JP4858369B2 - ハードコートフィルムもしくはシート - Google Patents
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Description
さらに、該フィルムもしくはシートの表面に無機材質を中心に構成される機能性薄膜を設けることにより、赤外吸収効果、赤外反射効果、電磁波シールド効果、帯電防止効果、紫外線吸収効果、反射防止効果、反射強調効果等の各種機能を有するハードコートフィルムもしくはシートに関する。
近年このような方法の中で、大面積の加工が容易で生産性に優れる活性エネルギー線硬化性樹脂を採用する場合が多い。しかしながら、これらのいずれの方法もハードコート層と基材間の密着、フィルム折曲げ時のクラック、フィルムのカール等が実用的に問題ない範囲内で実現できるものの、プラスチックフィルム、シート基材上での鉛筆硬度値としては2Hから3Hが限界で、耐引っ掻き性、耐擦り傷性の点で問題になる場合があった。
さらに、上記ハードコートフィルムもしくはシートの表面に、一例として反射防止機能等の種々の光学機能を付与する無機薄膜を形成することにより、光学分野の広い範囲の用途展開が可能となった。
本発明に使用する透明プラスチック基材は、特に限定されるものではなく、公知の透明プラスチックフィルムもしくはシートの中から適宜選択して用いることができる。具体例としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、アクリル、ナイロン、フッソ樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン等のフィルムもしくはシートを挙げることができるが、本発明においては、特にトリアセチルセルロースフィルム、及び一軸延伸ポリエステルが透明性に優れることに加えて、光学的に異方性が無い点で好ましい。
本発明のハードコート層に配合可能な無機もしくは有機の微粒子としては活性エネルギー線硬化樹脂中で良好な透明性を保持する微粒子であれば任意に使用することができる。
ハードコート層を形成する加工段階で、上記したように活性エネルギー線照射によって完全硬化もしくは半硬化(ハーフキュア)させることができるが、何れの場合も、活性エネルギー線硬化性樹脂に紫外線照射を加えることによって硬化反応が完結して完全硬化せしめ、塗膜の物性(硬さ、耐擦り傷性等)が完全に飽和に達する段階の架橋塗膜を形成する。
後述するように、本発明は上記ハードコートフィルムもしくはシートの表面に、機能性無機薄膜層を設けることができる。ハードコートフィルムもしくはシートの表面に、機能性無機薄膜層を設ける場合、ハードコート層の弾性率が高すぎても、また低すぎても鉛筆硬度が低下する傾向がある。ハードコート層の弾性率が高すぎる場合、機能性無機薄膜層に応力が集中し、無機薄膜層のみが表面から削り取られる場合が多い。また、ハードコート層の弾性率が低すぎる場合には、無機薄膜層とともにハードコート層が支持体である基材の表面から削り取られてしまう。
第1ハードコート層の破壊歪み以下での弾性率が1.5GPaから4.5GPaの範囲を満たし、かつ第2ハードコート層が2.0GPaから6.0GPaの範囲を満たす弾性率を適宜設定することにより、鉛筆の先端からの応力をハードコート層の変形によって、分散、吸収することができ、無機薄膜層のみへの応力集中を緩和させ、膜の破壊を最小限に抑えることができる。
上記弾性率は、樹脂組成、光開始剤等の配合量及び紫外線照射露光量等による樹脂の硬化度合いのコントロールによって制御することができる。
ハードコート層の表面に、機能性無機薄膜を設ける一例として反射防止層を形成する場合について説明する。
高屈折率層と低屈折率層を交互に、所定の光学膜厚nd(屈折率nと膜厚dの積)となるように積層する。高屈折率層は屈折率(nH)が1.8以上、好ましくは1.95以上であれば、また低屈折率層は屈折率(nL)1.6以下、好ましくは1.5以下であれば実用的に満足する反射防止効果を発現する。
高屈折率層としては、屈折率(nH)が1.80以上のものであれば特に限定されるものではないが、実用的には金属酸化物として酸化チタン、酸化ジルコニユウム、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化インジュウム、酸化セリユウム、酸化錫、酸化ニオブ、酸化イットリュウム、酸化イッテリビュウム、インジュウム・錫酸化物の何れか、或いはこれらを主材料とする混合物質を用いる。
一方、低屈折率層としては、屈折率(nL)1.6以下のものであれば特に限定されるものではないが、酸化珪素系、弗化マグネシウム、弗化カルシウム、弗化バリウム等が使用できる。
機能性無機薄膜の形成方法としては、真空蒸着法、反応性蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等の真空成膜プロセスによって形成することができるが、特に限定されるものではない。
赤外吸収効果、赤外反射効果、電磁波シールド効果、帯電防止効果、紫外線吸収効果、反射強調効果等のその他の各種機能を有する公知公用の材料及び形成方法によって機能性無機薄膜を設けることもできる。
第1ハードコート層
以下に示すラジカル重合型樹脂からなる紫外線硬化型樹脂組成物に対し、同じく紫外線硬化型樹脂であるカチオン重合型樹脂を重量組成割合で0%、10%、20%、30%、60%、100%にそれぞれブレンドし、この組成物を酢酸エチルにて樹脂固形分が70wt%となるように調製した塗料組成物を第1ハードコート樹脂液として使用した。
