JP4855794B2 - 射出成形方法及び射出成形機 - Google Patents

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本発明は、射出成形方法及び射出成形機に関し、より具体的には、導光板、レンズやプリズム等の光を透過させて用いる光学部品の射出成形方法及びそのような樹脂光学部品の射出成形に用いられる射出成形機に関する。
近年、安定した特性の透明な樹脂が開発され、そのような樹脂の成形技術が発達してきている。これに伴い、CDプレーヤの光学ヘッドや、ビデオカメラ、カメラ付き携帯電話等の光学機器のレンズとしてプラスチックレンズが使用されるようになっている。
例えば、カメラ付き携帯電話のカメラ機構に用いられるプラスチックレンズは、サイズの小さいものが多い。このようなプラスチックレンズを射出成形機で成形する場合、成形用金型は、多数個取りとすることが一般的であり、例えば一つの金型で4個から6個のプラスチックレンズが形成される(例えば、特許文献1参照)。また、周縁の光源からの光を画面方向に反射させる役割を果たす導光板は、携帯電話や液晶ディスプレイに使用されている。
一回の成形サイクルで成形された複数のプラスチックレンズはランナで繋がっている。ランナは金型の樹脂注入口からキャビティの入り口であるゲートまで溶融した樹脂を導くための通路内で固化した樹脂であり、成形品としては不要な部分である。したがって、ランナで繋がったプラスチックレンズは、金型から取り出された後に、ゲートの部分でランナから切り離されて一つ一つのプラスチックレンズとなる。
特開平7−266391号公報
このような従来の成形方法では、プラスチックレンズ等の成形品に対して必ずランナが形成され、ランナを切り離す必要がある。プラスチックレンズのサイズが小さい場合、ランナ部分の樹脂量がプラスチックレンズの樹脂量に比較して大きくなる。即ち、金型内で固化する樹脂全体において、ランナ部分の樹脂量の割合が大きくなり、実際に成形品となる部分の樹脂量より廃棄する部分の樹脂量のほうが大きくなってしまう。
また、プラスチックレンズ等の光学部品に使用される樹脂には高い透明性や安定性が必要なため、高価な樹脂が多く、上述のように廃棄する部分が多いと、その分プラスチックレンズの製造コストを引き上げてしまう。
また、成形品を金型から取り出した後にランナを切り離す工程が必要であり、この工程の分、製造コストが余計にかかってしまう。
かかる観点より、金型内のランナ部が溶融状態で維持されるように、ランナ部を常時加熱し、金型のキャビティに充填された溶融樹脂を冷却して固化させるときには、ランナと固化させる成形品部分(キャビティ内)とをゲート遮断用のピンを用いて遮断するするホットランナ方式の樹脂成形が提案されている。ホットランナ方式の樹脂成形では、固化したランナ部が形成されず、高価な光学部品用の樹脂をランナ部として廃棄することを防止することができる。
しかしながら、このようなホットランナ方式の樹脂成形、特に、サイズの小さいプラスチックレンズを製造するための超小型ホットランナ方式の樹脂成形では、従来はゲート付近の応力等に関係なく、ランナと固化させる成形品部分(キャビティ内)とをゲート遮断用のピンを用いて遮断(閉鎖)又は開放されていた。
従って、射出成形における保圧工程において、キャビティに充填された樹脂の冷却固化や圧力損失に因りキャビティ圧力は射出圧力を下回り、更に、成形に必要な一定のキャビティ圧力を保持することができなかった。そのため、ひけ等の成形不良を招くおそれがあった。
そこで、本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、ランナとキャビティとをゲート遮断用のピンを用いて遮断(閉鎖)又は開放する射出成形方法であって、ひけ等の成形不良の発生を防止することができる射出成形方法及びそのような射出成形方法を実現する射出成形機を提供することを目的とする。
本発明の一観点によれば、ランナとキャビティとをゲート遮断用のバルブピンを用いて遮断又は開放する射出成形方法であって、射出成形における保圧工程が開始された後に、前記バルブピンにより前記キャビティに対し略一定のバルブピン圧力をかけることを特徴とする射出成形方法が提供される。また、本発明の他の観点によれば、ランナとキャビティとをゲート遮断用のバルブピンを用いて遮断又は開放する射出成形方法であって、前記キャビティの内部の圧力が、予め定められたバルブピン圧力よりも高い場合に、前記バルブピンにより前記キャビティに対し略一定の前記バルブピン圧力をかけることを特徴とする射出成形方法が提供される。
