JP4851576B2 - 織機の経糸送り出し装置 - Google Patents

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Description

本発明は、織機の経糸送り出し装置において、経糸送り出し用のワープビームに対する制動装置に関する。
織機の経糸送り出し装置は、シート状の経糸に所定の張力を掛けながら、経糸の張力の高まりに応じて、経糸送り出し用のワープビームを送り出し方向に回転させ、経糸を送り出す。例えば、特許文献1の経糸送り出し装置は、経糸張力に抗する制動力をウォーム歯車機構の逆止め機能によって確保しながら、専用モータによりウォーム歯車機構のウォームを回転させ、ウォームホイールを駆動することによって、ウォームホイールと一体のワープビームを送り出し方向に回転させ、経糸を所定の張力のもとに送り出している。
織機の製織過程において、開口運動や筬打ちにより経糸張力が急激に変動し、またこの振動が毎ピック(1サイクル毎)に発生するため、経糸が巻かれたワープビームに張力変動が伝わり、この張力変動が加振力となって、軸のねじり変形やギヤのバックラッシュによりワープビームが微細な送り出し方向の回転と反送り出し方向の回転(逆転)とを繰り返し、いわゆる振動回転を誘発する。
この振動回転によって織り口からワープビーム間の経糸長さが変化し、織り段(密度むら)が発生する。ワープビームが大径であるほど、ワープビームに加わる加振力の半径が大きくなるため、ワープビームが振動回転しやすくなり、またワープビームの重量が大きいほど、振動回転のエネルギーが大きくなり、織り段が大きくなりやすい。また高密度織物での製織では、特に筬打ち時のだぶつきによる急激な経糸張力変動が問題となる。
特開2003−193355号公報
したがって本発明の課題は、織機の経糸送り出し装置において、経糸張力変動を抑制し、織り段を防止することである。また、他の課題は、ワープビームの回転軸を駆動する回転の駆動源および変速機の容量を小さくするとともに、許容経糸張力や打ち込み密度範囲等の使用条件範囲を拡げ、織機の汎用性を向上させることである。
上記課題のもとに、本発明は、経糸張力に抗する制動力をワープビームに作用させつつ駆動源の回転を伝達装置によりワープビームに伝達し、ワープビームを送り出し方向および反送り出し方向に回転させる駆動装置を備える織機の経糸送り出し装置において、上記駆動装置の制動力とは別に、ワープビームに制動力を作用させる制動装置を設けている。
また、本発明は、ワープビームの反送り出し方向の回転時に制動装置の制動力を緩和させる制動力緩和手段を制動装置に設けている。上記制動力緩和手段は、制動装置の制動力0〜所定の制動力値とするために、制動装置とワープビームの回転軸との間に介在する一方向回転伝達装置によって構成される。
なお、上記駆動装置は、織機モータ以外の独立した専用モータによって、電動式の送り出し装置として構成するか、または織機モータの回転を入力し、その回転を変速して出力する変速機によって、機械式の送り出し装置として構成する。また、駆動装置で経糸張力に抗する制動力を作用させる構成として、専用モータ、駆動軸、ワープビームギヤ(ウォームホイール)と噛み合うウォーム歯車機構の逆止め機能(セルフロック可能なウォームギヤ)で構成され、ウォームギヤで経糸張力に抗する制動力を作用させるか、または制動機能を備えた専用モータ、駆動軸、ワープビームと噛み合う駆動ギヤにより構成され、制御装置から専用モータに制動信号を出力し、専用モータで経糸張力に抗する制動力を作用させる。
本発明によると、織機の経糸送り出し装置において、ワープビームに制動力を作用させる制動装置が駆動装置の制動力とは別に設けられているから、製織中にワープビームに制動力を作用させることによって、ワープビームの振動回転が抑制でき、ワープビームの振動回転による織り段の発生が有効に防止できる。
