JP2004221730A - 移動通信システム及び複合携帯端末 - Google Patents

移動通信システム及び複合携帯端末 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の複合携帯端末においては、電源オン時のチャネルサーチや、基地局エリアの端におけるチャネルサーチにおいては、余分なチャネルサーチを行うことがあり、その分、電力消費がかかる。
【解決手段】GPS搭載複合携帯電話の電源オン時に、GPS信号から現在位置情報を算出する(ステップ301〜303)。この現在位置情報と記憶部に記憶しているエリア情報とを比較して、複合携帯電話の現在位置情報がPDCで通信を行う基地局のPDCエリアであるか、CDMA方式で通信を行う基地局のCDMAエリアであるかを判定して、判定したエリアに対応した通信方式でのみチャネルサーチを行う(ステップ304〜310)。これにより、チャネルサーチをする基地局の通信方式が分かるため、余分なチャネルサーチをすることが無くなり、余分な電力消費を防止することができる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は移動通信システム及び複合携帯端末に係り、特にGPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を用いて位置情報を得る位置情報検索機能を搭載した複合携帯端末が、通信方式の異なる複数の基地局との間で無線通信する移動通信システム及びそれに用いる複合携帯端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話等の携帯端末の市場は成熟し、高機能化や高性能化が図られている。しかし、携帯端末の高機能化や高性能化が進めば進むほど、携帯端末の電池の長寿命化の要求が高くなっている。
【0003】
一方、移動通信システムの通信方式も各種の方式が提案されており、代表的なものとして多様なコンテンツを扱うことが可能な符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)方式と、時分割多元接続方式とがある。更に、時分割多元接続方式の代表例としては、PDC(Personal Digital Cellular)規格がある。そこで、上記のCDMA方式とPDC規格の両方の通信方式を選択して通信可能な、所謂デュアルモード携帯端末(複合携帯端末)も従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この特許文献1記載の複合携帯端末は、送信系の直交変調器の入力にモードスイッチを設け、直交変調器及び電力制御増幅器を共用し、電力制御増幅器の出力にモードスイッチを設け、異なるモードの送信系回路に信号を供給し、また、第二局部発振器出力と直交変調器の入力の間に1/2分周回路を設け、更にこの1/2分周回路の動作状態をモード切替により制御できるようにすることで、送信系の一部をCDMA用とPDC用とで共用し、また、無線部を簡略化する構成としたものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−13274号公報(第4頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記の通信方式が異なる複数の無線通信網に対して通信を行うことが可能な従来の複合携帯端末においては、電源オン時のチャネルサーチや、基地局エリアの端におけるチャネルサーチにおいては、通信方式の異なる無線通信基地局に対して行わなければならず、余分なチャネルサーチを行うことがあり、電力消費が大きいという問題がある。
【0007】
すなわち、電源オン時には、複合携帯端末は自端末が、異なる複数の通信方式(上記の場合、PDC及びCDMA)のうちのどの通信方式の基地局のエリアに在圏しているかを確認して待ち受け動作に入るために、基地局から定期的にページングチャネルで送信される信号を、複数の通信方式で順次受信動作を行い、基地局の通信方式を確認してから、通信チャネルを確立するチャネルサーチを行う。
【0008】
