JP2011172400A - 電動車両の電源システムおよび電動車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】主蓄電装置および複数の副蓄電装置を備える電源システムにおいて、複数の副蓄電装置の1つがコンバータに接続された状態から、複数の副蓄電装置のいずれもコンバータに接続されていない状態に切り換わった場合に、電力の供給に関する制御を継続可能にする。
【解決手段】電源システムは、主蓄電装置BAと複数の副蓄電装置BB1,BB2と、複数の副蓄電装置BB1,BB2のいずれか1つに接続されるコンバータ12Bとを含む。使用中の選択副蓄電装置のSOCが低下し、かつ交換可能な副蓄電装置が残っていない場合、使用中の選択副蓄電装置はコンバータ12Bから切り離される。この際に制御装置30は、副蓄電装置の電力パラメータを検出するためのセンサ21Bの検出値に代わる代替値を生成し、その値に基づいて電源システムに入出力される電力を制御する。
【選択図】図1

Description

この発明は、電動車両の電源システムおよび電動車両に関し、より特定的には、主蓄電装置および複数の副蓄電装置を搭載する電動車両の電源システムの制御に関する。
近年、環境にやさしい車両として、電気自動車、ハイブリッド自動車および燃料電池自動車等の電動車両が開発され実用化されている。これらの電動車両には、車両駆動力を発生する電動機および、蓄電装置を含んで構成された電動機駆動電力を供給するための電源システムが搭載されている。
特に、ハイブリッド自動車の車載蓄電装置を車両外部の電源(以下、「外部電源」とも称する)によって充電する構成が提案されていることもあり、これらの電動車両では、車載蓄電装置の蓄積電力によって走行可能な距離を長くすることが求められている。なお、以下では、外部電源による車載蓄電装置の充電について、単に「外部充電」とも称する。
たとえば、特開2008−109840号公報(特許文献1)および特開2003−209969号公報(特許文献2)には、複数個の蓄電装置(バッテリ)を並列接続した電源システムが記載されている。特許文献1および2に記載の電源システムでは、蓄電装置(バッテリ)ごとに充放電調整機構としての電圧変換器(コンバータ)が設けられている。これに対して、特開2008−167620号公報(特許文献3)には、主蓄電装置と複数の副蓄電装置とを搭載した車両において、主電源装置に対応するコンバータと、複数の副蓄電装置により共有されるコンバータとを設ける電源装置の構成が記載されている。この構成によれば、装置の要素の数を抑制しつつ蓄電可能なエネルギ量を増やすことができる。
特開2008−109840号公報 特開2003−209969号公報 特開2008−167620号公報
特許文献3によれば、複数の副蓄電装置のうちの1つが選択的にコンバータと接続されて、主電源装置および選択された副蓄電装置によって、車両駆動用電動機の駆動電力が供給される。このような電源装置では、使用中の副蓄電装置のSOCが低下すると、新たな副蓄電装置とコンバータとを接続するようにして、複数個の副蓄電装置を順次使用することによって、蓄電エネルギによる走行距離(EV(Electric Vehicle)走行距離)を延ばしている。さらに特許文献3によれば、副蓄電装置の電力が消費されたときには、主蓄電装置に加えてエンジンを使用することによって、副蓄電装置を使用することなく最大パワーの走行が可能となる。
特許文献3に記載の技術によれば、電動車両の走行中に使用される蓄電装置の個数が2から1に減少する場合が生じうる。使用される蓄電装置の個数が減少することによって、電源システムの制御に用いられるパラメータの個数が減少する可能性、あるいは、副蓄電装置に関するパラメータが異常な値を示す可能性が生じる。パラメータのこのような変化は、電源システムの制御に影響を与える可能性がある。しかしながら特許文献3においては、使用される蓄電装置の個数の減少に伴う電動車両の制御への影響について、具体的に記載されていない。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、主蓄電装置および複数の副蓄電装置を備え、かつ、複数の副蓄電装置によって電圧変換器(コンバータ)を共有する構成の電源システムにおいて、複数の副蓄電装置の1つがコンバータに接続された状態から、複数の副蓄電装置のいずれもコンバータに接続されていない状態に切り換わった場合に電力の供給に関する制御を継続可能にする技術を提供することである。
電動車両であって、前記電動車両の運動エネルギを電力に変換可能に構成された負荷装置と、前記負荷装置から出力される電力を伝達するための給電ラインと、前記給電ラインを介して前記負荷装置からの電力を受ける主蓄電装置と、互いに並列的に設けられる複数の副蓄電装置と、前記複数の副蓄電装置のうちの選択された副蓄電装置を前記給電ラインに電気的に接続可能に構成された接続部と、前記負荷装置および前記接続部を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記電動車両の制動要求に応じて、前記負荷装置から前記蓄電装置および前記選択された副蓄電装置への電力の入力を制御する為の充電制御を実行する充電制御部と、前記複数の副蓄電装置の各々の充電状態に基づいて前記選択された副蓄電装置の切換が必要と判定した場合において、前記接続部に対して、前記複数の副蓄電装置および前記給電ラインの間の電気的接続を切切換るための切換制御を実行する切換制御部と、前記切換制御部は、前記切換制御の開始後に、前記主蓄電装置の入出力制限値を一時的に緩和するとともに、前記副蓄電装置の電力の入出力量の減少に応じて前記主蓄電装置の入出力制限値を増加させる、電動車両。
好ましくは、入出力の緩和量には最大値を設ける。
好ましくは、選択制御部は、充電制御により負荷装置から電力の出力が開始された場合には、切り換え制御部に対して切り換え制御を禁止する。
好ましくは、選択制御部は、切り換え制御が開始されたときには、負荷装置から電力の出力が選択された副蓄電装置に入力されることを禁止することにより、充電制御を制限する。
好ましくは、切り換え制御部は切り換え制御が開始された場合には、負荷装置による電力の出力を禁止することにより、充電制御を制限する。
好ましくは、選択制御部は、充電制御によって、選択された副蓄電装置が第2のモータジェネレータから電力を受ける場合には、切り換え制御部に対して切り換え制御を禁止する。
好ましくは、入出力制限値の緩和量には最大値を設ける。
本発明の他の局面に従う電動車両は、車両駆動パワーを発生するモータと、モータを駆動するインバータと、上記のいずれかの電源システムとを備える。
この発明によると、主蓄電装置および複数の副蓄電装置を備え、かつ、複数の副蓄電装置によって電圧変換器(コンバータ)を共有する構成の電源システムにおいて、複数の蓄電装置のいずれもコンバータに接続されていない状態に切り換わったとしても、電力の供給に関する制御を継続することができる。
本発明の実施の形態に係る電源システムを搭載した電動車両の主たる構成を示す図である。 図1に示した各インバータの詳細な構成を示す回路図である。 図1に示した各コンバータの詳細な構成を示す回路図である。 電動車両の走行制御を説明する機能ブロック図である。 電力フィードバック制御を実現するための制御装置の構成を説明する機能ブロック図である。 本発明の実施の形態による電動車両の電源システムにおける選択副蓄電装置の切離処理の概略的な処理手順を示すフローチャートである。 図6に示した選択副蓄電装置の切離判定処理の詳細を説明するフローチャートである。 図6に示した切離前昇圧処理の詳細を説明するフローチャートである。 図6に示した電力制限変更処理の詳細を説明するフローチャートである。 図6に示した副蓄電装置の切離処理の詳細を説明するフローチャートである。 図6に示した昇圧停止処理の詳細を説明するフローチャートである。 図6〜図11で説明した本発明の実施の形態による電動車両の電源システムにおける選択副蓄電装置の切離処理における動作波形図である。 制御装置による、電源システムの制御を継続させるための処理を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態の電源システムの制御構成のうちの、選択副蓄電装置の切離処理のための機能部分を説明する機能ブロック図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則的に繰返さないものとする。