後述の〔ウォーム歯車(ウォームギヤ)機構による送り出し駆動の説明〕に記載の通り、反送り出し方向の回転時に必要な駆動装置のトルクが送り出し方向の回転時に必要な駆動装置のトルクより大きいので、ワープビームの反送り出し方向の回転時に制動装置の制動力が制動力緩和手段により緩和されるから、ワープビームの反送り出し方向の回転時での駆動装置の負荷が軽減でき、駆動装置の負荷が軽くなる。このため、駆動装置が同じ容量でも、許容経糸張力や打ち込み密度範囲等の使用条件範囲が広がり、織機の汎用性が向上する。また使用条件範囲を広げる代わりに1ランク小さい容量の駆動装置が使用でき、これによりコストダウンを図ることができる。
そして、制動力緩和手段が一方向回転伝達装置であり、汎用のワンウェイクラッチやコイルばね等が利用できるから、上記の効果を簡素な構成により実現できる。
まず図1は、本発明に係る織機の経糸送り出し装置1の前提となる部分の構成を示している。図1において、織機の経糸送り出し装置1は、ワープビーム2を駆動するために駆動装置3を備えており、駆動装置3は、駆動源4としての専用モータ32と、この専用モータ32の回転をワープビーム2に伝達する伝達装置5とからなる。伝達装置5は、この例で専用モータ32の出力軸と一体の駆動シャフト33に固定されているウォーム34と、このウォーム34に噛み合うギヤ50と、ギヤ50に一体的に組み合わされ、ギヤ50と一緒に回転軸52に支持されているギヤ51と、ギヤ51に噛み合うワープビームギヤ35とで構成されている。ワープビームギヤ35は、ワープビーム2を支持するための回転軸21に取り付けられワープビーム2とともに回転する。
この例でギヤ50は、ウォームホイールであるから、ウォーム34およびギヤ50は、大きな減速比のウォーム歯車(ウォームギヤ)機構を構成しており、逆止め機能(セルフロック機能)を有している。このため、専用モータ32の回転は、減速してワープビームギヤ35に伝達できるが、その逆つまりワープビームギヤ35の回転力は、ウォーム34に伝達されない。
駆動装置3は、ワープビーム2から織り前8に送り出される経糸9に対し、その経糸張力Tに抗する制動力をワープビーム2に作用させつつワープビーム2を回転させる。ここでの経糸張力Tに抗する制動力は、ウォーム歯車機構(ウォーム34およびこれに噛み合うウォームホイールによるギヤ50)の逆止め機能(セルフロック機能)により得られる。なお、経糸9は、ワープビーム2からシート状として引き出され、ガイドロール6、テンションロール7に案内され、織り前8の方向に送り出される。また、テンションロール7は、通常、図示しない張力付与手段により移動自在に支持され、経糸9に所定の経糸張力Tをかける。
そして、本発明の織機の経糸送り出し装置1は、特徴的な構成として、駆動装置3の制動力とは別に、ワープビーム2に制動力を作用させる制動装置10を有している。この制動装置10は、以下の実施形態により具体化される。なお、実施形態2以外は一方向回転伝達装置13を用いた例であり、実施形態2はアクチュエータ31でブレーキディスク25に対する接圧力を減少させる例である。
〔実施形態1(図2)〕
実施形態1は、図2のように、制動装置10のブレーキギヤ11とブレーキ軸14との間に、制動力緩和手段12として一方向回転伝達装置13を組み込んだ例である。図2において、制動装置10は、ワープビームギヤ35に噛み合うブレーキギヤ11と、このブレーキギヤ11に制動力を作用させる制動手段としてのブレーキ円板23、一対のブレーキデイスク25、ワープビーム2の送り出し方向の回転(以下に送り出し方向の回転を正転ともいう。)に対して制動力を作用させ、反送り出し方向の回転(以下に反送り出し方向の回転を逆転ともいう。)に対してのみ制動力を作用させない一方向回転伝達装置13とで構成されている。ここでの一方向回転伝達装置13は、例えばワンウェイクラッチである。なおワープビームギヤ35は、ワープビーム2を支える回転軸21に同心状態で取り付けられている。
