JP4854686B2 - 復号装置及び通信システム - Google Patents
復号装置及び通信システムInfo
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Description
なお、復号装置は、通信路上でノイズが符号語系列に重畳されたり、攻撃者に故意の改竄などが行われたりすることによって、符号語系列に誤りが含まれる可能性があるため、その符号語系列の誤り訂正を行う。
ただし、ここでは説明の簡単化のために、0フラットEG(2,2^2)符号で記載している。EGは“Euclidean geometry”の略である。
以降、断りのない場合以外は、すべてガロア体の2(GF(2)={0,1})上で表現する。
この符号語系列wの生成多項式は、0フラットEG(2,2^2)符号の場合、例えば、n=15で、G(x)=x8+x7+x6+x4+1が該当する。
この生成多項式G(x)から得られる巡回行列をガウス消去法で、下記の式(1)中の行列に変換する。
符号語系列wの生成多項式がG(x)=x8+x7+x6+x4+1である場合、検査多項式H(x)は“x7+x3+x+1”となるので、符号語系列wの検査行列は、下記の式(4)のようになる。
そして、復号装置は、排他的論理和の結果を多数決演算で判定する。
即ち、排他的論理和の演算結果が“1”の場合は誤り、“0”の場合は正しいと判断し、その演算結果の多数決で“1”の合計が2以下なら対応ビットは正しく、2以上なら対応ビットは誤りと判定する。
図5の例では、対応ビット毎にシンドローム計算と多数決演算を行うので、15ビット分のシフト演算と、16回の排他的論理和演算と、多数決演算のための3回の加算演算(4入力である為)と、1回の2以上判定用論理演算とが必要となる。
図1はこの発明の実施の形態1による通信システムを示す構成図であり、図1において、誤り訂正符号化装置1は巡回符号又は擬似巡回符号である誤り訂正符号を用いて、データである情報系列uの誤り訂正符号化を実施し、その情報系列uの誤り訂正符号化結果である符号語系列wを通信路2上に送信する。
復号装置3は通信路2を介して誤り訂正符号化装置1と接続されており、誤り訂正符号化装置1から送信された符号語系列を受信して、その符号語系列の誤りを訂正して情報系列uを再生する。
この実施の形態1では、誤り訂正符号化装置1が長さkの情報系列u=(uk−1,・・・,u1,u0)から長さnの符号語系列w=(wn−1,・・・,w1,w0)を生成して、その符号語系列wを通信路2上に送信するが、通信路2上で、エラーベクトルe=(en−1,・・・,e1,e0)が符号語系列wに重畳されることにより、復号装置3では、符号語系列として、y=w+eが受信されるものとする。
図2において、符号語系列受信部11は誤り訂正符号化装置1から送信された符号語系列y0(y=w+e)を受信する処理を実施する。y0の右肩における“0”は、符号語系列のビットがシフトされていないことを示している。なお、符号語系列受信部11は符号語系列受信手段を構成している。
誤り訂正部16は誤り系列生成部15により生成された誤り系列DECを用いて、符号語系列受信部11により受信された符号語系列y0の誤りを訂正する処理を実施する。なお、誤り訂正部16は誤り訂正手段を構成している。
この実施の形態1では、断りのない場合以外は、すべてガロア体の2(GF(2)={0,1})上で表現するものとする。
即ち、誤り訂正符号化装置1は、長さkの情報系列u=(uk−1,・・・,u1,u0)から長さnの符号語系列w=(wn−1,・・・,w1,w0)を生成し、その符号語系列wを通信路2上に送信する。
この符号語系列wの生成多項式は、0フラットEG(2,2^2)符号の場合、例えば、n=15で、G(x)=x8+x7+x6+x4+1が該当する。
その符号語系列wに含まれる誤りを示すエラーベクトルがe=(en−1,・・・,e1,e0)であるとすると、復号装置3において、符号語系列y=w+eが受信される。