図1は、本発明の実施の形態に係る電源システムを搭載した電動車両の主たる構成を示す図である。
図1を参照して、電動車両1は、蓄電装置であるバッテリBA,BB1,BB2と、接続部39A,39Bと、コンバータ12A,12Bと、平滑用コンデンサC1,C2,CHと、電圧センサ10A,10B1,10B2,13,21A,21Bと、温度センサ11A,11B1,11B2と、電流センサ9A,9B1,9B2と、給電ラインPL2と、インバータ14,22と、モータジェネレータMG1,MG2と、車輪2と、動力分割機構3と、エンジン4と、制御装置30とを含む。
本実施の形態に示される電動車両の電源システムは、主蓄電装置であるバッテリBAと、モータジェネレータMG2を駆動するインバータ14に給電を行なう給電ラインPL2と、主蓄電装置(BA)と給電ラインPL2との間に設けられて双方向の電圧変換を行なう電圧変換器であるコンバータ12Aと、互いに並列的に設けられた複数の副蓄電装置であるバッテリBB1,BB2と、複数の副蓄電装置(BB1,BB2)と給電ラインPL2との間に設けられて双方向の電圧変換を行なう電圧変換器であるコンバータ12Bとを備える。電圧変換器(12B)は、複数の副蓄電装置(BB1,BB2)のうちのいずれか1つに選択的に接続されて、給電ラインPL2との間で双方向の電圧変換を行なう。
副蓄電装置(BB1またはBB2の一方)と主蓄電装置(BA)とは、たとえば、同時使用することにより給電ラインに接続される電気負荷(22,MG2)に許容された最大パワーを出力可能であるように蓄電可能容量が設定される。これによりエンジンを使用しないEV(Electric Vehicle)走行において最大パワーの走行が可能である。副蓄電装置の蓄電状態が悪化したら、副蓄電装置を交換してさらに走行させればよい。そして副蓄電装置の電力が消費されてしまったら、主蓄電装置に加えてエンジンを使用することによって、副蓄電装置を使用しないでも最大パワーの走行を可能とすることができる。
また、このような構成とすることにより、コンバータ12Bを複数の副蓄電装置で兼用するので、コンバータの数を蓄電装置の数ほど増やさなくて良くなる。EV走行距離をさらに伸ばすには、バッテリBB1,BB2に並列にさらにバッテリを追加すればよい。
好ましくは、この電動車両に搭載される主蓄電装置および副蓄電装置は、外部充電が可能である。このために、電動車両1は、さらに、たとえばAC100Vの商用電源である外部電源8に接続するためのバッテリ充電装置(充電用コンバータ)6を含む。バッテリ充電装置(6)は、交流を直流に変換するとともに電圧を調圧してバッテリの充電電力を供給する。なお、外部充電を可能とする構成としては、上記の他にも、モータジェネレータMG1,MG2のステータコイルの中性点を交流電源に接続する方式やコンバータ12A,12Bを合わせて交流直流変換装置として機能させる方式を用いても良い。
平滑用コンデンサC1は、電源ラインPL1Aと接地ラインSL2との間に接続される。電圧センサ21Aは、平滑用コンデンサC1の両端間の電圧VLAを検出して制御装置30に対して出力する。コンバータ12Aは、平滑用コンデンサC1の端子間電圧を昇圧して給電ラインPL2へ供給することができる。
平滑用コンデンサC2は、電源ラインPL1Bと接地ラインSL2との間に接続される。電圧センサ21Bは、平滑用コンデンサC2の両端間の電圧VLBを検出して制御装置30に対して出力する。コンバータ12Bは、平滑用コンデンサC
2の端子間電圧を昇圧して給電ラインPL2へ供給することができる。
平滑用コンデンサCHは、コンバータ12A,12Bによって昇圧された電圧を平滑化する。電圧センサ13は、平滑用コンデンサCHの端子間電圧VHを検知して制御装置30に出力する。
あるいは、逆方向に、コンバータ12A,12Bは、平滑用コンデンサCHによって平滑化された端子間電圧VHを降圧して、電源ラインPL1A,PL1Bへ供給することができる。
インバータ14は、コンバータ12Bおよび/または12Aから与えられる直流電圧を三相交流電圧に変換してモータジェネレータMG1に出力する。インバータ22は、コンバータ12Bおよび/または12Aから与えられる直流電圧を三相交流電圧に変換してモータジェネレータMG2に出力する。
動力分割機構3は、エンジン4およびモータジェネレータMG1,MG2に結合されてこれらの間で動力を分配する機構である。たとえば動力分割機構としてはサンギヤ、プラネタリキャリヤ、リングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を用いることができる。遊星歯車機構は、3つの回転軸のうち2つの回転軸の回転が定まれば、他の1つの回転軸の回転は強制的に定まる。この3つの回転軸がエンジン4、モータジェネレータMG1,MG2の各回転軸にそれぞれ接続される。なおモータジェネレータMG2の回転軸は、図示しない減速ギヤや差動ギヤによって車輪2に結合されている。また動力分割機構3の内部にモータジェネレータMG2の回転軸に対する減速機をさらに組み込んでもよい。
接続部39Aは、バッテリBAの正極と電源ラインPL1Aとの間に接続されるシステムメインリレーSMR2と、システムメインリレーSMR2と並列接続される直列に接続されたシステムメインリレーSMR1および制限抵抗Rと、バッテリBAの負極(接地ラインSL1)とノードN2との間に接続されるシステムメインリレーSMR3とを含む。
システムメインリレーSMR1〜SMR3は、制御装置30から与えられるリレー制御信号CONT1〜CONT3にそれぞれ応じて導通状態(オン)/非導通状態(オフ)が制御される。
電圧センサ10Aは、バッテリBAの端子間の電圧VBAを測定する。さらに、温度センサ11Aは、バッテリBAの温度TAを測定し、電流センサ9Aは、バッテリBAの入出力電流IAを測定する。これらのセンサによる測定値は、制御装置30へ出力される。制御装置30は、これらの測定値に基づいて、SOC(State of Charge)に代表されるバッテリBAの状態を監視する。
接続部39Bは、電源ラインPL1Bおよび接地ラインSL2とバッテリBB1,BB2との間に設けられている。接続部39Bは、バッテリBB1の正極と電源ラインPL1Bとの間に接続されるリレーSR1と、バッテリBB1の負極と接地ラインSL2との間に接続されるリレーSR1Gと、バッテリBB2の正極と電源ラインPL1Bとの間に接続されるリレーSR2と、バッテリBB2の負極と接地ラインSL2との間に接続されるリレーSR2Gとを含む。
リレーSR1,SR2は、制御装置30から与えられるリレー制御信号CONT4,CONT5にそれぞれ応じて導通状態(オン)/非導通状態(オフ)が制御される。リレーSR1G,SR2Gは、制御装置30から与えられるリレー制御信号CONT6,CONT7にそれぞれ応じて導通状態(オン)/非導通状態(オフ)が制御される。接地ラインSL2は、後に説明するようにコンバータ12A,12Bの中を通ってインバータ14および22側に延びている。
電圧センサ10B1および10B2は、バッテリBB1およびBB2の端子間の電圧VBB1およびVBB2をそれぞれ測定する。さらに、温度センサ11B1および11B2は、バッテリBB1およびBB2の温度TBB1およびTBB2をそれぞれ測定する。また電流センサ9B1および9B2は、バッテリBB1およびBB2の入出力電流IB1およびIB2を測定する。これらのセンサによる測定値は、制御装置30へ出力される。制御装置30は、これらの測定値に基づいて、SOCに代表されるバッテリBB1,BB2の状態を監視する。
なお、バッテリBA,BB1,BB2としては、たとえば、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の二次電池や、電気二重層コンデンサ等の大容量キャパシタなどを用いることができる。
また、各蓄電装置の蓄電容量は、たとえば電動車両1に必要とされる走行性能等の条件に応じて定めることができる。よって、主蓄電装置と副蓄電装置とで蓄電容量が異なっていてもよい。また、複数の副蓄電装置間で蓄電容量が異なっていてもよい。ただし、本発明の実施の形態では、バッテリBA,BB1,BB2の蓄電容量(蓄積可能な電力量の最大値)はいずれも同じである。
インバータ14は、給電ラインPL2および接地ラインSL2に接続されている。インバータ14は、コンバータ12Aおよび/または12Bから昇圧された電圧を受けて、たとえばエンジン4を始動させるために、モータジェネレータMG1を駆動する。また、インバータ14は、エンジン4から伝達される動力によってモータジェネレータMG1で発電された電力をコンバータ12Aおよび12Bに戻す。このときコンバータ12Aおよび12Bは、降圧コンバータとして動作するように制御装置30によって制御される。
