6に装填して開閉蓋3を閉じると、前述の透視窓5とテープ特定表示部8とが相互に対向し、透視窓5の透明カバーを介してテープ特定表示部8を装置本体2の外部から視認できる。これにより、カートリッジホルダ6に装着されているカートリッジ7の種類等を装置本体2の外部から透視窓5を介して容易に視認できるようになっている。
一方、前述したように、内部ユニット20には、上記切断機構15と、上記ラベル排出機構22とが備えられ、さらに、いわゆるループアンテナからなるアンテナLC(通信手段)が備えられている。アンテナLCは、基材テープ101(貼り合わせ後は印字済みタグラベルテープ109、以下同様)に備えられた無線タグ回路素子Toに対し無線通信を介し情報読み取り又は書き込みを行うように設けられている。そして、アンテナLCにより、上述のように貼り合わされて生成された印字済みタグラベルテープ109の無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みが行われた後、自動的にあるいは上記カッター駆動ボタン16(図2参照)を操作することにより切断機構15によって印字済みタグラベルテープ109が切断されてタグラベルLTが生成される。このタグラベルLTは、その後さらにラベル排出機構22によって側壁10(図2参照)に形成されたラベル排出口11から排出されるようになっている。
上記切断機構15は、固定刃40と、この固定刃40とともにカット動作を行う可動刃41と、この可動刃41に連結されるカッターハスバギヤ42(図3参照)と、このカッターハスバギヤ42にギヤ列により連結されるカッターモータ43(図3参照)とを備えている。
上記ラベル排出機構22は、装置本体2の側壁10に設けられたラベル排出口11の近傍に配設され、切断機構15において切断された後の印字済みタグラベルテープ109(言い換えればタグラベルLT、以下同様)をラベル排出口11から強制的に排出するための排出手段としての機能を有する。すなわち、ラベル排出機構22は、駆動ローラ51と、この駆動ローラ51に対して印字済みタグラベルテープ109を挟んで対向する押圧ローラ52と、この押圧ローラ52を印字済みタグラベルテープ109の搬送経路に対して移動可能に作動させることで、印字済みタグラベルテープ109に対して押圧またはその押圧を解除するように作動される押圧作動機構部53(図3参照)と、この押圧作動機構部53の押圧動作に連動して、駆動ローラ51により印字済みタグラベルテープ109を排出するように回転させるための排出駆動機構部54(図3参照)とを備えている。
このとき、上記ラベル排出口11の内側には、印字済みタグラベルテープ109をラベル排出口11へ案内するための第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64が設けられている(図4参照)。第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64はそれぞれ一体に形成され、上記固定刃40と可動刃41とでカットされた印字済みタグラベルテープ109の排出位置において、互いに所定の間隔を隔てられるように配置されている。
また、ラベル排出機構22は、印字済みタグラベルテープ109の上記剥離紙101dに設けられた上記識別マークPMを検出するマークセンサ(第2検出手段)127を有している。この識別マークセンサ127は、後述の図8(b)で説明するように上記識別マークPMを検出するための周知の発光ダイオードとフォトトランジスタからなるセンサ(ここでは反射型フォトインタラプタ)である。前述のように、この識別マークセンサ127による識別マークPMの検出結果に基づき、搬送や印刷時における位置決め制御を高精度に行うことができる。また、アンテナLCは、上記の第1案内壁56及び第2案内壁64に対し印字済みタグラベルテープ109の搬送経路と反対側において、図示しない支持部材により、上記押圧ローラ52とは独立して固定的に設けられている。
押圧作動機構部53は、前述の図3に示すように、ローラ支持ホルダ57と、このローラ支持ホルダ57に取り付けられ先端部に押圧ローラ52を保持するローラ支持部58と、ローラ支持ホルダ57を回動可能に支持するホルダ支持部59と、切断機構15に連動して押圧作動機構部53を駆動するカム60と、付勢バネ61とから構成されている。
ローラ支持部58は、この押圧ローラ52をその上下方向から挟み込むようにして回転自在に支持されている。そして、ローラ支持ホルダ57が、カッターハスバギヤ42の回転により、カム60を通してホルダ支持軸59を中心に反時計回り(図3中、矢印71方向)に回動することで、押圧ローラ52は印字済みタグラベルテープ109に対して近づけられる。また再びカッターハスバギヤ42を回転させると、付勢バネ61によりホルダ支持軸59は先ほどと逆方向に回動し、押圧ローラ52は印字済みタグラベルテープ109から離間される。
排出駆動機構部54は、テープ排出モータ65とギヤ列66とからなり、押圧ローラ52によって印字済みタグラベルテープ109が駆動ローラ51に押圧された後に、テープ排出モータ65を駆動させ、駆動ローラ51を印字済みタグラベルテープ109の排出方向へ回転させることによって、印字済みタグラベルテープ109が強制的に排出方向に排出される。なおこのとき、押圧ローラ52は自由に回転(言い換えれば駆動ローラ51の回転駆動に応じて被回転)するようになっている。
図7は、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101に備えられる無線タグ回路素子Toの概念的構成を表す、図5中矢印D方向から見た概念図である。
この図7において、無線タグ回路素子Toは、ループコイル形状に構成され情報の送受信を行う上記ループアンテナ152と、これに接続され情報を記憶するIC回路部151とから構成されている。また、剥離紙101dの表面には、各無線タグ回路素子Toに対応した所定の位置に、前述した識別マークPMがそれぞれ設けられている。
図8(a)はラベル排出機構22の要部詳細構造を表す部分抽出斜視図であり、図8(b)は識別マークセンサ127の概念的構成を表す図である。
図8(a)において、前述した、識別マークPMを検出するための周知の発光ダイオードとフォトトランジスタからなる識別マークセンサ127と、印字済みタグラベルテープ109の搬送経路に対し移動可能に構成された上記押圧ローラ52とが設けられている(なおこれら2つでマーク検出装置10が構成されている)。また、上記第1案内壁55,56の上下方向途中部が切り欠かれ、一方の第1案内壁55には、上記駆動ローラ51が、切欠部から印字済みタグラベルテープ109の排出位置に臨むようにして設けられている。なお、駆動ローラ51は、その上面に同心円状の溝により形成されたローラ切り欠き部51Aを有する。一方、他方の第1案内壁56には、押圧ローラ52が、切欠部から印字済みタグラベルテープ109の排出位置に臨むようにして、押圧作動機構部53の上記ローラ支持部58に支持されている。
アンテナLCは、上記押圧ローラ52をその径方向中心(径方向内側。詳細にはコイル中心軸上)に位置させるようにしつつ当該押圧ローラ52の近傍に配置されており、磁気誘導(電磁誘導、磁気結合、その他電磁界を介して行われる非接触方式を含む)により上記印字済みタグラベルテープ109に備えられる無線タグ回路素子Toへのアクセス(情報読み取り又は情報書き込み)を行うようになっている。
また、駆動ローラ51よりも搬送方向上流側(言い換えれば後述のハーフカッタ34とアンテナLCとの間)には上記識別マークセンサ127が設けられている。この識別マークセンサ127は、図8(b)に示すように、例えば発光ダイオードからなる投光器127a及びフォトトランジスタからなる受光器127bから構成される反射型の公知の光電センサ(例えば反射型フォトインタラプタ)である。投光器127aと受光器127bとの間に上記識別マークPMが存在するかどうかに応じて、受光器127bからの制御出力が反転させられるようになっている。なお、識別マークセンサ127としては、上記反射型に限らず、透過型の光電センサを用いてもよい。
図9は、図3に示した構造からラベル排出機構22を取り外した状態における内部ユニット20の外観を表す斜視図である。
