JP4856614B2 - スクリーンの押さえ部材 - Google Patents

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Description

本発明は、網戸用枠体の係止用溝にスクリーンと共に押入することにより、該スクリーンを枠体に対して固定するためのスクリーンの押さえ部材に関するものである。
従来、スクリーンを建物開口部に設置される既知の防虫網戸の網戸用枠体に張設する場合には、該枠体の係止用溝に対して、スクリーンを固定するための既知のゴム紐状の押さえ部材を押入することにより上記スクリーンを張設するのが一般的である。
しかしながら、上記既知の押さえ部材を枠体の係止用溝に押入する場合、専用の押入用の工具を必要とするため、その施工が非常に煩雑であり、延いては上記スクリーンの張設作業を複雑化する一因となっていた。
一方、特許文献1等において、枠体の係止用溝に対してその内向き突縁に圧接する状態で嵌る弾性変形可能な脚部を備えることにより構成したスクリーンの押さえ部材について提案されているが、この種の弾性変形する脚を備えた押さえ部材は、該押さえ部材の係止用溝に対する挿入開始位置を片手で安定させたうえで該押さえ部材を係止用溝に対して押入または打込む必要があり、片手で押さえ部材の押入操作をするなどの簡易な作業でスクリーンの張設を行うことには困難性があった。
実開昭51−155538号公報
本発明の技術的課題は、スクリーンを網戸用枠体に対して張設するに際し、上記押さえ部材の枠体の係止用溝に対する挿入開始位置を安定化させ、該押さえ部材の係止用溝に対する押入をより容易化すると共に、スクリーンの押さえ部材を各別の工具等を使用することなく、上記枠体の係止用溝内に手で押入することも可能に構成することにある。
上記課題を解決するための本発明は、一対の内向き突縁により口部を狭窄化して形成した枠体の係止用溝にスクリーンと共に押入することにより該スクリーンを上記枠体に固定するための合成樹脂製の押さえ部材であって、上記押さえ部材が、装着完了時に上記係止用溝を覆う覆板に、該係止用溝に挿入される脚板を垂設すると共に、該脚板の先端に薄肉化された弾性的可撓部を介して一対の固定部材を連接することにより構成され、上記一対の固定部材が、枠体に対するスクリーンの固定に際して、その係止用溝に先導的に挿入可能に形成された先端部材と、係止用溝への該先端部材の挿入後に該溝の口縁に係止することにより押圧されて上記弾性的可撓部のまわりで姿勢を変える方向に押圧される上記先端部材と一体の基部材とを有し、上記固定部材が、係止用溝への押さえ部材の装着完了時に、枠体との間でスクリーンを挟持固定する部分を有することを特徴とするものである。
本発明に係るスクリーンの押さえ部材の好ましい実施形態においては、上記一対の固定部材が、それぞれ基部材と先端部材とを連接部においてL型をなすように連接され、上記連接部の外側または上記基部材が上記弾性的可撓部を介して脚板に連結されており、枠体に対するスクリーンの固定に際して、上記一対の固定部材における先端部材が係止用溝に先導的に挿入されると、上記連接部の内側が上記係止用溝の各内向き突縁の先端に対向する位置まで達するような形態に形成され、且つ、スクリーンの固定状態においては上記先端部材が係止用溝の内向き突縁の内側面に対面して、固定部材がそれと係止用溝の内向き突縁との間にスクリーンを挟持固定する位置に変位するように形成され、基部材が脚板の側面に対面して固定部材の姿勢を安定化するものとして構成されている。
この場合、上記弾性的可撓部が、脚部との連結部分に最も薄肉化した部分を有し、該部分と固定部材との間に、強弾性部分を有するものとして構成される。
本発明に係るスクリーンの押さえ部材の他の好ましい実施形態においては、上記覆板における脚板の外側に、上記係止用溝における内向き突縁の外側面との間に挟持したスクリーンに圧接する軟質の圧接部を一体に形成し、該圧接部が、上記係止用溝における内向き突縁の外側面との間に挟持するスクリーンに弾性的に圧接する尖頭状の突条を有するものとして構成される。
以上に詳述した本発明に係るスクリーンの押さえ部材によれば、その覆板に垂設した脚板と固定部材とを弾性的可撓部を介して連接し、それらによってスクリーンを網戸用枠体に対して張設するに際し、上記枠体の係止用溝内にトグル機構的に容易に押入固定することができるので、上記スクリーンを枠体に対して容易に且つ確実に固定することができ、しかも上記押さえ部材の係止用溝に対する押入開始位置が安定化するため、該押さえ部材を係止用溝に対してより安定的に押入することができる。
図1乃至図3は、本発明に係るスクリーンの押さえ部材を防虫網戸におけるネットを構成するスクリーンの固定に適用した場合の第1実施例を示している。この防虫網戸は、窓枠などの建物開口部に固定的に、あるいは摺動自在に配設されるものである。
