JP4854884B2 - 積層体の製造方法および積層体 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は積層体の製造方法および積層体に係り、特に自動車用シートのカバー材料や自動車用内装材等に用いられる積層体の製造方法および積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば自動車用シートのカバー材料や自動車用内装材として、面状に形成された基材の表面に表皮材が積層された積層体が用いられている。
このような積層体は、あらかじめ所定幅寸法を有する長尺の基材および表皮材がロール状に巻回されていて、基材を長手方向に沿って引き出すとともに該基材の表面を火炎等により溶融させた後、メインロールに所定角度巻き付け、一方、表皮材を長手方向に沿って引き出しラミネートロールに所定角度巻き付けて、対向する両ロール間にて基材および表皮材を積層して一体化させるラミネート方式により製造される(従来例1)。
【0003】
このような従来例1では、基材を案内するメインロールおよび表皮材を案内するラミネートロールの周速度は略同等であり、製造された積層体は略平坦となっている。
なお、この従来例1において、基材および表皮材の少なくとも一方に塗布した接着剤により、基材および表皮材を積層して一体化させる方法も多用される。
【0004】
ところで、一般に自動車用シートは、着座者のホールド性を高めるため、着座者の標準的な体型に対応させて表面に凹部や凸部が形成されている。
そして、前述した従来例1では、例えば自動車用シートの凸部に倣って用いた場合、湾曲外周側に相当する表皮材が凸部の形状に追従しきれず、これにより滑らかな湾曲形状が得られなかったり、凸部の箇所の対応した部分が過度の引っ張りが生じるなどの虞れがあった。
【0005】
この問題に対して、一定以上の張力を面方向に沿って加えた基材に対して、一定以下の張力を面方向に沿って加えた表皮材を積層させた積層体が提案されている(特許2955200号:従来例2)。
この特許2955200号公報(従来例2)に開示された技術によれば、図3に示すように、製造された積層体30は、基材31側が凹面となるように湾曲する。このことは、換言すれば基材31に比較して表皮材32に余剰長さ寸法が生じていることになる。
従って、従来例2によれば、自動車用シートの凸部に倣って用いた場合、湾曲外周側に相当する表皮材32が凸部の形状に沿って滑らかに追従できるため、表皮材32に過度な引張り力が生じず、自動車用シートの凸部に良好な外観性が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、自動車用シートの凹部に対して、上述の従来例1あるいは従来例2を適用した場合、従来例1あるいは従来例2は凹部が必要とする面積以上の表皮材を有しているため、表皮材に折れ,外観性を損なうような不規則な皺等が生じ、外観不良となる可能性がある。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、凹部に適用して良好な外観性が得られる積層体の製造方法および積層体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明に係る積層体の製造方法は、請求項1に記載したように、面状の基材と、前記基材に密着するとともに面状の表皮材とを積層接着させた積層体を製造するとき、前記基材をメインロールの周面に接触させて走行案内するとともに、前記表皮材をラミネートロールの周面に接触させて走行案内し、かつ、前記基材および前記表皮材を、前記両ロール間にて厚み方向に密着させながら前記メインロールおよび前記ラミネートロールを互いに異なる方向に回転させながら連続積層し、前記メインロールの周速度を前記ラミネートロールの周速度よりも高く設定することを特徴としている。
【0008】
ここで、基材を案内するメインロールおよび表皮材を案内するラミネートロールは、それぞれの周長が同一あるいは相違していてもよく、単位時間当たりの回転数を適宜選択することにより所望の周速度比となるように設定すればよい。
【0009】