電流センサ24は、モータジェネレータMG1に流れる電流をモータ電流値MCRT1として検出し、モータ電流値MCRT1を制御装置30へ出力する。
インバータ22は、インバータ14と並列的に、給電ラインPL2と接地ラインSL2に接続されている。インバータ22は車輪2を駆動するモータジェネレータMG2に対してコンバータ12Aおよび12Bの出力する直流電圧を三相交流電圧に変換して出力する。またインバータ22は、回生制動に伴い、モータジェネレータMG2において発電された電力をコンバータ12Aおよび12Bに戻す。このときコンバータ12Aおよび12Bは、降圧コンバータとして動作するように制御装置30によって制御される。
電流センサ25は、モータジェネレータMG2に流れる電流をモータ電流値MCRT2として検出し、モータ電流値MCRT2を制御装置30へ出力する。
制御装置30は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリを内蔵した電子制御ユニット(ECU)により構成され、当該メモリに記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、各センサによる測定値を用いた演算処理を行なう。なお、制御装置30の一部については、電子回路等のハードウェアにより所定の数値・論理演算処理を実行するように構成されてもよい。
具体的には、制御装置30は、モータジェネレータMG1,MG2の各トルク指令値および各回転速度、電圧VBA,VBB1,VBB2,VLA,VLB,VHの各値、モータ電流値MCRT1,MCRT2および起動信号IGONを受ける。そして制御装置30は、コンバータ12Aに対して昇圧指示を行なう制御信号PWUA,降圧指示を行なう制御信号PWDA、コンバータ12Aの上アームおよび下アームをそれぞれオン状態およびオフ状態に固定する制御信号PWFA、および動作禁止を指示するシャットダウン信号を出力する。
同様に、制御装置30は、コンバータ12Bに対して昇圧指示を行なう制御信号PWUB,降圧指示を行なう制御信号PWDB、コンバータ12Bの上アームおよび下アームをそれぞれオン状態およびオフ状態に固定する制御信号PWFB、および動作禁止を指示するシャットダウン信号を出力する。
さらに、制御装置30は、インバータ14に対してコンバータ12A,12Bの出力である直流電圧を、モータジェネレータMG1を駆動するための交流電圧に変換する駆動指示を行なう制御信号PWMI1と、モータジェネレータMG1で発電された交流電圧を直流電圧に変換してコンバータ12A,12B側に戻す回生指示を行なう制御信号PWMC1とを出力する。
同様に制御装置30は、インバータ22に対してモータジェネレータMG2を駆動するための交流電圧に直流電圧を変換する駆動指示を行なう制御信号PWMI2と、モータジェネレータMG2で発電された交流電圧を直流電圧に変換してコンバータ12A,12B側に戻す回生指示を行なう制御信号PWMC2とを出力する。
図2は、図1に示した各インバータの詳細な構成を示す回路図である。 図2を参照して、インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とを含む。U相アーム15、V相アーム16、およびW相アーム17は、給電ラインPL2と接地ラインSL2との間に並列に接続される。
U相アーム15は、給電ラインPL2と接地ラインSL2との間に直列接続されたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)素子Q3,Q4と、IGBT素子Q3,Q4と、それぞれの逆並列ダイオードD3,D4とを含む。ダイオードD3のカソードはIGBT素子Q3のコレクタと接続され、ダイオードD3のアノードはIGBT素子Q3のエミッタと接続される。ダイオードD4のカソードはIGBT素子Q4のコレクタと接続され、ダイオードD4のアノードはIGBT素子Q4のエミッタと接続される。
V相アーム16は、給電ラインPL2と接地ラインSL2との間に直列接続されたIGBT素子Q5,Q6と、それぞれの逆並列ダイオードD5,D6とを含む。IGBT素子Q5,Q6および逆並列ダイオードD5,D6の接続は、U相アーム15と同様である。
W相アーム17は、給電ラインPL2と接地ラインSL2との間に直列接続されたIGBT素子Q7,Q8と、それぞれの逆並列ダイオードD7,D8とを含む。IGBT素子Q7,Q8および逆並列ダイオードD7,D8の接続も、U相アーム15と同様である。
なお、本実施の形態において、IGBT素子は、オンオフ制御可能な電力用半導体スイッチング素子の代表例として示される。すなわち、バイポーラトランジスタや電界効果トランジスタ等の電力用半導体スイッチング素子をIGBT素子に代えて用いることも可能である。
各相アームの中間点は、モータジェネレータMG1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、モータジェネレータMG1は、三相の永久磁石同期モータであり、U,V,W相の3つのコイルは各々一方端が中点に共に接続されている。そして、U相コイルの他方端がIGBT素子Q3,Q4の接続ノードから引出されたラインULに接続される。またV相コイルの他方端がIGBT素子Q5,Q6の接続ノードから引出されたラインVLに接続される。またW相コイルの他方端がIGBT素子Q7,Q8の接続ノードから引出されたラインWLに接続される。
なお、図1のインバータ22についても、モータジェネレータMG2に接続される点が異なるが、内部の回路構成についてはインバータ14と同様であるので詳細な説明は繰返さない。また、図2には、インバータに制御信号PWMI,PWMCが与えられることが記載されているが、記載が複雑になるのを避けるためであり、図1に示されるように、別々の制御信号PWMI1,PWMC1と制御信号PWMI2,PWMC2がそれぞれインバータ14,22に入力される。
図3は、図1に示した各コンバータの詳細な構成を示す回路図である。 図3を参照して、コンバータ12Aは、一方端が電源ラインPL1Aに接続されるリアクトルL1と、給電ラインPL2と接地ラインSL2との間に直列に接続されるIGBT素子Q1,Q2と、それぞれの逆並列ダイオードD1,D2とを含む。
リアクトルL1の他方端はIGBT素子Q1のエミッタおよびIGBT素子Q2のコレクタに接続さ
れる。ダイオードD1のカソードはIGBT素子Q1のコレクタと接続され、ダイオードD1のアノードはIGBT素子Q1のエミッタと接続される。ダイオードD2のカソードはIGBT素子Q2のコレクタと接続され、ダイオードD2のアノードはIGBT素子Q2のエミッタと接続される。IGBT素子Q1,Q2は上アームおよび下アームにそれぞれ対応する。
なお、図1のコンバータ12Bについても、電源ラインPL1Aに代えて電源ラインPL1Bに接続される点がコンバータ12Aと異なるが、内部の回路構成についてはコンバータ12Aと同様であるので詳細な説明は繰返さない。また、図3には、コンバータに制御信号PWU,PWD,PWFが与えられることが記載されているが、記載が複雑になるのを避けるためであり、図1に示されるように、別々の制御信号PWUA,PWDA,PWFAと制御信号PWUB,PWDB,PWFBとがそれぞれコンバータ12A,12Bに入力される。
電動車両1の電源システムでは、バッテリBA(主蓄電装置)と、バッテリBB1,BB2のうちの選択された副蓄電装置(以下、「選択副蓄電装置BB」とも称する)とによって、モータジェネレータMG1,MG2との間での電力の授受が行なわれる。
制御装置30は、電圧センサ10A、温度センサ11Aおよび電流センサ9Aの検出値に基づいて、主蓄電装置の残存容量を示すSOC(BA)、充電電力の上限値を示す入力上限電力Win(M)、および、放電電力の上限値を示す出力上限電力Wout(M)を設定する。
さらに、制御装置30は、電圧センサ10B1,10B2、温度センサ11B1,11B2および電流センサ9B1,9B2の検出値に基づいて、選択副蓄電装置BBについてのSOC(BB)および入出力上限電力Win(S),Wout(S)を設定する。
一般的に、SOCは、各バッテリの満充電状態に対する現在の充電量の割合(%)によって示される。また、Win,Woutは、所定時間(たとえば10秒程度)当該電力を放電しても当該バッテリ(BA,BB1,BB2)が過充電または過放電とならないような電力の上限値として示される。
