JP4855539B2 - 微粉炭燃焼ボイラを用いたバイオマスの利用装置およびそれを用いたバイオマスの利用方法 - Google Patents

微粉炭燃焼ボイラを用いたバイオマスの利用装置およびそれを用いたバイオマスの利用方法 Download PDF

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Description

本発明は、バイオマスを効率よく熱分解し、ガス、タールおよび炭化物を微粉炭燃焼ボイラで使用する、バイオマス利用方法および装置に関するものである。
本願は、2008年10月22日に、日本に出願された特願2008−272155号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、化石系燃料(石炭、石油、重油、天然ガス、液化石油ガス等)のエネルギーを利用している分野では、地球温暖化の防止(特に二酸化炭素削減)を狙いとする多くの具体的提案がある。主な方法としては、燃焼バーナーを高効率タイプの燃焼バーナーに変更するなどしてエネルギー転換効率を上げることで、化石系燃料の使用量自体を減らす方法と、主に炭素を含み、発熱量を持つ廃棄物(バイオマスや廃プラスティックなど)を代替エネルギー源として使用して従来使用していた化石系燃料の使用量を削減することで、トータルとして二酸化炭素を削減する方法と、がある。後者の方法においては基本的には二酸化炭素の発生量自体は変わらない。しかし、カーボンニュートラルである後者の方法によれば、地球的にみて二酸化炭素発生をカウントしなくてよい。また、燃焼処分等で無駄に熱と二酸化炭素を発生する廃棄物をエネルギーとして有効に使用することで、使用する予定だった化石系燃料を削減できる。従って、後者の方法は3R(Reduce,Reuse,Recycle)のコンセプトにも合致し、地球規模での化石系燃料の利用削減に貢献する。
バイオマスや廃棄物の処理の代表的な例としては、焼却設備に蒸気発電を組み合わせて電力を回収するゴミ焼却発電方式が挙げられる。しかし、(I)水分が多く発熱量が低い(例えばバイオマス、一般ゴミ等の場合)、(II)発熱量は高いが高効率操業ができない(例えば塩素を含有する廃プラスティック等の場合)、(III)経済的収集可能な量が限られる、等の理由で、廃棄物発電による送電端効率は、10〜15%に留まることが一般的である。因みに、たとえば化石系燃料を使用した微粉炭燃焼発電による送電端効率は、41〜42%が一般的である。これを解決する技術として、ボイラ材質改良、原料調整(RDF化)、外部燃料使用による効率向上(スーパーゴミ発電)等により、20%〜30%近くの送電端効率で発電する高効率焼却炉技術が提案され、実機化されている。しかし、これら高効率型の設備は、原料の事前処理やボイラ材質の向上、外部燃料(化石燃料)導入等の追加要素が必要であり、また廃棄物中の塩素(主に廃プラスティック由来)の対処にコストがかかる等、設備コスト高・運用コスト高、原料適用制限(対象原料の限定等)等で問題がある。電力使用増、水処理エネルギー増等操業エネルギーの増加や設備製造・工事にかかるエネルギーの増加等を考えた場合、これらの過程で発生する二酸化炭素を含めると、廃棄物利用による二酸化炭素削減を考慮しても、必ずしも二酸化炭素削減とならない場合や、エネルギーとしては増エネルギーになる場合が多くみられ、結果的に、廃棄物を「処理するだけ」の設備となりやすい。
一方、発電や熱・蒸気の生成を行なう微粉炭燃焼ボイラにバイオマス(木材、下水汚泥など)を混焼させる方式も開発されている。大量の石炭に少量(数%以下)のバイオマスを混合し、大規模石炭燃焼の高効率を享受しながら石炭を代替することで二酸化炭素削減を実現するこの方式は、現実的な技術として確立した。ここで言う微粉炭燃焼ボイラは、気流搬送可能なサイズに石炭破砕機で破砕されて、搬送ガスとともに燃焼ボイラに吹き込まれた石炭を、酸素含有ガス(空気、酸素富化空気等)で燃焼する。そして、燃焼熱がボイラの熱交換機で蒸気として回収される。蒸気は、蒸気タービンで電力に変換されたり、そのまま蒸気として熱利用されたりする。バイオマスを利用するとき、気流搬送のため石炭と同様な粒度に破砕する目的で石炭破砕機に直接入れた場合、破砕性の悪化から生産性を低下させたり(例えば木材)、乾燥・造粒・炭化などの前処理が必要だったり(例えば下水汚泥)、石炭に比べ水分が多く、低反応性・低発熱量の原料がボイラで燃焼することでボイラ効率を低下させたり(例えば木材、下水汚泥)する等の影響があり、バイオマスの混合率を高くできないという欠点を持つ。