また、複合携帯端末は、待ち受け中及び通話中において現在通信している基地局との第1の通信状態(例えば受信電界レベル)が所定の閾値よりも良好であるときは、そのまま現在通信している基地局との間で、既知の通信方式で通信を継続して行うが、第1の通信状態が所定の閾値以下に劣化したときには、現在通信している基地局のエリアの端に自端末が位置していると判断して、現在通信している基地局に隣接する別の基地局との第2の通信状態を上記の第1の通信状態と比較して、第2の通信状態が第1の通信状態よりも良好になった時に、上記の別の基地局との間で無線通信するように切り替える。
【0009】
ここで、上記の通信状態の比較の際には、上記の別の基地局の通信方式が複数の通信方式のどれであるか分からないので、上記の別の基地局から定期的にページングチャネルで送信される信号を、複数の通信方式で順次受信動作を行い、当該別の基地局の通信方式を確認してから、通信チャネルを確立するチャネルサーチを行う。
【0010】
このように、通信方式が異なる複数の無線通信網に対して通信を行うことが可能な従来の複合携帯端末においては、電源オン時のチャネルサーチや、基地局エリアの端におけるチャネルサーチにおいては、通信する基地局の通信方式とは別の通信方式で基地局に対して通信を行うことで、余分なチャネルサーチを行うことがあり、その分、電力消費がかかり、電池寿命を短くするという問題がある。
【0011】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、移動通信システム及び複合携帯端末を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明の他の目的は、通信方式が異なる複数の無線通信網に対して通信を行う複合携帯端末による余分なチャネルサーチを防止することで、複合携帯端末の消費電力を抑制し得る移動通信システム及び複合携帯端末を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、第1の発明の移動通信システムは、通信方式が互いに異なり、かつ、互いに独立した通信エリアを各々有する複数の基地局と、全地球測位システムで用いられるGPS衛星と、複数の基地局のいずれに対しても、その基地局の通信方式で通信可能な複数の通信方式に対応した複数の無線部及びGPS衛星からのGPS信号を受信するGPS受信部を搭載した複合携帯端末とよりなる移動通信システムであって、複合携帯端末は、複数の基地局の通信エリアの位置情報と複数の基地局の通信方式とを対応付けたエリア情報を記憶している記憶部と、電源オン時にGPS受信部で受信したGPS信号に基づき現在の位置情報を算出する位置情報検出部と、位置情報検出部で算出した現在の位置情報と記憶部に記憶されているエリア情報を比較して、現在の位置情報に対応したエリアの基地局の通信方式を求める第1の通信方式検索手段と、複数の無線部のうち第1の通信方式検索手段で求めた通信方式の無線部を動作状態としてチャネルサーチを行い待ち受け状態とする第1の待ち受け手段とを有することを特徴とする。
【0014】
この発明では、複合携帯端末の電源オン時に、GPS信号に基づいて検出した現在の位置情報と記憶部のエリア情報とを比較して、複合携帯端末が在圏するエリアの基地局の通信方式を求めるようにしたため、現在在圏するエリアの基地局に対してのみチャネルサーチができる。
【0015】
また、第2の発明の移動通信システムは、複合携帯端末を、複数の基地局の通信エリアの位置情報と複数の基地局の通信方式とを対応付けたエリア情報を記憶している記憶部と、通信中の基地局からの信号の受信レベルを所定の閾値と比較する比較手段と、比較手段により受信レベルが閾値以下のときにGPS受信部で受信したGPS信号に基づき現在の位置情報を算出する位置情報検出部と、位置情報検出部で算出した現在の位置情報と記憶部に記憶されているエリア情報を比較して、現在の位置情報に対応したエリアに隣接するエリアの基地局の通信方式を求める第2の通信方式検索手段と、複数の無線部のうち第2の通信方式検索手段で求めた通信方式の無線部を動作状態としてチャネルサーチを行い待ち受け状態とする第2の待ち受け手段とを有することを特徴とする。
【0016】
