JP4858494B2 - 車両の電源装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

この発明は、車両の電源装置およびその制御方法に関し、特に複数の蓄電装置を搭載する車両の電源装置およびその制御方法に関する。
電気自動車やハイブリッド自動車では、蓄電量を増加させるため、複数の蓄電装置を搭載する車両が検討されている。
たとえば、特開2007−143374号公報(特許文献1)は、二次電池とキャパシタとを並列的に1つの昇圧コンバータに接続している車両の電源装置が開示されている。
特開2007−143374号公報 特開2007−45243号公報 特開2008−17598号公報 特開2008−17661号公報
特開2007−143374号公報では、二次電池とキャパシタとが同時に並列的に1つの昇圧コンバータに接続されている。しかしながら、二次電池やキャパシタなどの異種または同種の複数の蓄電装置のうちの1つを選択的に1つの電圧変換器に接続して使用することについては、特開2007−143374号公報には開示されていない。
たとえば、複数の蓄電装置の電力を順次使用したい場合などには、複数の蓄電装置のうちの1つを選択的に電圧変換器に接続し、接続している蓄電装置の充電状態が低下したら他の蓄電装置を電圧変換器に接続して使用することが考えられる。しかしながら、この接続切り替えには、検討の余地がある。
この発明の目的は、電源装置の保護を図りつつ、複数の蓄電装置の電力を切り替えて使用する車両の電源装置およびその制御方法を提供することである。
この発明は、要約すると、車両の電源装置であって、複数の蓄電装置と、複数の蓄電装置のいずれかの電圧の電圧変換を行って、変換された電圧を車両負荷に供給する電圧変換部とを備える。電圧変換部は、上アームのスイッチングと下アームのスイッチングとが独立して制御可能なチョッパ回路を含む。車両の電源装置は、複数の蓄電装置にそれぞれ対応して設けられ、各一方端が対応する蓄電装置に接続され、各他方端が共通して電圧変換部に接続され、各々が一方端と他方端との間の接続および切り離しを行なう複数の接続部と、複数の接続部の各々の他方端に共通して接続される平滑コンデンサと、電圧変換部および複数の接続部の制御を行なう制御装置とをさらに備える。制御装置は、複数の接続部のうちの第1の接続部が接続状態にあり、残余の接続部が切り離し状態にある場合に、第1の接続部を切り離すときには、第1の接続部を切り離した後に、チョッパ回路の上アームをオフ状態かつ下アームをスイッチング状態に制御して平滑コンデンサに充電された電荷を放電させてから、残余の接続部のうちのいずれかを接続状態に変更する。
好ましくは、車両の電源装置は、平滑コンデンサの電圧を検出する電圧センサをさらに備える。制御装置は、チョッパ回路の上アームをオフ状態かつ下アームをスイッチング状態に制御している平滑コンデンサの電荷放電中に、平滑コンデンサの電圧が、第1の接続部に対応する蓄電装置の電圧よりも低いしきい値電圧より低下するか否かによって第1の接続部が正常に切り離されたか否かを判断する。
好ましくは、車両の電源装置は、複数の蓄電装置とは別の第1の蓄電装置と、電圧変換部とは別の第1の電圧変換部とをさらに備える。第1の電圧変換部は、第1の蓄電装置の電圧の電圧変換を行なって、変換された電圧を車両負荷に供給する。複数の蓄電装置は、第2、第3の蓄電装置である。
好ましくは、車両は、複数の蓄電装置の少なくともいずれかに外部から充電可能に構成される。
この発明は、他の局面では、複数の蓄電装置と、複数の蓄電装置のいずれかの電圧の電圧変換を行って、変換された電圧を車両負荷に供給する電圧変換部とを含む車両の電源装置の制御方法である。電圧変換部は、上アームのスイッチングと下アームのスイッチングとが独立して制御可能なチョッパ回路を含む。車両の電源装置は、複数の蓄電装置にそれぞれ対応して設けられ、各一方端が対応する蓄電装置に接続され、各他方端が共通して電圧変換部に接続され、各々が一方端と他方端との間の接続および切り離しを行なう複数の接続部と、複数の接続部の各々の他方端に共通して接続される平滑コンデンサとをさらに含む。制御方法は、複数の接続部のうちの第1の接続部が接続状態にあり、残余の接続部が切り離し状態にある場合に、第1の接続部を切り離すステップと、第1の接続部を切り離した後に、チョッパ回路の上アームをオフ状態かつ下アームをスイッチング状態に制御して平滑コンデンサに充電された電荷を放電させるステップと、残余の接続部のうちのいずれかを接続状態に変更するステップとを備える。
好ましくは、車両の電源装置は、平滑コンデンサの電圧を検出する電圧センサをさらに含む。制御方法は、チョッパ回路の上アームをオフ状態かつ下アームをスイッチング状態に制御している平滑コンデンサの電荷放電中に、平滑コンデンサの電圧が、第1の接続部に対応する蓄電装置の電圧よりも低いしきい値電圧より低下するか否かによって第1の接続部が正常に切り離されたか否かを判断するステップをさらに備える。
好ましくは、車両の電源装置は、複数の蓄電装置とは別の第1の蓄電装置と、電圧変換部とは別の第1の電圧変換部とをさらに含む。第1の電圧変換部は、第1の蓄電装置の電圧の電圧変換を行なって、変換された電圧を車両負荷に供給する。複数の蓄電装置は、第2、第3の蓄電装置である。
好ましくは、車両は、複数の蓄電装置の少なくともいずれかに外部から充電可能に構成される。
本発明によれば、車両の電源装置において、複数の蓄電装置の切り替えを行なう際に電源装置にあたえる悪影響が低減されるとともに異常発生時にはこれを検出することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態に係る車両100の主たる構成を示す図である。