本発明の別の観点によれば、ランナと、キャビティと、ゲート遮断用のバルブピンと、を有する金型装置を備えた射出成形機であって、当該射出成形機の成形動作を制御する制御部を更に備え、前記制御部により、射出成形における保圧工程が開始された後に、前記キャビティに略一定のバルブピン圧力をかけるように前記バルブピンが制御されることを特徴とする射出成形機が提供される。また、本発明の他の観点によれば、ランナと、キャビティと、ゲート遮断用のバルブピンと、を有する金型装置を備えた射出成形機であって、当該射出成形機の成形動作を制御する制御部を更に備え、前記制御部により、前記キャビティの内部の圧力が予め定められたバルブピン圧力よりも高い場合に、前記キャビティに略一定の前記バルブピン圧力をかけるように前記バルブピンが制御されることを特徴とする射出成形機が提供される。
本発明によれば、ランナとキャビティとをゲート遮断用のピンを用いて遮断(閉鎖)又は開放する射出成形方法であって、ひけ等の成形不良の発生を防止することができる射出成形方法及びそのような射出成形方法を実現する射出成形装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の一実施の形態によるプラスチックレンズ等の成形品の射出成形について、図面を参照しながら説明する。
まず、本実施の形態による射出成形を行なう射出成形機の概要について説明する。図1は本発明の実施の形態による射出成形を行なう射出成形機の側面図である。
図1に示す電動射出成形機1は、射出装置10及び型締装置20から構成される。
射出装置10は、加熱シリンダ11を備え、加熱シリンダ11にはホッパ12が設けられる。加熱シリンダ11内にはスクリュ13が進退自在かつ回転自在に設けられる。スクリュ13の後端は支持部材14によって回転自在に支持される。支持部材14にはサーボモータ等の計量モータ15が駆動部として取り付けられる。計量モータ15の回転は出力軸に取り付けられたタイミングベルトを介して被駆動部のスクリュ13に伝達される。
射出装置10はスクリュ13に平行なねじ軸17を有する。ねじ軸17の後端は、タイミングベルトを介して、射出モータ19の出力軸に連結されている。したがって、射出モータ19によってねじ軸17を回転させることができる。ねじ軸17の前端は支持部材14に固定されたナットに係合している。射出モータ19を駆動し、タイミングベルトを介してねじ軸17を回転させると、支持部材14は前後進可能となり、その結果、被駆動部のスクリュ13を前後移動させることができる。
型締装置20は、可動金型21Aが取り付けられる可動プラテン22と、固定金型21Bが取り付けられる固定プラテン24とを有する。可動金型21Aと固定金型21Bとで、後述する本実施の形態による金型装置23が構成される。可動プラテン22と固定プラテン24とは、タイバー25によって連結される。可動プラテン22はタイバー25に沿って摺動可能である。また、型締装置20は、一端が可動プラテン22と連結し、他端がトグルサポート26と連結するトグル機構27を有する。トグルサポート26の中央部において、ボールねじ軸29が回転自在に支持される。ボールねじ軸29には、トグル機構27に設けられたクロスヘッド30に形成されたナット31が係合している。また、ボールねじ軸29の後端にはプーリー32が設けられ、サーボモータ等の型締モータ28の出力軸33とプーリー32との間には、タイミングベルトが設けられている。
型締装置20において、駆動部である型締モータ28を駆動すると、型締モータ28の回転がタイミングベルト34を介してボールねじ軸29に伝達される。そして、ボールねじ軸29及びナット31によって、回転運動から直線運動に変換され、トグル機構27が作動する。トグル機構27の作動により、可動プラテン22はタイバー25に沿って移動し、型閉じ、型締め及び型開きが行なわれる。型締モータ28の出力軸33の後端には、位置検出器35が接続されている。位置検出器35は、型締モータ28の回転数又は回転量を検出することにより、ボールねじ軸29の回転に伴って移動するクロスヘッド30又はトグル機構27によってクロスヘッド30に連結された可動プラテン22の位置を検出する。
