JP4854593B2 - 水栓装置 - Google Patents

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Description

この発明は水栓装置に関し、詳しくは先端部に吐水口を有する吐水管に対する回転規制の構造に特徴を有するものに関する。
従来、先端部に吐水口を有する吐水管の円筒状の基端部を吐水管に対する支持部に外嵌し、その支持部にて吐水管の基端部を回転可能に支持するようになした水栓装置が広く用いられている。
このような水栓装置において、支持部の外周面に、吐水管の回転方向に離隔して一対の当り部を設ける一方、吐水管の基端部にストッパ突起を径方向に貫通する状態に設け、吐水管の回転の際にストッパ突起を当り部に当接させることによって、吐水管の回転を規制するようになした水栓装置が従来公知である。
例えば下記特許文献1にこの種の水栓装置が開示されている。
図13はその一例を示している。
同図において、200は先端部に吐水口を有する吐水管で、202は吐水管200を支持する支持部(ここでは水栓本体)である。
204は吐水管200における円筒状の基端部で、吐水管200はこの基端部204が支持部202に外嵌され、かかる支持部202にて回転可能に支持されている。
支持部202には、図13(A)に示しているように吐水管200の回転方向に離隔した位置に当り部206A,206Bが設けられており、一方吐水管200の基端部204には、ストッパ突起208が基端部204を径方向に貫通し、先端部が基端部204の内方に突出する状態で設けられている。
この水栓装置では、吐水管200を図中反時計方向に回転させると、ストッパ突起208が当り部206Aに当ってそこで吐水管200が回転規制され、また逆方向である図中時計方向に吐水管200を回転させると、ストッパ突起208が当り部206Bに当ってそこで吐水管200が回転規制される。
しかしながらこの水栓装置の場合、吐水管200の回転範囲が一定であり、水栓装置の設置現場の状況に応じて、その回転範囲を変えることができないといった問題がある。
例えば水栓装置を流し台に取り付けるに際して、流し台のサイズや形状によって、或いはその取付位置がシンクの中央位置である場合と、右側に偏った位置である場合、或いは左側に偏った位置である場合とで、吐水管200の適正な回転範囲が異なってくる。
また流し台が壁に面して設置されておらず、キッチンの中央に独立して設置されているような場合では、吐水管の必要な回転範囲も自ずと異なったものとなってくる。
しかるに図13に示す水栓装置では、そうした設置現場の状況に応じて吐水管200の回転範囲を適正な回転範囲に調節することができない。
この場合水栓装置の使い勝手が悪くなり、また場合によって吐水管先端部の吐水口がシンクから外れて、シンク外に誤って吐水されてしまうといったことも起り得る。
従って水栓装置としては、設置現場の状況に応じて吐水管の回転範囲を調節できるようにしておくことが望ましい。
更に吐水管の回転範囲を調節するに際し、設置現場において吐水管を含む水栓装置を分解する(バラす)ことなく、吐水管の回転範囲を調節できることが望ましい。
設置現場において吐水管の回転範囲を調節するために、吐水管を含む水栓装置を分解してしまうと、再び水栓装置を組んだときに元の適正な組付状態に戻らないまま水栓が設置されてしまう恐れがあり、或いは分解や再組付けの際にシール部材が損傷してシールの信頼性が損なわれてしまう恐れも生ずる。
吐水管の回転規制の構造については、下記特許文献2にも開示されている。しかしながらこの特許文献2に開示のものも、吐水管の回転範囲を水栓装置の設置現場の状況に応じて調節することのできないものである。
他方、特許文献3,特許文献4には吐水管の回転範囲を調節可能となしたものが開示されているが、これら特許文献3,特許文献4に開示のものでは、吐水管の回転範囲を変更し調節するためには水栓装置を各部材に一旦分解しなければならない問題がある。