図4には、制御装置30によって実現される電動車両1の走行制御、具体的には、エンジン4およびモータジェネレータMG1,MG2の間でのパワー配分制御に係る制御構成を説明するための機能ブロック図が示される。なお、図4に示される各機能ブロックは、制御装置30による予め記憶された所定プログラムの実行および/または制御装置30内の電子回路(ハードウェア)による演算処理によって実現されるものとする。
図4を参照して、トータルパワー算出部260は、車速およびペダル操作(アクセルペダル)に基づいて、電動車両1全体でのトータル要求パワーPttlを算出する。なお、トータル要求パワーPttlには、車両状況に応じて、モータジェネレータMG1によるバッテリ充電電力の発生のために要求されるパワー(エンジン出力)、およびエアコン等の補機の動作電力(推定値)も含まれ得る。
走行制御部250には、主蓄電装置BAの入出力上限電力Win(M),Wout(M)および選択副蓄電装置BBの入出力上限電力Win(S),Wout(S)と、トータルパワー算出部260からのトータル要求パワーPttlと、ブレーキペダル操作時の回生ブレーキ要求と、主蓄電装置および副蓄電装置の各々の入出力電力に関するパラメータ(電力パラメータ)とが入力される。
電力パラメータは、主蓄電装置BAの電圧VBA、温度TA、電流IA、選択蓄電装置BAの電圧VBB、温度TBB、電流IB、コンバータ12Aの入力電圧VLA、コンバータ12Bの入力電圧VLB、およびコンバータ12A,12Bの出力電圧VHである。電圧センサ10A、温度センサ11A、電流センサ9A、電圧センサ21Aは、主蓄電装置BAに関するパラメータを検出するための第1の検出部に含まれる。一方、電圧センサ10B1,10B2、温度センサ11B1,11B2、電流センサ9B1,9B2、電圧センサ21Bは、選択副蓄電装置BBに関するパラメータを検出するための第2の検出部に含まれる。
基本的にはセンサの検出値がこれらのパラメータの値として用いられる。ただし後述するように、本発明の実施の形態ではセンサ値に代わる値が電力パラメータとして走行制御部250に入力される場合も生じうる。走行制御部250は、モータジェネレータMG1,MG2トータルの入出力電力の和(必要な場合には、補機の動作電力がその和に追加される)が、主蓄電装置BAおよび選択副蓄電装置BBトータルの充電制限(Win(M)+Win(S))および放電制限(Wout(M)+Wout(S))の範囲内となるように、モータ制御指令としてのトルク指令値Tqcom1およびTqcom2を生成する。
さらに、トータル要求パワーPttlが確保されるように、モータジェネレータMG2による車両駆動パワーと、エンジン4による車両駆動パワーとが配分される。特に、外部充電されたバッテリ電力を最大限に利用してエンジン4の作動を抑制すること、あるいは、エンジン4による車両駆動パワーをエンジン4が高効率で作動可能な領域に対応して設定することによって、高燃費の車両走行制御が実現される。
インバータ制御部270は、トルク指令値Tqcom1およびモータジェネレータMG1のモータ電流値MCRT1に基づいて、インバータ14の制御信号PWMI1,PWMC1を生成する。同様に、インバータ制御部280は、トルク指令値Tqcom2およびモータジェネレータMG2のモータ電流値MCRT2に基づいて、インバータ22の制御信号PWMI2,PWMC2を生成する。また、走行制御部250は、設定されたエンジンによる車両駆動パワーの要求値に応じてエンジン制御指令を生成する。さらに、図示しない制御装置(エンジンECU)によって、上記エンジン制御指令に従ってエンジン4の動作が制御される。
制御装置30は、バッテリ電力を積極的に使用して車両走行を行なう走行モード(EVモード)のときには、トータル要求パワーPttlがバッテリ全体での出力上限電力Wout(M)+Wout(S)以下であるときには、エンジン4を作動させることなく、モータジェネレータMG2による車両駆動パワーのみによって走行する。一方で、トータル要求パワーPttlがWout(M)+Wout(S)を超えたときには、エンジン4が始動される。
これに対して、当該EVモードが選択されない走行モード(HVモード)のときには、制御装置30は、バッテリSOCが所定目標値に維持されるように、エンジン4およびモータジェネレータMG2での間での駆動力パワー配分を制御する。すなわち、EVモードと比較して、エンジン4が作動されやすい走行制御がなされる。
本実施の形態では、制御装置30は、主蓄電装置BAのSOCおよび選択副蓄電装置BBのSOCの平均値(以下、単に「SOCの平均値」と呼ぶ)に基づいて、EVモードからHVモードへの走行モードの切換えの要否を判断する。具体的には、SOCの平均値が所定のしきい値を下回った場合に、制御装置30はEVモードからHVモードへの切換えが必要と判断する。
さらに、本実施の形態では、コンバータ12Aによる電圧制御と、コンバータ12Bによる電流制御(電力制御)とによって、コンバータ12A,12Bの出力電圧(インバータ14,22の入力電圧)に相当する電圧VHを制御することができるだけでなく、主蓄電装置BAと選択副蓄電装置BBとの充放電バランスを制御することができる。
コンバータ12Bによる電力制御とは、具体的には以下の通りである。まず、コンバータ12Bによって選択副蓄電装置BBの入出力電力を制御することにより、主蓄電装置BAおよび選択副蓄電装置の各々の入出力電力の総和をトータル要求パワーPttl(目標値)と一致させるためのフィードバック制御が実行される。さらに、コンバータ12Bが選択副蓄電装置BBに対して実際に入出力される電力を指令値(目標値)と一致させるためのフィードバック制御も実行される。本実施の形態では、これらのフィードバック制御を「電力フィードバック制御」と総称することにする。
なお、コンバータ12Aによる電圧制御と、コンバータ12Bによる電流制御(電力制御)とは、たとえば走行制御部250によって実現される。すなわち、走行制御部250は、主蓄電装置BAおよび選択副蓄電装置BBの電力パラメータに基づいて、主蓄電装置BAおよび選択副蓄電装置BBの各々に入出力される電力を制御する。
図5は、電力フィードバック制御を実現するための制御装置30の構成を説明する機能ブロック図である。
図5を参照して、分配率算出部51は、主蓄電装置BAのSOCであるSOC(BA)および選択副蓄電装置BBのSOCであるSOC(BB)を受ける。分配率算出部51はSOC(BA),SOC(BB)に基づいて、トータル要求パワーPttlのうち、選択副蓄電装置BBが負担するパワーの割合を示す分配率を算出する。
たとえば分配率算出部51は、主蓄電装置BAおよび選択副蓄電装置BBの各々について、SOCの下限値と現在のSOCとの差分、および蓄電容量に基づいて、現在の残存電力量を算出する。そして、その算出された残存電力量の比率に応じて分配率が算出される。
指令値生成部52は、トータル要求パワーPttlに分配率を乗じることによって、コンバータ12Bが選択副蓄電装置BBに対して電力を入出力するための指令値Pcom(S)*を算出する。
電力算出部53は、主蓄電装置BAおよび選択副蓄電装置BBの各々についての電力パラメータに基づいて、主蓄電装置BAに入出力される電力P(M)と選択副蓄電装置BBに入出力される電力P(S)との和、すなわちP(M)+P(S)を算出する。ここでの電力パラメータは、各蓄電装置の電圧値(VBA,VBB)、各蓄電装置の電流値(IA,IB)、各コンバータの入力電圧(VLA,VLB)および両コンバータの出力電圧(VH)を含む。
偏差算出部54は、トータル要求パワーPttlからP(M),P(S)の合計を減算することによって、選択副蓄電装置BBの入出力電力の偏差ΔP(S)を算出する。
補正部55は、指令値生成部52からの指令値Pcom(S)*を、偏差算出部54により算出された偏差ΔP(S)によって補正することにより、指令値Pcom(S)を算出する。たとえばPcom(S)=ΔP(S)+Pcom(S)*と算出される。このように、実際のパワーをトータル要求パワーPttlと一致させるために、指令値Pcom(S)によって選択副蓄電装置BBの入出力電力が調整される。
信号生成部56は、補正部55からの指令値Pcom(S)、選択副蓄電装置BBの各々についての電力パラメータ(電流IB、電圧VBB、コンバータ12Bの入力電圧VLBおよびコンバータ12Bの出力電圧VH)に基づいて、たとえばコンバータ12Bの電圧変換比(=VH/VLB)を設定するとともに、その昇圧比を実現するための制御信号PWUB,PWDB,PWFBを生成する。なお、昇圧比が1の場合には、制御信号PWFBが生成される。