このような積層体の製造方法においては、基材と表皮材との両材料は、ラミネートロールとメインロールとが回転しながら該ロール間でくわえ込むようにして積層されていくことから、特に弾力性があって表皮材よりも厚い基材は、メインロールによって、押しつぶされて基材搬送方向上流側に押し出されるようになり、表皮材よりも延ばされるようにして該表皮材に積層されていく状態が発生する。本発明においては、表皮材よりも基材の送り長さを多くすることで、基材と表皮材との積層時の長さの差を無くして、積層体が平らになるようにする。
言い換えると、メインロールの周速度を、ラミネートロールの周速度よりも高く設定することで、基材と表皮材とが積層する段階で同等の長さになるように調整したり、さらには基材の送り長さを長く調整することができる。
すなわち、このような積層体の製造方法においては、表皮材よりも基材が送り方向に沿って圧縮された状態で積層接着されることになり、製造後に積層体を所望の長さに裁断すれば、基材に加えられた圧縮負荷が解放されるため、基材が初期寸法に復元しようとするが、該基材に表皮材が積層接着されているため、表皮材側のみが引っ張られて、積層体は表皮側に凹面となるように湾曲することができる。
【0010】
従って、このような積層体の製造方法によれば、積層体を製造後に所定長さに裁断したとき、積層体を、平坦にしたり表皮材側が凹面となるように湾曲することができる。このため、積層体を、例えば自動車用シートの凹部に適用した場合、表皮材に折れ,外観性を損なうような不規則な皺等が生じることがなく、外観不良となる可能性を回避でき、これにより前述した目的を達成できることになる。
【0011】
また、このような積層体の製造方法においては、メインロールおよびラミネートロールの周速度を変えることにより、平坦な積層体や表皮材側が凹面となるように湾曲した積層体を得るため、メインロールおよびラミネートロールの周速度比を適宜選択するという極めて簡単な方法により、積層体の湾曲半径寸法を任意に設定できることになる。
すなわち、このような積層体の製造方法においては、例えば自動車用シートの種々の凹部に対応する曲率半径が容易に得られることになる。
【0012】
また、本発明の積層体は、請求項2に記載したように、面状の基材と、前記基材に密着する面状の表皮材とが積層された積層体であって、積層体サイズが矩形状で200mm×200mmの大きさとし、積層体を平坦面に載置したときに、前記表皮材側が凹面になるように、積層体中央部よりも積層体端縁が立ち上がった高さが(−10)mm〜(+35)mmの範囲のカール値をもって湾曲していることを特徴としている。
このような積層体においては、平坦かあるいは表皮材側が凹面となるように湾曲しているため、例えば自動車用シートの凹部に適用しても、表皮材に折れ,外観性を損なうような不規則な皺等が生じて外観不良となる可能性を回避できることになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本発明に係る実施形態である積層体10は、自動車用シートのカバー材料や自動車用内装材等に用いるために、比較的肉厚で面状の基材11と、基材11の表面に密着し該基材よりも薄肉な面状の表皮材12とが積層接着されているとともに、表皮材12側が凹面となるように湾曲されている。
【0014】
基材11は、面方向に沿って圧縮・伸張可能な、例えばウレタンフォーム等の発泡体であり、必要に応じて裏面に裏地材が貼付されている。裏地材としては、例えばトリコット,丸編み,ストレッチ素材,クインズ等が採用され、経時変化や擦過等によるウレタンフォームの分離,脱落を防止する。
表皮材12は例えばジャージ,丸編み,織物,トリコット等であり、基材11に比べて少ないものの、面方向に沿って若干の伸縮性を有している。
【0015】
図2に、積層体10を製造するための製造装置20を示す。
製造装置20は、あらかじめ所定幅寸法を有する長尺の基材11および表皮材12を巻回させた基材ロール21および表皮材ロール22を用意しておき、これらの基材ロール21および表皮材ロール22から引き出した基材11および表皮材12を、連続的に積層接着させる。
【0016】
具体的には、製造装置20は、基材ロール21から引き出した基材11を案内する基材案内ロール23と、基材案内ロール23を経た基材11を表皮材12と積層するように案内するメインロール24と、表皮材ロール22から引き出した表皮材12を案内する表皮材案内ロール25と、表皮材案内ロール25を経た表皮材12を基材11と積層するように案内するラミネートロール26と、メインロール24の周面に向かって火炎を放出するバーナ27と、メインロール24およびラミネートロール26により基材11および表皮材12が積層接着された積層体10を冷却するクーリングロール28とを含んで構成されている。
