JP4853513B2 - 移動通信システム、携帯端末装置及びそれらに用いる周波数検出方法並びにそのプログラム - Google Patents

移動通信システム、携帯端末装置及びそれらに用いる周波数検出方法並びにそのプログラム Download PDF

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Description

本発明は、移動通信システム、同移動通信システムに用いる携帯端末装置及びそれらに用いる周波数検出方法並びに同方法を実行するプログラムに関し、特に、複数の無線通信方式及び複数の周波数帯域に対応した携帯電話装置その他の携帯端末装置における周波数検出方法に関する。
携帯電話システムの無線通信方式としては、TDMA(Time Division Multiple Access:時分割多元接続)方式とCDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)方式とがあり、さらに、TDMA方式のGSM(Global System for Mobile Communications)やPDC(Personal Digital Cellular)、CDMA方式のW−CDMA(Wideband−CDMA)、cdma2000、TD−SCDMA(Time Division−System Code Division Multiple Access)等の複数の無線通信方式が使用されている(例えば、非特許文献1参照)。
このように携帯電話システムの無線通信方式としては様々な無線通信が存在するが、それぞれの無線通信方式には、ある特定の周波数が割り当てられており、異なる無線通信方式において同一の周波数が使用されないように考慮されている。
しかしながら、周波数は有限であることから、携帯電話システムにおいては、異なる無線通信方式において同一の周波数帯域が使用されている。例えば、第2世代と呼ばれるGSMやPDC、第3世代と呼ばれるW−CDMAやcdma2000では、800MHzから2GHzまでの間の周波数を使用しており、この周波数の使用状況はそれぞれの国毎に異なり、多様化している。
一方、国際化によって国際ローミングが進む中で、複数の無線通信方式に対応し、あるいは、複数の周波数帯域に対応することが可能な携帯電話装置が一般的となっている。例えば、トリプルバンド(GSM900、DCS1800、PCS1900)、クアッドバンド(GSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900)に対応可能であり、あるいは、デュアルモード(GSM、W−CDMA)、トリプルモード(GSM、W−CDMA、cdma2000)に対応可能な携帯電話装置が実用化されている。
このように世界の国毎に周波数の使用状況が多様化する中で、より多くの無線通信方式または周波数帯域に1台の携帯電話装置で対応することが求められている。複数の無線通信方式または複数の周波数帯域に1台の携帯電話装置で対応するためには、ある特定の周波数で運用されている無線通信方式を携帯電話装置が検出することができることが必要があるが、この検出処理は、対応すべき無線通信方式または周波数帯域が多くなれば多くなるほど、検出時間が長くなったり、消費電流が大きくなったりする問題が増えてくる。
このため、効率的に無線通信方式を特定し、周波数を検出する方法が必要となっている。
立川敬二監修「W−CDMA移動通信方式1章概説」(丸善株式会社刊、平成13年6月25日発行、pp.1−21)
従来、携帯電話装置に代表される移動局においては、受信信号の電界強度を測定する受信電界強度測定処理、ある無線通信方式のセルに同期するセルサーチ処理、基地局から送信される報知情報を取得する報知情報取得処理を実施して、待ち受けセルの検出を行っている。
移動局は、待ち受け中においては、基地局から送信された報知情報に含まれる隣接セル情報に含まれる周波数の情報を使用して、周辺に存在するセルサーチ処理を行い、複数のセルから品質の良いセルを選択する。さらに、移動局は、使用した周波数や隣接セルの周波数を記憶しておき、電源がオンである時または電波の圏外時に、直前または過去に使用していた周波数を使用することによって、短時間で待ち受けセルを検出することが可能となる。
また、複数の無線通信方式または複数の周波数帯域に対応している場合には、移動局は、無線通信方式毎に使用した周波数を記憶しておき、電源がオンである時または電波の圏外時に、直前または過去に使用していた無線通信方式または周波数帯域の情報を活用することによって、短時間で待ち受けセルを検出することが可能となる。
しかしながら、この方法では、移動局にとって初めての地域においては、対応している全ての無線通信方式を用いて、かつ、全ての周波数帯域の周波数において、セルサーチ処理を実施する必要があり、セルサーチ処理の長時間化及び電流消費量の増大が問題となる。
また、移動局が、運用されている無線通信方式または周波数が相互に異なる地域間を頻繁に移動する場合には、短時間で待ち受けセルを検出することも不可能になることがある。
さらに、携帯電話装置が選択中のネットワークを検出することができない圏外状態においては、あるいは、選択中のネットワークより優先度の高いネットワークを選択する自動式(Automatic)ネットワーク選択手順や、携帯電話装置の使用者が使用するネットワークを指定する手動式(Manual)ネットワーク選択手順の中で実施される通信可能なネットワークの検出手順においては、対応している全ての無線通信方式または周波数帯域の周波数でセルサーチ処理を実施する必要があり、セルサーチ処理の長時間化及び電流消費量の増大が問題となる。
別の従来の方法として、セルサーチ処理や報知情報取得処理と比較して、受信電界強度測定処理は処理時間が短い(従って、消費電流が小さい)ので、受信電界強度測定処理を実施した後に、受信電界強度の強い順にセルサーチ処理を実施したり、あるいは、ある一定の受信電界強度以上の周波数のみについてセルサーチ処理を実施したりすることにより、セルサーチに要する時間を短縮したり、電流消費量を減らすことが可能となる。この方法によれば、上述した方法では問題が生じる場合でも、効果がある。
しかしながら、この方法では、受信電界強度測定処理において、無線通信方式を特定できないため、異なる無線通信方式が運用されている周波数において、セルに同期するセルサーチ処理を実施してしまうことがあり、結局、そのセルサーチ処理が無駄となることがある。
以下、図2乃至図5を参照して、無線通信方式としてGSM方式及びW−CDMA方式を例にして、この課題について説明する。
GSM方式で使用される周波数は3GPP TS 45.001(非特許文献2)において規定されており、W−CDMA方式で使用される周波数は、3GPP TS25.101(非特許文献3)において規定されている。