図9において、上記カッターハスバギヤ42には、突起状に形成されたボス50が設けられ、このボス50が上記可動刃41の長孔49に挿入されるように構成されている(後述の図10や図11も参照)。また、テープ排出方向に沿って固定刃40及び可動刃41の下流側には、固定刃40及び可動刃41と第1案内壁55,56(図4参照)との間に位置するように、ハーフカットユニット35が取り付けられている。
ハーフカットユニット35は、固定刃40に合わせて配置される受け台38と、この受け台38と対向し可動刃41側に配置されるハーフカッタ(半切断手段)34と、固定刃40と受け台38との間に固定刃40と合わせて配置される第1ガイド部36と、この第1ガイド部36と対向し可動刃41と合わせて配置される第2ガイド部37とから構成される(後述の図12も参照)。
第1ガイド部36及び第2ガイド部37は一体に構成され、固定刃40の固定孔40A(後述の図12参照)に対応する位置に設けられたガイド固定部36Aにより固定刃40とともに側板44(図4参照)に取り付けられている。
受け台38は、テープ排出部30より排出される印字済みタグラベルテープ109に対向する端部がテープに平行になるように折曲され、受け面38Bを形成している。ここで、印字済みタグラベルテープ109は、前述のように、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dからなる4層構造の基材テープ101と、カバーフィルム103とが貼り合わされることで5層構造となっている(後述の図20も参照)。そして、上記ハーフカッタ34を受け面38Bに押し付けることにより、ハーフカッタ34と受け面38Bとの間にある印字済みタグラベルテープ109は、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101cを切断されるが、剥離紙101dが切り残された状態となる。これにより、上述したように、作成されたタグラベルLTを構成する複数のラベル同士が当該剥離紙101dを介し連結されるようになっている。なお、上記受け面38Bは、第1案内部55、56とともに印字済みタグラベルテープ109をラベル排出口11へ案内する役割も有する。
図10及び図11は、内部ユニット20より上記ハーフカッタ34を除去した、切断機構15の外観を表す斜視図である。
これら図10及び図11において、切断機構15では、カッターモータ43(図3参照)によりカッターハスバギヤ42が回転した際に、可動刃41がボス50と長孔49により軸孔48を支点として揺動し、印字済みタグラベルテープ109がハーフカット部分に一致してカットされるようになっている。
すなわちまず、カッターハスバギヤ42のボス50が内側(図10中、左側)に位置する場合においては可動刃41は固定刃40から離れて位置する(以下この状態を初期状態とする。図10参照)。そして、この初期状態においてカッターモータ43が駆動し、カッターハスバギヤ42が反時計回り(矢印70方向)に回転すると、ボス50が外側に移動するとともに、可動刃41は軸孔48を中心に反時計回り(矢印73方向)に回動し、内部ユニット20に固定された固定刃40とで印字済みタグラベルテープ109を切断する(以下この状態を切断状態とする。図11参照)。
このようにして印字済みタグラベルテープ109を切断してタグラベルLTを生成した後には、次回搬送される印字済みタグラベルテープ109を切断するために可動刃41を初期状態に戻す必要がある。従って、再びカッターモータ43を駆動し、カッターハスバギヤ42を反時計回り(矢印70方向)に回転させることで、再びボス50が内側に移動するとともに、可動刃41が時計回り(矢印74方向)に回動し、可動刃41を固定刃40から離間させる(図10参照)。そして、次回、カートリッジ7より印字され搬送される印字済みタグラベルテープ109を切断可能な状態となる。
なおこのとき、カッターハスバギヤ42の円筒外壁上にはカッターハスバギヤ用カム42Aが設けられ、カッターモータ43によりカッターハスバギヤ42が回転すると、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用によりカッターハスバギヤ42に隣接して設けられたマイクロスイッチ126がオフ状態からオン状態に切り替わる。それにより、印字済みタグラベルテープ109の切断状態が検出されるようになっている。
図12は、上記可動刃41及び固定刃40の詳細構造を上記ハーフカットユニット35とともに表す斜視図であり、図13はその部分拡大断面図である。
これら図12及び図13において、固定刃40は、印字機構15(図11参照)内のカートリッジホルダ6の左側において起立状に設けられる側板44(図4参照)に固定孔40Aを通して固定手段であるネジ等により固定されている。可動刃41は、略V字状をなし、切断部分に設けられた刃部45と刃部45の反対に位置する柄部46と屈曲部47とから構成される。屈曲部47には上記軸孔48が設けられ、この屈曲部47を支点として可動刃41が回動できるように軸孔48にて側板44に支持されている。また、可動刃41の切断部分に設けられた刃部45の反対側の柄部46に上記長孔49が形成されている。刃部45は2段刃により形成されており、その刃面は刃部45の厚みを徐々に薄くする第1傾斜面45Aと第2傾斜面45Bの傾斜角度の異なる2つの傾斜面により構成されている。
一方、前述のハーフカットユニット35の上記第1ガイド部36のうち、排出される印字済みタグラベルテープ109に対向する端部36Bは、上記受け台38の端部に形成された受け面38Bに沿って突出され、且つ印字済みタグラベルテープ109の排出方向へ折曲されている。従って、第1ガイド部36の端部36Bは、カートリッジ7より排出される印字済みタグラベルテープ109に対する接面36Cにおいて印字済みタグラベルテープ109の排出方向に対して滑らかな曲面を有する。
第1ガイド部36の端部36Bを突出させ接面36Cを曲面としたことにより、一定曲率以上にカールした印字済みタグラベルテープ109の先端部は、先ず第1ガイド部36の接面36Cに当たる。その際に、印字済みタグラベルテープ109の先端部が第1ガイド部の接面36C上の境界点75より印字済みタグラベルテープ109の排出方向の下流側(図13中、下方向)に当たった場合には、印字済みタグラベルテープ109の先端部はその曲面に沿って下流側へ移動することで、固定刃40と第1ガイド部36や受け台38の間に侵入することなく、ラベル排出口11方向へ導くようになっている。
また、第1ガイド部36は、その印字済みタグラベルテープ109の搬送経路にあたるガイド幅L1(図12参照)が装着される印字済みタグラベルテープ109の最大幅(本実施形態では36mm)より大きくなるように形成されるとともに、内部面36Dが接面36Cに連続して形成されている。内部面36Dは、可動刃41の第1及び第2傾斜面45A,45B(詳細は後述)に対向して形成され、切断時において、可動刃41の第1及び第2傾斜面45A、45Bの一部が当接される(図13参照)。可動刃41は刃部が2段刃により形成されているので、可動刃41によって印字済みタグラベルテープ109を切断した際に、第1ガイド部36の端部にあたる接面36C及び内部面36Dと可動刃41の第2傾斜面45Bとの間に間隙39が形成される(図13参照)ようになっている。
図14は上記可動刃41の外観を示す正面図であり、図15は図14中A−A断面による横断面図である。
これら図14及び図15において、本実施形態において第1傾斜面45Aは、刃部45の第1傾斜面45Aとは反対側の背面とのなす角度が50度となっている。
図16は、本実施形態のタグラベル作成装置1の制御系を表す機能ブロック図である。図16において、このタグラベル作成装置1の制御基板(図示せず)上には、制御回路110が配置されている。
制御回路110には、内部にタイマ111Aを備え各機器を制御するCPU111と、このCPU111にデータバス112を介して接続された入出力インタフェース113と、CGROM114と、ROM115,116と、RAM117とが設けられている。
CGROM114には、多数のキャラクタの各々に関して、表示のためのドットパターンデータがコードデータに対応させて格納されている。