ブレーキギヤ11および一対のブレーキデイスク25は、ともにブレーキ軸14により支えられている。ブレーキ軸14は、玉軸受け15、軸受けハウジング16によりフレーム17に対し回転自在に支持されている。ブレーキギヤ11は、ワープビームギヤ35に噛み合う位置で、ニードル軸受け18、一方向回転伝達装置(ワンウェイクラッチ)13、スリーブ19およびスリーブ19のキー22を介在させながらブレーキ軸14の先端に取り付けられている。
つぎに、制動装置10は、軸受けハウジング16に取り付けられた複数の支柱20、これらの支柱20により回り止め状態で支持されたブレーキ円板23、このブレーキ円板23を挟み込むように対向する一対のブレーキデイスク25、およびブレーキばね27により構成されている。一対のブレーキデイスク25は、ブレーキ軸14に対してスプラインなどにより回り止めされ、軸方向に移動可能に支持されており、外周のブレーキライニング24によりブレーキ円板23の面に摩擦的に接することによって、ブレーキ軸14に制動力を作用させる。
また、ブレーキばね27は、コイル状であり、ブレーキ軸14に通され、先端でブレーキばね27側のブレーキデイスク25に当接し、後端でブレーキ軸14に挿入されたばね受け28に当接している。ばね受け28はブレーキ軸14の雄ねじ29にねじ込まれた調節ナット26によりブレーキばね27を圧縮し、ブレーキ円板23と一対のブレーキライニング24との間に必要な制動力に対応する摩擦力を発生させる。なお、一方向回転伝達装置(ワンウェイクラッチ)13側のブレーキデイスク25は、受けリング30により玉軸受け15に当たる。このようにして、制動装置10は、ブレーキ円板23と一対のブレーキライニング24との間の摩擦力によって必要な制動力を発生する。
上記の構成によって、ブレーキギヤ11は、ニードル軸受け18によりブレーキ軸14に対して回転自在であるが、一方向回転伝達装置(ワンウェイクラッチ)13の一方向のみの回転伝達機能のために、ワープビームギヤ35の反送り出し方向の回転(逆転)を許容するものの、送り出し方向の回転(正転)に対してブレーキ軸14と一体に回転し、経糸張力Tに抗するように制動装置10の制動力を作用させる。このように一方向回転伝達装置13は、ワープビーム2の回転軸21と制動力緩和手段12との間に介在し、ワープビーム2の送り出しの回転方向に対して制動装置10の制動力を作用させ、送り出しと逆の回転方向つまり経糸張力Tに抗する方向の回転に対してのみ制動装置10の制動力を作用させないことになる。
この結果、製織中に、開口運動や筬打ちにより経糸張力Tが急激に変動し、この張力変動がワープビーム2に対する大きな加振力となっても、ワープビーム2の送り出し方向の回転に対して、ウォーム歯車機構(ウォーム34およびこれに噛み合うウォームホイールによるワープビームギヤ35)の逆止め機能(セルフロック機能)により得られる制動力と制動装置10の制動力との和の制動力によって、ワープビーム2は振動回転を誘発しなくなる。このため織り段発生が未然に防止できる。
また、ワープビーム2の逆転(反送り出し方向の回転)時に、制動力緩和手段12としての一方向回転伝達装置(ワンウェイクラッチ)13はワープビーム2の逆転(反送り出し方向の回転)を許容するから、制動装置10の制動力は、ワープビーム2の逆転(反送り出し方向の回転)に対して作用せず、殆ど0になって緩和される。このため、制動装置10が設けられていても、ワープビーム2の逆転時での駆動装置3の負荷は増大せず、送り出し方向の回転の負荷より軽減されることになる。
この結果、後述の〔ウォーム歯車(ウォームギヤ)機構による送り出し駆動の説明〕に記載の通り、駆動装置3が同じ容量(同じ制動力)でも、制動装置10に制動力緩和手段12として一方向回転伝達装置(ワンウェイクラッチ)13を組み込むことによって、駆動装置3の必要トルクに余裕がでるので、簡素な構成により、経糸張力や打ち込み密度範囲等の使用条件範囲が広がり、織機の汎用性が向上する。また、使用条件範囲を広げる代わりに、1ランク小さい容量(駆動力)の駆動装置3を採用することもでき、これにより装置のコストダウンを図ることができる。