これらの欠点に対する改善手段として、特許文献1は、微粉炭燃焼ボイラに木材を投入するにあたり、専用の粉砕、乾燥装置を持ち、乾燥をボイラ燃焼排ガスの熱で行うことでボイラ効率の低下や増エネルギーを低く抑えることを可能にした設備、方法を開示している。また特許文献2は、直接ボイラに投入された燃焼性の悪い木材(バイオマス)のうち、反応が不十分でボイラ下部へ落下した木材を回収して石炭側ミルに投入することで(木材が乾燥・加熱され、破砕性が改善させる)、総合的な粉砕動力を抑えることを可能にした設備、方法を開示している。
また、近年提案されている技術の中には、バイオマスを直接燃焼して熱利用するのではなく、熱分解(炭化)や部分燃焼して利用する方法がある。この方法は、前述の欠点に対する対応策というより、廃棄物中の特に廃プラスティックに含まれる塩素分の除去による生産性向上等の効果を狙ったものであるが、本発明を含む、熱分解工程を持つプロセスの一つであるため、参考技術として示す。このタイプは、(A)最低限の熱で熱分解し、生成するガス、炭化物を原燃料として使用するタイプと、(B)部分燃焼させてガス燃料として使用するタイプと、に大別される。
(A)(B)とも、一度別の形(ガスや炭化物)に転換することで、単に燃焼するより総合効率の向上が見込まれるという効果や、ガスという形にすることで不適物(塩酸等)除去やハンドリング等自由度増加(ガスなので基本的に配管で取り回せる)によるメリットを享受できるという効果を有する。
本発明は主に前者の効果が大きく、且つ、(A)のタイプに属する。特許文献3、特許文献4は後者の効果が大きい。特許文献3は(A)のタイプに属し、炭化に主眼を置き、炭化物を石炭とともに事業用ボイラで燃焼するシステム(ガスは燃焼して間接加熱により熱分解熱源とする)を開示する。この特許文献3が開示するシステムにおいては、熱分解して発生する塩素分をボイラに入れないようにすることで(加熱により炭化物には塩素はほとんど残らず、またガスはボイラに入らず燃焼熱利用されるとしている)、処理廃棄物利用時のボイラトラブル(腐食等)を回避している。さらに特許文献4は(B)のタイプに属し、部分燃焼したガス中の塩素を除去し、ボイラで燃焼するシステム(ガス中のチャーは、石炭と混合してボイラで利用する)を開示している。この特許文献4が開示するシステムにおいては、塩素分に関しては、全塩素の半分ほどを占める無機系塩素の大部分がチャーに残留するが、ガス中塩素を除去することで二倍以上処理できる。
日本国特開2005−291526号公報 日本国特開2005−291531号公報 日本国特開2000−283431号公報 日本国特開2000−283434号公報
特許文献1では、燃焼排ガスの顕熱利用によって、破砕・乾燥の木材前処理で使用するエネルギーの低下を抑えている。しかし、乾燥しただけでは水分によるボイラ効率低下分は防げるものの、木材の低反応性・低発熱量(石炭と比較)によるボイラ効率低下分は防げない。特許文献2の技術では、全体の破砕動力の低減は可能であるものの、反応が不十分な木材を回収するときにロスするエネルギー(持ち出し顕熱ロス、輸送にかかる動力)があり、あまり有利な方法とはいえない。特許文献3、特許文献4に関しては、塩素(塩酸腐食)によるデメリットを抑える目的が主である技術であり、効率向上に主眼をおいていない技術である。たとえば特許文献3の技術では、わずかな炭化物(概略発熱量ベースで、プラスティック、紙類で数%、木材で15%、都市ゴミで30%程度)を得るために、熱分解生成した揮発分を燃焼して熱分解熱源としており、燃焼ボイラ側の効率低下はほとんどないものの(投入するのは炭化物)、廃棄物熱量の数%〜約30%しか使えない。特許文献4の技術では、ガス化炉(実施例では流動床で空気による部分燃焼タイプ)を空気比(即ち、実際に投入する空気量と理論空気量との比であり、理論空気量は、供給している燃料が完全燃焼するのに必要な酸素量を供給している空気量である)1.0〜1.3で操業し、一酸化炭素などを含んだ可燃性ガスと炭化物を製造し、ガスと炭化物を分離後、各々ボイラに投入している。空気比が1以上であり、炭化物も生成することから、ガスの主成分は二酸化炭素と水蒸気と窒素(燃焼用空気由来)である。そのガス中には数%以下の一酸化炭素が含まれると推測されるため、ガス発熱量は500kcal/Nm―dry以下と見積もられる。従って、この方法は燃焼ボイラの効率低下を伴ってしまう。
本発明は、これら従来技術の課題点を解決し、シャフト型熱分解炉の特長を活かして廃棄物を高効率で熱分解し、ガス、タール、炭化物を余すところなくボイラで燃焼使用することで、効率的な、微粉炭燃焼ボイラでのバイオマス利用方法および装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