【0017】
このような製造装置20においては、バーナ27により基材11の表面を適宜溶融させ、メインロール24およびラミネートロール26により基材11の表面に表皮材12を積層させるとともに、基材11および表皮材12を互いに厚み方向に圧接して接着する。次いでクーリングロール28により冷却して積層体10を製造する。
なお、図2において、理解を助けるために積層体10,基材11および表皮材12が各ローラの周面から離れた状態に描かれているが、実際には積層体10,基材11および表皮材12は各ローラの周面に密着している。
【0018】
ここで、製造装置20は、メインロール24の周速度をA,ラミネートロール26の周速度をB,表皮材案内ロール25の周速度をC,基材案内ロール23の周速度をDとしたとき、それぞれの周速度の関係がA>B,A>D,B>Cとなるように設定されている。
したがって、この製造装置20においては、メインロール24の周速度を、ラミネートロール26の周速度よりも高く設定することで、基材11と表皮材12とが積層する段階で同等の長さになるように調整したり、さらには表皮材12よりも基材11の送り長さを長く調整することが容易にできる。
この際、本来の基材11および表皮材12における送り方向長さは、基材11の送り方向長さ(L2)を基準として表皮材12の送り方向長さ(L1)が例えば0.963〜1.006となるように設定される。
また、基材11の送り方向長さに対して、表皮材12の送り方向長さを、例えば0.963〜1.006となるように設定した場合、積層体サイズが矩形状で200mm×200mmとし、積層体を平坦面Fに載置したときに、前記表皮材側が凹面になるように、積層体中央部よりも積層体端縁が立ち上がった高さhが(−10)mm〜(+35)mmの範囲のカール値をもって湾曲する。
【0019】
このように、この製造装置20により製造された積層体10は、表皮材12よりも基材11が送り方向に沿って圧縮された状態で積層される。このため、製造後に所望の長さに裁断すれば、送り方向に沿って加えられた圧縮負荷が解放されて基材11が初期寸法に復元しようとするが、この基材11に表皮材12が積層接着されているため、表皮材12側が凹面となるように湾曲する方向の力を発生することができる(図1参照)。
【0020】
以上のような積層体10によれば、表皮材12側が平坦になるか或いは凹面となるように湾曲していることから、自動車用シートのカバー材料や自動車用内装材等として凹部に倣って適用した場合、表皮材12に不測の折れ,皺等の外観不良が生じることが少なく、これにより従来に比較して良好な外観性が得られる。
【0021】
特に、前述した実施形態によれば、メインロール24の周速度をラミネートロール26の周速度よりも高く設定することにより、表皮材12側が平坦か或いは凹面となるように湾曲する積層体10を得るため、メインロール24およびラミネートロール26の周速度比を適宜選択するという極めて簡単な方法により、積層体10の湾曲半径寸法を任意に設定できる。これにより自動車用シートに形成された種々の凹部に対応できる曲率半径が容易に得られる。
【0022】
ところで、一般に、自動車用シートのカバー材料や自動車用内装材等に適用される積層体は、主に意匠上の理由から、互いに隣り合う凹部および凸部に対して連続して倣うように配設できることが望ましい。
しかしながら、従来から広く知られているような基材側が凹面となるように湾曲した積層体は、凸部に対して皺等が生じることなく適用できるものの、凹部に対しては馴染みが悪く皺が生じ、良好な外観性が得られない。
【0023】
これに対し、前述した本発明の積層体10は、凹部に対して皺等が生じることなく適用できるだけでなく、凸部に対しても良好に対応することができる。すなわち、積層体10は、凸部に対応するときには、基材11の裏面(図1中、下面)が大きく圧縮されるようにして対応することができ、表皮材11が緊張した状態で良好な外観性が得られる。
従って、前述した本発明の積層体10によれば、自動車用シートのカバー材料や自動車用内装材等に適用する場合、互いに隣り合う凹部および凸部に対して連続して倣うように配設しても、従来に比較して極めて優れた外観性が得られる。