この発明では、複合携帯端末が移動しながらの通信中に、通信中の基地局のエリアの端に来たときにGPS信号に基づいて検出した現在の位置情報と記憶部のエリア情報とを比較して、複合携帯端末が在圏するエリアに隣接するエリアの基地局の通信方式を求めるようにしたため、次に移動する隣接するエリアの基地局に対してのみチャネルサーチができる。
【0017】
また、上記の目的を達成するため、第3の発明の移動通信システムは、第2の発明における複合携帯端末を、第2の通信方式検索手段により位置情報検出部で算出した現在の位置情報に対応したエリアに隣接するエリアのエリア情報が記憶部から検索できないときに、通信中の基地局に対して隣接するエリアのエリア情報を要求する情報要求手段と、通信中の基地局から応答送信された隣接するすべてのエリアのエリア情報を受信して移動方向に隣接するエリア情報を取得して、そのエリアの基地局の通信方式を求める第3の通信方式検索手段とを有する構成とし、複数の基地局を、複合携帯端末からエリア情報要求があったときは、隣接するすべての基地局の通信方式と隣接するエリアの位置情報を含むエリア情報を要求元の複合携帯端末へ送信する送信手段を有する構成としたことを特徴とする。
【0018】
この発明では、複合携帯端末が移動しながらの通信中に、通信中の基地局のエリアの端に来たときにGPS信号に基づいて検出した現在のエリアに隣接するエリアのエリア情報が記憶部に存在しない時に、通信中の基地局に対して隣接するエリアのエリア情報の送信を要求して、隣接するエリアのエリア情報を取得することができる。
【0019】
また、上記の目的を達成するため、第4の発明の複合携帯端末は、通信方式が互いに異なり、かつ、互いに独立した通信エリアを各々有する複数の基地局のいずれに対しても、その基地局の通信方式で通信可能な複数の通信方式に対応した複数の無線部、及び全地球測位システムで用いられるGPS衛星からのGPS信号を受信するGPS受信部を搭載した複合携帯端末であって、複数の基地局の通信エリアの位置情報と複数の基地局の通信方式とを対応付けたエリア情報を記憶している記憶部と、電源オン時にGPS受信部で受信したGPS信号に基づき現在の位置情報を算出する位置情報検出部と、位置情報検出部で算出した現在の位置情報と記憶部に記憶されているエリア情報を比較して、現在の位置情報に対応したエリアの基地局の通信方式を求める第1の通信方式検索手段と、複数の無線部のうち第1の通信方式検索手段で求めた通信方式の無線部を動作状態としてチャネルサーチを行い待ち受け状態とする第1の待ち受け手段とを有する構成としたものである。
【0020】
この発明は第1の発明と同様に、複合携帯端末の電源オン時に、GPS信号に基づいて検出した現在の位置情報と記憶部のエリア情報とを比較して、複合携帯端末が在圏するエリアの基地局の通信方式を求めるようにしたため、現在在圏するエリアの基地局に対してのみチャネルサーチができる。
【0021】
また、上記の目的を達成するため、第5の発明の複合携帯端末は、複数の基地局の通信エリアの位置情報と複数の基地局の通信方式とを対応付けたエリア情報を記憶している記憶部と、通信中の第1の基地局からの信号の受信レベルを所定の閾値と比較する比較手段と、比較手段により受信レベルが閾値以下のときにGPS受信部で受信したGPS信号に基づき現在の位置情報を算出する位置情報検出部と、位置情報検出部で算出した現在の位置情報と記憶部に記憶されているエリア情報を比較して、現在の位置情報に対応したエリアに隣接するエリアの第2の基地局の通信方式を求める第2の通信方式検索手段と、複数の無線部のうち第2の通信方式検索手段で求めた通信方式の無線部を動作状態としてチャネルサーチを行い待ち受け状態とする第2の待ち受け手段とを有する構成としたものである。
【0022】
この発明は、第2の発明と同様に、複合携帯端末が移動しながらの通信中に、通信中の基地局のエリアの端に来たときにGPS信号に基づいて検出した現在の位置情報と記憶部のエリア情報とを比較して、複合携帯端末が在圏するエリアに隣接するエリアの基地局の通信方式を求めるようにしたため、次に移動する隣接するエリアの基地局に対してのみチャネルサーチができる。
【0023】