図示の例によると、制動力緩和手段12としての一方向回転伝達装置(ワンウェイクラッチ)13が制動装置10と回転軸21との間に介在しているが、一方向回転伝達装置(ワンウェイクラッチ)13は、ブレーキディスク25とブレーキ軸14との間に組み込むこともできる。また、一方向回転伝達装置13は、ワンウェイクラッチでなく、電磁クラッチとして構成することもできる。電磁クラッチで構成するときには、織機の制御と連動して、あるいは人為的に、制動の必要なときに励磁し、逆転など不必なときに、励磁を解除し、フリーな状態に設定することになる。
〔実施形態2(図3)〕
実施形態2は、図3のように、ワープビーム2を支える回転軸21の位置に制動装置10および制動力緩和手段12を組み込んだ例である。図3で、制動力緩和手段12としての一方向回転伝達装置(ワンウェイクラッチ)13は、回転軸21の外径部分に挿入されており、回転軸21の逆転時に空転する。また制動装置10としての滑り軸受け41は、一方向回転伝達装置(ワンウェイクラッチ)13と織機フレーム42との間に設けられており、滑り軸受け内輪43と滑り軸受け外輪45の間の摩擦(摺動抵抗)により制動力を発生する。この場合、回転軸21の直径が大きいほど、摩擦力が上がるため、制動力は強くなる。
ワープビーム2の送り出し方向の回転(正転)時には、回転軸21と滑り軸受け内輪43とが共に回転し、滑り軸受け41によりワープビーム2に制動力が作用する。これに対して、ワープビーム2の反送り出し方向の回転(逆転)時には、回転軸21のみが回転するので、ワープビーム2に制動力は作用しない。
〔実施形態3(図4)〕
実施形態3は、実施形態1(図2)において、一方向回転伝達装置13としてワンウェイクラッチを用いる代わりに、図4のように、一対のブレーキディスク25とブレーキギヤ11との間のブレーキ軸14に、ねじりコイルばね45を介在させた例である。ねじりコイルばね45は、ブレーキ軸14の外周面に沿って巻き付けられ、一端でブレーキ軸14に固定され、他端でブレーキギヤ11のボス部分に固定されている。
ワープビーム2の送り出し方向の回転時には、ブレーキギヤ11がねじりコイルばね45をねじる方向に回転するため、ねじりコイルばね45は、ねじりきるとまたは所定の回転量にだけ回転すると、ブレーキギヤ11の回転をブレーキ軸14に伝達する。この結果、ワープビーム2の送り出し方向の回転時に、制動装置10の制動力はワープビーム2に作用する。
これに対して、ワープビーム2の反送り出し方向の回転時には、ブレーキギヤ11がねじりコイルばね45のねじりを戻す(開放)方向に回転するため、ねじりコイルばね45はその付勢力をブレーキギヤ11に作用させながら回転する。この時、ブレーキディスク25には、ブレーキギヤ11の回転が伝達されないため、制動装置10の制動力はワープビーム2に付与されない。なお、逆転時の回転量を、制動力を超えない程度(逆回転にブレーキディスク25が回転しない程度)とするか、または制動力を超えない程度すなわち逆転量に対応した十分なねじり量を持つように、ねじりコイルばね45のばね定数を決定する。
〔実施形態4(図5および図6)〕
実施形態4は、実施形態3(図4)において、ねじりコイルばね45を用いる代わりに図5および図6のように、圧縮コイルばね46、ブレーキ側連結部材47およびギヤ側連結部材48を用いた例である。ブレーキ側連結部材47はブレーキ軸14に固定されており、ギヤ側連結部材48はブレーキギヤ11に固定されている。またブレーキ側連結部材47とギヤ側連結部材48とは、圧縮コイルばね46を介して互いに連結されている。
ワープビーム2の正転には、ブレーキギヤ11は圧縮コイルばね46を圧縮する方向に回転する。ブレーキギヤ11が回転し、圧縮コイルばね46が圧縮しきると、または圧縮コイルばね46の圧縮力が制動装置10の制動力相当の圧縮量になると、ブレーキディスク25にブレーキギヤ11の回転が伝達され、ワープビーム2に制動装置10の制動力が作用する。