ROM(ドットパターンデータメモリ)115には、アルファベット文字や記号等のキャラクタを印字するための多数のキャラクタ各々に関して、印字用ドットパターンデータが、書体(ゴシック系書体、明朝体書体等)毎に分類され、各書体毎に印字文字サイズ分、コードデータに対応させて格納されている。また、階調表現を含むグラフィック画像を印字するためのグラフィックパターンデータも記憶されている。
ROM116には、上記PC118から入力された文字や数字等のキャラクタのコードデータに対応させて、印字バッファのデータを読み出して上記印字ヘッド23、搬送用モータ119、テープ排出モータ65を駆動する印字駆動制御プログラム、各印字ドットの形成エネルギ量に対応するパルス数を決定するパルス数決定プログラム、印字終了した場合に印字済みタグラベルテープ109を切断位置まで搬送用モータ119を駆動して搬送し、上記カッターモータ43を駆動して印字済みタグラベルテープ109を切断する切断駆動制御プログラム、切断された印字済みタグラベルテープ109(=タグラベルLT)をテープ排出モータ65を駆動してラベル排出口11から強制的に排出するテープ排出プログラム、その他タグラベル作成装置1の制御上必要な各種のプログラムが格納されている。CPU111は、このようなROM116に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行う。
RAM117には、テキストメモリ117A、印字バッファ117B、パラメータ記憶エリア117E等が設けられている。テキストメモリ117Aには、PC118から入力された文書データが格納される。印字バッファ117Bには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギ量である印加パルス数等がドットパターンデータとして格納され、印字ヘッド23はこの印字バッファ117Bに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。パラメータ記憶エリア117Eには、各種演算データが記憶される。
入出力インタフェース113には、PC118と、印字ヘッド23を駆動するための上記印刷駆動回路120と、搬送用モータ119を駆動するための搬送用モータ駆動回路121と、カッターモータ43を駆動するためのカッターモータ駆動回路122と、ハーフカッタモータ129を駆動するためのハーフカッタモータ駆動回路128と、テープ排出モータ65を駆動するためのテープ排出モータ駆動回路123と、上記アンテナLCを介して無線タグ回路素子Toにアクセスする(読取り/書込みを行う)ための搬送波を発生させるとともに、上記制御回路110から入力される制御信号に基づいて上記搬送波を変調する上記送信回路306と、無線タグ回路素子Toから上記アンテナLCを介して受信された応答信号の復調を行い、上記制御回路110に出力する上記受信回路307と、上記識別マークPMを検出する上記識別マークセンサ127と、上記ゼブラマークEMを検出する上記ゼブラマークセンサ308と、テープカット検出センサ124と、カットリリース検出センサ125と、後述する無線タグ回路素子Toの順番情報を記憶するためのEEPROM309とが各々接続されている。
このような制御回路110を核とする制御系において、PC118を介して文字データ等が入力された場合、そのテキスト(文書データ)がテキストメモリ117Aに順次記憶されるとともに、印字ヘッド23が駆動回路120を介して駆動され、各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されて印字バッファ117Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行い、これと同期して搬送用モータ119が駆動回路121を介してテープの搬送制御を行う。また、送信回路306が制御回路110からの制御信号に基づき搬送波の変調制御を行うとともに、受信回路307は制御回路110からの制御信号に基づき復調した信号の処理を行う。
また、テープカット検出センサ124及びカットリリース検出センサ125は、カッターハスバギヤ42の円筒外壁上に設けられたカッターハスバギヤ用カム42Aとマイクロスイッチ126とから構成されている(図10、図11参照)。具体的には、カッターモータ43によりカッターハスバギヤ42が回転すると、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用によりマイクロスイッチ126がオフ状態からオン状態に切り替わり、可動刃45による印字済みタグラベルテープ109の切断が完了したことを検出する。このことにより、テープカット検出センサ124が構成される。また、更にカッターハスバギヤ42が回転すると、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用によりマイクロスイッチ126がオン状態からオフ状態に切り替わり、可動刃45がリリース位置に戻ったことを検出する。このことにより、カットリリース検出センサ125(図16参照)が構成される。
図17は、上記送信回路306、受信回路307とアンテナLCとの接続部分の回路構成を簡略的に表す回路図である。この図17において、送信回路306は装置側のアンテナLCを介してコンデンサ310に接続され、また受信回路307はコンデンサ310に関して装置側アンテナLCと並列に接続されている。
図18は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。この図18において、無線タグ回路素子Toは、タグラベル作成装置1側のアンテナLCと磁気誘導により非接触で信号の送受信を行う上記ループアンテナ152と、このループアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
IC回路部151は、ループアンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記ループアンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記ループアンテナ152に接続された変復調部158と、上記クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
変復調部158は、ループアンテナ152により受信された上記タグラベル作成装置1のアンテナLCからの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの応答信号に基づき、ループアンテナ152より受信された搬送波を変調反射する。
メモリ部157は、情報記憶機能を備えている。この例では、各無線タグ回路素子Toが基材テープ101の長手方向に順番に配置され第1ロール102が製造されるときの順番情報(配列順番情報)が製造時に書き込まれ、記憶保持されている。
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
図19(a)及び図19(b)は、上述のような構成であるタグラベル作成装置1により無線タグ回路素子Toの情報書き込み(又は読み取り)及び印字済タグラベルテープ109の切断線CLでの切断が完了して形成されたタグラベルLTの外観の一例を表す図であり、図19(a)は上面図、図19(b)は下面図である。また図20は図19中XX−XX′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図である。
これら図19(a)、図19(b)、図20において、タグラベルLTは、前述したように図5に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図20中上側)よりその反対側(図20中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のようにベースフィルム101bの裏側に設けられたループアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toが、ベースフィルム101bと粘着層101cとの接着面内にそれぞれ備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に無線タグ回路素子Toの記憶情報等に対応したラベル印字R(この例では「ABCDEF」の文字)がそれぞれ印刷されている。また、各タグラベルLTの無線タグ回路素子Toのメモリ部157には、前述の順番情報とともに、固有の識別情報であるタグID(アクセスID)がそれぞれ記憶されている。