また、上記の目的を達成するため、第6の発明の複合携帯端末は、第5の発明の複合携帯端末に、通信中の第1の基地局からの信号の第1の受信レベルと、待ち受け状態にある隣接するエリアの第2の基地局からの信号の第2の受信レベルとを比較し、第2の受信レベルの方が第1の受信レベルよりも大となった時に、通信する基地局を第1の基地局から第2の基地局へ切り替える切り替え手段を更に有することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる移動通信システムの一実施の形態の概略システム構成図を示す。同図において、移動通信システムは、本発明になる複合携帯端末の一例であるGPS搭載複合携帯電話1と、公知の全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)で用いられるGPS衛星2と、通信方式がPDCであるPDC基地局3と、通信方式がCDMAであるCDMA基地局4とから構成される。PDC基地局3は、PDCエリア5の中心に位置し、CDMA基地局4は、CDMAエリア6の中心に位置する。両エリア5及び6は、それぞれ互いに独立した通信エリアであり、ここでは一部が重複している。
【0025】
なお、ここでは、図示及び説明の便宜上、PDC基地局3とCDMA基地局4とが、互いに隣接するように図示しているが、実際にはPDC基地局同士、あるいはCDMA基地局同士が隣接することもあり、また、設置されている基地局の総数は3以上の多数であることは勿論である。また、GPS衛星2は、複数の低軌道衛星であるが、ここではGPS搭載複合携帯電話1と通信中の1台のGPS衛星のみを図示している。また、ここでは、異なる複数の通信方式としてPDCとCDMAを挙げているが、これ以外の通信方式でもよい。
【0026】
GPS搭載複合携帯電話1は、GPS衛星2から送信されたGPS信号を受信して、自端末の位置情報(緯度及び経度)を算出する機能を有する本発明の複合携帯端末であり、例えば図2のブロック図に示す構成とされている。
【0027】
図2において、GPS搭載複合携帯電話1は、PDC基地局(図1の3)との間でPDC信号を無線通信するPDCアンテナ11と、PDCアンテナ11に接続されたPDC無線部12と、CDMA基地局(図1の4)との間でCDMA信号を無線通信するCDMAアンテナ13と、CDMAアンテナ13に接続されたCDMA無線部14と、PDCベースバンド信号やCDMAベースバンド信号に含まれる音声情報やデータ情報(画像情報やテキスト情報を含む)を再生する共通ベースバンド部15と、受話器であるレシーバ16と、送話器であるマイク17と、GPS信号を受信するGPSアンテナ18と、受信したGPS信号を復調してGPSベースバンド信号に再生するGPS受信部19と、位置検出部20と、携帯電話1の各部を統括的に制御する制御部21と、使用者に対して情報を表示する表示部22と、使用者が操作する通話ボタンやテンキーなどからなるキー操作部23と、記憶部24とから構成されている。
【0028】
上記のPDC無線部12は、受信時はPDCアンテナ11で受信したPDC信号を復調し、発呼側で作られたPDCベースバンド信号に再生して共通ベースバンド部15に供給し、送信時は共通ベースバンド部15から入力された音声信号やデータ情報をPDC信号に変換してPDCアンテナ11を介して無線送信する。また、上記のCDMA無線部14は、受信時はCDMAアンテナ13で受信したCDMA信号を復調し、発呼側で作られたCDMAベースバンド信号に再生して共通ベースバンド部15に供給し、送信時は共通ベースバンド部15から入力された音声信号やデータ情報をCDMA信号に変換してCDMAアンテナ13を介して無線送信する。
【0029】
また、上記の位置検出部20は、GPS受信部19から供給されるGPSベースバンド信号からGPS搭載複合携帯電話1の現在の位置情報を算出する。この位置情報算出方法自体は、本発明の要旨ではないので、その詳細な説明は省略するが、上記の位置検出部20は、GPS受信部19から入力された、複数のGPS衛星からのGPSベースバンド信号の到達時間差やGPS衛星の軌道から現在位置の位置情報(緯度や経度)を算出する。
【0030】
また、上記の記憶部24は、電話帳や地図情報、エリア情報及び各種設定等を予め記憶している。上記のエリア情報としては、PDC基地局3によるPDCエリア5及びCDMA基地局4によるCDMAエリア6それぞれの緯度及び経度からなる位置情報と、基地局3及び4の通信方式とが対応付けられた情報である。