また、誤り訂正符号化装置1が誤り訂正符号化する際に用いる生成多項式G(x)に対応する検査多項式H(x)は、下記の通りであり、wi+7+wi+3+wi+1+wi=0、i=0,1,・・・,n−1という線形再帰関係が成立する。
H(x)=x7+x3+x1+x0 (5)
一方、シンドローム系列siは、下記のように表現することができる。
si=ei+7+ei+3+ei+1+ei=0、i=0,1,・・・,n−1
(6)
ただし、iはnを法として考える。即ち、i(mod n)と考える。
即ち、検査多項式H(x)の係数1の総数であるJ=4個の系列y0,y1,y3,y7を生成する。
y0=(yn−1,yn−2,・・・,y1,y0)
y1=(y0,yn−1,・・・,y2,y1)
y3=(y2,・・・,y0,yn−1,・・・,y4,y3)
y7=(y6,・・・,y0,yn−1,・・・,y8,y7)
(7)
ただし、yjは符号語系列y0のビットをjだけ右シフトしている符号語シフト系列(符号語ベクトル)を示している。
以下、シンドローム系列siのシンドロームベクトルをs=(s0,s1,・・・,sn−1)とする。
なお、シンドローム系列siを計算するに要するシフト命令の回数は3(=J−1=4−1)回、排他的論理和命令の回数は3(=J−1=4−1)回である。
sp=(s−p,s1−p,s3−p,s7−p) (8)
Ep=maj[sp,0] (9)
ただし、maj[●]は、集合●のうち、“0”または“1”のいずれか過半数を占める方の値をとる多数決関数である。
復号装置3は、多数決関数Epの値が“0”であれば位置pのビットが正しいと判定し、多数決関数Epの値が“1”であれば位置pのビットが誤りであると判定する。0フラットEG(2,2^2)符号の場合、“1”が3以上4以下で、位置pのビットは誤りである。
即ち、検査多項式H(x)の係数1の総数であるJ=4個の系列s0,s−1,s−3,s−7を生成する。
s0=(sn−1,sn−2,・・・,s1,s0)
s−1=(sn−2,sn−3,・・・,s0,sn−1)
s−3=(sn−4,・・・,s0,sn−1,・・・,sn−2,sn−3)
s−7=(sn−8,・・・,s0,sn−1,・・・,sn−6,sn−7)
(10)
ただし、s−jはシンドローム系列s0のビットをjだけ左シフトしているシンドロームシフト系列(シンドロームベクトル)を示している。
これらの系列s0,s−1,s−3,s−7における同一要素番号のビット毎に排他的論理和や論理積演算などの論理演算を実施することにより、符号語系列yの位置pのビットが誤っているか否かを示す誤りベクトルである誤り系列DECを計算することができる。
符号語系列受信部11は、誤り訂正符号化装置1から送信された符号語系列y=w+e、即ち、符号語系列y0=(yn−1,yn−2,・・・,y1,y0)を受信する。
符号語シフト系列生成部12は、符号語系列受信部11が符号語系列y0を受信すると、検査多項式H(x)に応じたシフト量で(検査多項式H(x)のべき数分だけシフトするシフト量)、その符号語系列y0のビットをシフトして、複数の符号語シフト系列y1,y3,y7を生成する。
以下、符号語シフト系列生成部12及びシンドローム系列生成部13の処理内容を具体的に説明する。
図3は符号語シフト系列生成部12及びシンドローム系列生成部13の処理内容を示す説明図である。
また、符号語シフト系列生成部12は、バレルシフタを用いて、符号語系列y0を右に1ビットシフトすることにより、符号語シフト系列y1=(y0,yn−1,・・・,y2,y1)を生成して、その符号語シフト系列y1をレジスタ(2)に格納する。
y0 EXOR y1 (11)
ただし、EXORは排他的論理和演算を示す記号である。
(y0 EXOR y1) EXOR y3 (12)
((y0 EXOR y1) EXOR y3) EXOR y7
(13)
以下、シンドロームシフト系列生成部14及び誤り系列生成部15の処理内容を具体的に説明する。