図1を参照して、車両100は、蓄電装置であるバッテリB1,B2,B3と、システムメインリレーSMR1−1〜SMR3−1,SMR1−2〜SMR3−2,SMR1−3〜SMR3−3と、昇圧コンバータ12−1,12−2と、平滑用コンデンサC1,C2,CHと、電圧センサ10−1,10−2,10−3,13,21−1,21−2と、インバータ14,22と、エンジン4と、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割機構3と、車輪2と、制御装置30とを含む。
本実施の形態に示される車両の電源装置では、バッテリB1は、主蓄電装置である。主正母線MPLは、モータジェネレータMG2を駆動するインバータ14に給電を行なう。昇圧コンバータ12−1は、バッテリB1と主正母線MPLとの間に設けられ、電圧変換を行なう電圧変換器である。バッテリB2は、副蓄電装置である。電圧変換器である昇圧コンバータ12−2は、バッテリB2と主正母線MPLとの間に設けられ、電圧変換を行なう。
副蓄電装置(バッテリB2)と主蓄電装置(バッテリB1)とは、たとえば、同時使用することにより給電ラインに接続される電気負荷(インバータ22およびモータジェネレータMG2)に許容された最大パワーを出力可能であるように蓄電可能容量が設定される。これによりエンジンを使用しないEV(Electric Vehicle)走行において最大パワーの走行が可能である。
副蓄電装置の充電状態が悪化したら、副蓄電装置をバッテリB2からバッテリB3に交換してさらに走行させればよい。EV走行距離を伸ばすには、バッテリB2,B3に並列にさらにバッテリを追加すればよい。この場合、昇圧コンバータ12−2を複数のバッテリで兼用するように選択スイッチで切り替えるように構成すれば、昇圧コンバータの数をバッテリの数ほど増やさなくて良くなる。
そして副蓄電装置の電力が消費されてしまったら、主蓄電装置に加えてエンジン4を使用することによって、副蓄電装置を使用しないでも最大パワーの走行を可能とすることができる。
好ましくは、この車両に搭載される蓄電装置は外部から充電が可能である。このために、車両100は、さらに、たとえばAC100Vの商用電源8に接続するためのバッテリ充電用コンバータ6を含む。バッテリ充電用コンバータ6は、交流を直流に変換するとともに電圧を調圧してバッテリに与える。なお、外部充電可能とするために、他にも、モータジェネレータMG1,MG2のステータコイルの中性点を交流電源に接続する方式や昇圧コンバータ12−1,12−2を合わせて交流直流変換装置として機能させる方式を用いても良い。
平滑用コンデンサC1は、正極線PL1と負極線NL1間に接続される。電圧センサ21−1は、平滑用コンデンサC1の両端間の電圧VL1を検出して制御装置30に対して出力する。昇圧コンバータ12−1は、平滑用コンデンサC1の端子間電圧を昇圧する。
平滑用コンデンサC2は、正極線PL2と負極線NL2間に接続される。電圧センサ21−2は、平滑用コンデンサC2の両端間の電圧VL2を検出して制御装置30に対して出力する。昇圧コンバータ12−2は、平滑用コンデンサC2の端子間電圧を昇圧する。
平滑用コンデンサCHは、昇圧コンバータ12−1,12−2によって昇圧された電圧を平滑化する。電圧センサ13は、平滑用コンデンサCHの端子間電圧VHを検知して制御装置30に出力する。
インバータ14は、昇圧コンバータ12−2または12−1から与えられる直流電圧を三相交流電圧に変換してモータジェネレータMG1に出力する。インバータ22は、昇圧コンバータ12−2または12−1から与えられる直流電圧を三相交流電圧に変換してモータジェネレータMG2に出力する。
動力分割機構3は、エンジン4とモータジェネレータMG1,MG2に結合されてこれらの間で動力を分配する機構である。たとえば動力分割機構としてはサンギヤ、プラネタリキャリヤ、リングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を用いることができる。遊星歯車機構は、3つの回転軸のうち2つの回転軸の回転が定まれば、他の1つの回転軸の回転は強制的に定まる。この3つの回転軸がエンジン4、モータジェネレータMG1,MG2の各回転軸にそれぞれ接続される。なおモータジェネレータMG2の回転軸は、図示しない減速ギヤや差動ギヤによって車輪2に結合されている。また動力分割機構3の内部にモータジェネレータMG2の回転軸に対する減速機をさらに組み込んでもよい。
システムメインリレーSMR2−1は、バッテリB1の正極と正極線PL1との間に接続される。システムメインリレーSMR3−1は、バッテリB1の負極と負極線NL1との間に接続される。直列に接続されたシステムメインリレーSMR1−1および制限抵抗R1は、システムメインリレーSMR3−1と並列接続される。
システムメインリレーSMR2−2は、バッテリB2の正極と正極線PL2との間に接続される。システムメインリレーSMR3−2は、バッテリB2の負極と負極線NL2との間に接続される。直列に接続されたシステムメインリレーSMR1−2および制限抵抗R2は、システムメインリレーSMR3−2と並列接続される。
システムメインリレーSMR2−3は、バッテリB3の正極と正極線PL2との間に接続される。システムメインリレーSMR3−3は、バッテリB3の負極と負極線NL2との間に接続される。直列に接続されたシステムメインリレーSMR1−3および制限抵抗R3は、システムメインリレーSMR3−3と並列接続される。
システムメインリレーSMR1−1〜SMR3−1,SMR1−2〜SMR3−2,SMR1−3〜SMR3−3は、制御装置30から与えられる制御信号にそれぞれ応じて導通/非導通状態が制御される。