【0031】
次に、本実施の形態の移動通信システム及びGPS搭載複合携帯電話1の動作について説明する。まず、GPS搭載複合携帯電話1の電源オン時の動作について、図3のフローチャートを併せ参照して説明する。使用者が電源がオフとされている状態のGPS搭載複合携帯電話1の電源を投入(オン)すると(ステップ301)、図2に示したGPS受信部19及び位置検出部20が動作を開始して、GPS衛星2からのGPS信号を受信し(ステップ302)、GPSベースバンド信号を得て、位置検出部20により携帯電話1の現在位置の位置情報(緯度及び経度)が算出される(ステップ303)。
【0032】
次に、制御部21は、位置検出部20により算出された携帯電話1の現在位置の位置情報に基づいて、記憶部24に記憶されているエリア情報を比較参照する(ステップ304)。上記の比較参照により、現在位置がまずCDMA基地局4によるCDMAエリア6であるか否か判定され(ステップ305)、CDMAエリア6であれば、制御部21はCDMA無線部14を動作させると共に、PDC無線部12を非動作として、CDMA信号の送受信を行えるようにして、CDMA基地局4から定期的に送信された信号を受信して、CDMAでのチャネルサーチを行い(ステップ306)、通信チャネル確立後、CDMA信号の送受信可能なCDMAモードにて待ち受け状態に入る(ステップ307)。
【0033】
他方、ステップ305でCDMAエリア6ではないと判定されたときには、制御部21はPDCエリア5であるか否か判定し(ステップ308)、PDCエリア5であれば、制御部21はPDC無線部12を動作させると共に、CDMA無線部14を非動作として、PDC信号の送受信を行えるようにして、PDC基地局3から定期的に送信された信号を受信して、PDCでのチャネルサーチを行い(ステップ309)、通信チャネル確立後、PDC信号の送受信可能なPDCモードにて待ち受け状態に入る(ステップ310)。
【0034】
また、ステップ308において、PDCエリア5でもないと判定されたときには、再度GPS信号を受信して(ステップ302)、再度上記のステップ303以降の処理を行う。
【0035】
このように、本実施の形態では、GPS搭載複合携帯電話1の電源オン時に、GPS信号から現在位置情報を算出して、この現在位置情報と記憶部24に記憶しているエリア情報とを比較して、現在位置情報がPDCエリア5であるかCDMAエリア6であるかを判定して、判定したエリアに対応した通信方式でのみチャネルサーチを行うようにしたため、余分なチャネルサーチをすることが無くなり、余分な電力消費を防止することができる。
【0036】
次に、GPS搭載複合携帯電話1の通話中の動作について、図4のフローチャートを併せ参照して説明する。GPS搭載複合携帯電話1はPDC基地局3又はCDMA基地局4と通話中であるときに(ステップ401)、受信レベルを確認(計測)する(ステップ402)。
【0037】
GPS搭載複合携帯電話1の制御部21は、この受信レベルを予め設定した所定の閾値と比較し(ステップ403)、受信レベルが閾値以上であるときには、GPS搭載複合携帯電話1が現在通話中のPDC基地局3又はCDMA基地局4のエリア5又は6の中央付近に在圏していると判断して、引き続き現在のモードのまま受信レベルの確認を行うが、受信レベルが閾値未満に劣化したときには、GPS搭載複合携帯電話1が現在通話中のPDC基地局3又はCDMA基地局4のエリア5又は6の端に移動したと判断して、現在通話中のPDC基地局3又はCDMA基地局4のエリア5又は6に隣接する基地局の通信方式を検出するために、無駄な電力消費を抑えるため、それまでオフ状態であったGPS無線部19の動作をオンとする(ステップ404)。
【0038】
これにより、GPS衛星2から送信されているGPS信号が、GPSアンテナ18を介してGPS無線部19により受信・復調されてGPSベースバンド信号とされた後(ステップ405)、このGPSベースバンド信号に基づき位置検出部20により携帯電話1の現在位置の位置情報(緯度及び経度)が算出される(ステップ406)。
【0039】