【0024】
次に、本発明に係る積層体と、従来の積層体とをそれぞれ表1に示す条件により製造し、これらの積層体の各部寸法を測定した結果を表2に示す。
【0025】
【表1】
Figure 0004854884
【0026】
表1において、速度比1は、ラミネートロールの周速度/メインロールの周速度(B/A)であり、速度比2は、表皮材案内ロールの周速度/基材案内ロールの周速度(C/D)である。
【0027】
【表2】
Figure 0004854884
【0028】
表2において、L1/L2とは、表皮材の長手方向寸法/基材の長手方向寸法であり、積層前の表皮材および基材に対して、それぞれ長手方向(ロールの巻き取り方向)に沿って1m間隔の2本の線を引いておき、表皮材および基材を積層させた後にこの2線間の長さを測り、測定した表皮材の長手方向寸法をL1、基材の長手方向寸法をL2として求めた値である。
【0029】
さらに、表2において、カール値とは、積層体を、矩形状で200mm×200mmの大きさに切断形成し、この積層体の凸面側を下向きに平坦面に載置した際に得られる湾曲具合の指標である。そして、表皮材側が凹面のとき凸面である基材側を下面とし、積層体を平坦面に載置したときに、積層体下面の端縁が平坦面から立ち上がった高さhをマイナス値(−値)として表すことができる。また、基材側が凹面のとき凸面である表皮材側を下面とし、積層体を平坦面に載置したときに、積層体下面の端縁が平坦面から立ち上がった高さhをプラス値(+値)として表すことができる。
すなわち、カール値が大きく(+側(プラス側)の値)なる程、表皮材側が凸面となるように湾曲していることを示し、カール値が小さく(−側(マイナス側)の値)なる程、表皮材側に凹面となるように湾曲していることを示す。
すなわち、L1/L2は、値が大きい程、カール値が大きいことを示す。
【0030】
また、表2中、逆R値とは、積層体を表皮材側が凹面となるように次第に湾曲させていき、表皮材に折れが生じたときの湾曲半径寸法(単位mm)であり、値が小さい程、小さな凹面に追従可能であることを示す。
【0031】
(実施例1)
実施例1は、長手方向寸法が長尺,幅寸法1300mm,厚み寸法6mmのウレタンフォームを基材として用いるとともに、長手方向寸法が長尺,幅寸法1300mm,厚み寸法1mmの織物を表皮材として用い、表1に示す条件1でL1/L2が1.006となるように厚み寸法が6mmの積層体を製造した。
この実施例1では、カール値が(+26),逆R値が110となった。
【0032】
(実施例2)
実施例2は、長手方向寸法が長尺,幅寸法1300mm,厚み寸法6mmのウレタンフォームを基材として用いるとともに、長手方向寸法が長尺,幅寸法1300mm,厚み寸法1mmの編物を表皮材として用い、表1に示す条件1でL1/L2が0.985となるように厚み寸法が6mmの積層体を製造した。
この実施例2では、カール値が(+4),逆R値が60となった。
【0033】
(実施例3)
実施例3は、長手方向寸法が長尺,幅寸法1350mm,厚み寸法6mmのウレタンフォームを基材として用いるとともに、長手方向寸法が長尺,幅寸法1350mm,厚み寸法1mmの織物を表皮材として用い、表1に示す条件2でL1/L2が0.963となるように厚み寸法が6mmの積層体を製造した。
この実施例3では、カール値が(-5),逆R値が80となった。
【0034】
(比較例1)
比較例1は、長手方向寸法が長尺,幅寸法1300mm,厚み寸法6mmのウレタンフォームを基材として用いるとともに、長手方向寸法が長尺,幅寸法1300mm,厚み寸法1mmの織物を表皮材として用い、表1に示す条件2でL1/L2が1.035となるように厚み寸法が6mmの積層体を製造した。
この比較例1では、カール値が(+49),逆R値が300以上となった。
【0035】
(比較例2)
比較例2は、長手方向寸法が長尺,幅寸法1300mm,厚み寸法6mmのウレタンフォームを基材として用いるとともに、長手方向寸法が長尺,幅寸法1300mm,厚み寸法1mmの編物を表皮材として用い、表1に示す条件1でL1/L2が1.017となるように厚み寸法が6mmの積層体を製造した。
この実施例2では、カール値が(+15),逆R値が110となった。
【0036】