実公平6−30919号公報 特開平11−50498号公報 特開平10−88633号公報 特開平9−13450号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、水栓装置の設置現場の状況に応じて吐水管の回転範囲を調節でき、しかもその調節の作業を設置現場で且つ水栓装置を分解することなく行うことのできる回転式の吐水管を備えた水栓装置を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、先端部に吐水口を有する吐水管の円筒状の基端部を該吐水管に対する支持部に外嵌し、該支持部にて該基端部を回転可能に支持するようになし、該支持部の外周面には該吐水管の回転方向に離隔して一対の当り部を設ける一方、前記吐水管の基端部にはストッパ突起を径方向に貫通する状態に設け、該吐水管の回転の際に該ストッパ突起を前記当り部に当接させることによって該吐水管の回転を規制するようになした水栓装置において、前記支持部の外周面には、径方向の異なった位置に複数の前記当り部を、前記吐水管の回転方向の異なった位置に且つ径方向内側に位置する当り部ほど、径方向外側の当り部よりも該吐水管の回転範囲の中央側に位置するように設け、且つ前記ストッパ突起は、前記吐水管の回転の際に先端部が前記径方向に位置の異なった複数の前記当り部の何れかに対して当接可能、他の当り部に対して当接不能となる複数のストッパ作用位置の何れかとなるように、前記吐水管の径方向内方への突出量が調節可能となしてあり、該ストッパ突起の該複数のストッパ作用位置の何れかへの切替えによって、吐水管の回転規制の位置を調節可能となしてあることを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記ストッパ突起が雄ねじ部材となしてあり、前記吐水管に設けた雌ねじ部を有する取付孔に該ストッパ突起を螺合により取り付けるようになしてあることを特徴とする。
請求項3のものは、先端部に吐水口を有する吐水管の円筒状の基端部を該吐水管に対する支持部に外嵌し、該支持部にて該基端部を回転可能に支持するようになし、該支持部の外周面には該吐水管の回転方向に離隔して一対の当り部を設ける一方、前記吐水管の基端部にはストッパ突起を径方向に貫通する状態に設けて、該吐水管の回転の際に該ストッパ突起を前記当り部に当接させることによって該吐水管の回転を規制するようになした水栓装置において、前記吐水管の基端部には、前記ストッパ突起を取付可能な複数の取付孔を設けて、各取付孔に前記ストッパ突起を取り付け、ストッパ作用させるべきストッパ突起を複数から選択して該選択したストッパ突起を、先端部が前記当り部に対して当接可能なストッパ作用位置まで突出し状態としておくか、又は複数から選択した前記取付孔に前記ストッパ突起を前記ストッパ作用位置まで突出状態に取り付けて、他の取付孔には該ストッパ突起を非取付状態となし、以って前記吐水管の回転規制の位置を調節可能となしてあることを特徴とする。
請求項4のものは、請求項3において、前記取付孔が3以上の複数設けてあるとともに、2つの該取付孔に前記ストッパ突起が前記ストッパ作用位置まで突出状態に設けてあることを特徴とする。
請求項5のものは、請求項3,4の何れかにおいて、前記取付孔が雌ねじ部を有するものとなしてあり、前記ストッパ突起が雄ねじ部材となしてあることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように請求項1のものは、吐水管の基端部を回転可能に支持する支持部の外周面の径方向の異なった位置に、複数の当り部を吐水管の回転方向の異なった位置に、且つ径方向内側に位置するものほど径方向外側のものよりも吐水管の回転範囲の中央側に位置するように設けて、それらに対し吐水管側のストッパ突起を当接させるようになし、一方ストッパ突起は、先端部が径方向に位置の異なった上記複数の当り部の何れかに対して当接可能、他の当り部に対して当接不能となる複数のストッパ作用位置の何れかとなるように吐水管の径方向内方への突出量を調節可能となし、ストッパ突起の複数のストッパ作用位置への何れかへの切替えによって、吐水管の回転規制の位置を調節可能となしたものである。