また、タグラベルLTにおいて、剥離紙101d以外の層、すなわちカバーフィルム103と粘着層101aとベースフィルム101bと粘着層101cに、既に述べたように上記ハーフカッタ34によってテープ幅方向に略沿ってハーフカット線HC(半切断部位)が形成されている。すなわち、既に述べたように、タグラベルLTは、カバーフィルム103のラベル印字Rが印刷される印字領域Sに対応する部分である上記無線タグラベル本体Taと、上記ラベル印字Rが印刷されない余白領域S1に対応する部分である上記余白部分Tbとから構成され(図19(a)参照)、それら無線タグラベル本体Taと余白部分Tbとが上記ハーフカット線HCにおいて剥離紙101dを介し連結された構成となっている。なお、前述の識別マークPMは上記余白部分Tbに設けられている。また、上記では無線タグラベル本体Taのラベル長手方向一方側にのみハーフカット線HCを形成した場合を例にとって説明したが、これに限られず、他方側にもハーフカット線HCを設け、これを介し上記余白部分Tbと同様の部分を設けるようにしてもよい。
図21は、タグラベル作成装置1の上記制御回路110によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
この図21において、上記PC118を介しタグラベル作成装置1による所定の無線タグラベル作成操作が行われるとこのフローが開始される。
まずステップS1で準備処理を実行し、上記PC118からの操作信号を(通信回線NW及び入出力インターフェース113を介して)入力し、この操作信号に基づき、印刷データ、タグ書き込みデータ、ハーフカット位置(ハーフカット線HCの位置)、フルカット位置(切断線CLの位置)、及び印刷終了位置等の設定を行なう。このとき、上記ハーフカット位置は無線タグ回路素子Toの位置と重ならないように設定される。
次に、ステップS2において初期化設定する。ここでは、アンテナLCから無線タグ回路素子Toへ通信を行う際、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合に通信再試行(リトライ)を行う回数(アクセス試行回数)をカウントするための変数M,Nを0に初期化設定する。
その後、ステップS3に移りテープ搬送を開始する。ここでは、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121に制御信号を出力し、搬送用モータ121の駆動力によってテープ送りローラ27及びリボン巻取りローラ106を回転駆動させる。さらに、テープ排出モータ駆動回路123を介してテープ排出モータ65に制御信号を出力し、駆動ローラ51を回転駆動させる。これらにより、第1ロール102から基材テープ101が繰り出されテープ送りローラ27へ供給されるとともに、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出され、これら基材テープ101とカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及びサブローラ109により接着されて一体化されて印字済タグラベルテープ109として形成され、カートリッジ7外方向からさらにタグラベル作成装置1外方向へと搬送される。
その後、ステップS4に移り、EEPROM309に順番情報が記載されているかどうかを判定する。タグラベル作成装置1に無線タグ回路素子カートリッジ7を装着して第1回目のタグラベル作成のときは(後述するように)EEPROM309に順番情報が記載されていないので判定が満たされず、後述のステップS6に移る。第2回目以降のタグラベル作成のときは1回前のラベル作成時におけるステップS17(後述)においてEEPROM309に一回前の順番情報が記載されているので判定が満たされ、ステップS5に移る。
ステップS5では、EEPROM309に記載されている順番情報(前回作成ラベルの順番情報)が最終順番であったかどうかを判定する。最終順番でなかった場合は判定が満たされずステップS6に移り、最終順番であった場合は判定が満たされ、ステップS18(後述)に移る。すなわち例えば、タグテープロール102に巻回されている基材テープ101に40個の無線タグ回路素子Toが取付けられている場合、40回目のタグラベルLTの作成ではEEPROM309に前回までの39回が記憶されていることからステップS5における判定が満たされてステップS6に移る一方、40回目のタグラベルLTの作成が終了したその次(41回目に相当)では40回が記憶されていることからステップS5における判定が満たされてステップS18に移る。
ステップS6では、印字済みタグラベルテープ109に設けられた識別マークPMが識別マークセンサ127により検出され、当該識別マークセンサ127より入出力インターフェース113を介し検出信号が入力されたかどうか(言い換えればカバーフィルム103が印字ヘッド23による印刷開始位置まで到達したかどうか)を判定する。識別マークPMが検出されるまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、検出されたら判定が満たされて次のステップS7に移る。
ステップS7では、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、印字ヘッド23を通電して、カバーフィルム103のうち前述した印字領域Sに、ステップS1で取得したタグラベルLTに対する印刷データに対応した文字、記号、バーコード等のラベル印字Rの印刷を開始する。
その後、ステップS8において、印字済タグラベルテープ109が先のステップS1で設定した、タグラベルLTの無線タグラベル本体Taと余白部分Tbとの境界のハーフカット位置(ハーフカッタ34がハーフカット線HCの位置に正対するような搬送方向位置)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定は、例えば、上記ステップS6において識別マークPMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。ハーフカット位置に到達するまでは判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS9に移る。
ステップS9では、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121及びテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、搬送用モータ119及びテープ排出モータ65の駆動を停止して、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止する。これにより、カートリッジ7から繰り出された印字済タグラベルテープ109が排出方向に移動する過程で、ステップS1で設定した対応するタグラベルLTのハーフカット線HCの位置にハーフカット機構35のハーフカッタ34が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベルテープ109の搬送が停止する。またこのとき、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120にも制御信号を出力し、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(印刷中断)する。
その後、ステップS10で、入出力インターフェース113を介しハーフカッタモータ駆動回路128に制御信号を出力してハーフカッタモータ129を駆動し、ハーフカッタ34を回動させて、印字済タグラベルテープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、及び粘着層101cを切断してハーフカット線HCを形成するハーフカット処理を行う。