ワープビーム2の逆転時には、ブレーキギヤ11は、圧縮コイルばね46を解放する方向に回転する。これによって圧縮コイルばね46はブレーキギヤ11に付勢力を作用しながら回転する。この時、ブレーキディスク25には、ブレーキギヤ11の回転が伝達されないため、制動装置10の制動力はブレーキギヤ11に付与されない。なお逆転時の回転量を制動力を超えない程度(逆回転にブレーキディスク25が回転しない程度)とするか、制動力を超えない程度にすなわち逆転量に対応した十分なねじり量を持つように圧縮コイルばね46のばね定数を決定する。
〔実施形態5(図7)〕
実施形態5は、実施形態1(図2)において、一方向回転伝達装置13としてのワンウェイクラッチを用いる代わりに、図7のように、一対のブレーキディスク25の間に挟まれているブレーキ円板23を所定の範囲で回転できるようにする例である。図7で、ブレーキ円板23は、円周方向の長孔による取り付け孔49によって支柱20に挿入され、支持されているため、取り付け孔49としての長孔の範囲でのみ一対のブレーキディスク25とともに回転できるようになっている。
ワープビーム2の正転時には、ブレーキ軸14が回転することによって、一対のブレーキディスク25およびこれらに挟まれているブレーキ円板23が共回りするが、ブレーキ円板23の取り付け孔49つまり長孔の一端が支柱20に当たると、ブレーキ円板23は停止し、これに対し一対のブレーキディスク25が摩擦力を作用させながら回転するため、制動装置10は、その制動力をワープビーム2に作用させる。
ワープビーム2の逆転時には、ブレーキ軸14が回転させられるが、一対のブレーキディスク25およびこれらに挟まれているブレーキ円板23が共回りし、ブレーキ円板23の取り付け孔49つまり長孔の他端が支柱20に当たると、ブレーキ円板23は停止する。このように、ブレーキ円板23の取り付け孔(長孔)49と支柱20とが当接するまで、制動装置10は、制動力が作用させない。なお、ワープビーム2の逆転時の回転量は、ブレーキ円板23の取り付け孔49が支柱20に当たるまで(逆回転に制動力を作用させない程度)とし、それ以上は逆転させないものとする。よって、この実施形態5は、機械式の駆動装置、例えば経糸張力Tに応じて変速比を変える変速機を備えた機械式の駆動装置3に適用される。電動式の駆動装置3では専用モータ32により何度も逆転させる場合があるため、駆動装置3での逆転量を制限したり、取付け孔49の形成範囲を広くすることで適用される。
〔ウォーム歯車(ウォームギヤ)機構による送り出し駆動の説明〕
前記のように、ワープビーム2の送り出し方向の回転(正転)駆動は、経糸張力Tに抗する制動力を作用させるために、負荷方向と回転方向とが同一となる経糸張力Tに対する制動緩め駆動となる。このため、一般にこの送り出し駆動にウォームギヤが多く使用されている。ウォームギヤ(ウォーム34およびウォームホイールのワープビームギヤ35)は経糸9の送り出し時にワープビーム2が空回りしないように常にワープビーム2に制動力を付与している。ワープビーム2の正転時での駆動装置3に必要なトルクは、このウォームギヤ(ウォーム34およびウォームホイールのワープビームギヤ35)による制動力の大きさすなわち経糸張力Tの大きさに左右される。
一般にウォームギヤを用いた送出の場合、ウォームギヤに接続された専用モータ32の経糸張力Tに対する正転時の必要モータトルクTFと逆転時の必要なモータトルクTRはTF<TRの関係になる。また、それらの比TR/TF=3〜4(進み角10°以下の場合)である。これは、制動装置10がなくとも逆転時のモータトルクTRは正転時の3〜4倍必要とすることを示しており、逆転時の必要なモータトルクTRを減らすことが課題になる。