かかる請求項1の水栓装置にあっては、吐水管の円筒状をなす基端部に設けたストッパ突起の径方向内方への突出量を変えることで吐水管の回転規制の位置、即ち回転角度を変更することができ、設置現場の状況に応じて吐水管の回転範囲を適正な回転範囲となすことができる。
しかも請求項1によれば、吐水管の回転範囲を調節するに際し、単に吐水管基端部の外面からストッパ突起を操作して径方向内方への突出量を調節するだけで良く、それ故この請求項1によれば、吐水管を含む水栓装置を分解することなく、設置現場において吐水管の回転範囲を適正な回転範囲に調節することができる。
従って水栓装置を分解することによって、再びこれを組み付けたときに元の適正な状態に組み付けられないまま水栓装置が設置されてしまったり、或いは分解や再組付けに際してシール部材が損傷してしまい、シールの信頼性が損なわれるといった問題を解消することができる。
この場合において、上記ストッパ突起を雄ねじ部材となし、これを吐水管の基端部に設けた雌ねじ部を有する取付孔に螺合により取り付けるようになしておくことができる(請求項2)。
このようにすればストッパ突起の径方向位置、詳しくは吐水管内方へのストッパ突起の突出量を、吐水管の基端部の外部から簡単に調節することができる。
次に請求項3は、吐水管の基端部にストッパ突起を取付可能な複数の取付孔を設けて、各取付孔にストッパ突起を取り付け、そしてストッパ作用させるべきストッパ突起を複数から選択して、その選択したストッパ突起を、先端部が当り部に対して当接可能なストッパ作用位置まで突出状態としておくか、又は複数から選択した取付孔にストッパ突起をストッパ作用位置まで突出し状態に取り付けて、他の取付孔にはストッパ突起を非取付状態となすもので、この請求項3によっても吐水管の回転範囲を調節することができる。
またこの請求項3においても、吐水管の外部からストッパ突起をストッパ作用位置まで突き出したり、非ストッパ作用位置に引き込んだり、或いは取付孔に対しストッパ突起を着脱することで吐水管の回転範囲を調節でき、従ってこの請求項3によれば、設置現場において吐水管を含む水栓装置を分解することなく吐水管の回転範囲の調節作業を行うことができる。
この請求項3においては、取付孔を3以上の複数設けておき、そして2つの取付孔にストッパ突起をストッパ作用位置まで突出し状態に設けておくことができる(請求項4)。
かかる請求項4では、ストッパ作用位置まで突出し状態に設けた2つのストッパ突起を、対応する相手側の支持部の外周面の当り部に当接させることで吐水管の回転範囲を規制でき、且つストッパ作用する2つのストッパ突起の吐水管の回転方向位置を変えることで吐水管の回転範囲を変更でき、回転範囲の調節の自由度が高い利点が得られる。
これら請求項3,請求項4においても、上記取付孔を雌ねじ部を有する取付孔となし、ストッパ突起を雄ねじ部材となしておくことができる(請求項5)。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10はカウンター(取付基体)12に対し取付孔14において取り付けられた水栓装置で、15は水栓装置10における水栓本体(支持部)、17は水栓本体15上部に設けられたシングルレバー操作部、16は水栓本体15から延び出した、先端部に吐水口18を有する吐水管である。
吐水管16は円筒状の基端部20を有しており、この基端部20において水栓本体15により回転可能に支持されている。
図2に水栓装置10の内部構造が具体的に示してある。
同図において22は取付装置で、水栓本体15はこの取付装置22にてカウンター12に取り付けられている。
そしてこの水栓本体15に対して、詳しくはその底部38に対して水,湯を供給するサプライ管24が取付孔14を貫通して接続されている。