図2は、800MHzから1000MHzまでの間の周波数で運用されるGSM方式の周波数帯域とW−CDMA FDD(Frequency Division Duplex)方式の周波数帯域とを表したものである。図3は、1700MHzから2200MHzまでの間の周波数で運用されるGSM方式の周波数帯域とW−CDMA FDD方式の周波数帯域とを表したものである。
図2及び図3に示すように、GSM方式及びW−CDMA FDD方式において使用される可能性がある周波数帯域は重なっており、どの周波数帯域においてどの無線通信方式が使用されているかは、国毎に事情が異なる。
例えば、図3において、W−CDMA FDD Band Iの周波数が運用されている場合、UL(アップリンク:移動局から基地局への方向)の周波数として1920MHzから1980MHzまでの間の周波数が使用されているが、GSM 1900 BandやW−CDMA FDD Band IIで運用が想定されている各DL(ダウンリンク:基地局から移動局への方向)の周波数は1930MHzから1990MHzまでの周波数であり、1930MHzから1980MHzまでの間の周波数が重なり合っている。
この場合、移動局は、1930MHzから1980MHzまでの間の周波数がある一定の受信電界強度以上となるため、W−CDMA FDD Band IのULの周波数であるにも関わらず、GSM 1900 BandのDLの周波数が存在していると想定して、あるいは、W−CDMA FDD Band IIのDLの周波数が存在していると想定して、セルサーチ処理を実施してしまうことになる。結局、これらのセルサーチ処理は、無駄に時間と電流を消費することになる。
また、図2及び図3に示すように、GSM 850 BandとW−CDMA FDD Band Vとでは、UL及びDLの双方において同一の周波数帯域が規定されている(UL:824−849MH、DL:869−894MHz)。同様に、E−GSM 900 BandとW−CDMA FDD Band VIIIとでは、UL及びDLの双方において同一の周波数帯域が規定されている(UL:880−915MH、DL:925−960MHz)。同様に、GSM 1800 BandとW−CDMA FDD Band IIIとでは、UL及びDLの双方において同一の周波数帯域が規定されている(UL:1710−1785MH、DL:1805−1880MHz)。同様に、GSM 1900 BandとW−CDMA FDD Band IIとでは、UL及びDLの双方において同一の周波数帯域が規定されている(UL:1850−19105MH、DL:1930−1990MHz)。どちらの無線通信方式が使用されているかは、それぞれの国や、それぞれのオペレータによって異なる。
図4及び図5は、第2世代のGSM方式から第3世代のW−CDMA方式へ移行していく過程において、オペレータによって無線通信方式が異なる場合の周波数配置の例を表したものである。
実際に異なる無線通信方式を運用する際には、相互の無線通信方式間での干渉を避けるためのガードバンド(いずれの無線通信方式においても運用されていない周波数帯域)が設定されることも考えられるが、本例ではガードバンドが存在しない例を示している。
図4は、GSM 850 BandとW−CDMA FDD Band Vとの周波数帯域において、GSM方式及びW−CDMA方式がそれぞれ運用されている場合の周波数配置の例を表したものである。図5は、GSM 1900 BandとW−CDMA FDD Band IIとの周波数帯域において、GSM方式及びW−CDMA方式がそれぞれ運用されている場合の周波数配置の例を表したものである。
図5においては、GSM 1800 BandとW−CDMA FDD Band IIIとの周波数帯域も表しており、W−CDMA FDD Band IIの周波数が運用されている場合に、GSM 1800 Band及びGSM 1900 Bandのセルサーチ処理が問題となることが示されている。
本発明は、以上のような現状の移動通信システムにおける問題点に鑑みてなされたものであり、実際に運用されている周波数を効率よく検出することができる移動通信システム、同移動通信システムに用いる携帯端末装置及びそれらに用いる周波数検出方法並びに同方法を実行するプログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、複数の無線通信方式及び複数の周波数帯域にそれぞれ対応する通信機能を有する携帯端末装置と、前記携帯端末装置との間において通信を行う基地局と、からなる移動通信システムであって、前記携帯端末装置は制御装置を備えており、前記制御装置は、周波数情報として前記無線通信方式の周波数帯域毎に実際に運用される周波数を示す実運用周波数情報と実際に運用されていない周波数を示す未使用周波数情報とを管理し、前記実運用周波数情報から未使用周波数を決定し、その決定された未使用周波数によって前記無線通信方式の周波数帯域毎の未使用周波数情報を決定し、前記未使用周波数情報により管理された無線通信方式の周波数を対象としたセルサーチ処理の実施を抑止し、過去に使用していた少数の周波数のみを対象としたセルサーチ処理と、過去に使用していた無線通信方式及び周波数帯域を対象としたセルサーチ処理とを併用して前記セルサーチ処理を実施するものであることを特徴とする移動通信システムを提供する。
前記制御装置は、前記未使用周波数情報により管理された無線通信方式の周波数以外の、実際に運用されている可能性がある無線通信方式の周波数のみを対象として前記セルサーチ処理を行うことが好ましい。
前記制御装置は、前記実運用周波数情報として、前記セルサーチ処理において実際に検出した周波数を記憶することが好ましい。
前記制御装置は、前記実運用周波数情報として、前記基地局から送信される報知情報及び測定制御情報の隣接セル情報に含まれている周波数の情報を記憶することが好ましい。
前記制御装置は、前記実運用周波数情報を、任意の時点において、運用が確認されている周波数のみを用いて随時更新することが好ましい。
前記制御装置は、任意の時点において、運用が確認されている周波数を過去の実運用周波数情報として記憶しておくことが好ましい。
前記制御装置は、任意の時点において運用が確認されている周波数と過去に運用が確認されていた周波数とによって、現在の実運用周波数情報と過去の実運用周波数情報とを個別に記憶することが好ましい。
前記制御装置は、前記携帯端末装置が圏外にいる時間が予め定められた時間を過ぎたとき、前記携帯端末装置が新しい国に移動したとき、あるいは、前記携帯端末装置が有するGPS(Global Positioning System)機能により前記携帯端末装置の移動を検出したときには、前記過去の実運用周波数情報を削除することが好ましい。
前記制御装置は、前記実運用周波数情報を国毎に管理し、あるいは、前記実運用周波数情報を前記携帯端末装置が有するGPS(Global Positioning System)機能に基づく前記携帯端末装置の位置情報とともに個別に管理することが好ましい。
前記携帯端末装置は、例えば、携帯電話装置として構成することができる。
