JP4264093B2 - 鍵盤装置 - Google Patents

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    • G10H1/346Keys with an arrangement for simulating the feeling of a piano key, e.g. using counterweights, springs, cams

Description

本発明は、自動演奏ピアノ等の鍵を駆動することで押鍵動作をさせる鍵盤装置に関する。
従来、自動演奏ピアノ等において、自動演奏データに基づき、回動等の動作をする鍵自身を直接駆動するようにした鍵駆動装置を備えた鍵盤装置が知られている。この鍵盤装置は、例えば、ソレノイドを用いて構成され、1つの鍵に対応して1つずつ設けられる。このソレノイドに演奏タイミング毎に通電してプランジャを突出動作させ、該プランジャで鍵または介在部材を突き上げ(または突き下げ)駆動するように構成される。
例えば、下記特許文献1では、ソレノイドを用いた鍵盤装置において、貫通型ソレノイドを使用することで、ソレノイドの推力(対プランジャのストローク)特性を平滑化して、鍵駆動に利用しやすくしている。
特開平5−281959号公報
しかしながら、質量体を介して鍵を間接的に駆動するようにした鍵盤装置においては、鍵と質量体とが常に双方向に連動して回動するように構成することが困難であった。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、鍵と質量体とを双方向に常時連動して回動させることができる鍵盤装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の請求項1の鍵盤装置は、フレームと、質量体駆動部を有し、前記フレームに配設され、鍵回動支点を中心に非押鍵状態に対応する回動開始位置と押鍵終了状態に対応する回動終了位置との間で回動可能にされた鍵と、前記鍵の前記質量体駆動部によって駆動される係合部、被駆動部及びスイッチ押圧部を有し、前記鍵の下方において該鍵に対応して前記フレームに配設され、前記フレームに対して固定的な質量体回動支点を中心に非押鍵状態に対応する回動開始位置と押鍵状態に対応する回動終了位置との間で回動可能にされた質量体と、前記質量体の下方において該質量体に対応して配設され、自動演奏データに基づいて動作して、前記質量体の前記被駆動部に対して当接状態で該被駆動部を駆動して前記質量体を前記回動終了位置の方向に回動させる質量体駆動手段と、前記フレームに配設され、前記質量体の前記スイッチ押圧部により押圧されることで前記鍵の動作を検出するスイッチ部とを有し、前記鍵の前記質量体駆動部と前記質量体の前記係合部とは常に前後方向に摺接可能な係合状態にあり、前記鍵と前記質量体とは互いに、それぞれの回動開始位置と回動終了位置との間を双方向に連動して回動するように構成されたことを特徴とする。
なお、上記構成において、次のように構成してもよい。
前記質量体駆動手段が前記質量体の前記被駆動部を駆動することによって、前記質量体は前記回動終了位置の方向への途中まで回動可能であり、それに連動して、前記鍵は、前記回動終了位置の方向への途中まで回動して半押鍵状態となるように構成される。
本発明によれば、鍵と質量体とを双方向に常時連動して回動させることができる。
従来、鍵(乃至介在部材)を含んだ系は、慣性を有するため、動作をさせるためには、特に駆動初期において大きい駆動力を要する。その一方、非押鍵状態から押鍵状態まで鍵を変位させるために、駆動ストロークも十分に確保しなければならない。そのため、鍵駆動装置は、通常、駆動初期に十分な駆動力が発揮でき、且つ十分なストロークが得られるように設計され、例えば、ソレノイドを用いたものではその寸法形状、コイル巻数、印加電圧等が適正に設定される。従って、鍵駆動装置の小型化が困難であるという問題があった。また、通電電流の設定を大きくせざるを得ない場合は、電源回路の電圧降下を回避するため、高価な安定化電源が必要になる等の不利もあった。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る鍵駆動装置を備えた鍵盤装置の断面図である。