(1)本発明のバイオマスの利用装置は、バイオマスを熱分解用ガスにより熱分解又は部分酸化して、熱分解ガス、熱分解タール、及び炭化物を生成すると共に、前記熱分解ガス及び前記熱分解タールを炉頂から排出し、前記炭化物を炉底から排出する対向流熱交換方式のシャフト型熱分解炉と;微粉炭を燃焼して蒸気を生成する微粉炭燃焼ボイラと;前記熱分解ガス及び前記熱分解タールを前記シャフト型熱分解炉から前記微粉炭燃焼ボイラへと送る配管と;を備えたバイオマスの利用装置であって、前記シャフト型熱分解炉における熱分解用ガスの供給は、炉内にある前記炭化物の一部を燃焼させて熱分解用ガスとするための酸素含有ガスの投入、あるいは、炉外で生成された1000〜1200℃の熱分解用ガスの供給によってなされ、且つ、前記炉頂から排出される熱分解ガス及び熱分解タールの温度を300〜600℃に制御すること;を含む。
(2)前記(1)に記載のバイオマスの利用装置では、前記微粉炭燃焼ボイラが、燃料となる石炭を微粉炭化する石炭粉砕装置を備え;前記石炭粉砕装置は、前記シャフト型熱分解炉で生成された前記炭化物を、前記石炭粉砕装置へと搬送する第1の搬送装置を有しても良い。
(3)前記(1)、(2)に記載のバイオマスの利用装置では、前記微粉炭燃焼ボイラが、前記シャフト型熱分解炉で生成された前記炭化物を、前記微粉炭燃焼ボイラへと搬送する第2の搬送装置を有しても良い。
(4)前記(1)、(2)、(3)に記載のバイオマスの利用装置では、前記配管が、前記シャフト型熱分解炉で生成された前記熱分解ガスと前記熱分解タールとを分離して前記熱分解タールを回収するタール分離装置と;前記タール分離装置で分離された前記熱分解ガスを、前記微粉炭燃焼ボイラへと送る熱分解ガス配管と;を有しても良い。
(5)前記(1)、(2)、(3)、(4)に記載のバイオマスの利用装置を用いたバイオマスの利用方法は、前記シャフト型熱分解炉の下部から前記バイオマスを熱分解するための顕熱を有する1000〜1200℃の熱分解用ガスを投入して、前記シャフト型熱分解炉内の前記バイオマスを熱分解することで、又は、前記シャフト型熱分解炉の下部から酸素含有ガスを投入して、前記シャフト型熱分解炉内の前記バイオマスの炭化物の一部を部分酸化することで、前記熱分解ガス、前記熱分解タール、及び前記炭化物を生成し;前記シャフト型熱分解炉の前記炉頂から300〜600℃の温度で前記熱分解ガス及び前記熱分解タールを排出し;前記炭化物を前記炉底から排出し;前記熱分解ガス又は、前記熱分解ガスと前記熱分解タールとの両方を、前記微粉炭燃焼ボイラへと投入する。
(6)前記(5)に記載のバイオマスの利用方法は、前記炉底から排出された前記炭化物から燃焼不適物を除去し;前記燃焼不適物が除去された前記炭化物を、前記微粉炭燃焼ボイラに投入しても良い。
上記(1)乃至(6)の発明によれば、バイオマスを微粉炭燃焼ボイラに使用するにあたり、立ち上げ時等の非定常操業の場合を除き、外部燃料を使用しないプロセスとすることが可能で、かつ原料発熱量の大半をボイラで効率的に利用できる。
本発明の第2の実施形態の一例を示した微粉炭燃焼ボイラを用いたバイオマスの利用装置のフロー図である。 本発明の第3の実施形態及び第4の実施形態の一例を示した微粉炭燃焼ボイラを用いたバイオマスの利用装置のフロー図である。
本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態に係る、シャフト型熱分解炉と微粉炭燃焼ボイラ9を用いたバイオマス利用装置の代表的フロー図を図1に示す。第1の実施形態と第2の実施形態の違いは、シャフト型熱分解炉2で一緒に発生する熱分解ガス3と熱分解タール4の混合物から熱分解タール4を分離しない場合(第1の実施形態)と分離する場合(第2の実施形態)の違いであり、図1ではタールをタール分離装置8で分離する場合の第2の実施形態のフローを明示した(第1の実施形態は、タール分離装置8を除いたケース)。尚、本実施形態におけるバイオマスとは、農業系バイオマス(麦わら、サトウキビ、米糠、草木等)、林業系バイオマス(製紙廃棄物、製材廃材、除間伐材、薪炭林等)、畜産系バイオマス(家畜廃棄物)、水産系バイオマス(水産加工残滓)、廃棄物系バイオマス(生ゴミ、RDF:ゴミ固形化燃料;Refused Derived Fuel、庭木、建設廃木材、下水汚泥)、等を指す。
バイオマス1はシャフト型熱分解炉2の上部より投入され、炉内(移動層)を下降する。バイオマス1のサイズは、シャフト型熱分解炉2に入るサイズであれば良い。通常、除間伐材、建設廃材や庭木等のバイオマスは300mm角以下程度のサイズで投入され、必要があれば粗破砕されて投入される。また、その他の廃棄物系バイオマス、林業系バイオマスや、畜産系バイオマス、水産系バイオマスは、そのまま投入される。