さらに、本発明は、複数の無線通信方式及び複数の周波数帯域にそれぞれ対応する通信機能を有し、前記通信機能により基地局との間で通信を行う携帯端末装置であって、前記携帯端末装置は制御装置を備えており、前記制御装置は、周波数情報として前記無線通信方式の周波数帯域毎に実際に運用される周波数を示す実運用周波数情報と実際に運用されていない周波数を示す未使用周波数情報とを管理し、前記実運用周波数情報から未使用周波数を決定し、その決定された未使用周波数によって前記無線通信方式の周波数帯域毎の未使用周波数情報を決定し、前記未使用周波数情報により管理された無線通信方式の周波数を対象としたセルサーチ処理の実施を抑止し、過去に使用していた少数の周波数のみを対象としたセルサーチ処理と、過去に使用していた無線通信方式及び周波数帯域を対象としたセルサーチ処理とを併用して前記セルサーチ処理を実施するものであることを特徴とする携帯端末装置を提供する。
本発明に係る携帯端末装置においては、前記制御装置は、前記未使用周波数情報により管理された無線通信方式の周波数以外の、実際に運用されている可能性がある無線通信方式の周波数のみを対象として前記セルサーチ処理を行うことが好ましい。
本発明に係る携帯端末装置においては、前記制御装置は、前記実運用周波数情報として、前記セルサーチ処理において実際に検出した周波数を記憶することが好ましい。
本発明に係る携帯端末装置においては、前記制御装置は、前記実運用周波数情報として、前記基地局から送信される報知情報及び測定制御情報の隣接セル情報に含まれている周波数の情報を記憶することが好ましい。
本発明に係る携帯端末装置においては、前記制御装置は、前記実運用周波数情報を、任意の時点において、運用が確認されている周波数のみを用いて随時更新することが好ましい。
本発明に係る携帯端末装置においては、前記制御装置は、任意の時点において、運用が確認されている周波数を過去の実運用周波数情報として記憶しておくことが好ましい。
本発明に係る携帯端末装置においては、前記制御装置は、任意の時点において運用が確認されている周波数と過去に運用が確認されていた周波数とによって、現在の実運用周波数情報と過去の実運用周波数情報とを個別に記憶することが好ましい。
本発明に係る携帯端末装置においては、前記制御装置は、前記携帯端末装置が圏外にいる時間が予め定められた時間を過ぎたとき、前記携帯端末装置が新しい国に移動したとき、あるいは、前記携帯端末装置が有するGPS(Global Positioning System)機能により前記携帯端末装置の移動を検出したときには、前記過去の実運用周波数情報を削除することが好ましい。
本発明に係る携帯端末装置においては、前記制御装置は、前記実運用周波数情報を国毎に管理し、あるいは、前記実運用周波数情報を前記携帯端末装置が有するGPS(Global Positioning System)機能に基づく前記携帯端末装置の位置情報とともに個別に管理することが好ましい。
本発明に係る携帯端末装置は、例えば、携帯電話装置として構成することができる。
さらに、本発明は、複数の無線通信方式及び複数の周波数帯域にそれぞれ対応する通信機能を有する携帯端末装置と基地局との間で行われる通信の周波数を検出する周波数検出方法であって、周波数情報として前記無線通信方式の周波数帯域毎に実際に運用される周波数を示す実運用周波数情報と実際に運用されていない周波数を示す未使用周波数情報とを管理する第一の過程と、前記実運用周波数情報から未使用周波数を決定する第二の過程と、決定された未使用周波数によって前記無線通信方式の周波数帯域毎の未使用周波数情報を決定する第三の過程と、前記未使用周波数情報により管理された無線通信方式の周波数を対象としたセルサーチ処理の実施を抑止する第四の過程と、過去に使用していた少数の周波数のみを対象としたセルサーチ処理と、過去に使用していた無線通信方式及び周波数帯域を対象としたセルサーチ処理とを併用して前記セルサーチ処理を実施する第五の過程と、を備え、前記第一乃至第の過程は前記携帯端末装置により実行されるものであることを特徴とする周波数検出方法を提供する。
本発明に係る周波数検出方法においては、前記携帯端末装置が、前記未使用周波数情報により管理された無線通信方式の周波数以外の実際に運用されている可能性がある無線通信方式の周波数のみを対象として前記セルサーチ処理を行うことが好ましい。
本発明に係る周波数検出方法においては、前記携帯端末装置が、前記実運用周波数情報として、前記セルサーチ処理において実際に検出した周波数を記憶することが好ましい。
本発明に係る周波数検出方法においては、前記携帯端末装置が、前記実運用周波数情報として、前記基地局から送信される報知情報及び測定制御情報の隣接セル情報に含まれている周波数の情報を記憶することが好ましい。
本発明に係る周波数検出方法においては、前記携帯端末装置が、前記実運用周波数情報を、任意の時点において、運用が確認されている周波数のみを用いて随時更新することが好ましい。
本発明に係る周波数検出方法においては、前記携帯端末装置が、任意の時点において、運用が確認されている周波数を過去の実運用周波数情報として記憶しておくことが好ましい。
本発明に係る周波数検出方法においては、前記携帯端末装置が、任意の時点において、運用が確認されている周波数と過去に運用が確認されていた周波数とによって現在の実運用周波数情報と過去の実運用周波数情報とを個別に記憶することが好ましい。
本発明に係る周波数検出方法においては、前記携帯端末装置は、前記携帯端末装置が圏外にいる時間が予め定められた時間を過ぎたとき、前記携帯端末装置が新しい国に移動したとき、あるいは、前記携帯端末装置が有するGPS(Global Positioning System)機能により前記携帯端末装置の移動を検出したときには、前記過去の実運用周波数情報を削除することが好ましい。
本発明に係る周波数検出方法においては、前記携帯端末装置は、前記実運用周波数情報を国毎に管理し、あるいは、前記実運用周波数情報を前記携帯端末装置が有するGPS(Global Positioning System)機能に基づく前記携帯端末装置の位置情報とともに個別に管理することが好ましい。
さらに、本発明は、複数の無線通信方式及び複数の周波数帯域にそれぞれ対応する通信機能を有する携帯端末装置と基地局との間で行われる通信の周波数を検出する周波数検出方法を前記携帯端末装置に内蔵されているコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムが行う処理は、周波数情報として前記無線通信方式の周波数帯域毎に実際に運用される周波数を示す実運用周波数情報と実際に運用されていない周波数を示す未使用周波数情報とを管理する第一の処理と、前記実運用周波数情報から未使用周波数を決定する第二の処理と、決定された未使用周波数によって前記無線通信方式の周波数帯域毎の未使用周波数情報を決定する第三の処理と、前記未使用周波数情報により管理された無線通信方式の周波数を対象としたセルサーチ処理の実施を抑止する第四の処理と、過去に使用していた少数の周波数のみを対象としたセルサーチ処理と、過去に使用していた無線通信方式及び周波数帯域を対象としたセルサーチ処理とを併用して前記セルサーチ処理を実施する第五の処理と、からなるものであるプログラムを提供する。


