JP2005001272A - 積層シート、その製造方法及び製造装置 - Google Patents

積層シート、その製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】通気性を有する伸縮性の積層シート及びこの積層シートを容易かつ低コストにて製造できる製造方法を提供することにある。
【解決手段】溶融した弾性フィルム材料からなるフィルム状物21の表裏両面に不織布22、23を重ね、重ねた不織布22/フィルム状物21/不織布23の積層物を、表面に複数の微小な凸部1aを有する第1加熱加圧手段と、この第1加熱加圧手段の各凸部1aと当接可能な平滑支持面2aを有する第2加熱加圧手段との間に通し、第1加熱加圧手段の各凸部1aと第2加熱加圧手段の平滑支持面2aとで積層物を加熱加圧して複数の微小な通気孔を形成し、かつ少なくとも各通気孔の周囲部における各層を一体的に接着する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は積層シート及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、通気性が付加された伸縮性を有する積層シートを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
通気性が付加された伸縮性の積層シートとしては、熱圧着可能な弾性シートと、その少なくとも一方の面に熱圧着により貼合わされた不織布とを備え、帯状に熱圧着された結合部に弾性シート及び不織布を貫通する複数の通気孔が形成されているもの(例えば、特許文献1参照)が公知である。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−328600号公報
【0004】
この従来の積層シートの場合、その製造装置は、弾性シートを不織布とを熱圧着しかつ通気孔を形成する一対のローラを備えている。各ローラは、その外周面に、軸方向に等ピッチで複数の環状突起を対向して有し、さらに一方のローラの環状突起の上面には等ピッチで複数の微小突起が形成されると共に、他方のローラの環状突起の上面には、前記複数の微小突起と係合可能な複数の凹部が等ピッチで形成されている。一対のローラは、各々の環状突起が所定の圧力で圧接され、かつ接触部において微小突起と凹部とが係合した状態に付勢され、この状態で互いに逆方向に同期回転するように構成されている。また、一対のロールは、加熱手段により各環状突起の上面が熱圧着に適した温度に加熱される。
【0005】
この積層シートの製造に際しては、弾性シートと不織布を互いに重ね合わせた状態で、相互に逆方向に回転する一対のロールの間に送り込むことによって、相対向する環状突起間で熱圧着されて結合部を形成し、同時に微小突起と凹部との作用で、結合部に通気孔を形成する。
【0006】
このような製造方法にて積層シートを製造する場合、各ローラの環状突起周辺部の形状・寸法等に高い精度が要求され製作が困難であると共に、各微小突起に各凹部を僅かなずれもなく係合させるよう各ローラの位置や同期回転を高精度に制御する必要があり、装置全体が複雑となりトラブルが頻発する恐れがある。また、積層シートの各結合部の間の領域には通気孔を形成することができず、通気孔の幅方向ピッチが例えば5mm以下と小さい積層シートの製造には不向きである。
【0007】
本発明の主要な目的の一つは、通気性を有する伸縮性の積層シート及びこの積層シートを容易かつ低コストにて製造できる製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、弾性フィルム又は溶融した弾性フィルム材料からなるフィルム状物の表裏両面に不織布を重ね、重ねた不織布/弾性フィルム又はフィルム状物/不織布の積層物を、表面に複数の微小な凸部を有する第1加熱加圧手段と、この第1加熱加圧手段の各凸部と当接可能な平滑支持面を有する第2加熱加圧手段との間に通し、第1加熱加圧手段の各凸部と第2加熱加圧手段の平滑支持面とで前記積層物を加熱加圧して複数の微小な通気孔を形成し、かつ少なくとも各通気孔の周囲部における各層を一体的に接着する積層シートの製造方法が提供される。
【0009】