(ラジカル重合型樹脂)
・ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート 30部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 20部
・ラジカル光重合開始剤(Darocur 1173 、チバガイギー社製) 2部
(カチオン重合型樹脂)
・3,4−エポキシ−6− メチルシクロヘキシルメチルカルボキシレート 45部
・シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル 5部
・カチオン光重合開始剤
(San−Aid SI−100L、三新化学工業社製) 1.5部
ラジカル重合型樹脂のみで構成される紫外線硬化型の塗料組成物を、第2ハードコート樹脂液として調製した。
・ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート 30部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 20部
・Darocur 1173(チバガイギー社製) 2.5部
・酢酸エチル 30部
機能性無機薄膜層の具体例として、導電性反射防止層を以下の構成、方法にて上記ハードコート層上に形成した。まず高屈折率層としてインジウム錫酸化物(ITO)をスパッタリング法により形成し、低屈折率層に酸化ケイ素からなる反射防止層をプラズマアシスト蒸着法により形成した。各層の屈折率n、形状膜厚d、及び光学膜厚ndは、
PET フィルム (n=1.62)
ハードコート層 (n=1.52 d=約13μm)
1層目:ITO (nH=2.05 d=約58nm)
2層目:SiO2 (nL=1.46 d=約38nm)
3層目:ITO (nH=2.05 d=約125nm)
4層目:SiO2 (nL=1.46 d=約140nm)
とした。光学膜厚は、光学式の膜厚モニターにより監視し、目的光量値に達した
時に成膜を止め所定の光学膜厚を得た。波長430〜680nmの範囲で反射率は1%以下であった。ハードコート層と導電性反射防止層との密着は良好であった。
上記の方法で得られたハードコートフィルム、及び導電性反射防止機能付きハードコートフィルムについて、下記の測定方法により機械的物性を測定し、評価した結果をそれぞれ表2及び表3に示す。
異なる硬度の鉛筆を用い、1Kg荷重下でJIS K5400で示される試験法での傷の有無を判定した。
#0000のスチールウールにより、ハードコート膜の表面を400gの荷重をかけながら10回摩擦し、傷の発生の有無及び傷の程度を目視により観察し、以下の判定基準に従って評価した。A:傷の発生が全く認められない。B:数本の細い傷が認められる。C:無数の傷が認められる。
硬化被膜層表面にカッターによって1mm×1mmのクロスハッチ(升目)を100個入れ、その上にセロテープ(登録商標)(ニチバン社製)を貼り付けした後、該セロテープ(登録商標)を剥がしたときに硬化被膜がフィルム基材から剥がれた升目の数を計測することで評価した。
ハードコートフィルム、及び導電性反射防止機能付きハードコートフィルムの標片を10cm角に切断し、反りおよび寸法を測定して曲率半径を算出した。
ハードコートフィルム、及び導電性反射防止機能付きハードコートフィルムを直径3cmの金属ロールに巻付けたときのクラック発生の有無を目視により判定した。
以下に示す内部応力の式を用い、ハードコート層の弾性率(Ef)を算出した。ポリエステルフィルムの弾性率(Es)、及びポリエステルフィルム/ハードコート層から成る複合膜の弾性率(Ec)は引っ張り強度試験機を用いて、その応力−歪み曲線の初期傾斜から求めた。但し、ハードコート層にはクラックが生じ易い為、クラックが発生する破壊歪み以下での応力−歪み曲線を用いた。
σc(b+d)=σfd+σsb
Ec(b+d)=Efd+Esb
∴Ef=(Ec(b+d)−Esb)/d
σc:複合膜全体の内部応力
σf:ハードコート層の内部応力
σs:ポリエステルフィルムの内部応力
Ec:複合膜全体の弾性率
Ef:ハードコート層の弾性率
Es:ポリエステルフィルムの弾性率
b :ポリエステルフィルムの厚さ
d :ハードコート層の厚さ
上記、実施例のハードコート層膜厚、弾性率を表1にまとめて示す。
2…第1ハードコート層
3…第2ハードコート層
Claims (2)
- 透明プラスチック基材の少なくとも一方の面に、活性エネルギー線硬化型樹脂を硬化してなる第1のハードコート層と、第2のハードコート層をこの順に備え、
前記第1のハードコート層はラジカル重合型樹脂とカチオン重合型樹脂のブレンドからなる硬化樹脂被膜層であり、前記第2のハードコート層はラジカル重合型樹脂のみからなる硬化樹脂被膜層であり、且つ、
前記第1のハードコート層の破壊歪み以下での弾性率が1.5GPaから4.5GPaの範囲内であり、前記第2のハードコート層の破壊歪み以下での弾性率が2.0GPaから6.0GPaの範囲内であり、且つ、
前記第1のハードコート層の破壊歪み以下での弾性率が前記第2のハードコート層の破壊歪み以下の弾性率よりも小さい
ことを特徴とするハードコートフィルムもしくはシート。 - 前記第2のハードコート層の表面にさらに機能性無機薄膜を設けたことを特徴とする請求項1記載のハードコートフィルムもしくはシート。
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