そして、ステップS11に移り、上記ステップS3と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済タグラベルテープ109の搬送を再開するとともに、ステップS7と同様にして印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。
その後、ステップS12において、搬送される印字済タグラベルテープ109が所定値(例えば、所定位置のタグラベルLTの無線タグ回路素子Toが上記アンテナLCに到達するだけの搬送距離)だけ搬送されたかどうかを判断する。このときの搬送距離判定も、上記ステップS20と同様に、パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等により行えば足りる。
次のステップS100では、ラベル作成処理を行う。すなわち、無線タグ回路素子Toの通信位置(例えば、対応するタグラベルLTの無線タグ回路素子ToがアンテナLCとほぼ正対する位置)まで搬送したら搬送及び印字を停止して、無線タグ回路素子Toに対する情報送受信を行い、その後搬送及び印字を再開して印字を完了させ、対応するタグラベルLTの形成を行う(詳細は後述の図22参照)。
以上のようにしてステップS100が終了したら、ステップS13に移る。ステップS13では、印字済タグラベルテープ109が先のステップS1で設定した、タグラベルLTの末端部のフルカット位置(切断機構15の可動刃41がラベルLT末端のフルカット線Cの位置に正対するような搬送方向位置)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、上記同様に、パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等により行えば足りる。フルカット位置に到達するまでは判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされてステップS14に移る。
ステップS14では、上記ステップS9と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止して印字済タグラベルテープ109の搬送を停止する。これにより、ステップS1で設定した切断線CLに切断機構15の可動刃41が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベルテープ109の搬送が停止する。
その後、ステップS15でカッターモータ駆動回路122に制御信号を出力してカッターモータ43を駆動し、切断機構15の可動刃41を回動させて、印字済タグラベルテープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、及び剥離紙101dをすべて切断(分断)して切断線CLを形成するフルカット処理を行う。この切断機構15による分断によって印字済みタグラベルテープ109から切り離され、タグラベルLTが作成される。
その後、ステップS16に移り、入出力インターフェース31を介してテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、テープ排出モータ65の駆動を再開して、駆動ローラ51を回転させる。これにより、駆動ローラ51による搬送が開始されて上記ステップS15でラベル状に生成されたタグラベルLTがラベル排出口11へ向かって搬送され、ラベル排出口11からタグラベル作成装置1外へと排出される。
その後、ステップS17に移り、当該作成したタグラベルLTが何番目のラベルであるか(基材テープ101に搬送方向に所定数配列された無線タグ回路素子Toのうち、何番目の無線タグ回路素子Toを用いてラベル作成したか)をEEPROM309に書き込み、このフローを終了する。
一方、上記ステップS5において、前回ラベル作成において、基材テープ101に搬送方向に所定数(例えば40個)配列された無線タグ回路素子Toのうち、最終順番(上記の例では40番目)の無線タグ回路素子Toを用いてタグラベルLTの作成が終えられており、EEPROM309に当該最終順番(上記の例では40)が記憶されていた場合、前述のようにこのステップS5の判定が満たされてステップS18に移る。
ステップS18では、ゼブラマークセンサ308からの検出信号に基づき、カバーフィルム103の上記ゼブラマークEMを検出したかどうかを判定する。検出されて判定が満たされるまではこの手順を繰り返し(すなわちステップS3以降によるテープ搬送を継続し)、ゼブラマークEMが検出されたら判定が満たされてステップS19に移る。
ステップS19では、上記ステップS14と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止して印字済タグラベルテープ109の搬送を停止する(ステップS18,S19が第1搬送制御手段に相当)。これにより、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベルテープ109の搬送が停止する。
次のステップS20では、所定の表示手段(例えばテープ特定表示部8でもよい)に対し表示制御信号を出力し、テープ(特にカバーフィルム103)を使い切ってもうタグラベル作成ができないことを表すテープエンド表示を行わせ、このフローを終了する。
図22は、上述したステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。図22に示すフローにおいて、まずステップS101で、印字済タグラベルテープ109が前述したアンテナLCとの通信位置まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、前述した図21のステップS8等と同様、例えば、基材テープ101の識別マークPMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。通信位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS102に移る。
ステップS102では、上記ステップS9と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止し、無線タグ回路素子ToにアンテナLCが略正対した状態で印字済みタグラベルテープ109の搬送が停止する。また、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(中断)する。
次のステップS103では、無線タグ回路素子Toの上記メモリ部157に書き込まれている順番情報を取得する(順番情報取得手段)。すなわち、入出力インターフェース113を介し前述の送信回路306(図17等参照)に制御信号を出力し、上記記憶された順番情報を読み取るための情報要求信号として、所定の変調を行った搬送波をアンテナLCを介して対象となる無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。その後、上記情報要求信号に対応し無線タグ回路素子Toから送信(返信)されたリプライ信号をアンテナLCを介して受信し、受信回路307(図17等参照)及び入出力インターフェース113を介し取り込み、その中に含まれる上記順番情報を抽出し取得する。
その後、ステップS200に移り、アンテナLCと無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行い、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対し図21の上記ステップS1で作成した情報を書き込む(又はIC回路部151に予め記憶されていた情報を読み取る)情報送受信処理を行う(詳細は後述の図24参照)。
そして、ステップS104において、図21のステップS11と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済タグラベルテープ109の搬送を再開するとともに、印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。