この積層シートの製造方法によれば、第1加熱加圧手段の各凸部により加熱加圧(エンボス処理)された位置には複数の通気孔が形成されて通気性が確保されると同時に、各通気孔の周囲部の不織布/弾性フィルム又はフィルム状物/不織布が接着して層間接合強度も確保された積層シートを製造することができる。また、第2加熱加圧手段は平滑支持面を有するだけの簡素な構成で済み、第1加熱加圧手段の各凸部の平滑支持面に対する位置調整も必要ないため、簡素な製造装置で容易に積層シートを製造することができる。
ここで、本発明において、接着とは、弾性フィルムの溶融部分又は溶融状態のフィルム状物が不織布の繊維に接触し、あるいは弾性フィルムの溶融部分又は溶融状態のフィルム状物が不織布の溶融部分と接触し、各溶融物が冷却後に硬化して、弾性フィルムと不織布とが一体的に接合した状態を意味する。また、本発明において、溶融とは、弾性フィルム又はフィルム状物が軟化点以上の温度となった軟化状態を意味する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、第1加熱加圧手段として具体的には、外周面に複数の微小な凸部を有する金属製(例えばスチール製)の加熱加圧エンボスロールを有してなり、第2加熱加圧手段として具体的には金属製の加熱平ロールを有してなるものとすることができる。
このような構成では、加熱加圧エンボスロールと加熱平ロールの間に不織布/弾性フィルム又はフィルム状物/不織布を連続的に送り込んで通気孔を形成しかつその周囲部における3層を一体的に接着し接合してなる積層シートを効率よく生産することができる。また、加熱平ロールが金属製であることにより、金属製の加熱加圧エンボスロールの凸部が平滑支持面に当接してもめり込むことがなく、したがって積層シートの裏面側(不織布の表面)に突起を生じて肌ざわりが悪化するようなことがない。この場合、加熱平ロールは、特殊な熱処理を施した炭素鋼(通称45C)で作られ、加熱加圧エンボスロールによって磨耗及び変形し難い金属材料から構成されるのがよい。
なお、第1・第2加熱加圧手段をプレス方式とすることも可能であるが、製造装置の簡素化と低コスト化、製造の容易性、品質の安定性等の観点から上述のロール方式が好ましい。
【0011】
また、本発明の積層シートの製造方法においては、以下の(1)インライン方式、(2)アウトライン方式の採用が可能である。
(1)インライン方式では、加熱加圧エンボスロール及び加熱平ロールの搬送上流側において、弾性フィルム材料、例えば熱可塑性エラストマーを溶融温度以上で押出機にて連続的にフィルム状に押出し、フィルム状物が溶融状態にあるうちにその表裏両面に不織布を重ね合わせて加熱加圧エンボスロール及び加熱平ロールにて加熱加圧処理(エンボス処理)し、通気孔が形成されてなる積層シートを巻取りロールにて巻き取る。この際、具体的な設定条件として、
押出機の口金(Tダイ(熱源))の押出し温度:100〜250℃
加熱加圧エンボスロール(エンボス処理)の温度:80℃〜不織布の溶融温度よりも10℃低い温度
加熱加圧エンボスロール(エンボス処理)の圧力:1〜140ton/cm巻取りロールの巻取り速度:3〜50m/min(好ましくは40m/min付近)
に設定するのが好ましい。
【0012】
このインライン方式では、フィルム状物が溶融状態にあるうちに表裏両面に不織布を貼り合わせるため、不織布の繊維間にエラストマーが容易に進入し、この結果、積層シートにおける通気孔の周囲の接着部を除く領域の層間接合強度を大幅に高めることができると共に、通気孔の周囲の接着部は孔を形成したことによる弾性フィルムの強度低下を補う補強効果も有している。さらに、弾性フィルムの形成工程と、不織布/フィルム状物/不織布の積層工程と、積層物への通気孔形成工程を同一工程で行うことができる、すなわち全ての工程をインラインで行うことができるため、生産の効率化と製造工程のコンパクト化を図ることができ、製造コストも抑えることができる。
なお、Tダイの押出し温度が100℃より小さいと熱可塑性エラストマーが溶融状態とならず、不織布の繊維間にエラストマーが進入し難くなって層間接合強度を得難くなる。一方、Tダイの押出し温度が250℃を超えると、エラストマーの流動性が高すぎてフィルムの成形が難しくなる。また、エンボス処理の温度(加熱加圧エンボスロール及び加熱平ロールの温度)が80℃よりも低いと、積層シートに十分な通気性と層間接合強度を確保することができず、一方、不織布の溶融温度よりも10℃低い温度を超えると、不織布表面の繊維が熱により変形あるいは溶融して塊を形成して積層シートの肌触りが硬くなる不具合を生じる。また、エンボス処理の圧力が1ton/cmよりも小さいと、十分な圧力を得られないために通気孔が得られなかったり均一な大きさに形成できず、一方、140ton/cmを越えると圧力が大きすぎて加熱加圧エンボスロールの凸部の寿命が短くなったり、加熱平ロールに傷を付ける問題が生じる。また、巻取りロールの巻取り速度が3m/min未満だと 熱可塑性エラストマーが溶融状態から固化状態になり、適切な接着が出来ない問題を生じ、一方、50m/minを越えると適度な圧力を確保できず通気孔を形成することが難しくなる。