また、本実施の形態では、電動射出成形機1に制御部40が設けられる。制御部40は、射出装置の計量モータ15及び射出モータ19を制御し、また、型締装置20の型締モータ28を制御する。制御部40は更に、射出モータ19に取り付けられたロードセル2により検出されたスクリュ13の押圧力の値、及び可動金型型板部83(図2参照)の外部に設けられたキャビティ内圧測定センサ3(図1及び図2参照)により検出されたキャビティ52内の圧力の値を収集し、ピン61a(図2及び図3参照)によりキャビティ52(図2及び図3参照)に対して作用させる圧力を制御する。これについては後述する。
次に、本実施の形態による金型装置23について、図2を参照しながら説明する。図2は、可動プラテン22及び固定プラテン24に取り付けられた金型装置23を示す断面図である。
本実施形態の金型装置23は、プラスチック製の凸レンズ、凹レンズ、プリズム等、様々な光学部品の成形に用いることができる金型装置である。
金型装置23はいわゆるホットランナ方式の金型装置であり、通常のコールドランナ方式において成形品に付帯して形成されるランナ部(固化した樹脂部分)は形成されない。
ホットランナ方式では、金型内のランナ部が溶融状態で維持されるように、ランナ部を常時加熱している。従って、金型のキャビティに充填された溶融樹脂を冷却して固化させるときには、ランナと固化させる成形品部分(キャビティ内)とを遮断する機構を設ける必要がある。この遮断する機構が、図2におけるゲートバルブ機構60に相当する。但し、図2においては、図示が複雑になるのを防止するために、ゲートバルブ機構60の詳細は図3に示す。
図2において、可動金型21Aと固定金型21Bとの境目(いわゆるパーティングライン)が太線PLで示されている。太線PLの左側が可動金型21Aであり、右側が固定金型21Bである。図2に示す状態は金型装置23が型閉した状態であり、型開する場合は可動金型21Aが図2中左向きに移動する。
可動金型21Aは、可動プラテン22に取り付けられる可動金型取付板部81と、端面が前記パーティングラインを形成する可動金型型板部83との間に、可動金型中板部82を設けた構造を有する。また、可動金型取付板部81と可動金型中板部82との間の上部および下部には、図示を省略するエジェクタのスペーサブロック87が夫々形成されている。スペーサブロック87に周囲を囲まれた部分には空間が形成されており、当該空間に、後述する中子21Aaの後端部に接続された成形品突き出しロッド86と、当該取出ロッド86の後端部を挟持する第1の突き出しプレート84及び第2の突き出しプレート85とが移動自在に設けられている。
固定金型21Bは、固定プラテン24に取り付けられる固定金型取付板部91と、端面が前記パーティングラインを形成する固定金型型板部93との間に、固定金型中板部92を設けた構造を有する。
また、固定金型21Bには、成形品の外形を形成するための中子21Baが設けられている。可能金型21Aには成形品の外形を形成するための中子21Aaが設けられている。中子21Aa及び中子21Baにより金型装置23が閉じた際にキャビティ52が形成される。
キャビティ52に溶融樹脂を充填して冷却・固化させることにより、成形品50が形成される。金型装置23内で溶融樹脂が固化して成形品50を成形後、可動金型21Aが移動(型開)すると、中子21Aaは可動金型21Aの移動に連動して、図2中、左側に移動するが、成形品突き出しロッド86を介して中子21Aaを右側に移動することにより、キャビティ52内で固化した成形品50は可動金型21Aから分離して取り出すことができる。
固定金型21Bには、図1に示す射出装置10から溶融した樹脂が供給される。固定金型21Bの内部に連結管94が設けられ、当該連結管94の内部には、溶融した樹脂を流してキャビティ52に導くための通路(ランナ)53が形成されている。
連結管94の内部であってランナ53の周囲にはランナ53を加熱するためのヒータ96が複数配置されている。ランナ53内の樹脂の溶融状態が保たれるように、固定金型21B内に埋め込まれた図示を省略する温度センサの検出値をもとに、ヒータ96の温度制御が行なわれている。連結管94の外周部には、断熱層95が形成され、ヒータ96の熱が固定金型21Bへの熱伝導が防止されている。