図4に戻り、EVモードでは、主蓄電装置BAよりも選択副蓄電装置BBの電力を優先的に使用するような充放電制御がなされる。このため、車両走行中に使用中の選択副蓄電装置BBのSOCが低下すると、選択副蓄電装置BBを切換える必要が生じる。たとえば、車両起動時にバッテリBB1を選択副蓄電装置BBとした場合には、バッテリBB1をコンバータ12Bから切離す一方で、バッテリBB2を新たな選択副蓄電装置BBとしてコンバータ12Bと接続する接続切換処理を実行する必要が生じる。
新たに選択副蓄電装置BBとされるバッテリBB2は、これまで使用していたバッテリBB1よりも出力電圧が高いことが一般的である。
また、選択副蓄電装置BBを切換える以前においても、主蓄電装置BAと使用中の選択副蓄電装置BBとの間で出力電圧が異なることが起こりうる。
本実施の形態では、主蓄電装置および選択副蓄電装置の両方の使用時、および、選択副蓄電装置BBの切換時に、電圧VHが蓄電装置の電圧(VBA,VBB)よりも高くなるよう、コンバータ12A,12Bの少なくとも一方が昇圧動作を行なう。これにより主蓄電装置と選択副蓄電装置との短絡を防ぐことが可能になる。
しかしながらコンバータによる昇圧動作の際にはIGBT素子(スイッチング素子)のスイッチングによる損失が発生する。
また、インバータの損失を低減するために、一般的なPWM(Pulse Width Modulation)制御よりもインバータの損失を低減可能な矩形波電圧制御を適用することが求められる場合も起こりうる。矩形波電圧制御ではPWM制御に比較して単位時間当たりのスイッチング素子のスイッチング回数が少なくなるので、インバータの損失を低減できる。これにより電動車両(ハイブリッド車両)の燃費の向上を図ることができる。しかし、コンバータ12A,12Bの少なくとも一方が昇圧動作を行なっている場合には、矩形波電圧制御を実行することは容易ではない。
そこで本実施の形態に係る電源システムでは、コンバータ12Bに現在接続された選択副蓄電装置と交換可能な新たな副蓄電装置が残っていない場合には、現在の選択副蓄電装置BBがコンバータ12Bから切り離されるとともに、コンバータ12Bが停止される。選択副蓄電装置BBがコンバータ12Bから切り離されることによって、主蓄電装置と選択副蓄電装置との短絡を防止できる。これにより、コンバータ12Aの上アーム(図3に示すIGBT素子Q1)をオンに固定することができる。コンバータ12Aの上アームをオン状態に固定することによって、電源ラインPL1Aと給電ラインPL2とが電気的に接続される。
コンバータ12Aの上アームをオンに固定した場合には、IGBT素子のスイッチングが停止されるため電源システムの損失を低減することができる。さらに、インバータの制御に矩形波電圧制御を適用できるので、電動車両(ハイブリッド車両)の燃費向上を図ることもできる。
なお、新たな副蓄電装置が残っていない状態で選択副蓄電装置がコンバータ12Bから切り離されたときに、コンバータ12Aの上アームはオン状態に固定されると限定されるものではない。たとえばインバータに対して矩形波電圧制御が実行される場合であっても、モータジェネレータが要求されるトルクを発生させるために、コンバータ12Aによる昇圧が必要となる場合も生じ得る。
次に、選択副蓄電装置をコンバータ12Bから切り離すための処理について具体的に説明する。
図6は、本発明の実施の形態による電動車両の電源システムにおける選択副蓄電装置の切離処理の概略的な処理手順を示
すフローチャートである。また、図7〜図11は、図6のステップS100、S200、S300、S400、およびS500の詳細を説明するフローチャートである。
制御装置30は、予め記憶した所定プログラムを所定周期で実行することによって、図6〜図11に示されるフローチャートに従う制御処理手順を所定周期で繰り返し実行することができる。これにより、本発明の実施の形態による電動車両の電源システムにおける副蓄電装置の切離し処理が実現できる。
図6を参照して、制御装置30は、ステップS100では、選択副蓄電装置の切離判定処理を実行する。そして、選択副蓄電装置の切離しが必要と判定されたときには、以下のステップS200〜S500が実行される。一方、ステップS100で選択副蓄電装置の切離しが不要と判定されたときには、ステップS200〜S500は、実質的に非実行とされる。
制御装置30は、ステップS200では、切離前昇圧処理を実行し、ステップS300では、副蓄電装置の切離期間中に電源システムに対して過大な充放電要求が発生しないように、電力制限変更処理を実行する。制御装置30は、ステップS400により、選択副蓄電装置BBをコンバータ12Bから実際に切り離す処理を実行する。制御装置30は、ステップS500により、ステップS200において実行された昇圧処理を停止させるための昇圧停止処理を実行する。
図7は、図6における選択副蓄電装置の切離判定処理(S100)の詳細を説明するフローチャートである。
なお、以下に説明するように、切離処理の進行状況(ステータス)を示す変数IDが導入される。変数ID=−1,0〜4のいずれかに設定される。
ID=0は、副蓄電装置の切離し要求が発生していない状態を示す。すなわち、ID=0のときには、現在の選択副蓄電装置BBによる電力供給が実行される一方で、選択副蓄電装置BBの切離し要否が所定周期で判定されることになる。また、主蓄電装置のみではモータジェネレータMG1,MG2に十分な電力を供給できないとき、あるいは接続部39Bの故障時など、選択副蓄電装置BBの切離しが禁止されるときには、ID=−1に設定されるものとする。
図6を参照して、制御装置30は、ステップS105により、ID=0かどうかを判定する。ID=0のとき(S105のYES判定時)には、制御装置30は、ステップS110により、選択副蓄電装置の切離要否判定を実行する。使用中の副蓄電装置のSOCが所定の判定値(しきい値)よりも低下し、かつ、使用中の選択副蓄電装置と交換可能な新たな副蓄電装置が残っていない場合に、選択副蓄電装置の切離が必要と判定される。
制御装置30は、ステップS150により、ステップS110による切離要否判定結果を確認する。そして、切離しが必要と判定されたとき(ステップS150のYES判定時)には、制御装置30は、ステップS180により、切離処理を進めるために、ID=1に設定する。すなわち、ID=1は、選択副蓄電装置BBの切離要求が生成されて、切離処理が開始された状態を示している。
一方、ステップS110により選択副蓄電装置の切離しが不要と判定されたとき(S150のNO判定時)には、制御装置30は、ステップS170によりID=0に維持する。また、一旦ID≧1となって切離処理が開始されているとき、あるいは、副蓄電装置の切離しが禁止されているためにID=−1に設定されているときには(S105のNO判定時)、ステップS110〜S180の処理はスキップされる。
図8は、図6に示した切離前昇圧処理(S200)の詳細を説明するフローチャートである。
図8を参照して、制御装置30は、切離前昇圧処理では、ステップS205により、ID=1であるかどうかを確認する。そして、ID=1であり、選択副蓄電装置BBの切離要求がなされて、切離処理が開始されたとき(S205のYES判定時)には、制御装置30は、ステップS210により、給電ラインPL2の電圧VHを所定電圧V1まで昇圧するように、コンバータ12Aに対する昇圧指令を発生する。この昇圧指令に応答して給電ラインPL2の電圧指令値VHref=V1に設定され、この電圧指令値が実現されるようにコンバータ12Aの制御信号PWUAが生成される。
ここで所定電圧V1は、主蓄電装置BAおよび選択副蓄電装置BB(たとえばBB2)の出力電圧のうちの高い方の電圧よりも高い電圧に設定される。たとえば、所定電圧V1を、コンバータ12Aによる昇圧可能な制御上限電圧VHmaxとすることによって、昇圧指令時の電圧VHを、主蓄電装置BAおよび切換後の選択副蓄電装置BBの出力電圧の両方よりも、確実に高くすることができる。あるいは、コンバータ12Aでの損失を低減する観点から、その時点での主蓄電装置BAおよび選択副蓄電装置BBの出力電圧に応じて、マージンを持たせて所定電圧V1を都度決定してもよい。
ステップS210により昇圧指令が発生されると、制御装置30は、ステップS220により、電圧センサ13の検出値に基づき電圧VHが所定電圧V1に到達したかどうかを判定する。たとえば、所定時間継続してVH≧V1となったときに、ステップS220はYES判定とされる。