以上のように、本発明においては、2つまたは2つ以上の異なる無線通信方式が同一の周波数帯域を使用する可能性がある場合、複数の無線通信方式及び複数の周波数帯域に対応した携帯端末装置が周波数を検出する際に、運用されている無線通信方式と周波数とから、それぞれの周波数帯域において使用されていない周波数を決定することによって、セルサーチ処理を実施する周波数を限定して、実際に運用されている周波数を効率よく検出する。
また、本発明においては、2つまたは2つ以上の異なる無線通信方式が同一の周波数帯域を使用する可能性がある場合、複数の無線通信方式及び複数の周波数帯域に対応した携帯端末装置が周波数を検出する際に、ある特定の周波数で運用されている無線通信方式と周波数とを記憶しておき、その無線通信方式と周波数とに基づいて、それぞれの周波数帯域において使用されていない周波数を決定する。本発明においては、その使用されていない周波数を除く周波数についてのみセルサーチ処理を実施することによって、実際に運用されている周波数を効率よく検出することが可能となる。
本発明によれば、複数の無線通信方式及び複数の周波数帯域にそれぞれ対応する通信機能を有する携帯端末装置が基地局と通信を行う場合において、実際に運用されている周波数を効率よく検出することができる。
本発明の一実施形態に係る移動通信システムの構成を示すブロック図である。 800MHzから1000MHzまでの間で運用されるGSM方式の周波数帯域とW−CDMA FDD方式の周波数帯域とを表した図である。 1700MHzから2200MHzまでの間で運用されるGSM方式の周波数帯域とW−CDMA FDD方式の周波数帯域とを表した図である。 GSM 850 BandとW−CDMA FDD Band Vとの周波数帯域において、GSM方式及びW−CDMA方式がそれぞれ運用されている場合の周波数配置の例を表した図である。 GSM 1900 BandとW−CDMA FDD Band IIとの周波数帯域において、GSM方式及びW−CDMA方式がそれぞれ運用されている場合の周波数配置の例を表した図である。 電源オン時、圏外時、セル待ち受け時において、携帯電話装置が繰り返し実施する処理の流れを表すフローチャートである。 候補周波数によるセルサーチ処理(図6のステップS4)の詳細内容を表すフローチャートである。 未使用周波数の決定を行う方法(図7のステップS16)を表す図である。 未使用周波数の決定を行う方法(図7のステップS16)を表す図である。 未使用周波数の決定を行う方法(図7のステップS16)を表す図である。 未使用周波数の決定を行う方法(図7のステップS16)を表す図である。 未使用周波数の決定を行う処理(図7のステップS16)の流れを表すフローチャートである。
符号の説明
1 携帯電話装置
2−1〜2−N GSM方式の基地局
3−1〜3−N W−CDMA方式の基地局
11 GSM方式アンテナ
12 GSM方式無線受信部
13 GSM方式セルサーチ処理部
14 W−CDMA方式アンテナ
15 W−CDMA方式無線受信部
16 W−CDMA方式セルサーチ処理部
17 制御部
18 記憶部
20 GSM方式の基地局制御装置
30 W−CDMA方式の基地局制御装置
100 GSM方式ネットワーク
200 W−CDMA方式ネットワーク
次に、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る移動通信システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、携帯電話装置1と、携帯電話装置1との間において通信を行うGSM方式ネットワーク100と、携帯電話装置1との間において通信を行うW−CDMA方式ネットワーク200と、から構成されている。
携帯電話装置1は、GSM(Global System for Mobile Communications)方式アンテナ11と、GSM方式無線受信部12と、GSM方式セルサーチ処理部13と、W−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)方式アンテナ14と、W−CDMA方式無線受信部15と、W−CDMA方式セルサーチ処理部16と、制御部17と、記憶部18と、を備えて構成されている。
GSM方式ネットワーク100は、GSM方式のN個の基地局2−1、2−2、・・・、2−Nと、これらの基地局2−1、2−2、・・・、2−Nの作動を制御するGSM方式の基地局制御装置20と、から構成されている。
W−CDMA方式ネットワーク200は、W−CDMA方式のN個の基地局3−1、3−2、・・・、3−Nと、これらの基地局3−1、3−2、・・・、3−Nの作動を制御するW−CDMA方式の基地局制御装置30と、から構成されている。
携帯電話装置1のGSM方式アンテナ11は、GSM方式ネットワーク100において、基地局制御装置20に制御される基地局2−1乃至2−Nからの電波を受信する。
GSM方式無線受信部12はGSM方式アンテナ11が受信した無線信号を復調する。
GSM方式セルサーチ処理部13は制御部17の要求に基づいてGSM方式無線受信部12の復調処理を制御し、受信信号の電界強度の測定とGSM方式のセルに同期するセルサーチ処理とを行い、GSM方式の基地局2−1乃至2−Nから送信される報知情報を取得する。
携帯電話装置1のW−CDMA方式アンテナ14は、W−CDMA方式ネットワーク200において、基地局制御装置30に制御される基地局3−1乃至3−Nからの電波を受信する。
W−CDMA無線受信部15はW−CDMA方式アンテナ14が受信した無線信号を復調する。
W−CDMA方式セルサーチ処理部16は制御部17の要求に基づいてW−CDMA方式無線受信部15の復調処理を制御し、受信信号の電界強度の測定とW−CDMA方式のセルに同期するセルサーチ処理とを行い、W−CDMA方式の基地局3−1乃至3−Nから送信される報知情報を取得する。
制御部17はGSM方式セルサーチ処理部13で検出したGSMセルのDL(ダウンリンク:基地局から移動局への方向)の周波数によって、記憶部18に記憶されているGSM実運用周波数情報を更新するとともに、W−CDMA方式セルサーチ処理部16で検出したW−CDMAセルのDLの周波数によって、記憶部18に記憶されているW−CDMA実運用周波数情報を更新する。
さらに、制御部17は、それらの実運用周波数情報から、それぞれの周波数帯域において使用されていない未使用周波数を決定し、決定された未使用周波数を用いて記憶部18に記憶されているGSM未使用周波数情報及びW−CDMA未使用周波数情報を更新する。