電圧センサ10−1は、バッテリB1の端子間の電圧VB1を測定する。図示しないが、電圧センサ10−1とともにバッテリB1の充電状態を監視するために、バッテリB1に流れる電流を検知する電流センサが設けられている。バッテリB1としては、たとえば、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の二次電池や、電気二重層コンデンサ等の大容量キャパシタなどを用いることができる。
なお、主負母線MNLは、後に説明するように昇圧コンバータ12−1,12−2の中を通って、負極線NL1,NL2に接続されている。
電圧センサ10−2は、バッテリB2の端子間の電圧VB2を測定する。図示しないが、電圧センサ10−2とともにバッテリB2の充電状態を監視するために、各バッテリに流れる電流を検知する電流センサが設けられている。バッテリB2としては、たとえば、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の二次電池や、電気二重層コンデンサ等の大容量キャパシタなどを用いることができる。
電圧センサ10−3は、バッテリB3の端子間の電圧VB3を測定する。図示しないが、電圧センサ10−3とともにバッテリB3の充電状態を監視するために、各バッテリに流れる電流を検知する電流センサが設けられている。バッテリB3としては、たとえば、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の二次電池や、電気二重層コンデンサ等の大容量キャパシタなどを用いることができる。
インバータ14は、主正母線MPLと主負母線MNLに接続されている。インバータ14は、昇圧コンバータ12−1および12−2から昇圧された電圧を受けて、たとえばエンジン4を始動させるために、モータジェネレータMG1を駆動する。また、インバータ14は、エンジン4から伝達される動力によってモータジェネレータMG1で発電された電力を昇圧コンバータ12−1および12−2に戻す。このとき昇圧コンバータ12−1および12−2は、降圧回路として動作するように制御装置30によって制御される。
電流センサ24は、モータジェネレータMG1に流れる電流をモータ電流値MCRT1として検出し、モータ電流値MCRT1を制御装置30へ出力する。
インバータ22は、インバータ14と並列的に、主正母線MPLと主負母線MNLに接続されている。インバータ22は車輪2を駆動するモータジェネレータMG2に対して昇圧コンバータ12−1および12−2の出力する直流電圧を三相交流電圧に変換して出力する。またインバータ22は、回生制動に伴い、モータジェネレータMG2において発電された電力を昇圧コンバータ12−1および12−2に戻す。このとき昇圧コンバータ12−1および12−2は、降圧回路として動作するように制御装置30によって制御される。
電流センサ25は、モータジェネレータMG2に流れる電流をモータ電流値MCRT2として検出し、モータ電流値MCRT2を制御装置30へ出力する。
制御装置30は、モータジェネレータMG1,MG2の各トルク指令値および回転速度、電圧VB1,VB2,VB3,VL1,VL2,VHの各値、モータ電流値MCRT1,MCRT2および起動信号IGONを受ける。そして制御装置30は、昇圧コンバータ12−1,12−2に対してそれぞれ制御信号PWC1,PWC2を出力する。
さらに、制御装置30は、インバータ14に対して、昇圧コンバータ12−1,12−2の出力である直流電圧を、モータジェネレータMG1を駆動するための交流電圧に変換する駆動指示を行なう制御信号PWMI1と、モータジェネレータMG1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12−1,12−2側に戻す回生指示を行なう制御信号PWMC1とを出力する。
同様に制御装置30は、インバータ22に対して、モータジェネレータMG2を駆動するための交流電圧に直流電圧を変換する駆動指示を行なう制御信号PWMI2と、モータジェネレータMG2で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12−1,12−2側に戻す回生指示を行なう制御信号PWMC2とを出力する。
図2は、図1に示した昇圧コンバータ12−1,12−2の構成を示す概略図である。
図2を参照して、昇圧コンバータ12−1は、チョッパ回路40−1と、正母線LN1Aと、負母線LN1Cと、配線LN1Bと、平滑コンデンサC1とを含む。チョッパ回路40−1は、トランジスタQ1A,Q1Bと、ダイオードD1A,D1Bと、インダクタL1とを含む。トランジスタQ1BおよびダイオードD1Bによって上アームが構成される。また、トランジスタQ1AおよびダイオードD1Aによって下アームが構成される。
正母線LN1Aは、一方端がトランジスタQ1Bのコレクタに接続され、他方端が主正母線MPLに接続される。また、負母線LN1Cは、一方端が負極線NL1に接続され、他方端が主負母線MNLに接続される。
トランジスタQ1A,Q1Bは、負母線LN1Cと正母線LN1Aとの間に直列に接続される。具体的には、トランジスタQ1Aのエミッタが負母線LN1Cに接続され、トランジスタQ1BのエミッタがトランジスタQ1Aのコレクタに接続され、トランジスタQ1Bのコレクタが正母線LN1Aに接続される。下アームにおいて、ダイオードD1Aは、トランジスタQ1Aに並列に接続される。上アームにおいて、ダイオードD1Bは、トランジスタQ1Bに並列に接続される。ダイオードD1Aの順方向は、母線LN1CからインダクタL1に向かう向きである。また、ダイオードD1Bの順方向は、インダクタL1から母線LN1Aに向かう向きである。インダクタL1の一方端は、トランジスタQ1AとトランジスタQ1Bとの接続ノードに接続される。