電圧VHが所定電圧V1に到達すると(S220のYES判定時)、制御装置30は、IDを1から2に進める。一方で、電圧VHがV1に到達するまでの間(S220のNO判定時)は、ID=1に維持される。すなわち、ID=2は、切離前昇圧処理が終了しており、切離処理をさらに進めることが可能な状態を示している。また、ID≠1のとき(S205のNO判定時)には、以降のステップS210〜S230の処理はスキップされる。
このように切離前昇圧処理(ステップS200)が終了すると、制御装置30は、図9に示すような電力制限変更処理を実行する。
図9は、図6に示した電力制限変更処理(S300)の詳細を説明するフローチャートである。
図9を参照して、制御装置30は、電力制限変更処理においては、まずステップS305により、ID=2であるかどうかを判定する。ID=2でないとき(S305のNO判定時)には、以降のステップS320〜S340の処理はスキップされる。
ID=2のとき(S305のYES判定時)には、制御装置30は、ステップS320により、選択副蓄電装置BBの入出力上限電力Win(S),Wout(S)の絶対値を徐々に低下させる。たとえば、所定の一定レートに従って、Wout(S),Win(S)が0に向けて徐々に低下される。Wout(S),Win(S)を段階的に低下させると、モータジェネレータMG2のトルク(力行トルクおよび回生トルク)の上限値が不連続に低下する。すなわちモータジェネレータMG2のトルクが突然制限される可能性がある。このようなモータジェネレータMG2の挙動がドライブシャフトに伝わることで、たとえば車両振動といった車両挙動への影響が生じる可能性がある。
本実施の形態では、Wout(S),Win(S)の絶対値を所定の一定レートに従って徐々に低下することにより、モータジェネレータMG2のトルクの上限値を滑らかに低下させることができる。したがってモータジェネレータMG2のトルクが突然制限されることを回避できるので、上記のような車両挙動への影響を回避できる。
制御装置30は、ステップS330により、Wout(S),Win(S)が0に達したかどうかを判定する。Wout(S)=Win(S)=0となるまでの間、ステップS320が繰返し実行されて、Wout(S)およびWin(S)は、継続的に低下する。
そして、Wout(S)およびWin(S)が0に達すると(S330のYES判定時)、制御装置30は、ステップS340により、IDを2から3に進める。すなわち、ID=3は、切離前昇圧処理および電力制限変更処理が終了しており、選択副蓄電装置BBをコンバータ12Bから切り離すことが可能な状態を示している。
制御装置30は、図9に示した電力制限変更処理が終了すると、ステップS400による副蓄電装置の切離処理を実行する。
図10は、図6に示した副蓄電装置の切離処理(S400)の詳細を説明するフローチャートである。
図10を参照して、制御装置30は、副蓄電装置の切離処理においては、まずステップS405によってID=3であるかどうかを判定する。そしてID≠3のとき(S405のNO判定時)には、以降のステップS410〜S450の処理はスキップされる。
ID=3のとき(S405のYES判定時)には、制御装置30は、ステップS410により、副蓄電装置の切離の準備として、コンバータ12Bを停止させる。すなわち、コンバータ12Bは、シャットダウン指令に応答して、IGBT素子Q1,Q2が強制的にオフされる。
制御装置30は、ステップS420により、選択副蓄電装置をコンバータ12Bから切り離すためのリレー制御信号を生成する。たとえば、副蓄電装置BB2が選択副蓄電装置である場合には、制御装置30は、リレーSR2,SR2Gをオフするようリレー制御信号CONT5,CONT7を生成する。
さらに、制御装置30は、ステップS430により、切離しが完了したかどうかを判定する。そして、切離しが完了すると(S430のYES判定時)、制御装置30は、ステップS450により、IDを3から4に進める。
すなわち、ID=4は、副蓄電装置およびコンバータ12Bの間の接続の切離しが完了した状態を示している。
制御装置30は、ステップS400による切離処理が終了すると、ステップS500による昇圧停止処理を実行する。
図11は、図6に示した昇圧停止処理(S500)の詳細を説明するフローチャートである。
図11を参照して、制御装置30は、昇圧停止処理においては、まずステップS505によってID=4であるかどうかを判定する。そしてID≠4のとき(S505のNO判定時)には、ステップS505以降の処理はスキップされる。
ID=4のとき(S505のYES判定時)には、制御装置30は、ステップS550により、ステップS210で発生した昇圧指令をオフする。さらに、制御装置30は、ステップS560において、コンバータ12Aによる昇圧が停止されることを許可する。たとえば、電動車両の燃費等の観点からコンバータ12Aによる昇圧が不要な場合には、コンバータ12Aによる昇圧が停止される。この場合、コンバータ12Aの上アームがオン固定されるとともにコンバータ12Aの下アームがオフ固定される。一方、モータジェネレータに要求トルクを発生させる等の理由により、コンバータ12Aによる昇圧が必要である場合には、コンバータ12Aの昇圧動作が継続される。
図12には、図6〜図11で説明した本発明の実施の形態による電動車両の電源システムにおける選択副蓄電装置の切離処理における動作波形が示される。
図12を参照して、ID=0である時刻t1までの期間には、現在の選択副蓄電装置(たとえば、バッテリBB2)のSOCに基づく、切離判定処理が所定周期で実行されている。
そして、時刻t1において、選択副蓄電装置BBのSOC低下に応答して、切離判定処理(ステップS100)によって選択副蓄電装置BBの切離要求が発せられ、ID=1に設定されることによって切離処理が開始される。
これにより、切離前昇圧処理(ステップS200)が実行されて、コンバータ12Aによって給電ラインPL2の電圧VHが所定電圧V1に向けて上昇させられる。給電ラインPL2の昇圧処理が時刻t2で完了すると、IDは1から2に変更される。
ID=2となると、電力制限変更処理(S300)が実行されて、選択副蓄電装置BBの入出力上限電力Win(S),Wout(S)が0に向けて一定レートで徐々に低下される。なお、この期間では、コンバータ12Bは、現在の選択副蓄電装置(バッテリBB1)の充放電を停止するように制御される。あるいは、コンバータ12Bは、時刻t1からシャットダウンしてもよい。
時刻t3において、選択副蓄電装置BBの入出力上限電力Win(S),Wout(S)が0まで絞られると、IDが2から3に変更される。そしてID=3になると、副蓄電装置の切離処理が開始される。すなわち、コンバータ12Bがシャットダウンされた状態で、リレーSR2,SR2Gがオフされる。これらの切離処理が完了することにより、時刻t4においてIDが3から4に変更される。
ID=4になると、時刻t5において、給電ラインPL2の電圧VHを所定電圧V1に昇圧するための昇圧処理が停止される。これにより、一連の選択副蓄電装置の切離処理が終了する。なお、主蓄電装置BAの入出力上限電力Win(M),Wout(M)は、選択副蓄電装置の切離処理によって変更されない。
時刻t6において、コンバータ12Aによる昇圧を停止することが許可される。コンバータ12Aの昇圧が不要な場合には、図12に示すように、時刻t6以後においてコンバータ12Aのスイッチング動作が停止される。すなわち時刻t6以後は、コンバータ12Aの上アームがオン固定される一方でコンバータ12Aの下アームがオフ固定される。この場合には、電圧VHは、主蓄電装置BAの電圧VBAまで低下する。一方、コンバータ12Aによる昇圧が必要である場合には、時刻t6以後においても、コンバータ12Aのスイッチング動作が継続される。
図4および5に示すように、選択副蓄電装置BBがコンバータ12Bから切り離される以前においては、制御装置30は、センサにより検出された値(各蓄電装置の電圧値等)に基づいて、電源システムに入出力される電力を制御する。しかしながら、選択副蓄電装置BBがコンバータ12Bから切り離されることにより、選択副蓄電装置の電力パラメータを検出するためのセンサは、通常の値とは異なる値を検出する。たとえばコンバータ12Bの入力電圧VLBの検出値(電圧センサ21Bの検出値)が0になる。