ランナ53の一端は、固定金型21Bの側面に形成されたノズルタッチ部54に接続される。ノズルタッチ部54には加熱シリンダ11の先端のノズル99が接続され、加熱シリンダ11で溶融されて計量された樹脂が、スクリュ13(図1参照)により加圧され、ノズル99から射出されてランナ53に供給される。なお、スクリュ13の押圧力(以下、「射出圧力」という)P1は、ロードセル2(図1参照)により検出され、その検出値が制御部40に集められる。
ランナ53の他端はゲート通路55に接続されており、ゲート通路55は、周囲をゲートブッシュ100に囲まれたゲート56を介してキャビティ52に接続されている。従って、ランナ53に供給された溶融樹脂はゲート通路55とゲート56を介してキャビティ52に充填される。キャビティ52内の圧力(以下、「キャビティ内圧」という)P2は、可動金型型板部83の外部に設けられたキャビティ内圧測定センサ3により検出され、その検出値が制御部40に集められる。
なお、ゲート通路55には上述のようにゲートバルブ機構60が設けられておりゲート56を開放又は閉鎖できる。ゲートバルブ機構60は、ゲート通路55内に移動可能に位置するシャットオフ手段としてのバルブ61と、バルブ61を駆動する駆動機構62とを有する。
バルブ61は第1のバルブプレート101と第2のバルブプレート102とに挟持され、第1のバルブプレート101及び第2のバルブプレート102は、バルブ61と連動して移動可能である。
ところで、図3は、バルブ61の先端部分及びその付近と、ゲートバルブ機構60の駆動機構62とを表した図である。
図3に示さされるように、樹脂が流通するゲート通路55は、ゲート通路収容管210に収容されている。ゲート通路収容管210の下部であって、ゲート56の手前には、樹脂溜まり212が設けられている。樹脂溜まり212は、ゲート通路55を介して送られてきた溶融樹脂を保持する空間であり、樹脂により断熱層を形成してゲート通路55側が加熱され、キャビティ52側が冷却される際の熱の移動が抑制される。
バルブ61の先端部分のピン61aはゲート56の内径に遊嵌する外径dに形成されており、ピン61aがゲート56に挿入されるとゲート56が閉鎖され、ゲート通路55とキャビティ52との間は遮断される。図2及び図3に示す状態は、ピン61aがゲート56に挿入されておらず、ゲート56が開放されている状態である。
ゲートバルブ機構60は、エアシリンダである開閉動作用シリンダ300で駆動されバルブ61を往復移動する。
圧縮空気が、空気供給排出口150又は152から供給されることにより、後部の径として径Dを有する開閉動作用ピストン302が図中矢印方向に移動する。
具体的には、圧縮空気が空気供給排出口150から開閉動作用ピストン302の後部に供給されることにより、開閉動作用ピストン302はバルブ61と共に開閉動作用シリンダ300の内部を前進する。また、圧縮空気が空気供給排出口152から供給されることにより、開閉動作用ピストン302は開閉動作用シリンダ300の内部をバルブ61と共に後退する。
なお、バルブ61の移動方向は、図2及び図3に示すようにパーティングラインPLに対して平行(即ち、金型開閉方向に対して垂直方向)とされ、パーティングライン上にゲート56が位置する。通常、成形品のパーティングラインに相当する面(パーティング面と称する)は、面の精度や品質が確保しにくいため、機能を有する面にすることはなく、図2及び図3に示す構成とすれば、パーティング面にゲート56が開口するように構成することができる。
ところで、図4は、本実施形態における、成形工程(時間経過)と、ピンの動作(位置)、射出圧力、ゲート内圧、及びピンにより加えられる圧力と、の関係を示したグラフ(その1)であり、図5は、本実施形態における、成形工程(時間経過)と、ピンの位置、射出圧力、ゲート内圧、及びピンにより加えられる圧力と、の関係を示したグラフ(その2)である。
図4−(A)及び図5−(A)は、成形工程(時間経過)と、ピンの動作(位置)との関係を示したグラフであり、図4−(A)及び図5−(B)は、成形工程(時間経過)と、射出圧力、ゲート内圧、及びピンにより加えられる圧力との関係を示したグラフである。何れのグラフとも、横軸に示す成形工程(時間経過)は共通している。
まず、図4を参照する。