【0013】
(2)アウトライン方式では、予め仮接着した積層シートを形成しておき、後工程において、加熱加圧エンボスロール及び加熱平ロールにてエンボス処理を施し、通気孔を形成する。なお、具体的な設定条件は、上記(1)の場合と同様である。
このアウトライン方式の利点としては、小ロット生産に適し、設備コストが安く済むことが挙げられる。
なお、この(2)アウトライン方式の利点に比して上記(1)インライン方式の利点の方が大きいことから、本発明ではインライン方式を採用する方が好ましい。
【0014】
ここで、本発明において、上記弾性フィルムを構成する材料としては、ウレタン系、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、エステル系、アミド系等の各種熱可塑性エラストマーを用いることができ、特に、ウレタン系エラストマーが伸張後の歪み(永久伸び)が少ない点で好ましい。
また、不織布としては、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、ヒートロール不織布等が挙げられるが、製造ラインを連続的に流れる流れ方向に垂直な方向の伸張性を有するスパンレース不織布が伸縮後の歪みが少ない点で好ましい。
【0015】
本発明は、別の観点によれば、外周面に複数の微小な通気孔形成用凸部を有し、水平軸心廻りに回転可能に設けられた金属製の上記加熱加圧エンボスロールと、この加熱加圧エンボスロールと平行に近接して逆方向に回転可能に設けられ、前記各凸部と当接可能な平滑支持面を有する金属製の上記加熱平ロールと、溶融した弾性フィルム材料をフィルム状物として押出して回転する加熱加圧エンボスロールと加熱平ロールの間に供給する口金(上記Tダイ)と、不織布を前記フィルム状物の両面側から挟むようにして回転する加熱加圧エンボスロールと加熱平ロールの間に供給する第1不織布ロール及び第2不織布ロールとを備えた、簡素な構成の積層シートの製造装置を提供することができる。
【0016】
この製造装置において、加熱加圧エンボスロールの各凸部が、円錐台形であり、かつ先端部の外径:0.3〜1.0mm、ピッチ:1.0〜10mm、単位面積当たりを占有する凸部の先端面の総面積を5〜30%に設定するようにしてもよい。
このようにすれば、加熱加圧エンボスロールの各凸部に適度な圧力(1〜140ton/cm)を加えて、十分な通気性(1Kpa・s/m以下)が確保される数量、大きさの通気孔を均一に形成することができると共に、各凸部に対して過大な圧力が掛からず加熱加圧エンボスロールの凸部及び加熱加圧平ロールの寿命を延ばすことができる。
なお、凸部の先端部の外径が0.3mmよりも小さいと十分な通気性を確保できる大きさの通気孔が形成されず、一方、1.0mmを越えると通気孔を形成するために圧力が大きくなり過ぎて凸部先端の寿命が短くなる。また、凸部のピッチが1.0mmよりも小さいと適度な圧力を確保することが難しく、一方、10mmを越えると通気孔を形成するために圧力が大きくなり過ぎて凸部先端の寿命が短くなる。
この場合、複数の通気孔の配列は特に限定されず、長手方向(製造時の搬送方向)の列とこれに直交する幅方向の列がそろった配列、長手方向の列と幅方向の列がずれた千鳥状の配列、ランダムな配列等を挙げることができるが、凸部のピッチは、これらの各種配列における隣接した通気孔間の最も短い距離を意味する。また、凸部の先端面形状は、円形に限らず、楕円、矩形、多角形等とすることも可能であり、このような円形以外の各種先端面形状の大きさは、円形の場合と面積比で略等しくするのが好ましい。
【0017】
本発明は、別の観点によれば、熱圧着可能な弾性フィルムと、この弾性フィルムの表裏両面に貼り付けられた不織布とからなり、不織布/弾性フィルム/不織布の3層を貫通する複数の微小な通気孔が分散して形成されると共に、各通気孔の周囲部における3層が一体的に接着されてなる積層シートを提供することができる。
【0018】