本鍵盤装置は、シャーシ14に、複数の鍵10及び質量体HMが支持されて構成される。鍵10は、押下操作され、鍵回動支点PKを中心として上下方向に回動自在になっている。鍵10として白鍵及び黒鍵が複数存在するが、同図では、鍵10として1つの白鍵が示されている。他の鍵、及び対応する質量体等の構成は同様である。以降、本鍵盤装置の奏者側を「前方」と呼称する。鍵10には、質量体駆動部11が設けられる。
鍵10の下方には、各鍵10に対応して質量体HMが配置される。質量体HMは、質量体回動軸PHを中心に回動自在になっている。また、質量体HMの係合部21は、鍵10の質量体駆動部11と常に係合状態にあり、質量体HMが鍵10に連動して回動するようになっている。奏者による押鍵操作に応じて、鍵10の質量体駆動部11により係合部21が駆動され、質量体HMが質量体回動軸PHを中心に同図反時計方向(押鍵方向に対応する方向)に回動することで、適正な押鍵感触が与えられる。
質量体HMは、質量部材23の自重によって、同図時計方向(離鍵方向に対応する方向)に常に付勢されており、初期状態である非押鍵状態では、HM(0)で示す位置に位置する。また、同図においては、押鍵状態に対応する質量体HMの位置がHM(2)で示され、鍵10は押鍵状態のみが示されている。鍵10の押鍵状態からの復帰力は、質量部材23の重さによる質量体HMの復帰力によるものである。なお、質量体HMを非押鍵位置に戻すための復帰力を発生させる補助手段として、復帰バネを設けてもよい。
シャーシ14の後部上部及び後部下部にはそれぞれ、フェルト等の上側ストッパ12及び下側ストッパ13が設けられている。上側ストッパ12は押鍵時に質量体HMの質量部材23と当接して鍵10の押鍵終了位置を規制する。下側ストッパ13は非押鍵時に質量部材23と当接して鍵10の非押鍵状態への復帰位置を規制する。
また、本鍵盤装置には、2メイク式の鍵スイッチSWが設けられる。鍵スイッチSWは、質量体HMのスイッチ押圧部24によって押圧駆動されて、キーベロシティを含む鍵動作を検出する。奏者による押鍵動作、すなわちリアルタイム演奏の場合は、スイッチ押圧部24の検出結果に基づいて、楽音制御がなされる。
本鍵盤装置にはまた、自動演奏用の鍵駆動手段として、アクチュエータACT(第1、第2アクチュエータACTA、ACTB)が質量体HMに対応して設けられる。両アクチュエータACTは、本実施の形態では配置を除き同様に構成される。すなわち、両アクチュエータACTは、ボビン31A、31Bの周囲にソレノイドコイル32A、32Bが巻回され、ボビン31A、31Bの内部をプランジャ33A、33Bが往復動作可能に構成される。プランジャ33A、33Bの上部に一体に形成された鍔部33Aa、33Baにより、プランジャ33A、33Bが下方に脱落しないようになっている。
両アクチュエータACTは、質量体HMの被駆動部22の下方に配置され、第1アクチュエータACTAは、第2アクチュエータACTBに比し、質量体回動軸PHからの距離がより遠い位置に配置されている。非押鍵状態では、プランジャ33A、33Bが、質量体HM(0)の被駆動部22にほぼ当接している。ソレノイドコイル32A、32Bに通電されると、プランジャ33A、33Bが上方に移動し、質量体HMを押し上げ駆動する。通電が解除されると、質量体HM及び鍵10の復帰に伴い、プランジャ33A、33Bが、自重に加えて、質量体HMに押されて元の初期位置(図1で示す位置)に復帰する。なお、プランジャ33A、33Bを強制復帰させるためのバネ等を設けて復帰動作を速くするようにしてもよい。