尚23は、水栓本体15と取付装置22との締結個所を外側から覆って隠蔽する化粧リングである。
吐水管16の基端部20は円筒状をなしていて、この基端部20が水栓本体15に外嵌され、基端部20が水栓本体15により回転可能に支持されている。
水栓本体15には、固定弁体26と、その上面を摺動する可動弁体28とを有する混合弁30が内蔵されており、そしてその可動弁体28に対して上記のシングルレバー操作部17が連結軸32を介して作動的に連結されている。
このシングルレバー式の湯水混合の水栓装置10では、シングルレバー操作部17を上下に回動操作することで、可動弁体28の移動により吐止水と水量調節とが行われ、また左右回動操作することで水と湯との混合比率が変化せしめられて混合水温度が調節される。
この混合水は混合室34から流出口36を経て図中下向きに流出し、更に吐水管16内部を流通して、先端部の吐水口18から吐出される。
図3に示しているように水栓本体15の外周面、詳しくは底部38の外周面には、径方向の異なった位置に、吐水管16を回転規制するための複数の当り部が設けられている。
具体的には、径方向の最も内側位置の当り部として一対の第1の当り部40A,40Bが、更にその外側位置に一対の第2の当り部42A,42Bが、更にその外側位置に一対の第3の当り部44A,44Bが設けられている。
ここで各当り部40A,40B,42A,42B,44A,44Bは、何れも当り面が底部38の軸心を中心とした放射方向の面となしてある。
これら3対の当り部40A及び40B,42A及び42B,44A及び44Bは、それぞれ周方向の異なった位置に設けられている。
詳しくは、最も径方向内側の第1の当り部40A,40Bは、吐水管16における基端部20の回転範囲の中央側に、また最も径方向外側の第3の当り部44A,44Bは、基端部20の回転範囲の最も端位置に、更にそれらの間の第2の当り部42A,42Bは、それらの中間に位置するように設けられている。
尚この例では吐水管16、即ちその基端部20の回転範囲の中央位置を基準として、3対の当り部における各一方の当り部40A,42A,44Aに対し、他方の当り部40B,42B,44Bが回転方向の対称位置にそれぞれ配置されている。
一方、吐水管16の基端部20には、径方向に貫通の取付孔46が設けられ、そこに雄ねじ部材からなるストッパ突起48が取り付けられている。
ここで取付孔46は雌ねじ部50と、これよりも大径をなす凹部52とを有しており、そして雌ねじ部50にストッパ突起48の雄ねじ部54が螺合され、また凹部52にストッパ突起48の頭部56が収容可能となしてある。
尚58は、雄ねじ部材からなるストッパ突起48を隠蔽するキャップである。
ここでストッパ突起48は、最も奥深くまでねじ込んだときに、その先端部が径方向の最も内側位置にある当り部40A,40Bに当接可能、即ち当り部40A,40Bに対し基端部20の回転方向に対向する状態となる。
図4〜図6は本実施形態の作用を表わしている。
先ず図4(A)は、吐水管16の回転範囲を最も狭く規制する場合で、このときにはストッパ突起48は、その先端部が径方向の最も内側位置にある第1の当り部40A,40Bに対し当接可能とされ、他の当り部42A及び42B,44A,44Bに対しては当接不能とされる。
この状態で、図3に示す位置から吐水管16を図中反時計方向に回転させると、吐水管16が角度θ回転したところでストッパ突起48が当り部40Bに当接し、そこで吐水管16の回転が規制される。
また図3に示す位置から吐水管16を反時計方向に回転させると、吐水管16がθだけ反時計方向に回転したところで、ストッパ突起48が当り部40Aに当接して、そこで吐水管16の回転が規制される。
一方、図5に示しているようにストッパ突起48を図3に示す状態から一定量径方向外側にねじ戻し、その先端部を中間の当り部42A,42Bに対し当接可能な状態に位置させておくと(このときにはストッパ突起48の先端部は、当り部40A及び40B,44A及び44Bに対して当接不能な状態である)、吐水管16を図5(A)に示すように時計方向に回転させると、θよりも大きい角度θだけ吐水管16が回転したところで、ストッパ突起48が当り部42Bに当接し、そこにおいて吐水管16の更なる回転が規制される。