図5に示すように、制御装置30によるコンバータ12Bの制御においては、その入力電圧(VLB)の値が用いられる。したがって、入力電圧値が通常と異なる値である場合には、制御装置30によるコンバータ12Bの制御に異常が生じる可能性がある。あるいは、電圧VLBを検出するための電圧センサ21Bに異常が生じたと制御装置30が誤判定する可能性がある。
さらに、選択副蓄電装置BBがコンバータ12Bから切り離された場合、電流センサ(たとえば電流センサ9B2)の検出値は、オフセットあるいはノイズの影響によって0以外の値となる可能性がある。電流値が0でない場合、制御装置30が電力フィードバック制御を継続する可能性があるものの、実際には、選択副蓄電装置BBに対して電力は入力も出力もされない。つまり、フィードバック制御が誤って実行される可能性がある。
さらに、本実施の形態では、主蓄電装置BAおよび選択副蓄電装置のSOCの平均値が算出される。選択副蓄電装置BBがコンバータ12Bから切り離されることによって、SOCの平均値が不連続的に変化する。上述のように、SOCの平均値は、走行モードの切換の要否判定に用いられる。SOCの平均値が不連続的に変化したことによって、このような判定処理に影響が生じる可能性がある。
これらの問題を回避するために、主蓄電装置および副蓄電装置の両方が使用されることを前提とした電源システムの制御プログラムと、主蓄電装置のみが使用されることを前提とした電源システムの制御プログラムとの2種類のプログラムを準備することが考えられる。しかし制御装置30の記憶容量に余裕がなければ、これら2つのプログラムの両方を制御装置30に記憶させることができない。言い換えれば、大きな記憶容量が制御装置30に求められる。さらに2つのプログラムの切換えが必要なため、制御装置の処理が複雑化する。
そこで、本発明の実施の形態では、選択副蓄電装置BBがコンバータ12Bから切り離された後においてもそれ以前の処理を継続可能なように、制御装置30がパラメータの値を生成する。この値がセンサの検出値に代わり、コンバータ等の制御に用いられる。さらに、制御装置30は、コンバータ12Bによる電力フィードバック処理を停止させる。
図13は、制御装置30による、電源システムの制御を継続させるための処理を説明するフローチャートである。
図13を参照して、制御装置30は、ステップS700では、変数IDに基づいて、現在の状態が、選択副蓄電装置の切離中または切離の完了のいずれか一方であるかどうかを判定する。具体的には、制御装置30は、変数IDが3または4であるか否かを判定する。変数IDが3または4であるとき(S700のYES判定時)には、制御装置30は、ステップS710に処理を進める。一方、IDが3および4のいずれでもない場合(S700のNO判定時)、以後のステップS710〜S750の処理は実質的にスキップされる。
制御装置30は、ステップS710により、選択副蓄電装置の電流値、すなわち電流IBの値を0に固定する。
さらに制御装置30は、ステップS720により、選択副蓄電装置BBに関する電圧値を主蓄電装置の対応する電圧値に置き換える。具体的には、コンバータ12Bの入力電圧VLBの値としてコンバータ12Aの入力電圧VLAの値が採用される。さらに選択副蓄電装置の電圧VBBの値として、主蓄電装置BAの電圧VBAの値が採用される。
制御装置30は、ステップS730により、選択副蓄電装置BBの温度TBBを主蓄電装置BAの温度TAに置き換える。
さらに制御装置30は、ステップS740により、選択副蓄電装置BBのSOCに固定値を代入する。この固定値は、具体的には選択副蓄電装置BBをコンバータ12Bから切り離すためのSOCのしきい値である。さらに制御装置30は、ステップS750により、コンバータ12Bによる電力フィードバック制御を停止させる。
なお、ステップS710〜S750の処理は、図13に示した順序に従って実行されるように限定されるものではなく、任意の順序で実行することができる。また、ステップS710〜S750の処理は並列的に実行されてもよい。
本実施の形態によれば、選択副蓄電装置BBの電流値を0に固定することで、コンバータ12Bの電力フィードバック制御を停止することができる。これにより、コンバータ12Bの誤動作の可能性を低減できる。本実施の形態では、電流値を0に固定する処理だけでなく、制御自体も停止される。これによりコンバータ12Bの誤動作を確実に防止することができる。
また、選択副蓄電装置がコンバータ12Bから切り離された後には、主蓄電装置のみ使用可能である。選択副蓄電装置の電流値を0に固定することによって、実際の状態を制御装置30の制御に実際の状態を反映させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、コンバータ12Bの入力電圧VLBにコンバータ12Bの入力電圧VLAが用いられる。たとえば電圧VLBを検出するための電圧センサ21Bに異常が生じたと制御装置30が誤判定する可能性も小さくすることができる。
さらに本実施の形態によれば、選択副蓄電装置BBのSOCに固定値が代入される。この固定値は、選択副蓄電装置BBをコンバータ12Bから切り離すためのSOCのしきい値である。これにより、選択副蓄電装置BBをコンバータ12Bから切り離された時点から、主蓄電装置BAのSOCが変化した場合において、SOCの平均値が不連続に変化することを防止することができる。
次に、図14を用いて、本発明の実施の形態の電源システムの制御構成のうちの一部である、図6〜図11で説明した選択副蓄電装置の切離処理のための機能部分の構成を説明する。図14に示された各機能ブロックは、制御装置30によって、所定プログラムの実行によるソフトウェア処理、あるいは、専用の電子回路(ハードウェア処理)によって実現される 図14を参照して、切離判定部100は、バッテリBB1,BB2の充電状態を示すSOC(BB1),SOC(BB2)を受ける。切離判定部100は、各機能ブロック間で共有される変数IDが0のときに、現在使用中の選択副蓄電装置BBのSOCが所定のしきい値より低下したかどうかを判定する。さらに、切離判定部100は、SOC(BB1),SOC(BB2)に基づいて、現在使用中の選択副蓄電装置と交換可能な新たな副蓄電装置が残っていないかどうかを判定する。上記の判定処理は所定周期で実行される。
すなわち、切離判定部100は、現在使用中の選択副蓄電装置と交換可能な新たな副蓄電装置が残っていないときに、選択副蓄電装置の充電状態SOC(BB)に基づいて、選択副蓄電装置BBをコンバータ12Bからから切り離すことの要否を判定する。そして、切離判定部100は、選択副蓄電装置の切離しが必要である場合には、IDを0から1に変化させる。これにより、選択副蓄電装置の切離要求が発生される。すなわち、切離判定部100の機能は、図6のステップS100の処理に対応する。
昇圧指示部110は、選択副蓄電装置の切離要求が発生されてID=1になると、コンバータ12Aを制御するコンバータ制御部200に対して、昇圧指令信号CMBTを出力する。
コンバータ制御部200は、電圧VH,VLAおよび電圧指令値VHrefに基づいて、給電ラインPL2の電圧VHが電圧指令値VHrefとなるように、コンバータ12Aの制御信号PWUA,PWDAを生成する。
さらに、コンバータ制御部200は、昇圧指示部110から昇圧指令信号CMBTが生成された場合には、電圧指令値VHref=V1に設定して制御信号PWUAを生成する。そして、コンバータ制御部200は、電圧センサ13によって検出される電圧VHが所定電圧V1に達した状態が所定時間以上継続すると、昇圧完了を示すフラグFBTをオンする。
昇圧指示部110は、フラグFBTがオンされると、ID=2に変更する。そして、後述する切離制御部140による切離処理が完了することによってID=4に設定されるまで、昇圧指令信号CMBTの出力を継続する。すなわち、昇圧指示部110の機能は、図6のステップS200および図11のステップS550に対応する。
電力制限部120は、選択副蓄電装置BBの入出力上限電力Win(S),Wout(S)を設定する。通常時には、入出力上限電力Win(S),Wout(S)は、選択副蓄電装置BBとされたバッテリのSOC(SOC(BB1)またはSOC(BB2))、電池温度(TBB1またはTBB2)、出力電圧(VB1またはVB2)に基づいて設定される。
これに対して、選択副蓄電装置の切離処理時には、電力制限部120は、ID=2となると、入出力上限電力Win(S),Wout(S)を、一定レートで徐々に0に向けて低下させるとともに、Win(S),Wout(S)が0に達すると、IDを2から3に変化させる。IDが3に達すると、電力制限部120は、入出力上限電力Win(S),Wout(S)を0に固定する。すなわち、電力制限部120の機能は、図9のステップS320〜S340の処理に対応する。