配線LN1Bは、正極線PL1とインダクタL1の他方端との間に接続される。平滑コンデンサC1は、配線LN1Bと負母線LN1Cとの間に接続され、配線LN1Bおよび負母線LN1C間の直流電圧に含まれる交流成分を低減する。
正極線PL1および負極線NL1は、システムメインリレーSMR2−1,SMR3−1によって、バッテリB1の正極および負極にそれぞれ接続される。直列接続されたシステムメインリレーSMR1−1および制限抵抗R1が、負極側のシステムメインリレーSMR3−1に並列に設けられている。
そして、チョッパ回路40−1は、図1の制御装置30から与えられる駆動信号PWC1に応じて、正極線PL1および負極線NL1から受ける直流電力(駆動電力)を昇圧して主正母線MPLおよび主負母線MNLへ供給し、また、主正母線MPLおよび主負母線MNLの電圧を降圧してバッテリB1へ供給することができる。
昇圧コンバータ12−2は、チョッパ回路40−2と、正母線LN2Aと、負母線LN2Cと、配線LN2Bと、平滑コンデンサC2とを含む。チョッパ回路40−2は、トランジスタQ2A,Q2Bと、ダイオードD2A,D2Bと、インダクタL2とを含む。トランジスタQ2BおよびダイオードD2Bによって上アームが構成される。また、トランジスタQ2AおよびダイオードD2Aによって下アームが構成される。
正母線LN2Aは、一方端がトランジスタQ2Bのコレクタに接続され、他方端が主正母線MPLに接続される。また、負母線LN2Cは、一方端が負極線NL2に接続され、他方端が主負母線MNLに接続される。
トランジスタQ2A,Q2Bは、負母線LN2Cと正母線LN2Aとの間に直列に接続される。具体的には、トランジスタQ2Aのエミッタが負母線LN2Cに接続され、トランジスタQ2BのエミッタがトランジスタQ2Aのコレクタに接続され、トランジスタQ2Bのコレクタが正母線LN2Aに接続される。下アームにおいて、ダイオードD2Aは、トランジスタQ2Aに並列に接続される。上アームにおいて、ダイオードD2Bは、トランジスタQ2Bに並列に接続される。ダイオードD2Aの順方向は、母線LN2CからインダクタL2に向かう向きである。また、ダイオードD2Bの順方向は、インダクタL2から母線LN2Aに向かう向きである。インダクタL2は、トランジスタQ2AとトランジスタQ2Bとの接続ノードに接続される。
なお、トランジスタQ1B,Q1A,Q2A,Q2Bは、パワースイッチング素子であればよく、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)素子やパワーMOSFET(Metal-Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)等を用いることができる。
配線LN2Bは、一方端が正極線PL2に接続され、他方端がインダクタL2に接続される。平滑コンデンサC2は、配線LN2Bと負母線LN2Cとの間に接続され、配線LN2Bおよび負母線LN2C間の直流電圧に含まれる交流成分を低減する。
正極線PL2および負極線NL2は、システムメインリレーSMR2−2,SMR3−2によって、バッテリB2の正極および負極にそれぞれ接続される。直列接続されたシステムメインリレーSMR1−2および制限抵抗R2が、負極側のシステムメインリレーSMR3−2に並列に設けられている。
正極線PL2および負極線NL2は、また、システムメインリレーSMR2−3,SMR3−3によって、バッテリB2の正極および負極にそれぞれ接続される。直列接続されたシステムメインリレーSMR1−3および制限抵抗R3が、負極側のシステムメインリレーSMR3−2に並列に設けられている。
そして、チョッパ回路40−2は、図1の制御装置30から与えられる駆動信号PWC2に応じて、正極線PL2および負極線NL2から受ける直流電力(駆動電力)を昇圧して主正母線MPLおよび主負母線MNLへ供給し、また、主正母線MPLおよび主負母線MNLの電圧を降圧してバッテリB2へ供給することができる。昇圧コンバータ12−2は、電流制御が行なわれるので、インダクタL2に流れる電流IL2を検出する電流センサ41が設けられている。
以下、昇圧コンバータ12−1の電圧変換動作(昇圧動作)について説明する。制御装置30は、トランジスタQ1Aを所定のデューティー比でオン/オフさせる。このとき、トランジスタQ1Bはオフ状態に維持するか、または、トランジスタQ1Aと相補的に導通させる。トランジスタQ1Aがオン状態であるときには、バッテリB1から順次配線LN1B、インダクタL1、トランジスタQ1A、および負母線LN1Cを経由して、ポンプ電流が流れる。インダクタL1は、このポンプ電流により電磁エネルギーを蓄積する。
そして、トランジスタQ1Aがオン状態からオフ状態に遷移すると、インダクタL1は、蓄積した電磁エネルギーを放電電流に重畳する。トランジスタQ1Aがオフ状態であるときには、順に、バッテリB1から配線LN1B、インダクタL1、ダイオードD1B、および正母線LN1Aを介して、放電電流が主正母線MPLへ流れる。
その結果、昇圧コンバータ12−1から主正母線MPLおよび主負母線MNLへ供給される直流電力の平均電圧は、デューティー比に応じてインダクタL1に蓄積される電磁エネルギーに相当する電圧だけ昇圧される。
このような昇圧コンバータ12−1の電圧変換動作を制御するため、制御装置30は、トランジスタQ1Aのオン/オフを制御するための駆動信号PWC1AおよびトランジスタQ1Bのオン/オフを制御するための駆動信号PWC1Bを含む駆動信号PWC1を生成する。
なお、昇圧コンバータ12−2の動作は、昇圧コンバータ12−1と同様であるので、ここでは説明は繰返さない。
図3は、図1の制御装置30の昇圧コンバータ12−1,12−2に関連する構成を示したブロック図である。