また逆方向である反時計方向に吐水管16を回転させると、中央位置から角度θだけ吐水管16が回転したところで、ストッパ突起48が当り部42Aに当接し、更なる吐水管16の回転が規制される。
図6に示しているようにストッパ突起48を更にねじ戻して引き込み、その先端部が径方向の最も外側位置の当り部44A,44Bに当接可能な状態とした上で(このときにはストッパ突起48は当り部40A及び40B,42A及び42Bに対して当接不能な状態である)、吐水管16を図6(A)に示しているように時計方向に回転させると、吐水管16がより大きい角度θだけ回転したところで、或いはまた(B)に示しているように吐水管16を反時計方向により大きな角度θだけ回転させたところで、ストッパ突起48がそれぞれ当り部44B又は44Aに当接し、吐水管16のそれ以上の回転が規制される。
以上のように本実施形態によれば、ストッパ突起48の径方向内方へのねじ込量或いは径方向外方の引込量を、吐水管16の基端部20の外側から調節するだけで、簡単に吐水管16の回転規制の位置を変更し調節することができる。
尚、ここでは当り部40A及び40B,42A及び42B,44A及び44Bを径方向に3段に段違いで設けているが、これを2段に或いは4段以上の複数段に設けておくこともできるし、或いはまた当り部40A,40B,42A,42B,44A,44Bの周方向位置を様々に異ならせることができ、これに応じて吐水管16の回転規制の位置を様々に変化させることができる。即ち吐水管16の回転範囲を様々に調節することが可能となる。
本実施形態によれば、吐水管16の回転範囲を調節するに際し、単に吐水管16の基端部20の外側からストッパ突起48を操作して、径方向内方への突出量を調節するだけで良いため、吐水管16を含む水栓装置10を分解することなく、設置現場において吐水管16の回転範囲を適正な回転範囲に調節することができる。
従って水栓装置10を分解することによって、再びこれを組み付けたときに元の適正な状態に組み付けられないまま水栓装置10が設置されてしまったり、或いは分解や再組付けに際してシール部材が損傷してしまい、シールの信頼性が損なわれるといった問題を生じない。
尚、上例では1つのストッパ突起48を径方向へのねじ込量、即ち突出し量を異ならせることで、吐水管16の回転の規制位置を変化させるようにしているが、図7に示しているように長さの異なった複数種類の雄ねじ部材からなるストッパ突起60-1,60-2,60-3を用意しておいて、水栓装置10の設置現場において必要とされる吐水管16の回転範囲に応じて、何れかのストッパ突起60-1,60-2,60-3を選択して用い、吐水管16の回転範囲を調節するようになすことも可能である。
ここで各ストッパ突起60-1,60-2,60-3は雄ねじ部54,大径の頭部56を備えている点で上記と同様であるが、これらのものは取付孔46における雌ねじ部50から突き出した部分が非ねじ部62とされている。但しこれらについても雄ねじ部となしておくことも可能である。
このようなストッパ突起を用いた場合、図5,図6に示すストッパ作用状態において、ストッパ突起60-1,60-2,60-3が吐水管16における基端部20の外面から突出するのを回避できる利点が得られる。
次に図8は本発明の他の実施形態を示している。
この例は、吐水管16における基端部20に複数(ここでは3つ)の取付孔64-1,64-2,64-3を設け、それぞれに雄ねじ部材からなるストッパ突起66-1,66-2,66-3を取り付けて、それらを水栓本体15側の当り部44A,44Bに当接させるようになした例である。
この例では、図8(A)に示す状態で、吐水管16を図9(A)に示しているように図中時計方向に回転させると、吐水管16が角度θだけ回転したところで、図中最も右側位置にあるストッパ突起66-3が、当り部44Bに当接して、そこで吐水管16の回転が規制される。