バイオマス1は徐々に下降しながら、シャフト型熱分解炉2内部を上昇する熱分解用ガス6により乾燥、昇温され、熱分解して熱分解ガス3および熱分解タール4を生成して炭化物5となる。炭化物5はシャフト型熱分解炉2の炉底から排出される。熱分解熱源である熱分解用ガス6は、大きく二つの方式で供給される。
一つの方式は、後述の実施例で示される、酸素含有ガスを投入する方法である。この方法においては、シャフト型熱分解炉2内にある炭化物5の一部を燃焼させて、熱源とする。酸素含有ガスは、空気または酸素富化空気であれば良く、酸素製造設備コストと、ガス処理設備コストの両方を勘案して選択すれば良い。酸素含有ガスを投入する時には、たとえば木材100トン/日規模のペースで木材を熱分解する場合には、空気比(即ち、実際に投入する空気量と理論空気量との比であり、理論空気量は、供給している燃料が完全燃焼するのに必要な酸素量を供給している空気量である)は0.2程度であれば良い。特許文献4でのガス化(実施例では流動床で空気による部分燃焼タイプが採用されている)時の空気比は1.0〜1.3であるため、この方法では非常に少ない空気比での操業が可能であることがわかる。
この要因として、シャフト型熱分解炉2の熱交換方式が非常に高効率であること(即ち、対向流直接熱交換方式)、熱分解に必要な最小限の熱のみ与える方式であること(熱分解ガス3の一部は炭化水素のまま後段工程へ進むこと)とが挙げられる。
シャフト型熱分解炉2の温度は、炉頂から排出される熱分解ガス3と、熱分解タール4と、の温度を制御して管理すれば良い。この温度は、熱分解タール4が凝縮しない温度以上とすれば良く、後段の微粉炭燃焼ボイラ9又はタール分離装置8への搬送途中でも凝縮しない温度に管理することが好ましい。処理するバイオマスの種類等によっても異なるが、例えば、300〜600℃の温度で管理することができる。
尚、本実施形態では、熱分解用ガス6として空気の代わりに酸素富化空気(即ち、酸素+空気)を使用しているが、空気比の考え方は同じで、供給している燃料が完全燃焼するのに必要な酸素量を供給している酸素富化空気量を理論酸素富化空気量とし、供給した酸素富化空気との比をとる。ここでの表記は空気比とする。
もう一つの方式では、シャフト型熱分解炉2の外部で燃料を燃焼させて1000℃〜1200℃の高温ガスを製造し、熱分解用ガス6として供給する。熱分解用ガス6の燃料としては、シャフト型熱分解炉2の炉頂から排出される熱分解ガス3(必要に応じガス精製を実施する)や、シャフト型熱分解炉2の炉底から排出される炭化物5が想定される。
熱分解ガス3または炭化物5を燃料として利用する際には、冷却、分離、供給のプロセス(設備)が必要になるので、設備コスト等で比較して適宜選択する。また、二酸化炭素削減の手段としては好ましくないが、別途化石燃料等の外部燃料を使用してもよい(その分、製品ガスまたは炭化物が増加することになる)。
前述した高温ガスの温度範囲に関しては、1000℃未満では未反応炭化物が多くなることから1000℃を下限値とし、1200℃を超える場合には、クリンカ(溶融した灰の凝集物であり、物流を阻害する)が発生しやすくなることから1200℃を上限値とした。
熱分解ガス3及び熱分解タール4は、300℃〜600℃でシャフト型熱分解炉2の上部出口(炉頂)から排出されて熱分解ガス等配送配管7を経由して後工程に進む。本発明の第1の実施形態においては、熱分解ガス3及び熱分解タール4は、直接微粉炭燃焼ボイラ9に吹き込まれる。本発明の第2の実施形態においては、熱分解ガス3及び熱分解タール4は、タール分離装置8で熱分解タール4が分離・回収されて、微粉炭燃焼ボイラ9に吹き込まれる。尚、バイオマス由来の熱分解ガス3や熱分解タール4に関しては、既存の混焼型(微粉炭と製鉄発生ガスの混焼、微粉炭と重油の混消、あるいは微粉炭、製鉄発生ガス、重油の混焼等)の燃焼ボイラシステムを考え合わせると、熱分解ガス3に関してはコークス炉ガスと共通成分が多く性状が似ているため問題なく利用可能である。また、熱分解タール4が含まれる場合でも、降温による凝縮を防止すれば(配管温度を300℃以下に下げない)ガスとして問題なく供給可能である。
シャフト型熱分解炉2の操業が安定しないような状況(例えば、原料水分や発熱量のバラツキが大きく、シャフト型熱分解炉2の上部出口ガス温度変動が大きい場合等)においては、熱分解ガス3及び熱分解タール4の温度が300℃以下に下がる時間帯が多く発生しやすい。この場合、タールがバインダーとなり、煙道(熱分解ガス等配送配管7)にダストが付着、成長する虞がある。これを解決するために、第2の実施形態ではタールを分離している。