上記網戸は、四辺を構成するアルミニウム製の枠部材11aにより方形に形成された網戸用枠体11と、該枠体11に張設された防虫用ネットを構成するスクリーン12と、該スクリーン12を枠体11に固定するための押さえ部材14とを備えている。
上記枠体11を構成する枠部材11aには、そのスクリーン張設面に沿う一面の内周側に形成した凹段部に係止用溝20が形成されている。この係止用溝20は、その口部が左右一対の内向き突縁22により狭窄化されたものである。そして、上記スクリーン12は、該枠体11の係止用溝20を設けたネット張設面に沿う一面上に載置した状態で、上記押さえ部材14と共に係止用溝20内に押入され、枠体11にスクリーン12が張設されるものである。
上記押さえ部材14は、合成樹脂の押出し成形により形成され、図2及び図3に明確に示すように、装着完了時(図3)に上記係止用溝20を覆う覆板15に、該係止用溝20に挿入される脚板16を垂設すると共に、該脚板16の先端に薄肉化された弾性的可撓部17を介して一対の固定部材18を連接することにより構成されている。
また、上記一対の固定部材18は、上記枠体11に対するスクリーン12の固定に際して、その係止用溝20に先導的に挿入可能に形成された先端部材18aと、係止用溝20への該先端部材18aの挿入後に該溝の口縁に係止することにより上記弾性的可撓部17のまわりで姿勢を変える方向に押圧される上記先端部材18aと一体の基部材18bとを有し、該固定部材18が、係止用溝20への押さえ部材14の装着完了時に、枠体11との間でスクリーン12を挟持固定する部分を有するものとして構成されている。
より具体的には、上記一対の固定部材18は、それぞれ先端部材18aと基部材18bとを連接部18cにおいて略L型をなすように連接され、上記基部材18bが上記弾性的可撓部17を介して脚板16に連結されている。
また、上記弾性的可撓部17は、脚部との連結部分に最も薄肉化した部分17aを有し、該部分17aと固定部材18との間に、強弾性部分17bを有するものとして構成されている。このように構成すると、上記脚部16が係止用溝20から抜脱する方向に作用する外力に対し、該強弾性部分17bの弾性力が抗力として作用することになるので、当該押さえ部材14によるスクリーン12の固定をより安定的に行うことができる。
そして、枠体11に対するスクリーン12の固定に際しては、上記一対の固定部材18における先端部材18aを係止用溝20に先導的に挿入できるように形成し、上記連接部18cの内側が上記係止用溝20の各内向き突縁22の先端に対向する位置まで達すると(図2参照)、上記強弾性部分17bの弾性力に抗して脚板16を押入するようになり、最終的なスクリーン12の固定状態においては、上記先端部材18aが係止用溝20の内向き突縁22の内側面に対面するように反転して、固定部材18がそれと係止用溝20の内向き突縁22との間にスクリーン12を挟持固定する位置にトグル機構的に変位するように形成され、また、固定部材18の基部材18bが脚板16の側面に対面して固定部材18の姿勢を安定化するものとして構成されている(図3参照)。
上述したスクリーン12の押さえ部材14を用いて、上記網戸用枠体11に対してスクリーン12を張設するに際しては、先ず、枠体11上にスクリーン12を載置し、次いで、押さえ部材14を一つの係止用溝20上においてスクリーン12上に置き、上記連接部18cの内側が上記係止用溝20の各内向き突縁22の先端に対向する位置まで達するように、上記一対の固定部材18における先端部材18aを係止用溝20に先導的に挿入し、該押さえ部材14の係止用溝20に対する挿入開始位置を安定化させる。そして、その状態で上記押さえ部材14の覆板15を押圧すると、上記先端部材18aが係止用溝20の内向き突縁22の内側面に対面して、固定部材18がそれと係止用溝20の内向き突縁22との間にスクリーン12を挟持固定する位置にトグル機構的に変位し、上記固定部材18の基部材18bが脚板16の側面に対面して姿勢が安定化される。
上述のような張設作業により、上記スクリーン12を網戸用枠体11に対してより容易に且つ確実に、しかも安定的に緊張状態に張設することができる。
上記構成を有するスクリーン12の押さえ部材14によれば、その覆板15に垂設した脚板16と固定部材18とを弾性的可撓部17を介して連接し、それらによってスクリーン12を網戸用枠体11に対して張設するに際し、上記枠体11の係止用溝20内にトグル機構的に容易に押入固定することができるので、上記スクリーン12を枠体11に対して容易に且つ確実に固定することができ、しかも上記押さえ部材14の係止用溝20に対する押入開始位置が安定化するため、該押さえ部材14を係止用溝20に対してより安定的に押入することができる。
図4は、本発明に係るスクリーンの押さえ部材の第2実施例を示している。