また、制御部17は、GSM方式セルサーチ処理部13またはW−CDMA方式セルサーチ処理部16に対して、未使用周波数を除いた、運用されている可能性がある周波数のみでセルサーチ処理を実施するように要求する。
記憶部18はGSM方式とW−CDMA方式とのそれぞれの周波数帯域毎に周波数情報を記憶する。
周波数情報は実運用周波数情報と未使用周波数情報とからなる。
それぞれの周波数情報は、図2乃至図5に示すようなGSM方式とW−CDMA FDD(Frequency Division Duplex)方式とで使用される周波数帯域において、実際に運用される200KHz間隔で設定可能な全ての中心周波数を表現するための情報であり、例えば、それぞれの中心周波数に換算可能なビット(BIT)列として表現することができる情報である。
また、記憶部18は、周波数情報として、UL(アップリンク:移動局から基地局への方向)の周波数とDLの周波数をそれぞれ記憶しても良く、あるいは、ULの周波数とDLの周波数との中心周波数の間隔が一定となることから、ULの周波数とDLの周波数とを1組の情報として記憶することもできる。
図6は、電源オン時、圏外時及びセル待ち受け時において、携帯電話装置1が繰り返し実施する処理の流れを表すフローチャートであり、図7は図6に示した候補周波数によるセルサーチ処理(ステップS4)の詳細内容を表すフローチャートである。また、図8乃至図11は図7に示した未使用周波数の決定(ステップS16)を行う方法を表す図であり、図12は図7の未使用周波数の決定(ステップS16)を行う処理の流れを表すフローチャートである。
以下、図1乃至図12を参照して、本発明の一実施形態に係る移動通信システムにおける周波数検出方法について説明する。
制御部17は、例えば、中央処理装置(CPU)から構成され、記憶部18に格納されたプログラムに従って動作を行う。すなわち、図6と図7と図12とに示す処理動作は制御部17が記憶部18に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
図6を参照して、電源オン時、圏外時及びセル待ち受け時において、携帯電話装置1が繰り返し実施する処理の流れについて説明する。
まず、制御部17は、記憶部18に記憶されている周波数情報に基づいて、受信電界強度測定を行う複数の候補周波数を決定する(ステップS1)。
制御部17は、GSM方式セルサーチ処理部13またはW−CDMA方式セルサーチ処理部16に対して、ステップS1において決定した複数候補周波数のみで受信電界強度測定を行うように要求する。GSM方式セルサーチ処理部13またはW−CDMA方式セルサーチ処理部16は制御部17の要求に基づいて複数候補周波数の受信電界強度測定を行う(ステップS2)。
制御部17は、ステップS2において一定の受信電界強度以上の周波数を検出したか否かを判定する(ステップS3)。
一定の受信電界強度以上の周波数を検出できなかった場合(ステップS3のNO)、受信電界強度測定を行う複数候補周波数の決定を再度実施する(ステップS1)。
一方、制御部17は、一定の受信電界強度以上の周波数を検出できた場合(ステップS3のYES)、ステップS2における受信電界強度測定の結果と記憶部18に記憶されている周波数情報とから、候補周波数によるセルサーチ処理を実施する(ステップS4)。
その後に、制御部17は、上記のステップS1からステップS4の一連の流れの結果に基づいて、セルサーチ処理を終了するか否かを判定する(ステップS5)。
GSM方式またはW−CDMA方式のセルが運用されている可能性がある候補周波数を全て検索し終えた場合や、電源オン時、圏外時において、選択したネットワークを検出して待ち受けに移行する場合、制御部17はセルサーチ処理を終了する(ステップS5のYES)。
セルサーチ処理を終了しない場合には(ステップS5のNO)、ステップS1乃至ステップS4の処理を繰り返し実行する。
図6のステップS1における受信電界強度測定を行う複数候補周波数の決定方法としては、(1)記憶部18に記憶されている実運用周波数情報に基づいて、直前や過去に使用していた少数の周波数に限定する方法、(2)記憶部18に記憶されている実運用周波数情報に基づいて、直前や過去に使用していた無線通信方式、周波数帯域に限定する方法、(3)周波数を限定せずに全ての周波数を候補とする方法、(4)記憶部18に記憶されている未使用周波数情報に基づいて、未使用周波数を除いた、運用されている可能性がある周波数に限定する方法等が考えられる。
従来の方法においても、上記の(1)、(2)、(3)と同様の処理が実施されており、本発明においては(4)の方法を実施することが特徴であるが、実際には、(4)の方法だけではなく、携帯電話装置1の状態に合わせて、(1)、(2)、(3)の方法も実施する。
続いて、図7を参照して、候補周波数によるセルサーチ処理(図6のステップS4)について説明する。
制御部17は受信電界強度測定(図6のステップS2)の結果と、記憶部18に記憶されている周波数情報とから、受信電界強度の強い順にセルサーチ処理を行う候補周波数を決定する(ステップS11)。
制御部17は、GSM方式セルサーチ処理部13またはW−CDMA方式セルサーチ処理部16に対して、ステップS11において決定した候補周波数のセルサーチ処理を行うように要求する。
GSM方式セルサーチ処理部13またはW−CDMA方式セルサーチ処理部16はと、制御部17の要求に基づいて、候補周波数のセルサーチ処理を行う(ステップS12)。
制御部17はステップS12のセルサーチ処理によりセルを検出できたか否かを判定する(ステップS13)。
セルを検出できなかった場合(ステップS13のNO)、制御部17はステップS11に戻って、セルサーチ処理を行う候補周波数の決定を再度実施する。
セルを検出できた場合(ステップS13のYES)、制御部17は報知情報取得処理を行う(ステップS14)。
制御部17はGSM方式セルサーチ処理部13がステップS12で検出したGSMセルのDLの周波数に基づいてGSMセルのULの周波数を算出し、そのGSMセルのDLの周波数とULの周波数とによって、記憶部18に記憶されているGSM実運用周波数情報を更新する(ステップS15)。
さらに、制御部17はW−CDMA方式セルサーチ処理部16がステップS12において検出したW−CDMAセルのDLの周波数に基づいてW−CDMAセルのULの周波数を算出し、そのW−CDMAセルのDLの周波数とULの周波数とによって、記憶部18のW−CDMA実運用周波数情報を更新する(ステップS15)。
この後、制御部17は、実運用周波数に基づいて、GSM未使用周波数及びW−CDMA未使用周波数を決定し(ステップS16)、記憶部18のGSM未使用周波数情報及びW−CDMA方式の未使用周波数情報を更新する(ステップS17)。
次いで、上記のステップS11からステップS17の一連の流れの結果に基づいて、制御部17はセルサーチ処理を終了するか否かを判定する(ステップS18)。