図3を参照して、制御装置30は、ハイブリッド車両の主制御を行なうHV−ECU(Hybrid Electric Unit)31と、昇圧コンバータ12−1の制御を行なうコンバータ制御部32−1と、昇圧コンバータ12−2の制御を行なうコンバータ制御部32−2とを含む。なお、図示しないが、制御装置30は、図1のエンジン4やインバータ14,22を制御する構成も含んでいる。
HV−ECU31は、昇圧指令値VH*と、ゲート遮断指令CSDNとをコンバータ制御部32−1に対して出力する。コンバータ制御部32−1は、昇圧コンバータ12−1に駆動信号PWC1を出力する。またコンバータ制御部32−1は、現在の自身の制御状態を示すフラグF1を内部で設定しており、HV−ECUはフラグF1をコンバータ制御部32−1から読み出すことによって、コンバータ制御部32−1の動作状態を確認することができる。
HV−ECU31は、昇圧指令値VH*と、ゲート遮断指令CSDNと、上アーム−オフ指令U−OFFとをコンバータ制御部32−2に対して出力する。コンバータ制御部32−2は、昇圧コンバータ12−2に駆動信号PWC2を出力する。またコンバータ制御部32−2は、現在の自身の制御状態を示すフラグF2を内部で設定しており、HV−ECUはフラグF2をコンバータ制御部32−2から読み出すことによって、コンバータ制御部32−2の動作状態を確認することができる。
図4は、図3におけるコンバータ制御部32−1,32−2の機能ブロック図である。
図4を参照して、コンバータ制御部32−1は、減算部56,62と、比例積分制御部58と、除算部60と、変調部64と、ゲート処理部65とを含む。
減算部56は、HV−ECU31から出力される目標電圧VH*から電圧VHを減算し、その演算結果を比例積分制御部58へ出力する。比例積分制御部58は、目標電圧VH*と電圧VHとの偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を減算部62へ出力する。なお、減算部56および比例積分制御部58は、電圧フィードバック制御要素を構成する。
除算部60は、電圧VB1を目標電圧VH*で除算し、その演算結果を減算部62へ出力する。なお、除算部60の演算結果である「電圧VB1/目標電圧VH*」は、昇圧コンバータ12−1の理論昇圧比の逆数である。減算部62は、除算部60の出力から比例積分制御部58の出力を減算し、その演算結果をデューティー指令Ton1として変調部64へ出力する。
そして、変調部64は、デューティー指令Ton1と図示されない発振部により生成される搬送波(キャリア波)とに基づいて駆動信号PWC1の元信号を生成し、ゲート処理部65がその元信号と、遮断指令CSDNとに基づいて駆動信号PWC1を昇圧コンバータ12−1のトランジスタQ1A,Q1Bへ出力する。
なお、変調部64に入力されるデューティー指令Ton1は、昇圧コンバータ12−1の上アームを構成するトランジスタQ1Bのオンデューティー比に相当し、0から1までの値をとる。そして、昇圧コンバータ12−1は、デューティー指令Ton1が大きいほど昇圧比が低くなるように制御され、デューティー指令Ton1が小さいほど昇圧比が高くなるように制御される。
コンバータ制御部32−2は、減算部67,72と、比例積分制御部69と、除算部70と、変調部74と、ゲート処理部75とを含む。
減算部67は、HV−ECU31から出力される電流指令値IL2*から電流センサで測定したIL2を減算し、その演算結果を比例積分制御部69へ出力する。比例積分制御部69は、電流指令値IL2*と測定値IL2との偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を減算部72へ出力する。
除算部70は、電圧VB2を目標電圧VH*で除算し、その演算結果を減算部72へ出力する。なお、除算部70の演算結果である「電圧VB2/目標電圧VH*」は、昇圧コンバータ12−2の理論昇圧比の逆数である。減算部72は、除算部70の出力から比例積分制御部69の出力を減算し、その演算結果をデューティー指令Ton2として出力する。
そして、変調部74は、デューティー指令Ton2と図示されない発振部により生成される搬送波(キャリア波)とに基づいて駆動信号PWC2の元信号を生成し、ゲート処理部75がその元信号と、遮断指令CSDNおよび上アーム−オフ指令U−OFFとに基づいて駆動信号PWC2を昇圧コンバータ12−2のトランジスタQ2A,Q2Bへ出力する。
なお、変調部74に入力されるデューティー指令Ton2は、昇圧コンバータ12−2の上アームを構成するトランジスタQ2Bのオンデューティー比に相当し、0から1までの値をとる。そして、昇圧コンバータ12−2は、デューティー指令Ton2が大きいほど昇圧比が低くなるように制御され、デューティー指令Ton2が小さいほど昇圧比が高くなるように制御される。
図5は、図4のコンバータ制御部32−2の動作を説明するための図である。
図4、図5を参照して、コンバータ制御部32−2は、入力としてHV−ECU31からゲート遮断指令CSDN、上アームオフ指令U−OFF、昇圧指令値VH*を受け、昇圧コンバータ12−2の上アームのトランジスタQ2Aのゲートと下アームのトランジスタQ2Bのゲートを制御する。
まず、ゲート遮断指令CSDNが有効である場合には、上アームオフ指令U−OFFおよび昇圧指令値VH*がどのような状態であっても、トランジスタQ2A,Q2Bはオフ状態に固定される。この状態をゲート遮断状態と呼ぶことにする。ゲート遮断状態では、ゲート処理部75の内部に設定されている上アームオンフラグF2は0に設定されている。
次に、ゲート遮断指令CSDNが無効である場合には、上アームオフ指令U−OFFおよび昇圧指令値VH*の状態によって、トランジスタQ2A,Q2Bの状態が変更可能となる。このときに、上アームオフ指令U−OFFが有効であれば、昇圧指令値VH*がどのように設定されていても、トランジスタQ2Aはオフ状態に固定され、トランジスタQ2Bは昇圧指令値VH*に応じてオン/オフが制御される。