図2は、本鍵盤装置の機能構成を示すブロック図である。本装置は、鍵盤部2、操作部3、表示部4、メモリ5、アクチュエータ駆動部6及び楽音発生部8が、バス9を介して制御部1にそれぞれ接続されて構成される。制御部1はそれぞれ不図示のCPUのほか、該CPUが実行する制御プログラムを記憶したROM、及び各種データを記憶するRAM等を含んで構成され、本装置全体を制御する。鍵盤部2には、上記複数の鍵10、上記鍵スイッチSWのほか、図示しない押鍵検出回路が含まれる。操作部3は、図示しない各種操作子の各スイッチ部及び操作検出回路を含んでいる。表示部4は、各種情報を画面表示する。メモリ5はROM等で構成され、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)信号等の自動演奏データ等を記憶する。アクチュエータ駆動部6は、上記第1、第2アクチュエータACTA、ACTBを動作させるための電圧印加回路等を有して構成される。楽音発生部8は、図示しない音源回路及び効果回路を含み、奏者による演奏または自動演奏データに基づく楽音信号を音響に変換する。なお、弦を設け、押鍵動作により打弦がなされるようにし、楽音発生部8ではなく弦の振動により発音がなされるように構成してもよい。
図3は、本実施の形態におけるアクチュエータACTの動作説明図である。同図では、質量体HMの回動行程において、質量体HMの回動位置及びアクチュエータACTのプランジャ33の位置の対応関係を示している。
同図において、rt(0)は、非押鍵状態に対応する質量体HMの回動開始位置である(HM(0))。rt(1)は、押鍵途中に対応する質量体HMの回動途中位置である(HM(1))。rt(2)は、押鍵状態に対応する質量体HMの回動終了位置である(HM(2))。プランジャ33A、33Bの、負荷が無い場合におけるストローク、すなわち駆動力を発揮する有効ストロークは、それぞれXA、XBであるが、本実施の形態ではXA=XBであるとする。プランジャ33A、33Bの各位置を、PA、PBに括弧を添付して示す。
本鍵盤装置は、奏者による演奏のほかに、自動演奏データに基づく自動演奏も可能である。自動演奏データには、キーオンデータ、キーオフデータ、音高データのほか、少なくともタッチ(キーオンベロシティ)データが含まれる。
また、本実施の形態では、タッチと印加電圧との関係を示すテーブルが、各第1、第2アクチュエータACTA、ACTB毎に予め制御部1内のROMに記憶されているものとする。自動演奏データ中の音高データに対応する第1、第2アクチュエータACTA、ACTBに電圧が印加される。この印加されるべき電圧は、自動演奏データ中のタッチデータに応じて設定される。そして、制御部1の制御に従って、上記設定された電圧が、アクチュエータ駆動部6により両アクチュエータACTの各ソレノイドコイル32A、32Bに同時に印加される。
図4(a)は、アクチュエータACTのプランジャストロークに対する駆動力F(st)の変化特性を示す図である。
本実施の形態では、単体の駆動力の変化特性としては、第1、第2アクチュエータACTA、ACTB共に共通であるとする。同図(a)では、一定の電圧を印加した場合における駆動力F(st)の変化を示し、ストローク位置が0であるとき、駆動力F(st)は、0より大きいF(0)であり、その後上昇して、ストローク位置XA、XBの直前で最大となって、その後急激に減少してストローク位置XA、XBで0になる。第1、第2アクチュエータACTA、ACTBにおいては、同図(a)に示すような駆動力特性となるように、ソレノイドコイル32A、32Bとプランジャ33A、33Bとの、プランジャ33A、33Bの軸方向における相対的位置関係やコイルの巻装状態等が設定されている。
図4(b)〜(d)は、質量体HMの回動位置rtに対する、質量体HMに与えられる質量体回動軸PHを中心とした押鍵方向の回転モーメントM(rt)の変化特性を示す図である。回転モーメントM(rt)は、各アクチュエータACTの質量体回動軸PHからの距離だけでなく、プランジャ33A、33Bの移動方向、及び、プランジャ33A、33Bと質量体HM(の被駆動部22)との当接角度にも影響されるが、これらをすべて反映した特性が示されている。
図4(b)、(c)はそれぞれ、第1、第2アクチュエータACTA、ACTBが質量体HMに与える回転モーメントM(rt)を示す。図4(d)は、同時通電の場合において両第1、第2アクチュエータACTA、ACTBが質量体HMに与える回転モーメントM(rt)の和を示す。