上述のように、ロードセル2により検出されるスクリュ13の押圧力である射出圧力P1と、キャビティ内圧測定センサ3により検出されるキャビティ52のキャビティ内圧P2と、が同一の値を有することが理想である。
しかしながら、スクリュ13により加圧された溶融樹脂はランナ53、ゲート通路55、及びゲート56という長い経路を介してキャビティ52に充填されるため、溶融樹脂がキャビティ52に至る迄の間に圧力損失(図4−(B)におけるPloss)が生じる。従って、実際にはキャビティ内圧P2は射出圧力P1を下回っている(P2<P1)。また、型閉めにより、キャビティ52に充填された溶融樹脂は冷却され固化されるため、キャビティ内圧P2は降下し続ける(図4−(B)におけるPdown)。
この場合、従来のように、ゲート56付近の応力等に関係なくランナ53とキャビティ52内とをゲート遮断用のピン61aを用いて遮断(閉鎖)又は開放すると、キャビティ52内において良好な成形に必要な一定の圧力を保持することができず、その結果、ひけ等の成形不良を招くおそれがある。
そこで、本実施形態では、溶融樹脂のキャビティへの充填工程後ゲートが固化するまで圧力をかけてキャビティを保持し当該キャビティ中の溶融樹脂の逆流に因る充填圧力の低下を防止する工程、即ち、保圧工程が開始された後、又は、キャビティ内圧測定センサ3により検出されたキャビティ内圧P2が、バルブ61のピン61aがキャビティ52に対して作用する圧力(以下では、「バルブピン圧力」という)P3よりも高い場合に、制御部40において、キャビティ52に対し当該バルブピン圧力P3をかけ始めている。なお、図4−(B)では、バルブピン圧力P3は一点鎖線で示されている。
バルブピン圧力P3は、成形品の大きさ・形状等に基づいて定まり、成形機1のオペレータが制御部40にその値が設定される。
具体的には、バルブピン圧力P3は、開閉動作用ピストン302を前進移動させるために開閉動作用シリンダ300内において開閉動作用ピストン302の後部に対して供給される圧縮空気の圧力Pairに、当該圧縮空気の圧力Pairが作用する開閉動作用ピストン302の後部の平面の面積A(当該開閉動作用ピストン302の後部の径Dを用いて算出される)を乗じ、これを、開閉動作用ピストン302に接続しているバルブ61の先端に設けられたピン61aがキャビティ52に接する面の面積A(ピン61aの外径dを用いて算出される)で除すことによって(Pair×A/A)により算出され、その値は略一定である。
キャビティ内圧P2がバルブピン圧力P3がよりも大きい場合(P2>P3)には、ピン61aをキャビティ52方向に前進させることはできないが、キャビティ内圧P2がバルブピン圧力P3と等しくなると(P2=P3)、ピン61aはゲート56を遮断し始め、キャビティ内圧P2がバルブピン圧力P3よりも小さくなると(P2<P3)、ピン61aはゲート56を遮断する。
図4を再度参照するに、保圧工程が開始された後、又は、キャビティ内圧P2がバルブピン圧力P3よりも高い場合に、制御部40において、キャビティ52に対して略一定の当該バルブピン圧力P3を作用させると、降下していたキャビティ内圧P2は、時間T1の時点でバルブピン圧力P3と等しくなる。この時ピン61aは、開いていたゲート56を遮断(閉鎖)し始める。
バルブピン圧力P3をキャビティ52に対して更に作用させ続けると、キャビティ内圧P2は図4−(B)において太線及び「P3あり」と示された挙動を示す。即ち、バルブピン圧力P3をキャビティ52に対して作用させない場合は、図4−(B)において「P3なし」と記載された挙動のようにキャビティ内圧P2は降下し続ける。しかしながら、バルブピン圧力P3をキャビティ52に対して作用させることにより、時間T1乃至時間T2の期間、キャビティ内圧P2はバルブピン圧力P3と略同一の一定の値に保持され、時間T1乃至時間T2の期間はキャビティ内圧保持期間Tholdとなる。
時間T2が経過すると、キャビティ内圧P2は再度降下し始めるが、時間T2の時点でピン61aはゲート56を完全に遮断する。
なお、保圧工程終了後、バルブピン圧力P3をゼロになるように急降下させ、また、冷却工程中の所定時にキャビティ内圧P2はゼロとなる。