このスクリーン12の押さえ部材14は、主たる構成は前記第1実施例の押さえ部材14と同様としているが、上記固定部材18と脚部16とを連結する弾性的可撓部17が、固定部材18側がテーパー状に厚肉化された強弾性部分17bを有するものとして構成されている。このように構成すると、該強弾性部分17bの弾性力がより強化されるので、当該押さえ部材14によるスクリーン12の固定をより安定的に行うことができる。
また、この押さえ部材14は、上記覆板15における脚板16の外側に、上記係止用溝20における内向き突縁22の外側面との間に挟持したスクリーン12に圧接する軟質の圧接部を一体に形成し、該圧接部を、上記係止用溝20における内向き突縁22の外側面との間に挟持するスクリーン12に弾性的に圧接する尖頭状の突条15aを有するものとしている。
このように構成すると、上記押さえ部材14の最終的な固定がほぼ完了する段階で、該押さえ部材14における覆板15の圧接部に突設した軟質の突条15aが、上記スクリーン12に対して弾性的に圧接され、それによって該スクリーン12の覆板15の圧接部と内向き突縁22の外側面との間に挟持するようにしているので、該突条15aとスクリーン12との間の摩擦力によって該スクリーン12がずれ動くのが抑制され、該スクリーンを安定的に固定することができる。
なお、この第2実施例のスクリーンの押さえ部材のその他の構成及び作用は、前記第1実施例と実質的に同様であるから、同一部分または相当部分に同一符号を付して、それらの説明を省略する。
本発明の第1実施例に係るスクリーンの押さえ部材を係止用溝に挿着した状態を示す断面図である。 同実施例において、スクリーンの押さえ部材が係止用溝に対する挿入開始位置にある状態を示す拡大断面図である。 図1の要部拡大断面図である。 本発明の第2実施例に係るスクリーンの押さえ部材を係止用溝に挿着した状態を示す拡大断面図である。
符号の説明
11 枠体
12 スクリーン
14 押さえ部材
15 覆板
15a 突条
16 脚板
17 弾性的可撓部
17a 部分
17b 強弾性部分
18 固定部材
18a 先端部材
18b 基部材
18c 連接部
20 係止用溝
22 内向き突縁

Claims (4)

  1. 一対の内向き突縁により口部を狭窄化して形成した枠体の係止用溝にスクリーンと共に押入することにより該スクリーンを上記枠体に固定するための合成樹脂製の押さえ部材であって、
    上記押さえ部材が、装着完了時に上記係止用溝を覆う覆板に、該係止用溝に挿入される脚板を垂設すると共に、該脚板の先端に薄肉化された弾性的可撓部を介して一対の固定部材を連接することにより構成され、
    上記一対の固定部材が、枠体に対するスクリーンの固定に際して、その係止用溝に先導的に挿入可能に形成された先端部材と、係止用溝への該先端部材の挿入後に該溝の口縁に係止することにより押圧されて上記弾性的可撓部のまわりで姿勢を変える方向に押圧される上記先端部材と一体の基部材とを有し、上記固定部材が、係止用溝への押さえ部材の装着完了時に、枠体との間でスクリーンを挟持固定する部分を有する、
    ことを特徴とするスクリーンの押さえ部材。
  2. 上記一対の固定部材が、それぞれ基部材と先端部材とを連接部においてL型をなすように連接され、上記連接部の外側または上記基部材が上記弾性的可撓部を介して脚板に連結されており、
    枠体に対するスクリーンの固定に際して、上記一対の固定部材における先端部材が係止用溝に先導的に挿入されると、上記連接部の内側が上記係止用溝の各内向き突縁の先端に対向する位置まで達するような形態に形成され、且つ、スクリーンの固定状態においては上記先端部材が係止用溝の内向き突縁の内側面に対面して、固定部材がそれと係止用溝の内向き突縁との間にスクリーンを挟持固定する位置に変位するように形成され、基部材が脚板の側面に対面して固定部材の姿勢を安定化するものとして構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーンの押さえ部材。
  3. 上記弾性的可撓部が、脚部との連結部分に最も薄肉化した部分を有し、該部分と固定部材との間に、強弾性部分を有する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のスクリーンの押さえ部材。
  4. 上記覆板における脚板の外側に、上記係止用溝における内向き突縁の外側面との間に挟持したスクリーンに圧接する軟質の圧接部を一体に形成し、
    該圧接部を、上記係止用溝における内向き突縁の外側面との間に挟持するスクリーンに弾性的に圧接する尖頭状の突条を有するものとした、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスクリーンの押さえ部材。
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