JP4858137B2 - 鍵駆動装置及び鍵盤装置 - Google Patents
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Description
この構成では、鍵が押し下げられていない初期状態においてプランジャが錘部材に当接しているため、この状態から手動で押鍵すると、錘部材が持ち上げられてプランジャから離間することになる。
すなわち、本発明の鍵駆動装置は、フレームに対して揺動可能に支持された鍵を駆動する鍵駆動装置であって、前記鍵に連結されて前記鍵の揺動に連動するように揺動可能に支持され、かつ、自重により前記鍵をその揺動方向の一方に付勢する錘部材と、該錘部材の自重に抗して前記鍵及び前記錘部材を他方の揺動方向に駆動するソレノイドとを備え、前記ソレノイドが、前記錘部材に取り付けられた略棒状のプランジャと、前記フレームに取り付けられて前記プランジャを挿通させる略筒状の電磁石とから構成されていることを特徴とする。
また、プランジャが錘部材と共に反力を付与する機能及び鍵を駆動する機能の両方を兼用することになるため、鍵駆動装置や鍵盤装置の軽量化を図ることもできる。
この場合には、電磁石の孔の内周面と孔に挿通されたプランジャの外周面とのクリアランスを小さくしても、電磁石内でプランジャを容易に移動させることができる。したがって、鍵の駆動に要する消費電力をさらに小さくできると共に、電磁石を構成するコイル線の長さを短くして鍵駆動装置の製造コスト削減をさらに図ることもできる。
この場合、プランジャが錘部材に固定されていても、錘部材が揺動した際にヒンジ機構により電磁石の向きをプランジャの揺動運動に追従させることができるため、プランジャと電磁石との相対直線運動を容易に実現することができる。また、この場合には、プランジャを錘部材と一体に形成することができるため、構成部品点数を削減して鍵駆動装置や鍵盤装置のコスト削減も図ることができる。
この場合、電磁石がフレームに固定されていても、錘部材が揺動した際にヒンジ機構によりプランジャを錘部材に対して揺動させることで、錘部材の揺動運動をプランジャの直線運動に変換することができるため、プランジャと電磁石との相対直線運動を容易に実現することができる。
図1に示すように、鍵駆動装置1によって駆動される鍵3は、電子ピアノ等の鍵盤装置の筐体を構成するフレーム(不図示)に複数並べて配置されるものであり、その長手方向の後端3b側を支点軸F1としてフレームに対して上下に揺動できるように支持されている。
鍵駆動装置1は、各鍵3に対応して一つずつ設けられるものであり、鍵3の下方側に配置されると共にフレームに対して揺動可能に取り付けられた略棒状の揺動レバー(錘部材)5と、これら鍵3及び揺動レバー5を駆動するソレノイド7とを備えている。
ここで、揺動レバー5の重心は上記支点軸F2よりも後端5b側にずれているため、揺動レバー5の自重によって鍵3が揺動方向の一方(A方向)に付勢されることになる。すなわち、揺動レバー5は錘としての役割を果たしており、これによってアコースティックピアノに似た打鍵感覚を鍵3に持たせることができる。
このソレノイド7においては、電磁石13に通電することで揺動レバー5の屈曲部11を電磁石13内に引き込む磁力が発生するようになっている。すなわち、揺動レバー5の後端5b側を持ち上げて鍵3及び揺動レバー5をB方向に揺動させる力を発生できるようになっている。
また、この際には、電磁石13がフレームに対して揺動して、揺動レバー5の屈曲部11が電磁石13内に入り込むように電磁石13に対して直線運動することになる。
また、ソレノイド7によって鍵3を揺動させた際には、手動の場合と同様に、電磁石13が屈曲部11を引き込みながらフレームに対して揺動するため、屈曲部11が電磁石13に対して直線運動することになる。
すなわち、鍵駆動装置1においては、不図示の制御部により電磁石13に流す電流の大きさを制御することができるようになっている。そして、電磁石13において発生する磁力が揺動レバー5の持ち上げに要する力よりも小さくなるように、電磁石13に流す電流の大きさを制御部において設定しておくと、鍵3はB方向に揺動することなく、初期位置に配されることになる。
この状態から鍵3を指で押下操作した場合には、押鍵に要する力が揺動レバー5の持ち上げに要する力から電磁石13において発生する磁力を差し引いた大きさとなるため、指に伝わる操作反力が小さくなる。
さらに、プランジャをなす屈曲部11は、揺動レバー5の直線部9に一体に形成されているため、鍵駆動装置1の構成部品点数を削減して鍵駆動装置1や鍵盤装置の製造コスト削減も図ることができる。
そして、上記クリアランスを小さくすることで、鍵3の駆動に要する消費電力を特に小さくできると共に、電磁石13を構成するコイル線の長さを短くして鍵駆動装置1の製造コスト削減をさらに図ることもできる。
この場合、電磁石13がフレームに対して揺動不能に固定されたとしても、揺動レバー5が揺動した際に棒状部材21を揺動レバー5に対して揺動させることで、揺動レバー5の揺動運動を棒状部材21の直線運動に変換することができるため、棒状部材21と電磁石13との相対直線運動を容易に実現することができる。したがって、上記実施形態と同様に、電磁石13の孔の内周面と棒状部材21の外周面とのクリアランスを小さくしても、電磁石13内において棒状部材21を容易に移動させることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
Claims (5)
- フレームに対して揺動可能に支持された鍵を駆動する鍵駆動装置であって、
前記鍵に連結されて前記鍵の揺動に連動するように揺動可能に支持され、かつ、自重により前記鍵をその揺動方向の一方に付勢する錘部材と、該錘部材の自重に抗して前記鍵及び前記錘部材を他方の揺動方向に駆動するソレノイドとを備え、
前記ソレノイドが、前記錘部材に取り付けられた略棒状のプランジャと、前記フレームに取り付けられて前記プランジャを挿通させる略筒状の電磁石とから構成されていることを特徴とする鍵駆動装置。 - 前記錘部材の揺動運動を前記プランジャと前記電磁石との相対直線運動に変換するためのヒンジ機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の鍵駆動装置。
- 前記ヒンジ機構が、前記フレームと前記電磁石との間に設けられて、前記フレームに対して前記電磁石を揺動可能に連結することを特徴とする請求項2に記載の鍵駆動装置。
- 前記ヒンジ機構が、前記錘部材と前記プランジャとの間に設けられて、前記錘部材に対して前記プランジャを揺動可能に連結することを特徴とする請求項2に記載の鍵駆動装置。
- 前記鍵が複数並べて配置されると共に、これら鍵を個々に駆動可能な請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の鍵駆動装置を備えた鍵盤装置。
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