このように、本実施形態では、保圧工程が開始された後、又は、キャビティ内圧P2がバルブピン圧力P3よりも高い場合に、制御部40において、キャビティ52に対して略一定の当該バルブピン圧力P3を作用させ続け、キャビティ内圧P2がバルブピン圧力P3と略等しくなると、一定期間、キャビティ内圧P2はバルブピン圧力P3と略同一の一定の値に保持される。そして、キャビティ内圧P2がバルブピン圧力P3と略同一の一定の値に保持されている期間中に、ピン61aによるキャビティ52の遮断(閉鎖)動作が行われる。従って、キャビティ52内において良好な成形に必要な一定の圧力を保持することができ、ゲート56及びその近傍が最適な状態を得ることができ、ひけ等の成形不良の発生を防止することができる。
ところで、上述の溶融樹脂がキャビティ52に至る迄の間に生じる圧力損失Ploss及びキャビティ52に充填された溶融樹脂の冷却固化の影響に因る圧力降下Pdownの値は常に一定とは限らず、各成形品の成形ごとにバラつきが生じ得る。
図5に示す例では、キャビティ52に至る迄の間に生じる圧力損失Ploss’の値は、図4に示す圧力損失Plossの値よりも小さく、また、キャビティ52に充填された溶融樹脂の冷却固化の影響に因る圧力降下Pdown’の値は、図4に示す圧力降下Pdownの値よりも大きい。
図5に示す例においても、保圧工程が開始された後、又は、キャビティ内圧P2’がバルブピン圧力P3よりも高い場合に、制御部40において、キャビティ52に対して略一定の当該バルブピン圧力P3をかけると、降下していたキャビティ内圧P2’は、時間T1’の時点でバルブピン圧力P3と等しくなる。この時ピン61aは、開いていたゲート56を遮断(閉鎖)し始める。
バルブピン圧力P3をキャビティ52に対して更に作用させ続けると、キャビティ内圧P2’は図5−(B)において太線で及び「P3あり」と示された挙動を示す。即ち、バルブピン圧力P3をキャビティ52に対して作用させない場合は、図5−(B)において「P3なし」と記載された挙動のようにキャビティ内圧P2’は降下し続ける。しかしながら、バルブピン圧力P3をキャビティ52に対して作用させることにより、時間T1’乃至時間T2の期間、キャビティ内圧P2’はバルブピン圧力P3と略同一の一定の値に保持され、時間T1’乃至時間T2の期間はキャビティ内圧保持期間Thold’となる。この図5に示すキャビティ内圧保持期間Thold’は、図4に示すキャビティ内圧保持期間Tholdはよりも短いが、図5に示す例においても、時間T2が経過するとキャビティ内圧P2’は再度降下し始め、また、時間T2の時点でピン61aはゲート56を完全に遮断する。
なお、保圧工程終了後、バルブピン圧力P3をゼロになるように急降下させ、また、冷却工程中の所定時にキャビティ内圧P2’はゼロとなる。
このように、図5に示す例においても、保圧工程が開始された後、又は、キャビティ内圧P2’がバルブピン圧力P3よりも高い場合に、制御部40において、キャビティ52に対して略一定の当該バルブピン圧力P3をかけ続け、キャビティ内圧P2’がバルブピン圧力P3と略等しくなると、一定期間、キャビティ内圧P2’はバルブピン圧力P3と略同一の一定の値に保持される。そして、キャビティ内圧P2’がバルブピン圧力P3と略同一の一定の値に保持されている期間中に、ピン61aによるキャビティ52の遮断(閉鎖)動作が行われる。
従って、上述の溶融樹脂がキャビティ52に至る迄の間に生じる圧力損失及びキャビティ52に充填された溶融樹脂の冷却固化の影響に因る圧力降下の値において、各成形品の成形ごとにバラつきが有っても、キャビティ52に対して略一定の当該バルブピン圧力P3を作用させることにより、キャビティ内圧P2’がバルブピン圧力P3と略同一の一定の値に保持されている期間を設けることができるため、前記バラつきを補正することができる。
よって、本実施形態によれば、前記圧力損失及び前記圧力降下の値において、各成形品の成形ごとにバラつきが有っても、キャビティ52内において良好な成形に必要な一定の圧力を保持することができる。従って、ゲート56及びその近傍が最適な状態を得ることができ、ひけ等の成形不良の発生を防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
上述の実施の形態では、キャビティ52に対してバルブピン圧力P3を作用させるピン61aを先端に備えたバルブ61を駆動する駆動源としてエアシリンダを用いたが、これに限られるものではなく、回転モータと直線駆動機構を組み合わせた駆動機構や、リニアモータを用いることもでき、かかる駆動源の動作を制御することにより、キャビティ52に対してバルブピン圧力P3をかけたり、バルブピン圧力P3を解除することができる。