また図9(B)に示しているように、吐水管16を逆方向である反時計方向に回転させると、角度θだけ吐水管16が回転したところで、今度は図中最も左側位置にあるストッパ突起66-1が当り部44Aに当接して、そこで吐水管16の更なる回転が規制される。
即ちこの例では、3つのストッパ突起66-1,66-2,66-3のうち、ストッパ作用させるべきものとして左側と右側の2つのストッパ突起66-1,66-3が選択され、それらのストッパ作用により吐水管16の回転が規制される。
このとき、真中位置のストッパ突起66-2は何等ストッパ作用を行わない。ただ単に取付孔64-2に取り付けられ、そこに保持されているに過ぎない。
従ってこの例においては、ストッパ突起66-2を取付孔64-2から抜き出しておいても良い。
一方図10の例は、図中最も左側位置にあるストッパ突起66-1を取付孔64-1から抜き出し、残り2つのストッパ突起、即ち図8(A)中真中のストッパ突起66-2と、右側のストッパ突起66-3とを、ストッパ作用させるべきストッパ突起として選択し、それらを当り部44A,44Bに当接させることで、吐水管16の回転に対する規制位置を変化させるようになした例である。
具体的にはこの図10に示す例では、図11(A)に示しているように吐水管16を時計方向に回転させると、吐水管16が角度θだけ回転したところで、図中右側のストッパ突起66-3が当り部44Bに当接して、そこで吐水管16の更なる回転が規制される。
他方、図11(B)に示しているように吐水管16を反時計方向に回転させると、吐水管16がθよりも大きい角度θだけ回転したところで、ストッパ突起66-2が当り部44Aに当接して、そこで吐水管16の更なる回転が規制される。
尚この例では、図中左側のストッパ突起66-1を抜き出して、残りの2つのストッパ突起66-2,66-3にてストッパ作用させるようになしているが、これと異なって図中右側のストッパ突起66-3を抜き出して、残り2つのストッパ突起66-1,66-2にてストッパ作用を行わせるようになすことも可能である。
この場合には、吐水管16を時計方向に角度θだけ回転させたところで、ストッパ突起66-2が当り部44Bに当接して、更なる吐水管16の回転が規制され、また逆方向である反時計方向に吐水管16を回転させると、吐水管16が角度θだけ回転したところで、ストッパ突起66-1が当り部44Aに当接して、そこで更なる吐水管16の回転が規制される。
尚、図10の例では最も左側の位置にあるストッパ突起66-1を抜き出すものとして説明したが、図12に示しているように、ストッパ突起66-1を完全に抜き出さないで、ストッパ作用を行わない、即ちストッパ非作用状態にストッパ突起66-1を引き込めておき、そのことによって残り2つのストッパ突起66-2,66-3にてストッパ作用を行わせるようになすことも可能である。
この点は図中右側のストッパ突起66-3についても同様である。
この実施形態においても、設置現場において吐水管16を含む水栓装置10を分解することなく吐水管16の回転範囲の調節作業を行うことができる。
またストッパ作用させるべき2つのストッパ突起を3つから任意の組合せで選択することで吐水管16の回転範囲を様々に調節でき、調節の自由度が高い利点を有する。
尚、この例では取付孔を3つ設けた例であるが、取付孔を2つだけ設けて、何れかの取付孔に取り付けたストッパ突起にてストッパ作用させること、或いは逆に取付孔を4つ以上の複数設けて、そこから選択した取付孔にストッパ突起をストッパ作用状態に設けておくといったことも可能である。
以上本発明の実施形態を詳述したが、これらはあくまで一例示である。
例えば上記実施形態では何れも雄ねじ部材にてストッパ突起を構成しているが、場合によって雄ねじ部を有しない軸状の部材、その他にてストッパ突起を構成することも可能であるし、また上記実施形態では水栓本体自体が吐水管の支持部をなしているが、水栓本体以外の部材にて支持部を構成することも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