シャフト型熱分解炉2の上部出口温度が300℃未満の場合、熱分解タール4の一部が凝縮しやすくなり(特に木材由来のタール)、付着による閉塞トラブルが懸念されるため不適当である。一方、シャフト型熱分解炉2の上部出口温度が600℃を超えると、シャフト型熱分解炉2で必要な熱が多くなり(炭化物をよけいに燃焼する)経済性が下がるため不適当であり、また、微粉炭燃焼ボイラ9に吹き込む際の配管内壁を耐火物で構成する必要があるため、流量調整の精度維持の観点からも、やはり不適当である。従って、300℃〜600℃が適切な温度である。
タール分離装置8の方式は、高温のまま分離する方式と、一旦タール凝縮温度までガス温度を下げて分離する方式がある。前者の方式では、例えば高温型フィルタ(セラミックや金属)を使用し、ダストにタールを同伴凝縮させて分離する。この場合、長所は温度降下の分の熱ロスがないこと、水処理系を持たなくてよいこと等であり、短所は分離効率が多くとも80%程度と低いこと等である。後者の方式では、例えば水スプレー等による直接急冷(水循環)が用いられる。長所は、熱分解タール4を効率よく分離(40℃以下まで下げると100mg/Nm程度しか残存しない)可能であることである。短所は温度降下分の熱ロスがあること、水処理系が必要になること、等である。いずれの方式でも、分離したタールは多くの熱量を保有するため、シャフト型熱分解炉2に熱分解用ガス6の燃料や熱分解原料として戻すか、微粉炭燃焼ボイラ9に投入して発熱量を回収することが望ましい。
熱分解ガス3および熱分解タール4、または単独の熱分解ガス3は、微粉炭燃焼ボイラ9内に送入されて燃焼し、熱回収部10で熱を回収した後(蒸気11生成)、ガス処理部12で無害化後、放散ガス13として大気放散される。微粉炭燃焼ボイラ9には、別途石炭粉砕設備14から微粉炭が投入され、燃焼が行なわれる。これにより生成された蒸気11は、一部の蒸気は系内で使用されるが、ほとんどの蒸気は蒸気タービン(図示せず)に供給され、発電用に使用される。
本発明の第3の実施形態及び第4の実施形態に係る炭化物利用工程を含んだシャフト型熱分解炉2と微粉炭燃焼ボイラ9を用いたバイオマス利用装置のフローを図2に示す。第3の実施形態と第4の実施形態との違いは、発生した炭化物5を石炭粉砕設備14へ投入するか(第3の実施形態:A)、発生した炭化物5を直接微粉炭燃焼ボイラ9に投入するか(第4の実施形態:B)、による。また、炭化物5を石炭粉砕設備14と微粉炭燃焼ボイラ9との両方に投入しても良い。
シャフト型熱分解炉2で生成された炭化物5は、炭化物処理装置15で処理され、最終的に微粉炭燃焼ボイラ9に投入される。炭化物処理装置15は粗破砕装置と不適物分離装置とを有するが、粗破砕装置は炭化物5の状態によっては省略しても良い。不適物分離装置は、がれき、石や金属のような、熱量を持たず、微粉炭燃焼ボイラ9で燃焼するのに適さない燃焼不適物16を分離する機能を持ち、スクリーンや振動篩、磁力選別機等を有する。粗破砕装置は、不適物分離装置の篩分けを効率化する(簡単な破砕をすることで、たとえば炭化物に食い込んだ釘等が振動のみで篩い分けられるようにする)目的で設置され、炭化物を数10mm角程度のサイズへ破砕する。
本発明の第3の実施形態による炭化物の投入方法では、破砕された炭化物は、燃焼不適物16を分離後石炭粉砕設備14に炭化物搬送装置17によりAルートを通り投入され、微粉砕された石炭を後微粉炭燃焼ボイラ9で燃焼する。
炭化物のもう一つの投入方法である本発明の第4の実施形態においては、破砕された炭化物は、燃焼不適物16を分離後、Bルートを通り直接微粉炭燃焼ボイラ9に吹き込まれる。このとき炭化物処理装置15は粗破砕装置と不適物分離装置と微破砕装置とを有する。ただし、粗破砕装置は前述の理由で省略しても良い。微破砕装置では、微粉炭と同等のサイズである数10μm程度まで炭化物5が破砕されて、微粉炭燃焼ボイラ9に吹き込まれる。Bルートの場合、直接吹き込みによる効率的な燃焼が必要になることから、炭化物搬送装置17として、通常は炭化物処理装置15後から窒素等の気流搬送方式を採用し、微粉炭燃焼ボイラ9への吹き込みを行なっても良い。Aルートの場合、Bルートと同じ方式に加え、バケットコンベア等を含む炭化物搬送装置17により石炭粉砕設備14に石炭5を投入しても良い。
図1で示されたフローの内、熱分解タール4を分離しない本発明の第1の実施形態に係る実施例1を以下に示す。
バイオマスとして木材(建設廃木材)100トン/日(4167kg/hr)を使用し、空気比(供給は酸素10体積%の酸素富化空気で、完全燃焼時を1とする)0.18とし、シャフト型熱分解炉2内でバイオマス1を酸素富化空気中の酸素で部分燃焼させて、炉出口の熱分解ガス温度400℃でシャフト型熱分解炉2を操業した。
その結果、熱分解ガス7986Nm/h、熱分解タール389kg/h、炭化物395kg/h(ダスト含む)が生成した。このとき外部燃料はほぼ不要であったが、熱が不十分な立ち上げ時には、若干のLPG(+酸素富化空気)を使用した。