最後に、ゲート遮断指令CSDNが無効で、かつ上アームオフ指令U−OFFが無効であるときには、昇圧指令値VH*に応じたデューティー比でトランジスタQ2A,Q2Bがオン/オフスイッチング制御される。この状態では、ゲート処理部75の内部に設定されている上アームオフフラグF2は0に設定されている。
図5に示すような動作が実現されるように、図4のゲート処理部75が構成されている。
図6は、図1の制御装置30で実行される制御を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理は、一定時間ごとまたは所定の条件成立時にメインルーチンから呼出されて実行される。
図1、図6を参照して、まず処理が開始されると、ステップS1においてバッテリB2を切り離す条件が成立するか否かが判断される。バッテリB2の切り離し条件が成立する場合としては、例えばバッテリB2の充電状態(SOC)が低下し、副蓄電装置をバッテリB2からバッテリB3に切り替える必要が生じた場合や、システムを停止する際に全ての高圧バッテリを昇圧コンバータ12−1,12−2から切り離す場合などが挙げられる。
ステップS1でバッテリB2の切り離し条件が成立しない場合にはステップS10に処理が進み制御はメインルーチンに移される。一方、ステップS1でバッテリB2の切り離し条件が成立している場合にはステップS2に処理が進む。
ステップS2では、制御装置30は、昇圧コンバータ12−2のスイッチングを一旦停止する。電圧VHは電圧VB2よりも高いので、昇圧コンバータ12−2のスイッチングを停止させると、ダイオードD2Bによって電流の流れが阻止されるので、バッテリB2から持ち出される電流またはバッテリB2に充電される電流はゼロになる。したがって、バッテリB2を切り離すシステムメインリレーSMR3−2を開くことが可能となる。
そこで、ステップS3において、制御装置30は、システムメインリレーSMR2−2はON状態(接続状態)のまま、システムメインリレーSMR3−2をON状態からOFF状態(切り離し状態)に遷移させる。
続いて、制御装置30は、ステップS4において、昇圧コンバータ12−2の上アーム(トランジスタQ2B)をOFF状態としたまま、下アーム(トランジスタQ2A)のみをスイッチングさせる。この状態は、図5の上アームオフ状態に対応する。上アームオフ状態では、バッテリ側から負荷側へ電流を流すことは可能だが、その逆向きの電流は流れない。すなわち、昇圧コンバータ12−2に対してバッテリ側から負荷側へ昇圧動作をさせることは可能だが、負荷側からバッテリ側に充電するように降圧動作をさせることはできない。
したがって、バッテリB2を昇圧コンバータ12−2から切り離した状態で上アームオフの昇圧動作をさせると、平滑コンデンサC2に充電されていた電荷が昇圧コンバータ12−2を経由して負荷側(インバータ14,22が接続されている側)に放電されることになる。したがって、バッテリB2がSMR3−2によって正常に切り離されていれば、電圧センサ21−2で検出している電圧VL2は低下していくはずである。
ステップS4に続いてステップS5において、電圧VL2がしきい値電圧VTより低くなったか否かが判断される。このしきい値電圧VTは、バッテリB2の電圧VB2よりも低い値に設定される。
ステップS5において、VL2<VTが成立しなければ、ステップS6においてタイムアウトであるか否かが判断される。
ステップS6である程度の時間が経過しても電圧VL2がしきい値電圧VTよりも低下していない場合には、ステップS7に処理が進む。ステップS7では、制御装置30は、システムメインリレーSMR3−2が溶着等により正常に切り離されていないと判定され、故障を示すフェイル表示が行なわれる。また、修理の際に原因を特定しやすいように、この判定結果を故障の履歴として不揮発メモリ等に記憶させても良い。そしてステップS10に処理が進み制御はメインルーチンに移される。
ステップS6において、まだタイムアウトに相当する時間が成立していない場合には、ステップS6からステップS4に処理が進み、再び上アームオフ状態のスイッチングが継続される。
ステップS5において、VL2<VTが成立した場合には、ステップS8に処理が進み、システムメインリレーSMR3−2が正常に切り離されたと判定される。その後、ステップS9において、バッテリB3を昇圧コンバータ12−2に接続する処理や、または、システム停止処理(ReadyOFFに移行)などの処理が実行される。
図7は、図6のフローチャートが実行されバッテリB2からB3への切り替えが実行される様子を説明するための動作波形図である。
図6、図7を参照して、時刻t0〜t1では、バッテリB1、B2が接続された状態で昇圧コンバータ12−1,12−2によって昇圧動作が実行され昇圧された電圧VHが得られている。
すなわち、システムメインリレーSMR2−1,SMR3−1がオン状態、システムメインリレーSMR1−1がオフ状態に制御され、これらによりバッテリB1が昇圧コンバータ12−1に接続されている。そして、昇圧コンバータ12−1の上下アーム(トランジスタQ1B,Q1A)はともにスイッチングされている。
また、システムメインリレーSMR2−2,SMR3−2がオン状態、システムメインリレーSMR1−2がオフ状態に制御され、これらによりバッテリB2が昇圧コンバータ12−2に接続されている。そして、昇圧コンバータ12−2の上下アーム(トランジスタQ2B,Q2A)はともにスイッチングされている。
電圧VL1は、システムメインリレーSMR2−2,SMR3−2がオン状態であるので、バッテリB2の電圧VB2に等しい。