受信電界強度測定(図6のステップS12)において一定の受信電界強度以上を検出した候補周波数を全て検索し終えた場合や、電源オン時、圏外時において、選択したネットワークを検出して待ちうけに移行する場合、制御部17はセルサーチ処理を終了することになる(ステップS18のYES)。
セルサーチ処理を終了しない場合には(ステップS18のNO)、ステップS11乃至ステップS17の処理を繰り返し実行する。
続いて、図8乃至図11を参照して、未使用周波数の決定(図7のステップS16)を行う方法について説明する。
実際に異なる無線通信方式を運用する際には、相互の無線通信方式間における干渉を避けるためのガードバンド(いずれの無線通信方式においても運用されていない周波数帯域)が設定されることも考えられるが、図8乃至図11では、ガードバンドが存在しない例を表している。
図8はGSM方式とW−CDMA方式とが隣接した周波数で運用されている場合の周波数配置の例を表す図である。
図8では、説明を簡単にするために、GSM 850 BandとW−CDMA FDD Band VとのDLの周波数帯域に相当する873.0MHzから882.0MHzの中心周波数を記載している。つまり、図8は、873.2MHzから874.0MHzまでの間の6個分の周波数と、879.2MHzから882.0MHzまでの間の15個分の周波数とではGSM方式が運用されており、876.6MHzの周波数ではW−CDMA方式が運用されている例を示している。
図8においては、W−CDMA方式の中心周波数の間隔をXMHzとして表しており、W−CDMA方式の拡散帯域は一般的に5MHzであるため、W−CDMA方式の中心周波数の間隔Xが4.8MHzになるような図を示している(具体的には、874.2MHzから879.0MHz)。
また、GSM方式の搬送波間隔は400KHz(200KHzインタリーブ)であるため、GSM方式の中心周波数の間隔は400KHzとしている。
図9は、W−CDMA方式のセルを検出した場合における実運用周波数情報と未使用周波数情報との関係を表す図である。
以下、図9を参照して、W−CDMA方式のセルを検出した場合に、未使用周波数の決定(図7のステップS16)を行う方法について説明する。
無線通信方式の相互の干渉を避けるために、それぞれ設定される周波数が重なって運用されることはないと考えられるため、W−CDMA方式のセルを検出した場合には、その前後X/2MHzに他の周波数が存在しないと考えられる。
本実施形態においては、その周波数が存在しないと考えられる未使用周波数帯域に含まれる中心周波数を未使用周波数として定義している。未使用周波数帯域は、周波数が存在しないことを確実とするために、dX(例えば、400KHz程度)を導入して、(X−dX)MHzとして定義する。
W−CDMA方式のセルを検出した場合、W−CDMA実運用周波数と同じ周波数帯域については、そのW−CDMA実運用周波数を除いた、W−CDMA実運用周波数の前後(X−dX)MHzの周波数帯域を未使用周波数とする。
W−CDMA実運用周波数と異なる周波数帯域については、そのW−CDMA実運用周波数の前後(X−dX)MHzの周波数帯域を未使用周波数とする。
また、W−CDMA実運用周波数の前後(X/2−dX/2)MHzの周波数帯域はGSM未使用周波数とする。
図10及び図11はGSM方式のセルを検出した場合における実運用周波数情報と未使用周波数情報との関係を表す図である。
以下、図10を参照して、GSM方式のセルを検出した場合に、未使用周波数の決定(図7のステップS16)を行う方法について説明する。
GSM方式のセルを検出した場合、GSM方式のセルは前後400KHzの周波数に存在すると考えられるため、GSM実運用周波数と同じ周波数帯域については、そのGSM実運用周波数の前後200KHzの周波数を未使用周波数とする。
GSM実運用周波数と異なる周波数帯域については、そのGSM実運用周波数とGSM実運用周波数の前後200KHzの周波数を未使用周波数とする。
また、W−CDMA方式の中心周波数は、GSM実運用周波数の前後X/2MHzには存在しないと考えられる。このため、上記と同様に、dXを用いて、GSM実運用周波数の前後(X/2−dX/2)MHzの周波数帯域はW−CDMA未使用周波数とする。
図11は、さらにGSM方式のセルを検出した場合に、そのGSM実運用周波数の前後(X/2−dX/2)MHzの周波数帯域をもW−CDMA未使用周波数とする例を示している。
図12を参照して、未使用周波数の決定(図7のステップS16)を行う処理の流れについて説明する。
制御部17は、上述した方法に従って、実運用周波数のDL周波数に基づいて未使用周波数を決定する(ステップS21)。
さらに、制御部17は、実運用周波数のUL周波数に基づいて未使用周波数を決定する(ステップS22)。
制御部17は、上記のステップS21及びステップS22において決定した未使用周波数が各周波数帯域のDL周波数に含まれる場合、そのDL周波数を、そのDL周波数に対応するUL周波数とともに、各周波数帯域の未使用周波数とする(ステップS23)。
制御部17は、上記のステップS21及びステップS22において決定した未使用周波数が各周波数帯域のUL周波数に含まれる場合、そのUL周波数を、そのUL周波数に対応するDL周波数とともに、各周波数帯域の未使用周波数とする(ステップS24)。
このように、本実施形態においては、ある特定の周波数で運用されている無線通信方式と周波数とから、それぞれの無線通信方式の周波数帯域において使用されていない周波数を決定し、その使用されていない周波数を対象としたセルサーチ処理を実施しない。このため、無駄なセルサーチ処理を省略することができ、電流消費量を削減することができる。特に、異なる無線通信方式が同一の周波数帯域で混在している場合には、無駄なセルサーチ処理をほとんど実施しないようにすることができる。
また、本実施形態においては、ある特定の周波数で運用されている無線通信方式と周波数とから、それぞれの無線通信方式の周波数帯域において使用されていない周波数を決定し、その使用されていない周波数を除き、実際に運用されている可能性がある無線通信方式の周波数のみを対象としてセルサーチ処理を実施する。このため、セルサーチ時間を短縮し、実際に運用されている周波数を効率よく検出することができる。特に、異なる無線通信方式が同一の周波数帯域で混在している場合には、より効果を発揮する。
さらに、本実施形態においては、未使用周波数を除く、運用されている可能性がある周波数のみを対象としたセルサーチ処理を実施するだけでなく、直前や過去に使用していた少数の周波数のみを対象としたセルサーチ処理と、直前や過去に使用していた無線通信方式、周波数帯域を対象としたセルサーチ処理とを併用して実施することによって、セルサーチ時間や消費電流を削減することができ、実際に運用されている周波数を効率よく検出することができる。