まず、図3に示すように、非押鍵状態では、プランジャ33A、33Bは、位置PA(0)、PB(0)にあって、質量体HM(0)とほぼ当接状態にある。自動演奏データに基づき電圧印加がなされると、プランジャ33A、33Bは同時に上昇を開始し、協働して質量体HMを押し上げ駆動する。この駆動初期では、プランジャ33Aはプランジャ33Bに比し、質量体HMの質量体回動軸PHから遠い位置を駆動するので、駆動力F(st)が同じであっても、図4(b)、(c)に示すように、初期の回転モーメントM(rt)は、プランジャ33Aによるものの方が大きい(M(A0)>M(B0))。従って、駆動初期の駆動の依存度は、第2アクチュエータACTBに比べて、第1アクチュエータACTAの方が高い。図4(d)に示すように、これら両プランジャ33A、33Bによる回転モーメントM(rt)の和M(AB0)(=M(A0)+M(B0))が、駆動初期において与えられることで、慣性の大きい質量体HMが円滑に動作し、歯切れの良い演奏が可能となる。
その後、質量体HMが回動して回動途中位置rt(1)に達するまで、両プランジャ33A、33Bによる駆動が続く。回転モーメントM(rt)の和は、回動途中位置rt(1)の直前で最大となって、その後急激に減少する。そして、回動途中位置rt(1)に達すると、プランジャ33Aが有効ストロークXAを移動しきってしまい、位置PA(1)に達する(図3参照)。従って、プランジャ33Aから質量体HM(1)に与えられる駆動力F(st)及び回転モーメントM(rt)が0になり(図4(a)、(b)参照)、プランジャ33Bからのみ回転モーメントM(rt)が与えられる状態となる。その時点において質量体HM(1)に回転モーメントM(rt)の和が与えられるが、この和は、専ら位置PB(1)にあるプランジャ33Bによるものである(図4(c)、(d)参照)。
その後、質量体HMは、プランジャ33Bからしか回転モーメントを受けないが、質量体HMは既に、ある程度の回動速度を得ており、以後、回動終了位置rt(2)までの行程では、回動速度を維持するための回転モーメントがあれば足りる。回動途中位置rt(1)からは、回転モーメントの和M(rt)が再び増加していく。質量体HMが上側ストッパ12と当接して、回動終了位置rt(2)で停止すると、位置PB(2)に達したプランジャ33Bから質量体HM(2)に与えられる回転モーメントM(rt)は、所定値となる。回動途中位置rt(1)から回動終了位置rt(2)までの行程における回転モーメントの和M(rt)の遷移は、当然に、プランジャ33Bによる回転モーメントM(rt)の遷移と同じである。なお、自動演奏データに基づくため、プランジャ33Bが位置PB(3)に達することは通常ない。
本実施の形態によれば、第1、第2アクチュエータACTA、ACTBが、質量体回動軸PHからの距離が異なる質量体HMの位置を駆動するように、駆動位置が異なっているので、各アクチュエータACTが質量体HMに対して与える回転モーメントの変化特性を、互いに異ならせることが容易にできる。特に、大きな駆動力が必要な回動初期(rt(0)〜rt(1))には、両アクチュエータACTから駆動力を受けると共に、回動速度維持で足りる回動途中以降(rt(1)〜rt(2))には、第2アクチュエータACTBからのみ駆動力を受けるように、受け持つ駆動力を分担させたので、大きな回転モーメントを要する回動初期における質量体HMの円滑な動作を確保しつつ、回動終了までの必要な駆動の継続を確保することができる。
すなわち、仮に1つのアクチュエータACTのみで、回動初期の強い駆動力と長いストロークとを共に確保する場合は、ソレノイドコイル32の巻数が多くなり、全体寸法も長くなり、また、通電電流の設定値も大きくなる。ところが、本実施の形態では、配置を異にする2つのアクチュエータACTを設けたことで、質量体回動軸PHから遠い側の第2アクチュエータACTBは、同じ駆動力であっても強い回転モーメントを発揮することができ、一方、第1アクチュエータACTAは同じ有効ストロークであっても、広い回動範囲に亘って駆動力を与え続けることができる、というように、回動位置における両者の使い分けが効果的となる。従って、結果として各アクチュエータACTを小型化しても、駆動力と駆動位置との適正な設定により、質量体HMの回動行程において回転モーメントを両アクチュエータACTに適正に分担させることで、質量体HMに対する適正な回転モーメントの遷移状態が得られる。よって、質量体HMを介して鍵10を駆動する駆動機構の小型化を図ることができる。それだけでなく、通電電流の設定を小さく設定できることから、電圧降下を回避しやすくなり、他の電気回路が比較的安定動作するので、高価な安定化電源が不要になる。