その後、ステップS105に移り、印字済タグラベルテープ109が印刷終了位置(上記図21のステップS1で算出)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、例えば、上記ステップS6の基材テープ101の識別マークPMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法により検出すればよい。印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS106に移る。
ステップS106では、上記図21のステップS9と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止する。これによって、印字領域Sに対するラベル印字Rの印刷が完了する。以上によりこのルーチンを終了する。
図23は、上述したステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。なおこの例では、前述の情報書き込み及び情報読み取りのうち、情報書込みを例にとって説明する。
図23に示すフローにおいて、まずステップS201で、入出力インターフェース113を介し前述の送信回路306(図17等参照)に制御信号を出力し、無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記憶された情報を初期化する「Erase」信号として、所定の変調を行った搬送波をアンテナLCを介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信する。これにより、無線タグ回路素子Toの上記メモリ部157を初期化する。
次に、ステップS202において、入出力インターフェース113を介し送信回路306に制御信号を出力し、メモリ部157の内容を確認する「Verify」信号として、所定の変調を行った搬送波をアンテナLCを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。
その後、ステップS203において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をアンテナLCを介して受信し、受信回路307(図17等参照)及び入出力インターフェース113を介し取り込む。
次に、ステップS204において、上記受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内の情報を確認し、メモリ部157が正常に初期化されたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS211に移ってMに1を加え、さらにステップS212においてM=5かどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS201に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合はステップS215に移り、エラー表示信号を入出力インターフェース31及び通信回線NWを介し上記PC118へ出力し、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このルーチンを終了する。このようにして初期化が不調でも5回までは再試行が行われる。
ステップS204の判定が満たされた場合、ステップS205に移り、送信回路306に制御信号を出力し、所望のデータをメモリ部157に書き込む「Program」信号として、所定の変調を行った搬送波をアンテナLCを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、情報を書き込む。
その後、ステップS206において、送信回路306に制御信号を出力し「Verify」信号として所定の変調を行った搬送波をアンテナLCを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。その後ステップS207において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をループアンテナ305を介して受信し、受信回路307及び入出力インターフェース113を介し取り込む。
次に、ステップS208において、上記受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS213に移ってNに1を加え、さらにステップS214においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS205に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合は前述したステップS215に移り、同様にPC118に対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このルーチンを終了する。このようにして情報書き込みが不調でも5回までは再試行が行われる。
ステップS208の判定が満たされた場合、ステップS209に移り、送信回路306に制御信号を出力し、「Lock」コマンドとして所定の変調を行った搬送波をアンテナLCを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、当該無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みを禁止する。これにより、書き込み対象とする無線タグ回路素子Toへの無線タグ情報の書き込みが完了する。
その後、ステップS210に移り、上記ステップS205で無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報と、これに対応して印字ヘッド23により印字領域Sに印字されるラベル印字Rの印字情報との組み合わせを、入出力インターフェース31及び通信回線NWを介し出力され、情報サーバISやルートサーバRSに記憶される。なお、この記憶データは必要に応じてPC118より参照可能に例えば各サーバIS,RSのデータベース内に格納保持される。以上により、このルーチンを終了する。
なお、以上は、無線タグ回路素子Toに対し無線タグ情報を送信しIC回路部151に書き込みを行って無線タグラベルLTを作成する場合を説明したが、これに限られず、予め所定の無線タグ情報が書き換え不可に記憶保持されている読み取り専用の無線タグ回路素子Toから無線タグ情報を読み取りながら、これに対応する印字を行って無線タグラベルLTを作成する場合がある。
この場合には、図21におけるステップS1の準備処理においてタグ書き込みデータの設定は不要となり、図22のステップS200の情報送受信処理では無線タグ情報の読み込みを行うようにすればよい。このときステップS210では印字情報とその読み込んだ無線タグ情報との組み合わせをサーバに保存すればよい。
以上のように構成した本実施形態のタグラベル作成装置1においては、カバーフィルム103に対し印字ヘッド23で所定のラベル印字Rが行われ、このカバーフィルム103と、第1ロール102より繰り出された基材テープ101とがテープ送りローラ27及び圧着ローラ28により接着されて一体化されて印字済タグラベルテープ109として形成され、その印字済みラベル用テープ109に備えられる無線タグ回路素子Toに対し、アンテナLCから非接触で情報の送受信が行われ、情報の読み取り又は書き込みが実行され、切断機構15でこの印字済みラベル用テープ109が所定長さに切断されてタグラベルLTが作成される。このようにしてタグラベルLTの作成を行っていくと、最終的には基材テープ101に備えられたすべての無線タグ回路素子ToがタグラベルLTの作成のために消費され、タグラベルLTの作成を行えなくなる。
ここで、本実施形態では、前記カバーフィルム103の長手方向寸法を、前記基材テープ101の長手方向寸法よりも短くし、カバーフィルム103の搬送方向終端部近傍に、ゼブラマークセンサ308で光学的に検出可能なゼブラマークEMを設けている。カバーフィルム103の長さを基材テープ101よりも短くすることにより、一体化されて搬送されるカバーフィルム103及び基材テープ101のうちカバーフィルム103が先にテープエンドに近づく。そして、このカバーフィルム103の搬送方向終端部近傍にゼブラマークEMを設けていることにより、ゼブラマークEMをゼブラマークセンサ308で光学的に検出することで、テープエンド検出が可能となる。このように、終端部のテープ自体を他の部分とは異質のものとする従来構造と異なり、カバーフィルム103側に単なるマークを設けるだけで足りるので、簡単な工程で極めて安価にテープエンド検知のための末端処理を行うことができる。