次に、制御部21は、位置検出部20により算出された携帯電話1の現在位置の位置情報に基づいて、記憶部24に記憶されているエリア情報を比較参照して、現在通話中のPDC基地局3又はCDMA基地局4に隣接する基地局のエリア情報を取得する(ステップ407)。以後は、図3に示したステップ305以降の処理が行われ、隣接する基地局の通信方式(PDCモード又はCDMAモード)に合致した通信方式のチャネルサーチ後に待ち受け状態となる。
【0040】
これにより、制御部21は現在通話中の基地局からの信号の第1の受信レベルと、待ち受け状態で得られる隣接する基地局から定期的に送信される信号の第2の受信レベルとを比較し、第2の受信レベルの方が第1の受信レベルよりも大きくなった時点で、エリア切り替えを行い、通信相手の基地局を隣接する基地局に切り替えると共に、その基地局の通信方式で引き続き通話を継続する。
【0041】
従って、例えば、図1において、GPS搭載複合携帯電話1がPDCエリア5内にあって、PDC基地局3を通して移動通信網の相手端末と通話を行いつつ移動してCDMAエリア6に近いPDCエリア5の端に来た場合、GPS搭載複合携帯電話1はGPS衛星2からのGPS信号を受信して算出した現在位置情報を記憶部24に記憶されているエリア情報と比較することで、隣接する基地局がCDMA基地局4であることが分かるため、CDMAでのチャネルサーチだけを行って、CDMAでの待ち受け状態となり、CDMA基地局4から定期的に送信される信号の受信レベルを確認して、現在通話中のPDC基地局3からの信号の受信レベルとを比較する。
【0042】
そして、GPS搭載複合携帯電話1が更に移動してCDMAエリア6に入ると(あるいは入る直前になると)、CDMA基地局4からの信号の受信レベルが、現在通話中のPDC基地局3からの信号の受信レベルよりも大となるため、GPS搭載複合携帯電話1はPDCモードからCDMAモードに切り替わり、CDMA基地局4を介して相手端末との間の通話を継続する。
【0043】
このように、本実施の形態では、移動しながらの通話中、基地局エリアの端に来た場合にはGPS位置情報を受信し、現在位置検出およびエリア検出を行うことにより、次にどちらの通信方式の基地局に対してチャネルサーチを行えばよいかの判断ができるため、余分なチャネルサーチをすることが無くなり消費電力を抑えることが可能である。
【0044】
次に、本発明の移動通信システム及び複合携帯端末の他の実施の形態について説明する。この実施の形態は、複合携帯端末のブロック構成は図2と同様であるが、通話中の位置情報検出において、検出した現在位置が記憶部24に記憶されていない場合の動作に特徴を有するもので、図5のフローチャートと共にその動作について説明する。図5中、図3及び図4と同一処理ステップは図示を省略してある。
【0045】
この実施の形態では、GPS搭載複合携帯電話1が現在通話中のPDC基地局3又はCDMA基地局4のエリア5又は6の端に移動したときに、上記の実施の形態と同様に、GPSベースバンド信号に基づき位置検出部20により算出された携帯電話1の現在位置の位置情報に基づいて、記憶部24に記憶されているエリア情報を比較する(ステップ407)。
【0046】
このとき、記憶部24に記憶されているエリア情報の中に、現在通話中のPDC基地局3又はCDMA基地局4に隣接する基地局のエリア情報と一致するものが存在するか否か判定し(ステップ501)、一致するものがあれば、図3及び図4と共に説明したと同様にステップ305以降の動作を行うが、一致するものが無いときには、現在通話中のPDC基地局3又はCDMA基地局4に対して、隣接する基地局のエリア情報を要求する(ステップ502)。
【0047】
現在通話中のPDC基地局3又はCDMA基地局4は、上記のエリア情報要求を受け取ると、隣接するすべての基地局のエリア情報を携帯電話1に対して応答送信するので、この基地局からのエリア情報を携帯電話1が受信する(ステップ503)。
【0048】
続いて、携帯電話1はGPSベースバンド信号に基づき位置検出部20により算出された携帯電話1の現在位置の位置情報と、現在通話中のPDC基地局3又はCDMA基地局4から受信した隣接するすべての基地局の複数のエリア情報とを比較し、受信した隣接するすべての基地局の複数のエリア情報の中から、携帯電話1の移動方向に対応した、移動先の一の隣接する基地局のエリア情報を取得する(ステップ504)。