続いて、時刻t2〜t3の間、システムメインリレーSMR3−2を切り離すために、シャットダウン信号CSDNを活性化させてトランジスタQ2B,Q2Aをともにオフ状態に設定する(図6のステップS2)。電圧VHは電圧VL2よりも高いので、昇圧コンバータ12−2を通過する電流はゼロになる。なお、図7では、トランジスタQ1B,Q1Aについてもともにオフ状態に設定されているが、こちらはシステムメインリレーSMR2−1、SMR3−1を切り替えるわけではないので、スイッチング状態を維持しておいても良い。たとえば、シャットダウン信号CSDNを活性化する代わりに、昇圧コンバータ12−2に対する電流指令値をゼロにする等によって昇圧コンバータ12−2に電流が流れないようにしても良い。
このように昇圧コンバータ12−2に電流が流れない(または電流を許容値より小さくする)ようにしておいて、時刻t2においてシステムメインリレーSMR3−2をオン状態からオフ状態に切り離す(図6のステップS3)。
そして、時刻t3以降はシャットダウン信号CSDNを非活性化して、昇圧コンバータ12−1,12−2の動作を再開させる。このとき、昇圧コンバータ12−2については、信号U−OFFを活性化させて上アームオフ状態で昇圧動作を実行させる(図6のステップS4)。
すると、時刻t3以降電圧VL2が低下を始める。そして時刻t4において、バッテリ電圧VB2よりも低く設定されたしきい値電圧VTよりも電圧VL2が低くなったことが確認できれば(図6のステップS5においてYES)、システムメインリレーSMR3−2が正常に切り離されていると判定される(図6のステップS8)。
なお、時刻t5以降は、バッテリB2からバッテリB3に昇圧コンバータ12−2の接続先を切り替える例が簡単に示されている。
まず時刻t5において、システムメインリレーSMR2−2がオン状態からオフ状態に設定される。これによりバッテリB2は昇圧コンバータ12−2から完全に切り離された状態となる。
そして時刻t6において、システムメインリレーSMR2−3,SMR1−3がオフ状態からオン状態に設定される。これにより制限抵抗R3によって電流制限された状態で平滑コンデンサC2にバッテリB3からの充電が行なわれ、時刻t6〜t7において電圧VL2はバッテリB3の電圧VB3まで上昇する。
その後時刻t7において、システムメインリレーSMR1−3がオン状態からオフ状態に設定変更され、同時にシステムメインリレーSMR3−3がオフ状態からオン状態に設定変更される。これにより、昇圧コンバータ12−2がバッテリB3に対して大きな電流を充放電させることが可能となり、バッテリの切り替えが完了する。
最後に、再び図1、図2等を参照して本実施の形態について総括する。本実施の形態の車両の電源装置は、複数の蓄電装置(バッテリB2,B3)と、複数の蓄電装置のいずれかの電圧の電圧変換を行って、変換された電圧を車両負荷(インバータ14,22)に供給する電圧変換部(昇圧コンバータ12−2)とを備える。電圧変換部は、上アームのスイッチングと下アームのスイッチングとが独立して制御可能なチョッパ回路40−2を含む。車両の電源装置は、複数の蓄電装置にそれぞれ対応して設けられ、各一方端が対応する蓄電装置に接続され、各他方端が共通して電圧変換部に接続され、各々が一方端と他方端との間の接続および切り離しを行なう複数の接続部(システムメインリレーSMR3−2,SMR3−3)と、複数の接続部の各々の他方端に共通して接続される平滑コンデンサC2と、電圧変換部および複数の接続部の制御を行なう制御装置30とをさらに備える。制御装置30は、複数の接続部のうちの第1の接続部(システムメインリレーSMR3−2)が接続状態にあり、残余の接続部(システムメインリレーSMR3−3)が切り離し状態にある場合に、第1の接続部(システムメインリレーSMR3−2)を切り離すときには、第1の接続部(システムメインリレーSMR3−2)を切り離した後に、チョッパ回路40−2の上アームをオフ状態かつ下アームをスイッチング状態に制御して平滑コンデンサC2に充電された電荷を放電させてから、残余の接続部のうちのいずれか(システムメインリレーSMR3−3)を接続状態に変更する。
好ましくは、車両の電源装置は、平滑コンデンサC2の電圧を検出する電圧センサ21−2をさらに備える。制御装置30は、チョッパ回路40−2の上アームをオフ状態かつ下アームをスイッチング状態に制御している平滑コンデンサC2の電荷放電中に、平滑コンデンサC2の電圧が、第1の接続部(システムメインリレーSMR3−2)に対応する蓄電装置(バッテリB2)の電圧よりも低いしきい値電圧VTより低下するか否かによって第1の接続部(システムメインリレーSMR3−2)が正常に切り離されたか否かを判断する。
好ましくは、車両の電源装置は、複数の蓄電装置とは別の第1の蓄電装置(バッテリB1)と、電圧変換部とは別の第1の電圧変換部(昇圧コンバータ12−1)とをさらに備える。第1の電圧変換部は、第1の蓄電装置の電圧の電圧変換を行なって、変換された電圧を車両負荷に供給する。複数の蓄電装置は、第2、第3の蓄電装置(バッテリB2,B3)である。
好ましくは、車両100は、複数の蓄電装置の少なくともいずれかに外部から充電可能に構成される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る車両100の主たる構成を示す図である。 図1に示した昇圧コンバータ12−1,12−2の構成を示す概略図である。 図1の制御装置30の昇圧コンバータ12−1,12−2に関連する構成を示したブロック図である。 図3におけるコンバータ制御部32−1,32−2の機能ブロック図である。 図4のコンバータ制御部32−2の動作を説明するための図である。 図1の制御装置30で実行される制御を説明するためのフローチャートである。 図6のフローチャートが実行されバッテリB2からB3への切り替えが実行される様子を説明するための動作波形図である。