この積層シートを構成する弾性シートとしては、特に限定されるものではないが、伸張後の歪みが少ない上記ウレタン系エラストマーが好ましい。このウレタン系エラストマーの目付けは、10〜100g/mが好ましく、25〜50g/mがより好ましい。なお、目付けが10g/mより小さいと、伸張後の戻り強度(復元性)が弱くなり過ぎる不具合があり、一方、100g/mを越えると、伸張時の強度(伸張に要する力)が大きくなり過ぎ、またコスト高となる不具合がある。
【0019】
また、積層シートを構成する不織布としては、特に限定されるものではないが、伸縮後の歪みが少ない上記スパンレース不織布が好ましい。不織布(1層当たり)の目付けは、15〜50g/mが好ましく、25〜40g/mがより好ましい。なお、15g/m未満であると、表面の外観不良(風合い不良)を生じたり、積層シートの伸び止まり感が低下する不具合があり、一方、50g/mを越えると、伸張時の強度(伸張に要する力)が大きくなり過ぎ、またコスト高となる不具合がある。スパンレース不織布を構成する繊維としては、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ナイロン系繊維、レーヨン、コットン、絹等が挙げられ、これらを単独もしくは2種類以上併用して用いることができる。また、スパンレース不織布の繊維の繊度は、1.0〜10.0dtex(デシテックス)が好ましい。
【0020】
本発明の積層シートは、上述のような構成により、総目付けが40〜200g/m(好ましくは75〜130g/m)である。なお、40g/mより小さいと伸張後の戻り強度(復元性)が弱くなり過ぎる不具合があり、一方、200g/mを越えると伸張時の強度(伸張に要する力)が大きくなり過ぎる不具合がある。
【0021】
以下、本発明の実施の形態1の積層シート及びその製造方法を、図面に基づいて詳説する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。
【0022】
[実施の形態1]
図1は本発明の積層シートのインライン方式による製造方法及び製造装置を説明する模式図であり、図2は製造装置における加熱加圧エンボスロールの要部拡大断面図であり、図3は加熱加圧エンボスロールと加熱平ロールとにより不織布/弾性シート/不織布に通気孔を形成し、かつ通気孔の周囲部を接着する状態を示す要部拡大断面図であり、図4は製造した積層シートを示す要部平面図であり、図5は図4の要部拡大平面図である。
【0023】
先ず、図1から本発明の積層シートを製造する積層シート製造装置Sについて説明する。
この積層シート製造装置10は、外周面に複数の微小な凸部1aを有し、水平軸心廻りに回転可能に設けられた加熱加圧エンボスロール(以下、エンボスロールと称する)1と、このエンボスロール1と平行に近接して逆方向に回転可能に設けられ、前記各凸部1aと当接可能な平滑支持面2aを有する加熱平ロール(以下、平ロールと称する)2と、エンボスロール1を回転可能にかつ平ロール2側へ移動可能に保持する図示しない加圧手段と、エンボスロール1及び平ロール2をおのおの独立して所定温度に加熱する図示しない加熱手段と、溶融状態のフィルム状物21を上方からエンボスロール1と平ロール2の間に供給するTダイ(押出機)3と、不織布22、23が巻設された第1不織布ロール4及び第2不織布ロール5と、形成された積層シート20を巻き取る巻取りロール6とを備えている。
【0024】
図1と図2に示すように、エンボスロール1は、特殊な熱処理を施された炭素鋼(通称45C)製であり、その胴部(径:30cm)の平滑な外周面である平滑面1bに、上記複数の凸部1aが軸方向と円周方向に列をそろえて配置されている(図4参照)。凸部1aは、円錐台形であって、先端面の外径D:0.6mm、高さH:0.8mmにて形成されている。また、隣接する凸部1a、1a間はピッチP:2.1mmに設定されている。一方、平ロール2もエンボスロール1と同じ材質であり、径:30cmに設定され、その外周面が上記平滑支持面2aとされている。
【0025】
次に、図1〜図5を参照しながら、この製造装置10による積層シートの製造方法の好ましい例を説明する。積層シートの製造に際しては、150℃に加熱されたエンボスロール1と100℃に加熱された平ロール2を矢印A、B方向に回転させ、押出し温度:200℃にてTダイ3から熱可塑性エラストマーを溶融状態でフィルム状に連続的に押出し、かつそのフィルム状物21を連続した不織布22、23間に挟み込んだ状態でエンボスロール1と平ロール2の間に通してエンボス処理し、それによって複数の微小な通気孔20aを有する積層シート20を形成し(図4参照)、積層シート20を巻取りロール6にて巻取り速度:30m/minにて巻き取る。