【0049】
以後は、図3に示したステップ305以降の処理が行われ、隣接する基地局の通信方式(PDCモード又はCDMAモード)に合致した通信方式のチャネルサーチ後に待ち受け状態となる。
【0050】
なお、以上の実施の形態の複合携帯端末では、電源オン時と通話中の基地局の通信エリアの端に移動した時の両方について余分なチャネルサーチを行わない処理をしているが、どちらか一方の処理だけを行うようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複合携帯端末の電源オン時に、GPS信号に基づいて検出した現在の位置情報と記憶部のエリア情報とを比較して、複合携帯端末が在圏するエリアの基地局の通信方式を求めることにより、現在在圏するエリアの基地局に対してのみチャネルサーチを行うようにしたため、余分なチャネルサーチをすることがなく、消費電力を抑えることができ、電池の長寿命化を実現できる。
【0052】
また、本発明によれば、複合携帯端末が移動しながらの通信中に、通信中の基地局のエリアの端に来たときにGPS信号に基づいて検出した現在の位置情報と記憶部のエリア情報とを比較して、複合携帯端末が在圏するエリアに隣接するエリアの基地局の通信方式を求めることにより、次に移動する隣接するエリアの基地局に対してのみチャネルサーチを行うようにしたため、余分なチャネルサーチをすることがなく、消費電力を抑えることができ、電池の長寿命化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移動通信システムの一実施の形態の概略システム構成図である。
【図2】本発明の複合携帯端末の一実施の形態のブロック図である。
【図3】図1及び図2に示した携帯電話の電源オン時の動作説明用フローチャートである。
【図4】図1及び図2に示した携帯電話が通話中基地局エリアの端に来た時の動作説明用フローチャートである。
【図5】本発明の複合携帯端末の他の実施の形態の動作説明用の要部のフローチャートである。
【符号の説明】
1 GPS搭載複合携帯電話
2 GPS衛星
3 PDC基地局
4 CDMA基地局
5 PDCエリア
6 CDMAエリア
11 PDCアンテナ
12 PDC無線部
13 CDMAアンテナ
14 CDMA無線部
15 共通ベースバンド部
18 GPSアンテナ
19 GPS受信部
20 位置検出部
21 制御部
24 記憶部

Claims (6)

  1. 通信方式が互いに異なり、かつ、互いに独立した通信エリアを各々有する複数の基地局と、全地球測位システムで用いられるGPS衛星と、該複数の基地局のいずれに対しても、その基地局の通信方式で通信可能な複数の通信方式に対応した複数の無線部及び前記GPS衛星からのGPS信号を受信するGPS受信部を搭載した複合携帯端末とよりなる移動通信システムであって、前記複合携帯端末は、前記複数の基地局の通信エリアの位置情報と該複数の基地局の通信方式とを対応付けたエリア情報を記憶している記憶部と、電源オン時に前記GPS受信部で受信した前記GPS信号に基づき現在の位置情報を算出する位置情報検出部と、該位置情報検出部で算出した前記現在の位置情報と前記記憶部に記憶されているエリア情報を比較して、該現在の位置情報に対応したエリアの基地局の通信方式を求める第1の通信方式検索手段と、前記複数の無線部のうち前記第1の通信方式検索手段で求めた通信方式の無線部を動作状態としてチャネルサーチを行い待ち受け状態とする第1の待ち受け手段とを有することを特徴とする移動通信システム。