なお、本実施の形態では、質量体HMを介して鍵10が駆動される構成を例示したが、両アクチュエータACTの駆動力を鍵に伝達するために介在する伝達部材であれば、質量体HMのように質量の大きい部材に限定されるものではない。また、質量体HMを介して駆動される場合だけでなく、鍵10が両アクチュエータACTによって直接駆動される構成であっても、本発明を適用可能である。その場合は、両アクチュエータACTの、鍵10の鍵回動支点PKからの距離を異ならせればよい。
なお、本実施の形態では、第1、第2アクチュエータACTA、ACTBは、配置位置が異なるのみで、構成が同一であるとしたが、両者の単体としての駆動特性を互いに異ならせてもよい。具体的には、鍵10乃至質量体HMの回動行程において各アクチュエータACTが質量体HMを実際に駆動する「実駆動範囲」を異ならせてもよい。あるいは、鍵10乃至質量体HMの回動行程に応じた、各アクチュエータACTが質量体HMに対して与える「駆動力の変化特性」を異ならせ、適正に設定してもよい。また、「実駆動範囲」及び「駆動力の変化特性」の双方を異ならせてもよく、種々の構成が可能である。
(変形例1)
図5は、本実施の形態の変形例1における、第1アクチュエータACTAが質量体HMに与える質量体回動軸PHを中心とした押鍵方向の回転モーメントM(rt)の質量体HMの回動位置rtに対する変化特性を示す図である。
図5の例では、駆動後期に最大値となる第1アクチュエータACTAの回転モーメントM(rt)は、図4(b)の例における最大値より大きい一方、プランジャ33Aの有効ストロークは図4(b)の例に比し短くなっており、質量体HMが上記回動途中位置rt(1)より手前の回動途中位置rt(3)の直前に達した時点で、与える回転モーメントM(rt)が最大となり、その後急激に減少して回動途中位置rt(3)で0になる。
このような特性とすれば、質量体HMの駆動初期に一層大きい回転モーメントが得られる点で有利であり、回動途中位置rt(3)以降に大きな回転モーメントが必要ないような場合に適している。このような特性は、例えば、アクチュエータACTのボビンの長手寸法を短くしてコイル巻数を増やす等によって得ることができる。
また、図5の例に限らず、「実駆動範囲」及び「駆動力の変化特性」は、プランジャ33のストロークだけでなく、アクチュエータACTの配置位置、質量体HMとの成す角度等によっても変えることができる。従って、適用される鍵盤装置の仕様に応じて2つのアクチュエータACTの駆動特性の組み合わせを設定すればよい。
また、各アクチュエータACTにおける駆動力のピークは、通電後期に生じるように構成することに限定されず、例えば、質量体HMの回動途中、あるいは回動初期に相当するタイミングでピークとなるようにアクチュエータACTを構成してもよい。これは、例えば、非押鍵状態におけるソレノイドコイル32に対するプランジャ33の往復方向における相対的位置(初期位置)を変えることで可能である。
(変形例2)
上記のように、本実施の形態では、両アクチュエータACTに電圧を同時に印加する構成を例示したが、アクチュエータACTの駆動特性は、アクチュエータACTに印加される電圧の時間的制御によっても変更可能である。
本実施の形態の変形例2では、制御部1により、鍵10の回動行程における両アクチュエータACTの動作タイミングが互いに異なるように制御される。また、第1アクチュエータACTAが所定位置(例えばプランジャ33Aが有効ストロークXAの半分に到達する位置)に達したことを検出する通過センサ(図示せず)を、プランジャ33Aに近接して設ける。