【0026】
この場合、熱可塑性エラストマーとしては、ウレタン系エラストマーが用いられ、目付け40g/m程度の弾性フィルムが形成される流量でTダイ3から均一な厚みでフィルム状に押出される。また、各不織布22、23としては、繊度 1.4dtexのレーヨン繊維:70重量%、繊度1.4dtexのPP(ポリプロピレン)繊維:30重量%、目付け:26g/mのスパンレース不織布が用いられる。また、エンボス処理の圧力は7.5ton/cmである。
【0027】
ところで、積層シート20の製造時のエンボス処理においては、回転するエンボスロール1の各凸部1aは、表側の不織布22の目を掻い潜り、溶融状態のフィルム状物21を突き破り、裏側の不織布23を貫通して平ロール2の平滑支持面2aに当接する。この間、凸部1aが貫通した部分のエラストマー材料は凸部1aの周囲に環状に集まって肉厚部を形成し、この肉厚部によって凸部1aが貫通した周囲の不織布22、23の繊維が絡め取られる。この際、凸部1aと平滑支持面2aとの間に不織布の繊維が挟まった場合は、加熱と加圧の作用により溶融して上記肉厚部と一体化する。そして、凸部1aが離脱した後にできた空間が通気孔20aとして形成され、かつ通気孔20aの周囲における不織布22/フィルム状物21/不織布23の3層が一体的に接着した接着部20bが形成される(図5参照)。
【0028】
このようにして製造された積層シート20は、図3〜図5に示すように、目付け:40g/mの弾性フィルム21と、この弾性フィルム21の表裏両面に貼り付けられた目付け:26g/mのスパンレース不織布22、23とからなり、不織布22/弾性フィルム21/不織布23の3層を貫通する複数の微小な通気孔20aが長手方向Xと幅方向Yに列をそろえて均一に分散して形成されると共に、各通気孔20aの周囲に環状の接着部20bが形成され、かつ各接着部20b以外の領域の弾性フィルム21・不織布22、23間も接合している。この積層シート20は、幅方向Yに伸縮性を有し、総目付け:92g/m、厚みT:
0.15mm、単位面積当たりの通気孔20aの総断面積(開口率):7%である。
【0029】
[他の実施の形態]
なお、図示省略するが、アウトライン方式による積層シートの製造方法では、エンボス処理での通気孔の形成に際しては、エンボスロールが弾性フィルムの軟化温度以上に加熱・加圧されることにより、凸部が弾性フィルムを突き破り、凸部の周囲に環状に集まった軟化したエラストマー材料が表裏側の不織布の繊維を絡め取る。この際、凸部1aと平滑支持面2aとの間に不織布の繊維や弾性フィルムが挟まった場合は、加熱と加圧の作用により各々軟化して凸部の周囲に集まって一体化する。そして、凸部の離脱後に積層物に通気孔が形成され、かつ通気孔の周囲に3層が一体的に接着した接着部が形成される。
【0030】
【実施例】
表1に示す条件で、かつその他の条件は上記実施の形態1と同一として、実施例1の積層シートと比較例1、2の積層シートを作成し、その接着強度と通気性を測定した。なお、接着強度の測定方法と通気性の測定方法は下記のごとくである。この実施例1、2、3の積層シートは、エステル系A硬度80のウレタン系エラストマーと、PP繊維の不織布とから構成されている。
<接着強度の測定法方法>
1.積層シートを80×25mmにカットし、次いで片方の不織布のみを長手方向に30mm剥がして試験体を作成する。
2.試験体の1層の不織布と2層の不織布/弾性フィルムの両端部をそれぞれ測定機器(東洋精機製作所(株)製のストログラフR)にチャック間距離10mmで保持し、試験体の両端部を引っ張り速度100mm/minで引っ張ったときの強度を測定する。
<通気性の測定方法>
1.積層シートを100×100mmにカットして試験体を作成する。
2.試験体をカトーテック株式会社製のKES−F8−AP1により抵抗値を測定する。
【0031】
【表1】
Figure 2005001272
【0032】