熱分解ガス3は、14.7体積%のCO、14.5体積%のH、3.9体積%のCHを主可燃成分とし、その他のガス成分として、24.7体積%のCO、33.4体積%のHO(水蒸気)、微量のC(炭素数が2)以上の炭化水素類等を含み、残りはNであった。熱分解ガス3および熱分解タール4は、直接微粉炭燃焼ボイラ9に供給された。なお微粉炭用ノズル(バーナ)とは区別して、専用の吹き込み用ノズルを設置し、微粉炭燃焼ボイラ9直前で熱分解ガス3および熱分解タール4を空気と混合して4カ所から吹き込んだ。
原料の建設廃木材の発熱量の66%が、ガス、タールの形で微粉炭燃焼ボイラ9に投入された。残りの熱量は、炭化物10%(外部搬出して処理)と、9〜11%程度はシャフト型熱分解炉2内の燃焼で消費され、残りは不適物に付着した炭素と放散熱等で構成された。このとき、微粉炭燃焼ボイラ9での石炭処理量は、約800トン/日であった。
図2で示されたフローの内、炭化物5を石炭粉砕設備14に投入する(Aルート)第3の実施形態に係る実施例2を以下に示す。
バイオマスとして木材(建設廃木材)を100トン/日(4167kg/hr)で使用し、空気比(供給は酸素10体積%の酸素富化空気で、完全燃焼時を1とする)0.18とし、シャフト型熱分解炉2内でバイオマス1を酸素富化空気中の酸素で部分燃焼させて、炉出口の熱分解ガス温度400℃で熱分解炉を操業した。
その結果、熱分解ガス7986Nm/h、熱分解タール389kg/h、炭化物395kg/h(ダスト含む)が生成した。このとき外部燃料はほぼ不要であったが、熱が不十分な立ち上げ時には、若干のLPG(+酸素富化空気)を使用した。炭化物処理装置15に関しては、建設廃木材は釘等の金属を含むことから、50mmサイズの幅の刃を備えた二軸破砕機(粗破砕機)と、比重選別と振動を組み合わせた風力選別装置(不適物分離装置)と、を設置し、処理を行った。分離した炭化物中には金属はほとんど含まれず(1重量%以下)、また不適物中の炭素は5質量%以下と分離性も良好であった。炭化物395kg/hの61質量%(約240kg/h)が製品炭化物としてバケットコンベアで構成される炭化物搬送装置17を経由して微粉炭燃焼ボイラ9の石炭粉砕設備14に投入され、他の石炭とともに粉砕され、気流搬送により微粉炭燃焼ボイラ9に吹き込まれた。
熱分解ガス3は、14.7体積%のCO、14.5体積%のH、3.9体積%のCHを主可燃成分とし、その他のガス成分として、24.7体積%のCO、33.4体積%のHO(水蒸気)、微量のC(炭素数が2)以上の炭化水素類等を含み、残りはNであった。熱分解ガス3および熱分解タール4は、直接微粉炭燃焼ボイラ9に供給された。本実施例の場合も、微粉炭用ノズル(バーナ)とは区別して、専用の吹き込み用ノズルを設置し、微粉炭燃焼ボイラ9直前で熱分解ガス3および熱分解タール4を空気と混合して4カ所から吹き込んだ。
原料の建設廃木材の発熱量の76%が、ガス、タール、炭化物の形で微粉炭燃焼ボイラ9に投入された。残りの熱量は、9〜11%程度はシャフト型熱分解炉2内の燃焼で消費され、残りは不適物に付着した炭素と放散熱等で構成される。このとき、微粉炭燃焼ボイラ9での石炭処理量は、約800トン/日であった。破砕時のミルの電流値は、石炭単独の時と本発明の炭化物を混合したときでの差は検知できず(1%未満)、生産性や動力に対する影響は軽微と考えられる。
図2で示されたフローの内、炭化物を直接微粉炭ボイラに投入する(Bルート)本発明の第4の実施形態に係る実施例3を以下に示す。
バイオマスとして木材(建設廃木材)を100トン/日(4167kg/hr)で使用し、空気比(供給は酸素10体積%の酸素富化空気で、完全燃焼時を1とする)0.18とし、シャフト型熱分解炉2内でバイオマス1を酸素富化空気中の酸素で部分燃焼させて、炉出口の熱分解ガス温度400℃で熱分解炉を操業した。
その結果、熱分解ガス7986Nm/h、熱分解タール389kg/h、炭化物395kg/h(ダスト含む)が生成した。このとき外部燃料はほぼ不要であったが、熱の不十分な立ち上げ時には、若干のLPG(+酸素富化空気)を使用した。炭化物処理装置15に関しては、建設廃木材は釘等の金属を含むことから、実施例2と同様の50mmサイズの幅の刃を備えた二軸破砕機(粗破砕機)と、比重選別と振動を組み合わせた風力選別装置(不適物分離装置)と、に加え、10mm角のスクリーンを持つハンマー型ミルを設置し、処理を行った。分離した炭化物中には金属はほとんど含まれず(1重量%以下)、また不適物中の炭素は5質量%以下と分離性も良好であった。炭化物395kg/hの約59質量%(約235kg/h、ハンマー型ミルでのロス5kg/h)が製品炭化物として窒素による気流搬送設備で構成される炭化物搬送装置17を経由して微粉炭燃焼ボイラ9に直接吹き込まれた。