また、基材テープ101でなくカバーフィルム103にゼブラマークEMのようなマークを設けるのは以下のような効果がある。すなわち、テープに上記のようなマークを設けてエンド検出を行う場合に、作成される無線タグラベルLTに当該マークが残存するのは避ける方が好ましいことから、テープのうち上記タグラベルLTとはならない末端剰余部分に上記マークを設ける必要がある。ここで、カバーフィルム103は、前述のように印字ヘッド23で印字された後に基材テープ101と貼り合わされることから、(同一テープ搬送方向位置でみると)その分基材テープ101よりも早いタイミングでロールから繰り出され(したがって上記残余部分がより早いタイミングでロールより出現する)、印字ヘッド23近傍を含む比較的長い搬送経路を経て基材テープ101との貼り合わせ位置へ到達する。このため、カバーフィルム103に設けたゼブラマークEMの検出でテープエンドを検出することで、基材テープ101側のマーク等で検出する場合よりも早い段階で迅速にテープエンドを検出することができる。
また、本実施形態では特に、基材テープ101及びカバーフィルム103は、基材テープ101に搬送方向に所定数(例えば40個)配列された無線タグ回路素子Toのうち、最終順番(上記の例では40番目)の無線タグ回路素子Toに対応する上記識別マークPMが上記識別マークセンサ127による検出位置に到達したとき、その搬送位置において、ゼブラマークEMの搬送方向先端部がゼブラマークセンサ308による検出位置に到達するまでの未搬送距離Aが0に(又は正の値に)なるように、それぞれ長手方向寸法が設定されている。
これにより、最終順番(ここでは40番目)の無線タグ回路素子Toに対応する識別マークPMがマークセンサ(第2検出手段)127で検出されたとき(又はその後)に、ゼブラマークセンサ308でゼブラマークEM(第1被検出部、図6参照。)が検出されることとなる。この結果、基材テープ101に備えられた最後の無線タグ回路素子ToがタグラベルLTの作成のために消費される前に、テープエンドを検出(詳細は後述)してしまうのを確実に防止できる。
また本実施形態では特に、ステップS18及びステップS19において、搬送方向最終順番の無線タグ回路素子Toより当該配列順番情報が取得された後、ゼブラマークセンサ308でゼブラマークEMが検出された場合に搬送を停止する。このように、配列順番が最終順番の無線タグ回路素子Toであることを確認した後に、ゼブラマークセンサ308によるゼブラマークEMの検出を待って搬送停止することで、単にゼブラマークEMの検出のみを行って搬送停止する場合に比べ、さらに信頼性の高い確実なテープエンド検出を行うことができる。
また、本実施形態では特に、基材テープ101における各無線タグ回路素子Toがそれぞれの配列順番を表す順番情報を記憶している。これにより、もし、ユーザが基材テープ101に備えられた無線タグ回路素子Toを全部使い切ることなく途中で無線タグ回路素子カートリッジ7をカートリッジホルダ6から取り外した場合でも、カートリッジホルダ6への再装着後の無線タグ回路素子Toとの送受信時に再び当該配列順番を取得することで、タグラベルLTの作成のために使用する無線タグ回路素子Toが基材テープ101の配列上で何番目であるか、さらには最終順番の無線タグ回路素子Toであるかどうかを確実に識別することができる。
なお、上記実施形態の図21において、前回EEPROM309に記憶されたタグ順番情報が最終順番ではなくて(前述の例では40番目でなく39番目等)ステップS5よりステップS6〜ステップS12を経てステップS100へ移行したとき、図22のステップS103において当該最終順番の無線タグ回路素子Toの破損等により順番情報の取得が不調に終わった場合には、その後のステップS17に順番情報をEEPROM309に新たに記憶させることが困難である。このような場合には、既にEEPROM309に記憶されている順番に1を加える処理を行う(上記の例では39番目の次の40番目の無線タグ回路素子Toの順番情報が取得できなかったが、39+1=40という順番情報をEEPROM309に書き込む)ようにしてもよい。これにより、以降でのテープエンド検出は問題なく行うことができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
(1)順番情報を用いない場合
上記実施形態では、無線タグ回路素子Toに記憶された順番情報をラベル作成の都度EEPROM309に書き込んでおいて、ラベル作成開始時に読み取った前回の順番情報が最後であるときには、ラベル作成を行わずテープエンド表示を行うようにしたが、これに限られない。
すなわち、無線タグ回路素子Toにもともと順番情報が書き込まれておらず、無線タグ回路素子Toの通信を毎回試行して、通信が所定回数失敗したことをもって基材テープ101に無線タグ回路素子Toが備えられていない(タグ切れである)ことを検知し、これによってテープエンド検出を行うようにしてもよい。
図24は、このような変形例における上記制御回路110によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図21に相当する図である。図21と同等の手順には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図24に示すフローチャートにおいては、図21に示すフローチャート中のステップS4、ステップS5、ステップS17、ステップS18、ステップS19、ステップS20が省略されている。また、ステップS2に代えて新たにステップS2′が設けられている。
すなわち、ステップS1で準備処理を行った後、ステップS2′に移り、上記ステップS2と同様にM=0、N=0とするとともに、情報送受信が失敗したことを表すフラグF=0に初期化する。
その後、ステップS3でテープ搬送を開始した後、前述のステップS4を経ることなくステップS6に移って印刷開始位置が検出されたかどうかの判定を行う。以降、ステップS12まで前述と同様の手順を行い、ステップS12が終了したら図21のステップS100に代え、新たに設けたステップS100′を行う。ステップS100′は、ステップS100と同様のラベル作成処理であり、無線タグ回路素子Toの通信位置まで搬送したら搬送及び印字を停止し情報送受信を行い、その後搬送及び印字を再開してタグラベルLTの形成を行うものであるが、通信失敗によって基材テープ101に無線タグ回路素子Toが備えられていない(タグ切れである)ことを検知し、これによってテープエンド検出を行う点がステップS100と異なる(詳細は後述の図25参照)。
ステップS100が終了したら、上記と同様のステップS13〜ステップS16を行い、ステップS16のラベル排出処理が終了したら、そのままこのフローを終了する。
図25は、上記ステップS100′の詳細手順を表すフローチャートであり、前述の図22に対応する図である。図22と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
図25において、このフローでは、上記ステップS103を省略するとともに上記ステップS200に代えて新たにステップS200′を設け、さらにステップS200′とステップS104との間にステップS107を設け、このステップS107から分岐させてステップS108、ステップS109、ステップS110、ステップS111を設けている。
すなわち、上記ステップS102において印字済みタグラベルテープ109の搬送及びラベル印字Rの印刷を停止(中断)したら、ステップS200′に移る。このステップS200′は、前述のステップS200とほぼ同様に情報送受信処理を行うものであり、情報送受信失敗時にフラグF=1とすることだけがステップS200と異なるものである(詳細は後述の図26参照)。
上記ステップS200′が終了したら、新たに設けたステップS107′に移り、上記フラグF=1であるかどうか(通信エラーにより情報送受信が失敗に終わったかどうか)を判定する。