電力制限部130は、主蓄電装置BAの入出力上限電力Win(M)およびWout(M)を設定する。入出力上限電力Win(M),Wout(M)は、主蓄電装置BAのSOC(BA)、温度TA、
電圧VBAに基づいて設定される。
切離制御部140は、電力制限部120によってID=3に設定されると、コンバータ12Bのシャットダウン指令を生成する。さらに、切離制御部140は、選択副蓄電装置BBがコンバータ12Bから切り離されるように、リレー制御信号CONT4〜CONT7を生成する。たとえば、選択副蓄電装置BBがバッテリBB2である場合には、リレーSR2,SR2Gがターンオフするように、リレー制御信号CONT5,CONT7が生成される。そして、この切離処理が完了すると、切離制御部140は、コンバータ12Bのシャットダウン状態を終了させるとともにIDを3から4に変化させる。すなわち切離制御部140の機能は、図6のステップS400の処理に対応する。
昇圧停止許可部150は、切離制御部140によってID=4に設定された場合に、コンバータ12Aによる昇圧動作を停止することを許可する指令を生成するとともに、その指令を出力する。すなわち、昇圧停止許可部150の機能は、図11のステップS560の処理に対応する。コンバータ制御部200は、昇圧停止許可部150からの指令に応じて、コンバータ12Aの上アームをオンに固定するための制御信号PWFAを生成する。
パラメータ生成部160は、電力制限部120によってID=3に設定された場合、あるいは切離制御部140によってID=4に設定された場合に、選択副蓄電装置BBの電圧VBBに主蓄電装置BAの電圧VBAの値を代入する。さらに、パラメータ生成部150は、コンバータ12Bの入力電圧VLBにコンバータ12Aの入力電圧VLAの値を代入する。さらに、パラメータ生成部150は、選択副蓄電装置BBの温度TBBに主蓄電装置BAの温度TAを代入する。
さらにパラメータ生成部160は、選択副蓄電装置BBのSOC(BB)に固定値を代入する。さらにパラメータ生成部150は、選択副蓄電装置BBの電流IBに固定値(=0)を代入する。
すなわちパラメータ生成部160の機能は、図13のステップS700〜S740の処理に対応する。
フィードバック制御停止部170は、電力制限部120によってID=3に設定された場合、あるいは切離制御部140によってID=4に設定された場合に、電力フィードバック制御を停止するための停止要求を発生させる。この停止要求によって、図5に示すフィードバック制御系が停止するため、電力フィードバック制御が停止する。すなわちフィードバック制御停止部170の機能は、図13のステップS750の処理に対応する。
以上説明したように、本実施の形態に従う電動車両の電源システムによれば、選択副蓄電装置の切離処理中または切離完了後に、制御装置30(パラメータ生成部160)が選択副蓄電装置の電力パラメータを生成する。生成されたパラメータは、センサの検出値に代わり、電源システムの制御、および電動車両の走行制御に用いられる。
制御装置30が選択副蓄電装置の電力パラメータを生成することによって、制御装置30は、選択副蓄電装置がコンバータ12Bに接続された状態での制御を継続できる。これによって選択副蓄電装置がコンバータ12Bから切り離された後において、電源システムの制御に異常が生じることを防止できる。電源システムの制御に異常が発生した場合には、電源システムからモータジェネレータMG1,MG2への電力供給に異常が生じることによって、電動車両の挙動が急変する可能性がある。本実施の形態によれば、複数の副蓄電装置の1つがコンバータに接続された状態から、複数の蓄電装置のいずれもコンバータに接続されていない状態に切り換わったとしても、電力の供給に関する制御を継続することができる。これにより電動車両の走行制御が乱れるのを防止できる。
なお、本実施の形態では、動力分割機構によりエンジンの動力を駆動輪と発電機とに分割して伝達可能なシリーズ/パラレル型ハイブリッドシステムを搭載した電動車両を示した。しかし本発明は、たとえば発電機を駆動するためにのみエンジンを用い、発電機により発電された電力を使うモータでのみ車軸の駆動力を発生させるシリーズ型ハイブリッド車両や、電気自動車、燃料電池自動車にも適用できる。これらの車両は、いずれも車両駆動パワーを発生するモータ、および蓄電装置を搭載しているので、本発明が適用可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電動車両、2 車輪、3 動力分割機構、4 エンジン、6 バッテリ充電用コンバータ(外部充電)、8 外部電源、9A,9B1,9B2,24,25 電流センサ、10A,10B1,10B2,13,21A,21B 電圧センサ、11A,11B1,11B2 温度センサ、12A,12B コンバータ、14,22 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、30 制御装置、39A,39B 接続部、51 分配率算出部、52 指令値生成部、53 電力算出部、54 偏差算出部、55 補正部、56 信号生成部、100 切離判定部、110 昇圧指示部、120,130 電力制限部、140 切離制御部、150 昇圧停止許可部、160 パラメータ生成部、170 フィードバック制御停止部、200 コンバータ制御部、250 走行制御部、260 トータルパワー算出部、270,280 インバータ制御部、BA バッテリ(主蓄電装置)、BB 選択副蓄電装置、BB1,BB2 バッテリ(副蓄電装置)、C1,C2,CH 平滑用コンデンサ、CMBT 昇圧指令信号、CONT1〜CONT7 リレー制御信号、D1〜D8 並列ダイオード、FBT フラグ、IA 入出力電流、IB 電流、ID 変数、IGON 起動信号、L1 リアクトル、MCRT1,MCRT2 モータ電流値、MG1,MG2 モータジェネレータ、N2 ノード、PL1A,PL1B 電源ライン、PL2 給電ライン、Pttl トータル要求パワー、PWMI1,PWMI2,PWMC,PWMC1,PWMC2 制御信号(インバータ)、PWU,PWUA,PWDA,PWD,PWDA,PWDB 制御信号(コンバータ)、Q1〜Q8 IGBT素子、R 制限抵抗、SL1,SL2 接地ライン、SMR1〜SMR3 システムメインリレー、SR1,SR1G,SR2,SR2G リレー、TA,TBB,TBB1,TBB2 温度(バッテリ)、Tqcom1,Tqcom2 トルク指令値、UL,VL,WL ライン(三相)、VBA,VBB1,VBB2,VLA,VLB,VH 電圧、VHref 電圧指令値、Win,Win(M),Win(S) 入力上限電力、Wout,Wout(M),Wout(S) 出力上限電力、ΔP 偏差。

Claims (2)

  1. 電動車両であって、
    前記電動車両の運動エネルギを電力に変換可能に構成された負荷装置と、
    前記負荷装置から出力される電力を伝達するための給電ラインと、
    前記給電ラインを介して前記負荷装置からの電力を受ける主蓄電装置と、
    互いに並列的に設けられる複数の副蓄電装置と、
    前記複数の副蓄電装置のうちの選択された副蓄電装置を前記給電ラインに電気的に接続可能に構成された接続部と、
    前記負荷装置および前記接続部を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記電動車両の制動要求に応じて、前記負荷装置から前記蓄電装置および前記選択された副蓄電装置への電力の入力を制御する為の充電制御を実行する充電制御部と、
    前記複数の副蓄電装置の各々の充電状態に基づいて前記選択された副蓄電装置の切換が必要と判定した場合において、前記接続部に対して、前記複数の副蓄電装置および前記給電ラインの間の電気的接続を切切換るための切換制御を実行する切換制御部と、
    前記切換制御部は、前記切換制御の開始後に、前記主蓄電装置の入出力制限値を一時的に緩和するとともに、前記副蓄電装置の電力の入出力量の減少に応じて前記主蓄電装置の入出力制限値を増加させる、
    電動車両。
  2. 前記入出力制限値の緩和量には最大値を設ける、
    請求項1に記載の車両。

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