熱分解ガス3は、14.7体積%のCO、14.5体積%のH、3.9体積%のCHを主可燃成分とし、その他のガス成分として、24.7体積%のCO、33.4体積%のHO(水蒸気)、微量のC(炭素数が2)以上の炭化水素類等を含み、残りはNであった。熱分解ガス3および熱分解タール4は、直接微粉炭燃焼ボイラ9に供給された。本実施例の場合も、微粉炭用ノズル(バーナ)とは区別して、専用の吹き込み用ノズルを設置し、微粉炭燃焼ボイラ9直前で熱分解ガス3および熱分解タール4を空気と混合して4カ所から吹き込んだ。
原料の建設廃木材の発熱量の74%が、ガス、タール、炭化物の形で微粉炭燃焼ボイラ9に投入された。残りの熱量は、9〜11%程度はシャフト型熱分解炉2内の燃焼で消費され、残りは不適物に付着した炭素、微粉砕時ロスと放散熱等で構成される。このとき、微粉炭燃焼ボイラ9での石炭処理量は、約800トン/日であった。
図1で示されたフローの内、タールを分離する本発明の第2の実施形態に係る実施例4を以下に示す。炭化物は、石炭破砕装置14に投入する本発明の第3の実施形態に係る装置での処理を行った。
バイオマスとして木材(建設廃木材)を100トン/日(4167kg/hr)で使用し、空気比(供給は酸素10体積%の酸素富化空気で、完全燃焼時を1とする)0.18とし、シャフト型熱分解炉2内でバイオマス1を酸素富化空気中の酸素で部分燃焼させて、炉出口の熱分解ガス温度400℃で熱分解炉を操業した。
その結果、熱分解ガス7986Nm/h、熱分解タール389kg/h、炭化物395kg/h(ダスト含む)が生成した。このとき外部燃料はほぼ不要であったが、熱が不十分な立ち上げ時には、若干のLPG(+酸素富化空気)を使用した。炭化物処理装置15に関しては、建設廃木材は釘等の金属を含むことから、50mmサイズの幅の刃を備えた二軸破砕機(粗破砕機)と、比重選別と振動を組み合わせた風力選別装置(不適物分離装置)と、を設置した。分離した炭化物中には金属はほとんど含まれず(1重量%以下)、また不適物中の炭素は5質量%以下と分離性も良好であった。炭化物395kg/hの61質量%(約240kg/h)が製品炭化物としてバケットコンベアで構成される炭化物搬送装置17を経由して微粉炭燃焼ボイラ9の石炭粉砕設備14に投入され、他の石炭とともに粉砕され、気流搬送にて微粉炭燃焼ボイラ9に吹き込まれた。
熱分解ガス3は、14.7体積%のCO、14.5体積%のH、3.9体積%のCHを主可燃成分とし、その他のガス成分として、24.7体積%のCO、33.4体積%のHO(水蒸気)、微量のC(炭素数が2)以上の炭化水素類等を含み、残りはNであった。熱分解タール4は、高温の金属フィルタ(20本)からなるタール分離装置8で分離され(ダストと共に82質量%のタール分を回収)、残った軽質のタール(物理的な凝縮を免れる、軽質分)は熱分解ガス3に同伴して微粉炭燃焼ボイラ9に供給された。また分離したタール混じりのダストは、再度シャフト型熱分解炉2に原料とは別の投入口から投入した。本実施例の場合も、微粉炭用ノズル(バーナ)とは区別して、専用の吹き込み用ノズルを設置し、微粉炭燃焼ボイラ9直前で熱分解ガス3及び軽質のタールを空気と混合して4カ所から吹き込んだ。
原料の建設廃木材の発熱量の76%が、ガス、タール、炭化物の形で微粉炭燃焼ボイラ9に投入された。一旦熱分解されたタールは、2%分(分離出来なかった分)がそのまま微粉炭燃焼ボイラ9に投入され、分離されたタール4は、再度シャフト型熱分解炉2に投入されことで、繰り返し加熱されて反応(炭化物とガスに)が起こり、ガスと炭化物に転換されて微粉炭ボイラ9に投入される。トータルとしては実施例2の場合と同じ76%が投入された。残りの熱量は、9〜11%程度はシャフト型熱分解炉2内の燃焼で消費され、残りは不適物に付着した炭素と放散熱等で構成される。このとき、微粉炭燃焼ボイラ9での石炭処理量は、約800トン/日であった。破砕時のミルの電流値は、石炭単独の時と本実施例の炭化物を混合したときでの差は検知できず(1%未満)、生産性や動力に対する影響は軽微と考えられる。
実施例2の結果から計算すると、微粉炭燃焼ボイラ9に投入される発熱量が76%であることから、ボイラ熱回収及び蒸気タービンによる発電の効率38%を積算するとバイオマスを原料とした場合の発電効率は28.9%(発電端:原料ベース)であり、所内率10%を考慮すると、26%の送電端効率となった。元の微粉炭燃焼ボイラ発電の規模(バイオマス処理規模の約8倍)の効果が蒸気タービン効率に影響しているものの、一般の廃棄物燃焼発電の10〜15%に比べ非常に高効率を得られることが確認できた。