情報送受信が成功しF=0のままである場合(後述の図26参照)には判定が満たされ、前述と同様のステップS104に移り、さらにステップS105、ステップS106を行ってこのルーチンを終了する。情報送受信が失敗しF=1となっていた場合(後述の図26参照)には判定が満たされず、新たに設けたステップS108に移る。
ステップS108では、前述のステップS104と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済タグラベルテープ109の搬送を再開する。
その後、ステップS109において、前述のステップS18と同様、ゼブラマークセンサ308からの検出信号に基づき、カバーフィルム103の上記ゼブラマークEMを検出したかどうかを判定する。検出されて判定が満たされるまではこの手順を繰り返し(すなわち上記ステップS108によるテープ搬送を継続し)、ゼブラマークEMが検出されたら判定が満たされてステップS110に移る。
ステップS110では、上記ステップS19と同様、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止して印字済タグラベルテープ109の搬送を停止する(ステップS109,S110が第2搬送制御手段に相当)。これにより、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベルテープ109の搬送が停止する。
次のステップS111では、上記ステップS20と同様、所定の表示手段(例えばテープ特定表示部8でもよい)に対し表示制御信号を出力し、テープ(特にカバーフィルム103)を使い切ってもうタグラベル作成ができないことを表すテープエンド表示を行わせ、フローを終了する。
図26は、上記ステップS200′の詳細手順を表すフローチャートであり、前述のステップS200を表す図23に対応する図である。図26のフローにおいては、図23のステップS215においてエラー表示を行った後、新たに設けたステップS216で上記フラグF=1とすることである。その他は同様である。
本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得る。すなわち、基材テープ101に設けたすべての無線タグ回路素子Toが消費された後も、さらにPC118よりタグラベル作成処理の操作がなされた場合、図24に示すフローが実行され、ステップS7で印刷が開始され、ステップS100′でラベル作成処理が実行される。このとき既に基材テープ101には無線タグ回路素子Toは存在していないことから図25に示すステップS200′での情報送受信が失敗しフラグF=1となっている(図26のステップS216参照)。このためステップS107の判定が満たされてステップS108により搬送再開後、前述のようにカバーフィルム103のほうが基材テープ101よりも短く先にテープエンドに近づきゼブラマークEMがステップS109が検出されるので、ステップS110で搬送停止され、ステップS111でテープエンド表示を行うことができる。このようにゼブラマークEMをゼブラマークセンサ308で光学的に検出してテープエンド検出を行うので、前述の従来構造と異なり、簡単な工程で極めて安価にテープエンド検知のための末端処理を行うことができる。またカバーフィルム103にゼブラマークEMを設けることで基材テープ101側のマーク等で検出する場合よりも早い段階で迅速にテープエンドを検出することができる。特に、既に印字開始後(=印字途中)であっても、ステップS104で印刷再開することなくステップS108以降でテープエンド検出が可能である。
また、この変形例では、アンテナLCを介した無線タグ回路素子Toとの通信試行が失敗したことによって最終順番の無線タグ回路素子Toまで既に消費したことを確認した後(ステップS107)、さらにゼブラマークEMの検出を待って搬送停止する(ステップS110)ことにより、単にゼブラマークEMの検出のみを行って搬送停止する場合に比べ、さらに信頼性の高い確実なテープエンド検出を行えるという効果もある。
なお、上記変形例においては、無線タグ回路素子Toに対する情報送受信が失敗したときにステップS108で搬送再開し、ゼブラマークEMの検出を待ってテープエンド表示をするようにした。しかしながら、1つの無線タグ回路素子Toに対する情報送受信が失敗しても単純に当該無線タグ回路素子Toが故障しているのみで最終順番の無線タグ回路素子Toではない可能性もありうる。これに対応するために、ステップS107においてフラグF=1が連続して例えば2回(あるいは3回以上の所定の回数でもよい)発生したかどうかを判定するようにしてもよい。このようにすれば、ある無線タグ回路素子Toに対する通信不良が発生したとしてもそれだけではステップS108へは移行せず、ステップS104以降へ移行して通常通りのタグラベル作成を行い、次回ラベル作成で再び通信不良が発生したときに、この連続性によって無線タグ回路素子Toの使いきりとみなしてステップS108以降を実行し、テープエンド表示を行うことができる。このように複数回ラベル作成分の通信エラーを基準とする場合、ステップS109におけるゼブラマークEMの検出を省略することも可能である。
(2)その他
(2−A)ゼブラマーク検出後カートリッジ着脱への対応
上記実施形態においては、最終順番の無線タグ回路素子Toが既に使用されたことが認識されるとステップS5の判定が満たされ、ステップS18でゼブラマークEMが検出されてステップS19で搬送停止される。ここで、この搬送停止状態のカートリッジ7をユーザがカートリッジホルダ6から取り外し、テープを(ゼブラマークセンサ308をゼブラマークEMが通り過ぎてしまう程度の長さだけ)手で引っ張り出した後、誤って再度カートリッジホルダ6に装着してしまった場合を考える。このような場合、もはやゼブラマークセンサ308でゼブラマークEMを検出することができないため、ステップS18の判定が満たされず、ステップS19で搬送を停止することができなくなる可能性がある。
これに対応するために、図21におけるステップS18の判定が「No」となった場合に移行するステップS21を新たに設け(図示省略)、このステップS21で搬送開始後所定時間が経過したかどうかを判定するようにし、判定が満たされない間はステップS18に戻って同様の手順を繰り返す一方で判定が満たされたらステップS19へ移行するようにしてもよい。これにより、上記のような引き出し後カートリッジ再装着の場合も、所定時間の経過をもって搬送停止し(ステップS19)、テープエンド表示を行うことができる(ステップS20)。なお、同様の手法はステップS18と同様の手順である上記変形例にかかわる図25のステップS109に関しても適用でき、この場合も同様の効果(エンド検出後にユーザが引っ張って再装着しても不具合が発生しない)を得ることができる。
(2−B)他の通信方式
以上においては、装置側のアンテナLCや無線タグ回路素子To側のアンテナ152としてループアンテナを用い、磁気誘導(電磁誘導、磁気結合、その他電磁界を介して行われる非接触方式を含む)により情報送受信を行ったが、これに限られず、たとえば上記2つのアンテナとしてダイポールアンテナやパッチアンテナ等を通信手段として用い、電波通信により情報送受信を行うようにしてもよい。
(2−C)移動しながらの書き込み/読み取り
また、以上においては、印字済みタグラベルテープ109の搬送を所定位置で停止させて無線タグ情報の書き込み/読み取りを行う例を示したが、これに限られず、移動中の印字済みタグラベルテープ109に対して無線タグ情報の書き込み/読み取りを行うようにしてもよい。
(2−D)非印字ラベル
また、無線タグ回路素子ToのIC回路部151から無線タグ情報の書き込み/読み取りを行うと共に、印字ヘッド23によってその無線タグ回路素子Toを識別するための印刷を行うものにも限られない。この印刷は必ずしも行われなくともよく、無線タグ情報の書き込み/読み取りのみを行うものに対し本発明を適用することもできる。
なお、以上で用いた「Scroll ID」信号、「Ping」信号、「Erase」信号、「Verify」信号、「Program」信号等は、EPC globalが策定した仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。