上述した本発明の一実施形態においては、セルサーチ処理において実際に検出した周波数を実運用周波数として記憶する方法を示しているが、携帯電話装置1が実際には実運用周波数を検出していない場合であっても、基地局から送信される報知情報や測定制御情報の隣接セル情報に含まれている周波数の情報は実際に運用されている周波数と考えられるため、この周波数を実運用周波数として記憶することも可能である。この方法によれば、実運用周波数情報が増えることによって、実運用周波数に基づいて決定する未使用周波数情報が増えるため、より効果的に、実際に運用されている周波数を検出することができる。
上述した本発明の一実施形態においては、既に検出できなくなった周波数の扱いについて触れていないが、検出できなくなった周波数については、実運用周波数情報から削除して、実運用周波数に基づいて決定する未使用周波数情報を再決定することが必要となる。
実運用周波数情報の管理としては、(1)ある時点で運用が確認できている周波数のみで随時更新する方法、(2)随時更新するのではなく、過去の実運用周波数情報として削除せずに記憶しておく方法、(3)ある時点で運用が確認できている周波数と、過去に運用が確認できていた周波数とによって、現在の実運用周波数情報と、過去の実運用周波数情報とをそれぞれ別々に記憶しておく方法等が考えられる。
上記の(3)の方法においては、過去の実運用周波数情報を、(A)圏外時間の経過とともに削除したり、(B)新しい国に移動した場合に削除したり、(C)GPS(Global Positioning System)と連動して、携帯電話装置1の移動を検出した場合に削除したりすることが考えられる。これらの方法を採用することにより、より効果的に、実際に運用している周波数を検出することができる。
また、実運用周波数情報は、国毎に管理したり、GPSと連動して位置情報とともに個別に管理したりすることによって、国際ローミングのために各国を移動する場合においても、それぞれの国における周波数の運用状況に合わせて、効果的に、実際に運用している周波数を検出することができる。

Claims (30)

  1. 複数の無線通信方式及び複数の周波数帯域にそれぞれ対応する通信機能を有する携帯端末装置と、
    前記携帯端末装置との間において通信を行う基地局と、
    からなる移動通信システムであって、
    前記携帯端末装置は制御装置を備えており、
    前記制御装置は、
    周波数情報として前記無線通信方式の周波数帯域毎に実際に運用される周波数を示す実運用周波数情報と実際に運用されていない周波数を示す未使用周波数情報とを管理し、
    前記実運用周波数情報から未使用周波数を決定し、
    その決定された未使用周波数によって前記無線通信方式の周波数帯域毎の未使用周波数情報を決定し、
    前記未使用周波数情報により管理された無線通信方式の周波数を対象としたセルサーチ処理の実施を抑止し、
    過去に使用していた少数の周波数のみを対象としたセルサーチ処理と、過去に使用していた無線通信方式及び周波数帯域を対象としたセルサーチ処理とを併用して前記セルサーチ処理を実施するものであることを特徴とする移動通信システム。
  2. 前記制御装置は、前記未使用周波数情報により管理された無線通信方式の周波数以外の、実際に運用されている可能性がある無線通信方式の周波数のみを対象として前記セルサーチ処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
  3. 前記制御装置は、前記実運用周波数情報として、前記セルサーチ処理において実際に検出した周波数を記憶することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の移動通信システム。
  4. 前記制御装置は、前記実運用周波数情報として、前記基地局から送信される報知情報及び測定制御情報の隣接セル情報に含まれている周波数の情報を記憶することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の移動通信システム。
  5. 前記制御装置は、前記実運用周波数情報を、任意の時点において、運用が確認されている周波数のみを用いて随時更新することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の移動通信システム。
  6. 前記制御装置は、任意の時点において、運用が確認されている周波数を過去の実運用周波数情報として記憶しておくことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の移動通信システム。
  7. 前記制御装置は、任意の時点において運用が確認されている周波数と過去に運用が確認されていた周波数とによって、現在の実運用周波数情報と過去の実運用周波数情報とを個別に記憶することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の移動通信システム。
  8. 前記制御装置は、前記携帯端末装置が圏外にいる時間が予め定められた時間を過ぎたとき、前記携帯端末装置が新しい国に移動したとき、あるいは、前記携帯端末装置が有するGPS(Global Positioning System)機能により前記携帯端末装置の移動を検出したときには、前記過去の実運用周波数情報を削除することを特徴とする請求項またはに記載の移動通信システム。
  9. 前記制御装置は、前記実運用周波数情報を国毎に管理し、あるいは、前記実運用周波数情報を前記携帯端末装置が有するGPS(Global Positioning System)機能に基づく前記携帯端末装置の位置情報とともに個別に管理することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の移動通信システム。
  10. 前記携帯端末装置は携帯電話装置であることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の移動通信システム。
  11. 複数の無線通信方式及び複数の周波数帯域にそれぞれ対応する通信機能を有し、前記通信機能により基地局との間で通信を行う携帯端末装置であって、
    前記携帯端末装置は制御装置を備えており、
    前記制御装置は、
    周波数情報として前記無線通信方式の周波数帯域毎に実際に運用される周波数を示す実運用周波数情報と実際に運用されていない周波数を示す未使用周波数情報とを管理し、
    前記実運用周波数情報から未使用周波数を決定し、
    その決定された未使用周波数によって前記無線通信方式の周波数帯域毎の未使用周波数情報を決定し、
    前記未使用周波数情報により管理された無線通信方式の周波数を対象としたセルサーチ処理の実施を抑止し、
    過去に使用していた少数の周波数のみを対象としたセルサーチ処理と、
    過去に使用していた無線通信方式及び周波数帯域を対象としたセルサーチ処理とを併用して前記セルサーチ処理を実施するものであることを特徴とする携帯端末装置。