また、特許文献4においては、流動床を用いた実施例において、空気比1.0〜1.3でガス化操業を実施している。具体的な各種数値の提示はないが、このとき、本実施例と同じ建設廃木材(バイオマス)を同じ量使用したと仮定すると、約20%の熱量を持つ炭化物が発生するが、ガスとタールは空気比が1以上であることからほぼ燃焼に使用され、ガス発熱量の回収は期待できない。仮に酸素が使われないで残る計算で5%分の発熱量分のCO、Hの形で残存したとすれば、合計25%の熱量が微粉炭ボイラに投入されることになる。同等のボイラ熱回収及び蒸気タービンによる効率(38%)を想定すると、発電効率9.5%の発電端効率、8.6%の送電端効率が推定できる。
本発明の効果が高い理由は、主に、熱分解部(特許文献4では流動床ガス化)の熱効率の違いと、低空気比/高空気比の操業前提の差によるものと考えられる。
本発明によれば、バイオマスを高効率で熱分解し、ガス、タール、炭化物を余すところなくボイラで燃焼使用することができるため、産業上の利用可能性は大きい。
1 バイオマス
2 シャフト型熱分解炉
3 熱分解ガス
4 熱分解タール
5 炭化物
6 熱分解用ガス
7 熱分解ガス等配送配管
8 タール分離装置
9 微粉炭燃焼ボイラ
10 熱回収部
11 蒸気
12 ガス処理部
13 放散ガス
14 石炭粉砕設備
15 炭化物処理装置
16 燃焼不適物
17 炭化物搬送装置

Claims (6)

  1. バイオマスを熱分解用ガスにより熱分解又は部分酸化して、熱分解ガス、熱分解タール、及び炭化物を生成すると共に、前記熱分解ガス及び前記熱分解タールを炉頂から排出し、前記炭化物を炉底から排出する対向流熱交換方式のシャフト型熱分解炉と;
    微粉炭を燃焼して蒸気を生成する微粉炭燃焼ボイラと;
    前記熱分解ガス及び前記熱分解タールを前記シャフト型熱分解炉から前記微粉炭燃焼ボイラへと送る配管と;
    を備えたバイオマスの利用装置であって、
    前記シャフト型熱分解炉における熱分解用ガスの供給は、炉内にある前記炭化物の一部を燃焼させて熱分解用ガスとするための酸素含有ガスの投入、あるいは、炉外で生成された1000〜1200℃の熱分解用ガスの供給によってなされ、
    且つ、前記炉頂から排出される熱分解ガス及び熱分解タールの温度を300〜600℃に制御することを特徴とする、バイオマスの利用装置。
  2. 前記微粉炭燃焼ボイラは、燃料となる石炭を微粉炭化する石炭粉砕装置を備え;
    前記石炭粉砕装置は、前記シャフト型熱分解炉で生成された前記炭化物を、前記石炭粉砕装置へと搬送する第1の搬送装置を有する;
    ことを特徴とする請求項1に記載のバイオマスの利用装置。
  3. 前記微粉炭燃焼ボイラは、前記シャフト型熱分解炉で生成された前記炭化物を、前記微粉炭燃焼ボイラへと搬送する第2の搬送装置を備えることを特徴とする請求項1に記載のバイオマスの利用装置。
  4. 前記配管は:
    前記シャフト型熱分解炉で生成された前記熱分解ガスと前記熱分解タールとを分離して前記熱分解タールを回収するタール分離装置と;
    前記タール分離装置で分離された前記熱分解ガスを、前記微粉炭燃焼ボイラへと送る熱分解ガス配管と;
    を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオマスの利用装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のバイオマスの利用装置を用いたバイオマスの利用方法であって、
    前記シャフト型熱分解炉の下部から前記バイオマスを熱分解するための顕熱を有する1000〜1200℃の熱分解用ガスを投入して、前記シャフト型熱分解炉内の前記バイオマスを熱分解することで、又は、前記シャフト型熱分解炉の下部から酸素含有ガスを投入して、前記シャフト型熱分解炉内の前記バイオマスの炭化物の一部を部分酸化することで、前記熱分解ガス、前記熱分解タール、及び前記炭化物を生成し;
    前記シャフト型熱分解炉の前記炉頂から300〜600℃の温度で前記熱分解ガス及び前記熱分解タールを排出し;
    前記炭化物を前記炉底から排出し;
    前記熱分解ガス又は、前記熱分解ガスと前記熱分解タールとの両方を、前記微粉炭燃焼ボイラへと投入する;
    工程を有することを特徴とするバイオマスの利用方法。
  6. 前記炉底から排出された前記炭化物から燃焼不適物を除去し;
    前記燃焼不適物が除去された前記炭化物を、前記微粉炭燃焼ボイラに投入する;
    ことを特徴とする請求項5に記載のバイオマスの利用方法。
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