図4はシンドロームシフト系列生成部14及び誤り系列生成部15の処理内容を示す説明図である。
また、シンドロームシフト系列生成部14は、バレルシフタを用いて、そのシンドローム系列s0を左に1ビットシフトすることにより、シンドロームシフト系列s−1=(sn−2,sn−3,・・・,s0,sn−1)を生成して、そのシンドロームシフト系列s−1を図4のレジスタSに格納する。
s0 EXOR s−1 (14)
s0 AND s−1 (15)
ただし、ANDは論理積演算を示す記号である。
(s0 EXOR s−1) EXOR s−3 (16)
(s0 EXOR s−1) AND s−3 (17)
((s0 EXOR s−1) AND s−3)
EXOR (s0 AND s−1)
(18)
((s0 EXOR s−1) EXOR s−3) EXOR s−7
(19)
以下、式(19)の排他的論理和演算を「第1の論理演算」と称する。
((s0 EXOR s−1) EXOR s−3) AND s−7
(20)
(((s0 EXOR s−1) EXOR s−3) AND s−7)
EXOR
(((s0 EXOR s−1) AND s−3)
EXOR (s0 AND s−1))
(21)
以下、式(21)の排他的論理和演算を「第2の論理演算」と称する。
(((s0 EXOR s−1) EXOR s−3) AND s−7)
AND
(((s0 EXOR s−1) AND s−3)
EXOR (s0 AND s−1))
(22)
以下、式(22)の論理積演算を「第3の論理演算」と称する。
誤り系列DEC
=第3の論理演算結果 OR (第1の論理演算結果 AND 第2の論理演算結果)
(23)
即ち、誤り訂正部16は、誤り系列生成部15により生成された誤り系列DECと、符号語系列受信部11により受信された符号語系列y0の排他的論理和を求め、その排他的論理和の結果を誤り訂正結果wとして出力する。
即ち、復号装置3の処理内容を記述しているプログラムを用意して、そのプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
Claims (7)
- 巡回符号又は擬似巡回符号である誤り訂正符号を用いて誤り訂正符号化されている符号語系列を受信する符号語系列受信手段と、上記符号語系列受信手段により受信された符号語系列の検査多項式に応じたシフト量で上記符号語系列のビットをシフトして、複数の符号語シフト系列を生成する符号語シフト系列生成手段と、上記符号語系列受信手段により受信された符号語系列及び上記符号語シフト系列生成手段により生成された符号語シフト系列におけるビット同士の排他的論理和演算を実施してシンドローム系列を生成するシンドローム系列生成手段と、上記符号語系列受信手段により受信された符号語系列の検査多項式に応じたシフト量で上記シンドローム系列生成手段により生成されたシンドローム系列のビットをシフトして、複数のシンドロームシフト系列を生成するシンドロームシフト系列生成手段と、上記シンドローム系列生成手段により生成されたシンドローム系列及び上記シンドロームシフト系列生成手段により生成されたシンドロームシフト系列におけるビット同士の論理演算を実施して誤り系列を生成する誤り系列生成手段と、上記誤り系列生成手段により生成された誤り系列を用いて、上記符号語系列受信手段により受信された符号語系列の誤りを訂正する誤り訂正手段とを備えた復号装置。
- 符号語シフト系列生成手段は、符号語系列受信手段により受信された符号語系列の検査多項式がx7+x3+x1+x0である場合、上記符号語系列のビットを右に1ビットシフトして第1の符号語シフト系列を生成し、上記第1の符号語シフト系列のビットを右に2ビットシフトして第2の符号語シフト系列を生成し、上記第2の符号語シフト系列のビットを右に4ビットシフトして第3の符号語シフト系列を生成することを特徴とする請求項1記載の復号装置。