本発明の一実施形態の水栓装置をカウンターへの取付状態で示した全体図である。 同実施形態の水栓装置の内部構造を示す図である。 同実施形態の要部の図である。 同実施形態の作用説明図である。 図4とは別の作用説明図である。 図5とは更に別の作用説明図である。 本発明の他の実施形態の図である。 本発明の更に他の実施形態の図である。 図8の実施形態の作用説明図である。 本発明の更に他の実施形態の図である。 図10の実施形態の作用説明図である。 本発明の更に他の実施形態の図である。 従来の水栓装置の一例を示す図である。
符号の説明
10 水栓装置
15 水栓本体(支持部)
16 吐水管
18 吐水口
20 基端部
40A,40B 第1の当り部
42A,42B 第2の当り部
44A,44B 第3の当り部
48,60-1,60-2,60-3,66-1,66-2,66-3 ストッパ突起

Claims (5)

  1. 先端部に吐水口を有する吐水管の円筒状の基端部を該吐水管に対する支持部に外嵌し、該支持部にて該基端部を回転可能に支持するようになし、該支持部の外周面には該吐水管の回転方向に離隔して一対の当り部を設ける一方、前記吐水管の基端部にはストッパ突起を径方向に貫通する状態に設け、該吐水管の回転の際に該ストッパ突起を前記当り部に当接させることによって該吐水管の回転を規制するようになした水栓装置において
    前記支持部の外周面には、径方向の異なった位置に複数の前記当り部を、前記吐水管の回転方向の異なった位置に且つ径方向内側に位置する当り部ほど、径方向外側の当り部よりも該吐水管の回転範囲の中央側に位置するように設け、
    且つ前記ストッパ突起は、前記吐水管の回転の際に先端部が前記径方向に位置の異なった複数の前記当り部の何れかに対して当接可能、他の当り部に対して当接不能となる複数のストッパ作用位置の何れかとなるように、前記吐水管の径方向内方への突出量が調節可能となしてあり、該ストッパ突起の該複数のストッパ作用位置の何れかへの切替えによって、吐水管の回転規制の位置を調節可能となしてあることを特徴とする水栓装置。
  2. 請求項1において、前記ストッパ突起が雄ねじ部材となしてあり、前記吐水管に設けた雌ねじ部を有する取付孔に該ストッパ突起を螺合により取り付けるようになしてあることを特徴とする水栓装置。
  3. 先端部に吐水口を有する吐水管の円筒状の基端部を該吐水管に対する支持部に外嵌し、該支持部にて該基端部を回転可能に支持するようになし、該支持部の外周面には該吐水管の回転方向に離隔して一対の当り部を設ける一方、前記吐水管の基端部にはストッパ突起を径方向に貫通する状態に設けて、該吐水管の回転の際に該ストッパ突起を前記当り部に当接させることによって該吐水管の回転を規制するようになした水栓装置において
    前記吐水管の基端部には、前記ストッパ突起を取付可能な複数の取付孔を設けて、各取付孔に前記ストッパ突起を取り付け、ストッパ作用させるべきストッパ突起を複数から選択して該選択したストッパ突起を、先端部が前記当り部に対して当接可能なストッパ作用位置まで突出し状態としておくか
    又は複数から選択した前記取付孔に前記ストッパ突起を前記ストッパ作用位置まで突出状態に取り付けて、他の取付孔には該ストッパ突起を非取付状態となし、以って前記吐水管の回転規制の位置を調節可能となしてあることを特徴とする水栓装置。
  4. 請求項3において、前記取付孔が3以上の複数設けてあるとともに、2つの該取付孔に前記ストッパ突起が前記ストッパ作用位置まで突出状態に設けてあることを特徴とする水栓装置。
  5. 請求項3,4の何れかにおいて、前記取付孔が雌ねじ部を有するものとなしてあり、前記ストッパ突起が雄ねじ部材となしてあることを特徴とする水栓装置。
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