以上の測定結果から、実施例1ないし実施例3は、L1/L2の値が0.963〜1.006となるように条件1あるいは条件2を採用したため、条件3を採用した比較例1および比較例2と比較すると、実施例2と比較例2とでは、実施例2の方がカール値や逆R値が小さくなっていることが判る。また、実施例1および実施例2と比較例1とでは、やはり、実施例1および実施例2の方がカール値や逆R値が小さくなっていることが判る。
従って、実施例1ないし実施例3は、比較例1および比較例2に比較してカール値が小さいため、表皮材側に凹面またはそれに近い構成となり、これにより自動車用シートのカバー材料や自動車用内装材等に適用した場合、小さな凹面に倣って配設しても折れが生じにくいことが判る。
【0037】
特に、実施例2は、表皮材に編物を採用しているため、織物を表皮材に採用した実施例1および実施例3と比較しても、極めて小さな逆R値が得られ、折れが生じにくいことが判る。
【0038】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能であり、例えば前述した実施形態において例示した基材,表皮材等の材質,形状,寸法,形態,数,配置個所等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0039】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係る積層体の製造方法によれば、請求項1に記載したように、基材を案内するメインロールの周速度が表皮材を案内するラミネートロールの周速度よりも高くすることで、表皮材よりも基材が送り方向に沿って圧縮された状態で積層接着されるので、所望長さに裁断したときに、表皮材側が凹面となるように湾曲する積層体を得ることができる。
このような積層体は、例えば自動車用シートのカバー材料等として凹部に倣って適用した場合、表皮材に折れ,皺等が生じ外観不良が生じる可能性が少ない施工性の良い積層体を提供することができる。
【0040】
また、本発明に係る積層体によれば、請求項2に記載したように、積層体サイズが矩形状で200mm×200mmの大きさとし、該積層体を平坦面に載置したときに、前記表皮材側が凹面になるように、積層体中央部よりも積層体端縁が立ち上がった高さが(−10)mm〜(+35)mmの範囲のカール値をもって湾曲しているので、例えば自動車用シートの凹部に適用しても、表皮材に折れ,外観性を損なうような不規則な皺等が生じて外観不良となる可能性を回避できる積層体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態を示す要部断面図である。
【図2】積層体の製造装置を示す模式図である。
【符号の説明】
10 積層体
11 基材
12 表皮材
20 製造装置
21 基材ロール
22 表皮材ロール
23 基材案内ロール
24 メインロール
25 表皮材案内ロール
26 ラミネートロール
27 バーナ
28 クーリングロール

Claims (1)

  1. 面状のウレタンフォームからなる基材と、前記基材に密着するとともに前記基材に比べて伸縮性の少ない面状の編み物または織物からなる表皮材とを積層接着させた積層体を製造するとき、
    前記基材を、基材案内ロールと、前記基材案内ロールを経た前記基材を前記表皮材と積層するように案内するメインロールの周面に接触させて走行案内するとともに、
    前記表皮材を、表皮材案内ロールと、前記表皮材案内ロールを経た前記表皮材を前記基材と積層するように案内するラミネートロールの周面に接触させて走行案内し、
    前記基材および前記表皮材を、前記メインロール及び前記ラミネートロール間にて厚み方向に密着させながら前記メインロールおよび前記ラミネートロールを互いに異なる方向に回転させながら連続積層し、
    前記メインロールの周速度をA、前記ラミネートロールの周速度をB、前記表皮材案内ロールの周速度をC、前記基材案内ロールの周速度をDとしたとき、それぞれの前記周速度の関係がA>DかつB>Cとなるように設定され、
    前記ラミネートロールの周速度Bと前記メインロールの周速度Aの比(B/A)が0.95以下であり、
    前記表皮材案内ロールの周速度Cと前記基材案内ロールの周速度Dの比(C/D)が0.98以下であることを特徴とする積層体の製造方法。
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