符号の説明
100 車両、2 車輪、3 動力分割機構、4 エンジン、6 バッテリ充電用コンバータ、8 商用電源、10−1〜10−3,13,21−1,21−2 電圧センサ、12−1,12−2 昇圧コンバータ、14,22 インバータ、24,25,41 電流センサ、30 制御装置、32 コンバータ制御部、40−1,40−2 チョッパ回路、56,62,67,72 減算部、58,69 比例積分制御部、60,70 除算部、64,74 変調部、65,75 ゲート処理部、B1〜B3 バッテリ、C1,C2,CH 平滑用コンデンサ、D1A,D1B,D2A,D2B ダイオード、L1,L2 インダクタ、MG1,MG2 モータジェネレータ、MNL 主負母線、MPL 主正母線、Q1A,Q1B,Q2A,Q2B トランジスタ、R1〜R3 制限抵抗、SMR1〜SMR3 システムメインリレー。

Claims (8)

  1. 複数の蓄電装置と、
    前記複数の蓄電装置のいずれかの電圧の電圧変換を行って、変換された電圧を車両負荷に供給する電圧変換部とを備え、前記電圧変換部は、上アームのスイッチングと下アームのスイッチングとが独立して制御可能なチョッパ回路を含み、
    前記複数の蓄電装置にそれぞれ対応して設けられ、各一方端が対応する蓄電装置に接続され、各他方端が共通して前記電圧変換部に接続され、各々が前記一方端と他方端との間の接続および切り離しを行なう複数の接続部と、
    前記複数の接続部の各々の前記他方端に共通して接続される平滑コンデンサと、
    前記電圧変換部および前記複数の接続部の制御を行なう制御装置とをさらに備え、
    前記制御装置は、前記複数の接続部のうちの第1の接続部が接続状態にあり、残余の接続部が切り離し状態にある場合に、前記第1の接続部を切り離すときには、前記第1の接続部を切り離した後に、前記チョッパ回路の前記上アームをオフ状態かつ前記下アームをスイッチング状態に制御して前記平滑コンデンサに充電された電荷を放電させてから、前記残余の接続部のうちのいずれかを接続状態に変更する、車両の電源装置。
  2. 前記平滑コンデンサの電圧を検出する電圧センサをさらに備え、
    前記制御装置は、前記チョッパ回路の前記上アームをオフ状態かつ前記下アームをスイッチング状態に制御している前記平滑コンデンサの電荷放電中に、前記平滑コンデンサの電圧が、前記第1の接続部に対応する蓄電装置の電圧よりも低いしきい値電圧より低下するか否かによって前記第1の接続部が正常に切り離されたか否かを判断する、請求項1に記載の車両の電源装置。
  3. 前記複数の蓄電装置とは別の第1の蓄電装置と、
    前記電圧変換部とは別の第1の電圧変換部とをさらに備え、
    前記第1の電圧変換部は、前記第1の蓄電装置の電圧の電圧変換を行なって、変換された電圧を前記車両負荷に供給し、
    前記複数の蓄電装置は、第2、第3の蓄電装置である、請求項1または2に記載の車両の電源装置。
  4. 前記車両は、前記複数の蓄電装置の少なくともいずれかに外部から充電可能に構成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の電源装置。
  5. 複数の蓄電装置と、前記複数の蓄電装置のいずれかの電圧の電圧変換を行って、変換された電圧を車両負荷に供給する電圧変換部とを含む車両の電源装置の制御方法であって、前記電圧変換部は、上アームのスイッチングと下アームのスイッチングとが独立して制御可能なチョッパ回路を含み、
    前記車両の電源装置は、
    前記複数の蓄電装置にそれぞれ対応して設けられ、各一方端が対応する蓄電装置に接続され、各他方端が共通して前記電圧変換部に接続され、各々が前記一方端と他方端との間の接続および切り離しを行なう複数の接続部と、
    前記複数の接続部の各々の前記他方端に共通して接続される平滑コンデンサとをさらに含み、
    前記制御方法は、
    前記複数の接続部のうちの第1の接続部が接続状態にあり、残余の接続部が切り離し状態にある場合に、前記第1の接続部を切り離すステップと、
    前記第1の接続部を切り離した後に、前記チョッパ回路の前記上アームをオフ状態かつ前記下アームをスイッチング状態に制御して前記平滑コンデンサに充電された電荷を放電させるステップと、
    前記残余の接続部のうちのいずれかを接続状態に変更するステップとを備える、車両の電源装置の制御方法。
  6. 前記車両の電源装置は、
    前記平滑コンデンサの電圧を検出する電圧センサをさらに含み、
    前記制御方法は、
    前記チョッパ回路の前記上アームをオフ状態かつ前記下アームをスイッチング状態に制御している前記平滑コンデンサの電荷放電中に、前記平滑コンデンサの電圧が、前記第1の接続部に対応する蓄電装置の電圧よりも低いしきい値電圧より低下するか否かによって前記第1の接続部が正常に切り離されたか否かを判断するステップをさらに備える、請求項5に記載の車両の電源装置の制御方法。
  7. 前記車両の電源装置は、
    前記複数の蓄電装置とは別の第1の蓄電装置と、
    前記電圧変換部とは別の第1の電圧変換部とをさらに備え、
    前記第1の電圧変換部は、前記第1の蓄電装置の電圧の電圧変換を行なって、変換された電圧を前記車両負荷に供給し、
    前記複数の蓄電装置は、第2、第3の蓄電装置である、請求項5または6に記載の車両の電源装置の制御方法。
  8. 前記車両は、前記複数の蓄電装置の少なくともいずれかに外部から充電可能に構成される、請求項5〜7のいずれか1項に記載の車両の電源装置の制御方法。
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