- シンドローム系列生成手段は、符号語系列のビットと、第1の符号語シフト系列のビットと、第2の符号語シフト系列のビットと、第3の符号語シフト系列のビットとの排他的論理和を求め、その排他的論理和の結果をシンドローム系列として出力することを特徴とする請求項2記載の復号装置。
- シンドロームシフト系列生成手段は、シンドローム系列生成手段により生成されたシンドローム系列のビットを左に1ビットシフトして第1のシンドロームシフト系列を生成し、上記第1のシンドロームシフト系列のビットを左に2ビットシフトして第2のシンドロームシフト系列を生成し、上記第2のシンドロームシフト系列のビットを左に4ビットシフトして第3のシンドロームシフト系列を生成することを特徴とする請求項3記載の復号装置。
- 誤り系列生成手段は、シンドローム系列、第1のシンドロームシフト系列、第2のシンドロームシフト系列及び第3のシンドロームシフト系列におけるビット同士の第1の論理演算と第2の論理演算と第3の論理演算を実施し、上記第1の論理演算の結果と上記第2の論理演算の結果との論理積を求めて、上記論理積の結果と上記第3の論理演算の結果との論理和を求め、上記論理和の結果を誤り系列として出力することを特徴とする請求項4記載の復号装置。
記
・ 第1の論理演算
=S0 EXOR S−1 EXOR S−3 EXOR S−7
・ 第2の論理演算
=((S0 EXOR S−1 EXOR S−3) AND S−7)
EXOR (((S0 EXOR S−1) AND S−3) EXOR (S0 AND S−1))
・ 第3の論理演算
=((S0 EXOR S−1 EXOR S−3) AND S−7)
AND (((S0 EXOR S−1) AND S−3) EXOR (S0 AND S−1))
・ 誤り系列
=第3の論理演算結果 OR (第1の論理演算結果 AND 第2の論理演算結果)
ただし、
S0 =シンドローム系列
S−1=第1のシンドロームシフト系列
S−3=第2のシンドロームシフト系列
S−7=第3のシンドロームシフト系列
EXOR:排他的論理和を示す記号
AND :論理積を示す記号
OR :論理和を示す記号 - 誤り訂正手段は、誤り系列生成手段により生成された誤り系列と符号語系列受信手段により受信された符号語系列の排他的論理和を求め、その排他的論理和の結果を誤り訂正結果として出力することを特徴とする請求項5記載の復号装置。
- 巡回符号又は擬似巡回符号である誤り訂正符号を用いて、データの誤り訂正符号化を実施し、上記データの誤り訂正符号化結果である符号語系列を送信する誤り訂正符号化装置と、上記誤り訂正符号化装置から送信された符号語系列を受信し、上記符号語系列の誤りを訂正してデータを再生する復号装置とを備えた通信システムにおいて、上記復号装置は、上記誤り訂正符号化装置から送信された符号語系列を受信する符号語系列受信手段と、上記符号語系列受信手段により受信された符号語系列の検査多項式に応じたシフト量で上記符号語系列のビットをシフトして、複数の符号語シフト系列を生成する符号語シフト系列生成手段と、上記符号語系列受信手段により受信された符号語系列及び上記符号語シフト系列生成手段により生成された符号語シフト系列におけるビット同士の排他的論理和演算を実施してシンドローム系列を生成するシンドローム系列生成手段と、上記符号語系列受信手段により受信された符号語系列の検査多項式に応じたシフト量で上記シンドローム系列生成手段により生成されたシンドローム系列のビットをシフトして、複数のシンドロームシフト系列を生成するシンドロームシフト系列生成手段と、上記シンドローム系列生成手段により生成されたシンドローム系列及び上記シンドロームシフト系列生成手段により生成されたシンドロームシフト系列におけるビット同士の論理演算を実施して誤り系列を生成する誤り系列生成手段と、上記誤り系列生成手段により生成された誤り系列を用いて、上記符号語系列受信手段により受信された符号語系列の誤りを訂正する誤り訂正手段とから構成されていることを特徴とする通信システム。
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