また、キャビティ52に対してバルブピン圧力P3を多段状に、即ち、時間経過と共にバルブピン圧力36を変化させて作用させてもよい。
更に、1つの金型に複数のキャビティを備えた多数個取りの金型に本発明を適用することもできる。この場合、従来のようにバルブピンを用いない場合には、スクリュによる保圧だけでは、キャビティごとに圧力損失のばらつきを生じてしまい、各キャビティの成形品に重量や密度にばらつきが発生してしまう。
しかしながら、各キャビティのそれぞれにバルブピンを設けることにより、各バルブピンは単独の圧力制御を行うことが可能となる。その結果、各キャビティ内へ充填された成形材料に、それぞれのキャビティに設けられたバルブピンによって圧力を印加することができる。従って、各キャビティにバルブピンを設け、当該バルブピンごとの単独の圧力制御を行うことにより、キャビティごとの成型品の重量のばらつきを低減することが可能となる。
本発明の実施の形態による射出成形を行なう射出成形機の側面図である。 可動プラテン及び固定プラテンに取り付けられた金型装置を示す断面図である。 バルブの先端部分及びその付近と、ゲートバルブ機構の駆動機構とを示した図である。 本実施形態における、成形工程(時間経過)と、ピンの動作(位置)、射出圧力、ゲート内圧、及びピンにより加えられる圧力と、の関係を示したグラフ(その1)である。 本実施形態における、成形工程(時間経過)と、ピンの位置、射出圧力、ゲート内圧、及びピンにより加えられる圧力と、の関係を示したグラフ(その2)である。
符号の説明
1 射出成形機
2 ロードセル
3 キャビティ内圧測定センサ
21A 可動金型
21B 固定金型
23 金型装置
40 制御部
50 成形品
52 キャビティ
56 ゲート
61a ピン
61 バルブ

Claims (6)

  1. ランナとキャビティとをゲート遮断用のバルブピンを用いて遮断又は開放する射出成形方法であって、
    射出成形における保圧工程が開始された後、キャビティ内圧がバルブピン圧力よりも高い場合に、前記バルブピンにより前記キャビティに対しバルブピン圧力をかけ、前記キャビティ内圧が前記バルブピン圧力と略等しくなると、前記バルブピンによる前記キャビティの遮断動作を行い、ゲートを完全に遮断するまで前記キャビティ内圧前記バルブピン圧力と略同一の値に保持する、
    ことを特徴とする射出成形方法。
  2. 請求項1記載の射出成形方法であって、
    前記キャビティ内圧が前記バルブピン圧力と略同一になると、前記バルブピンによる前記ランナと前記キャビティの遮断が開始されることを特徴とする射出成形方法。
  3. 請求項1又は2記載の射出成形方法であって、
    前記キャビティの遮断動作が行われた後、所定期間が経過する際に、前記バルブピンにより前記ランナと前記キャビティとが完全に遮断されることを特徴とする射出成形方法。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項記載の射出成形方法であって、
    前記保圧工程終了後、前記バルブピン圧力を降下させることを特徴とする射出成形方法。
  5. 請求項1乃至4いずれか一項記載の射出成形方法であって、
    前記キャビティは複数形成され、
    前記複数のキャビティに対応した複数の前記バルブピンにより前記バルブピン圧力をかけることを特徴とする射出成形方法。
  6. ランナと、キャビティと、ゲート遮断用のバルブピンと、を有する金型装置を備えた射出成形機であって、
    当該射出成形機の成形動作を制御する制御部を更に備え、
    前記制御部により、
    射出成形における保圧工程が開始された後、キャビティ内圧がバルブピン圧力よりも高い場合に、前記キャビティに対しバルブピン圧力をかけ、前記キャビティ内圧が前記バルブピン圧力と略等しくなると、前記バルブピンによる前記キャビティの遮断動作を行い、ゲートを完全に遮断するまで前記キャビティ内圧前記バルブピン圧力と略同一の値に保持するように前記バルブピンが制御されることを特徴とする射出成形機。
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