表1より、加熱加圧エンボスロールの温度と圧力が高くなると積層シートの接着強度及び通気性が良くなる事が判るが、加熱平ロール温度が高すぎると積層シートの風合いがやや硬くなるため、温度と圧力のバランスを調整する事により、実施例1の接着強度、通気性及び風合いの優れた物が形成できた。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、第1加熱加圧手段の各凸部により加熱加圧(エンボス処理)された位置には複数の通気孔が形成されて通気性が確保されると同時に、各通気孔の周囲部の不織布/弾性フィルム又はフィルム状物/不織布が接着して層間接合強度も確保された積層シートを製造することができる。また、第2加熱加圧手段は平滑支持面を有するだけの簡素な構成で済み、第1加熱加圧手段の各凸部の平滑支持面に対する位置調整も必要ないため、簡素な製造装置で容易に積層シートを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層シートのインライン方式による製造方法及び製造装置を説明する模式図である。
【図2】製造装置における加熱加圧エンボスロールの要部拡大断面図である。
【図3】加熱加圧エンボスロールと加熱平ロールとにより不織布/弾性シート/不織布に通気孔を形成し、かつ通気孔の周囲部を接着する状態を示す要部拡大断面図である。
【図4】製造した積層シートを示す要部平面図である。
【図5】図4の要部拡大平面図である。
【符号の説明】
1 加熱加圧エンボスロール
1a 凸部
2 加熱平ロール
2a 平滑支持面
20a 通気孔
21 フィルム状物
22、23 不織布

Claims (10)

  1. 弾性フィルム又は溶融した弾性フィルム材料からなるフィルム状物の表裏両面に不織布を重ね、重ねた不織布/弾性フィルム又はフィルム状物/不織布の積層物を、表面に複数の微小な凸部を有する第1加熱加圧手段と、この第1加熱加圧手段の各凸部と当接可能な平滑支持面を有する第2加熱加圧手段との間に通し、第1加熱加圧手段の各凸部と第2加熱加圧手段の平滑支持面とで前記積層物を加熱加圧して複数の微小な通気孔を形成し、かつ少なくとも各通気孔の周囲部における各層を一体的に接着することを特徴とする積層シートの製造方法。
  2. 第1加熱加圧手段が、外周面に複数の微小な通気孔形成用凸部を有する金属製の加熱加圧エンボスロールを備えてなり、第2加熱加圧手段が、前記加熱加圧エンボスロールの各凸部と当接可能な平滑支持面を有する加熱平ロールを備えてなる請求項1に記載の積層シートの製造方法。
  3. 第1加熱加圧手段及び第2加熱加圧手段にて積層物に複数の通気孔を形成し、かつ少なくとも各通気孔の周囲部における各層を一体的に接着するエンボス処理の温度を、80℃〜不織布の溶融温度よりも10℃低い温度に設定する請求項1又は2に記載の積層シートの製造方法。
  4. 第1加熱加圧手段及び第2加熱加圧手段にて積層物に複数の通気孔を形成し、かつ少なくとも各通気孔の周囲部における各層を一体的に接着するエンボス処理の圧力を、1〜140ton/cmに設定する請求項1〜3の何れか1つに記載の積層シートの製造方法。
  5. 弾性フィルム又はフィルム状物が、ウレタン系熱可塑性エラストマーからなる請求項1〜4の何れか1つに記載の積層シートの製造方法。
  6. 不織布が、スパンレース不織布からなる請求項1〜5の何れか1つに記載の積層シートの製造方法。
  7. 外周面に複数の微小な通気孔形成用凸部を有し、水平軸心廻りに回転可能に設けられた金属製の加熱加圧エンボスロールと、この加熱加圧エンボスロールと平行に近接して逆方向に回転可能に設けられ、前記各凸部と当接可能な平滑支持面を有する金属製の加熱平ロールと、溶融した弾性フィルム材料をフィルム状物として押出して回転する加熱加圧エンボスロールと加熱平ロールの間に供給する口金と、不織布を前記フィルム状物の両面側から挟むようにして回転する加熱加圧エンボスロールと加熱平ロールの間に供給する第1不織布ロール及び第2不織布ロールとを備えたことを特徴とする積層シートの製造装置。
  8. 加熱加圧エンボスロールの各凸部が、円錐台形であり、かつ先端部の外径:0.3〜1.0mm、ピッチ:1.0〜10mm、単位面積当たりを占有する凸部の先端面の総面積を5〜30%に設定する請求項7に記載の積層シートの製造装置。
  9. 前記請求項1〜6の何れか1つに記載の積層シートの製造方法にて製造されたことを特徴とする積層シート。
  10. 前記請求項7又は8に記載の積層シートの製造装置にて製造されたことを特徴とする積層シート。
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