  12. 前記制御装置は、前記未使用周波数情報により管理された無線通信方式の周波数以外の、実際に運用されている可能性がある無線通信方式の周波数のみを対象として前記セルサーチ処理を行うことを特徴とする請求項11に記載の携帯端末装置。
  13. 前記制御装置は、前記実運用周波数情報として、前記セルサーチ処理において実際に検出した周波数を記憶することを特徴とする請求項11乃至12の何れか一項に記載の携帯端末装置。
  14. 前記制御装置は、前記実運用周波数情報として、前記基地局から送信される報知情報及び測定制御情報の隣接セル情報に含まれている周波数の情報を記憶することを特徴とする請求項11乃至13の何れか一項に記載の携帯端末装置。
  15. 前記制御装置は、前記実運用周波数情報を、任意の時点において、運用が確認されている周波数のみを用いて随時更新することを特徴とする請求項11乃至14の何れか一項に記載の携帯端末装置。
  16. 前記制御装置は、任意の時点において、運用が確認されている周波数を過去の実運用周波数情報として記憶しておくことを特徴とする請求項11乃至14の何れか一項に記載の携帯端末装置。
  17. 前記制御装置は、任意の時点において運用が確認されている周波数と過去に運用が確認されていた周波数とによって、現在の実運用周波数情報と過去の実運用周波数情報とを個別に記憶することを特徴とする請求項11乃至14の何れか一項に記載の携帯端末装置。
  18. 前記制御装置は、前記携帯端末装置が圏外にいる時間が予め定められた時間を過ぎたとき、前記携帯端末装置が新しい国に移動したとき、あるいは、前記携帯端末装置が有するGPS(Global Positioning System)機能により前記携帯端末装置の移動を検出したときには、前記過去の実運用周波数情報を削除することを特徴とする請求項16または17に記載の携帯端末装置。
  19. 前記制御装置は、前記実運用周波数情報を国毎に管理し、あるいは、前記実運用周波数情報を前記携帯端末装置が有するGPS(Global Positioning System)機能に基づく前記携帯端末装置の位置情報とともに個別に管理することを特徴とする請求項11乃至18の何れか一項に記載の携帯端末装置。
  20. 前記携帯端末装置は携帯電話装置であることを特徴とする請求項11乃至19の何れか一項に記載の携帯端末装置。
  21. 複数の無線通信方式及び複数の周波数帯域にそれぞれ対応する通信機能を有する携帯端末装置と基地局との間で行われる通信の周波数を検出する周波数検出方法であって、
    周波数情報として前記無線通信方式の周波数帯域毎に実際に運用される周波数を示す実運用周波数情報と実際に運用されていない周波数を示す未使用周波数情報とを管理する第一の過程と、
    前記実運用周波数情報から未使用周波数を決定する第二の過程と、
    決定された未使用周波数によって前記無線通信方式の周波数帯域毎の未使用周波数情報を決定する第三の過程と、
    前記未使用周波数情報により管理された無線通信方式の周波数を対象としたセルサーチ処理の実施を抑止する第四の過程と、
    過去に使用していた少数の周波数のみを対象としたセルサーチ処理と、過去に使用していた無線通信方式及び周波数帯域を対象としたセルサーチ処理とを併用して前記セルサーチ処理を実施する第五の過程と、
    を備え、前記第一乃至第の過程は前記携帯端末装置により実行されるものであること
    を特徴とする周波数検出方法。
  22. 前記携帯端末装置が、前記未使用周波数情報により管理された無線通信方式の周波数以外の実際に運用されている可能性がある無線通信方式の周波数のみを対象として前記セルサーチ処理を行うことを特徴とする請求項21に記載の周波数検出方法。
  23. 前記携帯端末装置が、前記実運用周波数情報として、前記セルサーチ処理において実際に検出した周波数を記憶することを特徴とする請求項21乃至22の何れか一項に記載の周波数検出方法。
  24. 前記携帯端末装置が、前記実運用周波数情報として、前記基地局から送信される報知情報及び測定制御情報の隣接セル情報に含まれている周波数の情報を記憶することを特徴とする請求項21乃至23の何れか一項に記載の周波数検出方法。
  25. 前記携帯端末装置が、前記実運用周波数情報を、任意の時点において、運用が確認されている周波数のみを用いて随時更新することを特徴とする請求項21乃至24の何れか一項に記載の周波数検出方法。
  26. 前記携帯端末装置が、任意の時点において、運用が確認されている周波数を過去の実運用周波数情報として記憶しておくことを特徴とする請求項21乃至24の何れか一項に記載の周波数検出方法。
  27. 前記携帯端末装置が、任意の時点において、運用が確認されている周波数と過去に運用が確認されていた周波数とによって現在の実運用周波数情報と過去の実運用周波数情報とを個別に記憶することを特徴とする請求項21乃至24の何れか一項に記載の周波数検出方法。
  28. 前記携帯端末装置は、前記携帯端末装置が圏外にいる時間が予め定められた時間を過ぎたとき、前記携帯端末装置が新しい国に移動したとき、あるいは、前記携帯端末装置が有するGPS(Global Positioning System)機能により前記携帯端末装置の移動を検出したときには、前記過去の実運用周波数情報を削除することを特徴とする請求項26または27に記載の周波数検出方法。
  29. 前記携帯端末装置は、前記実運用周波数情報を国毎に管理し、あるいは、前記実運用周波数情報を前記携帯端末装置が有するGPS(Global Positioning System)機能に基づく前記携帯端末装置の位置情報とともに個別に管理することを特徴とする請求項21乃至28の何れか一項に記載の周波数検出方法。
  30. 複数の無線通信方式及び複数の周波数帯域にそれぞれ対応する通信機能を有する携帯端末装置と基地局との間で行われる通信の周波数を検出する周波数検出方法を前記携帯端末装置に内蔵されているコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記プログラムが行う処理は、
    周波数情報として前記無線通信方式の周波数帯域毎に実際に運用される周波数を示す実運用周波数情報と実際に運用されていない周波数を示す未使用周波数情報とを管理する第一の処理と、
    前記実運用周波数情報から未使用周波数を決定する第二の処理と、
    決定された未使用周波数によって前記無線通信方式の周波数帯域毎の未使用周波数情報を決定する第三の処理と、
    前記未使用周波数情報により管理された無線通信方式の周波数を対象としたセルサーチ処理の実施を抑止する第四の処理と、
    過去に使用していた少数の周波数のみを対象としたセルサーチ処理と、過去に使用していた無線通信方式及び周波数帯域を対象としたセルサーチ処理とを併用して前記セルサーチ処理を実施する第五の処理と、
    からなるものであるプログラム。
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