  2. 通信方式が互いに異なり、かつ、互いに独立した通信エリアを各々有する複数の基地局と、全地球測位システムで用いられるGPS衛星と、該複数の基地局のいずれに対しても、その基地局の通信方式で通信可能な複数の通信方式に対応した複数の無線部及び前記GPS衛星からのGPS信号を受信するGPS受信部を搭載した複合携帯端末とよりなる移動通信システムであって、前記複合携帯端末は、前記複数の基地局の通信エリアの位置情報と該複数の基地局の通信方式とを対応付けたエリア情報を記憶している記憶部と、通信中の基地局からの信号の受信レベルを所定の閾値と比較する比較手段と、該比較手段により前記受信レベルが前記閾値以下のときに前記GPS受信部で受信した前記GPS信号に基づき現在の位置情報を算出する位置情報検出部と、該位置情報検出部で算出した前記現在の位置情報と前記記憶部に記憶されているエリア情報を比較して、該現在の位置情報に対応したエリアに隣接するエリアの基地局の通信方式を求める第2の通信方式検索手段と、前記複数の無線部のうち前記第2の通信方式検索手段で求めた通信方式の無線部を動作状態としてチャネルサーチを行い待ち受け状態とする第2の待ち受け手段とを有することを特徴とする移動通信システム。
  3. 前記複合携帯端末は、前記第2の通信方式検索手段により前記位置情報検出部で算出した前記現在の位置情報に対応したエリアに隣接するエリアのエリア情報が前記記憶部から検索できないときに、前記通信中の基地局に対して前記隣接するエリアのエリア情報を要求する情報要求手段と、前記通信中の基地局から応答送信された隣接するすべてのエリアのエリア情報を受信して移動方向に隣接するエリア情報を取得して、そのエリアの基地局の通信方式を求める第3の通信方式検索手段とを有し、前記複数の基地局は、前記複合携帯端末から前記エリア情報要求があったときは、隣接するすべての基地局の通信方式と隣接するエリアの位置情報を含むエリア情報を要求元の前記複合携帯端末へ送信する送信手段を有することを特徴とする請求項2記載の移動通信システム。
  4. 通信方式が互いに異なり、かつ、互いに独立した通信エリアを各々有する複数の基地局のいずれに対しても、その基地局の通信方式で通信可能な複数の通信方式に対応した複数の無線部、及び全地球測位システムで用いられるGPS衛星からのGPS信号を受信するGPS受信部を搭載した複合携帯端末であって、
    前記複数の基地局の通信エリアの位置情報と該複数の基地局の通信方式とを対応付けたエリア情報を記憶している記憶部と、
    電源オン時に前記GPS受信部で受信した前記GPS信号に基づき現在の位置情報を算出する位置情報検出部と、
    該位置情報検出部で算出した前記現在の位置情報と前記記憶部に記憶されているエリア情報を比較して、該現在の位置情報に対応したエリアの基地局の通信方式を求める第1の通信方式検索手段と、
    前記複数の無線部のうち前記第1の通信方式検索手段で求めた通信方式の無線部を動作状態としてチャネルサーチを行い待ち受け状態とする第1の待ち受け手段と
    を有することを特徴とする複合携帯端末。
  5. 通信方式が互いに異なり、かつ、互いに独立した通信エリアを各々有する複数の基地局のいずれに対しても、その基地局の通信方式で通信可能な複数の通信方式に対応した複数の無線部、及び全地球測位システムで用いられるGPS衛星からのGPS信号を受信するGPS受信部を搭載した複合携帯端末であって、
    前記複数の基地局の通信エリアの位置情報と該複数の基地局の通信方式とを対応付けたエリア情報を記憶している記憶部と、
    通信中の第1の基地局からの信号の受信レベルを所定の閾値と比較する比較手段と、
    該比較手段により前記受信レベルが前記閾値以下のときに前記GPS受信部で受信した前記GPS信号に基づき現在の位置情報を算出する位置情報検出部と、該位置情報検出部で算出した前記現在の位置情報と前記記憶部に記憶されているエリア情報を比較して、該現在の位置情報に対応したエリアに隣接するエリアの第2の基地局の通信方式を求める第2の通信方式検索手段と、
    前記複数の無線部のうち前記第2の通信方式検索手段で求めた通信方式の無線部を動作状態としてチャネルサーチを行い待ち受け状態とする第2の待ち受け手段と
    を有することを特徴とする複合携帯端末。
  6. 通信中の前記第1の基地局からの信号の第1の受信レベルと、待ち受け状態にある隣接するエリアの前記第2の基地局からの信号の第2の受信レベルとを比較し、該第2の受信レベルの方が前記第1の受信レベルよりも大となった時に、通信する基地局を前記第1の基地局から前記第2の基地局へ切り替える切り替え手段を更に有することを特徴とする請求項5記載の複合携帯端末。
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