制御部1は、駆動初期には、第1アクチュエータACTAのみに電圧を印加し、第2アクチュエータACTBには印加しないようにする。そして、制御部1は、第1アクチュエータACTAのプランジャ33Aが上記所定位置を通過したことが検出された時点で初めて、第2アクチュエータACTBに電圧を印加するように制御する。すなわち、質量体HMが、その回動初期には、第1アクチュエータACTAでのみ質量体HMが駆動されると共に、回動後期には、主として第2アクチュエータACTBで駆動されるようにする。
この場合、第1アクチュエータACTAのみで駆動初期に十分な駆動力が得られるように、第1アクチュエータACTAの構成、配置、印加電圧等を設定する必要があることはいうまでもない。また、好ましくは、各アクチュエータACTと質量体HMとの係合関係を、図1に示す係合部21と質量体駆動部11との関係のように構成し、各アクチュエータACTと質量体HMとが常に追従して動作するように構成するのがよい。このようにすれば、第2アクチュエータACTBが第1アクチュエータACTAに遅れて動作するとき、第2アクチュエータACTBのプランジャ33Bが質量体HMから離間しているという状態が回避されるので、回転モーメントの分担の移行が円滑となるだけでなく、質量体HMとプランジャ33Bとの当接メカノイズも軽減される。
変形例2のように構成すれば、2つのアクチュエータによる適正な分担駆動により、駆動機構の小型化に関し、上記と同様の効果を得ることができ、構成のバリエーションが広がる。
なお、第2アクチュエータACTBの動作は、通過センサの検出によって行う代わりに、計時により、第1アクチュエータACTAの動作開始から所定時間経過後に開始されるように構成してもよい。
なお、変形例1、2を応用し、少なくとも有効ストロークを含む駆動特性を2つのアクチュエータ間で異ならせれば、質量体回動軸PHからの距離が必ずしも異なっていなくてもよい。
(変形例3)
本実施の形態では、両アクチュエータACTを共に動作させるようにしたが、動作モードを設定可能にし、いずれか一方のみが動作するように構成してもよい。例えば、第1アクチュエータACTAのみが動作し、第2アクチュエータACTBの動作が禁止される「練習モード」(所定の動作モード)を設ける。モード設定は、例えば、操作部3の操作によりなされ、設定されたモードは制御部1のRAMに記憶される。「練習モード」では、マイナスワンによる自動演奏がなされると同時に、ユーザによるマニュアル押鍵による発音もなされるものとする。
この「練習モード」によれば、例えば、第1アクチュエータACTAのプランジャ33Aからの駆動力のみによって、図3に示す回動途中位置rt(1)まで質量体HMが回動するが、回動はそこで止まる。従って、鍵10は、完全な押鍵状態とはならず、半押鍵の状態となる。また、半押鍵の状態では、楽音発生部8による楽音は発生しないようにする。これにより、ユーザからみれば、自動演奏データに従って、押下すべき鍵が順次半押し状態になっていくので、それを押鍵指示とみなして実際に押鍵することで、鍵ガイド機能を果たすことができる。この場合、マイナスワンされている楽音に関しては、ユーザが実際に完全押鍵した場合にのみ、その押鍵された鍵10に対応する楽音が発生する。これにより、自己の押鍵操作が適切かどうかを耳で確認しつつ鍵ガイドによる練習を行うことができる。光を用いた鍵ガイドと異なり、目が不自由なユーザにも利用可能である。
なお、弦を実際に打弦する構成の鍵盤装置においても、第1アクチュエータACTAの駆動のみでは打弦に至らないように設定すれば、同様の半押し状態による鍵ガイド機能の構成は容易に採用可能である。
(変形例4)
本実施の形態において、プランジャ33の特に長い有効ストロークを確保する必要がある場合は、ソレノイドコイル32を用いた構成でなく、次のような形状記憶合金を用いた構成も有効である。
図6は、本実施の形態の変形例4におけるアクチュエータの構成を示す図である。例えば、第2アクチュエータACTBに代えて、アクチュエータACTCを採用する。同図に示すように、取り付け部材37に、形状記憶合金で構成される2本のワイヤ36、36の下端部、及び駆動棒38の下端部が取り付けられ、鍵盤装置に対して固定的にされた係止部35に、ワイヤ36、36の上端部が係止される。駆動棒38の上端は、プランジャ33と同様に質量体HMの被駆動部22を駆動可能にされている。