従来は、逆転時のモータトルクTRを稼ぐため専用モータ32の減速比を大きくしているが、弊害として減速比が大きいと、ワープビーム2の最高回転数が低くなり、粗密度製織に対応できない。また粗密度に対応させようとすると、高い経糸張力Tに対応できなくなる。また、ワープビーム2の外径が大きい時や、経糸張力Tが高い時は、ワープビーム2の駆動装置3の必要トルクが大きくなるが、上記のウォームギヤを用いた織機の経糸送り出し装置1に制動装置10を設けた場合、ワープビーム2の正転時には、ウォームギヤ制動力が制動装置10の制動力(以下、ワープビーム制動力という。)によって、一部負担されるため、ワープビーム2の正転時での駆動装置3の必要トルクは、(経糸張力T)−(ワープビーム制動力B)に対応したトルクになる。
しかし、ワープビーム2の逆転時には、正転時とは逆に(経糸張力T)+(ワープビーム制動力B)に打ち勝つトルクによりワープビーム2を回転させなければならない。よってワープビーム2の逆転時の必要トルクは、(経糸張力T)+(ワープビーム制動力B)に対応したトルクになる。このため駆動装置3の容量選定はワープビーム2の逆転時の必要トルクで決定されることになり、本来必要十分なトルクすなわちワープビーム2の正転時の必要トルクに対し大きな容量の専用モータ32を選定しなくてはならなくなる。またこのために本来のトルクが生かせずに、許容経糸張力や打ち込み密度範囲(1インチあたりの緯入れ本数であり、小さい(粗い)ほどワープビームを速く回転させる必要がある。)等の使用条件範囲が制限されてしまう。
本発明は、前記のように、電動式の駆動装置3に限らず、機械式の駆動装置3にも利用できる。また、制動措置10は送り出し全期間に渡って制動を作用させてもよいし、製織中に製織条件を変更する織機において、織段が発生しやすい、またはワープビーム2が振動しやすい製織条件でのみ制動装置10によって制動を作用させてもよい。さらに伝達装置5に対して制動装置10による制御を作用させてもよい。詳細には駆動シャフト33間にワンウェイクラッチに接続された駆動装置10により制動力を作用させてもよい。ただしこの場合は、ウォームギヤを用いずに、制動機能を備えた専用モータを用いた場合に適用できる。
織機の経糸送り出し装置1の側面図である。 実施形態1による織機の経糸送り出し装置1の要部の断面図である。 実施形態2による織機の経糸送り出し装置1の要部の模型的な説明図である。 実施形態3による織機の経糸送り出し装置1の要部の模型的な説明図である。 実施形態4による織機の経糸送り出し装置1の要部の模型的な説明図である。 図5でのAの矢印方向から見た要部の説明図である。 実施形態5による織機の経糸送り出し装置1の要部(ブレーキ円板23)の模型的な説明図である。
1 織機の経糸送り出し装置
2 ワープビーム
3 駆動装置
4 駆動源
5 伝達装置
10 制動装置
11 ブレーキギヤ
12 制動力緩和手段
13 一方向回転伝達装置
14 ブレーキ軸
21 回転軸
23 ブレーキ円板
25 ブレーキディスク
27 ブレーキばね
32 専用モータ
33 駆動シャフト
34 ウオーム
35 ワープビームギヤ
45 ねじりコイルばね
46 圧縮りコイルばね
47 取り付け孔
50 ギヤ
51 ギヤ
52 回転軸

Claims (1)

  1. 回転の駆動源(4)と、駆動源(4)の回転をワープビーム(2)に伝達する伝達装置(5)とからなる駆動装置(3)を備え、駆動装置(3)は経糸張力に抗する制動力をワープビーム(2)に作用させつつワープビーム(2)を送り出し方向および反送り出し方向に回転させる織機の経糸送り出し装置(1)において、
    駆動装置(3)の制動力とは別に、ワープビーム(2)に制動力を作用させる制動装置(10)を設け、
    前記制動装置(10)は、ワープビーム(2)の反送り出し方向の回転時に制動装置(10)の制動力を緩和させる制動力緩和手段(12)を備え、
    前記制動力緩和手段(12)は、制動装置(10)とワープビーム(2)の回転軸(21)との間に介在する一方向回転伝達装置(13)により構成されることを特徴とする織機の経糸送り出し装置(1)。
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