ワイヤ36、36は、高温での形状を記憶しており、常温では、非押鍵状態における質量体HMの復帰力に抗することができず、図6に示すように伸びた状態になっている。しかし、自動演奏データに基づいてワイヤ36、36に電流が流れると、発熱し、高音になって、質量体HMの復帰力に抗して縮む。これにより、プランジャ33の場合と同様に、駆動棒38によって質量体HMが駆動されて回動する。
ワイヤ36、36は、形状記憶合金であり、伸縮量が大きいので、小型でありながら長い動作ストロークを確保するのに有利である。従って、特に質量体回動軸PHに近い側の第1アクチュエータACTAに代えて用いるのが適当であるが、第2アクチュエータACTBにも用いてもよい。
なお、質量体HMを駆動する機構は、これらソレノイドや形状記憶合金を用いた構成に限られず、自動演奏データに基づき質量体HMを駆動できる構成であればよい。
なお、本実施の形態において、アクチュエータACTが2つである構成を例示したが、これに限るものでなく、3つ以上であってもよい。その場合でも、主として質量体回動軸PHに遠い側のアクチュエータACTに、駆動初期における回転モーメントの多くを負担させ、主として質量体回動軸PHに近い側のアクチュエータACTに、ストロークの長い駆動後期における回転モーメントを負担させる、という観点で各アクチュエータACTの構成、配置を検討するのが望ましい。
なお、本実施の形態において、鍵10及び質量体HMは回動動作をするものであったが、アクチュエータACTによって、鍵が非押鍵状態から押鍵状態に変位する鍵盤装置であればよく、駆動されるべきものは回動動作するものに限定されない。その場合は、両アクチュエータACTの配置位置を異ならせるだけでは、効果的でないので、互いにストロークや駆動力等の駆動特性を異ならせることが望ましい。
本発明の一実施の形態に係る鍵駆動装置を備えた鍵盤装置の断面図である。 同鍵盤装置の機能構成を示すブロック図である。 アクチュエータの動作説明図である。 アクチュエータのプランジャストロークに対する駆動力の変化特性を示す図(図(a))、及び、質量体の回動位置に対する、質量体に与えられる質量体回動軸を中心とした押鍵方向の回転モーメントの変化特性を示す図(図(b)〜(d))である。 本実施の形態の変形例1における、第1アクチュエータが質量体に与える質量体回動軸を中心とした押鍵方向の回転モーメントの質量体の回動位置に対する変化特性を示す図である。 本実施の形態の変形例4におけるアクチュエータの構成を示す図である。
符号の説明
10 鍵、 11 質量体駆動部、 21 係合部、 22 被駆動部、 24 スイッチ押圧部、 HM 質量体、 PH 質量体回動軸(質量体回動支点)、 PK 鍵回動支点、 ACT アクチュエータ(質量体駆動手段)

Claims (1)

  1. フレームと、
    質量体駆動部を有し、前記フレームに配設され、鍵回動支点を中心に非押鍵状態に対応する回動開始位置と押鍵終了状態に対応する回動終了位置との間で回動可能にされた鍵と、
    前記鍵の前記質量体駆動部によって駆動される係合部、被駆動部及びスイッチ押圧部を有し、前記鍵の下方において該鍵に対応して前記フレームに配設され、前記フレームに対して固定的な質量体回動支点を中心に非押鍵状態に対応する回動開始位置と押鍵状態に対応する回動終了位置との間で回動可能にされた質量体と、
    前記質量体の下方において該質量体に対応して配設され、自動演奏データに基づいて動作して、前記質量体の前記被駆動部に対して当接状態で該被駆動部を駆動して前記質量体を前記回動終了位置の方向に回動させる質量体駆動手段と、
    前記フレームに配設され、前記質量体の前記スイッチ押圧部により押圧されることで前記鍵の動作を検出するスイッチ部とを有し、
    前記鍵の前記質量体駆動部と前記質量体の前記係合部とは常に前後方向に摺接可能な係合状態にあり、前記鍵と前記質量体とは互いに、それぞれの回動開始位置と回動終了位置との間を双方向に連動して回動するように構成されたことを特徴とする鍵盤装置。
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